JPH06268463A - 表面弾性波素子及びその製造法 - Google Patents

表面弾性波素子及びその製造法

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JPH06268463A
JPH06268463A JP4952093A JP4952093A JPH06268463A JP H06268463 A JPH06268463 A JP H06268463A JP 4952093 A JP4952093 A JP 4952093A JP 4952093 A JP4952093 A JP 4952093A JP H06268463 A JPH06268463 A JP H06268463A
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diamond
acoustic wave
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surface acoustic
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Keiji Hirabayashi
敬二 平林
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ダイヤモンド結晶形成時の基体温度を400
〜900℃とすることによって結晶の配向性を{11
1}面配向性とし、選択堆積法等によって結晶核の発生
密度を制御しながら、CVD法、燃焼炎法などの方法を
用いて平板ダイヤモンド結晶を形成し、その結晶を成
長、合体および膜状成長させることによって、ダイヤモ
ンド多結晶膜とし、その結晶膜上に酸化亜鉛圧電層を形
成して表面弾性波素子を製造する。 【効果】 ダイヤモンド結晶層を研磨する工程を必要と
せず、良好な表面伝搬速度を有する、高周波用、特にG
Hz帯の装置・回路用に優れた特性を有する表面弾性波
素子を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波フィルターとし
て用いられる表面弾性波素子、特に、ダイヤモンド結晶
上に圧電体層が形成された表面弾性波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、常温で物質中最大の熱
伝導率[(2000W/(m・K)]を有し、高い絶縁
性(1016Ω・cm以上)を示すなど、他の材料では得
られない種々の特性を有していることから最近注目され
ている。さらに、ダイヤモンド結晶は18000m/s
ecと非常に大きい音速を有している、このため、この
高音速特性を利用した表面弾性波素子の研究開発が進め
られている。例えば、第6回ダイヤモンドシンポジウム
(平成4年11月26〜27日)講演予稿集の90〜9
1ページにおいて、シリコン基板上に多結晶ダイヤモン
ド結晶を形成した後、櫛形電極および酸化亜鉛層を形成
することによる表面弾性波素子の製造が記載されてい
る。この記載によれば、この素子は、10000m/s
ec以上の音速と十分に高い励振効率を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例で形成されるダイヤモンド多結晶膜は、表面の凹凸
のため研磨が必要である。また、通常の条件で形成され
たダイヤモンド多結晶膜は、膜中にアモルファス炭素お
よびグラファイト構造を有する炭素を含有しやすく、そ
れが絶縁性劣化の原因となる。
【0004】本発明は、このような従来法の問題点を解
決し、研磨工程を必要としない程度に表面の平坦性が良
好で、かつ音速および励振効率がさらに向上したダイヤ
モンド結晶膜を形成するために、鋭意検討した結果なさ
れたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイヤモンド
結晶層上に圧電体として酸化亜鉛を有する表面弾性波素
子において、ダイヤモンド結晶層が、少なくとも形成初
期に(a)基体面に垂直な方向の長さの基体面に平行な
方向の長さに対する比の値が1/4ないし1/1000
であり(b)結晶上面が該基体面と0ないし10度の角
度をなして実質的に該基体面に平行である平板ダイヤモ
ンド結晶の合体した形態の結晶層であることを特徴とす
る表面弾性波素子およびその製造法を提供する。
【0006】
【作用】本発明の表面弾性波素子の模式的断面図を図1
に示す。図中、1は基体、2は平板ダイヤモンド結晶が
成長合体して形成されたダイヤモンド膜、3は櫛形電
極、4は酸化亜鉛層である。
【0007】図2は、本発明で言う平板ダイヤモンド結
晶の断面の模式図であり、また図3は、従来の粒子状ダ
イヤモンド結晶の断面の模式図である。図2中、21は
基体で、その上面に本発明の平板ダイヤモンド結晶22
が形成されている。ここで、平板ダイヤモンド結晶22
では、基体面に垂直な方向の長さ(高さ)hと基体面に
平行な方向の長さ(横幅)Lの比の値(h/L)が1/
4以下、一般的には1/4.5以下、好ましくは1/5
〜1/1000である。また、結晶上面22aは{11
1}面であり、その面が基体面21aとなす角θは0〜
10度であり、両者は実質的に平行である。
【0008】それに対して図3の従来法によって形成さ
れる粒子状ダイヤモンド結晶32の場合、h/Lの値は
1/3以上、一般的には1/2以上となり、θは一般的
にはランダムとなる。
【0009】平板ダイヤモンド結晶の形成は、CVD
法、燃焼炎法などの高品質のダイヤモンド結晶を形成す
る方法によってのみ可能である。CVD法には、熱フィ
ラメントCVD法、マイクロ波CVD法、有磁場マイク
ロ波CVD法、直流プラズマCVD法、RFプラズマC
VD法などがある。CVD法に用いる原料ガス中の炭素
源ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、アセチレ
ンなどの炭化水素ガス、アルコール、アセトンなどの常
温で液体の有機化合物、一酸化炭素またはハロゲン化炭
素などを用いることができる。さらに、適宜、水素、酸
素、塩素、フッ素原子を含むガスを添加することもでき
る。
【0010】(1)CVD法による平板ダイヤモンド結
晶の形成 原料ガスは、組成式中に少なくとも水素、炭素および酸
素を含んでいることが必要で、1つの原料ガスの組成式
中にこれらの元素が全て含まれていてもよく、あるいは
これらのいずれかの元素を組成式中に含むガスを複数組
み合わせてもよい。この場合、その原料ガス中の炭素源
濃度は10%以下とする必要がある。ここで言う炭素源
濃度は、(炭素源ガス流量)×(炭素源ガス組成式中の
炭素原子数)/(全原料ガス流量)×100の計算式で
得られる。炭素源ガス中の炭素原子数は、たとえばメタ
ン(CH4)なら1、プロパン(C38)なら3、アセ
トン(CH3COCH3 )なら3となる。この炭素源濃
度を10%以下とする理由は、ダイヤモンド結晶の過飽
和度を抑え、アモルファス炭素の成長を抑制するためで
ある。炭素源濃度に対する下限は特にないが、0.01
%以下ではダイヤモンド結晶の実用的な形成速度が得ら
れない場合がある。
【0011】さらに、CVD法においては、原料ガス中
の酸素原子数と炭素原子数の比(O/C)を0.5≦O
/C≦1.2、望ましくは0.7≦O/C≦1.1とす
る。0.5未満では酸素添加の効果がなく、平板ダイヤ
モンド結晶の生成が見られない。また1.2を越えると
酸素のエッチング効果で実用上使用可能なダイヤモンド
形成速度を得ることができない。上記O/C値を調節す
るには、例えば、O2、H2O、N2Oなどの酸素添加ガ
スを原料ガス中に添加することができる。
【0012】また、アルコールなどの酸素含有有機化合
物を炭素源として用いる場合は、O/C値が比較的低い
場合でも平板ダイヤモンド結晶の形成が可能である。例
えば、原料ガスとして水素およびエタノール(C25
H)を用いた場合、O/C=0.5で良質の平板ダイヤ
モンド結晶を形成することができる。この理由の詳細は
不明であるが、酸素含有化合物は、酸素の活性種(OH
ラジカル)を発生しやすいためであると考えられる。
【0013】本発明の平板ダイヤモンド結晶は、比較的
核発生密度が小さい場合に形成される。例えば、プラズ
マCVD法、フィラメントCVD法などのCVD法によ
り結晶形成する場合、核発生密度が2×106個/mm2
以下の場合のみ、平板ダイヤモンド結晶が形成される。
この理由の詳細は不明であるが、高さ方向の結晶成長を
抑制するために十分な量のエッチングガス(水素ラジカ
ルまたはOHラジカル)が必要であり、また横方向の成
長を促進させるため、側面にも十分な量のダイヤモンド
形成に関与する活性種(CHxラジカル種など)が到達
することが必要であるためと考えられる。
【0014】また、基体温度を400〜900℃とする
ことにより、{111}面を上面とする平板ダイヤモン
ド結晶が形成される。
【0015】(2)燃焼炎法による配向成長ダイヤモン
ド結晶の形成 燃焼炎法では、酸素−アセチレン炎を用いるが、その主
たる原料ガス中の酸素とアセチレンとのモル比の値は、
0.9≦O2/C22≦1.0となるように、好ましく
は、0.95≦O2/C22≦0.99とすることで、
再現性よく、比較的高い成長速度(数十μm/hr:横
方向の成長速度)で配向成長ダイヤモンドを形成するこ
とができる。
【0016】燃焼炎法の場合、ダイヤモンド結晶の核発
生密度は1×105個/mm2以下、好ましくは1×10
2〜1×105個/mm2とする。燃焼炎法において、C
VD法の場合に比べて核発生密度をこのように低くする
必要があるのは、燃焼炎法では熱フィラメントCVD法
あるいはマイクロ波CVD法に比べて平板ダイヤモンド
結晶の横方向の成長速度が10倍以上大きい(数十μm
/hr)ためである。
【0017】換言すれば、平板ダイヤモンド結晶を得る
ためには、各結晶間の間隔を十分に大きくする必要があ
るということである。必要な間隔は形成条件によって異
なり得るため一概に言えないが、形成する平板ダイヤモ
ンド結晶の横幅程度である(横幅が10μmであれば1
0μm間隔とする)。
【0018】また、基体温度を400〜900℃、好適
には500〜750℃、さらに好適には600〜700
℃とすることにより、上面が3角形あるいは6角形のモ
ルフォロジーを有する{111}面よりなる平板ダイヤ
モンド結晶が形成される。
【0019】上記平板ダイヤモンド結晶は、単結晶ある
いは平板中に双晶面が形成された双晶結晶であるが、平
板ダイヤモンド結晶には、上面に平行に双晶面が形成さ
れているものが多い。これは、双晶面の形成により凹入
角が形成され、凹入角効果と呼ばれる効果により、凹入
角のある方向に結晶の成長が促進されやすく、形成され
るダイヤモンド結晶が平板形となるためであると考えら
れる。なお、上面に平行に形成される双晶面は1つとは
限らず、2個以上の場合もある。
【0020】さらに、本発明の平板ダイヤモンド結晶を
成長、合体および膜状成長させてダイヤモンド結晶膜を
形成することができる。このような平板ダイヤモンド結
晶から形成されたダイヤモンド結晶膜は、ダイヤモンド
粒子同士の高さが比較的揃った平板ダイヤモンドが結晶
が成長合体してできたものであることから、膜の凹凸が
小さく、例えば最大表面粗さが100nm以下の平滑性
の高い膜である。
【0021】本発明のダイヤモンド結晶を形成する際の
基板には、(1)シリコン、ゲルマニウム、GaAs、
InPなどの半導体基板、(2)アルミナ、ジルコニア
のような酸化物系セラミックス、(3)炭化珪素、窒化
珪素、炭化チタン、窒化チタン、炭化タングステンなど
の炭化物、窒化物系セラミックスなどを用いることがで
きる。
【0022】平板ダイヤモンド結晶は、例えば本発明者
らの特開平2−30697号公報に基づくダイヤモンド
結晶の選択堆積法により、所望の部位のみに形成するこ
とができる。
【0023】さらに、この公報の記載に基づいて、核発
生サイトを10μm2以下と十分に小さくすることによ
り、単一核よりなるダイヤモンド結晶を形成することも
できる。ただし、燃焼炎法において単一核よりなるダイ
ヤモンド結晶を形成する場合は、その他の合成法より核
発生密度が小さく、核発生サイトを10μm2とすると
析出抜けを生じやすいため、核発生サイトを100μm
2以下10μm2以上、望ましくは25μm2〜80μm2
とする。
【0024】ダイヤモンドの選択堆積法は、上記特開平
2−30697号公報の方法に限定されるものではない
が、その公報に記載の方法によれば、基体表面に傷つけ
処理を施した後、基体にパターン状マスクを形成し、エ
ッチング処理を行い、次にマスクを除去することによっ
て基体表面に傷つけ処理した部位をパターン状に形成す
る。なお、基体にパターン状にマスクを施し、次にマス
クを除去することにより傷つけ処理部位をパターン状に
形成することもできる。さらに、基体表面に傷つけ処理
を施した後、耐熱性材料によるパターン状のマスクを行
い、傷つけ処理した部位を基体表面にパターン状に形成
することもできる。ダイヤモンド砥粒を用いる傷つけ処
理の方法は、特定の方法に限定されるものではなく、例
えばダイヤモンド砥粒を用いた研磨、超音波処理、サン
ドブラストなどの方法を挙げることができる。
【0025】基体上にダイヤモンド砥粒を用いて傷つけ
処理した部位をパターン状に形成することによってダイ
ヤモンド結晶の選択的堆積を行う方法の一例を、図4の
A〜Fの模式図に従って説明する。
【0026】先ず、基体41の表面にダイヤモンド砥粒
を用いて均一に傷つけ処理を施し(図4A)、この基体
表面にマスク42を形成する(図4B)。このマスクの
材料としてはどのようなものでも構わないが、例えばフ
ォトリソグラフィー法(光描画法)を用いてパターン状
に形成したレジストなどがある。次にマスク42を施し
た基体をエッチングすることにより、傷つけ処理した部
位をパターン状に形成する(図4C)。
【0027】この場合、エッチングはドライエッチング
とウエットエッチングのいずれでも良い。ウエットエッ
チングには、例えばフッ酸・硝酸混液によるエッチング
などをあげることができる。またドライエッチングに
は、プラズマエッチング、イオンビームエッチングなど
を挙げることができる。プラズマエッチングのエッチン
グガスとしては、Ar,He,Neなどの希ガス、酸
素、フッ素、水素、CF4などのガスも使用できる。エ
ッチング深さは10nm以上、好ましくは50〜100
0nm、最も好ましくは80〜200nm程度である。
【0028】次に、マスク42を除去し(図4D)、気
相合成法を用いて平板ダイヤモンドを形成すると、傷つ
け処理を施した部位のみに選択的に平板ダイヤモンド結
晶43が形成される(図4E)。さらに、この結晶を成
長、合体及び膜状成長させることにより、表面の平坦性
が良好なダイヤモンド結晶膜44が得られる(図4
F)。
【0029】次に、上記のように形成されたダイヤモン
ド結晶の上に酸化亜鉛層を形成する。その形成方法とし
ては、公知の真空蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD
法などがあるが、一般的には高周波スパッタ法あるいは
マグネトロンスパッタ法などのスパッタ法が用いられ
る。また、形成する酸化亜鉛層はc軸に配向した結晶層
であることが望ましい。
【0030】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0031】<実施例1>図5に示す酸素−アセチレン
炎バーナーによる燃焼炎法でダイヤモンド結晶の合成を
行った。図中、51はバーナー、52は基体、53は内
炎、54は外炎、55は基体ホルダーで、この基体ホル
ダーを水冷することにより基体を冷却する。基体には、
シリコン単結晶基板(直径1インチ、厚さ500μm、
{111}面)を用いた。
【0032】ガス流量はアセチレン:1.5リットル/
min,酸素:1.4リットル/minとし、基板温度
は700℃、合成時間は4時間とした。このようにして
得られたダイヤモンド結晶は、膜厚約20μmの平坦性
の良好なダイヤモンド多結晶膜であった。
【0033】なお、合成時間を1時間とする以外は上記
と同様の条件にてサンプルを合成し、その観察を行った
ところ、6角形の{111}面が基板に対して平行に配
向した平均粒子径約15μmの平板ダイヤモンド粒子で
あった。
【0034】このダイヤモンド膜上に所定のパターンの
櫛形電極(アルミ電極)を形成し、さらに公知の高周波
マグネトロンスパッタ法により、酸化亜鉛層を形成する
ことによって表面弾性波素子を作成した。この素子の周
波数特性を測定したところ、1次モード波の中心周波数
は約2GHzで、伝搬速度は12000m/secであ
った。
【0035】<比較例1>原料ガスの酸素流量を1.3
リットル/minとし基板温度を950℃とする以外は
実施例1と同様に、ダイヤモンド結晶を形成した。得ら
れたダイヤモンド膜は凹凸の大きい多結晶膜であった。
なお、合成時間を1時間とする以外はこれと同様の条件
で合成した結晶サンプルの観察を行ったところ、ランダ
ムな方向に成長した平均粒子径25μmの粒子状ダイヤ
モンド結晶であった。
【0036】このダイヤモンド膜の表面を、櫛形電極が
形成可能な程度に平滑化するために、ダイヤモンド砥粒
を用いた機械的研磨法で研磨加工した。この研磨したダ
イヤモンド膜上に、所定のパターンの櫛形電極(アルミ
電極)を形成し、さらに公知の高周波マグネトロンスパ
ッタ法により酸化亜鉛層を形成することによって表面弾
性素子を製造した。
【0037】この素子の周波数特性を測定したところ、
1次モード波の中心周波数は約2GHzで、伝搬速度は
9000m/secであった。
【0038】<実施例2>図6に示された水素−エチル
アルコールを原料ガスとする熱フィラメントCVD法に
よってダイヤモンド結晶の合成を行った。図中、61は
石英反応管、62は電気炉、63はタンタル製フィラメ
ント、64は基体、65は原料ガス導入口で、不図示の
ガスボンベおよびアルコール気化装置、流量調整器、バ
ルブなどが接続されている。66はガス排気口で、不図
示の圧力調整用バルブおよび排気系(メカニカルブース
ターポンプにロータリーポンプが接続されたもの)が接
続されている。
【0039】基体64としては、実施例1同様のシリコ
ン単結晶{111}面基体を用いた。合成条件として
は、原料ガスおよび流量が水素:200ml/min、
エチルアルコール:4ml/minで、フィラメント温
度:2000℃、基体温度:650℃、圧力:1.3×
104Pa、合成時間:12時間であった。 このように
して得られたダイヤモンド結晶は、膜厚20μmの平坦
性の良好なダイヤモンド多結晶膜であった。
【0040】なお、合成時間を3時間とする以外は上記
と同様の条件にてサンプルを合成し、その観察を行った
ところ、6角形の{111}面が基板に対して平行に配
向した平均粒子径約15μmの平板ダイヤモンド粒子で
あった。
【0041】このダイヤモンド膜上に所定のパターンの
櫛形電極を形成し、さらに公知の高周波マグネトロンス
パッタ法により、酸化亜鉛層を形成した。この素子の周
波数特性を測定したところ、1次モード波の中心周波数
は約2GHzで、伝搬速度は12500m/secであ
った。
【0042】<実施例3>本実施例では、選択堆積法に
よって、平板ダイヤモンド結晶の合成を所定の部位に限
定した。基体としては、実施例1同様のシリコン単結晶
基板を用いた。
【0043】まず、この基板をダイヤモンド粒子が分散
されたエタノール中に入れ、超音波洗浄器を用いて超音
波振動を印加して傷つけ処理を施した。次いで、マスク
アライナーを用いて、基体上にレジストパターン(PM
MA系レジスト)を、2μm径および40μmピッチで
形成した。さらにこの基体をアルゴンイオンビームエッ
チング装置に入れ、アルゴンガスを用いてエッチングし
た。なお、その際のエッチング条件は、圧力10-2
a、加速電圧:500V、処理時間:10分間であっ
た。この処理で約100nmのエッチングがなされた。
【0044】次いで、有機溶媒を用いてレジストの除去
および洗浄を行なった後、基体を公知のマイクロ波プラ
ズマCVD装置に設置し、ダイヤモンド形成を行った。
【0045】ダイヤモンド結晶の合成条件としては、原
料ガスおよび流量は水素:100ml/min、一酸化
炭素:5ml/minで、マイクロ波出力:500W、
基体温度:630℃、圧力:6.65×103Pa、合
成時間:12時間とした。この時得られたダイヤモンド
結晶を走査型電子顕微鏡観察したところ、厚さ20μm
の平坦性の良好なダイヤモンド多結晶膜であった。な
お、合成時間を2時間とする以外は同様な合成条件でサ
ンプルを形成したところ、6角形の{111}面が基板
に対して平行に配向成長した平均粒子径約15μmの平
板ダイヤモンド粒子がマスク形成部に選択的に形成され
ていた。
【0046】このダイヤモンド膜上に所定のパターンの
櫛型電極を形成し、さらに公知の高周波マグネトロンス
パッタ法により酸化亜鉛層を形成した。この素子の周波
数特性を測定したところ、1次モード波の中心周波数は
約2GHzで、伝搬速度は13000m/secであっ
た。
【0047】
【発明の効果】平板ダイヤモンド結晶が成長合体したダ
イヤモンド結晶膜上に圧電体を形成して表面弾性波素子
を製造することにより、ダイヤモンド膜の研磨工程が不
要となり、表面伝搬速度の良好な、高周波、特にGHz
帯の装置・回路用に優れた特性を有する表面弾性波素子
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面弾性波素子の模式的断面図であ
る。
【図2】本発明の平板ダイヤモンド結晶の1例の模式的
断面図である。
【図3】従来法で形成される粒子状ダイヤモンド結晶の
模式的断面図である。
【図4】選択堆積法による本発明のダイヤモンド膜形成
の手順を示す図であり、Aは、傷つけ処理を施した基
体、Bは、Aの基体にパターン状マスクを施したもの、
Cは、Bの基体をエッチングしたもの、Dは、Cの基体
のマスクを除去したもの、Eは、Dの基体上に平板ダイ
ヤモンド結晶を選択的に堆積させたもの、Fは、Eの結
晶が成長、合体して多結晶膜となったもの、の図であ
る。
【図5】燃焼炎法によるダイヤモンド結晶形成時の形成
部付近の模式的断面図である。
【図6】熱フィラメント式CVD装置の模式的断面図で
ある。
【符号の説明】
1,21,31,41,52,64 基体 2,44 ダイヤモンド結晶膜 3 櫛型電極 4 酸化亜鉛層 22,43 平板ダイヤモンド結晶 32 粒子状ダイヤモンド結晶 42 マスク 51 バーナー 53 内炎 54 外炎 55 基体ホルダー 61 石英反応管 62 電気炉 63 フィラメント 65 原料ガス導入口 66 ガス排気口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド結晶層上に圧電体として酸
    化亜鉛を有する表面弾性波素子において、ダイヤモンド
    結晶層が、少なくとも形成初期に(a)基体面に垂直な
    方向の長さの基体面に平行な方向の長さに対する比の値
    が1/4ないし1/1000であり(b)結晶上面が該
    基体面と0ないし10度の角度をなして実質的に該基体
    面に平行である平板ダイヤモンド結晶の合体した形態の
    結晶層であることを特徴とする表面弾性波素子。
  2. 【請求項2】 (1)選択堆積法によって結晶析出位置
    および結晶密度を制御し、(2)基体温度を400℃な
    いし900℃としながら、気相合成法によって該基体の
    所定の位置に平板ダイヤモンド結晶を形成し、(3)該
    平板ダイヤモンド結晶を成長合体および膜状成長させて
    ダイヤモンド結晶膜とし、(4)該結晶膜上に圧電体層
    を形成する、請求項1に記載の表面弾性波素子の製造
    法。
  3. 【請求項3】 結晶形成密度を2×106個/mm2以下
    とし、気相合成法をCVD法とし、該合成法における原
    料ガスの炭素源濃度を10%以下および単位量当りの酸
    素原子数の炭素原子数に対する比の値を0.5ないし
    1.2とする、請求項2に記載の表面弾性波素子製造
    法。
  4. 【請求項4】 結晶形成密度を1×105個/mm2以下
    とし、気相合成法を燃焼炎法とし、該合成法における原
    料ガス中の酸素ガス/アセチレンの値を0.9ないし
    1.0とする、請求項2に記載の表面弾性波素子製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6789297B2 (en) 1999-04-28 2004-09-14 Murata Manufacturing Co., Ltd Method of manufacturing a surface acoustic wave element

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US6810566B2 (en) 1999-04-28 2004-11-02 Murata Manufacturing Co., Ltd Method of manufacturing a surface acoustic wave element

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