JP2832458B2 - 新規フェノール誘導体及びその製法 - Google Patents

新規フェノール誘導体及びその製法

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JP2832458B2 JP1232642A JP23264289A JP2832458B2 JP 2832458 B2 JP2832458 B2 JP 2832458B2 JP 1232642 A JP1232642 A JP 1232642A JP 23264289 A JP23264289 A JP 23264289A JP 2832458 B2 JP2832458 B2 JP 2832458B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なフェノール誘導体及びその製造方法
に関するものである。さらに詳しくは、新規なフェノー
ル誘導体及び尿素どうしのホルムアルデヒド縮合の存在
しない、フェノール類と尿素のホルムアルデヒド共縮合
物とこれを効果的に製造する方法に関する。
本発明の新規なフェノール誘導体特に共縮合物は、成
形材料、積層板、接着剤原料等として工業上有用なもの
である。
(従来の技術) 従来、熱硬化性樹脂は、成形材料、積層板、接着剤等
として広く使われており、工業材料用として重要なもの
である。
その中でも、フェノールとホルムアルデヒドを縮合し
てなるフェノール樹脂、尿素とホルムアルデヒドを縮合
してなるユリア樹脂は、代表的なものであり、一般に広
く使用されている。
(発明が解決しようとする課題) ユリア樹脂は安価で、硬化も早いが、耐熱性、耐加水
分解性が不十分であり、例えば接着剤の場合、屋外での
使用は耐熱性、耐加水分解性が劣り、使用できない。
一方フェノール樹脂は、耐熱性、耐久性、耐加水分解
性が良好であるが、硬化が遅いという欠点を有する。
そこで、これ等の欠点を改良し、両者の長所を合わせ
もつ共縮合樹脂が強く望まれていた。
しかしながら、尿素どうしのホルムアルデヒド縮合反
応は、フェノール類と尿素のホルムアルデヒド縮合反応
や、フェノール類どうしのホルムアルデヒド縮合反応に
比べ、反応が早いために、従来、尿素どうしのホルムア
ルデヒド結合が存在しないようなフェノール類と尿素と
のホルムアルデヒド共縮合樹脂の製造は困難であった。
そして、尿素どうしのホルムアルデヒド縮合は、フェ
ノール類と尿素のホルムアルデヒド縮合や、フェノール
類どうしのホルムアルデヒド縮合に比べ、一般に、耐熱
性、耐加水分解性が劣るので、尿素のホルムアルデヒド
縮合の存在するような、フェノール類と尿素とのホルム
アルデヒド共縮合樹脂は、耐久性が尿素樹脂のそれに近
くなってしまい、十分に改良された共縮合樹脂とならな
い。
このようなフェノールと尿素のホルムアルデヒド共縮
合物の改良法として、多くの提案がなされている。
例えば、特開昭50−76145号は、メラミン尿素ホルム
アルデヒド初期縮合物と、アルカリフェノールホルムア
ルデヒド初期縮合物を、混合してから共縮合させている
ため、メラミンまたは尿素どうしのホルムアルデヒド縮
合は当然存在する。
また、フェノール類及び尿素類とアルデヒド類を、同
時に反応させてなるフェノール類と尿素とのホルムアル
デヒド共縮合物が、特公昭51−20540号に開示されてい
るが、この場合にも尿素どうしの縮合が存在してしま
う。
このように、従来技術では理想的なフェノール類と尿
素類とのホルムアルデヒド共縮合物の開発はまだなされ
ていない。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、フェノール類と尿素類とのホルムアル
デヒド共縮合について、鋭意検討の結果、酸性下、アル
デヒド類の実質的に不存在下において、メチロール化フ
ェノール類と尿素とを反応させることによって、尿素ど
うしのホルムアルデヒド縮合の起こることなしに、硬化
性と耐久性に優れた、フェノール類と尿素のホルムアル
デヒド共縮合物が容易に得られることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(I) (式中、Yは下記式で表わされる基から選ばれる。
式中、R1、R2、R3は互いに同じでも異なってもよい水素
原子、炭素数が10以下のアルキル基、フェニル基又は−
Yであり、R4、R6、R8は互いに同じでも異なっていても
よい水素原子、−Y、−CH2OH又は であり、 R1、R2、R3は前記と同じであり、R5、R7はH又は炭素数
が10以下のアルキル基を表わす。) で表わされる新規フェノール誘導体とその製造法に関す
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の、新規フェノール誘導体は、一般式(I)で
表わされ、例えば4−ヒドロキシベンジルユリア、2−
ヒドロキシベンジルユリア、5−メチロール−4−ヒド
ロキシベンジルユリア、3−メチロール−2−ヒドロキ
シベンジルユリア、5−メチロール−2−ヒドロキシベ
ンジルユリア、3,5−ジメチロール−2−ヒドロキシベ
ンジルユリア、3−メチロール−4−ヒドロキシ−ベン
ジルユリア、3,5−ジメチロール−4−ヒドロキシ−ベ
ンジルユリア、2−イソプロピル−5−ヒドロキシベン
ジルユリア、2−ヒドロキシ−6−オクチル−ベンジル
ユリア、N−エチル−N′−(4−ヒドロキシベンジ
ル)ユリア、N,N−ジエチル−N′−(4−ヒドロキシ
ベンジル)ユリア、N,N′−ビス(4−ヒドロキシベン
ジル)ユリア、トリス−(4−ヒドロキシベンジル)ユ
リア、N,N−ビス(4−ヒドロキシベンジル)ユリア、
テトラキス(4−ヒドロキシベンジル)ユリア、2,4−
ジヒドロキシベンジルユリア、2,6−ジヒドロキシベン
ジルユリア、2−ヒドロキシ−4−メチロール−ベンジ
ルユリア、N−エチル−N′−(2−ヒドロキシベンジ
ル)ユリア、N,N−ジエチル−N′−(2−ヒドロキシ
ベンジル)ユリア、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベン
ジル)ユリア、トリス−(2−ヒドロキシベンジル)ユ
リア、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)ユリア等
である。
また本発明の、一般式(I)で表わされる新規フェノ
ール誘導体と共縮合物の製造は、酸性水系溶媒中におい
て、下記一般式(II−a)又は(II−b)で表わされる
フェノール系化合物と、下記一般式(III)で表わされ
る尿素類とを反応させて行われる。
(式中、R4、R6、R8は水素原子又は−CH2OH、R5、R7
水素原子、OH又は炭素数が10以下のアルキル基を表わ
す。) (式中、R1、R2、R3は前式の一般式(I)と同じ基を示
す。) 本発明に用いられる、一般式(II−a)又は(II−
b)で表わされるフェノール系化合物としては、メチロ
ール基を1個以上有するフェノール系物質であり、例え
ば、o−メチロールフェノール、p−メチロールフェノ
ール、2,4,6−トリメチロールフェノール、2,4−ジメチ
ロールフェノール、2,6−ジメチロールフェノール、2
−メチロールレゾルシノール、4−メチロールレゾルシ
ノール、2−メチロール−3−エチルフェノール、2−
メチロール−3−イソプロピルフェノール、2−メチロ
ール−5−オクチルフェノール、3−ヘキシル−4−メ
チロールフェノール、3−イソプロピル−4−メチロー
ルフェノール、3−オクチル−4−メチロールフェノー
ル、等から選ばれる少なくとも1種あるいはこれら化合
物の縮合物、及びそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
これらのフェノール系化合物はフェノール類とホルムア
ルデヒドとの反応によって容易に得ることができる。
本発明の上記反応において一般式(II−a)又は(II
−b)で表わされるフェノール系化合物が2個以上のメ
チロール基を有する場合に高分子物又はオリゴマーが得
られる。
また、本発明において一般式(II−a)又は(II−
b)で表わされる化合物としては従来公知の方法で、フ
ェノール類とホルムアルデヒドとを反応させて得られる
化合物も使用される。
この場合、例えばフェノール1モルに対して、ホルム
アルデヒド1.0〜4.0モル、好ましくは1.0〜3.0モルを、
アルカリの存在下で反応させたものである。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール、ク
レゾール、キシレノール、エチルフェノール、p−ター
シャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、
メジトール、p−フェニルフェノール、等の1価のフェ
ノール類、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノ
ン、4−メチルレゾルシノール、4−メチルカテコー
ル、オルシノール、2−メチルヒドロキノン、β−オル
シノール、m−キシロールシノール、p−キシロヒドロ
キノン等の2価のフェノール類の1種又は2種以上の混
合物が挙げられる。
本発明に用いられる、一般式(III)で表わされる尿
素類とは、尿素、N−エチル尿素、N,N′−ジメチル尿
素、N,N−ジエチル尿素の単独又は混合物が挙げられ
る。
一般式(II−a)又は(II−b)で表わされるフェノ
ール系化合物と、一般式(III)で表わされる尿素類と
の反応はアルデヒド類の実質的不存在下酸性条件下で行
うことが本発明の重要な点である。
アルデヒド類の実質的不存在下とは、好ましくは反応
溶液中に存在する未反応のアルデヒド類が、1%以下ま
で減少することを意味する。
アルデヒド類の含有量が実質上存在すると、一般式
(III)で表わされる尿素類と、アルデヒドが反応し、
尿素類のメチロール化物が生成し、さらに尿素どうしの
ホルムアルデヒド縮合が起こってしまい好ましくない。
一般式(II−a)又は(II−b)で表わされるフェノ
ール系化合物と、一般式(III)で表わされる尿素類の
比率は、未反応の尿素が残らない範囲で適宜定められ、
尿素類のアミノ基に対するメチロール基の当量比で、好
ましくは0.3〜5.0、より好ましくは0.4〜2.0の範囲であ
る。
メチロール基の当量比が0.3以下では、未反応の尿素
が残って好ましくない。また、メチロール基の当量比が
5.0以上では、硬化性が悪くなり好ましくない。
なお、本発明でいう一般式(I)で表わされる新規フ
ェノール誘導体の用途によっては、上記一般式(I)の
化合物は不純物として、製造時の副生成物を含有してい
るものであってもよい。
また、これらの新規フェノール誘導体の2種以上を混
合した混合組成物、あるいはそれらの新規フェノール誘
導体又はその混合物をさらに縮合した縮合組成物であっ
てもよい。
また、メチロール基を2個以上有するフェノール系化
合物と、尿素類の反応において、該尿素類1モルに対す
るフェノール系化合物のモル比を例えば0.90〜1.10とす
ることにより、フェノールと尿素のホルムアルデヒド交
互共縮合物が得られ、さらに優れた物性が得られる。
フェノール類とホルムアルデヒドとを反応させて得ら
れた化合物と尿素とを反応する場合、尿素のアミノ基に
対するフェノール類とホルムアルデヒドとを反応させて
得られた化合物のメチロール基の当量比が0.3〜5.0にな
るよう調整する。
反応は酸性下で行うが、反応液のpHは1.0〜6.0が適当
であり、好ましくは2.0〜5.0である。
反応液のpHが1.0以下では、反応が早すぎて反応のコ
ントロールが困難であり、6.0以上では反応時間が長す
ぎ好ましくない。
酸性触媒として塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸
や、酢酸、蟻酸フタル酸、マレイン酸、シュウ酸等の有
機酸および反応液を酸性とすることのできるそれらの塩
を用いることができる。
酸性触媒の添加の時期は、水系溶媒にあらかじめ溶解
させてもよく、またフェノール類や尿素を水系溶媒へ溶
解させた後でもよい。
反応温度は50〜130℃が望ましく、50℃以下になると
反応時間が長くなりすぎて好ましくない。
反応温度が130℃以上になると、反応が早すぎて反応
のコントロールが困難になる。
上記の反応は、水系溶媒中で行われることが好ましい
が、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロピル
アルコール、ジオキサン等の水と可溶な溶媒を0〜30%
含んでいてもよい。
本発明のフェノール誘導体と共縮合物の実際の使用に
際しては、従来の尿素系樹脂と同様に行えばよく、さら
に従来のユリア・ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミ
ン・ホルムアルデヒド樹脂(MF)等と混合して使用する
ことも可能である。
従来のこれら樹脂と混合して使用する時は、予め混合
したものでも、使用の直前に混合してもかまわない。
また、必要により、充填剤、増量剤、硬化剤等を加え
ることができる。
(発明の効果) 本発明のフェノール誘導体は新規な熱硬化性樹脂の初
期縮合物に相当し、これ自体接着剤用として用いること
ができるが、これをさらに硬化させると従来技術で達成
されなかった、安価で硬化の早い、耐熱性の高い樹脂を
得ることができる。
本発明の樹脂は、従来のフェノール樹脂や尿素系樹脂
の全ての利用分野で代替が可能であり、産業的、経済的
に大きなメリットを有する。
本発明方法によれば、尿素どうしのホルムアルデヒド
縮合を起すことなく、尿素とフェノール系化合物との反
応により、新規なフェノール誘導体、特に共縮合物を得
ることができる。
(実施例) 本発明を一層具体的に説明するために、実施例を示す
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。なお、実施例中のo−メチロールフェノー
ル、及びp−メチロールフェノールはAldrich Chemical
Company,Inc.製を用いた。
また、実施例1〜3の反応条件は第1表の通りであ
る。
参考例1 2,4,6−トリメチロールフェノールの合成 水酸化ナトリウム40gを、蒸留水139gに溶解させた後
冷却し、フェノール94gを溶解させ、次いで、44.8%ホ
ルマリン201.1gを加え、20℃で1週間反応させた。
次に、反応液をイソプロピルアルコール400mlへ注い
だ。
沈殿をろ過洗浄し、真空乾燥させ、2,4,6−トリメチ
ロールフェノール80gを得た。
実施例1 p−メチロールフェノール20.6gを、100ml容のコンデ
ンサー付反応容器に入れ、20mlの温水を加え溶解させ
た。
次いで、5%硫酸を加え、pHを5.0に調整した。さら
に、尿素10gを溶解させた後、50%硫酸を用いて、pHを
3.0に調整した。
攪拌しながら、85℃で180分間反応させた後、冷却し
所望の共縮合物が得られた。
実施例1の生成物はGPCによって、第1図に示すピー
ク1〜3に分離した。
ピーク1〜3はそれぞれについて分析を行い、IRのチ
ャートを第2図に、13C−NMRのチャートを第3図に示
す。
IRの1640〜1650cm-1吸収はアミノ基に起因するもので
ある。
第1図に示すピーク1は結晶状の物質であり、4−ヒ
ドロキシベンジルユリアと推定され、NMRの44.2ppmのシ
グナルはメチレンのカーボンに帰属され、NMRの160.4pp
mのシグナルはカルボニルのカーボンに帰属される。
また、p−メチロールフェノールの自己縮合に基づく
40.5ppmのシグナルは存在しない。
そして、尿素間の縮合に基づきNMRの47.7ppmのシグナ
ル(−NH−CH2−NH−)およびNMRの53.5ppmのシグナル
[−NH−CH −N(CH2−)−]も存在しない。
なお、メチレン結合の下線はNMRのシグナルの帰属
(以下同じ)を示す。
また、第2表に示す元素分析の結果も論理値に近いも
のである。
第1図に示すピーク2は結晶状の物質であり、N−,
N′−ビス(4−ヒドロキシベンジル)ユリアと推定さ
れ、NMRの44.3ppmのシグナルはメチレンのカーボンに帰
属され、NMRの159.7ppmのシグナルはカルボニルのカー
ボンに帰属される。
そして、尿素間の縮合に基づくNMRの47.7ppmのシグナ
ル(−NH−CH2−NH−)およびNMRの53.5ppmのシグナル
[−NH−CH −N(CH2−)−]も存在しない。
また、第2表示す元素分析の結果も理論値に近いもの
である。
第1図に示すピーク3の物質は次式で表わされるアモ
ルファス状物質であり、 NMRの159.3ppmのシグナルはカルボニルのカーボンに帰
属され、NMRの44.7ppmのシグナルはAのメチレンのカー
ボンに帰属され、NMRの49.2ppmのシグナルはBのメチレ
ンのカーボンに帰属される。
また、p−メチロールフェノールの自己縮合に基づく
40.5ppmのシグナルは存在しない。
そして、尿素間の縮合に基づくNMRの47.7ppmのシグナ
ル(−NH−CH2−NH−)およびNMRの53.5ppmのシグナル
[−NH−CH −N(CH2−)−]も存在しない。
また、第2表に示す元素分析の結果論理値に近いもの
である。
実施例2 実施例1の、p−メチロールフェノールの代わりに、
o−メチロールフェノールを、硫酸の代わりに酢酸を用
いた他は、実施例1と全く同様にして、粘稠性液状の共
縮合物が得られた。
この生成物のNMRスペクトルは、第4図に示すとおり
で、 NMRの44.6ppmのシグナルは2−ヒドロキシ−ベンジル
ユリアのメチレン結合に帰属され、NMRの161.3ppmのシ
グナルは2−ヒドロキシ−ベンジルユリアのカルボニル
基に帰属される。
そして、尿素間の縮合に基づくNMRの47.7ppmのシグナ
ル(−NH−CH2−NH−)およびNMRの53.5ppmのシグナル
[−NH−CH −N(CH2−)−]も存在しない。したが
ってこのものは2−ヒドロキシベンジルユリア、N,N′
ビス(2−ヒドロキシベンジル)ユリア、N,Nビス(2
−ヒドロキシベンジルユリア、トリス(2−ヒドロキシ
ベンジル)ユリア、テトラキス(2−ヒドロキシベンジ
ル)ユリアの混合物と推定される。
実施例3 実施例1の、p−メチロールフェノールの代わりに2,
4,6−トリメチロールフェノールを用い、尿素20.15gを
用いた他は、実施例1と全く同様にして、粘稠性液状の
共縮合物が得られた。
この生成物のNMRスペクトルは、第5図に示すとおり
で、 NMRの40.5ppmのシグナルはo−位と尿素のメチレン結
合に帰属され、NMRの44.3ppmのシグナルはp−位と尿素
のメチレン結合に帰属され、49.2ppmのシグナルはN−N
2置換メチレン結合に帰属される。
そして、尿素間の縮合に基づくNMRの47.7ppmのシグナ
ル(−NH−CH2−NH−)およびNMRの53.5ppmのシグナル
[−NH−CH −N(CH2−)−]も存在しない。したが
ってこのものは2,4−ジヒドロキシベンジルユリア、2,6
−ジヒドロキシベンジルユリア、N,N′(2,4−ジヒドロ
キシベンジル)ユリア、N,N′(2,6−ジヒドロキシベン
ジル)ユリア、トリス(2,4−ジヒドロキシベンジル)
ユリア、トリス(2,6−ジヒドロキシベンジル)ユリ
ア、テトラキス(2,4−ジヒドロキシベンジル)ユリ
ア、テトラキス(2,6−ジヒドロキシベンジル)ユリ
ア、N,N(2,4−ジヒドロキシベンジル)ユリア、N,N
(2,6−ジヒドロキシベンジル)ユリア及びその縮合物
と推定される。
この場合GPC(Gel Permeation Chromotoglaphy)は試
料をジメチルホルムアミド(DMF)へ溶解させR−401型
示差屈折率計(Waters製)で検出した。カラムは、Shod
ex AD2002(昭和電工製)を60℃に保温して使用した。D
MFの流速は3.0ml/minだった。また13C−NMRは試料をピ
リジン−d5−へ溶解させ、FT80ANMR(Varian製)で測定
した。
実施例4 還流冷却器、温度計、攪拌器、滴下ロートを備えた反
応フラスコに、フェノール200g、37%ホルマリン517g、
NaOHを42.4gを仕込み、冷却しながら溶解させた後、50
℃で8時間反応させた。この時遊離のホルムアルデヒド
は0.7%だった。
35℃まで冷却した後、50%硫酸125gを滴下ロートより
滴下させた。この時pHは3.5だった。そして尿素127gを
加え、85℃で60分反応させた。
次にNaCO3で中和した後、冷却した。
生成物は2層に分離した。すなわち上層(水層)と下
層(樹脂層)に分離した。水層を除去し、共縮合物を得
た。このものは実施例2と同様の粘稠性液状の共縮合物
であり、フェノール尿素共縮合樹脂及びその縮合物であ
った。
樹脂組成物の13C−NMRを第6図に示す。尿素間の縮合
のシグナルは、ほとんど存在しない。
実施例5 還流冷却器、温度計、攪拌器、滴下ロートを備えた反
応フラスコに、フェノール200g、37%ホルマリン517g、
Ca(OH)を11.8gを仕込み、冷却しながら溶解させた
後、50%で8時間反応させた。この時遊離のホルムアル
デヒドは1.0%だった。35℃まで冷却した後50%硫酸40g
を滴下ロートより滴下させた。
この時pHは4.0だった。そして尿素127gを加え、85℃
で60分反応させ、NaOHで中和した後、冷却した。生成物
は2層に分離した。すなわち上層(水層)と下層(樹脂
層)に分離した。水層を除去し共縮合物を得た。
参考例2 フェノール尿素樹脂の製造 還流冷却器、温度計、攪拌器、滴下ロートを備えた反
応フラスコに、フェノール200g、37%ホルマリン276g、
NaOHを25.5gを仕込み、冷却しながら溶解させた後、80
℃で3時間反応させた。50℃まで冷却した後、尿素38.3
gとホルムアルデヒド172gを加え、75℃で120分反応させ
冷却した。
得られた樹脂液は、赤褐色透明で、粘度50cp、不揮発
分55%だった。NMRの結果を第7図に示す。共縮合に起
因するシグナルはほとんど存在しない。
参考例3 フェノール樹脂の製造 還流冷却器、温度計、攪拌器、滴下ロートを備えた反
応フラスコに、フェノール200g、37%ホルマリン430.0
g、NaOHを31.8gを仕込み、冷却しながら溶解させた後、
80℃で2時間反応させた後、冷却した。得られた樹脂液
は赤褐色透明で、粘度50cp、不揮発分56%だった。
参考例4 尿素樹脂の製造 還流冷却器、温度計、攪拌器、滴下ロートを備えた反
応フラスコに、尿素300g、37%ホルマリン608.1g、20%
NaOHを加え、pH7.0に攪拌しながら加熱し、85℃で30分
間反応させた後、40%酢酸溶液を用いてpHを5.0に調整
し、85℃で1時間反応させた後、20%NaOHを加えpH8.0
に調整し冷却した。
得られた樹脂液は乳白色で、粘度38cp、不揮発分57.2
%だった。
(接着性試験) 実施例6〜11、比較例1〜5 合板の製造 ラワンの厚さ1.6mmの単板(含水率7%)を用いて、
実施例1〜5の共収縮物及び参考例2〜4で得られた樹
脂を用いて、第3表に示す配合割合で、接着剤を調製
し、下記接着条件で、3プライの合板を作成し、JAS普
通合板規格に基づいて、接着強度を測定した。結果を第
4表に示す。
a)配合条件 第3表に示す割合で配合した。
b)接着条件 塗布量 28g/900cm2(心板) 冷 圧 10kg/cm2,20分 熱 圧 12kg/cm2, 3分または2分,120℃ なお、各樹脂の配合割合は、重量部を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の生成物のGPCのグラフを示し、第2
図及び第3図は同生成物の赤外吸収スペクトルと13C−N
MRチャートをそれぞれ示す。第4図は実施例2の生成物
のNMRスペクトルを示し、第5図は実施例3の生成物のN
MRスペクトルを示し、第6図は実施例4の生成物のNMR
スペクトルを示し、第7図は参考例2の生成物のNMRス
ペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 161/34 C09J 161/34 (56)参考文献 ソ連国特許発明685672(SU,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 275/24,275/10,273/18 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Yは下記式で表わされる基から選ばれる。 式中、R1、R2、R3は互いに同じでも異なってもよい水素
    原子、炭素数が10以下のアルキル基、フェニル基又は−
    Yであり、R4、R6、R8は互いに同じでも異なっていても
    よい水素原子、−Y、−CH2OH又は であり、 R1、R2、R3は前記と同じであり、R5、R7はH、OH又は炭
    素数が10以下のアルキル基を表わす。) で表わされるフェノール誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(I)で表わされる化合物が、分子
    量150〜3000である請求項1記載の新規フェノール誘導
    体。
  3. 【請求項3】一般式(I)の、R1、R2、R3が水素原子、
    又は−Y、Yがo−又はp−ヒドロキシベンジル基又は
    2−ヒドロキシ−3−メチロールベンジル又は2−ヒド
    ロキシ−5−メチロールベンジル基、2−ヒドロキシ−
    3,5−ジメチロールベンジル基又は4−ヒドロキシ−3,5
    −ジメチロールベンジル基である請求項1記載の新規フ
    ェノール誘導体。
  4. 【請求項4】一般式(I)のR1、R2、R3が水素原子、又
    は−Y、Yがo−又はp−ヒドロキシベンジル基もしく
    は2(又は4)−ヒドロキシ−3−メチロールベンジル
    又は2(又は4)−ヒドロキシ−5−メチロールベンジ
    ル基もしくは、2−ヒドロキシ−3,5−ジメチロール−
    ベンジル基又は4−ヒドロキシ−3,5−ジメチロールベ
    ンジル基である請求項1又は2記載のフェノール誘導
    体。
  5. 【請求項5】酸性水系溶媒中において、下記一般式(II
    −a)又は(II−b)で表わされるフェノール系化合物
    と、下記一般式(III)で表わされる尿素類とを反応さ
    せることを特徴とする請求項1記載の一般式(I)で表
    わされるフェノール誘導体の製造方法。 (式中、R4、R6、R8は水素原子又は−CH2OH、R5、R7
    水素原子、OH又は炭素数が10以下のアルキル基を表わ
    す。) (式中、R1、R2、R3は前記の一般式(I)と同じ基を示
    す。)
  6. 【請求項6】一般式(II−a)又は(II−b)のフェノ
    ール系化合物がフェノール類とホルムアルデヒドをアル
    カリの存在下で反応させて得られたものである請求項5
    記載のフェノール誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】フェノール類が1価のフェノール類又は2
    価のフェノール類の1種又は2種以上の混合物である請
    求項6記載のフェノール誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】一般式(II−a)又は(II−b)のフェノ
    ール系化合物が、o−及び/又はp−メチロールフェノ
    ール、2,4−及び/又は2,6−ジメチロール及び/又は2,
    4,6−トリメチロールフェノールである請求項5記載の
    フェノール誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】酸性水系溶媒がpH1.0〜6.0である請求項5
    記載のフェノール誘導体の製造方法。
  10. 【請求項10】酸性水系溶媒が、酸として鉱酸、有機酸
    又は反応液を酸性とすることのできるそれらの塩を用い
    たものである請求項5記載のフェノール誘導体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項1記載のフェノール誘導体を含有
    する接着剤組成物。
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