JPH0627441A - 液晶デバイス - Google Patents

液晶デバイス

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Publication number
JPH0627441A
JPH0627441A JP10807692A JP10807692A JPH0627441A JP H0627441 A JPH0627441 A JP H0627441A JP 10807692 A JP10807692 A JP 10807692A JP 10807692 A JP10807692 A JP 10807692A JP H0627441 A JPH0627441 A JP H0627441A
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JP
Japan
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liquid crystal
group
polymer
crystal device
cyanoalkyl
Prior art date
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Application number
JP10807692A
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English (en)
Inventor
Shoji Sakamoto
昭二 坂本
Makiko Yamaura
真生子 山浦
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Nippon Kasei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kasei Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 液晶層がシアノアルキル基を有する高分子微
粒子と液晶材料を主成分とし、該高分子微粒子が液晶材
料中に島状に分散していることを特徴とする液晶デバイ
ス。 【効果】 誘電率の高い微粒子が液晶中に島状に分散し
ているので、しきい値が低く、電圧印加前後のコントラ
ストの大きい、外観及び機能共に優れた液晶デバイスが
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は少なくとも一方が2枚の
電極間に液晶層を有する液晶デバイスにおいて、液晶層
がシアノアルキル基を有する高分子微粒子と液晶材料を
主成分とする組成物からなる液晶デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶デバイスは情報表示装置、調光装
置、光シャッターとして広く使われている。液晶を透明
電極基板間に挟持した表示素子として、一般に使用され
ているのは、ツイステットネマテイック(TN)方式の
液晶装置である。しかし、この方式の液晶デバイスは配
向膜や偏向膜を必要とするため、光透過性が悪く、暗く
なり、製造行程も複雑で歩止まりが悪い等の欠点があ
る。
【0003】これらの問題点を改善するため、特公表昭
58-501631 に高分子マトリックス中に液晶滴を分散した
液晶デバイスが開示され特開昭54-21859には液晶中に透
明固体の微粒子を分散させたデバイスが開示されてい
る。また、特開平2-205821と特開平2-280122に無機物質
からなる微粒子を液晶中に分散した液晶デバイスが検討
されている。これらの液晶デバイスは、構造的にはTN
方式に比較し簡単なものになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの液晶デバイス
を性能の面から評価した場合、次のような問題点があ
る。
【0005】高分子マトリックス中に液晶を分散した液
晶高分子複合膜においてはその製造法に溶剤乾燥法、光
重合法など種々の方法がある。溶剤乾燥法では高分子と
良溶媒及び液晶を均一溶液とし導電性ガラス電極上にコ
ートし、その後溶剤を乾燥する。この乾燥条件により大
面積の場合、乾燥条件にムラができる。また塗膜の表面
が先に乾燥し、内部は遅くなる。液晶は溶剤が蒸発する
に従って高分子との層分離を起こし、微粒子を形成す
る。この微粒子の粒径は、相分離が遅いほど大きくなる
傾向があり、相分離の速度に依存する。
【0006】以上の理由から、複合膜の厚さ方向、平面
方向に乾燥速度のばらつきに起因する液晶粒径のムラが
起き易く、外観ムラやコントラスト等の性能的な均一性
が得られ難い。また光重合法の場合には、大面積のデバ
イスを作成しようとすると、光源の形状に起因して、被
照射面で紫外線強度が不均一になり、重合速度にムラが
でき、液晶粒径も塗膜の場所により異なる。従って外観
上のムラと、コントラスト上の性能的なムラが発生し易
い。
【0007】更に微粒子分散型の液晶デバイスでは微粒
子が無機物の場合、液晶と微粒子を混合し、液晶層を形
成する行程で、液晶層内で微粒子は、液晶との比重差が
大きいため、沈降したりして、層内で、均一な分散状態
を形成しない。また、液晶との屈折率の差が大きいた
め、電圧印加時に透明にならない。微粒子が一般の高分
子の場合、粒子の誘電率が小さいため、液晶層にかかる
電圧が低くなり、液晶を充分に電界方向に向けることが
できない。かかる理由により、これらの液晶デバイスで
は低電圧で充分な光の透過率が得られない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶デバイスは
少くとも一方が透明な2枚の電極間に液晶層を有する液
晶デバイスにおいて、液晶層がシアノアルキル基を有す
る高分子微粒子と液晶材料を主成分とする組成物からな
り、該高分子微粒子が島状に分散していることを特徴と
する。
【0009】このように高分子微粒子として好ましくは
25℃、1KHzの条件で誘電率が10以上のシアノアルキ
ル基を有する高分子微粒子を用いることにより、液晶に
印加される電圧を上げ、デバイスの駆動電圧を下げるこ
とができた。
【0010】通常の高分子の誘電率が2〜5であるのに
対して、本発明において、使用されるシアノアルキル基
を含有する高分子は好ましくは10〜40の誘電率を示す。
これにより、液晶へ印加される電圧は大幅に上昇する。
【0011】本発明においてシアノアルキル基はシアノ
アルコキシアルキル基をも含むものとする。
【0012】本発明において使用されるシアノアルキル
基を有する高分子微粒子は、以下の原料より製造され
る。原料としては、シアノアルキル基を有するアクリル
酸エステル誘導体、メタクリル酸エステル誘導体、シア
ノアルコキシアルキル基を有するアクリル酸エステル誘
導体、メタクリル酸エステル誘導体、またはシアノアル
キル基を有するアクリル酸アミド誘導体、メタクリル酸
アミド誘導体やシアノアルキル基およびビニロキシカル
ボニルメチル基を有する化合物、シアノアルコキシ基お
よびビニロキシカルボニルメチル基を有する化合物、シ
アノアルキル基およびシンナモイル基を有する化合物、
シアノアルコキシ基およびシンナモイル基を有する化合
物、シアノアルキル基およびエポキシ基を有する化合
物、シアノアルコキシ基およびエポキシ基を有する化合
物、シアノアルキル基およびビニル基を有する化合物、
シアノアルコキシ基およびビニル基を有する化合物等が
あげられ、これらの化合物は、低分子量のモノマーや、
オリゴマーでも、高分子でもよい。
【0013】以下に詳細に本発明に使用されるシアノア
ルキル基を有する化合物を説明する。
【0014】本発明において高分子を形成する化合物は
少なくとも1個以上の重合性官能基及び少くとも1個以
上のシアノアルキル基を有する化合物である。これらの
化合物としてはどのような方法で製造されてもよい。シ
アノアルキル基は分子内の分極が大きく、これを含有す
る化合物は高い誘電率を示す。
【0015】このような化合物としてシアノアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体、シアノア
ルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル誘導体又はシアノアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸アミド誘導体等が好ましい。以後本発明において、
(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を指
す。
【0016】更に水酸基含有化合物(水酸基を2個以上
含有)をシアノアルキル基及び官能基で置換した化合物
が好ましく使用される。かかる水酸基含有化合物として
は多価アルコール、炭素数4以上60以下の単糖類、オリ
ゴ糖(分子量1600未満)、炭素数61以上の水酸基含有天
然高分子、水酸基含有化学修飾高分子、水酸基含有合成
高分子が好ましい。
【0017】多価アルコールとしてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、トリエチレングリコール等があ
げられ炭素数4以上60以下の単糖類としては、エリスリ
トール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、
ガラクチトール等の鎖状糖アルコール、イノシトール等
の環状糖アルコール、メチルグルコシド、メチルマンノ
シド等の環状還元糖アセタールなどが用いられ、オリゴ
糖としてはサッカロース、マルチトール等の2糖類、
α,β,γ−シクロデキストリン等の3〜10糖類が含ま
れる。炭素数61以上の水酸基含有天然高分子としてグル
コースを構成糖とするデンプン、セルロース、プルラ
ン、デキストラン、マンノースとガラクトースを構成糖
とするグァーガム、タラガム等の多糖類(分子量1600以
上)が例示される。水酸基含有化学修飾天然高分子とし
てはヒドロキシエチルセルロース、ジヒドロキシエチル
スターチ等の天然多糖を化学修飾した高分子が示され、
水酸基含有合成高分子としてはポリビニルアルコール
(ポバール)、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物
(エバール)等が好ましく用いられる。
【0018】シアノアルキル基、および官能基は1個以
上であればよく、その置換率(シアノアルキル基もしく
は官能基により置換された水酸基のモル数を全水酸基の
モル数で割った値)は任意に選ばれる。シアノアルキル
基置換率は10〜95%が好ましく、官能基の置換率は5〜
50%が好ましい。またシアノアルキル基、官能基の種々
の置換率を有する化合物の混合物であってもよい。
【0019】シアノアルキル基としてはシアノエチル基
が好ましい。
【0020】本発明で使用されるシアノアルキル基と官
能基を有する化合物は、例えば水酸基含有化合物とアク
リロニトリルを塩基性触媒の存在下にてマイケル付加反
応によりシアノエチル化する。このシアノエチル化され
た水酸基含有化合物はついで官能基によって置換され
る。又はその逆に官能基により置換された後シアノアル
キル化してもよい。官能基としてアクリロイル基、メタ
クリロイル基、ビニロキシカルボニルメチル基、アクリ
ルアミド基、エポキシ基、ビニル基、が例示され、次の
ように分類される。
【0021】(1)官能基が(メタ)アクリロイル基の
場合 上述の水酸基含有化合物、すなわち多価アルコール、炭
素数4以上60以下の単糖類、オリゴ糖、炭素数61以上の
水酸基含有天然高分子、水酸基含有修飾高分子、水酸基
含有合成高分子が用いられ、これらの水酸基含有化合物
にアクリロニトリルを塩基性触媒の存在下、マイケル付
加反応によりシアノエチル化物を合成し、該化合物に残
存する水酸基と(メタ)アクリル酸クロライドを塩基触
媒下でエステル化して得られる。又、水酸基含有(メ
タ)アクリレートとジイソシアネートを用いたアクリロ
イル化でも良い。これらの化合物として(メタ)アクリ
ロイル化シアノエチル化されたソルビトール、キシリト
ール、サッカロース、プルラン、グアゴム、ポバール、
エバール等が例示される。これらの具体的な製法は特願
平2-208771号に開示されている。
【0022】更に(メタ)アクリル酸とアクリロニトリ
ルを塩基触媒の存在でマイケル付加してシアノエステル
化した2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−
(2−シアノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、
2−[2−(2−シアノエトキシ)エトキシ]メチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−シ
アノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2,3
−ジ(2−シアノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレ
ート等のシアノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸
エステル誘導体、シアノアルコキシアルキル基を有する
メタアクリル酸誘導体が例示される。これらの化合物の
具体的な製法は特開平1-200595号に開示されている。
【0023】(2)官能基がシンナモイル基の場合 上述の水酸基含有化合物をシアノアルキル化後、メタア
クリロイル基の代わりにシンナモイルクロライドを用い
てエステル化反応により合成される。これらの化合物と
してはシアノエチル化シンナモイル化サッカロース、シ
アノエチル化シンナモイル化プルラン等が例示される。
【0024】(3)官能基がビニロキシカルボニルメチ
ル基の場合 上述の水酸基含有化合物をシアノアルキル化後、メタア
クリロイル基の代わりにビニロキシカルボニルメチル化
を行う。ビニロキシカルボニルメチル化は例えばN,N
−ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル等
の溶媒中でDBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]−7−ウンデセン)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ムの存在下でクロロ酢酸ビニルを反応させることにより
得られる。
【0025】これらの化合物としては、ヒドロキシカル
ボニルメチル化シアノエチルアルコール、ヒドロキシカ
ルボニルメチル化シアノエチル化キシリトール、ヒドロ
キシカルボニルメチル化シアノエチル化サッカロール、
ヒドロキシカルボニルメチル化シアノエチル化プルラン
等が例示される。
【0026】(4)官能基がアクリルアミド基の場合 これらの場合としては、(メタ)アクリルアミドやN−
メチロール−(メタ)アクリルアミドをアクリロニトリ
ルのマイケル付加により合成されるN−N−ビス(2−
シアノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチロー
ル−N−シアノエチル(メタ)アクリルアミド等のシア
ノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アミド誘導体
がある。
【0027】(5)官能基がエポキシ基の場合 これらの化合物としては上述の水酸基含有化合物をシア
ノアルキル化後、残存水酸基を水酸化ナトリウムの存在
下エピクロロヒドリンを反応させることにより得られ
る。また、エピクロロヒドリンとエチレンシアノヒドリ
ンとの反応によって合成されるグリシジル−シアノエチ
ルエーテルもこの分類に属する。
【0028】(6)官能基がビニル基の場合 これらの化合物としては上述の水酸基含有化合物をシア
ノアルキル化後、残存する水酸基を酢酸水銀触媒存在下
でアセチレンと反応することにより得られる。
【0029】またアセトアルデヒドのシアノエチルアセ
タールを熱分解することにより得られるシアノエチルビ
ニルエーテルもこの分類に属する。
【0030】これらの官能基は放射線重合、ラジカル重
合、イオン重合により容易に重合され高分子を形成す
る。高分子微粒子を形成するためにはこれをパール重合
や乳化重合で微粒子としてもよいし、塊状重合や溶液重
合で得られた重合物の微粉や粉砕物なども利用される。
シアノアルキル基を有する高分子としては上述のシアノ
アルキル基を有する化合物に通常の重合性化合物として
2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシエチルア
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオー
ルジアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、ウレタンア
クリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアク
リレート、ジエチレンジビニルエーテル等を併用しても
よい。併用の場合は、シアノアルキル基を有する化合物
は50重量%以上を使用し共重合して得られた高分子の誘
電率が10以上であることが好ましい。
【0031】また、ポリビニルアルコール、プルラン、
サッカロース、セルロース、スターチ、グアガム、タラ
ガム、ヒドロキシエチルセルロース、ジヒドロキシエチ
ルスターチ等の合成高分子、天然高分子の水酸基をアク
リロニトリルにてマイケル付加反応によりシアノアルキ
ル化した高分子の微粒子でもよい。
【0032】これらのシアノアルキル基を有する高分子
微粒子は液晶材料に不溶であることが好ましく、架橋さ
れていてもされていなくてもよい。又微粒子の大きさと
しては平均粒径0.01〜5μm が好ましい。またシアノア
ルキル基を有する高分子は単独もしくは混合されて使用
されることができる。
【0033】本発明で使用される液晶は、ネマテイック
液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶が好まし
い。かかる液晶としては、4−置換安息香酸4′−置換
フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸
4′−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサン
カルボン酸4′−置換ビフェニルエステル、4−(4−
置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4′−
置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシ
ル)安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−(4−
置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置換シクロヘキシ
ルエステル、4−置換−4′−置換ビフェニル、4−置
換フェニル−4′−置換シクローキサン、4−置換′−
置換ターフェニル、4−置換ビフェニル4′−置換シク
ロヘキサン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリ
ミジンなどをあげることができる。
【0034】上記のような液晶を上述のシアノアルキル
基を有する高分子微粒子と混合、高分子微粒子を液晶中
に島状に分散させ、これにガラスビーズ等でできたスペ
ーサーを必要に応じ小量混合し、場合によっては、これ
らに溶剤を加えるなどして、電極表面に塗布され、その
上に対電極を張り合わせるかまたは溶剤を乾燥後同様に
電極を張り合わせて、コンデンサー状の液晶デバイスが
製造される。
【0035】液晶とシアノアルキル基を有する高分子微
粒子の混合割合は好ましくは液晶 100重量部に対し高分
子微粒子10〜90重量部が用いられる。
【0036】本発明で使用される電極は、少なくとも一
方が透明であり、ガラスやプラスチックフィルムの表面
がインジウムと錫の酸化物でコートされた物が好ましく
使用される。
【0037】また、本発明では、上記材料を用いた液晶
デバイスに対して、さらに以下の様な改良を加えた液晶
デバイスの発明も含む。すなわち、液晶とシアノアルキ
ル基を有する高分子微粒子およびスペーサーからなる組
成物に対して、熱または光により硬化可能な接着剤を添
加し、本接着剤が硬化する際に、該高分子微粒子同志を
接着結合させ液晶層の高分子微粒子の分散安定性をさら
に向上させたデバイスを提供するものである。
【0038】本発明で使用される接着剤は、該液晶に可
溶であるものが好ましい。例としては以下のようなもの
があげられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂など、光硬化性樹脂と
しては、アクリル酸エステル類と光開始剤からなるラジ
カル重合性組成物やエポキシ樹脂やビニルエーテルと光
カチオン開始剤からなるカチオン硬化系の樹脂が好まし
く用いられるが本発明では、これに限定されるものでは
ない。また、この接着剤として、本発明で微粒子用とし
て用いられるシアノアルキル基を有する重合性化合物を
用いることにより、液晶に印加できる電圧は一層上昇
し、本発明の目的に好ましい。接着剤は一般にシアノア
ルキル基を有する高分子微粒子 100重量部に対し10〜50
重量部使用される。
【0039】以下、実施例により、本発明を説明する。
【0040】
【実施例】
実施例1 シアノアルキル基を有する高分子微粒子として、2−シ
アノエトキシエチルアクリレート20部とトリメチロール
プロパントリアクリレート2部よりなる共重合体粉末
0.5gとスペーサーとして粒径10μm のガラスビーズ0.0
1gをBDH社液晶E−8の 0.5g中に分散させた。こ
れをITO蒸着した透明導電性ガラスに滴下し、この上
に同じ透明導電性ガラスをのせて液晶デバイスを、試作
した。
【0041】上記共重合体粉末は以下のようにして製造
した。
【0042】攪はん機、還流冷却器、温度計を取り付け
た4口フラスコに完全けん化ポリビニルアルコール(重
合度1700,酢酸基1mol %、酢酸ソーダ2重量%)10重
量%水溶液75g、および蒸留水87gを加え、液温を70℃
とし、滴下ロートよりモノマーを滴下し始め、3時間で
滴下を終了した。モノマー滴下開始と同時に 4.5重量%
の過酸化水素水10ml、酒石酸 0.5gを含む水溶液10mlを
3時間で滴下した。滴下終了後も1時間同じ温度に保っ
た後、冷却し、乳濁液を水で洗浄し、ろ過後乾燥した。
沈降分離により粒子径1μm 以下(平均 0.5μm)のビー
ズを採取した。この共重合体の誘電率は25℃,1kHz に
おいて20であった。これを液晶デバイスの試作に使用し
た。
【0043】この液晶デバイスに50Hzの電圧を印加し電
圧を上げた場合の光透過率の変化を調べた。光透過率測
定には吸光光度計を使用し555nm の波長で測定した。
【0044】電圧印加前の光透過率は5%で、しきい値
は7Vで立ち上がり後の光透過率は80%であった。
【0045】実施例2 シアノアルキル基を有する高分子微粒子としてシアノエ
チル化アクリルアミド20部とヘキサンジオールジアクリ
レート5部よりなる共重合体粉末 0.5gを使用する以外
は実施例1と同様にして液晶デバイスを試作した。
【0046】上記微粒子は以下のようにして製造した。
【0047】攪はん機、還流冷却器、温度計を取りつけ
た4口フラスコに完全けん化ポリビニルアルコール(重
合度1700,酢酸基1mol %,酢酸ソーダ2重量%)10重
量%水溶液75g,および蒸留水90gを加え、液温を70℃
とし、滴下ロートよりモノマーを滴下し始め、3時間で
滴下を終了した。モノマー滴下開始と同時に2重量%の
過硫酸アンモニウム10ml、亜硝酸ソーダ 0.5gを含む水
溶液を10mlを3時間で滴下した。滴下終了後も1時間同
じ温度に保った後、冷却し、乳濁液を水で洗浄し、ろ過
後乾燥した。沈降分離により粒子径1μm 以下(平均0.
5 μm )のビーズを採取した。この共重合体の誘電率は
17.1であった。これを液晶デバイスの試作に使用した。
【0048】この液晶デバイスに実施例1と同様に50Hz
の電圧を印加し、電圧を上げた場合の光透過率の変化を
調べた。電圧印加前の光透過率は6%で、しきい値は8
V で、立ち上がり後の光透過率は75%であった。
【0049】実施例3 シアノアルキル基を有する高分子微粒子としてシアノエ
チルビニルエーテル20部とジエチレングリコールジビニ
ルエーテル1部よりなる共重合体粉末0.5 gを使用する
以外は実施例1と同様にして液晶デバイスを試作した。
【0050】上記微粒子は以下のようにして製造した。
【0051】上記のモノマーに旭電化社製のカチオン光
開始剤SP−170 を2%添加し、ガラス板に0.1mm の厚
さに塗り、4kwのメタルハライドランプ下10cmにて10秒
間照射し、硬化した。この硬化物を3本ロールにて粉砕
した。
【0052】沈降分離により粒子径1μm 以下(平均0.
5 μm )の微粒子を採取した。この共重合体の誘電率は
19.5であった。これを液晶デバイスの試作に使用した。
【0053】この液晶デバイスを実施例1と同様に50Hz
の電圧を印加し、電圧を上げた場合の光透過率の変化を
調べた。電圧印加前の光透過率は6%で、しきい値は10
V で立ち上がり後の光透過率は76%であった。
【0054】実施例4 シアノアルキル基を有する高分子微粒子としてビニロキ
シカルボニルメチル化シアノエチルアルコール20部とビ
ニロキシカルボニルメチル化シアノエチルサッカロース
1部よりなる共重合体粉末0.5 gとBFH社液晶E−70
を0.5 gとスペーサとして粒径10μm のガラスビーズ0.
01gを混合した。これをITO蒸着した透明導電性ガラ
スに滴下し、この上に同じ透明導電性ガラスをのせて液
晶デバイスを試作した。
【0055】上記微粒子は、実施例1と同様に製造し、
沈降分離により粒子径1μm 以下(平均0.48μm )の微
粒子を採取した。この共重合体の誘電率は20.5であっ
た。これを液晶デバイスの試作に使用した。
【0056】この液晶デバイスに実施例1と同様に50Hz
の電圧を印加し、電圧を上げた場合の光透過率の変化を
調べた。電圧印加前の光透過率は3%で、しきい値は8
V で立ち上がり後の光透過率は78%であった。
【0057】実施例5 シアノアルキル基を有する高分子微粒子としてシアノエ
チル化アクリルアミド20部とトリメチロールプロパント
リアクリレート1部よりなる共重合体粉末 0.5gとメル
ク社液晶E−207 を 0.5gとスペーサとして粒径10μm
のガラスビーズ0.01gを混合した。これをITO蒸着し
た透明導電性ガラスに滴下し、この上に同じ透明導電性
ガラスをのせて液晶デバイスを試作した。
【0058】上記高分子微粒子は以下のようにして製造
した。
【0059】上記のモノマーに、メルク社製の光開始剤
ダロキュア1173を2%添加し、ガラス板に0.1mm の厚さ
に塗り、4kwのメタルハライドランプ下10cmにて10秒間
照射し、硬化した。この硬化物を3本ロールにて粉砕し
た。
【0060】沈降分離により粒子径1μm 以下(平均0.
64μm )のビーズを採取した。この共重合体の誘電率は
18.2であった。これを液晶デバイスの試作に使用した。
【0061】この液晶デバイスに実施例1と同様に50Hz
の電圧を印加し電圧を上げた場合の光透過率の変化を調
べた。電圧印加前の光透過率は10%で、しきい値は7V
で立ち上がり後の光透過率は82%であった。
【0062】実施例6 シアノアルキル基を有する高分子微粒子として、アクリ
ロイル化シアノエチルサッカロース20部と2−シアノエ
トキシエチルアクリレート10部よりなる共重合体粉末0.
5 gとBDH社液晶E−7を0.5 gとスペーサとして粒
径10μm のガラスビーズ0.0 1gを混合した。これをI
TO蒸着した透明導電性ガラスに滴下し、この上に同じ
透明導電性ガラスをのせて液晶デバイスを試作した。
【0063】上記微粒子は実施例1と同様に製造し、沈
降分離により粒子径1μm 以下(平均0.45μm)のビーズ
を採取した。この共重合体の誘電率は21.4であった。こ
れを液晶デバイスの試作に使用した。
【0064】この液晶デバイスに実施例1と同様に50Hz
の電圧を印加し、電圧を上げた場合の光透過率の変化を
調べた。
【0065】電圧印加前の光透過率は3%で、しきい値
は8Vで立ち上がり後の光透過率は69%であった。
【0066】比較例1 高分子微粒子として、エトキシジエチレングリコールア
クリレート20部とトリメチロールプロパントリアクリレ
ート5部よりなる共重合体粉末 0.5gとBDH社液晶E
−7を 0.5gとスペーサとして粒径10μm のガラスビー
ズ0.01gを混合した。これをITO蒸着した透明導電性
ガラスに滴下し、この上に同じ透明導電性ガラスをのせ
て液晶デバイスを試作した。
【0067】上記微粒子は以下のようにして製造した。
【0068】攪はん機、還流冷却器、温度計を取り付け
た4口フラスコに完全けん化ポリビニルアルコール(重
合度1700,酢酸基1mol %,酢酸ソーダ2重量%)10重
量%水溶液75g、および蒸留水87gを加え、液温を70℃
とし、滴下ロートよりモノマーを滴下し始め、3時間で
滴下を終了した。モノマー滴下開始と同時に 4.5重量%
の過酸化水素水10ml、酒石酸 0.5gを含む水溶液を10ml
を3時間で滴下した。滴下終了後も1時間同じ温度に保
った後、冷却し、乳濁液を水で洗浄し、ろ過後乾燥し
た。沈降分離により粒子径1μm 以下(平均0.42μm)の
ビーズを採取した。この共重合体の誘電率は3.8 であっ
た。これを液晶デバイスの試作に使用した。
【0069】この液晶デバイスに実施例1と同様に50Hz
の電圧を印加し、電圧を上げた場合の光透過率の変化を
調べた。
【0070】電圧印加前の光透過率は20%で、しきい値
は28Vで立ち上がり後の光透過率は70%であった。
【0071】比較例2 高分子微粒子として、フェノキシエチルアクリレート20
部とトリメチロールプロパントリアクリレート5部より
なる共重合体粉末 0.5gを使用する以外は比較例1と同
様にして液晶デバイスを試作した。
【0072】上記微粒子は比較例1と同様に製造し、沈
降分離により粒子径1μm 以下(平均 0.6μm)のビーズ
を採取した。この共重合体の誘電率は3.0 であった。こ
れを液晶デバイスの試作に使用した。
【0073】この液晶デバイスに実施例1と同様に50Hz
の電圧を印加し、電圧を上げた場合の光透過率の変化を
調べた。
【0074】電圧印加前の光透過率は10%で、しきい値
は38Vで立ち上がり後の光透過率は65%であった。
【0075】比較例3 高分子微粒子の代わりに日本タルク社製、平均粒子径2
μm のタルクK−1を0.3gとBDH社液晶E−8を 0.
5gとスペーサとして粒径10μm のガラスビーズ0.01g
を混合した。これをITO蒸着した透明導電性ガラスに
滴下し、この上に同じ透明導電性ガラスをのせて液晶デ
バイスを試作した。
【0076】これに 100v−50Hzの電圧を印加して光透
過率の変化を調べた。
【0077】電圧印加前の光透過率は2%で、しきい値
は78Vで立ち上がり後の光印加後の光透過率は5%であ
った。
【0078】比較例4 タルクK−1の代わりに富士チタン社製、平均粒子径
1.8μm のチタン酸バリウムを 0.5g使用する以外は比
較例3と同様にして液晶デバイスを試作した。
【0079】この液晶デバイスに50Hzの電圧を印加し、
電圧を上げた場合の光透過率の変化を調べた。
【0080】電圧印加前の光透過率は1%で、 200Vで
の光透過率は1%で変化が認められなかった。
【0081】実施例1〜6、比較例1〜4の光透過率の
変化、しきい値及びコントラスト(電圧印加後の透過率
/電圧印加前の透過率の値)を第1表に一括して示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】本発明の液晶デバイスでは液晶層に誘電
率の高いシアノアルキル基を有する高分子微粒子を液晶
材料に島状に分散させたものを使用することにより、液
晶にかかる電圧を上昇させることができ、しきい値が低
く、コントラストが大きく、外観及び機能ともに優れた
液晶デバイスを得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な2枚の電極間に
    液晶層を有する液晶デバイスにおいて、液晶層がシアノ
    アルキル基を有する高分子微粒子と液晶材料を主成分と
    する組成物からなり、該高分子微粒子が液晶材料中に島
    状に分散していることを特徴とする液晶デバイス。
  2. 【請求項2】 シアノアルキル基を有する高分子微粒子
    が接着剤で固定された請求項1記載の液晶デバイス。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59149321A (ja) * 1983-02-15 1984-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶セル
JPH0346621A (ja) * 1989-07-14 1991-02-27 Toray Ind Inc 液晶装置

Patent Citations (2)

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