JPH06265749A - 広帯域光ファイバカプラ及びその製造方法 - Google Patents

広帯域光ファイバカプラ及びその製造方法

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JPH06265749A
JPH06265749A JP7861093A JP7861093A JPH06265749A JP H06265749 A JPH06265749 A JP H06265749A JP 7861093 A JP7861093 A JP 7861093A JP 7861093 A JP7861093 A JP 7861093A JP H06265749 A JPH06265749 A JP H06265749A
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optical fibers
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 4×4の広帯域光ファイバカプラを、更に
は、例えば、8分岐或は16分岐の多分岐カプラ製品な
どを、最小限度のカプラ個数と、最小限度の数の融着接
続部にて提供することができ、それによって生産効率の
向上及び製品の小型化を達成することが可能であると共
に、融着延伸部に起因する内部損失、更には各融着接続
部の接続損失を最小限度に抑え、常に所定の特性を発揮
することのできる、2入力或は4入力端と4出力端とを
有した広帯域光ファイバカプラ及びその製造方法を提供
する。 【構成】 4本のシングルモード光ファイバf1 〜f4
を一括融着延伸して形成された光結合部にて、4本の各
光ファイバf1 〜f4 の融着延伸前のクラッド外径をD
1 、D2 、D3 、D4 とするとき、D1 >D2 =D4
3 であり、且つ左右対称の配置をとり、隣接する2本
の光ファイバとのみ融着延伸されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信、光計測等に利
用される広帯域光ファイバカプラの技術に関するもので
あり、特に、シングルモード光ファイバ4本を一括融着
延伸して、2入力或は4入力端と、4出力端とを有する
広帯域光ファイバカプラ及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば、光加入者通信網においては、音
声信号用に1.31μmの光が、画像信号用には1.5
5μmの光が使用され、局から送られたこれらの光は、
8分岐又は16分岐されて加入者に送られることとな
り、分岐の部分に広帯域光ファイバカプラの使用が検討
されている。
【0003】このような多分岐光カプラを提供するに
は、1.31μmと1.55μmの光を等分岐する必要
から、現状では、図8(A)、(B)に示すように、シ
ングルモード光ファイバ2本を一括融着延伸して作製さ
れる、2入力端と2出力端とを有して波長1.31μm
帯及び波長1.55μm帯の二つの波長帯の信号光を合
流、分岐することのできる、所謂、2×2の広帯域光フ
ァイバカプラ100を複数個融着接続して、8分岐又は
16分岐カプラ、即ち、2入力、8出力或は16出力の
多分岐カプラが製品化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8
(A)、(B)にて理解されるように、8分岐カプラ製
品の場合には、2×2広帯域光ファイバカプラ7個を、
16分岐カプラ製品の場合には、2×2広帯域光ファイ
バカプラ15個を融着接続し、そして、ボックスに収納
して製品化することが余儀なくされる。このような構成
では、カプラの個数と融着接続部102の数が多く、生
産効率が余り良くなく、しかも小型化がし難いなどとい
った問題がある。
【0005】更に、このような従来の多分岐カプラは、
個々の光ファイバカプラ100の特性のバラツキ、及び
複数の融着延伸部に起因する内部損失、更には各融着接
続部102の接続損失の合計が大きくなり、所定の特性
が得難く、歩留りが悪いといった問題をも有していた。
【0006】又、従来、4入力端と4出力端とを有し
た、所謂、4×4の広帯域光ファイバカプラも又、一般
には、図9に示すように、上記2×2の広帯域光ファイ
バカプラ100を4個融着接続することにより作製され
ており、上述と同様の問題、即ち、個々の光ファイバカ
プラ100の特性のバラツキ、複数の融着延伸部に起因
する内部損失、各融着接続部102の接続損失の増大な
どにより、所定の特性が得難く、歩留りが悪いといった
問題をも有していた。
【0007】従って、本発明の目的は、4×4の広帯域
光ファイバカプラを、更には、例えば、8分岐或は16
分岐の多分岐カプラ製品などを、最小限度のカプラ個数
と、最小限度の数の融着接続部にて提供することがで
き、それによって生産効率の向上及び製品の小型化を達
成することが可能であると共に、融着延伸部に起因する
内部損失、更には各融着接続部の接続損失を最小限度に
抑え、常に所定の特性を発揮することのできる、2入力
或は4入力端と4出力端とを有した広帯域光ファイバカ
プラ及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
広帯域光ファイバカプラにて達成される。要約すれば、
本発明は、第1、第2、第3及び第4の光ファイバから
なる4本のシングルモード光ファイバを一括融着延伸し
て形成された光結合部にて、前記第1、第2、第3及び
第4の光ファイバは、該第1、第2、第3及び第4の光
ファイバの融着延伸前のクラッド外径をそれぞれD1
2 、D3 及びD4 とするとき、D1 >D2 =D4 >D
3 であり、且つ左右対称の配置をとり、隣接する2本の
光ファイバとのみ融着延伸されていることを特徴とする
広帯域光ファイバカプラである。
【0009】上記構成にて、第1、第2、第3及び第4
の光ファイバの融着延伸前のクラッド外径D1 〜D4
は、好ましくは、D1 >D2 =D4 >D3 とされ、特
に、D2(=D4 )/D1 ≒D3 /D2 (=D4 )であ
り、特に好ましくは、D2 (=D4 )/D1 とD3 /D
2 (=D4 )は、0.92以上、0.97以下とされ
る。
【0010】又、上記構成にて、第1、第2、第3及び
第4の光ファイバの融着延伸前のクラッド外径D1 〜D
4 は、好ましくは、D1 >D2 =D4 >D3 とされ、そ
して、第1の光ファイバと第2の光ファイバの2本を融
着延伸した光ファイバカプラ、及び前記第4の光ファイ
バと第3の光ファイバの2本を融着延伸した光ファイバ
カプラは、大略等しい延伸量において、共に広帯域光フ
ァイバカプラとなるように、前記第1、第2、第3及び
第4の光ファイバの融着延伸前のクラッド外径D1 、D
2 、D3 及びD4 は選定される。
【0011】本発明の上記広帯域光ファイバは、前記第
2及び第4の光ファイバを光入力端に選んだ時に、所定
の2つの波長の光に対して前記4本の光ファイバの光出
力端における分岐比が等しくなり、又、他の態様によれ
ば、いずれの光ファイバを光入力端に選んだ時にも、所
定の2つの波長の光に対して前記4本の光ファイバの光
出力端における分岐比が大略等しくなる。
【0012】斯かる広帯域光ファイバカプラは、(a)
コア径が同じで、クラッド外径がそれぞれ所定の径D
1 、D2 、D3 及びD4 とされる縮径部分を備えた第
1、第2、第3及び第4のシングルモード光ファイバを
準備すること、(b)次いで、前記各光ファイバの縮径
部分が、隣接する2本の光ファイバとのみ接触するよう
にして、前記各光ファイバを長手方向に平行に沿わせて
光ファイバを一括融着延伸処理すること、(c)前記各
光ファイバの融着延伸時には、いずれかの光ファイバの
入力側に所定波長のモニター光を入射し、前記各光ファ
イバの出力側には光出力検知手段を接続して前記各光フ
ァイバからの出力をモニターすること、そして、(d)
前記各光ファイバからの出力が所望の値となった時に、
一括融着延伸を停止すること、を特徴とする製造方法に
て好適に製造し得る。
【0013】上記製造方法にて、第1、第2、第3及び
第4の光ファイバの融着延伸前のクラッド外径D1 〜D
4 は、好ましくは、D1 >D2 =D4 >D3 とされ、特
に、D2 (=D4 )/D1 ≒D3 /D2 (=D4 )であ
り、特に好ましくは、D2 (=D4 )/D1 とD3 /D
2 (=D4 )は、0.92以上、0.97以下とされ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る広帯域光ファイバカプラ
及びその製造方法を図面に則して更に詳しく説明する。
【0015】図1を参照すると、本発明に係る広帯域光
ファイバカプラ1は、4本のシングルモード光ファイバ
1 〜f4 を一括融着延伸して光結合部2が形成され
る。本発明に従えば、広帯域光ファイバカプラ1の光結
合部2は、図1(B)にその断面を示すように、4本の
各光ファイバf1 〜f4 がそれぞれ、隣接する2本の光
ファイバとのみ融着延伸されていることを特徴とする。
斯かる本発明の広帯域光ファイバカプラ1の特徴ある構
成は、次に説明する製造方法を参照するとより良く理解
されるであろう。
【0016】本実施例によれば、図2に示すように、先
ず、コア径がd、クラッド外径がDとされる同じシング
ルモード光ファイバを適度の長さに切断して4本準備す
る。次に、第1の光ファイバf1 のクラッド外径Dは所
定の径D1 にまで縮径され、縮径部分f1 ’が形成され
る。この縮径作業をエッチングにて行なう場合には、フ
ッ酸若しくはフッ酸とエッチピット防止剤(例えばフッ
化アンモニウム)混合液のようなエッチング液を用い
て、このエッチング液に光ファイバf1 を接触させるこ
とにより行うことができる。エッチング条件は、所望さ
れる縮径量により種々に変更可能であるが、通常、エッ
チング温度30〜60℃、処理時間5〜30分とされ
る。尤も、第1の光ファイバf1 に関しては、クラッド
外径を縮径することなく、そのまま使用することもでき
る。
【0017】同様にして、第2、第3及び第4の光ファ
イバf2 、f3 及びf4 のクラッド外径Dを所定の径D
2 、D3 及びD4 にまで縮径され、縮径部分f2 ’、f
3 ’及びf4 ’が形成される。後述するように、第2及
び第4の光ファイバf2 及びf4 のクラッド外径Dは同
じに縮径される。
【0018】各光ファイバf1 〜f4 の縮径は、上述の
ようにエッチングにより行なうこともできるが、これに
限定されず、例えば砥粒による機械的研磨などをも採用
することができる。更には、光ファイバの一部を予め溶
融延伸によりクラッド外径を縮径する方法も採用するこ
とができる。又、もともと光ファイバのクラッド外径D
が縮径後の外径D1 〜D4 にて作製されたものであれ
ば、これをそのまま使用することができ上記縮径工程は
省略することができる。
【0019】次いで、各光ファイバf1 〜f4 を、その
縮径部分f1 ’〜f4 ’が、図3に示されるように、隣
接する2本の光ファイバとのみ接触するように、即ち、
第1の光ファイバf1 に関して言えば、第1の光ファイ
バf1 の縮径部分f1 ’は、第2及び第4の光ファイバ
2 、f4 の縮径部分f2 ’、f4 ’とのみ接触し、第
3の光ファイバf3 の縮径部分f3 ’とは接触せず、
又、第3の光ファイバf3 に関して言えば、第3の光フ
ァイバf3 の縮径部分f3 ’は、第2及び第4の光ファ
イバf2 、f4 の縮径部分f2 ’、f4 ’とのみ接触
し、更に、第2及び第4の光ファイバf2 、f4 の縮径
部分f2 ’、f4 ’も又接触することがないようにし
て、各光ファイバを長手方向に平行に沿わせて、融着延
伸台に取り付け、そして各光ファイバf1 〜f4 を一括
融着延伸処理する。
【0020】融着延伸処理は、通常の方法に従って行な
うことができ、例えば、火炎バーナ、ヒーターレーザ、
小型電気炉等適宜の加熱装置を用いて、一般に1300
〜2000℃の温度で加熱しながら、融着延伸台を、例
えばラック−ピニオン機構を介して光ファイバを軸方向
両側に例えば0.05〜10mm/分の速度で引っ張る
ことにより行い得る。
【0021】本実施例によれば、光ファイバf1 〜f4
の融着延伸時には、いずれかの光ファイバ、本実施例で
は第1の光ファイバf1 の入力側にLD光源から、所定
波長の、例えば1.55μmのモニター光を入射し、各
光ファイバf1 〜f4 の出力側には光出力検知手段、例
えばホトダイオードのような受光素子を接続し、各光フ
ァイバf1 〜f4 からの出力をモニターする。そして、
各光ファイバf1 〜f4 からの出力が所望の値となった
時に、一括融着延伸を停止する。
【0022】本発明によれば、上述のようにして、1回
の融着延伸により、図1に示すような、2入力或は4入
力端と4出力端とを有する広帯域光ファイバカプラ1を
極めて効率よく製造することができる。
【0023】このような本発明の広帯域光ファイバカプ
ラ1においては、上述からも理解されるように、融着延
伸部の、つまり、融着延伸される各光ファイバf1 〜f
4 の縮径部分f1 ’〜f4 ’を特定の位置関係に維持し
て融着延伸することが極めて重要である。同時に、各光
ファイバf1 〜f4 の縮径部分f1 ’〜f4 ’の融着延
伸前のクラッド外径D1 〜D4 の関係も又重要である。
【0024】本発明者らの研究実験の結果によれば、第
1、第2、第3及び第4の光ファイバf1 〜f4 の融着
延伸前のクラッド外径D1 〜D4 は、次のような関係
(1)、(2)とされる場合に極めて好適に広帯域光フ
ァイバカプラ1を製造し得ることを見出した。 D1 >D2 =D4 >D3 (1) D2 (=D4 )/D1 ≒D3 /D2 (=D4 ) (2) 更に、好ましくは、D2 (=D4 )/D1 とD3 /D2
(=D4 )は共に、0.92以上、0.97以下となる
ように選定される。D2 (=D4 )/D1 或はD3 /D
2 (=D4 )を前記範囲外に選定すると、融着延伸部
の、つまり、融着延伸される各光ファイバf1 〜f4
縮径部分f1 ’〜f4 ’を図3に示す特定の位置関係に
維持して融着することが容易でなくなる。
【0025】即ち、D2 (=D4 )/D1 を0.92未
満に選ぶと、光ファイバf2 〜f4の縮径部分f2 ’〜
4 ’の融着延伸前のクラッド外径D2 〜D4 が小さく
なりすぎ、融着延伸後においても、隣接する2本の光フ
ァイバとのみ融着延伸される構成を維持するのが困難と
なる。また、D2 (=D4 )/D1 が0.97を超える
場合には、クラッド外径の径差D1 −D2 (=D1 −D
4 )が小さくなりすぎ、各光ファイバの縮径部を形成す
る工程において、クラッド外径の径差が所望する値にな
るように、再現性よく行なうのが困難となる。つまり、
各光ファイバの縮径部分f1 ’〜f4 ’の融着延伸前の
クラッド外径D1 〜D4 の関係を所望する関係に再現性
よく形成するのが容易でなくなる。また、D3 /D2
(=D4 )を0.92未満、或は0.97を超える範囲
に選ぶ場合も、上述のD2 (=D4)/D1 と同様なこ
とが言える。
【0026】このように、第1、第2、第3及び第4の
光ファイバf1 〜f4 のクラッド外径D1 〜D4 を特定
の関係となるように選定して製造された、本発明の広帯
域光ファイバカプラにおける分岐比率の波長依存性を図
4及び図5に示す。図4は、第2光ファイバf2 の入力
端に入力した場合の各光ファイバf1 〜f4 の出力端の
分岐比率を示し、図5は、第4光ファイバf4 の入力端
に入力した場合の各光ファイバf1 〜f4 の出力端の分
岐比率を示す。図4及び図5から、本発明の広帯域光フ
ァイバカプラ1は、1.2〜1.6μmの広波長範囲で
ほぼ等分岐特性を示すことが分かる。
【0027】又、表1には、このような広帯域光ファイ
バカプラの光学性能を評価した結果を示す。表1から、
挿入損失(分岐比に相当)、過剰損失、偏光安定性、温
度安定性、カプラ内の反射(ダイレクティビティ)共に
良好であることが分かる。
【0028】
【表1】
【0029】図7(A)、(B)に、本発明の広帯域光
ファイバカプラ1を使用して、8分岐或は16分岐の多
分岐カプラ製品を製造した例を示す。この例から分かる
ように、8分岐の多分岐カプラ製品を製造する場合には
(図7(A))、従来の2×2の光ファイバカプラ10
0を1個と、本発明の広帯域光ファイバカプラ1を2個
使用することにより製造することができ、一方、16分
岐の多分岐カプラ製品を製造する場合には(図7
(B))、本発明の広帯域光ファイバカプラ1を5個使
用することにより製造することができる。つまり、本発
明の広帯域光ファイバカプラを使用すると、先に図8に
関連して説明した従来の多分岐カプラ製品が有した問題
を大きく改善し得る。
【0030】更に、本発明を実施例について詳しく説明
する。
【0031】実施例1 本発明に従って、2入力・4出力型多分岐光ファイバカ
プラを、以下の手順にて製造した。
【0032】シングルモード光ファイバf1 〜f4 とし
て、コア径(d)が10μm、クラッド外径(D)が1
25μmのシングルモード光ファイバを使用した。各光
ファイバは、適度の長さに切断した後、各光ファイバの
所定のファイバ長の部分の被覆コーティングを除去し
た。これによって露出したクラッド部分を洗浄クリーニ
ングして、UV被覆などの残渣を除いた。
【0033】次いで、1本の光ファイバ、即ち、第1の
光ファイバf1 はこのまま使用し、即ち、D1 =125
μmとし、他の2本の光ファイバ、即ち、第2及び第4
の光ファイバf2 及びf4 は、フッ酸若しくはフッ酸と
エッチピット防止剤の混合液を用いて、エッチング温度
30℃、処理時間10分にてエッチングし、クラッド径
(D2 、D4 )を119μmにまで縮径した。又、残り
の1本の光ファイバ、即ち、第3の光ファイバf3 は、
同様にフッ酸を用いて同じ処理法にてエッチングし、ク
ラッド径(D3 )を113μmにまで縮径した。
【0034】このようにして得た光ファイバf1 〜f4
の縮径部分f1 ’〜f4 ’を長手方向に沿わせて、しか
も、図3示すように、各光ファイバは隣接する2本の光
ファイバとのみ接触するようにして、且つ、各光ファイ
バf1 〜f4 は、第1の光ファイバf1 と第3の光ファ
イバf3 のコア中心を結ぶ線に対して左右対称に配置し
て、火炎トーチを用いて1500〜1600℃に加熱し
ながら、1.6mm/分の速度で引っ張ることにより、
一括して融着延伸処理を行なった。
【0035】融着延伸時には、第1の光ファイバf1
入力側にLD光源から、1.55μmのモニター光を入
射し、各光ファイバf1 〜f4 の出力側の光出力をホト
ダイオードにて検知して、個々の光ファイバの光出力を
モニターしながら一括延伸した。そして、光出力値が所
定の値に達した点で光ファイバの融着延伸を停止した。
最適の延伸量は13.0mmであった。延伸終了時、個
々の光ファイバの光出力は、4本とも等しくなった。
【0036】このときの、各光ファイバからの光出力と
延伸量との関係が図6に模式的に示される。図6におい
ては、各光ファイバからの光出力を分別容易なように、
便宜上、光出力が交差する部分を模式的に示す。つま
り、第2及び第4の光ファイバf2 、f4 の出力端から
の光出力P2 、P4 は同じ値であるが、故意にずらして
表示してある。又、第1の光ファイバf1 の出力端から
の光出力P1 は、本来第4の光ファイバf4 の出力端か
らの光出力P4 と交差するが、故意に交差しない表示を
してある。
【0037】図6にて理解されるように、第1の光ファ
イバf1 の出力端からの光出力P1は、初期値P0 であ
る。融着延伸が始まると、次第に光出力P1 は減少を始
め、一方、第2及び第4の光ファイバf2 、f4 の光出
力P2 、P4 が増加を始める。遅れて、第3の光ファイ
バf3 の光出力P3 が増加を始める。
【0038】次いで、第1の光ファイバf1 の光出力P
1 がP0 ×(1/3)より小さくなる延伸量で、第2及
び第4の光ファイバf2 、f4 の光出力P2 、P4 が極
大を示す。遅れて、第3の光ファイバf3 の光出力P3
は遅れて極大を示すと共に、同時に第1の光ファイバf
1 の光出力P1 が極少を示し(上述のように、図6にて
は分かり易くするために幾分異なって図示されてい
る。)、再び増加を始める。融着延伸は図中Xの位置に
て停止する。本実施例では、第1の光ファイバf1の光
出力P1 と、第3の光ファイバf3 の光出力P3 とがほ
ぼ等しい値とされる最適の延伸量は、13.0mmであ
った。
【0039】この実施例では、表2に示すように、第2
及び第4の光ファイバf2 、f4 を入力端として選んだ
場合には、波長1.31μm及び1.55μmの入力光
に対して、各4本の光ファイバf1 〜f4 の出力端の挿
入損失の最大値と最小値の差は2.2dB以内である。
逆に、4本の光ファイバf1 〜f4 の出力端の分岐比の
最大値と最小値の差が2.6dB以内となる波長域は
1.24μm〜1.62μmである(図4及び図5)。
【0040】又、偏光安定性も、波長1.31μmに対
して0.20dB以内であり、波長1.55μmに対し
て0.20dB以内である。更に、温度安定性について
言えば、温度範囲−20℃〜70℃の分岐比変化量が最
大0.20dBである。
【0041】
【表2】
【0042】実施例2 本発明に従って、4入力・4出力型多分岐光ファイバカ
プラを製造した。この実施例では、一括融着延伸量を1
2.5mmとした以外は実施例1と同じ材料及び手順に
て4入力・4出力型多分岐光ファイバカプラを製造し
た。
【0043】この実施例では、表3に示すように、第1
〜第4の光ファイバf1 〜f4 のいずれの光ファイバを
入力端として選んでも、波長1.31μm及び1.55
μmの入力光に対して、各4本の光ファイバf1 〜f4
の出力端の挿入損失の最大値と最小値の差は1.8dB
以内である。即ち、本実施例の広帯域光ファイバカプラ
は、4入力・4出力型多分岐光ファイバカプラとして動
作した。
【0044】又、過剰損失も、波長1.31μmに対し
て0.30dB以内であり、波長1.55μmに対して
0.30dB以内である。更に、温度安定性も温度範囲
−20℃〜70℃の分岐比変化量は最大0.20dBで
ある。
【0045】更に、本実施例の4入力・4出力型多分岐
光ファイバカプラでは、4本の光ファイバf1 〜f4
出力端の分岐比の最大値と最小値の差が2.2dB以内
となる波長域は1.25μm〜1.61μmであった
(図10及び図11を参照せよ)。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る広帯
域光ファイバカプラは、4本のシングルモード光ファイ
バを一括融着延伸して形成されるので、4×4の広帯域
光ファイバカプラを好適に提供することができ、更に
は、例えば、8分岐或は16分岐の多分岐カプラ製品な
どを、最小限度のカプラ個数と、最小限度の数の融着接
続部にて提供することができ、それによって生産効率の
向上及び製品の小型化を達成することが可能であり、更
に又、融着延伸部に起因する内部損失、更には各融着接
続部の接続損失を最小限度に抑え、常に所定の特性を発
揮することができる。
【0048】又、本発明の製造方法によれば、クラッド
外径がそれぞれ所定の径D1 、D2、D3 及びD4 とさ
れる縮径部分を備えた第1、第2、第3及び第4のシン
グルモード光ファイバを一括融着延伸する構成とされる
ので、極めて生産効率よく、融着延伸部に起因する内部
損失(過剰損失)を最小限度に抑え、常に所定の特性を
発揮することのできる広帯域光ファイバカプラを製造し
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明に係る広帯域光ファイバ
カプラの概略構成を示す図であり、図1(B)は、図1
(A)の線A−Aに取った光結合部の断面拡大図であ
る。
【図2】本発明に係る広帯域光ファイバカプラを製造す
る時に使用する各光ファイバのを示す斜視図である。
【図3】光結合部における一括融着延伸前の断面拡大図
である。
【図4】本発明に係る2×4広帯域光ファイバカプラに
て、第2光ファイバに入力した場合の各光ファイバの出
力端における分岐比率を示す図である。
【図5】本発明に係る2×4広帯域光ファイバカプラに
て、第4光ファイバに入力した場合の各光ファイバの出
力端における分岐比率を示す図である。
【図6】光出力と延伸量との関係を示す模式的にグラフ
である。
【図7】本発明の広帯域光ファイバカプラを使用して製
造した多分岐カプラの構成例を示す図である。
【図8】従来の多分岐カプラの構成例を示す図である。
【図9】従来の4×4広帯域光ファイバカプラを示す図
である。
【図10】本発明に係る4×4広帯域光ファイバカプラ
にて、第1光ファイバに入力した場合の各光ファイバの
出力端における分岐比率を示す図である。
【図11】本発明に係る4×4広帯域光ファイバカプラ
にて、第2光ファイバに入力した場合の各光ファイバの
出力端における分岐比率を示す図である。
【符号の説明】
1 2×4又は4×4広帯域光ファイバ
カプラ 100 2×2広帯域光ファイバカプラ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1、第2、第3及び第4の光ファイバ
    からなる4本のシングルモード光ファイバを一括融着延
    伸して形成された光結合部にて、前記第1、第2、第3
    及び第4の光ファイバは、該第1、第2、第3及び第4
    の光ファイバの融着延伸前のクラッド外径をそれぞれD
    1 、D2 、D3 及びD4 とするとき、D1 >D2 =D4
    >D3 であり、且つ左右対称の配置をとり、隣接する2
    本の光ファイバとのみ融着延伸されていることを特徴と
    する広帯域光ファイバカプラ。
  2. 【請求項2】 前記第1の光ファイバと第2の光ファイ
    バの2本を融着延伸した光ファイバカプラ、及び前記第
    4の光ファイバと第3の光ファイバの2本を融着延伸し
    た光ファイバカプラは、大略等しい延伸量において、共
    に広帯域光ファイバカプラとなるように、前記第1、第
    2、第3及び第4の光ファイバの融着延伸前のクラッド
    外径D1 、D2 、D3 及びD4 を選ぶことを特徴とする
    請求項1の広帯域光ファイバカプラ。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2、第3及び第4の光ファ
    イバの融着延伸前のクラッド外径D1 〜D4 は、 D2 (=D4 )/D1 ≒D3 /D2 (=D4 ) とされる請求項1の広帯域光ファイバカプラ。
  4. 【請求項4】 前記D2 (=D4 )/D1 とD3 /D2
    (=D4 )は、0.92以上、0.97以下である請求
    項3の広帯域光ファイバカプラ。
  5. 【請求項5】 前記第2及び第4の光ファイバを光入力
    端に選んだ時に、所定の2つの波長の光に対して前記4
    本の光ファイバの光出力端における分岐比が等しいこと
    を特徴とする請求項1の広帯域光ファイバカプラ。
  6. 【請求項6】 いずれの光ファイバを光入力端に選んだ
    時にも、所定の2つの波長の光に対して前記4本の光フ
    ァイバの光出力端における分岐比が大略等しいことを特
    徴とする請求項1の広帯域光ファイバカプラ。
  7. 【請求項7】 (a)コア径が同じで、クラッド外径が
    それぞれ所定の径D 1 、D2 、D3 及びD4 とされる縮
    径部分を備えた第1、第2、第3及び第4のシングルモ
    ード光ファイバを準備すること、(b)次いで、前記各
    光ファイバの縮径部分が、隣接する2本の光ファイバと
    のみ接触するようにして、前記各光ファイバを長手方向
    に平行に沿わせて光ファイバを一括融着延伸処理するこ
    と、(c)前記各光ファイバの融着延伸時には、いずれ
    かの光ファイバの入力側に所定波長のモニター光を入射
    し、前記各光ファイバの出力側には光出力検知手段を接
    続して前記各光ファイバからの出力をモニターするこ
    と、そして、(d)前記各光ファイバからの出力が所望
    の値となった時に、一括融着延伸を停止すること、を特
    徴とする広帯域光ファイバカプラの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1、第2、第3及び第4の光ファ
    イバの融着延伸前のクラッド外径D1 〜D4 は、 D1 >D2 =D4 >D3 (1) D2 (=D4 )/D1 ≒D3 /D2 (=D4 ) (2) とされる請求項7の広帯域光ファイバカプラの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記D2 (=D4 )/D1 とD3 /D2
    (=D4 )は、0.92以上、0.97以下である請求
    項8の広帯域光ファイバカプラの製造方法。
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