JPH06267112A - 再生専用の相変化型光ディスク及びその再生方法 - Google Patents

再生専用の相変化型光ディスク及びその再生方法

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JPH06267112A
JPH06267112A JP5049278A JP4927893A JPH06267112A JP H06267112 A JPH06267112 A JP H06267112A JP 5049278 A JP5049278 A JP 5049278A JP 4927893 A JP4927893 A JP 4927893A JP H06267112 A JPH06267112 A JP H06267112A
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JP
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recording layer
optical disk
adjacent
optical disc
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Application number
JP5049278A
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English (en)
Inventor
Masahiro Furuta
正寛 古田
Kajiro Ushio
嘉次郎 潮
Takehiko Ueda
武彦 上田
Tatsuo Niwa
達雄 丹羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スポット径よりも小さい情報単位(ピット)
を読みとることができ、そのため記録密度が増大し、ま
た、誤って高温にさらされても、情報が消えることがな
い再生専用の相変化型光ディスク及びその再生方法を提
供する。 【構成】 基板G上に、相構造の違いによって異なる反
射率を示す記録層Kを形成した相変化型光ディスクにお
いて、前記記録層Kの一方の面に隣接する光熱吸収層A
をトラックに沿って点在させ、該光熱吸収層Aに隣接す
る記録層部分である第1微小領域と該光熱吸収層Aに隣
接しない記録層部分である第2微小領域のいずれか一方
または両方を情報単位とし、この情報単位の有無または
長さによって、情報を表すことを特徴とする再生専用の
相変化型光ディスク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な再生専用の相変
化型光ディスク及びその再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、コンパクトディスク(CD)、レ
ーザーディスク(LD)として市販されている再生専用
の光ディスクは、図10に示すような断面構造を有し、ト
ラックに沿ってピットと呼ばれる突起が点在する。ピッ
トが情報単位であり、情報はこのピットの有無または長
さによって表される。ピットがトラックの地の部分とは
反射が異なるので、反射光量の変化を電気信号の変化に
変えることで情報が再生される。
【0003】他方、従来の相変化型光ディスクは、書換
え型または追記型となっている(図11参照)。相変化型
光ディスクでは、レーザー光で記録層の一部を加熱する
ことにより、その部分の相構造を変化させて(結晶→ア
モルファス)、情報単位(マークと呼ばれる)を形成す
る。情報は情報単位の有無または長さによって表され
る。情報の再生は、相構造の変化した情報単位の反射率
が、相構造の変化していない記録層部分(トラックの地
の部分)の反射率と異なることを利用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の再生専用の光デ
ィスクは、レーザー光のスポット径より小さい情報単位
を識別することができず、情報を再生できない。スポッ
トは、レーザー光を対物レンズで絞ることにより得られ
るが、回折限界のためにスポット径は、レーザー光の波
長に依存し、レーザー光の波長より小さくできない。
【0005】現在の半導体レーザーでは1μm以下のス
ポット径が得られない。そのため、情報単位の最小のも
のは約1μmであり、これより小さくできない。この理
由から、従来の再生専用の光ディスクは、記録密度に限
界があり、記録容量をこれ以上増すことができないとい
う問題点があった。更に、相変化型光ディスクは、記録
層のガラス転移点以上の高温にさらされると、情報が消
えるという問題点もあった。
【0006】本発明の第1の目的は、スポット径よりも
小さい情報単位を識別可能にすることにある。それによ
り記録密度が増大する。第2の目的は、誤って高温にさ
らされても、情報が消えないようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、第
一に「基板G上に、相構造の違いによって異なる反射率
を示す記録層Kを形成した相変化型光ディスクにおい
て、前記記録層Kの一方の面に隣接する光熱吸収層Aを
トラックに沿って点在させ、該光熱吸収層Aに隣接する
記録層部分である第1微小領域と該光熱吸収層Aに隣接
しない記録層部分である第2微小領域のいずれか一方ま
たは両方を情報単位とし、この情報単位の有無または長
さによって、情報を表すことを特徴とする再生専用の相
変化型光ディスク(請求項1)」を提供する。
【0008】また、本発明は、第二に「前記光熱吸収層
Aが金属の低級酸化物からなることを特徴とする請求項
1記載の光ディスク(請求項2)」を提供する。また、
本発明は、第三に「前記記録層K及び/または光熱吸収
層Aに隣接して熱伝導率が50W/(m・K)以下の低
熱伝導層Hを設けたことを特徴とする請求項1または2
記載の光ディスク(請求項3)」を提供する。
【0009】また、本発明は第四に「前記記録層K及び
前記光熱吸収層Aの両方に隣接してまたは前記記録層K
及び前記低熱伝導層Dの両方に隣接して熱拡散層Nを設
けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の光ディスク
(請求項4)」を提供する。また、本発明は、第五に
「前記熱拡散層Nの熱伝導率が50W/(m・K)以上
でありかつ前記熱拡散層Nの比熱が0.2 J/(g・K)
以上であることを特徴とする請求項4記載の光ディスク
(請求項5)」を提供する。
【0010】また、本発明は、第六に「前記熱拡散層N
が透明であることを特徴とする請求項4または5記載の
光ディスク(請求項6)」を提供する。また、本発明
は、第七に「前記熱拡散層Nがダイヤモンド薄膜である
ことを特徴とする請求項6記載の光ディスク(請求項
7)」を提供する。また、本発明は、第八に「前記熱拡
散層Nに隣接して第2の光熱吸収層A’を設けたことを
特徴とする請求項7記載の光ディスク(請求項8)」を
提供する。
【0011】また、本発明は、第九に「第1工程:請求
項1乃至8に記載した光ディスクを用意すること; 第2工程:前記記録層Kにレーザー光Bを照射すること
により、前記第1微小領域の相構造と前記第2微小領域
の相構造との間に差異を発生させること;並びに 第3工程:該差異に伴う、第1微小領域と第2微小領域
からのレーザー光Bの反射光量または反射光量の変化量
の違いを電気信号に変換すること; からなる再生専用の相変化型光ディスクの再生方法(請
求項9)」を提供する。
【0012】また、本発明は、第十に「前記第3工程
後、前記第2工程とは別のレーザー光照射を行うことに
より、前記第1微小領域の相構造と前記第2微小領域の
相構造との差異を解消することを特徴とする請求項9記
載の光ディスクの再生方法(請求項10)」を提供する。
また、本発明は、第十一に「前記第2工程で、記録層K
にレーザー光Bを照射する際に、前記レーザー光Bの強
度を、前記記録層Kの温度が前記記録層Kのガラス転移
点以上で、かつ融点以下になる強度とすることを特徴と
する請求項9記載の光ディスクの再生方法(請求項1
1)」を提供する。
【0013】
【作用】図1に、本発明にかかる再生専用の相変化型光
ディスクの一例を示す。本発明にかかる光ディスクの基
板Gの材料には、ガラス材料またはポリメチルメタクリ
レート、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリ
オレフィン、エポキシ樹脂等のプラスチック材料が好ま
しい。
【0014】この基板G上に、熱伝導率が50W/(m
・K)以下の低熱伝導層Hを設けることが好ましい。低
熱伝導層Hには、例えばZnSとSiO2 との混合膜や
SiN,SiO2 ,ZnS,CdSe,CdTe,Se
等の単層膜または多層膜が好ましいが、これらの材料の
膜に限定されるものではない。低熱伝導層Hを設けるこ
とにより、レーザー光Bの照射時に、効率良く後述の記
録層Kに蓄熱させまた、プラスチック製基板の熱変形を
防ぐことができる。
【0015】基板Gまたは低熱伝導層Hの上に記録層K
を設ける。記録層Kは、レーザー光B照射による温度上
昇で相構造が変化する材料で形成する。このような材料
として、例えばTeOx,SbTe,GeSbTe等が
好ましい。記録層Kは、結晶(単結晶または多結晶)相
として形成する。記録層Kの厚さは、薄すぎると再生時
にレーザー光Bの反射が十分に行われずまた、厚すぎる
と、後述の光熱吸収層Aによる熱吸収が十分に行われな
いので、適度な厚さが好ましい。一般に、10〜100
nmの厚さが好ましい。しかし、この厚さに限定される
ものではない。
【0016】第1微小領域α1は、熱吸収量が大きくな
るように光熱吸収層Aが隣接して設けられている記録層
の領域をいう。光熱吸収層Aが隣接して設けられていな
い記録層の領域(第1微小領域α1以外の領域)が、第
2微小領域α2になる。本発明にかかる光ディスクで
は、レーザー光BのスポットS内の記録層部分に光熱吸
収層Aが隣接して設けられているかどうかによって、こ
の記録層部分の温度に差が生じる。
【0017】即ち、隣接して光熱吸収層Aが設けられて
いない第2微小領域α2では、レーザー光Bを照射して
も、熱吸収量が比較的小さいので、温度上昇は小さい。
一方隣接して光熱吸収層Aが設けられている第1微小領
域α1では、レーザー光を照射すると、熱吸収量が大き
いので、温度は第1微小領域α2よりも高温になる。こ
れらの領域α1,α2の一方または両方を情報単位と
し、この情報単位の有無またはその長さによって情報が
表される(詳細は後で説明する)。つまり、この情報単
位は、従来のピットやマークと同じ機能を有する。
【0018】ディスクは、うず巻き状または同心円状の
明示的または黙示的トラックTを有し、光熱吸収層A
は、このトラックT上に点在して設けられている。α
1,α2の一方が情報単位で、他方がトラックの地の部
分と見ることができる。光熱吸収層Aを第1微小領域α
1だけに隣接して設けるには、一旦、全面に光熱吸収層
Aを形成する。次いで、その上にフォトレジストを塗布
し、このレジストをフォトリソグラフィー等によりパタ
ーニングする。この場合、再生時に使用するレーザー光
より短波長のものを使用すれば、小さい第1微小領域α
1を形成できる。
【0019】レーザー光ではなく、X線や電子線を用い
てもよい。現在、ICパターンでは0.2 μm位まで可能
である。パターニングされたレジストをマスクとして、
イオンビームエッチング、リアクティブイオンエッチン
グ(RIE)等の方法で光熱吸収層をパターニングす
る。光熱吸収層Aの厚さは、薄すぎると熱吸収効果が不
十分となり、厚すぎると層形成に時間を要するので、適
度な厚さが好ましい。一般に、10〜500nmの厚さ
が好ましい。しかし、この厚さに限定されるものではな
い。
【0020】光熱吸収層Aの材料としては、例えばTi
O,TaO,GeO等の金属低級酸化物(特に黒色のも
の)が好ましい。光熱吸収層Aに隣接して、前述の低熱
伝導層Hを設けることが好ましい(図2図6、図7参
照)。光熱吸収層Aにより吸収された熱を遮蔽して、記
録層Kの第1微小領域α1に効果的に蓄熱させ、第2微
小領域α2との温度差を増大する(C/N比を向上させ
る)ためである。
【0021】更に、第1微小領域α1と第2微小領域α
2との温度差を増大するために、記録層K及び熱吸収層
Aの両方に隣接して(図1、図3参照)、または記録層
K及び低熱伝導層Hの両方に隣接して(図6、図7参
照)熱拡散層Nを設けることが好ましい。即ち、熱拡散
層Nが直に接する記録層Kの第2微小領域α2において
は、熱拡散により温度が下がる。
【0022】例えば、図7に示すような構成にすること
により、反射率を均一にすることができ、C/N比も向
上する。十分な熱拡散効果を得るために、熱拡散層Nの
熱伝導率は、50W/(m・K)以上であることが好ま
しい。また、熱拡散層の比熱は、0.2 J/(g・K)以
上であることが好ましい。これらを満たす材料として、
例えば、Al,Au,Ag,Al2 3 等が好ましい。
特に、透明材料であるダイアモンド薄膜(ダイヤモンド
ライクカーボン薄膜とも呼ばれる)が好ましい。透明材
料は、熱源となるレーザー光Bを透過するので、熱拡散
効果が大きいからである。
【0023】熱拡散層Nは、第2微小領域α2だけに隣
接させて設けてもよいし(図3参照)、あるいは、第2
微小領域α2と光熱吸収層Aの両方に隣接させて設けて
もよい(図1参照)。熱拡散層N及び/または光熱吸収
層Aの上に、低熱伝導層H’(低熱伝導層Hと同じ材料
が好ましい)を設けることが好ましい(図1、図3参
照)。低熱伝導層H’を設けることにより、レーザー光
Bの照射時に、効率良く記録層Kに蓄熱させ、また後述
の保護基板G’(特にプラスチック製基板)の熱変形を
防ぐことができる。
【0024】ところで、図1〜図3、図6に示された構
造の光ディスクの場合には、記録層Kが十分に厚くて、
レーザー光が記録層Kを透過しないときは問題ないが、
記録層Kが薄くて、レーザー光が記録層Kを透過すると
きには、C/N比低下の問題が発生する。記録層Kを透
過したレーザー光は、光熱吸収層Aがある部分では、レ
ーザー光が光熱吸収層Aによって吸収されるので、ほと
んど反射されず、光熱吸収層Aがない部分よりも反射光
量が小さくなる。これは、光ディスクの再生時に、C/
N比を低下させる原因となる。光熱吸収層Aが隣接する
記録層Kからの反射光量を減少させて、光熱吸収層Aが
隣接しない記録層Kからの反射光量との差が小さくなる
からである。
【0025】この場合に、光熱吸収層Aが隣接しない記
録層部分に隣接して、熱拡散層Nを金属膜(例えば、A
l,Au等)で形成すれば、レーザー光は熱拡散層Nで
反射され、干渉効果によって、光熱吸収層Aがない部分
(熱拡散層形成部分)の反射光量も小さくなる。即ち、
光熱吸収層Aがある部分とない部分との反射光量の差が
小さくなる(反射を均一化する)ので、C/N比はあま
り低下しない。
【0026】一方、熱拡散層Nを、Al2 3 やダイア
モンド薄膜で形成すると、レーザー光は熱拡散層Nを透
過して、C/N比は大きく低下する。この際、熱拡散層
Nの膜厚は、λ/(2n)の整数倍にすることが好まし
い(λ:レーザー光の波長、n:熱拡散層の屈折率)。
レーザー光の位相をずらさず、反射をより均一化できる
からである。
【0027】このようなC/N比の低下を防ぐために、
熱拡散層N及び/または光熱吸収層Aの上に、あるいは
低熱伝導層H’上に第2の光熱吸収層A’(光熱吸収層
Aと同じ材料が好ましい)を設けることが好ましい(図
4、図5、図7参照)。記録層Kを透過したレーザー光
は、光熱吸収層Aがある部分では、光熱吸収層Aによっ
て吸収され、光熱吸収層Aがない部分では、第2の光熱
吸収層A’によって吸収されて、反射が均一化されるか
らである。
【0028】以上のように、基板G上に各層が形成され
たディスク(以後、単板ディスクと称す)をそのまま光
ディスクとして使用すると、長期間使用中に記録層Kの
劣化や基板G(プラスチック製基板の場合)の変形が発
生する。これを防止するために、単板ディスクを保護基
板または他の単板ディスクと接着剤によって接合する
(図示せず)のが一般的である。
【0029】単板ディスクに保護基板を接合した構造の
光ディスクを片面ディスクと呼び、また、単板ディスク
2枚を相互に接合した構造の光ディスクを両面ディスク
と呼ぶ。保護基板の材料には、基板Gと同じ材料が好ま
しい。また、接着剤には一般に片面ディスクでは光硬化
型接着剤を、両面ディスクではホットメルト接着剤や熱
硬化性接着剤を使用する。
【0030】ところで、第1微小領域α1は、その径が
スポットS径よりも小さくなるように形成されている
(図8、図9参照)。スポットS内の記録層部分に同種
の情報単位が二つ以上含まれている場合に、従来の光デ
ィスクは、スポットS内の記録層部分の反射率または反
射光量の違いによって、それらを識別することができな
い。
【0031】本発明の再生専用の相変化型光ディスクで
は、回転して再生を行うので、図8図9に示す様に、レ
ーザー光スポットS内の記録層部分とレーザー光Bが長
く当たっていて熱蓄積で高温となった記録層部分Pとの
間に位置ずれが生じる。このとき、部分Pの下または上
に隣接して光熱吸収層Aが存在する時と存在しない時で
高温の温度が異なってくる。つまり、部分Pが、光熱吸
収層Aが存在する第1微小領域α1か存在しない第2微
小領域α2かで、温度が異なる。
【0032】部分P内の光熱吸収層Aが隣接する第1微
小領域α1は、光熱吸収層Aによる蓄熱効果のために、
光熱吸収層Aが隣接しない第2微小領域α2に比べて特
に高温となる(図8参照)。その結果、部分P内の第1
微小領域α1の温度は、記録層のガラス転移点または融
点以上になる(この第1微小領域α1を微小領域Yと呼
ぶ)。
【0033】微小領域Yの記録層は、結晶相を保持でき
ずに流動状態となって、レーザー光の反射率が大きく変
化する。一般には、結晶相の時よりも当該反射率は、大
きく低下する。この場合、高温となった記録層部分Pに
含まれない、スポットS内の領域αFでは、この領域に
光熱吸収層Aが隣接しているかどうかに関わらず、レー
ザー光Bが長く当たっていない(熱蓄積がない)ので、
温度は記録層のガラス転移点または融点以上にはならな
い。従って、記録層は結晶相のままであり、反射率はも
との値(一般には高い値)を示す。
【0034】これに対し、部分P全体が第2微小領域α
2のとき、つまり光熱吸収層Aが隣接しないときは(図
9参照)、記録層の熱はあまり蓄熱されないので、部分
Pは記録層のガラス転移点または融点以上の高温にはな
らない。従って、記録層(第2微小領域α2)は結晶相
を維持し、レーザー光反射率はもとの値(一般には高い
値)を示す。
【0035】以上の様に、記録層Kに隣接して設けられ
た光熱吸収層Aの有無が、記録層K上に熱により「あぶ
りだし」されることになる。再度説明すると、図9に示
すように、スポットS内の領域αLに光熱吸収層Aが隣
接しないときは、αLはスポットS内の領域αFと共に
反射率が一般に高い状態である。そのため、スポットS
の反射光量は、一般に高い。
【0036】他方、図8に示すように、スポットS内の
領域αL内に光熱吸収層Aが隣接するときには、αL内
の相構造が変化する(微小領域Y)。そのため、αLか
らの反射光量が一般に低下する。その結果、スポットS
内の領域αFと合わせても、結局、スポットSからの反
射光量は一般に小さくなる。この反射光量の違いによ
り、スポットS内の一部領域αLで情報単位を識別する
ことができる。見かけ上スポット径が小さくなったと言
える。
【0037】再生した後、レーザー光Bの照射により第
1微小領域α1の相構造が変化した(例えば、アモルフ
ァスの)ままであると、次の再生時に、第1微小領域α
1は領域αLに入る前の領域αFでも反射光量が一般に
低下する。そうすると、第1微小領域を○、第2微小領
域を●で表すとき、スポットS内に○●がある場合と●
○がある場合とを区別できない。
【0038】これを防ぐために、例えば再生に用いたレ
ーザー光Bよりも強度が弱いレーザー光を再生後の光デ
ィスクに照射時間が長くなるように、ゆっくりと照射す
る。これにより、再生後の第1微小領域α1の相構造を
もとの相構造(結晶相)に戻すことができる。レーザー
光B照射後の第1微小領域α1の相構造は、照射された
レーザー光Bの強度及び照射時間によって決まる。よっ
て、再生時にレーザー光の強度及び照射時間を調整し
て、第1微小領域α1の相構造がレーザー光に当たらな
くなった後に、もとの相構造(結晶相)に自然回復する
ようにしてもよい。この場合には相構造を回復させるた
めのレーザー光の後照射は不要となる。
【0039】例えば、第1微小領域α1の温度が記録層
の融点以下で、かつガラス転移点以上の温度になるよう
に、再生時のレーザー光の強度及び照射時間を調整する
ことにより、再生と相構造の自然回復が同時にできる。
本発明にかかる光ディスクでは、再生領域は、レーザー
光Bの照射領域(スポットS内)と高温領域Pの重なっ
た領域である。しかし、光ディスクの回転数及び/また
はレーザー光の強度により、重なった領域(再生領域)
は変化する。再生領域が光ディスクの回転数及び/また
はレーザー光Bの強度により変化しても誤りなく再生で
きるようにするために、スポットS部分からのレーザー
光の反射光量の変化量(反射光量の微分量)から情報単
位の有無を得るようにすることが好ましい。
【0040】例えば、スポットSから外れる瞬間のレー
ザー光の反射光量の変化量を読み取ることにより、高温
領域Pの微妙な影響を受けることなく高い信頼性で情報
を再生することができる。本発明にかかる光ディスク
は、記録層Kに隣接する光熱吸収層AがトラックTに沿
って点在し、光熱吸収層Aの有無または長さにより情報
が記録されている。よって、仮に何らかの原因で記録層
Kの相構造が不用意に変化しても、相構造を回復させる
レーザー光を照射した後、再生すれば、元の情報を再生
することができる。即ち、従来の相変化型光ディスクの
ように、情報が消えるという問題は発生しない。
【0041】以下、実施例によって本発明をより具体的
に説明するが、本発明は、これに限定されるものではな
い。
【0042】
【実施例】以下、図1を使用して説明を行う。直径13
0mmのガラス製またはプラスチック製円形基板G上
に、深さ70nmの溝(トラックT)をピッチ1.6 μm
で同心円状に多数形成した。RFマグネトロンスパッタ
により、この基板G上にZnSとSiO2 との混合膜か
らなる低熱伝導層Hを約100nm形成した。この場
合、スパッタ装置のチャンバー内を一旦、1×10-6
orr以下に排気した。その後、Arガスを導入してチ
ャンバー内のガス圧を5×10-3torrにし、またタ
ーゲットは、ZnSとSiO2 との混合物を使用して、
スパッタを行った。
【0043】次に、同様にRFマグネトロンスパッタに
より、この低熱伝導層H上にGe2 Sb2 Te5 からな
る記録層Kを約40nm形成した。この時に用いるター
ゲット材料は、Ge2 Sb2 Te5 である。スパッタ条
件は、前記低熱伝導層H形成の場合と同じである。この
場合、スパッタ条件を最適化することにより記録層K
が、結晶(単結晶または多結晶)化して結晶相になるよ
うにした。
【0044】この記録層K上に光熱吸収層Aの材料であ
る、Tiの低級酸化物で黒色のTiOの層を反応性RF
マグネトロンスパッタにより、約100nm形成した。
この時に用いるターゲット材料は、Tiである。このT
iO層上にフォトレジストを塗布してプリベーキングし
た後、KrFエキシマレーザー(波長249nm)を光
源とする露光装置により、記録すべき情報の1,0(第
1及び第2微小領域α1,α2)に対応するように露光
した。
【0045】その後、現像してベーキングすることによ
り、所望の光熱吸収層Aのパターンとは反転したパター
ンをレジストにより形成した。この時のパターンは、全
面にレジストが広がる中で、前記トラックT上に於いて
二値化情報の「0」に相当する部分のみに穴(ピット)
が開いた状態になっている。この穴の直径は0.4 μmで
あり、穴と穴との間隔は最短で、0.4 μmである。
【0046】その後、RIE等のドライエッチングによ
りレジストのない部分のTiO層を取り除いた。アセト
ン等の有機溶剤によりレジストを除去した後、熱拡散層
NとしてAl2 3 をRFスパッタリングにより約10
0nm形成した。熱拡散層N上に、ZnSとSiO2
の混合膜からなる低熱伝導層H’を前記低熱伝導層Hと
同様の方法で、約200nm形成して単板ディスクを作
製した。
【0047】この単板ディスクにガラス製またはプラス
チック製保護基板G’を紫外線硬化型アクリル系接着剤
を使用して接合し(図示せず)、光ディスクを完成し
た。この光ディスクの再生装置は、光ディスクの回転駆
動系、再生用レーザー光源、光学系及び光ディスクから
の反射光を受光して電気信号に変換する信号再生系から
なる。
【0048】光源は、λ=780nm、開口率(NA)
=0.55からなる半導体レーザーからなる。光源からのレ
ーザー光は、光学系により回折限界まで絞られて光ディ
スク上に約1μm径のスポットを形成する。光ディスク
上のスポットからの反射光は光学系を経て、フォトダイ
オード等のディテクターに入射し、電気信号に変換され
る。電気信号は、その後、信号再生系で情報を出力す
る。
【0049】前記光ディスクは、回転駆動系によって回
転され、そこへ光源からレーザー光Bが照射される。光
ディスクは、線速度一定で記録されているので、回転駆
動系は、中心部より離れた部分を読み取る時に回転数が
低くなるように構成されている。レーザー光Bは、光学
系を通すことにより光ディスクの記録層K上で焦点が合
わされ、回折限界からスポットS径が決まり、約1μm
であった。
【0050】このスポットS内の左方部分αLに光熱吸
収層Aが隣接しない(第2微小領域)ときは、スポット
S内の右方部分αFと共に反射率が高い状態であるの
で、レーザー光Bを照射した時に、反射光量は多い。一
方、スポットS内の左方部分αL内に光熱吸収層Aが隣
接する(第1微小領域α1)ときには、この第1微小領
域α1の層構造が変化して(微小領域Y)、反射率が大
きく低下した。その結果、スポットS内の右方部分αF
と合わせてもαLに熱吸収層Aが隣接しないときよりも
反射光量が小さくなった。
【0051】この反射光量の違いにより、スポットS内
の左方部分αLの情報単位だけを読みとることができ
た。反射光量の違いをディテクターを通すことにより電
気信号に変換し、この電気信号の大小によって情報単位
(信号)の1,0を判断することができた。また、レー
ザー光Bの強度及び照射時間は、第1微小領域α1の温
度が記録層の融点以下で、かつガラス転移点以上となる
ように設定した。これは、再生の後第1微小領域α1
が、もとの相構造(結晶相)に自然に回復するようにす
るためである。
【0052】尚、光ディスクは、線速度一定で記録がな
されているので、レーザー光Bの強度及び照射時間をデ
ィスクの再生位置によって変える必要はなかった。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、スポッ
ト径よりも小さい情報単位を識別できる。その結果、光
ディスクに高密度に情報を収容することができる。ま
た、誤って高温にさらされても、情報が消えることがな
い。更に、C/N比の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例にかかる再生専用の相変化型光ディ
スクの概略断面図である。
【図2】は、本発明の別の(熱拡散層を設けない)例で
ある再生専用の相変化型光ディスクの概略断面図であ
る。
【図3】は、本発明の別の(第2微小領域隣接部分だけ
に熱拡散層を設けた)例である再生専用の相変化型光デ
ィスクの概略断面図である。
【図4】は、本発明の別の(熱拡散層上に第2の光熱吸
収層を設けた)例である再生専用の相変化型光ディスク
の概略断面図である。
【図5】は、本発明の別の(熱拡散層上に低熱伝導層及
び第2の光熱吸収層を設けた)例である再生専用の相変
化型光ディスクの概略断面図である。
【図6】は、本発明の別の(光熱吸収層上に低熱伝導層
を設けた)例である再生専用の相変化型光ディスクの概
略断面図である。
【図7】は、本発明の別の(光熱吸収層上に低熱伝導層
を、熱拡散層上に第2の光熱吸収層及び低熱伝導層を設
けた)例である再生専用の相変化型光ディスクの概略断
面図である。
【図8】は、微小領域αL内の、光熱吸収層Aが隣接す
る第1微小領域α1が、記録層のガラス転移点または融
点以上の温度となる(微小領域Y)時の位置関係を示す
説明図(上:概略垂直断面図、下:概略平面図)であ
る。
【図9】は、微小領域αLが、記録層Kのガラス転移点
または融点以上の高温にならない時の位置関係を示す説
明図(上:概略垂直断面図、下:概略平面図)である。
【図10】は、従来の再生専用光ディスクの概略断面図で
ある。
【図11】は、従来の書換え型相変化光ディスクの概略断
面図である。
【符号の説明】
L・・・集光レンズ B・・・レーザー光 G・・・基板 H・・・低熱伝導層 H’・・低熱伝導層 K・・・記録層(本発明のディスク) K’・・記録層(従来のディスク) A・・・光熱吸収層 A’・・第2の光熱吸収層 N・・・熱拡散層 α1・・第1微小領域 α2・・第2微小領域 S・・・レーザー光のスポット P・・・レーザー光B照射で高温となった記録層部分 αL・・レーザー光のスポットSとレーザー光B照射で
高温となった記録層部分Pの重なり領域 αF・・レーザー光のスポットS内でαL以外の部分 Y・・・レーザー光B照射により相構造が変化した第1
微小領域α1 T・・・トラック 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 達雄 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板G上に、相構造の違いによって異な
    る反射率を示す記録層Kを形成した相変化型光ディスク
    において、前記記録層Kの一方の面に隣接する光熱吸収
    層Aをトラックに沿って点在させ、該光熱吸収層Aに隣
    接する記録層部分である第1微小領域と該光熱吸収層A
    に隣接しない記録層部分である第2微小領域のいずれか
    一方または両方を情報単位とし、この情報単位の有無ま
    たは長さによって、情報を表すことを特徴とする再生専
    用の相変化型光ディスク。
  2. 【請求項2】 前記光熱吸収層Aが金属の低級酸化物か
    らなることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 前記記録層K及び/または光熱吸収層A
    に隣接して、熱伝導率が50W/(m・K)以下の低熱
    伝導層Hを設けたことを特徴とする請求項1または2記
    載の光ディスク。
  4. 【請求項4】 前記記録層K及び前記光熱吸収層Aの両
    方に隣接して、または前記記録層K及び前記低熱伝導層
    Dの両方に隣接して熱拡散層Nを設けたことを特徴とす
    る請求項1乃至3記載の光ディスク。
  5. 【請求項5】 前記熱拡散層Nの熱伝導率が50W/
    (m・K)以上でありかつ前記熱拡散層Nの比熱が0.2
    J/(g・K)以上であることを特徴とする請求項4記
    載の光ディスク。
  6. 【請求項6】 前記熱拡散層Nが透明であることを特徴
    とする請求項4または5記載の光ディスク。
  7. 【請求項7】 前記熱拡散層Nがダイヤモンド薄膜であ
    ることを特徴とする請求項6記載の光ディスク。
  8. 【請求項8】 前記熱拡散層Nに隣接して第2の光熱吸
    収層A’を設けたことを特徴とする請求項7記載の光デ
    ィスク。
  9. 【請求項9】第1工程:請求項1乃至8に記載した光デ
    ィスクを用意すること; 第2工程:前記記録層Kにレーザー光Bを照射すること
    により、前記第1微小領域の相構造と前記第2微小領域
    の相構造との間に差異を発生させること;並びに 第3工程:該差異に伴う、第1微小領域と第2微小領域
    からのレーザー光Bの反射光量または反射光量の変化量
    の違いを電気信号に変換すること;からなる再生専用の
    相変化型光ディスクの再生方法。
  10. 【請求項10】 前記第3工程後、前記第2工程とは別の
    レーザー光照射を行うことにより、前記第1微小領域の
    相構造と前記第2微小領域の相構造との差異を解消する
    ことを特徴とする請求項9記載の光ディスクの再生方
    法。
  11. 【請求項11】 前記第2工程で、記録層Kにレーザー光
    Bを照射する際に、前記レーザー光Bの強度を、前記記
    録層Kの温度が前記記録層Kのガラス転移点以上で、か
    つ融点以下になる強度とすることを特徴とする請求項9
    記載の光ディスクの再生方法。
JP5049278A 1993-03-10 1993-03-10 再生専用の相変化型光ディスク及びその再生方法 Pending JPH06267112A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7501225B2 (en) 2003-12-09 2009-03-10 Ricoh Company, Ltd. Structure and method for manufacturing thereof, medium for forming structure, and optical recording medium and method for reproducing thereof

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