JPH06273954A - 電子写真感光体および電子写真方法 - Google Patents

電子写真感光体および電子写真方法

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JPH06273954A
JPH06273954A JP34697293A JP34697293A JPH06273954A JP H06273954 A JPH06273954 A JP H06273954A JP 34697293 A JP34697293 A JP 34697293A JP 34697293 A JP34697293 A JP 34697293A JP H06273954 A JPH06273954 A JP H06273954A
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electrophotographic
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武敏 東
Goji Ota
剛司 大田
Yuzuru Fukuda
讓 福田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電性に優れ、残留電位がなく、繰り返し特
性に優れ、長寿命で高信頼性の、かつ高感度の負帯電型
電子写真感光体を提供する。さらに、オゾンの発生がな
く、長期にわたって高信頼性かつ高速適性を有する電子
写真方法を提供する。 【構成】 導電性支持体上に、少なくとも光導電層およ
び表面層を設けた負帯電用の電子写真感光体であって、
導電性支持体と光導電層の間に0.15乃至10μmの
厚さの電荷注入阻止層を設け、該電荷注入阻止層が水素
および/またはハロゲン元素を含み、かつ不純物元素と
して、ケイ素原子に対して0.01乃至0.65の原子
比の窒素を含むアモルファスシリコンからなり、光導電
層が水素および/またはハロゲンを含むアモルガスシリ
コンを主体としてなることを特徴とする。接触帯電によ
って帯電を行う電子写真方法に好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体、特に
アモルファスシリコンを主体としてなる感光層を有する
電子写真感光体およびそれを用いた電子写真方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在最も一般に行われている電子写真法
では、感光体に非晶質セレン系感光体と有機感光体を用
いたものが使用されている。しかしながら、これらの感
光体では、結晶化や機械的特性また汎色性に欠けるもの
である。近年、電子写真感光体として、アモルファスシ
リコンを主成分とする光導電層を設けた構成のものが提
案されている。このようなアモルファスシリコンを主成
分とする光導電層を設けた感光体は、セレン系感光体や
有機感光体に比べて硬度に優れ、また、熱安定性、化学
的安定性に優れており、高感度の長寿命感光体として期
待されている。このアモルファスシリコンは、両極性の
光導電体であって、電子写真感光体としては、両極帯電
型のものとして、正帯電用としてもまた負帯電用として
も使用することができる。(特開平1−179166号
公報)近年、負帯電型の有機感光体の普及と共に、負帯
電用現像剤を用いたシステムが多く検討され実用化され
てきている。このため、従来、正帯電用感光体として実
用化されてきたアモルファスシリコン感光体が適用でき
ないという問題が発生するようになってきた。
【0003】また、特公昭64−9625号公報、およ
び特公昭64−9625号公報には1〜40原子%の水
素原子を含むアモルファスシリコン光導電性層と光導電
性層と基板との間にあり、水素原子の量が0.25〜3
5原子%、窒素原子の量が25〜55原子%の範囲にあ
るアモルファスシリコン系電荷注入阻止層からなる正帯
電もしくは負帯電用の電子写真感光体が開示されてい
る。ここでは中間層組成はa−(SiX 1-x y :H
1-y で表示した場合に、Xの値は0.43〜0.60の
価になくてはならないことが記載されている。この膜に
おけるN/Si比はXを0.43とした場合に、1.3
2となり、Xを0.60とした場合に0.66となる。
すなわち、ケイ素原子に対して0.66〜1.32の原
子比の窒素原子を含む中間層が開示されている。この中
間層の膜厚は30オングストローム〜1000オングス
トローム(0.003〜0.1μm)の範囲になくては
ならないことも記載されている。中間層としての機能は
電荷ブロッキング性の向上にあるが、電荷ブロッキング
性の向上には膜中の窒素量の減少で対応できるが、窒素
量の低下により感光体の残留電位を向上させる二次障害
が生じる。従って中間層の膜厚を0.1μm以下に設定
しなくては、実用化できない。しかしながら、中間層の
膜厚の減少は、感光体製造時の基板へのダスト付着、特
に0.1μmを越える多くのダストに対応できず、部分
的に光導電性層と基板の直接接触をもたらす。これは光
導電性層への部分的な電荷注入をもたらし、デバイスと
しての欠陥と共に、画質欠陥を引き起こす。従ってこれ
らのダストの問題は感光体製造時の歩留まりに大きく影
響を与えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、長寿命で高信頼性の、かつ高感度のアモルファ
スシリコンを主体とした負帯電用電子写真感光体を提供
することにある。本発明の他の目的は、帯電性に優れ、
残留電位がなく、繰り返し特性に優れ、また、どの様な
操作条件下でも画像ぼけの生じない負帯電型電子写真感
光体を提供することにある。また、更に本発明の目的
は、窒素量の増加と共に膜厚を向上させ、電荷ブロッキ
ング性、感光体歩留まりの向上を同時に達成できる感光
体を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、
オゾンの発生がなく、長期にわたって高信頼性かつ高速
適性を有する電子写真方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の負帯電用電子写
真感光体は、導電性支持体上に、少なくとも光導電層お
よび表面層を設けたものであって、導電性支持体と光導
電層の間に電荷注入阻止層を設け、電荷注入阻止層が水
素および/またはハロゲン元素を含み、かつ導電型を制
御する不純物元素として、ケイ素原子に対して0.01
乃至0.65の原子比の窒素を含むアモルファスシリコ
ンからなり、光導電層が水素および/またはハロゲンを
含むアモルファスシリコンを主体としてなることを特徴
とし、さらに導電性を制御するIII 族元素を含んでいて
もよい。
【0006】本発明の電子写真感光体において、表面層
は、水素および/またはハロゲンを含み、かつ窒素、炭
素および酸素よりなる群から選択された少なくとも1つ
の元素を含むアモルファスシリコンまたはアモルファス
カーボンから構成され、所望に応じてIII 族元素を含
む。また、表面層は、III 族元素を含み、水素および/
またはハロゲンを含み、かつ窒素、炭素および酸素より
なる群から選択された少なくとも1つの元素を含むアモ
ルファスシリコンまたはアモルファスカーボンからなる
層と、炭素、窒素、酸素およびV族元素よりなる群から
選択された1種以上の元素を含み、かつ水素および/ま
たはハロゲンを含むアモルファスシリコンまたはアモル
ファスカーボンからなる層を順次積層した構造を有して
いてもよい。
【0007】本発明の電子写真方法は、上記電子写真感
光体の帯電を接触帯電によって行うことを特徴とするも
のであり、さらに好ましくは現像されたトナー像を圧力
により転写すると同時に定着することを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。図1およ
び2は、それぞれ本発明の電子写真感光体の一例の模式
的断面図である。図中1は導電性支持体、2は電荷注入
阻止層、3は光導電層、4は表面層であり、図2におい
ては、表面層が第1の表面層41と第2の表面層42と
の積層構造を有するものになっている。
【0009】本発明において、導電性支持体としては、
アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、クロム等の金
属及びその合金があげられ、また導電化処理を施した絶
縁性基体よりなるものであってもよい。絶縁性基体とし
ては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド等の高分子
フィルムまたはシート、ガラス、セラミック等があげら
れ、その少なくとも他の層と接触する面は、導電化処理
が施される。導電化処理は、上記金属の他に金、銀、銅
等を蒸着、スパッター、イオンプレーティング法によっ
て付着させることにより実施できる。
【0010】本発明において、導電性支持体の好ましい
ものとしては、一般にオーステナイト系ステンレス鋼と
称されるCr−Ni含有鋼で形成されているものがあげ
られ、さらにまた、これらオーステナイト系ステンレス
鋼よりなる導電性支持体の表面に、少なくともモリブデ
ン、クロム、マンガン、タングステンまたはチタンを主
成分とする導電層を形成させたものが好ましく使用され
る。これらの導電層は、メッキ、スパッタリングまたは
蒸着によって形成することができる。本発明における導
電性支持体は、アルミニウム基板の上にクロム、チタ
ン、タングステンまたはモリブデンを主成分として形成
された導電層を有するものを用いることができる。さら
にまた、モリブデン、タングステンまたはチタンから構
成される導電性支持体を用いることもできる。導電性支
持体は、厚さ0.5〜50mm、好ましくは1〜20m
mの範囲のものが使用される。
【0011】本発明において、導電性支持体は、その表
面が研磨されているものを用いてもよい。すなわち、バ
フ研磨、砥石研磨等により、研磨剤の粗さを粗粒から微
粒に変えながら、繰り返し実施することにより平滑にし
たものを用いることができる。表面の粗さは、Rs で2
Sから0.02Sの範囲であり、好ましくは0.5Sか
ら0.03Sの範囲のものを用いることができる。表面
は、完全に鏡面であっても、またホーニング加工によ
り、曇り状になっていてもよいが、全体としては平滑で
あって、旋盤切削においては、切削ピッチの強界面に凸
状部が残留していないことが必要である。
【0012】導電性支持体上に形成される電荷注入阻止
層は、水素および/またはハロゲン元素を含み、かつ導
電型を制御する不純物元素として、ケイ素原子に対して
0.01乃至0.65の原子比の窒素を含んだアモルフ
ァスシリコンから構成される。窒素のケイ素原子に対す
る原子比が0.01以下の場合には、正孔の阻止性が不
十分であり、帯電能が低下する。また、原子比が0.6
5よりも高くなると、絶縁膜化するため、界面に電荷が
とどまり、残留電位が発生するようになり、繰り返し安
定性が不良になる。電荷注入阻止層の厚さは、0.15
〜10μmの範囲に設定する必要がある。電荷注入阻止
層の厚さが0.15μmよりも薄くなると、感光体基板
の凹凸に基づく画像欠陥が発生しやすく、複写画像上に
白点または黒点が生じるようになる。また、10μmよ
りも厚くなると、残留電位が発生し、帯電電位の繰り返
し特性が不良となり、画像上にカブリや濃度変化が発生
するようになる。なお、電荷注入阻止層と導電性支持体
との間には、接着層として作用する補助層を設けてもよ
い。補助層は、例えば、窒素、炭素、酸素のいずれか1
つ以上を含有するアモルファスシリコンよりなることが
でき、膜厚は0.01〜5μm、好ましくは0.1〜1
μmの範囲である。
【0013】光導電層は、水素および/またはハロゲン
を含むアモルファスシリコンを主体として構成される。
水素および/またはハロゲンの含有量は、3〜40原子
%の範囲である。光導電層には、導電性を制御する不純
物元素として第III 族元素を含有させるのが好ましい。
その添加量は、感光体の帯電符号、必要な分光感度によ
って決定され、0.01〜1000ppmの範囲で用い
られる。光導電層には、帯電性向上、暗減衰の低減、感
度の向上等の目的で、さらに窒素、炭素、酸素等の元素
を添加することが可能である。これらの添加元素の量と
分布は、使用する波長領域によって適宜決定される。例
えば、短波長光を使用する場合にはn型がよく、長波長
光を使用する場合には、表面からn、i、p型になるよ
うに添加元素を選択して分布させることができる。ま
た、光導電層には、GeおよびSnの少なくとも一つを
含有させてもよい。光導電層の膜厚は1〜100μmの
範囲が好ましい。光導電層は、電荷発生層と電荷輸送層
との二層構成よりなっていてもよく、その場合、電荷発
生層は、アモルファスシリコン・ゲルマニウムで構成さ
れていてもよい。
【0014】光導電層の上に形成される表面層は、水素
および/またはハロゲンを含み、かつ窒素、炭素および
酸素よりなる群から選択された少なくとも1つの元素を
含むアモルファスシリコンまたはアモルファスカーボン
から構成される。表面層における水素および/またはハ
ロゲンは、光導電層がアモルファスシリコンを主体とす
る場合には、3〜40原子%の範囲で含有されているの
が好ましく、アモルファスカーボンを主体とする場合に
は、5〜50原子%の範囲で含有させることができる。
なお、アモルファスカーボンを主体とする場合、膜中に
含まれる多量の水素或いはハロゲンは、膜中に鎖状の−
CH2 −結合、−CF2 −結合、或いは−CH3 結合を
増加させ、結果として膜の硬度を損なうことになるた
め、膜中の水素およびハロゲンの量は50%以下にする
ことが必要である。表面層には、トラップ密度の制御の
ために、窒素、炭素および酸素よりなる群から選択され
た少なくとも1つの元素を含ませるのが好ましい。これ
らの元素の含有量は、炭素の場合1ppmから99.9
原子%、酸素の場合1ppmから60原子%、窒素の場
合1ppmから57原子%の範囲である。表面層には、
III 族元素を含有させてもよい。III 族元素の量は、5
ppmから10,000ppmの範囲で膜厚に応じて適
宜設定される。
【0015】本発明において、図2に示すように、上記
した表面層を第1表面層とし、その上にさらに第2表面
層を設けて、表面層を積層構造にしてもよい。第2表面
層は、炭素、窒素、酸素およびV族元素よりなる群から
選択された1種以上の元素を含み、かつ水素および/ま
たはハロゲンを含むアモルファスシリコンまたはアモル
ファスカーボンから構成される。第2表面層における水
素および/またはハロゲンは、第1表面層におけると同
様に、光導電層がアモルファスシリコンを主体とする場
合には、3〜40原子%の範囲で含有されているのが好
ましく、アモルファスカーボンを主体とする場合には、
5〜50原子%の範囲で含有させることができる。ま
た、V族元素の量は、0.01ppmから10,000
ppmである。第2表面層には、電荷注入性の制御、表
面硬度の向上の目的で、窒素、炭素および酸素よりなる
群から選択された少なくとも1つの元素を含ませる。こ
れらの元素の含有量は、炭素の場合1ppmから95原
子%、酸素の場合1ppmから60原子%、窒素の場合
1ppmから57原子%の範囲である。第2表面層の膜
厚は、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μm
であり、また表面層全体としての膜厚は0.01〜15
μmの範囲である。本発明における表面層においては、
光吸収の増加、残留電位の減少、帯電性の向上、暗減衰
の低減を目的として含有させる元素に、厚さ方向に濃度
勾配を設けてもよい。
【0016】次に、導電性支持体上に、上記各層を形成
する方法について説明する。導電性支持体上に形成する
層は、いずれもプラズマCVD法によるグロー放電分解
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空
蒸着法等の方法によって形成することができる。その
際、原料ガスとしては、ケイ素原子を含む主原料ガス、
または炭化水素またはそのハロゲン置換体を含む主原料
ガスが用いられる。グロー放電分解法の場合を例にとっ
てその製造法を説明すると、原料として、上記主原料ガ
スに、必要な添加物元素を含む材料の原料ガスを加えて
混合ガスとしたものを用いる。その場合、必要に応じ
て、水素、またはヘリウム、アルゴン、ネオン等の不活
性ガスをキャリアガスとして併用することができる。
【0017】グロー放電分解は、直流及び交流放電のい
ずれを採用してもよく、成膜条件としては、周波数0〜
5GHz、反応器内圧、10-5〜10Torr(0.0
01〜1333Pa)、放電電力10〜3000Wであ
り、支持体温度は30〜400℃の範囲で適宜設定する
ことができる。膜厚は、放電時間の調整により適宜設定
することができる。
【0018】アモルファスシリコンを主体とする層を形
成する場合には、ケイ素原子を含む主原料ガスとして
は、シラン類、特にSiH4 および/またはSi2 6
が好ましく使用され、その他、SiCl4 、SiHCl
3 、SiH2 Cl2 、Si(CH3 4 、Si3 8
Si4 10、SiF4 、SiHF3 、SiH2 2 、S
iH3 F等が使用できる。
【0019】窒素、酸素または炭素を含有させるための
原料ガスとしては、例えば、次のものが使用できる。す
なわち、窒素を含ませる場合には、N2 単体ガス、NH
3 、H2 NNH2 、HN3 等の水素化窒素化合物のガス
を用いることができる。炭素を含ませる場合には、メタ
ン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレンのような
炭化水素、CF4 、C2 6 のようなハロゲン化炭化水
素を用いることができる。さらに酸素を含ませる場合に
は、O2 、N2 O、CO、CO2 などを用いることがで
きる。
【0020】III 族元素を含む原料ガスとしては、典型
的には、ジボラン(B2 6 )が用いられ、その他、B
4 10、BF3 、BCl3 などがあげられる。また、V
族元素を含む原料ガスとしては、典型的にはPH3 が用
いられ、その他、P2 4 、PF3 、PCl3 があげら
れる。
【0021】アモルファスシリコン・ゲルマニウムを主
体とする層を形成する場合には、原料として、さらにゲ
ルマニウムを添加するための原料が使用される。例え
ば、GeH4 、Ge2 6 、Ge3 8 、Ge4 10
Ge5 12、GeF4 、GeCl4 等が使用できる。
【0022】アモルファスカーボンを主体とする層を形
成する場合には、原料として、次のものがあげられる。
主体となる炭素の原料としては、メタン、エタン、プロ
パン、ブタン、ペンタン等のCn 2n+2の一般式で示さ
れるパラフイン系炭化水素;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、ペンテン等のCn 2nの一般式で示されるオレ
フィン系炭化水素、アセチレン、アリレン、ブチン等の
n 2n-2の一般式で示されるアセチレン系炭化水素等
の脂肪族炭化水素;シクロプロパン、シクロブタン、シ
クロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シク
ロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等の脂環式
炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタリ
ン、アントラセン等の芳香族炭化水素、或いはそれらの
置換体があげられる。これらの炭化水素化合物は、枝分
れ構造があってもよく、またハロゲン置換体であっても
よい。例えば、四塩化炭素、クロロホルム、四フツ化炭
素、トリフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、
ジクロロジフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタ
ン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン等のハ
ロゲン化炭化水素を用いることができる。
【0023】以上列記した炭素の原料は、常温でガス状
であっても、固体状或いは液状であってもよく、固体状
或いは液状である場合には、気化して用いられる。
【0024】次に、本発明の電子写真法について説明す
る。図3は、本発明を実施するための電子写真複写装置
の概略の構成図である。すなわち、上記した光導電層を
有する感光体ドラム10の感光体表面に、電源11によ
って電圧を印加した接触型帯電器12により帯電させ
る。次いで、光学系を通した原稿像、レーザー、LED
等の画像入力装置13からの光によって露光し、静電潜
像を形成させる。形成された静電潜像は、現像器14に
よって、トナーを用いて可視化され、トナー像に変換さ
れる。この場合現像法として磁気ブラシ法を用いること
ができる。形成されたトナー像は、圧力転写或いは静電
転写器15によって、用紙16に転写させる。転写後の
感光体表面に残留したトナーは、ブレードを用いたクリ
ーナー機構17により除去され、そして感光体ドラム表
面に僅かに残った電荷は、除電器18により消去され
る。転写されたトナー像は、定着装置19によって定着
される。
【0025】図4は、本発明を実施するための他の電子
写真複写装置の概略の構成図である。この場合、転写定
着は、転写定着ロール20を感光体ドラム表面に対して
圧力を付与することによって行われるようになってい
る。この場合、電子写真法の要素を簡略化し、小型化、
省エネルギー化の点で有利である。
【0026】本発明において、接触型帯電器として、ブ
レード状のもの、ロール状のもの等、種々のタイプのも
のが使用される。ブレード状の場合には、種々の金属よ
りなるものを使用することができる。中でも、アルミニ
ウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、タングステン、モ
リブデン、チタン等よりなるものが好ましく使用でき
る。さらに電子写真感光体表面に接触する部分を、炭
素、窒素、酸素、III 族元素、V族元素の少なくとも1
種を含み、かつ水素および/またはハロゲンを含むアモ
ルファスシリコンまたはアモルファスカーボンにより被
覆されていてもよい。この場合には、感光体にピンホー
ルがあっても、それによって引き起こされる印加電圧の
変動を防ぐ効果があり、また、金属ブレードの摩擦を低
減する効果がある。接触型帯電器は、外部から電圧を印
加できるように構成されている。印加電圧は一般に50
〜200Vの範囲が採用され、印加する電流は直流に交
流を重畳したものでもよい。
【0027】
【実施例】以下、実施例と比較例とにより本発明を具体
的に説明する。 実施例1 導電性支持体として、厚さ4mmで、表面粗度Rmax
0.05μmのAl製円筒状基体を使用し、導電性支持
体上にn型の電荷注入阻止層を形成した。その時の成膜
条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:25cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /nin 100%アンモニアガス流量:15cm3 /min 反応器内圧:66.66Pa(0.5Torr) 放電電力:50W 放電時間:30分 放電周波数:13.56MHz 支持体温度:250℃ (なお、以下に記述するすべての実施例及び比較例にお
いて、プラズマCVD法による各層の製造条件における
放電周波数及び支持体温度は、上記の値に固定した。)
X線光電子分光法で測定したケイ素原子と窒素原子の比
は1:0.6であった。
【0028】電荷注入阻止層作製の後、反応器内を十分
に排気し、次いでシランガス、水素ガスおよびジボラン
ガスの混合体を導入してグロー放電分解することによ
り、電荷注入阻止層上に約20μmの膜厚を有する光導
電層を形成した。このときの製造条件は次の通りであっ
た。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%水素ガス流量:162cm3 /min 2ppm水素希釈ジボランガス流量:18cm3 /mi
n 反応器内圧:133.32Pa(1.0Torr) 放電電力:300W 放電時間:200分 光導電層作製の後、反応器内を十分に排気し、次いでシ
ランガス、ジボランガスおよびエチレンガスの混合体を
導入してグロー放電分解することにより、光導電層上に
約1μmの膜厚を有する表面層を形成した。このときの
製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:180cm3 /min 100%エチレンガス流量:180cm3 /min 200ppm水素希釈ジボランガス流量:180cm3
/min 反応器内圧:133.32Pa(1.0Torr) 放電電力:200W 放電時間:10分
【0029】実施例2、比較例1および2 実施例1と同様の基板を用い、同様の層構成を有する電
子写真感光体を作製した。ただし電荷注入阻止層の形成
に際して、原料ガスの組成比を下記表1に示すように変
更し、下記表1に示すケイ素原子と窒素原子との比(S
i/N)を有する電子写真感光体を作製した。作製され
た電子写真感光体について帯電特性を測定したところ、
表1に示す結果が得られた。なお、露光にはタングステ
ンランプを用いた。なお、表1には実施例1の場合も示
す。
【0030】
【表1】 上記表1から明らかなように、比較例1の場合は、電荷
注入阻止性が不十分なため、帯電性が低く、また比較例
2の場合は、電荷注入阻止層の絶縁性が増した結果、残
留電位が高くなり、繰り返しによる帯電電位の増加が大
きく、不適当なものであった。
【0031】実施例3 実施例2におけると同様にして電荷注入阻止層、光導電
層および表面層を形成した後、その表面層を第1の表面
層としてその上に第2の表面層を形成した。すなわち、
シラン、水素ガスおよびアンモニアガスの混合体を導入
してグロー放電分解することにより、第1の表面層の上
に、膜厚1.0μmの第2の表面層を形成した。このと
きの製造条件は次の通りであった。 100%シランガス流量:40cm3 /min 100%水素ガス流量:180cm3 /min 100%アンモニアガス流量:20cm3 /min 反応器内圧:66.66Pa(0.5Torr) 放電電力:50W 放電時間:30分 この電子写真感光体を用い、複写機(Vivace50
0、富士ゼロックス社製)によって画像試験を行った。
得られた画像は鮮明であり、しかもカブリは認められな
かった。
【0032】実施例4 実施例2におけると同様にして電荷注入阻止層、光導電
層および表面層を形成した後、その表面層を第1の表面
層としてその上に第2の表面層を形成した。すなわち、
水素ガスおよびエチレンガスの混合体を導入してグロー
放電分解することにより、第1の表面層の上に、膜厚
1.0μmの第2の表面層を形成した。このときの製造
条件は次の通りであった。 100%水素ガス流量:160cm3 /min 100%エチレンガス流量:40cm3 /min 反応器内圧:40Pa(0.3Torr) 放電電力:400W 放電時間:30分 この電子写真感光体を用い、複写機(Vivace50
0、富士ゼロックス社製)によって画像試験を行った。
得られた画像は鮮明であり、しかもカブリは認められな
かった。
【0033】実施例5 実施例3において作製された電子写真感光体を、図3お
よび図4に示される構造を有するプリンターに組み込
み、毎分40枚の速度で画像作製を行った。なお、接触
型帯電器としては、鉄製のブレードを用い、−400V
を印加した。10,000枚の画像試験の結果、いずれ
のプリンターを用いた場合にも、感光体表面にはトナー
や添加物の付着は認められず、帯電も安定しており、ま
た、得られた画像は鮮明であった。
【0034】実施例6 実施例1と同様の基板を用い、同様の層構成を有する電
子写真感光体を作製した。ただし電荷注入阻止層の形成
に際して、原料ガスの組成比を下記表2に示すように変
更し、下記表2に示すケイ素原子と窒素原子との比(S
i/N)を有する電子写真感光体を作製した。作製され
た電子写真感光体について帯電特性を測定したところ、
表2に示す結果が得られた。なお、露光には、タングス
テンランプを用いた。なお、表2中、No.1の場合、
およびNo.2〜4の膜厚0.1μmの場合は、比較例
である。
【0035】
【表2】 注) 1)…残留電位が高く、低濃度像或いはカブリが
発生した。 2)…帯電電位が高く、低濃度像或いはカブリが発生し
た。また、白点または黒点が発生した。 △…実用上、使用可能。 ○…良好。
【0036】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、上記の構成
を有するものであるから、負帯電型のものとして使用さ
れ、そして帯電性に優れ、残留電位がなく、繰り返し特
性に優れ、また、どの様な操作条件下でも画像ぼけを生
じることがない。また、長寿命で高信頼性の、かつ高感
度であり、接触型帯電器を用いた電子写真装置における
感光体として極めて適している。また、本発明の電子写
真法は、オゾンの発生がなく、長期にわたって高信頼性
かつ高速適性を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的模式
図である。
【図2】 本発明の電子写真感光体の他の一例の模式的
模式図である。
【図3】 本発明を実施するための電子写真複写装置の
一例の概略構成を示す図である。
【図4】 本発明を実施するための電子写真複写装置の
他の一例の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1…導電性支持体、2…電荷注入阻止層、3…光導電
層、4…表面層、10…感光体ドラム、11…電源、1
2…接触型帯電器、13…画像入力装置、14…現像
器、15…静電転写器、20…転写定着ロール、41…
第1の表面層、42…第2の表面層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大田 剛司 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 福田 讓 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも光導電層
    および表面層を設けた電子写真感光体において、導電性
    支持体と光導電層の間に0.15乃至10μmの厚さの
    電荷注入阻止層を設け、該電荷注入阻止層が水素および
    /またはハロゲン元素を含み、かつ不純物元素として、
    ケイ素原子に対して0.01乃至0.65の原子比の窒
    素を含むアモルファスシリコンからなり、光導電層が水
    素および/またはハロゲンを含むアモルファスシリコン
    を主体としてなることを特徴とする負帯電用電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 光導電層が導電性を制御するIII 族元素
    を含む請求項1記載の負帯電用電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 光導電層が少なくともアモルファスシリ
    コンを主体とする層とアモルファスシリコン・ゲルマニ
    ウムを主体とする層からなることを特徴とする請求項1
    記載の負帯電用電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 表面層が、水素および/またはハロゲン
    を含み、かつ窒素、炭素および酸素よりなる群から選択
    された少なくとも1つの元素を含むアモルファスシリコ
    ンまたはアモルファスカーボンからなることを特徴とす
    る請求項1記載の負帯電用電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 表面層が、III 族元素を含み、水素およ
    び/またはハロゲンを含み、かつ窒素、炭素および酸素
    よりなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む
    アモルファスシリコンまたはアモルファスカーボンから
    なることを特徴とする請求項1記載の負帯電用電子写真
    感光体。
  6. 【請求項6】 表面層が、III 族元素を含み、水素およ
    び/またはハロゲンを含み、かつ窒素、炭素および酸素
    よりなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む
    アモルファスシリコンまたはアモルファスカーボンから
    なる層と、炭素、窒素、酸素およびV族元素よりなる群
    から選択された1種以上の元素を含み、かつ水素および
    /またはハロゲンを含むアモルファスシリコンまたはア
    モルファスカーボンからなる層を順次積層してなること
    を特徴とする請求項1記載の負帯電用電子写真感光体。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6記載のいずれかの電
    子写真感光体を用いる電子写真方法において、帯電を接
    触帯電によって行うことを特徴とする電子写真方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項6記載のいずれかの
    電子写真感光体を用いる電子写真方法において、現像さ
    れたトナー像を圧力により転写すると同時に定着するこ
    とを特徴とする電子写真方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003107766A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体

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