JPH06270632A - サスペンション制御装置 - Google Patents
サスペンション制御装置Info
- Publication number
- JPH06270632A JPH06270632A JP8274793A JP8274793A JPH06270632A JP H06270632 A JPH06270632 A JP H06270632A JP 8274793 A JP8274793 A JP 8274793A JP 8274793 A JP8274793 A JP 8274793A JP H06270632 A JPH06270632 A JP H06270632A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- initial position
- passage area
- vibration
- area adjusting
- vehicle speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速走行時のばね下のばたつきを抑制できる
サスペンション制御装置を提供する。 【構成】 車速センサ7の検出値があらかじめ設定した
基準値を越えたときにアクチュエータ5を制御して通路
面積調整体の初期位置を伸び側ハード領域B側に移動さ
せるコントローラ20を設けた。車速が基準値を越えたと
きに、通路面積調整体を伸び側ハード領域B側の位置θ
に初期位置を設定して伸び側減衰係数を大きい値にし、
高速時の振動制御の遅れによるばね下のばたつきの抑制
を図ることができる。
サスペンション制御装置を提供する。 【構成】 車速センサ7の検出値があらかじめ設定した
基準値を越えたときにアクチュエータ5を制御して通路
面積調整体の初期位置を伸び側ハード領域B側に移動さ
せるコントローラ20を設けた。車速が基準値を越えたと
きに、通路面積調整体を伸び側ハード領域B側の位置θ
に初期位置を設定して伸び側減衰係数を大きい値にし、
高速時の振動制御の遅れによるばね下のばたつきの抑制
を図ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車に用いられるサ
スペンション制御装置に関する。
スペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のサスペンション制御装置の一例と
して、図8に示すものがある。図において、車両を構成
する車体1と4個(図には一つのみを示す。)の車輪2
側との間には、減衰係数反転型ショックアブソーバ3及
びばね4が介装されており、車体1を支持している。な
お、減衰係数反転型ショックアブソーバ3及びばね4は
4個の車輪2に対応してそれぞれ4個設けられている
が、便宜上そのうち一つのみを図示している。
して、図8に示すものがある。図において、車両を構成
する車体1と4個(図には一つのみを示す。)の車輪2
側との間には、減衰係数反転型ショックアブソーバ3及
びばね4が介装されており、車体1を支持している。な
お、減衰係数反転型ショックアブソーバ3及びばね4は
4個の車輪2に対応してそれぞれ4個設けられている
が、便宜上そのうち一つのみを図示している。
【0003】減衰係数反転型ショックアブソーバ3は、
アクチュエータ5に駆動される通路面積調整体(図示省
略)の位置に応じて伸び側、縮み側の減衰係数調整可能
で、図9に示すように、通路面積調整体を一側から他側
へ移動したとき伸び側の減衰係数は所定領域で小さい値
(ソフト)で該所定領域(以下、伸び側ソフト領域Aと
いう。)を越えた領域(以下、伸び側ハード領域Bとい
う。)で逓増し、縮み側の減衰係数は前記伸び側ソフト
領域Aでハード状態で逓減し伸び側ハード領域Bで小さ
い値(ソフト)を示す特性を有しており、通路面積調整
体は伸び側及び縮み側の減衰力が共に小さくなる(ソフ
ト状態を示す)所定領域の境の位置(図9で位置θ=0
(以下、当該位置をセンタ位置という。))に初期位置
が設定されている。
アクチュエータ5に駆動される通路面積調整体(図示省
略)の位置に応じて伸び側、縮み側の減衰係数調整可能
で、図9に示すように、通路面積調整体を一側から他側
へ移動したとき伸び側の減衰係数は所定領域で小さい値
(ソフト)で該所定領域(以下、伸び側ソフト領域Aと
いう。)を越えた領域(以下、伸び側ハード領域Bとい
う。)で逓増し、縮み側の減衰係数は前記伸び側ソフト
領域Aでハード状態で逓減し伸び側ハード領域Bで小さ
い値(ソフト)を示す特性を有しており、通路面積調整
体は伸び側及び縮み側の減衰力が共に小さくなる(ソフ
ト状態を示す)所定領域の境の位置(図9で位置θ=0
(以下、当該位置をセンタ位置という。))に初期位置
が設定されている。
【0004】車体1には振動の状態を検出する上下加速
度検出手段6が設けられており、車体1に作用する上下
方向の加速度を検出するようになっている。また、車両
には、車速を検出する車速センサ7及びステアリングセ
ンサ8が設けられている。
度検出手段6が設けられており、車体1に作用する上下
方向の加速度を検出するようになっている。また、車両
には、車速を検出する車速センサ7及びステアリングセ
ンサ8が設けられている。
【0005】上下加速度検出手段6、車速センサ7及び
ステアリングセンサ8に接続してコントローラ9が設け
られている。コントローラ9は、次のような演算処理を
行なって演算結果に基づいて接続機器を制御する。この
コントローラ9の演算内容を説明する。
ステアリングセンサ8に接続してコントローラ9が設け
られている。コントローラ9は、次のような演算処理を
行なって演算結果に基づいて接続機器を制御する。この
コントローラ9の演算内容を説明する。
【0006】図10は、本コントローラ9のメインプログ
ラム(メインルーチン)であり、まず、初期設定を行な
う(ステップS1)。続くステップS2以降の処理は制御周
期Tm毎に実行されるようになっており、ステップS2で制
御周期Tmが経過したか否かの判定を行なって制御プログ
ラム実行の時間管理を行なう。ステップS2でYES と判定
すると、前周期の指示によってアクチュエータ5を制御
して通路面積調整体を駆動させる(ステップS3)。次の
S4でセンサ値の取り込み及び演算を行なう。
ラム(メインルーチン)であり、まず、初期設定を行な
う(ステップS1)。続くステップS2以降の処理は制御周
期Tm毎に実行されるようになっており、ステップS2で制
御周期Tmが経過したか否かの判定を行なって制御プログ
ラム実行の時間管理を行なう。ステップS2でYES と判定
すると、前周期の指示によってアクチュエータ5を制御
して通路面積調整体を駆動させる(ステップS3)。次の
S4でセンサ値の取り込み及び演算を行なう。
【0007】続くステップS5で、演算後のセンサ値を用
いて基本制御ロジックの演算を行ない、この演算によっ
て求めた減衰係数に基づいて通路面積調整体の位置設定
を、例えば図9に示すように決める(ステップS6)。図
9において、横軸上(θ)の「。」が通路面積調整体の
位置である。
いて基本制御ロジックの演算を行ない、この演算によっ
て求めた減衰係数に基づいて通路面積調整体の位置設定
を、例えば図9に示すように決める(ステップS6)。図
9において、横軸上(θ)の「。」が通路面積調整体の
位置である。
【0008】前記基本制御ロジックについて説明する。
本基本制御ロジックはカーノップ(Karnopp )の制御則
に基づいて実行されるものであり、まずカーノップの制
御則を説明する(ASME,Journal of Engineering for I
ndustry 96-2号 P.619 〜 626(May ,1974)参照)。
カーノップの制御則は、大略ばね上絶対速度(S )とば
ね上ばね下間相対速度( S −X ) との積の符号によって
得るべき減衰力、ひいては減衰係数を求めようとするも
のであり、その考え方は次式で示される。 IF S ( S −X ) >0 (1) F =−CS X=−C ( S −X ) (2) ∴ C =CS/( S −X ) (3) IF S ( S −X ) <0 (4) F =0 (5) ∴ C =0 (6) ここで、 S :ばね上(車体1)の絶対速度(上下加速度検出手段
6の検出値を積分することで得られる。) X :ばね下(車軸)の絶対速度 F :ショックアブソーバの減衰力 CS:ばね上と絶対座標系との間に設けたショックアブソ
ーバの減衰係数 C :ばね上とばね下との間に設けたショックアブソーバ
の減衰係数
本基本制御ロジックはカーノップ(Karnopp )の制御則
に基づいて実行されるものであり、まずカーノップの制
御則を説明する(ASME,Journal of Engineering for I
ndustry 96-2号 P.619 〜 626(May ,1974)参照)。
カーノップの制御則は、大略ばね上絶対速度(S )とば
ね上ばね下間相対速度( S −X ) との積の符号によって
得るべき減衰力、ひいては減衰係数を求めようとするも
のであり、その考え方は次式で示される。 IF S ( S −X ) >0 (1) F =−CS X=−C ( S −X ) (2) ∴ C =CS/( S −X ) (3) IF S ( S −X ) <0 (4) F =0 (5) ∴ C =0 (6) ここで、 S :ばね上(車体1)の絶対速度(上下加速度検出手段
6の検出値を積分することで得られる。) X :ばね下(車軸)の絶対速度 F :ショックアブソーバの減衰力 CS:ばね上と絶対座標系との間に設けたショックアブソ
ーバの減衰係数 C :ばね上とばね下との間に設けたショックアブソーバ
の減衰係数
【0009】なお、式(3)については、( S −X ) を
平均的な一定の値と見なし、 C =KV S (7) ただし、KV:定数 と近似して求めることができ、本基本制御ロジックでは
カーノップの制御則の式(3)に代えて式(7)を用い
て減衰係数を求めている。また、カーノップの制御則の
式(6)ではC =0としているが、振動の変化に対して
制御遅れがあることにより本基本制御ロジックでは C =Cmin(≠0) (8) としている。すなわち、本基本制御ロジックでは式
(1)の条件の場合、式(7)に対応する位置に、また
式(4)の条件の場合、式(8)に対応する位置に通路
面積調整体を設定して必要とされる減衰係数ひいては減
衰力を得ることにより振動制御を行なう。
平均的な一定の値と見なし、 C =KV S (7) ただし、KV:定数 と近似して求めることができ、本基本制御ロジックでは
カーノップの制御則の式(3)に代えて式(7)を用い
て減衰係数を求めている。また、カーノップの制御則の
式(6)ではC =0としているが、振動の変化に対して
制御遅れがあることにより本基本制御ロジックでは C =Cmin(≠0) (8) としている。すなわち、本基本制御ロジックでは式
(1)の条件の場合、式(7)に対応する位置に、また
式(4)の条件の場合、式(8)に対応する位置に通路
面積調整体を設定して必要とされる減衰係数ひいては減
衰力を得ることにより振動制御を行なう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したサ
スペンション制御装置では通路面積調整体を伸び側及び
縮み側の減衰係数が共に小さくなる所定領域の境の位置
(図9で位置θ=0、すなわちセンタ位置)に初期位置
を設定したものになっている。このため、ほとんど振動
がない場合、通路面積調整体は初期位置となるので低速
時(約50Km/h 以下)における乗り心地は優れたものに
なっており、また路面からの入力も小さいため上述の制
御を行なうことにより優れた振動制御を行なうことがで
きた。しかし、高速走行時には、車速に比して路面から
の入力が大きくなり振動制御が遅れやすいためばね下の
振動抑制機能が劣ったものになっていていわゆるばたつ
きを抑えられなかった。
スペンション制御装置では通路面積調整体を伸び側及び
縮み側の減衰係数が共に小さくなる所定領域の境の位置
(図9で位置θ=0、すなわちセンタ位置)に初期位置
を設定したものになっている。このため、ほとんど振動
がない場合、通路面積調整体は初期位置となるので低速
時(約50Km/h 以下)における乗り心地は優れたものに
なっており、また路面からの入力も小さいため上述の制
御を行なうことにより優れた振動制御を行なうことがで
きた。しかし、高速走行時には、車速に比して路面から
の入力が大きくなり振動制御が遅れやすいためばね下の
振動抑制機能が劣ったものになっていていわゆるばたつ
きを抑えられなかった。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、高速走行時のばね下のばたつきを抑制できるサスペ
ンション制御装置を提供することを目的とする。
で、高速走行時のばね下のばたつきを抑制できるサスペ
ンション制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、アクチュエータに駆動される通路面積調
整体の位置に応じて伸び側、縮み側の減衰係数が調整可
能で、通路面積調整体を一側から他側へ移動したとき伸
び側の減衰係数は所定領域で小さい値で該所定領域を越
えた領域で逓増し、縮み側の減衰係数は前記所定領域で
逓減し該所定領域を越えた領域で小さい値を示す特性を
有する減衰係数反転型ショックアブソーバを車体と車輪
側との間に介装し、車体の振動状態を検出する振動状態
検出手段を設け、前記通路面積調整体の位置の減衰係数
が伸び側及び縮み側が共に小さい値となる前記所定領域
の境を初期位置として、該振動状態検出手段により振動
をほとんど検出しない場合は、前記通路面積調整体の位
置を初期位置とし、該振動状態検出手段により振動を検
出した場合は、振動状態検出手段の検出データに基づき
前記通路面積調整体の位置を初期位置より一側または他
側に移動制御して振動を制御するサスペンション制御装
置において、車速を検出する車速センサと、車速センサ
の検出値があらかじめ設定した基準値を越えたときに前
記通路面積調整体の初期位置を一側または他側へ移動さ
せる初期位置移動手段とを設けたことを特徴とする。こ
の場合、可動体初期位置移動手段が、通路面積調整体を
所定領域を越えた領域側に移動させてなるように構成し
てもよい。
成するために、アクチュエータに駆動される通路面積調
整体の位置に応じて伸び側、縮み側の減衰係数が調整可
能で、通路面積調整体を一側から他側へ移動したとき伸
び側の減衰係数は所定領域で小さい値で該所定領域を越
えた領域で逓増し、縮み側の減衰係数は前記所定領域で
逓減し該所定領域を越えた領域で小さい値を示す特性を
有する減衰係数反転型ショックアブソーバを車体と車輪
側との間に介装し、車体の振動状態を検出する振動状態
検出手段を設け、前記通路面積調整体の位置の減衰係数
が伸び側及び縮み側が共に小さい値となる前記所定領域
の境を初期位置として、該振動状態検出手段により振動
をほとんど検出しない場合は、前記通路面積調整体の位
置を初期位置とし、該振動状態検出手段により振動を検
出した場合は、振動状態検出手段の検出データに基づき
前記通路面積調整体の位置を初期位置より一側または他
側に移動制御して振動を制御するサスペンション制御装
置において、車速を検出する車速センサと、車速センサ
の検出値があらかじめ設定した基準値を越えたときに前
記通路面積調整体の初期位置を一側または他側へ移動さ
せる初期位置移動手段とを設けたことを特徴とする。こ
の場合、可動体初期位置移動手段が、通路面積調整体を
所定領域を越えた領域側に移動させてなるように構成し
てもよい。
【0013】
【作用】上記構成とすれば、車速が基準値を越える時
に、初期位置移動手段により初期位置が一側または他側
に移動するので、振動状態検出手段により振動をほとん
ど検出しない場合に、伸び側または縮み側の一方の減衰
係数が小さい値より大きい値となるので、突然の路面か
らの入力に対して振動制御が遅れても、ばね下のばたつ
きを抑えることができる。
に、初期位置移動手段により初期位置が一側または他側
に移動するので、振動状態検出手段により振動をほとん
ど検出しない場合に、伸び側または縮み側の一方の減衰
係数が小さい値より大きい値となるので、突然の路面か
らの入力に対して振動制御が遅れても、ばね下のばたつ
きを抑えることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の第1実施例のサスペンション
制御装置を図1ないし図4に基づいて説明する。なお、
図8に示す部材及び部分と同一の部材及び部分は同一の
符号で示しその説明は省略する。
制御装置を図1ないし図4に基づいて説明する。なお、
図8に示す部材及び部分と同一の部材及び部分は同一の
符号で示しその説明は省略する。
【0015】振動検出手段としての上下加速度検出手段
6、車速センサ7及びステアリングセンサ8に接続する
コントローラ20は、次のような演算処理を行なって演算
結果に基づいて接続機器を制御する。このコントローラ
20の演算内容を説明する。なお、本実施例では後述する
制御内容を有するコントローラ20が可動体初期位置移動
手段を構成している。
6、車速センサ7及びステアリングセンサ8に接続する
コントローラ20は、次のような演算処理を行なって演算
結果に基づいて接続機器を制御する。このコントローラ
20の演算内容を説明する。なお、本実施例では後述する
制御内容を有するコントローラ20が可動体初期位置移動
手段を構成している。
【0016】図3は、本コントローラ20のメインプログ
ラム(メインルーチン)であり、ステップS1ないしステ
ップS6については、基本制御ロジックを含め上述した図
10の処理と同様に処理を行ない、ステップS6に続くステ
ップS20 で初期位置移動ロジックのサブルーチン処理を
行なう。なお、本コントローラ20に接続して、車速セン
サ7が検出する車速値と比較するためのn個のしきい値
V1〜Vn及び表1に示すデータを格納するメモリ(図示省
略)が設けられており、本コントローラ20はしきい値V1
〜Vnを適宜読み出すと共に、車速に応じて初期位置のず
れ量θS を読み出すようになっている。
ラム(メインルーチン)であり、ステップS1ないしステ
ップS6については、基本制御ロジックを含め上述した図
10の処理と同様に処理を行ない、ステップS6に続くステ
ップS20 で初期位置移動ロジックのサブルーチン処理を
行なう。なお、本コントローラ20に接続して、車速セン
サ7が検出する車速値と比較するためのn個のしきい値
V1〜Vn及び表1に示すデータを格納するメモリ(図示省
略)が設けられており、本コントローラ20はしきい値V1
〜Vnを適宜読み出すと共に、車速に応じて初期位置のず
れ量θS を読み出すようになっている。
【0017】
【表1】
【0018】初期位置移動ロジックは、図4に示すよう
に実行される。すなわち、ステップS201ないしステップ
S206において、車速があるしきい値以上の時に、それぞ
れの車速に応じた初期位置のずれ量θS を決定する。次
にステップS207においてこの初期位置のずれ量θS を前
記基本制御ロジックに基づいて決定した位置θに加算し
て通路面積調整体を伸び側ハード領域B側の位置θに変
換する。
に実行される。すなわち、ステップS201ないしステップ
S206において、車速があるしきい値以上の時に、それぞ
れの車速に応じた初期位置のずれ量θS を決定する。次
にステップS207においてこの初期位置のずれ量θS を前
記基本制御ロジックに基づいて決定した位置θに加算し
て通路面積調整体を伸び側ハード領域B側の位置θに変
換する。
【0019】このように構成されるサスペンション制御
装置では、車速があるしきい値以上の時に、基本制御ロ
ジックによって決定された位置θをθS だけ伸び側ハー
ド領域B側に変換するので、振動がほとんど検出しない
場合でも、通路面積調整体の位置は、伸び側ハード領域
B側となる。このため、高速時にばね下共振点付近のば
ね下のばたつきの抑制を図ることができる。さらに、高
速時に伸び側の減衰係数と縮み側の減衰係数との差を大
きく設定すると、ショックアブソーバが縮みやすく、伸
びにくくなるので、振動により車高を低くすることが可
能となる。
装置では、車速があるしきい値以上の時に、基本制御ロ
ジックによって決定された位置θをθS だけ伸び側ハー
ド領域B側に変換するので、振動がほとんど検出しない
場合でも、通路面積調整体の位置は、伸び側ハード領域
B側となる。このため、高速時にばね下共振点付近のば
ね下のばたつきの抑制を図ることができる。さらに、高
速時に伸び側の減衰係数と縮み側の減衰係数との差を大
きく設定すると、ショックアブソーバが縮みやすく、伸
びにくくなるので、振動により車高を低くすることが可
能となる。
【0020】上記実施例では車速の判定をn回行なう場
合を例にしたが、通路面積調整体を伸び側ハード領域B
側の位置θに初期位置を設定するのは、高速時であるの
で実際には2回程度が良好であると考えられる。
合を例にしたが、通路面積調整体を伸び側ハード領域B
側の位置θに初期位置を設定するのは、高速時であるの
で実際には2回程度が良好であると考えられる。
【0021】次に本発明の第2実施例を図5及び図6に
基づいて説明する。この第2実施例は、前記第1実施例
のコントローラ20の初期位置移動ロジックが図4に示す
内容であるのに対し、図5に示す内容を有していること
が異なっており、他の部材及び制御内容は第1実施例と
同一であり、この同一部分の説明は省略する。なお、こ
の場合、コントローラ20に接続したメモリには、車速セ
ンサ7が検出する車速値と比較するためのm個のしきい
値V1〜Vm、及び車速に対応して設定され減衰係数と比較
するためのm個のしきい値θ1 〜θm が格納されていて
適宜コントローラ20によって読み出されるようになって
いる。
基づいて説明する。この第2実施例は、前記第1実施例
のコントローラ20の初期位置移動ロジックが図4に示す
内容であるのに対し、図5に示す内容を有していること
が異なっており、他の部材及び制御内容は第1実施例と
同一であり、この同一部分の説明は省略する。なお、こ
の場合、コントローラ20に接続したメモリには、車速セ
ンサ7が検出する車速値と比較するためのm個のしきい
値V1〜Vm、及び車速に対応して設定され減衰係数と比較
するためのm個のしきい値θ1 〜θm が格納されていて
適宜コントローラ20によって読み出されるようになって
いる。
【0022】第1実施例では通路面積調整体の位置θを
全体的に、伸び側減衰係数が大きい値になるように伸び
側ハード領域B側に移動しているが、この第2実施例で
はこれに代えて、基本制御ロジックにより決定される通
路面積調整体の位置θが、伸び側ハード領域B側にある
ことを条件にして、車速があるしきい値Vm(Vm>Vm-1)
より高く、かつ基本制御ロジックにより決定される通路
面積調整体の位置θが、車速によって決定される前記し
きい値θm より小さいときは、θ=θm としてアクチュ
エータ5を駆動して通路面積調整体の位置を設定するよ
うにしている。この時θm はセンタ位置(θ=0)から
θmCを含む伸び側減衰係数が大きい値を示す位置、すな
わち伸び側ハード領域B側であり(図6参照)、θm は
θmCと同一であってもよい(ただし、θm >θm-1 )。
全体的に、伸び側減衰係数が大きい値になるように伸び
側ハード領域B側に移動しているが、この第2実施例で
はこれに代えて、基本制御ロジックにより決定される通
路面積調整体の位置θが、伸び側ハード領域B側にある
ことを条件にして、車速があるしきい値Vm(Vm>Vm-1)
より高く、かつ基本制御ロジックにより決定される通路
面積調整体の位置θが、車速によって決定される前記し
きい値θm より小さいときは、θ=θm としてアクチュ
エータ5を駆動して通路面積調整体の位置を設定するよ
うにしている。この時θm はセンタ位置(θ=0)から
θmCを含む伸び側減衰係数が大きい値を示す位置、すな
わち伸び側ハード領域B側であり(図6参照)、θm は
θmCと同一であってもよい(ただし、θm >θm-1 )。
【0023】図5において、基本制御ロジックにより決
定されたθの値が0以上(ここで、0以上とは、伸び側
減衰係数が大きい値(ハード)であるときを言う。)の
時に限って(ステップS221)、以下のステップS222ない
しステップS230の処理を行う。
定されたθの値が0以上(ここで、0以上とは、伸び側
減衰係数が大きい値(ハード)であるときを言う。)の
時に限って(ステップS221)、以下のステップS222ない
しステップS230の処理を行う。
【0024】ステップS222で車速がしきい値Vmよりも大
きいと判定すると、基本制御ロジックにより決定された
θの値がしきい値θm 以下か否かを判定し(ステップS2
23)このステップS223でYES と判定すると、θ=θmCと
し、アクチュエータ5ひいては通路面積調整体をこのθ
=θmCに対応した位置に初期位置に設定する(ステップ
S224)。ステップS222で車速がしきい値Vm以下である
(NO)と判定すると、ステップS225において、車速をし
きい値Vm-1と比較し、車速>Vm-1であるとステップS223
及びステップS224と同様にθとしきい値θm-1 の比較を
行なう(ステップS226、ステップS227)。すなわち、ス
テップS226でθ<θm-1 と判定すると、θ=θmCとし、
アクチュエータ5ひいては通路面積調整体をこのθ=θ
m-1Cに対応した位置に初期位置を設定する(ステップS2
24)。上述した処理を、θが決定されるまでm回実行す
ることになる。
きいと判定すると、基本制御ロジックにより決定された
θの値がしきい値θm 以下か否かを判定し(ステップS2
23)このステップS223でYES と判定すると、θ=θmCと
し、アクチュエータ5ひいては通路面積調整体をこのθ
=θmCに対応した位置に初期位置に設定する(ステップ
S224)。ステップS222で車速がしきい値Vm以下である
(NO)と判定すると、ステップS225において、車速をし
きい値Vm-1と比較し、車速>Vm-1であるとステップS223
及びステップS224と同様にθとしきい値θm-1 の比較を
行なう(ステップS226、ステップS227)。すなわち、ス
テップS226でθ<θm-1 と判定すると、θ=θmCとし、
アクチュエータ5ひいては通路面積調整体をこのθ=θ
m-1Cに対応した位置に初期位置を設定する(ステップS2
24)。上述した処理を、θが決定されるまでm回実行す
ることになる。
【0025】この第2実施例は、前記第1実施例と同様
に、車速があるしきい値以上の時に、通路面積調整体を
伸び側ハード領域B側の位置θに初期位置を設定して伸
び側減衰係数を大きい値にする。このため、第1実施例
と同様にして高速時にばね下共振点付近のばね下のばた
つきを抑えると共に、高速時に車高を下降させることが
可能となる。
に、車速があるしきい値以上の時に、通路面積調整体を
伸び側ハード領域B側の位置θに初期位置を設定して伸
び側減衰係数を大きい値にする。このため、第1実施例
と同様にして高速時にばね下共振点付近のばね下のばた
つきを抑えると共に、高速時に車高を下降させることが
可能となる。
【0026】次に本発明の第3実施例を図7に基づいて
説明する。前記第1実施例では通路面積調整体を連続的
に位置設定し得るものであったが、これに比してこの第
3実施例は、通路面積調整体の位置設定がステップ的
(不連続的)であることが異なっている。この第3実施
例でも、前記第1実施例と同様に、車速があるしきい値
以上の時に、通路面積調整体を伸び側ハード領域B側の
位置θに初期位置を設定して伸び側減衰係数を大きい値
にする。このため、第1実施例と同様にして高速時にば
ね下共振点付近のばね下のばたつきを抑えると共に、高
速時に車高を下降させることが可能になる。
説明する。前記第1実施例では通路面積調整体を連続的
に位置設定し得るものであったが、これに比してこの第
3実施例は、通路面積調整体の位置設定がステップ的
(不連続的)であることが異なっている。この第3実施
例でも、前記第1実施例と同様に、車速があるしきい値
以上の時に、通路面積調整体を伸び側ハード領域B側の
位置θに初期位置を設定して伸び側減衰係数を大きい値
にする。このため、第1実施例と同様にして高速時にば
ね下共振点付近のばね下のばたつきを抑えると共に、高
速時に車高を下降させることが可能になる。
【0027】なお、上記各実施例では、車速が基準値を
超える時に、初期位置移動手段により初期位置が伸び側
ハード領域B側に移動するのを示したがこれに限らず、
縮み側ハード領域A側に移動させるようにしても良い。
また、上記各実施例では、ショックアブソーバの減衰係
数特性を図2,6,7の実線に示すように伸び側ソフト
領域Aでは伸び側の減衰係数は小さい値で一定となって
いるが、これに限らす図2に破線で示すように伸び側ソ
フト領域Aであっても実質的にソフトの特性であれば一
定でなくともよい。
超える時に、初期位置移動手段により初期位置が伸び側
ハード領域B側に移動するのを示したがこれに限らず、
縮み側ハード領域A側に移動させるようにしても良い。
また、上記各実施例では、ショックアブソーバの減衰係
数特性を図2,6,7の実線に示すように伸び側ソフト
領域Aでは伸び側の減衰係数は小さい値で一定となって
いるが、これに限らす図2に破線で示すように伸び側ソ
フト領域Aであっても実質的にソフトの特性であれば一
定でなくともよい。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
たサスペンション制御装置であるから、車速が基準値を
越える時に、初期位置移動手段により初期位置が一側ま
たは他側に移動するので、振動状態検出手段により振動
をほとんど検出しない場合に、伸び側または縮み側の一
方の減衰係数が小さい値より大きい値となるので、突然
の路面からの入力に対して振動制御が遅れても、ばね下
のばたつきを抑えることができる。
たサスペンション制御装置であるから、車速が基準値を
越える時に、初期位置移動手段により初期位置が一側ま
たは他側に移動するので、振動状態検出手段により振動
をほとんど検出しない場合に、伸び側または縮み側の一
方の減衰係数が小さい値より大きい値となるので、突然
の路面からの入力に対して振動制御が遅れても、ばね下
のばたつきを抑えることができる。
【図1】本発明の第1実施例のサスペンション制御装置
を模式的に示す図である。
を模式的に示す図である。
【図2】同サスペンション制御装置の通路面積調整体の
位置と、伸び側減衰係数、縮み側減衰係数との関係を示
す図である。
位置と、伸び側減衰係数、縮み側減衰係数との関係を示
す図である。
【図3】同サスペンション制御装置のコントローラのメ
インプログラムを示すフローチャートである。
インプログラムを示すフローチャートである。
【図4】同コントローラの初期位置移動ロジックサブル
ーチンを示すフローチャートである。
ーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施例におけるコントローラの初
期位置移動ロジックサブルーチンを示すフローチャート
である。
期位置移動ロジックサブルーチンを示すフローチャート
である。
【図6】同第2実施例における通路面積調整体の位置
と、伸び側減衰係数、縮み側減衰係数との関係を示す図
である。
と、伸び側減衰係数、縮み側減衰係数との関係を示す図
である。
【図7】本発明の第3実施例における通路面積調整体の
位置と、伸び側減衰係数、縮み側減衰係数との関係を示
す図である。
位置と、伸び側減衰係数、縮み側減衰係数との関係を示
す図である。
【図8】従来のサスペンション制御装置の一例を模式的
に示す図である。
に示す図である。
【図9】同サスペンション制御装置の通路面積調整体の
位置と、伸び側減衰係数、縮み側減衰係数との関係を示
す図である。
位置と、伸び側減衰係数、縮み側減衰係数との関係を示
す図である。
【図10】同サスペンション制御装置のコントローラの
制御内容を示すフローチャートである。
制御内容を示すフローチャートである。
1 車体 2 車輪 3 減衰係数反転型ショックアブソーバ 5 アクチュエータ 7 車速センサ 20 コントローラ
Claims (2)
- 【請求項1】 アクチュエータに駆動される通路面積調
整体の位置に応じて伸び側、縮み側の減衰係数が調整可
能で、通路面積調整体を一側から他側へ移動したとき伸
び側の減衰係数は所定領域で小さい値で該所定領域を越
えた領域で逓増し、縮み側の減衰係数は前記所定領域で
逓減し該所定領域を越えた領域で小さい値を示す特性を
有する減衰係数反転型ショックアブソーバを車体と車輪
側との間に介装し、車体の振動状態を検出する振動状態
検出手段を設け、前記通路面積調整体の位置の減衰係数
が伸び側及び縮み側が共に小さい値となる前記所定領域
の境を初期位置として、該振動状態検出手段により振動
をほとんど検出しない場合は、前記通路面積調整体の位
置を初期位置とし、該振動状態検出手段により振動を検
出した場合は、振動状態検出手段の検出データに基づき
前記通路面積調整体の位置を初期位置より一側または他
側に移動制御して振動を制御するサスペンション制御装
置において、車速を検出する車速センサと、車速センサ
の検出値があらかじめ設定した基準値を越えたときに前
記通路面積調整体の初期位置を一側または他側へ移動さ
せる初期位置移動手段とを設けたことを特徴とするサス
ペンション制御装置。 - 【請求項2】 可動体初期位置移動手段が、通路面積調
整体を所定領域を越えた領域側に移動させてなる請求項
1記載のサスペンション制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08274793A JP3314215B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | サスペンション制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08274793A JP3314215B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | サスペンション制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06270632A true JPH06270632A (ja) | 1994-09-27 |
JP3314215B2 JP3314215B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=13783026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08274793A Expired - Fee Related JP3314215B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | サスペンション制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3314215B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-17 JP JP08274793A patent/JP3314215B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3314215B2 (ja) | 2002-08-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5701245A (en) | Suspension control system | |
KR101980913B1 (ko) | 차량용 서스펜션 제어 장치 | |
JPH08175193A (ja) | 能動型エンジンマウント装置 | |
JPS63251318A (ja) | 自動車の走行状況適応サスペンシヨン制御方式 | |
JP6478063B2 (ja) | 車両用減衰力制御装置 | |
JP2007040497A (ja) | 可変減衰力ダンパの制御装置 | |
JP3379024B2 (ja) | サスペンション制御装置 | |
JP2007203831A (ja) | サスペンション制御装置 | |
JPH07117433A (ja) | サスペンション制御装置 | |
JP2003104024A (ja) | サスペンション制御装置 | |
JP3070623B2 (ja) | 減衰力制御装置 | |
JPH09301164A (ja) | 振動抑制装置 | |
JP3314215B2 (ja) | サスペンション制御装置 | |
JP3272828B2 (ja) | 車両用サスペンション装置 | |
JP3167835B2 (ja) | 車両用サスペンション装置 | |
JPS62198513A (ja) | 油圧緩衝器の減衰力制御装置 | |
JP3139579B2 (ja) | 車両用サスペンションの制御装置 | |
KR100229413B1 (ko) | 자동차의 롤링 제어장치 및 그 제어방법 | |
JPH08207541A (ja) | 車両用減衰力付与機構のための電気制御装置 | |
JPH082231A (ja) | サスペンション制御装置 | |
JP3860247B2 (ja) | 懸架系の減衰力制御装置 | |
KR101997323B1 (ko) | 차량의 급제동 제어방법 | |
JP3167836B2 (ja) | 車両用サスペンション装置 | |
JPH0732840A (ja) | 車両用サスペンション装置 | |
JP3019461B2 (ja) | 減衰力制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |