JPH06272795A - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は建設機械及び工作機械等の配管に供
される管継手に関し、特に工具の使用が困難なせまいス
ペ−スで管体を結合、離脱するのに好適な管継手に係る
ものである。 【構成】 雌体の内周面にシ−ル部材、弾性材、内カラ
−にて支持された押圧部材が配列され、雌体又は雌体か
らのびる外カラ−にてこれらを覆い、当該外カラ−は前
記押圧部材に対して深部側が大径となる傾斜面をもって
接し、かつ、前記内カラ−は外部より摺動可能とされて
いることを特徴とする管継手。 【効果】 本発明は硬度の高い管体であってもその結合
及び離脱が自由にできることとなったものであり、特に
スペ−スの狭い場所での着脱が容易になったものであ
り、その産業上の効果は極めて大きい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建設機械及び工作機械等
の配管に供される管継手に関し、特に工具の使用が困難
なせまいスペ−スで管体を結合、離脱するのに好適な管
継手に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】比較的柔軟な合成樹脂やゴム製の管体に
使用される管継手にあっては、管体との結合、離脱が比
較的簡単な管継手が提案されている。しかるに、同じ合
成樹脂製の管体でも塩化ビニルホ−ス等の比較的硬い管
体や金属管等における管継手は、その結合、離脱が自由
なものは殆ど実用化されていないのが実情である。

【０００３】図９はこの種の管継手の一例であり、食い
込み片３２を管体４０に食い込ませることによって結合
を行わせる管継手はある。図中、３１は管継手の雌体で
あって、雌体３１に螺合された袋状ナット３３にて食い
込み片３２を管体４０の表面に押圧食い込ませるもので
ある。しかるに、袋状ナット３３をゆるめたとしても、
管体４０より食い込み片３２が容易にはずれないために
離脱は殆どできず、例え離脱できたとしても、管体４０
の表面を傷つけることとなり、このため、これを再度使
用した場合、管体内を流れる流体が漏出する流路となっ
てしまうこともある。このように、金属管等に使用され
る結合、離脱の自在な管継手は実際上殆ど存在しない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明にあっては、金
属管等の比較的硬度の高い管体の管継手を提供すること
を目的としており、その結合、離脱が簡単に行うことが
できる管継手を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の管継手は次のよ
うな構成を採用したものである。即ち、本発明の要旨
は、雌体の内周面にシ−ル部材、弾性材、内カラ−にて
支持された押圧部材が配列され、雌体又は雌体からのび
る外カラ−にてこれらを覆い、当該外カラ−は前記押圧
部材に対して深部側が大径となる傾斜面をもって接し、
かつ、前記内カラ−は外部より摺動可能とされているこ
とを特徴とする管継手にかかるものである。

【０００６】そして、好ましくは、雌体の内周面に深部
よりシ−ル部材、弾性材、内カラ−にて支持された押圧
部材が配列されるのがよく、又、内カラ−の先端が外カ
ラ−の先端より突出しているものが好ましい。更に、前
記押圧部材は一般には硬質のボ−ルが用いられることと
なる。又、雌体の深部には、挿入された管体の先端が当
たる段部が形成されることが好ましく、更に雌体と外カ
ラ−とは螺着によって取り付けられ、外カラ−の位置を
調整することができることが望ましい。この発明で用い
られる弾性体は、コイルバネ、皿バネ、筒状のゴム弾性
体等が用いられる。

【０００７】又、内・外カラ−は合成樹脂製又は金属製
で構成され、特に内カラ−にあっては、外周面側の径が
大きいテ−パ−孔を穿孔し、ここにボ−ル等の押圧部材
を挿入すればよいこととなる。そして、内カラ−を合成
樹脂製とした場合には、このカラ−を成形する際に、ボ
−ルを成形型内にセットしておき、成形された内カラ−
中に押圧部材を埋設してしまうこともよい方法である。

【０００８】

【作用】本発明は以上のような構成としたため、硬度の
高い管体との結合、離脱が極めて容易となったものであ
る。さて、本発明の管継手と金属管等の管体との結合に
あっては、雌体の内カラ−の先端より管体を挿入するこ
とにより結合されることとなる。これは管体の外周表面
に内カラ−に納まった押圧部材、例えばボ−ルが接触す
ることによるもので、このボ−ルは弾性体により内カラ
−と共に内カラ−の先端側に押されるが、一方、このボ
−ルは外カラ−の傾斜面に接触し、その押圧力が管体の
表面に向かうこととなり、ここで管継手と管体との結合
が保持されることとなる。

【０００９】一方、管継手からの管体の離脱は次の通り
である。前記したように結合された管継手と管体にあっ
て、内カラ−の先端を内側に押すことによって、外カラ
−の傾斜面に接触されているボ−ルを内カラ−と共に内
側に移動させる。このため、ボ−ルは外カラ−との接触
が解かれ、管体の表面を押す力を解除することとなり、
この状態を保って、管体を引き抜くことによって離脱が
簡単に行えることとなったものである。そして、管体を
離脱した後に内カラ−を押す力をゆるめれば、再び弾性
体によって内カラ−が押されて元の状態に戻ることとな
り、ここに管体の結合、離脱が繰り返されることとなる
のである。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の管継手を実施例をもって更に
詳細に説明する。図１は本発明の管継手の第１実施例を
示す断面図である。図中、１は管継手の基体をなす雌体
であって、一側が大径をなし他側が小径をなす貫通孔
２、３が設けられ、この間に段部４が形成されている。
そして、貫通孔２の先端に溝５が備えられて、ここにＯ
−リングで代表されるシ−ル部材６が嵌め込まれてい
る。このシ−ル部材６の外側にコイルバネ７が配置さ
れ、合成樹脂製の内カラ−８が、押圧部材即ちボ−ル９
と共にその外側に配置され、これら全体を外カラ−１０
にて覆うものである。この外カラ−１０は雌体１よりの
びて一体とされその先端が縮径されているが、別体を雌
体に蝋付け１１されていてもよく、或いは螺着されてい
てもよい。外カラ−１０が雌体１に螺着されている場合
には、螺着の度合いによってその位置を調整することが
可能である。

【００１１】内カラ−８とボ−ル９との関係は、図２に
示すように内カラ−８内にボ−ル９が埋め込まれている
ものであり、これは内カラ−８を成形する際にボ−ル９
を型内にセットしておき、内カラ−８内に埋設してなる
ものである。この場合には、内カラ−８にはその先端に
割りを入れておくことが好ましい。

【００１２】尚、図３は内カラ−８とボ−ル９との別例
の関係を示すものであり、内カラ−８にテ−パ−状の孔
１２を穿孔し、ここにボ−ル９を外周側より嵌め込んだ
構造のものである。

【００１３】さて、外カラ−１０は前記ボ−ル９に対し
て深部側が大径となる傾斜面１３をもって接するもので
あって、この傾斜面１３によってボ−ル９の移動を制限
し、かつボ−ル９の管体に対する接触力を発現するもの
となるのである。

【００１４】雌体１の深部に設けられた段部４は、挿入
された管体の先端が当たることとなり、管体の挿入が完
全であるか否かはこの段部４に管体の先端が当たるか否
かによって確かめることができる。

【００１５】図１では、点線で示す管体１４が内カラ−
８内に挿入された場合を示すが、管体１４はその先端が
段部４に当たってその位置が確定される。ここで管体１
４をこの状態から引き抜くために力を入れた場合、或い
はこの状態で管体１４内に流体を流した場合、即ち、管
体１４が引く抜かれる方向に力が働いた場合には、ボ−
ル９はコイルバネ７によって外カラ−１０の傾斜面１３
側に押されると共に、その外カラ−１０の傾斜部１３に
よって管体１４の表面を押圧することとなり、管体１４
の管継手からの引き抜きが阻止されることとなる。

【００１６】さて、管体１４を管継手より離脱する場合
であるが、前記内カラ−８の先端が外カラ−１０の先端
よりも突出しておりこれを利用することとなる。即ち、
管体１４を引き抜くには、内カラ−８の先端を雌体１の
方向に押すことによって管体１４が抜けるものである。
言い換えれば、この内カラ−８の突出部分を押すことに
よって内カラ−８を雌体１側に移動することができ、ボ
−ル９の締め付け力の解除をもたらすこととなる。

【００１７】この状態を図４に示すが、内カラ−８を雌
体１側に移動させることにより、ボ−ル９は内カラ−８
と共に雌体１側に移動する。このことは、ボ−ル９と外
カラ−１０の傾斜部１３との接触を解除するものであっ
て、このため、ボ−ル９が管体１４の表面を押す力を解
除することとなる。従って、管体１４はボ−ル９からの
押え力を受けなくなり、雌体１から容易に引き抜くこと
ができるものである。

【００１８】図例にあっては、雌体１の貫通孔３側に雄
ねじ１５が刻設され、図示しない管体等と連結されるも
のである。尚、図示はしないが、雌体１の貫通孔３側に
も同様な構造とすることにより、いずれの管体とも結
合、離脱ができる管継手が得られることとなる。又、シ
−ル部材６は断面円形のＯ−リングをもって示したが、
これに限定されることはなく、例えば断面コ字状或いは
Ｘ字状のものであってもよい。

【００１９】又、内カラ−８と外カラ−１０との関係に
あっては、必ずしも内カラ−８が突出している必要はな
く、外部からこの内カラ−８を雌体１側に移動させるこ
とができればよい。図５はその例を示す部分断面図であ
り、内カラ−８の先端が外カラ−１０より突出していな
くともドライバ−１６等で押せればよく、更には外カラ
−１０に小さな孔１７を開けておき、ここにドライバ−
１６等を押し込んで内カラ−８を雌体１側に移動させる
こともできる。

【００２０】図６は本発明の第２実施例の半裁断面図で
あり、この例にあっては雌体１の内周面が複数の段部に
形成されている例である。即ち、第２の段部１８にコイ
ルバネ７が、第３の段部１９に外カラ−１０が嵌め込ま
れているものである。そしてＯ−リング６は雌体１の内
周面に形成された溝２０に嵌め込まれたもので、更に係
止部材（ストップリング）２１は、雌体１の第３の段部
１９の内周面及び外カラ−１０に形成された溝２２、２
３内に嵌め込まれたものである。管体の結合、離脱は前
記した例と同様に行うことができる。

【００２１】図７は本発明の管継手の第３実施例を示す
半裁断面図であり、この例にあっては、雌体１の内周面
におけるシ−ル部材６を、ワッシャ−２４を当てがって
支持したものである。管体の結合、離脱は前記した例と
同様に行うことができる。

【００２２】図８は本発明の第４実施例の半裁断面図で
あり、この例にあっては雌体１と外カラ−１０とが螺合
されている例であり、その他の構造は第１実施例と同様
である。即ち、雌体１の雄ねじ２５と外カラ−１０の雌
ねじ２６とによってこの両者を螺合することになる。こ
の螺合の程度によって、外カラ−１０の傾斜部１３とボ
−ル９との接触の程度を調整することができることとな
ったものである。管体の結合、離脱は前記した例と同様
に行うことができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明は以上の構成を採用したことによ
り、硬度の高い管体であってもその結合及び離脱が自由
にできることとなったものであり、特にスペ−スの狭い
場所での着脱が容易になったものであり、その産業上の
効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の管継手の第１実施例を示す断面
図である。

【図２】図２は内カラ−とボ−ルとの関係を示す切り欠
き部分断面図である。

【図３】図３は内カラ−とボ−ルとの関係を示す別例の
切り欠き部分断面図である。

【図４】図４は本発明の管継手より管体を引き抜く際の
切り欠き部分断面図である。

【図５】図５は内カラ−と外カラ−との間の別の関係を
示す部分断面図である。

【図６】図６は本発明の第２実施例の半裁断面図であ
る。

【図７】図７は本発明の管継手の第３実施例を示す半裁
断面図である。

【図８】図８は本発明の第４実施例の半裁断面図であ
る。

【図９】図９は従来の管継手の一例を示す半裁断面図で
ある。

【符号の説明】

１‥‥管継手の基体をなす雌体、 ２、３‥‥雌体に設けられた貫通孔、 ４‥‥貫通孔２と３との段部、 ５‥‥貫通孔２の溝、 ６‥‥シ−ル部材、 ７‥‥コイルバネ、 ８‥‥内カラ−、 ９‥‥押圧部材（ボ−ル）、 １０‥‥外カラ−、 １２‥‥内カラ−のテ−パ−状の孔、 １３‥‥外カラ−の傾斜面、 １４‥‥管体、 １５‥‥雌体の貫通孔３側の雄ねじ、 １６‥‥ドライバ−、 １７‥‥外カラ−に開けた孔、 １８‥‥貫通孔２内の第２の段部、 １９‥‥貫通孔２内の第３の段部、 ２０‥‥雌体の内周面に形成された溝、 ２１‥‥係止部材（ストップリング）、 ２２‥‥雌体の第３の段部の内周面に形成された溝、 ２３‥‥外カラ−に形成された溝、 ２４‥‥ワッシャ−、 ２５‥‥雌体の貫通孔２側の雄ねじ、 ２６‥‥外カラ−の雌ねじ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 邦裕 東京都中央区京橋１丁目１番１号 ブリヂ ストンフロ−テック株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 雌体の内周面にシ−ル部材、弾性材、内
   カラ−にて支持された押圧部材が配列され、雌体又は雌
   体からのびる外カラ−にてこれらを覆い、当該外カラ−
   は前記押圧部材に対して深部側が大径となる傾斜面をも
   って接し、かつ、前記内カラ−は外部より摺動可能とさ
   れていることを特徴とする管継手。
2. 【請求項２】 雌体の内周面に深部よりシ−ル部材、弾
   性材、内カラ−にて支持された押圧部材が配列された請
   求項第１項記載の管継手。
3. 【請求項３】 内カラ−の先端が外カラ−の先端より突
   出している請求項第１項記載の管継手。
4. 【請求項４】 前記押圧部材がボ−ルである請求項第１
   項記載の管継手。
5. 【請求項５】 雌体の深部に、挿入された管体の先端が
   当たる段部を形成した請求項第１項記載の管継手。
6. 【請求項６】 雌体と外カラ−間は螺着によって取り付
   けられている請求項第１項記載の管継手。