JPH0627046Y2 - 農業用作業車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、数条の畝に沿って移動し、苗の植え付け、芽
摘み、除草、収穫などの作業を行うための農業用作業車
に関する。

［従来の技術］ たばこ葉の栽培などにおいては、所定間隔で作られた畝
に沿って自動的に走行する農業用作業車が使われてい
る。（実開昭５８−１８９７０９、実開昭５８−１８９
７１４） このような農業用作業車においては、畝幅の間隔で設置
した一対のクローラーと、このクローラー上に・・・・
載置した支柱と、支柱相互を連結する横柱からなる車台
とをそなえ、前記支柱の一方に操作装置と運転台を設
け、この運転台と他方の支柱に設けた作業者用座席に乗
った作業者が、クローラーの進行に従って必要な作業を
行うようにしている。

また、横柱は車台上に収穫物などを載置する棚を構成し
ており、載置量を多くするために横柱を支柱相互の間隔
より長くして両側に突出させ、その両端部に作業者用座
席を懸架して吊持させることにより４条の畝に対して同
時に作業できるようにしたものもある。

［本発明が解決しようとする課題］ しかるに、作業車が畝に沿って走行する間はクローラー
上の運転台は作業者用座席として使用され、運転者も他
の支柱および両脇の作業者とともに作業をするが、畝端
に達して次の畝に移行する場合は、畝の外側で作業車を
旋回させ、方向変換をして次の畝に移行する。

しかし、農地を有効利用するため畝端外側のスペースが
小さくなっており、走行状態のままで旋回させると横柱
両端部に吊持させた両脇の作業者用座席が畝端部の農作
物に当たって農作物を損傷する。このため、畝端での旋
回時には、いったん両脇の座席を吊り下げ棒とともに取
り外して次の畝の位置へ持ち運び、旋回させた後に再度
取り付けを行う必要があり、旋回時の作業が手間取ると
ともに、簡単に着脱を行わせるために横柱と吊持棒との
取付部は単に引っ掛けるだけで不安定になり易く、走行
中に作業者用座席の揺れを生じるなどの問題がある。

［課題を解決するための手段］ このため、本案は両側の側枠と、側枠相互の上部を連結
する上枠で門形の車台を構成し、上枠の両側に延長させ
る可倒式の棚板とは別個に、前記上枠の横方向に摺動可
能に支持された支持アームをそなえ、この支持アームの
先端部に座席取付枠を固着懸架させてある。また、車台
の両側にそれぞれクローラーと自在車輪を設けて４点で
支持させるようにしてある。

［作用］ したがって、作業車が畝端に達すると両脇の座席を支持
アームとともに上枠に沿って押し込み、両脇の座席を側
枠に接して一体化させることにより、作業車の張り出し
部分をなくし、旋回時に農作物を損傷させることなく旋
回を容易に行わせるとともに、旋回前後の座席の着脱を
不要にし、作業時間を短縮できる。

また、車台に設けた自在車輪によりクローラーを小型に
し、旋回半径を大きくすることなく安定した走行がで
き、走行路面の凹凸による揺れが小さくなり走行を円滑
にすることができる。

［実施例］ これを図に示す実施例について説明する。

１は車台で、畝幅に対応する間隔で設けた側枠１ａ，１
ｂと、その上部を連結する上枠１ｃで門形に構成してい
る。２ａ，２ｂは側枠１ａ，１ｂの後部に片寄せて取り
付けたクローラーで、一方の側枠１ａに原動機装置３お
よび操作装置４を設けている。５ａ，５ｂは側枠の前端
部に設けた自在車輪でクローラーによる走行方向に向け
て回動する。６は一方の側枠１ａに取り付けた運転台兼
作業者用座席、７は他の側枠１ｂに取り付けた作業者用
座席、８は上枠１ｃの両側前後にそれぞれヒンジ９で可
倒的に取り付けた延長棚板、１０は延長棚板８のロック
バーで延長棚板を押し上げた状態で上枠の係止フック１
１に係合保持させるようにしてある。１２は上枠１ｃ上
に設けたカバー枠で、延長棚板上にも延長できるように
横方向に伸縮可能にしており、図示しないカバーシート
を保持し上枠および延長棚板上に載置した収穫物などを
日光や雨から保護する。

１３ａ，１３ｂは支持アームで、上枠１ｃの横パイプ１
４ａ，１４ｂ，１５ａ，１５ｂに摺動自由に挿入支持さ
せており、その端部に座席取付枠１６ａ，１６ｂをそれ
ぞれ固着させている。１７ａ，１７ｂは前記座席取付枠
１６ａ，１６ｂに取り付けた作業者用座席、１８ａ，１
８ｂは止めねじである。作業者用座席は作業の種類に応
じて上下の位置調整ができるようにしており、座席の前
面に作業棚１９を設けてある。

畑の畝端において、まず止めねじ１８をゆるめて支持ア
ーム１３ａ，１３ｂを畝幅に合わせて引き出し、必要に
よって延長棚板８を持ち上げてロックバー１０を係止フ
ック１１に係止させる。

運転手が操作装置４を操作して走行を開始すると、クロ
ーラー２ａ，２ｂが駆動されて畝に沿って前進し、作業
者用座席７，１７ａ，１７ｂに乗った作業者は運転手と
ともに、苗の植え付け、芽摘み、除草、収穫などの作業
を行い、畝端に達する。

畝端では両脇の作業者が作業者用座席から降りて座席取
付枠１６ａ，１６ｂを押して支持アーム１３ａ，３ｂを
横パイプ内に押し込み、両脇の作業者用座席を第１図お
よび第３図の左側に示すように側枠１ａ，１ｂに近接さ
せて張り出しをなくし、運転手は作業車を旋回させる。

作業車を反回転させて次の畝に合わせると、両脇の作業
者は支持アーム１３ａ，１３ｂを畝の位置に合わせて引
き出し、座席に乗って次の作業に移る。

また、作業中の走行および畑への往復時に、走行路面に
凹凸があると、クローラーが凸部に乗り上げるが、クロ
ーラーが後ろに片寄っており、前方を自在車輪５ａ，５
ｂで支持しているので重心がクローラー位置になく、自
在車輪とクローラーとの間にある・・・・ため車台の傾
きが少なく、車台の振れが少ない。

なお、クローラーの長さは短くて良く、クローラーを車
台の・・・・前部に設け、自在車輪を後部に取り付ける
ようにしてもよい。

［本考案の効果］ このように本考案によれば、車台の両側に延長突出する
支持アームを、上枠に摺動自由に取り付け、その端部に
座席取付枠を固着してあるので、作業者が簡単にかつ容
易に、両脇の作業者用座席を引き出したり押し込んだり
することができるので、作業中の畝端での旋回が簡単迅
速に行われ、作業者が座席を持ち運ぶ必要がなく、作業
の能率を向上させ得るとともに、クローラーと自在車輪
とをそなえることにより、クローラーを小形にし走行中
の車台の振れを少なくすることができるなどの効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図で、右半分は作業
時の状態を示し、左半分は旋回時および作業時以外の状
態を示している。第２図は第１図Ａ−Ａ線による側面
図、第３図はカバー枠を除いた上面図、第４図は一部の
拡大斜面図である。 １は車台、１ａ，１ｂは側枠、１ｃは上枠、 ２ａ，２ｂはクローラー ５ａ，５ｂは自在車輪 ６は運転台兼作業者用座席 ７は作業者用座席 ８は延長棚板 １０はロックバー １１は係止フック １２はカバー枠 １３ａ，１３ｂは支持アーム １４ａ，１４ｂ，１５ａ，１５ｂは横パイプ １６ａ，１６ｂは座席取付枠 １７ａ，１７ｂは作業者用座席 １８ａ，１８ｂは止めねじ １９は作業棚

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】畝幅に対応した間隔で設置された側枠およ
   び側枠相互を連結する上枠で構成された門形の車台と、
   前記車台の側枠にそれぞれ走行駆動装置をそなえた農業
   用作業車において、前記上枠に沿って横方向に摺動し、
   畝幅に応じて引き出しおよび収納可能な支持アームと、
   この支持アームの端部に固着して吊持した座席取付枠と
   をそなえ、前記側枠および座席取付枠にそれぞれ上下の
   位置調節ができる作業者用座席を設けたことを特徴とす
   る農業用作業車。
2. 【請求項２】前記走行駆動装置が、各側枠の後部または
   前部の一方に片寄せたクローラーと、他方に取り付けた
   自在車輪をそなえている請求項１記載の農業用作業車。