JPH0626969B2 - 薄板ワ−ク搬送用治具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、プレス成形した車両用ボデイーパネル等の薄
板ワークの複数枚を積載して搬送する搬送用治具に関す
る。

（従来の技術） 従来は、搬送治具に薄板ワークの複数枚を上下方向又は
水平方向に重ね合せた状態で積載するようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記した従来の技術では、薄板ワークの複数枚を重ね合
せた状態で搬送治具に積載するためワーク同志が当接し
ワークに傷が付く虞れがある。

又、ワーク同志の当接をスペーサを用いて防止すること
も考えられるが、この場合搬送治具に薄板ワークを積込
む際にワーク間に一々スペーサを介挿するのでは作業性
が悪く、スペーサをワーク間に自動的に介挿し得るよう
にすることが望まれる。

本発明は、かかる要望に適合した治具を提供することを
その目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、かかる目的を達成すべく、薄板ワークの複数
枚を各薄板ワークが互いに所定の積込み方向に対向する
ような状態に積載して搬送する搬送治具において、治具
本体上に該積込み方向に長手のステーを設け、該ステー
に、薄板ワークの積込み軌跡内方のワーク該掛止位置と
該軌跡外方の退去位置とに揺動自在なスペーサの複数個
を、該各スペーサが掛止位置において各薄板ワークの対
向間隙に介挿されるように、該積込み方向に間隔を存し
て取付け、該各スペーサを該退去位置側に夫々ばねで付
勢すると共に、該各スペーサに、該掛止位置への揺動で
該積込み方向後方に隣接する後段のスペーサを押してそ
の先端を該軌跡内に突出させる押片を突設したことを特
徴とする。

（作 用） 搬送治具に薄板ワークを１板づつ積込むもので、これに
よれば、該薄板ワークの積込み方向前方のスペーサが該
薄板ワークに押されてワーク掛止位置に揺動して、該薄
板ワークが掛止されると共に、該スペーサの押片に押さ
れてその後段のスペーサが退去位置からばねに抗して揺
動し、その先端が積込み軌跡内方に突出され、次のワー
クの積込みに際し該ワークが後段のスペーサの先端に当
接して該スペーサが掛止位置に揺動される。

従つて、搬送治具に薄板ワークを１板づつ積込むだけで
各ワーク間に各スペーサが自動的に介挿されることにな
り、ワーク同志が直接当接することがなく而も一々スペ
ーサを介挿する必要がない。

又、搬送治具に積載した薄板ワークを積込み方向最後部
に存する薄板ワークから順に取出せば、各スペーサが各
ばねに付勢されて自動的に退去位置に揺動復帰されるた
め、薄板ワークの取出し時に一々各スペーサを取出す必
要がない。

（実施例） 図面はハンガー型の搬送治具に薄板ワークＡの複数枚を
前後方向に積載して搬送するようにしたもので、(1)は
治具本体を示し、該治具本体(1)は側面視Ｌ字形形状の
左右１対の支持枠(1a)(1a)をその上部において連結して
ハンガーレール(2)に吊設し、該両支持枠(1a)(1a)の下
端部間に傷付防止のための植毛を施した、支持プレート
(1b)を取付けて成るものとした。

上記治具本体(1)の両支持枠(1a)(1a)間の横杆(1c)に薄
板ワークＡの積込み方向即ち前後方向に長手のステー
(3)を左右１対に取付け、該各ステー(3)に、薄板ワーク
Ａの積込み軌跡内のワーク掛止位置と該軌跡外方の退去
位置とに揺動自在なスペーサ(4)の複数個の間隔を存し
て且つ該退去位置側に各ばね(5)で夫々付勢して設ける
と共に、該各スペーサ(4)の該掛止位置への揺動で薄板
ワークＡの積込み方向後方、従つて第３図で右方に隣接
する後段のスペーサ(4)を押してその先端を該軌跡内に
突出させる押片(6)を突設した。

更に詳述するに、図示のものでは上記各スペーサ(4)を
側面視く字形形状に形成し、その上側部分を上記押片
(6)とし、又上記各ステー(3)を第２図に示す如く間隔を
存して並設した左右１対のステー部材(3a)(3a)で構成
し、該各ステー(3)に該各スペーサ(4)を略中間部におい
て該両ステー部材(3a)(3a)間に位置させて各軸(4a)で揺
動自在に取付けた。

図面で(7)は各スペーサ(4)をワーク掛止位置と退去位置
とに各規制するストツパー、(8)は各ステー(3)の薄板ワ
ークＡをガイドするガイドバーを示す。

尚、図示のものでは、上記各ステー(3)を端部のスライ
ダ(3b)において、横杆(1c)に揺動自在に挿着した左右１
対のスライド部材(1d)(1d)に各取付けた上下方向に長手
のレール(1e)に揺動自在に取付けて、該各ステー(3)を
横方向及び上下方向に調節移動自在とした。

又、これらスペーサ(4)のうち積込み方向最前部に存す
るスペーサ(4)は、その先端が第３図に鎖線で示す如
く、ストッパー(9)等により予め積込み軌跡内方に突出
した状態に保持されるようにする。

次いで実施例の作用を説明するに、先ず搬送治具に１枚
目の薄板ワークＡを後方（第３図で右方）から積込むも
ので、これによれば積込み方向最前部のスペーサ(4)の
先端部に薄板ワークＡが当接し、引き続く積込み動作に
より該スペーサ(4)がストッパ(7)で規制されるワーク掛
止位置までばね(5)に抗して揺動されると共に、該スペ
ーサ(4)の押片(6)により該スペーサ(4)の積込み方向後
方に隣接する２番目のスペーサ(4)が押されて、第３図
に示す如くばね(5)に抗して揺動しその先端が積込み軌
跡内方に突出される。

次いで２枚目の薄板ワークＡを積込むもので、これによ
れば上記と同様に、該ワークＡが２番目のスペーサ(4)
の先端部に当接し、引き続く積込み動作により該スペー
サ(4)がストッパー(7)で規制されるワーク掛止位置まで
ばね(5)に抗して揺動されると共に、該スペーサ(4)の押
片(6)により該スペーサ(4)の積込み方向後方に隣接する
３番目のスペーサ(4)が押されて、ばね(5)に抗して揺動
しその先端が積込み軌跡内方に突出される。

このようにして、搬送治具に薄板ワークＡを１枚づつ積
込むだけで各ワークＡ間に各スペーサＡが自動的に介挿
された状態で積載される。

又、搬送治具に積載した薄板ワークＡを積込み方向最後
部に存する薄板ワークＡから順に取出せば、各スペーサ
(4)は各ばね(5)に付勢されて退去位置に自動的に揺動復
帰される。

（発明の効果） このように本発明によるときは、搬送治具に薄板ワーク
を１枚づつ積込むだけで各ワーク間にスペーサが自動的
に介挿された状態で積載できるため、ワーク同志の直接
当接による傷付きを防止でき、又スペーサを一々挿入し
たり取外す必要がなく薄板ワークの積込み取出し作業が
簡単に行ない得られ、而も治具の構造が比較的簡単で安
価に得られる効果を有する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明治具の１例の斜視図、第２図はそのII−
II線截断面図、第３図はそのIII−III線截断面図であ
る。 (1)……治具本体、(3)……ステー (4)……スペーサ、(5)……ばね (6)……押片、Ａ……薄板ワーク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】薄板ワークの複数板を各薄板ワークが互い
   に所定の積込み方向に対向するような状態に積載して搬
   送する搬送治具において、治具本体上に、該積込み方向
   に長手のステーを設け、該ステーに、薄板ワークの積込
   み軌跡内方のワーク掛止位置と該軌跡外方の退去位置と
   に揺動自在なスペーサの複数個を、該各スペーサが掛止
   位置において各薄板ワークの対向間隙に介挿されるよう
   に、該積込み方向に間隔を存して取付け、該各スペーサ
   を該退去位置側に夫々ばねで付勢すると共に、該各スペ
   ーサに、該掛止位置への揺動で該積込み方向後方に隣接
   する後段のスペーサを押してその先端を該軌跡内に突出
   させる押片を突設したことを特徴とする薄板ワーク搬送
   用治具。