JPH0626973B2 - マガジンへのチツプ部品の並べ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、小型電子部品等の小型の偏平状のチップ部品
を、板状のマガジンの上面に多数凹み形成され収納凹部
に整然と並べることができるようにしたチップ部品の並
べ装置の構造に関するものである。

〔従来の技術〕

チップ抵抗器や積層チップコンデンサ等のチップ部品の
表面に、その種類や仕様等を表示するためのマークや記
号を印刷するに際して、チップ部品の上面（表面）に透
かし孔を穿設したマスクを被せ、そのマスクの上面から
マーク等の形状通りに印刷インクを付着させた印刷用押
し型を押圧して印刷する、いわゆるスタンプ式印刷を行
えば、オフセット印刷に比べてマーク等の印刷にじみが
なく、品質が向上する。

前記スタンプ式印刷に際して、予め、板状のマガジンの
上面に縦横に一定間隔にて多数凹み形成された収納凹部
に、前記チップ部品を、その表面が上向きになるように
揃えて収納し、前記チップ部品の表面がマガジンの上面
と同じ高さになるようにしておき、この並べられたチッ
プ部品の表面に対して前記のように印刷用押し型を押圧
すれば、多数のチップ部品に一度に印刷することができ
て生産性が向上する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記マガジンにおける多数の収納凹部
に、人手によりチップ部品を収納して並べることは、当
該チップ部品の寸法が極めて小さいので、非常な手間が
掛かるとと共に、チップ部品を指にて摘むときにチップ
部品に汚れが付着し易いと云う問題があった。

この不都合を解消するため、特開昭５９−７４８１１号
公報及び特開昭５９−１２８１１３号公報に示すよう
に、チップ部品をその表裏を一定にして送り出すパーツ
フイーダが知られており、特開昭５６−２３７９５号公
報では、前記の構成のパーツフイーダのホッパー出口部
に隣接して、振動する取付け台を配置し、その取付け台
は前記出口部側が高く、それから離れるに従って低くな
るように傾斜配設し、該取付け台には、表面に前記傾斜
方向に沿って長手のガイド突条を多数列設けた整列板を
着脱自在に装着し、隣接する突条の間の溝部には、円盤
状またはリング状の部品が１個づつ嵌まり得るセット穴
が一定間隔で凹み形成し、前記出口部から円盤状または
リング状の部品を整列板上に放出しつつ、取付け台を振
動させることで、各セット穴に部品を嵌め入れる構成を
提案している。

しかしながら、この先行技術では整列板の上面に沿って
振動しながら流れる部品が表裏引っ繰り返ることがあ
り、その状態でセット穴に嵌まり得るから、全ての偏平
状の部品の表面を上側にして整列板にセットすることが
できないという問題があった。

なお、実開昭５６−５２６４１号公報や特開昭５７−５
１６１１号公報に開示されているように、カバー体の下
面と整列板上面との隙間を規制して、滑り落ちるチップ
部品等の表裏転倒を防止する構成が提案されているけれ
ども、整列板に上面に沿って滑り落ちるチップ部品のう
ち、整列板におけるセット穴に嵌まらなかったチップ部
品や、全てのセット穴にチップ部品が嵌まり込んで、も
はや余ったチップ部品を簡単に取り除く構成については
提案されていなかった。

本発明は、前記カバー体を利用して、前述した技術的課
題を解決することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本発明では、厚みの薄い偏平
状のチップ部品の表裏を予め確認し、表面が上向くよう
にしてチップ部品を放出するパーツフイーダの出口部に
隣接して、振動する支持枠体を前記出口部からのチップ
部品の放出方向に対して交叉する方向に移動自在に設
け、該支持枠体には、上面に前記各チップ部品が１つだ
け収容できる深さの収納凹部が多数形成されたマガジン
を着脱自在に載置し、該マガジンを、その上面が前記パ
ーツフイーダの出口部側で高く、それから離れるに従っ
て低くなるように傾斜配設し、前記支持枠体には、前記
マガジン上面側を覆うカバー板を着脱自在に設け、該カ
バー体下面とマガジンの上面との隙間を、前記収納凹部
に嵌まらなかったチップ部品が通過し、且つ該チップ部
品の表裏が反転するのを防止できる程度に設定し、前記
支持枠体における傾斜下端側の側壁と、カバー体の端部
との間には、チップ部品が通過できる上向きの放出口を
形成した構成としたものである。

〔作用・効果〕

本発明によれば、パーツフイーダの出口部からは、偏平
状の部品がその表面が上向きのもののみが放出される。

そして、支持枠体上のマガジンは、パーツフイーダの出
口部に近い側が高く、出口部から遠い側が低い傾斜状に
配設されており、しかも支持枠体と共にマガジンが振動
するので、前記出口部から放出されたチップ部品がマガ
ジンの上面において振動が伝えられ、マガジン上面の傾
斜に沿ってチップ部品が低い方に順次滑り移動し、その
滑り移動の途中において、マガジン上面の高い位置側の
収納凹部から順に嵌まる。

前記マガジンの上側には、チップ部品の厚さ寸法に略等
しく、部品の表裏が反転できない状態で、チップ部品が
通過し得る程度の隙間を隔ててカバー板を配設してある
から、パーツフイーダの出口部から放出されたチップ部
品は、マガジン上にて前記振動時に裏返ることができ
ず、出口部から放出されたままの状態にてチップ部品が
マガジン上面を滑り移動することができると共に、前記
のように傾斜配設されたマガジンに振動を与えることと
の相乗効果により、マガジンにおける一箇所にチップ部
品が偏って溜ったり、チップ部品が上下に重なったりせ
ず、マガジンの上面に多数のチップ部品を略均一にばら
まく作用を果たす。

そして、前記支持枠体における傾斜下端側の側壁と、カ
バー体の端部との間には、チップ部品が通過できる上向
きの放出口を形成したのであるから、前記マガジン上面
に沿って滑り落ちるチップ部品のうち、マガジンにおけ
る収納凹部に嵌まらなかったチップ部品や、マガジンに
おける全ての収納凹部にチップ部品が嵌まり込んで、も
はや不要となった（余った）チップ部品は、傾斜配置さ
れた支持枠体に与えられる振動により、前記上向きの放
出口から溢れてカバー体の上側に出ることができる。従
って、マガジン上面とカバー体下面との隙間に不要なチ
ップ部品が詰まることかないし、不要のチップ部品の取
り出しが迅速に行えるという効果を奏するのである。

さらに、前記支持枠体をパーツフイーダの出口部に隣接
させて配設し、且つ出口部かからの部品放出方向と交叉
する方向に移動自在にしたから、支持枠体上のマガジン
の特定の箇所にのみにチップ部品が放出されず、チップ
部品をマガジンの広巾面に均一にばらまくことができ、
短時間にて多数のチップ部品をマガジンに対して並べる
ことができるという効果も奏する。

〔実施例〕

次に本発明の実施例を図面に従って説明すると、符号１
は、チップ部品２を入れたパーツフイーダ３と、該パー
ツフイーダ３の筒状または樋状の出口部４の側方に前後
移動自在に配置された支持枠体５と、該支持枠体５上に
着脱自在に載置した板状のマガジン６とを基台７上に設
けて成るチップ部品の並べ装置を示す。

前記マガジン６には、チップ部品２をその上面とマガジ
ン６上面とが同じ高さで、１個でけ収納できる深さの収
納凹部６ａが縦横に一定間隔にて多様凹み形成されてい
る。チップ部品２の厚さ寸法が０．５mm〜０．６mm程度
に小さい場合には、前記収納凹部６ａは金属板のマガジ
ン６の上面に放電加工にて形成することができる。

前記パーツフイーダ３は、振動発生装置８の上に、上面
開放状の有底筒状フイードパン９を設け、該フイードパ
ン９の内周には螺旋状の整列レール１０を備え、その整
列レール１０の上部終端にはフイードパン９の外側に下
向きに突出する出口部４を設ける。前記整列レール１０
の中途部には、当該整列レール１０上のチップ部品２の
表面が上向きであるか否かを判別する表裏選別センサー
１１を設け、その表裏選別センサー１１に隣接して裏向
きのチップ部品２をフイードパン９の底に返す摘出装置
１２を設けてある。

符号１３は、前記支持枠体５を載せたままこれを前記出
口部４からのチップ部品２の放出方向と略直角の前後方
向に往復移動にするための移動機構で、該移動機構１３
は、基台７上の前後対のスタンド１４，１４間を連結す
る左右一対の支持レール１５，１５と、該両支持レール
１５，１５に摺動自在に被嵌する４つの軸受１６付きの
台１７と、該台１７と前記支持枠体５を支持するテーブ
ル１８とを連結する４つの防振ゴム１９と、前記台１７
を支持レール１５の長手方向に沿って往復移動させる駆
動手段と２０から成る。

この駆動手段２０は、図示実施例のように、正逆回転す
る電動モータ２１と、前記軸受１６や台１７に取付くラ
ック２２とピニオン機構とにより構成したり、油圧シリ
ンダや空気圧シリンダを用いても良い。

前記左右一対の支持レール１５，１５の高さ位置を前記
出口部４に近い側のものを高く、遠い側を低くすること
により、支持枠体５上のマガジン６を、前記出口部４側
にて高く、遠ざかるに従って低くなるように角度（θ）
にて傾斜配設するものであるが、前記テーブル１８の上
面を傾斜状に形成したり、水平状の支持枠体５にマガジ
ン６を傾斜配設しても良い。

符号２３は前記マガジン６に振動を与えるための振動発
生装置で、該振動発生装置２３はテーブル１８の下面に
取付くブラケット２４を介して取付ける。

符号２５は支持枠体５がテーブル１８から脱落しないよ
うにすると共に位置規定するためのストッパである。

前記支持枠体５は平面視矩形状であり、前記出口部４が
臨む側面を除く三側面に上向きの側壁２６ａ，２６ｂ，
２６ｂを立設してマガジン６の三側縁を囲むようにして
いる。

アクリル樹脂製などの透明なカバー板２７は、マガジン
６の上面に沿って偏平状のチップ部品２が通過し得る程
度であって、且つ偏平状のチップ部品２が表裏反転でき
ない程度の寸法（Ｈ１）の隙間を隔てて配設するもので
あり、前記一対の側壁２６ｂ，２６ｂの内面には、前記
カバー板２７の側縁が嵌挿する横溝２８を設ける等し
て、カバー板２７を着脱自在となるように構成する。

また、前記カバー板２７の一端（下端）縁と支持枠体５
の下端側の側壁２６ａとの間に、チップ部品２が出入り
できる放出口３０を設けておくことにより、マガジン６
上面に沿って滑り落ちるチップ部品のうち、収納凹部６
ａに嵌まらなかったチップ部品２や、マガジン６の総て
の収納凹部６ａに収納されてのち余ったチップ部品２が
前記放出口３０からのカバー板２７の上面側に溢れるよ
うにすることができる。

なお、支持枠体５の左右両側壁２６ｂ，２６ｂの内面に
形成される横溝２８，２８の突き当たり端部（傾斜下端
側）と、支持枠体５の下端側の側壁２６ａとの間との寸
法を規定することにより、前記放出口３０の幅寸法を至
極簡単に設定することができるのである。

この構成において、支持枠体５に空のマガジン６を載置
し、その上方にカバー板２７を前記支持枠体５の側壁２
６ｂ，２６ｂの横溝２８，２８に嵌め入れ、パーツフイ
ーダ３の出口部４の側方に配置したテーブル１８上に前
記支持枠体５と共にマガジン６を配置すれば、当該マガ
ジン６の一側上面が出口部４の下方に位置することにな
る。

ここで、多数のチップ部品２を入れたパーツフイーダ３
を始動することにより、整列レール１０に沿って上昇し
て来るチップ部品２を表裏選別センサー１１にて選別
し、裏向きのものは再度フイードパン９に落とし、表面
が上向きになったチップ部品２のみ出口部４から放出す
る。

この放出時に電動モータ２１を駆動すると共に振動発生
装置２３を始動させると、マガジン６は振動しながら出
口部４からのチップ部品２の放出方向と略直角に水平往
復移動しするから、マガジン６とカバー板２７との隙間
に滑り込んだチップ部品２は、互いに上下に重なること
なくマガジン６の傾斜方向に沿って上端側から下方に滑
り移動し、順次マガジン６における収納凹部６ａ内にチ
ップ部品２が嵌まる。すべての収納凹部６ａ内にチップ
部品２が嵌挿できた後の余りチップ部品２はカバー板２
７の傾斜下端の縁と支持枠体５における側壁２６ａとの
間の放出口３０から溢れるが、支持枠体５から溢れ落ち
ることはない。

各収納凹部６ａ内にチップ部品２が収納されたか否か
は、カバー板２７が透明であると直ちに判別でき、マガ
ジン６にチップ部品２がきっちりと総て収納できたこと
を確認して装置１を停止させ、支持枠体５ごとにマガジ
ン６をテーブル１８から取り外し、カバー板２７を外
し、且つ余分のチップ部品２を取り除けば良い。

なお、マガジン６における収納凹部６ａは傾斜方向にそ
って一列状のものであっても良い。また、マガジンにお
ける総ての収納凹部にチップ部品が収納された後に、余
りのチップ部品がマガジン上に位置していても、前記カ
バー板を取り除いた後、マガジンの上面を定規等にて払
うか、取り外したマガジンの傾斜の大きくすることによ
り、前記余りのチップ部品をマガジン６の上面から取り
除くことが簡単にできる。

さらに、前記カバー板２７をアクリル樹脂等の透明体に
て構成すれば、マガジン６上の総ての収納凹部にチップ
部品２が収納されたか否かを、直ちに判別することがで
き、生産性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は第２図のＩ−Ｉ
線で示す装置の一部切欠き側面図、第２図は装置の平面
図、第３図は第１図の要部拡大側断面図である。 １……並べ装置、２……チップ部品、３……パーツフイ
ーダ、４……出口部、５……支持枠体、６……マガジ
ン、６ａ……収納凹部、１３……移動機構、１５，１５
……支持レール、１８……テーブル、１９……防振ゴ
ム、２０……駆動手段、２３……振動発生装置、２７…
…カバー板、２８……横溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】厚みの薄い偏平状のチップ部品の表裏を予
   め確認し、表面が上向くようにしてチップ部品を放出す
   るパーツフイーダの出口部に隣接して、振動する支持枠
   体を前記出口部からのチップ部品の放出方向に対して交
   叉する方向に移動自在に設け、該支持枠体には、上面に
   前記チップ部品が１つだけ収容できる深さの収納凹部が
   多数形成されたマガジンを着脱自在に載置し、該マガジ
   ンを、その上面が前記パーツフイーダの出口部側で高
   く、それから離れるに従って低くなるように傾斜配設
   し、前記支持枠体には、前記マガジン上面側を覆うカバ
   ー板を着脱自在に設け、カバー体下面とマガジンの上面
   との隙間を、前記収納凹部に嵌まらなかったチップ部品
   が通過し、且つ該チップ部品の表裏が反転するのを防止
   できる程度に設定し、前記支持枠体における傾斜下端側
   の側壁と、カバー体の端部との間には、チップ部品が通
   過できる上向きの放出口を形成したことを特徴とするマ
   ガジンへのチップ部品の並べ装置。