JPH0627166B2 - フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents
フェノール樹脂の製造方法Info
- Publication number
- JPH0627166B2 JPH0627166B2 JP29069587A JP29069587A JPH0627166B2 JP H0627166 B2 JPH0627166 B2 JP H0627166B2 JP 29069587 A JP29069587 A JP 29069587A JP 29069587 A JP29069587 A JP 29069587A JP H0627166 B2 JPH0627166 B2 JP H0627166B2
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- JP
- Japan
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- phenol
- varnish
- reaction
- reaction rate
- ethylenediamine
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は紙フェノール積層板に好適に使用されるレゾー
ル型フェノール樹脂の製造方法に関するものである。
ル型フェノール樹脂の製造方法に関するものである。
フェノール類とホルマリンをアルカリ性触媒で反応さ
せ、フェノール樹脂を得る方法は一般に知られていると
ころであるが、このアルカリ性触媒としてpka 10以上
の第3級アミンを使用すると、反応率が高く、反応速度
も速いということがわかっている。また、フェノール樹
脂を積層板ワニスとして使用する場合、樹脂の分子量が
積層板の製造工程に大きく影響するということも知られ
ている。これらの問題については、特公昭62−175
でのpka 10以上の第3級アミンとアンモニアを混合添
加によって、ある程度の解決をみているが、反応時間の
点で、まだまだ不満を残すものであった。
せ、フェノール樹脂を得る方法は一般に知られていると
ころであるが、このアルカリ性触媒としてpka 10以上
の第3級アミンを使用すると、反応率が高く、反応速度
も速いということがわかっている。また、フェノール樹
脂を積層板ワニスとして使用する場合、樹脂の分子量が
積層板の製造工程に大きく影響するということも知られ
ている。これらの問題については、特公昭62−175
でのpka 10以上の第3級アミンとアンモニアを混合添
加によって、ある程度の解決をみているが、反応時間の
点で、まだまだ不満を残すものであった。
ここでアンモニアのかわりにエチレンジアミンを使用す
ると、反応時間は大幅に短縮されるが、フェノールの反
応率が低下し、樹脂収率低下をまねいた。これは触媒の
高分子化(フェノール分子同士を直接結合する)作用に
おいて、アンモニアよりもエチレンジアミンの方が強力
であるため、フェノールが十分メチロール化される前
に、高分子化が進行し、未反応フェノールが残ってしま
うためであると考えられる。
ると、反応時間は大幅に短縮されるが、フェノールの反
応率が低下し、樹脂収率低下をまねいた。これは触媒の
高分子化(フェノール分子同士を直接結合する)作用に
おいて、アンモニアよりもエチレンジアミンの方が強力
であるため、フェノールが十分メチロール化される前
に、高分子化が進行し、未反応フェノールが残ってしま
うためであると考えられる。
このように従来の方法では、反応時間を短縮し、かつ、
フェノールの反応率をあげることができなかったのであ
る。
フェノールの反応率をあげることができなかったのであ
る。
本発明者は、従来、得ることができなかった高い固形分
率をもったフェノール樹脂を得んとして研究した結果、
触媒の種類及び添加方法を特定することにより、従来の
ものより高い固形分率をもったフェノール樹脂を得、更
にこの知見に基づき種々の研究を進めて本発明を完成す
るに至ったものである。
率をもったフェノール樹脂を得んとして研究した結果、
触媒の種類及び添加方法を特定することにより、従来の
ものより高い固形分率をもったフェノール樹脂を得、更
にこの知見に基づき種々の研究を進めて本発明を完成す
るに至ったものである。
本発明の目的とするところは、反応速度を低下させず、
かつ分子量の分布を大きく変えることなく高い収量でフ
ェノール樹脂を得ることにある。
かつ分子量の分布を大きく変えることなく高い収量でフ
ェノール樹脂を得ることにある。
本発明は、フェノール類とホルムアルデヒドをアルカリ
性触媒を用いて反応を行うフェノール樹脂の製造方法に
おいて、pka 10以上の第3級アミンを用いてフェノー
ルの反応率が28〜32%になるまで反応を進めた後、
エチレンジアミンを添加し、さらに反応率が70〜78
%になるまで反応を進めることを特徴とするフェノール
樹脂の製造方法である。
性触媒を用いて反応を行うフェノール樹脂の製造方法に
おいて、pka 10以上の第3級アミンを用いてフェノー
ルの反応率が28〜32%になるまで反応を進めた後、
エチレンジアミンを添加し、さらに反応率が70〜78
%になるまで反応を進めることを特徴とするフェノール
樹脂の製造方法である。
本発明において用いられる触媒はpka 10以上の第3級
アミンとエチレンジアミンであり、第3級アミンとして
は、トリエチルアミン等がある。
アミンとエチレンジアミンであり、第3級アミンとして
は、トリエチルアミン等がある。
かかる第3級アミンの添加量はフェノール類に対して通
常0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3
重量%である。また、エチレンジアミンの添加量はフェ
ノール類に対して通常0.1〜2重量%、好ましくは
0.3〜1.0重量%である。フェノール類とホルムア
ルデヒドはモル比1:1〜2:3の割合で混合し、これ
に前記第3級アミンを添加して、還流冷却器、攪拌装置
等を取りつけた反応容器で97〜102℃で還流を行
う。この状態で反応を進行させ、フェノールを28〜3
2%反応させる。そして、さらにエチレンジアミンを添
加し、同様に反応を進行させる。フェノールの反応率が
70〜78%に至ったら、そこで一度加熱を中断し、減
圧して脱水し、溶媒を加えてワニスにする。
常0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3
重量%である。また、エチレンジアミンの添加量はフェ
ノール類に対して通常0.1〜2重量%、好ましくは
0.3〜1.0重量%である。フェノール類とホルムア
ルデヒドはモル比1:1〜2:3の割合で混合し、これ
に前記第3級アミンを添加して、還流冷却器、攪拌装置
等を取りつけた反応容器で97〜102℃で還流を行
う。この状態で反応を進行させ、フェノールを28〜3
2%反応させる。そして、さらにエチレンジアミンを添
加し、同様に反応を進行させる。フェノールの反応率が
70〜78%に至ったら、そこで一度加熱を中断し、減
圧して脱水し、溶媒を加えてワニスにする。
こうして得られた樹脂ワニスについて固形分率について
調べてみると、従来よりも高いこと(通常4%以上)が
わかった。この時、反応時間は従来のものとほぼ同じ
で、分子量分布もほぼ一致している。
調べてみると、従来よりも高いこと(通常4%以上)が
わかった。この時、反応時間は従来のものとほぼ同じ
で、分子量分布もほぼ一致している。
このワニスを使用した積層板の性能としても問題はない
こともわかった。
こともわかった。
ここで、固形分率は次のようにして求める。
〔発明の効果〕 本発明に従うと、反応速度、分子量等を殆んど変化させ
ることなく、従来より高い固形分率をもったワニスを得
ることができるので収率の向上につながり、最終的には
コストダウンになり、工業的なフェノール樹脂の製造方
法として好適である。
ることなく、従来より高い固形分率をもったワニスを得
ることができるので収率の向上につながり、最終的には
コストダウンになり、工業的なフェノール樹脂の製造方
法として好適である。
実施例1 フェノール 600g ホルマリン(37%) 800g トリエチルアミン 0.8g エチレンジアミン 3.0g トルエン 300g メタノール 600g フェノール、ホルマリン及びトリエチルアミンを還流冷
却器、攪拌装置、温度計を取りつけた3000mlフラス
コに入れ、加熱し、97℃〜102℃で還流を行った。
この条件で1時間反応させるとフェノールの反応率が3
0%になった。ここで、この中にエチレンジアミンを添
加し、さらに反応を進めた。これで1時間30分反応さ
せると、フェノールの反応率は74%になった。この後
脱水量が600mlになるまで減圧脱水を行い、トルエン
とメタノールを加えてワニスにした。ワニスの収量は2
200gであった。
却器、攪拌装置、温度計を取りつけた3000mlフラス
コに入れ、加熱し、97℃〜102℃で還流を行った。
この条件で1時間反応させるとフェノールの反応率が3
0%になった。ここで、この中にエチレンジアミンを添
加し、さらに反応を進めた。これで1時間30分反応さ
せると、フェノールの反応率は74%になった。この後
脱水量が600mlになるまで減圧脱水を行い、トルエン
とメタノールを加えてワニスにした。ワニスの収量は2
200gであった。
比較例1 フェノール 600g ホルマリン(37%) 800g トリエチルアミン 0.8g エチレンジアミン 3.0g トルエン 300g メタノール 600g フェノール、ホルマリン、トリエチルアミン及びエチレ
ンジアミンを還流冷却器、攪拌装置、温度計を取りつけ
た3000mlフラスコに入れ、加熱し、97℃〜102
℃で還流を行った。この条件で2時間30分反応させる
と、フェノールの反応率は66%になった。この後、脱
水量が600mlになるまで減圧脱水を行い、トルエンと
メタノールを加えて、ワニスにした。ワニスの収量は2
200gであった。
ンジアミンを還流冷却器、攪拌装置、温度計を取りつけ
た3000mlフラスコに入れ、加熱し、97℃〜102
℃で還流を行った。この条件で2時間30分反応させる
と、フェノールの反応率は66%になった。この後、脱
水量が600mlになるまで減圧脱水を行い、トルエンと
メタノールを加えて、ワニスにした。ワニスの収量は2
200gであった。
実施例1と比較例1で得たワニスをA,Bとする。これ
らをアルミ箔容器に1g前後になるように秤量する。こ
れを135℃に昇温しておいたエア・オーブン(東洋理
化工業)で1時間乾燥後、再び秤量し、これを次式に従
って固形分率を求めた。
らをアルミ箔容器に1g前後になるように秤量する。こ
れを135℃に昇温しておいたエア・オーブン(東洋理
化工業)で1時間乾燥後、再び秤量し、これを次式に従
って固形分率を求めた。
その結果ワニスAの固形分率は50.8%、ワニスBの
固形分率は46.1%であった。したがって触媒量、反
応時間、脱水量等を同じにして反応しても、ワニスA
(触媒を別々に添加:本発明)はワニスB(触媒を同時
に添加:従来)と比較して固形分率が4.7%高いこと
になる。また、ワニス中の遊離フェノール分はワニスA
では12.8%、ワニスBでは16.2%であった。
固形分率は46.1%であった。したがって触媒量、反
応時間、脱水量等を同じにして反応しても、ワニスA
(触媒を別々に添加:本発明)はワニスB(触媒を同時
に添加:従来)と比較して固形分率が4.7%高いこと
になる。また、ワニス中の遊離フェノール分はワニスA
では12.8%、ワニスBでは16.2%であった。
それぞれのワニスを使用して作った紙基材積層板は同等
の特性を有するものであった。
の特性を有するものであった。
Claims (1)
- 【請求項1】フェノール類とホルムアルデヒドをアルカ
リ性触媒を用いて反応を行うフェノール樹脂の製造方法
において、触媒として、始めにpka が10以上の第3級
アミンを用いてフェノールの反応率が28〜32%にな
るまで反応を進めた後、次にエチレンジアミンを加えさ
らに反応率が70〜78%になるまで反応を進めること
を特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29069587A JPH0627166B2 (ja) | 1987-11-19 | 1987-11-19 | フェノール樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29069587A JPH0627166B2 (ja) | 1987-11-19 | 1987-11-19 | フェノール樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01132618A JPH01132618A (ja) | 1989-05-25 |
JPH0627166B2 true JPH0627166B2 (ja) | 1994-04-13 |
Family
ID=17759313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29069587A Expired - Lifetime JPH0627166B2 (ja) | 1987-11-19 | 1987-11-19 | フェノール樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0627166B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03115316A (ja) * | 1989-09-27 | 1991-05-16 | Hitachi Chem Co Ltd | フェノール樹脂組成物並びに該組成物を使用した積層板及び銅張積層板の製造方法 |
-
1987
- 1987-11-19 JP JP29069587A patent/JPH0627166B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01132618A (ja) | 1989-05-25 |
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