JPH06269096A - 音像制御装置 - Google Patents

音像制御装置

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JPH06269096A
JPH06269096A JP5054151A JP5415193A JPH06269096A JP H06269096 A JPH06269096 A JP H06269096A JP 5054151 A JP5054151 A JP 5054151A JP 5415193 A JP5415193 A JP 5415193A JP H06269096 A JPH06269096 A JP H06269096A
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sound
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band
image
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JP5054151A
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Haruko Nishikawa
治子 西川
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Olympus Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成でかつ簡単な制御で、適切な距離感
の呈示を可能にする遠近感を実現する3次元音像制御装
置を提供する。 【構成】モノーラルまたは2チャンネル以上のステレオ
信号を2つの音響変換器により再生する装置において、
音響信号源31と、この音響信号源31からの出力信号
の特定周波数の帯域のみを強調あるいは減衰させるとと
もに、その強調量あるいは減衰量を可変できるアッテネ
ータ手段32とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響信号を用いて3次
元音場を提供しようとするもので、特に、音像までの心
理的距離感を制御する3次元音像制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音像の水平方向を制御して音像の位置を
制御して臨場感を高めることは、映画やステレオ再生な
どでよく知られている。迫力や臨場感をさらに高めるた
めには、音像の心理的な距離感を制御することも必要で
ある。
【0003】また、最近では、視覚的に外界と遮断でき
る映像表示装置を用い、別の空間を体験できる3次元空
間再現システムを実用化しようとする試みが進められて
いる。
【0004】この3次元空間再現システムの一例として
は、映像を表示するためのHMD(Head Mounted Displ
ay)と呼ばれる顔面に装着できる小型映像表示装置と、
音響信号を呈示するためのヘッドホン受聴装置と、映像
信号と音響信号を供給および制御するための装置とから
成るシステムが挙げられる。
【0005】このシステムのメリットは視覚的に外界と
遮断しながら、立体的な映像を表示することが可能であ
るため、心理的に他の空間に導くことが容易であり、い
ながらにして他の空間を仮想体験できることにある。
【0006】しかし、立体的な映像を表示すると同時に
音響信号も立体化しないと、映像が前方遠くにあるとき
も、前方近くにあるときも同じ音響信号が呈示され、映
像と音像の空間位置の分離が生じ、自然な空間再現が損
なわれるという問題がある。そこでこのような3次元空
間再現システムでも、音像の心理的な距離感を制御する
ことが必要となる。
【0007】さらにスピーカ再生用の音響信号をそのま
まヘッドホンで受聴すると、音像は受聴者の頭内に定位
するという特異現象が生じ、非常に不自然になるという
課題がある。それを解消するために音像の距離感を大き
くするような処理が必要となる。
【0008】音像の心理的距離感は、残響音の性質と係
わっていることが音響工学の分野で明かにされており、
直接音に対する残響音の音響エネルギー密度比や残響時
間の勾配、両耳間における音圧信号相関度の両耳間にお
ける相関係数などを制御することにより、聴取者から音
像までの心理的距離感を制御するような音像制御装置も
いくつか提案されている。
【0009】図12は特公昭56−2839号から引用
したバイノーラル録音再生方式についての説明図で、直
接音に対する残響音の音響エネルギー密度比を変化させ
ることにより音像の距離感を制御しようとするものであ
る。
【0010】この装置は、音源91、マイクロホン9
2、増幅器93、狭指向性スピーカ94、広指向性スピ
ーカ95、スピーカの入力電圧を可変するための可変抵
抗96a,96b、ダミーヘッド97、ダミーヘッドの
両耳道内に配置されたマイクロホン98R,98L、ヘ
ッドホン99とから構成されている。
【0011】音源91は直接音だけの録音(無響室録音
など)を使用し、狭指向性スピーカ94および広指向性
スピーカ95の入力電圧の比を変化することによって、
直接音に対する残響音の音響エネルギー密度比を変化さ
せる。それを両耳道にマイクロホン98R,98Lを装
備されたダミーヘッド97によって録音し、ヘッドホン
受聴することにより、距離感を制御しようとするもので
ある。
【0012】図13は特開昭55−66200号から引
用した音像制御装置についての説明図である。この装置
は、右チャンネルの残響合成装置101Rと左チャンネ
ルの残響合成装置101Lとから成り、左右各チャンネ
ルの残響合成装置は、それぞれアッテネータおよび遅延
回路からなる前段残響合成回路102F,103Fと後
段残響合成回路102B,103Bとにより構成されて
いる。
【0013】この装置において、それぞれアッテネータ
のゲインや遅延時間を制御することにより、受聴者の両
耳位置における残響音のエネルギー、残響時間の勾配、
両耳間における音圧信号相関度の各物理パラメータのう
ちの少なくとも1つを変化させ、音像までの心理的距離
感を制御しようとするものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように受聴者の両
耳位置における残響音対直接音エネルギー密度比や、残
響時間の勾配、両耳間における音圧信号相関度等の物理
パラメータを制御することにより、ある程度の距離感の
制御が可能となる。
【0015】しかし、特公昭56−2839号のような
バイノーラル録音再生方式においては、ヘッドホン受聴
特有の特異現象、つまり音像が受聴者の頭内もしくは頭
部のごく近傍に定位する傾向が完全には無くならず、自
然な距離感は得られない。
【0016】また、特開昭55−66200号のよう
な、残響音のエネルギー、残響時間の勾配、両耳間にお
ける音圧信号相関度の各物理パラメータのうちの少なく
とも1つを変化させる方式では、2系統の残響の付加が
必要で、制御が複雑、高価になるという欠点がある。さ
らに、スピーカを用いて再生する時は、スピーカの位置
よりも受聴者の近くに音像を定位させることができず、
リアリティや迫力が十分ではなかった。
【0017】以上述べてきたように、従来の方法は、ス
ピーカ受聴・ヘッドホン受聴するときの残響音の性質を
実際の音源を聴くときの残響に近似させるという物理現
象を模擬するものであった。
【0018】音響工学の分野において、聴覚上の特徴と
して、呈示音の周波数と音像の定位方向との間に関係が
あり、周波数によって、定位しやすい方向のあることが
明かになっている。例えば、1kHzを中心とする帯域
雑音をパルス状に短時間呈示すると、後方から聞こえや
すいという特徴がある。このため、1kHz付近の電子
音を呼び出し音に使っている電話機では、前方の電話機
で呼び出し音が鳴っていても、後方で鳴っているかのよ
うに聴こえるという現象がおこる。以上のように、従来
の研究により周波数と定位方向との間に関係のあること
が、明らかになっている。しかしながら、これまで、周
波数と心理的距離感との関係については知られていなか
った。
【0019】本発明の音像制御装置はこのような課題に
着目してなされたものであり、その目的とするところ
は、人間の聴覚上の特性を用いて距離感を制御すること
によって、簡単な構成でかつ簡単な制御で、適切な距離
感の呈示を可能にする遠近感を実現する音像制御装置を
提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の音像制御装置は、モノーラルまたは2チ
ャンネル以上のステレオ信号を2つの音響変換器により
再生する装置において、音響信号源と、この音響信号源
からの出力信号の特定周波数の帯域のみを強調あるいは
減衰させるとともに、その強調量あるいは減衰量を可変
できるアッテネータ手段とを具備する。
【0021】
【作用】すなわち、本発明の音像制御装置においては、
モノーラルまたは2チャンネル以上のステレオ信号を2
つの音響変換器により再生する場合において、音響信号
源からの出力信号の特定周波数の帯域のみを強調あるい
は減衰させるとともに、その強調量あるいは減衰量を可
変させる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0023】まず、本実施例の概略を説明する。本発明
者は、周波数と心理的距離感との間の関係に着目して、
以下に説明するような実験を行った。すなわち、図1に
おいて、11は白色雑音源、12はバンドパスフィル
タ、13は増幅器、14は聴取者15の正面前方2mに
配置されたスピーカを示す。図1において、白色雑音源
11で発生した白色雑音はバンドパスフィルタ12を通
り、帯域雑音となって増幅器13に印加され、スピーカ
14で再生される。図1において、バンドパスフィルタ
12の中心周波数を変化させ、再生音の音像の心理的距
離感をバンドパスフィルタ12の中心周波数毎に評価し
た結果を図2に示す。
【0024】図2は被験者3名の評定結果であり、横軸
はバンドパスフィルタ12の中心周波数、縦軸は音像の
心理的距離感を示し、評定結果の度数を円の大きさで示
している。図2から明らかなように、バンドパスフィル
タ12の通過帯域が特定周波数、すなわち6kHz〜1
0kHzに設定された時には、スピーカ14が聴取者1
5の正面前方2mにありながら、聴取者15は音像を実
際の距離より小さく1m以下に感じる傾向が見られる。
特に8kHzに設定した時には、聴取者15の耳元に音
像を感じている。
【0025】以上まとめると、音像の距離感は呈示音の
周波数に密接に関係があり、中心周波数6〜10kHz
の音は、聴取者15の距離感が小さくなる特徴的な帯域
であることがわかる。
【0026】本実施例はこの点に着目したもので、残響
音の性質といういわば物理パラメータを模擬するのでは
なく、人間の聴覚上の特徴を利用し、具体的には中心周
波数6〜10kHzの帯域を強調あるいは減衰させるこ
とにより心理的な距離感の制御を可能にするものであ
る。さらに、スピーカ14を用いて再生する時に、スピ
ーカ14の位置よりも聴取者15の近くに音像を定位さ
せることを可能にするものである。
【0027】図3は、本発明の第1の実施例における3
次元音像制御装置全体の構成を示すものである。本実施
例における音像制御装置は、音響信号源31と、アッテ
ネータ32と、増幅器33と、スピーカ34R,Lとか
ら構成されている。
【0028】アッテネータ32は、例えば図4に示すよ
うなバンドエリミネートフィルタ45とスイッチ44と
から構成され、バンドエリミネートフィルタ45はバン
ドパスフィルタ41、反転器42、加算器43とから構
成される。
【0029】入力信号はバンドパスフィルタ41と反転
器42とに接続されており、バンドパスフィルタ41と
反転器42の出力が加算器43に接続され、バンドパス
フィルタ41の出力と加算器43の出力はスイッチ44
に接続されている。バンドパスフィルタ41は抵抗値R
1 の可変抵抗411、抵抗値がそれぞれR2 ,R3 の抵
抗412,413、容量Cのコンデンサ414,41
5、演算増幅器416により構成されている。このよう
なバンドパスフィルタ41において、強調帯域の中心周
波数fc は(1)式で与えられる。 fc =Q/(π・R3 ・C) (1) (ただし、Qはクオリティファクタ)また、利得は以下
の(2)式に示すように可変抵抗器411の抵抗値R1
を変えることにより、可変できる。 A=R3 /(2R1 ) (2)
【0030】反転器42は、抵抗値がR4 の抵抗42
1,422、演算増幅器423とで構成され、入力信号
を反転した信号が出力される。加算器43は抵抗値がR
5 の抵抗431,432,433と演算増幅器434で
構成され、バンドパスフィルタ41の出力と反転器42
の出力と反転器42を加算している。バンドエリミネー
トフィルタ45の減衰帯域の中心周波数fc および利得
はバンドパスフィルタ41の中心周波数、利得と同様に
(1)(2)式で表される。
【0031】上記の構成より、アッテネータ32はスイ
ッチ44の切り替えにより、バンドパスフィルタ41あ
るいはバンドエリミネートフィルタ45として動作す
る。スイッチ44がAに接続されている時にはバンドパ
スフィルタ41として動作する。逆に、スイッチ44が
Bに接続されている時にはバンドエリミネートフィルタ
45として動作する。この回路の特性を図9に示す。次
に、本実施例に示す3次元音場制御装置の具体的な動作
と効果について説明する。
【0032】スイッチ44をAに接続し、可変抵抗器4
11の抵抗値R1 を小さくすることにより、アッテネー
タ32をバンドパスフィルタ41として動作させ、fc
を中心とした帯域を強調する。可変抵抗器411の抵抗
値R1 を小さくすることにより、強調量を多くし、さら
に音像を近づけ、スピーカ位置よりも受聴者に近い耳も
とにも定位させることができる。
【0033】反対に、スイッチ44をBに接続し、可変
抵抗器411の抵抗値R1 を小さくすることにより、ア
ッテネータ32をバンドエリミネートフィルタ45とし
て動作させ、fc を中心とした帯域を減衰させる。可変
抵抗器411の抵抗値R1 を小さくすることにより、減
衰量を多くし、さらに音像を遠方に定位させることがで
きる。このように人間の聴覚上の特性を利用することに
より音像の距離感を変えることができるので、自然で臨
場感のある3次元音場が実現できる。
【0034】図5は本発明の第2の実施例の構成を示す
図であり、図5(a)は本実施例の装置を、映像と音響
信号を用いた3次元空間再現システムへ適用した場合の
全体の構成を示すものである。本実施例における3次元
空間再現システムは、テレビ映像信号源50と、奥行き
信号発生装置51と、高速位相変調器55R,55L
と、右眼用表示装置53Rと、左眼用表示装置53L
と、音響信号源54と、残響合成回路55と、アッテネ
ータ56と、右耳用受話器57Rと、左耳用受話器57
Lとから構成され、奥行き信号発生装置51は、アッテ
ネータ56に接続されている。
【0035】残響合成回路55の一例を図5(b)に示
す。図5(b)において、551と552はゲインGの
減衰器、553は遅延時間τを有する遅延素子、55
4,555は加算器を示す。図5(c)はこの残響合成
回路55のインパルス応答を示す。
【0036】アッテネータ56は例えば、図6に示すバ
ンドエリミネートフィルタ、すなわちバンドパスフィル
タ61、反転器62、加算器63とで構成された(第1
の実施例におけるアッテネータ32を常にスイッチBと
接続させたような)回路でよく、奥行き信号発生装置5
1は、バンドパスフィルタ61の可変抵抗器611と接
続されている。このバンドエリミネートフィルタの減衰
帯域の中心周波数fcおよび利得は前出の(1)、
(2)式で与えられ、利得は、可変抵抗器611の抵抗
値R1 を変えることにより、可変できる。この回路の特
性を図10に示す。
【0037】一般に、スピーカ用のステレオ信号をその
ままヘッドホンで再生受聴すると、音像の距離感は非常
に小さく、受聴者の頭内もしくは頭部のごく近傍に定位
することが知られている。そのため本実施例のようなヘ
ッドホンを利用する構成では、音像の距離感を大きくす
るよう、すなわち、fc を中心とした帯域を減衰させる
ように制御する。次に、本実施例に示す3次元空間再現
システムの具体的な動作と効果について説明する。
【0038】テレビ映像信号源50から出力される映像
信号は、高速位相変調器52R,52Lに入力される。
そして奥行き信号発生装置51から出力される奥行き信
号の振幅に応じて映像信号を水平走査期間内で位相変調
し、映像の位置を水平に偏位させた2系統の映像信号を
右眼用表示装置53Rと左眼用表示装置53Lに供給す
ることにより、視差を作って映像の立体感を視聴者58
に与える。
【0039】一方、音像の距離感については、奥行き信
号発生装置51から出力される奥行き信号の振幅が大き
いとき(映像の奥行き感が大きいとき)には、可変抵抗
器R1 の抵抗値を小さくすることにより、fc を中心と
する帯域の減衰量を多くし、さらに音像を遠方に定位さ
せることができる。
【0040】反対に、奥行き信号発生装置51から出力
される奥行き信号の振幅が小さいとき(映像の奥行き感
が小さいとき)には、可変抵抗器R1 の抵抗値を大きく
することにより、fc を中心とする帯域の減衰量を小さ
くし、音像を近くに定位させることができる。
【0041】本実施例によれば、立体感のある映像と同
時に用い、映像の距離情報を用いて音像の距離感を制御
することにより、映像と音像の空間位置が一致し、自然
で臨場感のある3次元空間が提供できる。さらにヘッド
ホン受聴時の音像の距離感を大きくすることができ、頭
内定位というヘッドホン特有の異常現像が解消し、不自
然さがなくなる。
【0042】図7は第3の実施例の構成を示す図であ
る。この実施例は音響信号として周波数がある範囲内に
ある音、例えば、物体が近づいてくるときのイメージを
表すような特殊効果音を用いた場合の例を示す。特殊効
果音としては、純音・震音(周波数が、ある範囲内を連
続的にしかも周期的に変化する音)や一定の帯域幅をも
つ音(例えば帯域雑音)などでよいが、本実施例におけ
る3次元空間再現システムは、前述の第2の実施例と同
様の映像表示装置と、前述の帯域雑音をスピーカ再生す
る系により構成されている。
【0043】本実施例における音響再生系は、白色雑音
源71と、バンドパスフィルタ72と、増幅器73と、
スピーカ74R,74Lとから構成されており、白色雑
音源71はバンドパスフィルタ72に接続されて、増幅
器73を通って、スピーカ74R,74Lに接続されて
いる。バンドパスフィルタ72は、例えば、図8に示す
ような回路を使用することができ、抵抗値R1 ,R3 の
可変抵抗811,813、程抗値がR2 の抵抗812、
容量Cのコンデンサ814,815、演算増幅器816
により構成されている。
【0044】また、奥行き信号発生装置51は、バンド
パスフィルタ72の可変抵抗器811,813に接続さ
れている。このようなバンドパスフィルタの、通過帯域
の中心周波数fc および、利得は前出の(1)、(2)
式より与えられるから、可変抵抗器811,813の抵
抗値R1 ,R3 を変えることにより、利得を一定に保っ
たまま中心周波数を可変できる。この回路の特性を図1
1に示す。次に、本実施例に示す3次元空間再現システ
ムの具体的な動作と効果について説明する。
【0045】第2の実施例と同様に、テレビ映像信号源
50から出力される映像信号は、右眼用表示装置53R
と左眼用開示装置53Lに供給され、立体感のある映像
を視聴者58に与える。映像信号としてはコンピュータ
グラフィックス画像などでよい。また、白色雑音源71
から出力される白色雑音がバンドパスフィルタ72によ
り帯域制限されて特殊効果音の帯域雑音が得られる。
【0046】一方、音像の距離感については、奥行き信
号発生装置51から出力される奥行き信号の振幅が大き
いとき(映像の奥行き感が大きいとき)には、可変抵抗
器R1 ,R3 の抵抗値を大きくすることより、バンドパ
スフィルタ72の通過帯域を低周波域に変え、低周波数
域のノイズを発生させ、音像を遠くに定位させることが
できる。
【0047】反対に、奥行き信号発生装置51から出力
される奥行き信号の振幅が小さいとき(映像の奥行き感
が小さいとき)には、可変抵抗器R1 ,R3 の抵抗値を
小さくすることにより、バンドパスフィルタ72の通過
帯域を高周波域に変え、高周波数域のノイズを発生さ
せ、音像をスピーカよりも受聴者に近い位置に定位させ
ることができる。
【0048】本実施例によれば、立体感のある映像と同
時に用い、映像の距離情報を用いて音像の距離感を制御
することにより、映像と音像の空間位置が一致するとと
もに、スピーカの位置よりも受聴者の近くに音像を定位
させることが可能となるため、音像が画面から飛び出る
よりリアルで迫力のある3次元空間が提供できる。
【0049】以上詳述したように、本実施例によれば、
アッテネータで6〜10kHzの帯域を強調することに
より音像を受聴者の近くに定位させることができるし、
反対に、6〜10kHzの帯域を減衰させることにより
音像を遠くに定位させることができるので、自然で臨場
感のある3次元音場を提供できる。
【0050】また、スピーカ再生するときには、スピー
カの位置よりも受聴者に近い位置に音像を定位させるこ
とができ、リアリティや迫力のある3次元音場を提供で
きる。
【0051】さらに、立体感のある映像と同時に用い、
映像の距離情報を用いて音像の距離感を制御することに
より、具体的には、距離感の近い映像に対してはアッテ
ネータで6〜10kHzの帯域を強調することにより音
像までの距離感を小さくすることができるし、反対に距
離感の遠い映像に対しては6〜10kHzの帯域を減衰
させることにより音像までの距離感を大きくできるの
で、映像と音像の空間位置が一致した、自然で臨場感の
ある3次元空間が提供できる。さらにヘッドホン受聴す
る時は、特異現象である音像の頭内定位が解消され、不
自然さがなくなる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
【0053】(1)残響音の性質といった物理パラメー
タの模擬ではなく、人間の聴覚上の特性を用いて距離感
を制御するものであるから、装置の構成が簡単で、制御
も容易で、かつ1系統の回路で、遠近感を実現すること
が可能な3次元音像制御装置を提供できる。
【0054】(2)立体感のある映像と同時に用い、映
像の距離情報を用いて映像の遠近感にあわせて音像の距
離感を制御することにより、映像と音像の空間位置が一
致し、自然で臨場感のある3次元空間が提供できる。 (3)スピーカ再生する時に、スピーカよりも受聴者の
近くに、音像を定位させることができ、リアリティのあ
る3次元空間が提供できる。 (4)ヘッドホン受聴時の特異現象である音像の頭内定
位を、従来より簡便に解消でき、不自然さがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の概略を説明するための図である。
【図2】バンドパスフィルタの中心周波数を変化させ、
再生音の音像の心理的距離感をバンドパスフィルタの中
心周波数毎に評価した結果を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例における3次元音像制御
装置全体の構成を示す図である。
【図4】第1の実施例におけるアッテネータの詳細な構
成を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図6】第2の実施例におけるアッテネータの詳細な構
成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例の構成を示す図である。
【図8】第3の実施例におけるバンドパスフィルタの詳
細な構成を示す図である。
【図9】第1の実施例に係るアッテネータの特性図であ
る。
【図10】第2の実施例に係るアッテネータの特性図で
ある。
【図11】第3の実施例に係るバンドパスフィルタの特
性図である。
【図12】従来のバイノーラル録音再生方式についての
説明図である。
【図13】従来の音像制御装置についての説明図であ
る。
【符号の説明】
11…白色雑音源、12…バンドパスフィルタ、13,
33…増幅器、14,34…スピーカ、31…音響信号
源、32…アッテネータ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノーラルまたは2チャンネル以上のス
    テレオ信号を2つの音響変換器により再生する装置にお
    いて、 音響信号源と、 この音響信号源からの出力信号の特定周波数の帯域のみ
    を強調あるいは減衰させるとともに、その強調量あるい
    は減衰量を可変できるアッテネータ手段と、 を具備したことを特徴とする音像制御装置。
JP5054151A 1993-03-15 1993-03-15 音像制御装置 Pending JPH06269096A (ja)

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Cited By (11)

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