JPH0627029B2 - 窒化珪素質焼結体及びその製造法 - Google Patents
窒化珪素質焼結体及びその製造法Info
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- JPH0627029B2 JPH0627029B2 JP59274398A JP27439884A JPH0627029B2 JP H0627029 B2 JPH0627029 B2 JP H0627029B2 JP 59274398 A JP59274398 A JP 59274398A JP 27439884 A JP27439884 A JP 27439884A JP H0627029 B2 JPH0627029 B2 JP H0627029B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高温での耐酸化性及び高温での機械的強度が
優れた窒化珪素質焼結体及びその製造法に関するもので
ある。
優れた窒化珪素質焼結体及びその製造法に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来、高温高強度の窒化珪素質材料として希土類元素の
酸化物を添加したものが常用されているが、その理由
は、希土類元素の酸化物と窒化珪素とが反応して窒化珪
素粒子間に高融点の粒界組織を形成し、それによって焼
結体が全体として高温においても強度が低下しないもの
となるためである。
酸化物を添加したものが常用されているが、その理由
は、希土類元素の酸化物と窒化珪素とが反応して窒化珪
素粒子間に高融点の粒界組織を形成し、それによって焼
結体が全体として高温においても強度が低下しないもの
となるためである。
しかしながら、そのような希土類元素添加の窒化珪素質
焼結体は、高温において酸化性雰囲気で長時間使用され
ると酸化されて、例えばRe2Si3O3N4→Re2Si2O7のような
反応により希土類のシリケートを生じ、該シリケートは
融点が高いために粉末状となり、焼結体の表面層を密閉
する保護膜とはならない。
焼結体は、高温において酸化性雰囲気で長時間使用され
ると酸化されて、例えばRe2Si3O3N4→Re2Si2O7のような
反応により希土類のシリケートを生じ、該シリケートは
融点が高いために粉末状となり、焼結体の表面層を密閉
する保護膜とはならない。
それ故、焼結体の内部にまで酸化が進行し、そうした窒
化珪素質焼結体は高温での耐酸化性に劣るものとなるの
である。
化珪素質焼結体は高温での耐酸化性に劣るものとなるの
である。
これを解決するため、従来、希土類+アルミナ又は希土
類+シリカ系などの添加が行なわれたがこの場合は、例
えば、1200℃までの耐酸化性の向上は認められるも
のの、より高音域(1400程度)では耐酸化性におい
て十分な効果が達成できなく、そして更に、これらの添
加物が窒化珪素粒子間に融点がさほどは高くない粒界組
織相を形成するため、焼結体の高温強度が低下するなど
の問題が生じている。
類+シリカ系などの添加が行なわれたがこの場合は、例
えば、1200℃までの耐酸化性の向上は認められるも
のの、より高音域(1400程度)では耐酸化性におい
て十分な効果が達成できなく、そして更に、これらの添
加物が窒化珪素粒子間に融点がさほどは高くない粒界組
織相を形成するため、焼結体の高温強度が低下するなど
の問題が生じている。
(問題を解決するための手段) 以上に鑑み、本発明者は鋭意研究の末、粒界組織が結晶
質及び一部ガラス質のa Re2O3・b WO3(a,b=1〜3)と
X線回折によるβ−Si3N4(210)ピークに対するRe2Si
3O3N4(211)ピークのピーク比が約10%未満であるR
e2Si3O3N4(メリライト化合物)とβ−Si3N4残部とを主体
とするものである、窒化珪素質焼結体は高温強度を劣化
させることなしに、高温耐酸化性が飛躍的に向上した窒
化珪素質焼結体となることを知見し、本発明を為すに至
った。
質及び一部ガラス質のa Re2O3・b WO3(a,b=1〜3)と
X線回折によるβ−Si3N4(210)ピークに対するRe2Si
3O3N4(211)ピークのピーク比が約10%未満であるR
e2Si3O3N4(メリライト化合物)とβ−Si3N4残部とを主体
とするものである、窒化珪素質焼結体は高温強度を劣化
させることなしに、高温耐酸化性が飛躍的に向上した窒
化珪素質焼結体となることを知見し、本発明を為すに至
った。
すなわち、本発明の焼結体は、窒化珪素に、周期律表II
Ia族元素の少なくとも1種の元素の酸化物とタングステ
ン又は炭化タングステン以外のタングステン化合物とを
添加混合し、焼成して得られる窒化珪素質焼結体であっ
て、該焼結体組織は、結晶質及び一部ガラス質のa Re2O
3・b WO3(a,b=1 〜3)とX線回折によるβ−Si3N4(21
0)ピークに対するRe2Si3O3N4(211)ピークのピーク比が1
0%未満であるRe2Si3O3N4(メリライト化合物)とβ−Si
3N4とを主体とする粒界組織と、、残部がβ−Si3N4粒子
とからなり、高温耐酸化性が1300℃、100時間において
0.03〜1.0mg/cm2、理論密度の相対比重が90%以上であ
ることを特徴とする高温耐酸化性の優れた窒化珪素質焼
結体、である。
Ia族元素の少なくとも1種の元素の酸化物とタングステ
ン又は炭化タングステン以外のタングステン化合物とを
添加混合し、焼成して得られる窒化珪素質焼結体であっ
て、該焼結体組織は、結晶質及び一部ガラス質のa Re2O
3・b WO3(a,b=1 〜3)とX線回折によるβ−Si3N4(21
0)ピークに対するRe2Si3O3N4(211)ピークのピーク比が1
0%未満であるRe2Si3O3N4(メリライト化合物)とβ−Si
3N4とを主体とする粒界組織と、、残部がβ−Si3N4粒子
とからなり、高温耐酸化性が1300℃、100時間において
0.03〜1.0mg/cm2、理論密度の相対比重が90%以上であ
ることを特徴とする高温耐酸化性の優れた窒化珪素質焼
結体、である。
そこで次に本発明に係る基本的技術事項を説明すると、
それは以下の点にある。
それは以下の点にある。
(1)周期律表IIIa族元素酸化物と共にタングステン又は
タングステン化合物(但し、炭化物を除く)を一定組成範
囲で添加すると、焼成工程においてまず周期律表IIIa族
元素シリケートとタングステンの低融点組織物を生成す
るために緻密化が容易に進む。(2)さらに高温化するこ
とによりタングステン化合物が高融点組成化合物、例え
ばa Re2O3・b WO3(a,b=1〜3)のごとき化合物へと移
行していく。(3)そしてこのため、焼結体となっても高
温強度が劣化することがない。
タングステン化合物(但し、炭化物を除く)を一定組成範
囲で添加すると、焼成工程においてまず周期律表IIIa族
元素シリケートとタングステンの低融点組織物を生成す
るために緻密化が容易に進む。(2)さらに高温化するこ
とによりタングステン化合物が高融点組成化合物、例え
ばa Re2O3・b WO3(a,b=1〜3)のごとき化合物へと移
行していく。(3)そしてこのため、焼結体となっても高
温強度が劣化することがない。
すなわち、この焼結体は酸化雰囲気下に曝されるとIIIa
族元素シリケートを生じるが、例えば1200℃までの
温度域ではタングステンの酸化物とシリケートにより緻
密な保護膜を生じるために耐酸化性が向上する。次いで
高温域(1400℃程度)においての酸化に対しては該
シリケート保護膜中からWO3が揮散し、残った該シリケ
ート保護膜の酸素イオン拡散抵抗が増大されるために、
高温においても前述従来技術のAl2O3及びSiO2のように
焼結体の耐酸化性を劣化させることはない、ということ
である。
族元素シリケートを生じるが、例えば1200℃までの
温度域ではタングステンの酸化物とシリケートにより緻
密な保護膜を生じるために耐酸化性が向上する。次いで
高温域(1400℃程度)においての酸化に対しては該
シリケート保護膜中からWO3が揮散し、残った該シリケ
ート保護膜の酸素イオン拡散抵抗が増大されるために、
高温においても前述従来技術のAl2O3及びSiO2のように
焼結体の耐酸化性を劣化させることはない、ということ
である。
ところで、窒化水素の添加剤として、タングステン又は
タングステン化合物を加えることによる焼結体の酸化抵
抗増大の機構の解明は完了していないが、その機構は、
(ア)窒化珪素が酸化して生じる酸化珪素と添加されてい
る希土類酸化物が反応して均質なガラス状被膜の生成を
容易にすることと、(イ)次いで該SiO2−Re2O3系ガラスの
生成及び緻密化を助長したWO3(タングステン又はタング
ステン化合物が酸化されて生じる)は融点、沸点が比較
的低いために高温処理により、そのガラス質被膜から漸
次揮散して行き、(ウ)そして窒化珪素質焼結体の表面に
残存した被膜は高融点の希土類ガラスとなり表面を密閉
し、内部への酸素侵入を抑制する効果を発揮することに
あると考えられる。
タングステン化合物を加えることによる焼結体の酸化抵
抗増大の機構の解明は完了していないが、その機構は、
(ア)窒化珪素が酸化して生じる酸化珪素と添加されてい
る希土類酸化物が反応して均質なガラス状被膜の生成を
容易にすることと、(イ)次いで該SiO2−Re2O3系ガラスの
生成及び緻密化を助長したWO3(タングステン又はタング
ステン化合物が酸化されて生じる)は融点、沸点が比較
的低いために高温処理により、そのガラス質被膜から漸
次揮散して行き、(ウ)そして窒化珪素質焼結体の表面に
残存した被膜は高融点の希土類ガラスとなり表面を密閉
し、内部への酸素侵入を抑制する効果を発揮することに
あると考えられる。
そして前記残存した高融点の希土類ガラスは酸素拡散係
数が小さいものであるため、一旦被膜を生じるとその後
の酸素との反応に対しては強い保護膜として働き、焼結
体の耐酸化性を向上させることになるものと考えられ
る。
数が小さいものであるため、一旦被膜を生じるとその後
の酸素との反応に対しては強い保護膜として働き、焼結
体の耐酸化性を向上させることになるものと考えられ
る。
また、本発明ではタングステン化合物のうち、炭化タン
グステンは除外しているが、それは炭化タングステンの
添加は焼結性を悪化させまた、焼結体の耐酸化性、熱衝
撃性を劣化させる問題が生じるからである。すなわち、
WC+Si3N4+Re2O3の圧粉体を焼結すると、Si3N4とRe2O
3の反応を促進し前記した高融点組成化合物(a Re2O3・b
WO3)よりもRe2Si3O3N4(メリライト化合物)が主に生成
され(焼結体中のβ−Si3N4(210)ピークに対するRe2Si3O
3N4(211)のピーク比が10%以上)、前述したようにRe2S
i3O3N4→Re2Si2O7のような反応により希土類のシリケー
トを生じ、該シリケートは融点が高いために粉末状とな
り、焼結体の表面層を密閉する保護膜とならない。その
ために耐酸化性及び高温強度が著しく劣ることとなるも
のと考えられる。
グステンは除外しているが、それは炭化タングステンの
添加は焼結性を悪化させまた、焼結体の耐酸化性、熱衝
撃性を劣化させる問題が生じるからである。すなわち、
WC+Si3N4+Re2O3の圧粉体を焼結すると、Si3N4とRe2O
3の反応を促進し前記した高融点組成化合物(a Re2O3・b
WO3)よりもRe2Si3O3N4(メリライト化合物)が主に生成
され(焼結体中のβ−Si3N4(210)ピークに対するRe2Si3O
3N4(211)のピーク比が10%以上)、前述したようにRe2S
i3O3N4→Re2Si2O7のような反応により希土類のシリケー
トを生じ、該シリケートは融点が高いために粉末状とな
り、焼結体の表面層を密閉する保護膜とならない。その
ために耐酸化性及び高温強度が著しく劣ることとなるも
のと考えられる。
なお、本発明の焼結体における粒界組織の量は約5〜15
体積%であり、窒化珪素粒子径は1〜20μm程度の範囲
内にある。
体積%であり、窒化珪素粒子径は1〜20μm程度の範囲
内にある。
次に、本発明は上記窒化珪素質焼結体を得るための製造
法を提供する。
法を提供する。
すなわち、周期律表IIIa族元素の中の少なくとも1種の
元素の酸化物とタングステン又は炭化タングステン以外
のタングステン化合との合量20重量%以下(ただし、
周期律表IIIa族元素中の少なくとも1種の元素の酸化物
の量は18重量%以下とする)と残部が窒化珪素とから
なる混合物の圧粉体を窒素雰囲気中において1500〜
2300℃で焼成することを特徴とする高温耐酸化性の
優れた窒化珪素質焼結体の製造法、が提供される。
元素の酸化物とタングステン又は炭化タングステン以外
のタングステン化合との合量20重量%以下(ただし、
周期律表IIIa族元素中の少なくとも1種の元素の酸化物
の量は18重量%以下とする)と残部が窒化珪素とから
なる混合物の圧粉体を窒素雰囲気中において1500〜
2300℃で焼成することを特徴とする高温耐酸化性の
優れた窒化珪素質焼結体の製造法、が提供される。
ここで、周期律表IIIa族元素の酸化物が18重量%を越
えた場合には、周期律表IIIa族元素のシリケートの生成
が増大し焼結体の表面が粉末状になり耐酸化性の保護膜
が生成し難くなるので、焼結体の高温耐酸化性が極端に
劣化することとなる。
えた場合には、周期律表IIIa族元素のシリケートの生成
が増大し焼結体の表面が粉末状になり耐酸化性の保護膜
が生成し難くなるので、焼結体の高温耐酸化性が極端に
劣化することとなる。
また、タングステンの添加量が、20重量%を越える
と、耐酸化性の緻密なシリケート膜の中のWの酸化物が
多く固溶して低融点化し発泡などの悪い影響を及ぼし耐
酸化性及び機械的強度が劣化する。また、焼成温度が15
00℃未満では焼結体の緻密化が不充分であり、2300℃を
越えるとβ−Si3N4の異常粒成長が生じ、高温強度は著
しく劣化する。よって、数値限定は前記のようになされ
るのである。
と、耐酸化性の緻密なシリケート膜の中のWの酸化物が
多く固溶して低融点化し発泡などの悪い影響を及ぼし耐
酸化性及び機械的強度が劣化する。また、焼成温度が15
00℃未満では焼結体の緻密化が不充分であり、2300℃を
越えるとβ−Si3N4の異常粒成長が生じ、高温強度は著
しく劣化する。よって、数値限定は前記のようになされ
るのである。
次に本発明の実施例と比較例をまとめたものを「試験
例」として、説明する。
例」として、説明する。
(試験例1) 窒化珪素に各種希土類元素酸化物とタングステン又はタ
ングステン化合物を種々の割合で配合して得られた焼結
体についてのデータを表に示す。
ングステン化合物を種々の割合で配合して得られた焼結
体についてのデータを表に示す。
該試験例においては、窒化珪素は平均粒径0.6μmのα
−Si3N4を用い、各配分成分を第1表のAに示す割合に配
合し、エタノール媒体を用いウレタンボールを入れて24
時間分散混合したのち、得られた混合粉体にバインダー
としてパラフィンワックスを添加して造粒し、それを成
形圧1t/cm2で金型成形を行った。得られた成形体を第1
表のBに示す焼成条件において焼成した。
−Si3N4を用い、各配分成分を第1表のAに示す割合に配
合し、エタノール媒体を用いウレタンボールを入れて24
時間分散混合したのち、得られた混合粉体にバインダー
としてパラフィンワックスを添加して造粒し、それを成
形圧1t/cm2で金型成形を行った。得られた成形体を第1
表のBに示す焼成条件において焼成した。
なお、第1表のA中の試料番号(4)、(9)、(10c)、(12)及び(1
4)については、各試料の圧粉体を1気圧の窒素雰囲気中1
000〜1600℃未満で周期律表IIIa族元素の酸化物とW又は
W化合物(WCを除く)との反応を充分に行うように一旦焼
成処理したものを更に第1表のBに示す焼成方法によって
焼成したものである。
4)については、各試料の圧粉体を1気圧の窒素雰囲気中1
000〜1600℃未満で周期律表IIIa族元素の酸化物とW又は
W化合物(WCを除く)との反応を充分に行うように一旦焼
成処理したものを更に第1表のBに示す焼成方法によって
焼成したものである。
高温強度の測定は、3×4×40mmの寸法に研削された
各試験片に0.3mmのC面処理を行い、JISR−16
01に規定される4点曲げ法によって実施した。
各試験片に0.3mmのC面処理を行い、JISR−16
01に規定される4点曲げ法によって実施した。
酸化重量増については、前記JIS抗折試験片を大気中
1300℃、100時間保持の結果の増量を試験片面積
で割った値で表した。なお、表中、GPSはガス圧焼結法、P
Lは常圧焼結法、HPはホットプレス焼結法、HIPは静水圧ホ
ットプレス焼結法を意味する。
1300℃、100時間保持の結果の増量を試験片面積
で割った値で表した。なお、表中、GPSはガス圧焼結法、P
Lは常圧焼結法、HPはホットプレス焼結法、HIPは静水圧ホ
ットプレス焼結法を意味する。
得られた成形体の第1表中、試料番号3〜16(10
a、10fは除く)、18及び19のものは本発明の組
織範囲のものであり、酸化重量増(1300℃.100h
rs)は0.05〜1.0mg/cm2の値であって耐酸化性が
非常に良く、高温強度も1300℃で80kg/mm2以上、
1400℃で60kg/mm2以上であって良好である。
a、10fは除く)、18及び19のものは本発明の組
織範囲のものであり、酸化重量増(1300℃.100h
rs)は0.05〜1.0mg/cm2の値であって耐酸化性が
非常に良く、高温強度も1300℃で80kg/mm2以上、
1400℃で60kg/mm2以上であって良好である。
試料番号1と2のものは、Si3N4が80重量%より少な
く、周期律表IIIa族元素酸化物とW又はW化合物との合
量が20重量%を越えており、酸化重量増は2.5mg/c
m2以上、高温強度も35kg/mm2程度に低下している。
く、周期律表IIIa族元素酸化物とW又はW化合物との合
量が20重量%を越えており、酸化重量増は2.5mg/c
m2以上、高温強度も35kg/mm2程度に低下している。
試料番号17のものは、Si3N4が80重量%以上、周期律
表IIIa族元素酸化物とW化合物の合量は20重量%以下
であるけれども、W化合物が炭化物であり、そのため酸
化重量増は2.50mg/cm2(1300℃.100hrs)で
非常に高く、高温強度も1300℃で56kg/mm2であっ
て極端に低下している。
表IIIa族元素酸化物とW化合物の合量は20重量%以下
であるけれども、W化合物が炭化物であり、そのため酸
化重量増は2.50mg/cm2(1300℃.100hrs)で
非常に高く、高温強度も1300℃で56kg/mm2であっ
て極端に低下している。
更に、第1表のBに示すごとく試料番号10a及び10fは同様
の組成範囲において焼成温度が本発明の範囲外のもので
あり、焼成温度が1500℃未満の1450℃である試料番号10
aのものでは第1表のAに示すごとく理論密度の相対比重
が75%と低く、焼結不足である(そのため、酸化増量戦
び高温強度は測定していない)。 また、焼成温度が2300℃を超えた2350℃である試料番号
10fのものでは異常粒成長が生じるために、1300℃及び1
400℃の高温強度は63kg/mm2及び58kg/mm2と劣っている
ことが理解される。
の組成範囲において焼成温度が本発明の範囲外のもので
あり、焼成温度が1500℃未満の1450℃である試料番号10
aのものでは第1表のAに示すごとく理論密度の相対比重
が75%と低く、焼結不足である(そのため、酸化増量戦
び高温強度は測定していない)。 また、焼成温度が2300℃を超えた2350℃である試料番号
10fのものでは異常粒成長が生じるために、1300℃及び1
400℃の高温強度は63kg/mm2及び58kg/mm2と劣っている
ことが理解される。
また、試料番号(4)、(9)、(10c)、(12)及び(14)については
第1番目の焼成で、周期律表IIIa族元素の酸化物とW又は
W化合物との反応を充分に行っているので若干耐酸化性
及び高温強度が向上しているものと思われる。なお、上
記試験例において、焼成方法がGPSである試料番号8〜11
の焼結体の窒化珪素粒子径は5〜10μmであり、試料番
号1、2、16、17及び18のものは5〜20μmであった。また、
PL法による粒子径は3〜15、HP、HIP法では1〜10μmであ
る。
第1番目の焼成で、周期律表IIIa族元素の酸化物とW又は
W化合物との反応を充分に行っているので若干耐酸化性
及び高温強度が向上しているものと思われる。なお、上
記試験例において、焼成方法がGPSである試料番号8〜11
の焼結体の窒化珪素粒子径は5〜10μmであり、試料番
号1、2、16、17及び18のものは5〜20μmであった。また、
PL法による粒子径は3〜15、HP、HIP法では1〜10μmであ
る。
(実施例2) 前記実施例1の試料番号3〜10、10b〜10e、11〜17、18及び
19についてX線回折を行い、焼結体中のβ−Si3N4(21
0)ピークとRe2Si3O3N4(211)(メリライト化合物)ピ
ークとのピーク比を比較した結果を第2表に示す。第2
表から理解されるように同様の組成に対しWCを添加した
試料番号17のものはβ−Si3N4に対するRe2Si3O3N4のピ
ーク比が10%と高く、WC以外のW化合物又はWを添加した
ピーク比10%未満のものと比較すると耐酸化性及び高温
強度が著しく劣っている。
19についてX線回折を行い、焼結体中のβ−Si3N4(21
0)ピークとRe2Si3O3N4(211)(メリライト化合物)ピ
ークとのピーク比を比較した結果を第2表に示す。第2
表から理解されるように同様の組成に対しWCを添加した
試料番号17のものはβ−Si3N4に対するRe2Si3O3N4のピ
ーク比が10%と高く、WC以外のW化合物又はWを添加した
ピーク比10%未満のものと比較すると耐酸化性及び高温
強度が著しく劣っている。
(発明の効果) 以上本発明によれば、高温耐酸化性の点は酸化重量増
(1300℃.100時間)が0.05〜1.0mg/cm2、高温強
度の点も1300℃で80kg/mm2と優良であり、高温で
の強度の低下がなく、高温耐酸化性の非常に優れた窒化
珪素質焼結体が提供されるのである。
(1300℃.100時間)が0.05〜1.0mg/cm2、高温強
度の点も1300℃で80kg/mm2と優良であり、高温で
の強度の低下がなく、高温耐酸化性の非常に優れた窒化
珪素質焼結体が提供されるのである。
従って得られた焼結体は、例えばガスタービン、エンジ
ン部品用などに使用するのに好適なものであり、窒化珪
素質焼結体の使用可能範囲を相当に拡大できるのであっ
て、従来にない優れたものである。
ン部品用などに使用するのに好適なものであり、窒化珪
素質焼結体の使用可能範囲を相当に拡大できるのであっ
て、従来にない優れたものである。
Claims (5)
- 【請求項1】窒化珪素に、周期律表IIIa 族元素中の少
なくとも1 種の元素の酸化物とタングステン又は炭化タ
ングステン以外のタングステン化合物とを添加混合し、
焼成して得られる窒化珪素質焼結体であって、該焼結体
組織は、結晶質及び一部ガラス質のaRe2O3・bWO3(a,b=
1〜3)とX線回析によるβ-Si3N4(210) ピークに対するR
e2Si3O3N4(211) ピークのピーク比が10%未満であるRe2
Si3O3N4(メリライト化合物)とβ-Si3N4とを主体とす
る粒界組織と、残部がβ-Si3N4粒子とからなり、高温耐
酸化性が1300℃、100 時間において0.03〜1.0mg/cm2、
理論密度の相対比重が90%以上であることを特徴とする
高温耐酸化性の優れた窒化珪素質焼結体。 - 【請求項2】周期律表IIIa 族元素の中の少なくとも1
種の元素の酸化物とタングステン又は炭化タングステン
以外のタングステン化合物との合量20重量%以下(ただ
し、周期律表IIIa 族元素中の少なくとも1 種の元素の
酸化物の量は18重量%以下とする)と残部が窒化珪素と
からなる混合物の圧粉体を窒素雰囲気中において1500〜
2300℃で焼成することを特徴とする高温耐酸化性の優れ
た窒化珪素質焼結体の製造法。 - 【請求項3】圧粉体を1 気圧の窒素雰囲気中において10
00〜1500℃で周期律表IIIa 族元素の酸化物とタングス
テン又は炭化タングステン以外のタングステン化合物と
の反応が充分に行われるまで焼成した後、1500〜1800℃
まで昇温して常圧焼成する特許請求の範囲第2 項記載の
窒化珪素質焼結体の製造法。 - 【請求項4】圧粉体を1 気圧の窒素雰囲気中において10
00〜1500℃で周期律表IIIa 族元素の酸化物とタングス
テン又は炭化タングステン以外のタングステン化合物と
の反応が充分に行われるまで焼成した後、加圧しながら
1500〜1800℃まで昇温してホットプレスする特許請求の
範囲第2 項記載の窒化珪素質焼結体の製造法。 - 【請求項5】圧粉体を1 気圧の窒素雰囲気中において10
00〜1500℃で周期律表IIIa 族元素の酸化物とタングス
テン又は炭化タングステン以外のタングステン化合物と
の反応が充分に行われるまで焼成した後、窒素ガス圧力
を大気圧以上に設定し、1500〜2300℃の温度まで昇温し
てガス圧焼成する特許請求の範囲第2 項記載の窒化珪素
質焼結体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59274398A JPH0627029B2 (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 窒化珪素質焼結体及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59274398A JPH0627029B2 (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 窒化珪素質焼結体及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61155262A JPS61155262A (ja) | 1986-07-14 |
JPH0627029B2 true JPH0627029B2 (ja) | 1994-04-13 |
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ID=17541108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP59274398A Expired - Fee Related JPH0627029B2 (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 窒化珪素質焼結体及びその製造法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JPH0627029B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5481273B2 (ja) * | 2010-05-14 | 2014-04-23 | 日本特殊陶業株式会社 | 窒化珪素・メリライト複合焼結体を用いた基板および部材 |
-
1984
- 1984-12-28 JP JP59274398A patent/JPH0627029B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPS61155262A (ja) | 1986-07-14 |
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