JPH06270032A - 物品の受け渡し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】移送車と昇降台との間で物品を直接受け渡すこ
とができ、該受け渡し作業用スペースおよび設備費を容
易に低減することを可能にする。 【構成】パレット１４を載置した状態で、床面５２に設
けられた第１信号線５４に沿って自走可能な移送車５６
と、このパレット１４が配置される昇降台１３と、この
昇降台１３の上面５８に配設されるとともに、該昇降台
１３の上面５８と前記床面５２とが略同一位置に配置さ
れる際に前記第１信号線５４と電気的に接続されて一体
的に移送車用搬送路を構成する第２信号線６０とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば複数のワークを
積み込むパレット（物品）を昇降台と移送車との間で自
動的に受け渡すための物品の受け渡し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、トランスファプレス機から搬出
されるパネル部品等のワークを、積込みロボット等を介
して所定のパレットに自動的に積み込む装置が知られて
いる。この種の装置では、ワークの積込み姿勢や積込み
ロボットの動作範囲等に起因してパレットの高さ位置を
調整可能にする必要があり、このパレットをワーク積込
み位置に対応して設けられた昇降台に載置することが行
われている。

【０００３】この場合、パレットに所定数のワークが積
み込まれた後、このパレットを空のパレットと自動的に
交換するために、通常、床面に配設された信号線に沿っ
て自走可能な移送車（所謂、ＡＧＶ）が採用されてい
る。この移送車は、空パレット収容位置とワーク積込み
位置とパレット払出し位置とに自動的に搬送されるよう
に構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のワー
ク積込み位置では、床面に設けられたピットに昇降台が
収容されているため、信号線がこの床面の端部で終端す
ることになり、移送車の移動範囲が該床面の端部までと
なっている。従って、移送車から空のパレットを昇降台
に受け渡す際には、この移送車が信号線に沿って床面の
端部まで移動された後、パレットが前記移送車から昇降
台の側部側に一旦移載され、さらに別の移送装置を介し
て前記パレットが昇降台に載置されている。これによ
り、パレットの受け渡し作業に相当に広いスペースが必
要となるとともに、設備費が高騰するという問題が指摘
されている。

【０００５】本発明は、この種の問題を解決するための
ものであり、移送車と昇降台との間で物品を直接受け渡
すことができ、該受け渡し作業用スペースおよび設備費
を容易に低減することが可能な物品の受け渡し装置を提
供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、物品を載置した状態で、床面に設けら
れた第１信号線に沿って自走可能な移送車と、前記物品
が配置される昇降台と、前記昇降台の上面に配設される
とともに、該昇降台の上面と前記床面とが略同一位置に
配置される際に前記第１信号線と電気的に接続されて一
体的に移送車用搬送路を構成する第２信号線と、を備え
ることを特徴とする。

【０００７】また、前記第２信号線が、フェライトで構
成されるとともに、前記昇降台の上部には、前記フェラ
イトを囲繞して絶縁部材が設けられることが好ましい。

【０００８】

【作用】上記の本発明に係る物品の受け渡し装置では、
移送車から昇降台上に物品を受け渡す際に、まず所定の
物品がこの移送車に載置された状態で、前記移送車が第
１信号線に沿って床面上を走行する。一方、所定の物品
が載置される昇降台は、その高さ位置が調整されてお
り、この昇降台の上面が床面と略同一位置に配設されて
いる。このため、昇降台の上面に配設された第２信号線
が第１信号線と電気的に接続されて移送車用搬送路が一
体的に構成されており、この第１信号線に沿って走行し
てきた移送車は、前記第２信号線に沿って該昇降台の上
面にまで移動することができる。そして、移送車に載置
されていた物品が、昇降台上に直接受け渡されることに
なる。

【０００９】また、第２信号線がフェライトで構成され
るとともに、このフェライトが絶縁部材により電気的に
保護されている。

【００１０】

【実施例】本発明に係る物品の受け渡し装置について、
これを実施するための自動搬送システムとの関連で実施
例を挙げ、添付の図面を参照して以下に説明する。

【００１１】図３において、参照符号１０は、本実施例
に係る物品の受け渡し装置を組み込む自動搬送システム
を示す。この自動搬送システム１０は、トランスファプ
レス機１２から搬出されたパネル等のワークＷを、一対
の振り分け位置Ｆ１、Ｆ２で左右に振り分けて第１積込
み位置Ｐ１、Ｐ１ａと第２積込み位置Ｐ２、Ｐ２ａとに
選択的に移送して昇降台１３に載置された所定のパレッ
ト（物品）１４に積み込むためのものであり、前記トラ
ンスファプレス機１２から二列の搬出コンベア１６、１
６ａを介して矢印Ｘ方向に搬送されてくるワークＷを前
記矢印Ｘ方向に交差する矢印Ｙ、Ｙａ方向に振り分ける
搬送機構１８、１８ａと、この搬送機構１８、１８ａに
前記ワークＷを供給する上下振り分けコンベア２０、２
０ａと、前記ワークＷを前記第１積込み位置Ｐ１、Ｐ１
ａおよび第２積込み位置Ｐ２、Ｐ２ａに対応して位置決
めする第１ワーク位置決め機構２２、２２ａおよび第２
ワーク位置決め機構２４、２４ａと、前記第１積込み位
置Ｐ１、Ｐ１ａおよび第２積込み位置Ｐ２、Ｐ２ａで積
込みロボット２６を介して所定数のワークＷが積み込ま
れたパレット１４をパレット排出部位ＨＳに送り出しか
つ空のパレット１４を空パレット配置部位ＰＳから取り
出して所定の昇降台１３に受け渡す本実施例に係る受け
渡し装置２８とを備える。

【００１２】搬出コンベア１６および振り分けコンベア
２０は、図示しない回転駆動源により矢印Ｘ方向に搬送
方向を有して周回走行するエンドレスベルト２９、３０
を備えるとともに、この振り分けコンベア２０は、前記
搬出コンベア１６側の端部を支点にして揺動自在に構成
されている。

【００１３】図３および図４に示すように、搬送機構１
８は、ワークＷを矢印Ｘ方向に搬送するための下側コン
ベア３２および上側コンベア３４を備える。下側コンベ
ア３２および上側コンベア３４は、図示しない回転駆動
源により矢印Ｘ方向に搬送方向を有して周回走行するス
チールスラットベルト３６、３８を備えるとともに、こ
の下側コンベア３２および上側コンベア３４の上方に
は、矢印Ｙ方向に進退自在なプッシャ４０、４２が設け
られる。

【００１４】図４に示すように、下側コンベア３２の端
部と第１ワーク位置決め機構２２の端部とに近接して移
送コンベア４４が配設される。この移送コンベア４４
は、図示しない回転駆動源によって周回走行自在なエン
ドレスベルト４６を備え、このエンドレスベルト４６が
ワークＷを矢印Ｙ方向に搬送する。

【００１５】第１ワーク位置決め機構２２および第２ワ
ーク位置決め機構２４は、第１積込み位置Ｐ１および第
２積込み位置Ｐ２に対応して配置されており、それぞれ
駆動モータ（図示せず）を介して矢印Ｙ方向に周回走行
するスチールスラットベルト４８、５０を備える。

【００１６】以上、搬出コンベア１６側の構成について
説明したが、搬出コンベア１６ａ側も同様に構成されて
おり、同一の構成要素には同一の参照数字に符号ａを付
してその詳細な説明は省略する（図３および図４参
照）。

【００１７】図１乃至図３に示すように、受け渡し装置
２８は、パレット１４を載置した状態で、床面５２に設
けられた第１信号線５４に沿って自走可能な移送車５６
と、このパレット１４が配置される昇降台１３と、この
昇降台１３の上面５８に配設されるとともに、該昇降台
１３の上面５８と前記床面５２とが略同一位置に配置さ
れる際に前記第１信号線５４と電気的に接続されて一体
的に移送車用搬送路を構成する第２信号線６０とを備え
る。

【００１８】パレット１４は、所定のワークＷの形状に
対応して構成されており、図３に示すように、第１積込
み位置Ｐ１、Ｐ１ａおよび第２積込み位置Ｐ２、Ｐ２ａ
に配置されるワークＷに向かう前部側が開放されたフレ
ーム部材６２を備える。このフレーム部材６２の内部に
は、所定のワークＷを保持するための吊り掛けバー６４
ａ、６４ｂが水平方向に延びて固着されている（図１お
よび図２参照）。

【００１９】パレット１４を載置する昇降台１３は、第
１積込み位置Ｐ１、Ｐ１ａおよび第２積込み位置Ｐ２、
Ｐ２ａの各積込みロボット２６に対応して配置されてい
る（図５参照）。図１および図２に示すように、この昇
降台１３は、床面５２に形成されたピット６６に収容さ
れており、一対のシリンダ６８ａ、６８ｂを介して回動
自在な脚部７０を備え、この脚部７０上に載置板７２が
配設される。

【００２０】この載置板７２に上面５８が設けられ、前
記載置板７２の両側部に上方に向かって膨出するととも
に矢印Ｘ方向に向かって互いに平行な受部７４ａ、７４
ｂが形成され、この受部７４ａ、７４ｂにパレット１４
が直接載置される。載置板７２には、受部７４ａ、７４
ｂの略中間でかつこの受部７４ａ、７４ｂに平行して絶
縁部材、例えばコンクリートで構成された絶縁部位７６
が設けられ、この絶縁部位７６の上部に、例えばフェラ
イトで構成された第２信号線６０が埋設される。

【００２１】移送車５６は、昇降台１３を構成する載置
板７２の受部７４ａ、７４ｂ間に進入自在な幅寸法を有
しており、パレット１４を載置して昇降可能な昇降板７
８を備える。この移送車５６は、自動搬送システム１０
内で複数台（図３中では、例えば、２台）配設されてい
る。

【００２２】次に、このように構成される自動搬送シス
テム１０の動作について、本実施例に係る受け渡し装置
２８との関連で説明する。

【００２３】図３に示すように、トランスファプレス機
１２から送り出されたワークＷは、搬出コンベア１６、
１６ａに載置されて矢印Ｘ方向に搬送され、検査員によ
って成形品質等の検査が行われる。そして、異常がなけ
れば、ワークＷが振り分けコンベア２０、２０ａに搬入
される。

【００２４】搬出コンベア１６から送り込まれたワーク
Ｗを振り分けコンベア２０を介して第１積込み位置Ｐ１
に搬送する際には、この振り分けコンベア２０の揺動先
端側を下方に揺動させた状態で、エンドレスベルト３０
が周回走行される。このため、搬出コンベア１６から送
り込まれたワークＷは、エンドレスベルト３０に載置さ
れて下側コンベア３２に搬送される。

【００２５】この下側コンベア３２では、スチールスラ
ットベルト３６が周回走行されており、振り分けコンベ
ア２０から送り込まれたワークＷがこのスチールスラッ
トベルト３６上に搬入される。そして、プッシャ４０が
矢印Ｙ方向に移動されてワークＷが移送コンベア４４に
載置された後、この移送コンベア４４を介して第１ワー
ク位置決め機構２２に搬送され、この第１ワーク位置決
め機構２２上で第１積込み位置Ｐ１に対応して位置決め
される。

【００２６】次いで、ワークＷは、積込みロボット２６
に保持されてパレット１４を構成するフレーム部材６２
内に搬入され、吊り掛けバー６４ａ、６４ｂに順次吊り
掛けられる（図１参照）。そして、パレット１４に所定
の数のワークＷが積み込まれた後、本実施例に係る受け
渡し装置２８を介してこのパレット１４が第１積込み位
置Ｐ１からパレット排出部位ＨＳに払い出されるととも
に、該第１積込み位置Ｐ１には空パレット配置部位ＰＳ
から新たな空のパレット１４が搬送されてくる。

【００２７】すなわち、図示しないコントローラを介し
て第１信号線５４に信号が送給されると、移送車５６
は、この第１信号線５４に沿って第１積込み位置Ｐ１に
向かって移動する。一方、この第１積込み位置Ｐ１で
は、所定の数のワークＷが積み込まれたパレット１４を
載置している昇降台１３が、コントローラ（図示せず）
を介して駆動され、シリンダ６８ａ、６８ｂの作用下に
高さ位置が調整される。このため、昇降台１３の載置板
７２の上面５８が床面５２と略同一位置に配置され、こ
の床面５２に設けられた第１信号線５４とこの上面５８
に設けられた第２信号線６０とが、同軸的に位置決めさ
れて互いに電気的に接続される。

【００２８】これにより、移送車５６は、床面５２の第
１信号線５４から載置板７２の第２信号線６０に沿って
この載置板７２上に移動し、前記移送車５６の昇降板７
８が該載置板７２の受部７４ａ、７４ｂ間に進入してこ
の受部７４ａ、７４ｂに載置されているパレット１４の
下方に配置される（図１参照）。そこで、昇降板７８が
上昇されると、この昇降板７８にパレット１４の下部に
直接支持され、前記昇降板７８とこのパレット１４とが
一体的に上昇して停止される。この状態で、移送車５６
が昇降台１３から離間する方向（図１中、矢印Ｘ方向）
に移動すると、パレット１４がこの移送車５６に支持さ
れて前記昇降台１３から離間する。移送車５６は、さら
に第１信号線５４に沿ってパレット排出部位ＨＳに移動
し、このパレット排出部位ＨＳでパレット１４を払い出
す。

【００２９】一方、空パレット配置部位ＰＳで空のパレ
ット１４を受け取った移送車５６は、第１信号線５４に
沿って第１積込み位置Ｐ１の昇降台１３側に移動し、さ
らに第２信号線６０に沿ってこの昇降台１３の載置板７
２上まで進入する。そして、移送車５６の昇降板７８が
下降され、この昇降板７８に載置されていた空のパレッ
ト１４が載置板７２の受部７４ａ、７４ｂ上に直接載置
される。その後、移送車５６は、第２信号線６０および
第１信号線５４に沿って昇降台１３から離間する方向に
移動される。

【００３０】このように、本実施例では、昇降台１３を
構成する載置板７２に第２信号線６０が埋設されてお
り、この載置板７２が床面５２と同一位置に配置された
状態で前記第２信号線６０とこの床面５２に設けられた
第１信号線５４とが電気的に接続される。このため、床
面５２から昇降台１３上にわたって移送車用搬送路が形
成され、移送車５６は、前記床面５２から前記昇降台１
３上に自動的かつ確実に移動することができる。従っ
て、従来のように移送車５６と昇降台１３との間に個別
の移送装置を配設する必要がなく、この移送車５６と昇
降台１３とでパレット１４の受け渡し作業を直接行うこ
とが可能になり、作業スペースの拡大や設備費の高騰を
容易に阻止することができるという効果が得られる。

【００３１】また、昇降台１３を構成する載置板７２
に、第２信号線６０を囲繞してコンクリート等の絶縁部
位７６が設けられており、この第２信号線６０が電気的
に保護されている。

【００３２】

【発明の効果】本発明に係る物品の受け渡し装置によれ
ば、以下の効果が得られる。

【００３３】昇降台の上面が床面と略同一位置に配設さ
れると、この昇降台の上面に配設された第２信号線が床
面に設けられた第１信号線と電気的に接続されて移送車
用搬送路が一体的に構成される。このため、第１信号線
に沿って走行してきた移送車は、さらに第２信号線に沿
って昇降台の上面にまで移動することができ、この移送
車と昇降台との間で所定の物品の受け渡し作業が直接行
われる。従って、物品の受け渡し作業が効率的に遂行さ
れるとともに、作業用スペースおよび設備費を容易に削
減することが可能になる。

【００３４】また、第２信号線がフェライトで構成され
るとともに、このフェライトが絶縁部材により電気的に
保護されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る物品の受け渡し装置の一
部断面側面図である。

【図２】前記受け渡し装置の一部切り欠き正面図であ
る。

【図３】前記受け渡し装置を組み込む自動搬送システム
の斜視説明図である。

【図４】前記自動搬送システムの矢印Ｙ、Ｙａ方向に並
ぶコンベアの概略説明図である。

【図５】積込みロボットとパレットとの配置状態を示す
概略正面図である。

【符号の説明】

１０…自動搬送システム １２…トランスファプレス機 １３…昇降台 １４…パレット １６、１６ａ…搬出コンベア ２０、２０ａ…振り分けコンベア ２２、２２ａ、２４、２４ａ…ワーク位置決め機構 ２６…積込みロボット ２８…受け渡し装置 ３２、３２ａ…下側コンベア ３４、３４ａ…上側コンベア ５２…床面 ５４…第１信号線 ５６…移送車 ５８…上面 ６０…第２信号線 ６２…フレーム部材 ６６…ピット ７２…載置板 ７４ａ、７４ｂ…受部 ７６…絶縁部位 ７８…昇降板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】物品を載置した状態で、床面に設けられた
   第１信号線に沿って自走可能な移送車と、 前記物品が配置される昇降台と、 前記昇降台の上面に配設されるとともに、該昇降台の上
   面と前記床面とが略同一位置に配置される際に前記第１
   信号線と電気的に接続されて一体的に移送車用搬送路を
   構成する第２信号線と、 を備えることを特徴とする物品の受け渡し装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の受け渡し装置において、前
   記第２信号線は、フェライトで構成されるとともに、 前記昇降台の上部には、前記フェライトを囲繞して絶縁
   部材が設けられることを特徴とする物品の受け渡し装
   置。