JPH06265702A - 光学素子及びその製造方法ならびにドットマトリクス表示装置 - Google Patents

光学素子及びその製造方法ならびにドットマトリクス表示装置

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JPH06265702A
JPH06265702A JP5078689A JP7868993A JPH06265702A JP H06265702 A JPH06265702 A JP H06265702A JP 5078689 A JP5078689 A JP 5078689A JP 7868993 A JP7868993 A JP 7868993A JP H06265702 A JPH06265702 A JP H06265702A
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JP
Japan
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lens
microlens array
optical element
stamper
matrix display
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JP5078689A
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English (en)
Inventor
Shigeru Aoyama
茂 青山
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示パネルに最適な信頼性のあるマイク
ロレンズアレイの量産方法を提供する。 【構成】 原盤となるマイクロレンズアレイ1にスパッ
タリング等により銀薄膜2を形成し、電鋳法によりスタ
ンパ台3を作製する〔図1(a)〕。この上にNi等の
ブロック材4をスタンパ台3に固定し〔図1(b)〕、
さらに電鋳法によりスタンパ盤5を作製し〔図1
(c)〕、銀薄膜2より剥離する〔図1(d)〕。次
に、マイクロレンズアレイ1のレンズ面の凹凸反転形状
が転写された面にタングステンの強度補強膜6を形成
し、スタンパ7を得る〔図1(e)〕。このスタンパ7
を加圧成形機14の上型15の部分型として装着固定
し、ガラス基板12上に成形用ガラス材10が板状に張
り合わされたガラス材料8を用いて〔図2(a)〕、高
温化で加圧成形し、マイクロレンズアレイ11(複製
品)を得る〔図2(b)〕。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学素子及びその製造方
法ならびにドットマトリクス表示装置に関する。具体的
にいうと、本発明は、液晶表示パネルにおいて画素開口
領域に光束を集光させるための光学素子とその製造方法
に関する。さらに、その光学素子を用いたドットマトリ
クス表示装置に関する。
【0002】
【背景技術とその問題点】マイクロレンズアレイは、フ
ァイン・オプティクスその他の分野における重要な光学
素子として、今後ますます重要性が高まることが予想さ
れる。以下、液晶テレビプロジェクターへの応用例とそ
の問題点を説明する。
【0003】〔液晶テレビプロジェクターの問題点〕液
晶テレビプロジェクター31は、図16に示すように、
反射鏡32付きの白色ランプ33及びコンデンサレンズ
34からなるバックライト光源35と、2枚の偏光板3
6に挟まれた液晶表示パネル37と、投影レンズ38と
から構成されていて、バックライト光源35をオンして
バックライト光源35からの光束αによって2枚の偏光
板36に挟まれた液晶表示パネル37を照らせば、液晶
表示パネル37に表示された動画像が投影レンズ38に
よって拡大され、スクリーン39に投影される。
【0004】液晶テレビプロジェクタ31の液晶表示パ
ネル37は、液晶画素寸法の縮小化による高分解能化
(表示容量の増大化)が進んでいる。液晶表示パネル3
7は、図17に示すように、2枚のガラス基板40、4
0の間に液晶層41が形成され、液晶層41には多数の
画素42が形成され、1つ1つの画素42は画素開口領
域43と配線領域44とから構成されている。配線領域
44は、すべての画素42を駆動するための配線列より
構成されているが、歩留りの低下や、電気抵抗の増大等
の理由で縮小化できない。このため、液晶画素寸法の縮
小化にあたっては、画素開口領域43の面積を縮小し、
画素42の寸法の縮小化を図っている。
【0005】しかしながら、図17に示すように、液晶
表示パネル37に入射する光束αのうち、画素開口領域
43に入射する光束αは液晶表示パネル37を透過する
が、配線領域44に入射する光束αは、スクリーン39
側へ透過できないので、画素開口領域43の面積を縮小
すると、液晶表示パネル37への光の取り込み効率、す
なわち画素42の有効開口率(有効開口率=画素開口領
域43の面積/画素42の全面積)が低下するため、画
面が暗くなり、光の利用効率が低下する。例えば、3イ
ンチ四方に5万個の画素42がある液晶表示パネル37
においては、その有効開口率は70%であるのに対し、
同じく3インチ四方に25万個の画素42を含むように
すれば、その有効開口率は35%に低下し、画面の輝度
が低下する。このように、液晶テレビプロジェクタ31
の高分解能化に対して、今後、光の利用効率の低下はま
すます深刻な問題になる。
【0006】〔マイクロレンズアレイの液晶表示パネル
への応用〕このような画素42の高分解能化による有効
開口率の低下に対し、図18に示すように液晶表示パネ
ル37の片面にマイクロレンズアレイ45を配置したも
のが提案されている。この液晶表示パネル37にあって
は、マイクロレンズ47のレンズ形状を矩形(長方形)
状にしてマイクロレンズ47の隙間をなくし、マイクロ
レンズ47が緻密に配置したマイクロレンズアレイ45
を液晶表示パネル37に張り合わせることにより、光の
利用効率を高めている。また、マイクロレンズ47は液
晶表示パネル37の画素42と同じピッチで配列され、
図19に示すように、バックライト光源37からの照明
光(光束α)を全て画素開口領域43に集光させること
ができ、光の利用効率を極めて高くすることができる。
【0007】しかしながら、この液晶表示パネル37に
あっても、液晶表示パネル37の高精細化が進むにつ
れ、光利用効率の向上が期待できなくなるという問題が
ある。つまり、マイクロレンズ47によって集光される
スポット径はマイクロレンズ47の開口数によって決ま
り、マイクロレンズアレイ45を液晶表示パネル37に
応用する場合、マイクロレンズ47の開口数は、液晶表
示パネル37のガラス基板40の厚さ及びマイクロレン
ズ47の配列ピッチで一意的に決定される。また、液晶
表示パネル37に用いられているガラス基板40の厚さ
はその平面度及びハンドリング強度から考えて、0.5
mm程度が限界であると考えられている。これらのこと
より、液晶表示パネル37の画素42の配列ピッチが小
さくなるに従い、マイクロレンズ47で集光されるスポ
ット径は、マイクロレンズ47の開口数の減少に伴い大
きくなり、その結果、スポット径を画素開口領域43の
大きさよりも小さくすることができなくなって、光の利
用効率を高めることが困難になる。
【0008】そこで、液晶表示パネル37のガラス基板
40の内部にマイクロレンズアレイ45を有する構造
が、特開平2−251902号公報や特開平3−248
125号公報に開示されている。これらによれば、光の
利用効率を高めることができ、マイクロレンズアレイ4
5と液晶表示パネル37との位置合わせや、接着固定と
いった工程を短縮することができる。さらには、液晶表
示パネル37を軽量化できるといった特徴を合わせ持
ち、液晶表示パネル37の高精細化が進むにつれ、これ
らに開示された構成が非常に有効となっている。
【0009】〔マイクロレンズアレイの作製方法の問題
点〕次に、液晶表示パネル37に応用される装荷型又は
一体型のマイクロレンズアレイ45の作製方法とその問
題点を述べる。従来より、マイクロレンズアレイ45の
作製方法として、屈折率分布型のマイクロレンズアレイ
45にはガラス材料を用いたイオン拡散法があり、半球
レンズ型のマイクロレンズアレイ45には樹脂材料を用
いた溶融法、膨潤法や電子ビーム法等や量産性のよい2
P法(Photopolymerization-Method)が、またガラス材料
を用いた切削加工法がある。
【0010】屈折率分布型のマイクロレンズアレイ45
の作製に使用されるイオン拡散法は、マイクロレンズア
レイ45の基板46及びマイクロレンズ47の材質とも
にガラス材料より構成されるため耐環境特性に優れてい
るといえる。経時的に光学特性が変化することも少な
く、またマイクロレンズアレイ45の基板46と液晶表
示パネル37のガラス基板40とを兼ねるようにして作
製した場合(基板一体型の場合)には、スパッタリング
中の温度によっても光学特性が低下することなく、画素
電極や薄膜トランジスタ(TFT)を形成することが可
能になる。しかしながら、マイクロレンズ47のレンズ
材質にアルカリイオンを含有しているため、作製途中に
おいてアルカリイオンが析出され、その結果薄膜トラン
ジスタの作製の歩留りが低下する。またこの方法により
作製されたマイクロレンズアレイ45を用いた液晶表示
パネル37にあっては、アルカリイオンが液晶層41に
移行して液晶層41の特性の低下を招くことになる。ま
た、これらアルカリイオンの移行を防止するために、マ
イクロレンズアレイ45表面に無アルカリガラス材をコ
ーティングする方法もあるが、アルカリガラス材と無ア
ルカリガラス材との熱膨張率の差によって、温度変化に
より両者の界面の密着性が著しく低下し、しいては無ア
ルカリガラス材の剥離を生じることとなり、液晶表示パ
ネル37の信頼性を低下させる原因となる。
【0011】また、半球レンズ型のマイクロレンズアレ
イ45の作製には、量産性、微細転写性に優れている2
P法が用いられるのが一般的であり、その際熱膨張率差
による位置ずれを考慮して、基板46の材料にはガラス
が、マイクロレンズ47のレンズ材としては光硬化性あ
るいは熱硬化性樹脂が用いられる。
【0012】しかしながらこの方法においては、樹脂の
吸湿性によってレンズ形状および屈折率に変化を生じた
り、紫外線によって透過率の低下を生じたりするため、
液晶表示パネル37への実装工程においてマイクロレン
ズアレイ45の光学特性を変化させる原因となり、光利
用効率の向上が望めない。
【0013】さらに、基板46とマイクロレンズ47と
を樹脂により一体構造とする2P法もあるが、このよう
なマイクロレンズアレイ45では、液晶表示パネル37
の製造工程での温度によりレンズ形状が変化するといっ
た問題もある。このため、液晶表示パネル37の製造工
程においてマイクロレンズアレイ45の光学特性を変化
させ、光利用効率の向上が望めなかった。
【0014】また、マイクロレンズアレイ45の基板4
6及びマイクロレンズ47の材質ともにガラス材料を用
いる切削加工法があるが、量産性や微細加工性に優れ
ず、数10万個というマイクロレンズ47から構成され
るマイクロレンズアレイ45を高精度で作製するのに
は、量産性から考えると極めて困難なものになる。
【0015】以上のように上述の作製方法では、液晶表
示パネル37に応用されるマイクロレンズアレイ45の
作製方法に要求される微細加工性(所望とする光学特性
を得るためには、マイクロレンズ47の作製精度として
0.1μm単位の精度が要求される。)、量産性、信頼
性の3点を同時に満足することはできなかった。
【0016】〔ガラスレンズ成形法における問題点〕一
方、信頼性の高いガラスレンズの作製方法として、モー
ルドガラスレンズ成形法(ガラスモールド法)がある。
この方法はこれまで光ピックアップ用の球面レンズの作
製に用いられ、量産性に優れ、しかも、レンズ材として
ガラス材料を用いているので高い信頼性を有するレンズ
を作製できる。
【0017】このガラスモールド法に用いる金型の作製
法として、主に単レンズの金型加工に用いられるバイト
切削加工法、ルーリングエンジン法やプレス法がある。
バイト切削加工法は主に単レンズの金型加工に用いられ
るものであって、この方法は、高温で酸化されず、しか
もガラスとの剥離性に優れた耐熱合金、炭素材料等から
なる金型材を回転ステージに固定し、ステージを回転さ
せながら所望の形状となるようにバイトを回転軸方向に
移動させてレンズ形状を切削加工して金型を作製し、溶
融されたレンズ材料を金型内に流し込んで、その後冷却
したのちレンズを作製する方法である。
【0018】しかし、この方法によると、回転対称性を
有する形状の金型しか加工できず、液晶表示パネル37
に用いられるような2軸対称性のマイクロレンズアレイ
45を加工することは困難で、また、マイクロレンズア
レイ45のような微細な光学面を得るためにはサブミク
ロン単位の送りピッチが必要なためその加工に膨大な時
間がかかる。
【0019】また、ルーリングエンジン法は、ローラ状
のプレス型を金型上で回転させながら押圧移動させてい
くことで所望の形状を得ることができるが、この方法に
あっては、原理上レンズ形状を作製することはできな
い。
【0020】また、プレス法は、凹面状の型でプレスす
ることによりレンズ金型を作製することができるが、マ
イクロレンズアレイ状にプレスすることは、プレスされ
ることにより押出される金型材のため、隣接してレンズ
形状を作製することはできず、平坦度が得られないとい
った問題を生じる。
【0021】さらに、これら以外に金型の作製方法とし
てマイクロレンズアレイ45などの微小光学素子や光デ
ィスクなどのサブミクロン単位の微細パターンの転写性
に優れ、量産性にも富む電鋳法がある。この電鋳法は、
2P法の金型作製方法として一般的に用いられている
が、複製に用いられる材料としては、金型強度の点から
樹脂材料に限られ、ガラス材料の成形に用いられた例は
なかった。また、ガラスモールド法のような加圧成形用
の金型に用いられた例もなかった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の従来例
の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、電鋳法によって作製される金型の微細加工性と
ガラスモールド法によって作製されるレンズの量産性、
信頼性に着目してなされたものであり、その両者の長所
を合わせ持つ製造方法を提供することにより、液晶表示
パネルへの応用に最適な光学素子を提供することにあ
る。さらに、その光学素子の製造方法と、その光学素子
を用いたドットマトリクス表示装置を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子の製造
方法は、基板上に2次元的にレンズが複数個配列された
マイクロレンズアレイを原盤とし、前記マイクロレンズ
アレイのレンズを形成されている面にスタンパ材料を堆
積し、原盤を除去することにより前記レンズを形成され
た面の凹凸反転形状を転写させてスタンパを作製したの
ち、前記スタンパを型として、成形用ガラス材を用いて
マイクロレンズアレイを加圧成形することを特徴として
いる。
【0024】また、上記製造方法においては、前記スタ
ンパの凹凸反転形状を転写させた面を強度補強膜によっ
て覆っていることが好ましい。この強度補強膜は、前記
スタンパの凹凸反転形状を形成された面に強度補強用材
料を付着させて形成してもよく、あるいは、前記原盤と
なるマイクロレンズアレイのレンズを形成されている面
に強度補強用材料を堆積させ、その上にスタンパ材料を
堆積させることにより、前記スタンパの凹凸反転形状を
転写させた面に形成してもよい。
【0025】また、この製造方法においては、基板とな
るガラス板材上に成形用ガラス材を重ね合わせたガラス
材料を用い、当該成形用ガラス材を加圧成形することに
よりレンズと基板とを一体に形成することができる。こ
のとき、ガラス板材と比較して低融点の成形用ガラス材
を用いるのが好ましい。
【0026】前記加圧成形は、例えばプレスモールド成
形法である。
【0027】上記製造方法によって製造される光学素子
は、マイクロレンズアレイを構成するレンズとレンズと
が、レンズ機能を有しない領域を介して隣接しているも
のであってもよい。
【0028】上記光学素子を用いてドットマトリクス表
示装置を構成することができ、ドットマトリクス表示手
段を構成する一対の基板のうち、いずれか一方の基板を
当該光学素子とすることができる。その場合、ドットマ
トリクス表示手段を構成する基板の内面側にマイクロレ
ンズアレイのレンズ面を位置させることができる。さら
に、マイクロレンズアレイのレンズを形成された基板の
レンズ面と反対面に画素表示手段もしくはカラーフィル
タを設けてもよい。
【0029】また、本発明の別なドットマトリクス表示
装置は、光源と、ドットマトリクス表示手段と、ドット
マトリクス表示手段の画素配列によって規定される開口
に対応するレンズ配置を持ち、上記光源から出射される
光を入射光として上記ドットマトリクス表示手段の各画
素位置に集光させるためのマトリクスレンズアレイを備
えた当該光学素子とからなることを特徴としている。
【0030】さらに、本発明のさらに別なドットマトリ
クス表示装置は、光源と、ドットマトリクス表示手段
と、映像を濾過するフィルタであって、各画素の像を複
数に分割し重ね合わせて画素間に補間を生じさせること
により表示画素の特定の高周波数成分を除去する機能を
備えた当該光学素子とからなることを特徴としている。
【0031】また、これらのドットマトリクス表示装置
においては、ドットマトリクス表示手段を液晶表示手段
とすることができる。
【0032】
【作用】本発明の光学素子の製造方法にあっては、基板
上に2次元的にレンズが複数個配列されたマイクロレン
ズアレイを原盤とし、前記マイクロレンズアレイのレン
ズを形成されている面にスタンパ材料を堆積し、原盤を
除去することにより前記レンズを形成された面の凹凸反
転形状を転写させスタンパを作製することとしているの
で、微細な成形パターンを有するマイクロレンズアレイ
にあっても、バイト切削加工法のように金型を切削加工
することなく、パターン精度のよい成形用型を容易に作
製することができる。また、成形用ガラス材を加圧成形
(例えば、プレスモールド成形)することとしているの
で、原盤のマイクロレンズアレイと同じパターン精度の
複製品を容易に量産することができる。
【0033】従って、膨潤法や溶融法、電子ビーム法等
により作製したマイクロレンズアレイを原盤とした場合
にあっても、要求される作製精度(0.1μm)で、複
製することができる。
【0034】レンズは、回転対称性をもつレンズ形状に
限らず、液晶表示パネル等に用いる2軸対称性のレンズ
形状をもつマイクロレンズアレイにあっても、成形用型
を容易に作製できるため、加圧成形により多量の複製品
を精度よく得ることができる。
【0035】また、ガラス材を用いて成形することとし
ているので、作製されたマイクロレンズアレイは経時的
変化が少なく、マイクロレンズアレイの光学特性を変化
させることも少ないので、マイクロレンズアレイの信頼
性を高めることができ、液晶表示パネル等の光学素子に
用いれば、信頼性の高い光学素子を製造することができ
る。
【0036】さらに、無アルカリガラスを用いて成形す
ることもでき、アルカリイオンの溶出の影響による液晶
表示パネルの歩留りの低下や光学特性が低下することが
ない。また、アルカリイオンの溶出を防ぐため無アルカ
リガラス膜の形成をする必要がないため、膜の剥離も生
じず、マイクロレンズアレイの基板と液晶表示パネルの
基板とを兼ね合わせた信頼性の高い光学素子を得ること
もできる。
【0037】上記光学素子の製造方法において、上記ス
タンパの凹凸反転形状を転写させた面を強度補強膜で覆
ってあれば、成形用型の強度を高めることができ、より
高い圧力で成形することが可能で、しかも型の寿命を延
ばすこともできる。この場合、スタンパの凹凸反転形状
を形成された面に強度補強用材料を付着させて強度補強
膜を形成すれば、スタンパの作製後に強度補強膜を作る
ことができ、強度補強膜が摩耗してきた場合には再び強
度補強膜を作ることができる。また、原盤となるマイク
ロレンズアレイのレンズを形成されている面に強度補強
用材料を堆積させ、その上にスタンパ材料を堆積させれ
ば、スタンパの作製時に強度補強膜を形成することがで
き、スタンパの作製が容易になると共に、強度補強膜に
よって凹凸反転形状を転写させた面の寸法精度を損ねる
恐れがない。
【0038】また、基板となるガラス板材上に成形用ガ
ラス材を重ね合わせたガラス材料を用いてレンズと基板
とを一体に形成すれば、信頼性の高いマイクロレンズア
レイをさらに容易に量産することができる。特に、ガラ
ス板材と比較して低融点の成形用ガラス材を用いれば、
成形時の温度を調整することによりガラス板材を熱で歪
ませることなく、成形用ガラス材だけを成形することが
できる。
【0039】上記製造方法によれば、レンズ同志が密に
配列されたマイクロレンズアレイからなる光学素子を精
度よく量産することができるが、このような光学素子に
限らず、レンズとレンズとがレンズ機能を有しない領域
を介して隣接したマイクロレンズアレイからなる光学素
子も量産することができる。
【0040】また、この光学素子、あるいは上記製造方
法によって製造された光学素子は、液晶表示手段などの
ドットマトリクス表示手段を備えたドットマトリクス表
示装置に用いることができ、各種ドットマトリクス表示
装置の高品質化と量産化に寄与することができる。
【0041】
【実施例】図1、図2及び図3は、本発明によるマイク
ロレンズアレイの製造方法を示す図であって、図1
(a)(b)(c)(d)(e)は、スタンパの製造方
法を示す断面図、図2(a)(b)は、スタンパにより
マイクロレンズアレイを複製する方法を示す断面図、図
3は本発明の製造方法に用いる加圧成形機の概略断面図
である。以下、図1、図2及び図3に従い、マイクロレ
ンズアレイを複製する方法について説明する。
【0042】まず、原盤となるマイクロレンズアレイ1
を用意し、スパッタリングや蒸着等によってマイクロレ
ンズアレイ1の表面を覆うように銀薄膜2を形成する。
ついで、この銀薄膜2を電極として電鋳法により、銀薄
膜2上にニッケルが板状になるまで堆積させてスタンパ
台3を作製する〔図1(a)〕。
【0043】次に、スタンパ台3に強度補強用としてC
uまたはNiよりなるブロック材4をスタンパ台3に接
着剤等で固定し〔図1(b)〕、再度電鋳法によりこの
ブロック材4とスタンパ台3とともに全体をニッケルで
被覆し、スタンパ盤5を作製し〔図1(c)〕、スタン
パ盤5を銀薄膜2から剥離させ、マイクロレンズアレイ
1の表面形状の凹凸反転形状を転写されたスタンパ盤5
を作製する〔図1(d)〕。さらに、マイクロレンズア
レイ1のレンズ面の凹凸反転形状が転写された面に、タ
ングステン単体によるスパッタリングや電鋳法により強
度補強膜6を形成させ、目的とするスタンパ7を得る
〔図1(e)〕。
【0044】なお、強度補強用のブロック材4にはCu
やNi以外にタングステン、タンタルやロジウム−金−
タングステン合金、白金−タンタル−レニウム合金など
の金属単体や金属合金を用いる。また、強度補強膜6と
して用いられる金属は、適当な補強強度を有し、ガラス
材と融着や反応を起こさないものが望ましく、タングス
テン以外に、タンタル、レニウム、ハフニウムなどの金
属単体、あるいは、ロジウム−金−タングステン合金や
白金−タンタル−レニウム合金などの金属合金を用いる
ことができる。
【0045】次に、このスタンパ7を型として、ガラス
基板12上に多数のレンズ13が配列されたマイクロレ
ンズアレイ(複製品)11を量産する方法について説明
する。
【0046】上記のようにして作製されたスタンパ7
を、図3に示すように、加圧成形機14の上型15の部
分型として装着、固定する。ついでガラス材料8を準備
し〔図2(a)〕、支持台16にセットする。そして、
上型15及びガラス材料8を高温下にして一定の圧力P
でプレスモールド成形すると、目的とするマイクロレン
ズアレイ11を容易に多量に得ることができる〔図2
(b)〕。
【0047】ところでガラス材料8は、図2(a)に示
すように、マイクロレンズアレイ11の基板となるガラ
ス基板12上に、レンズ成形用の成形用ガラス材10が
張り合わされている。これらのガラス基板12および成
形用ガラス材10は、アルカリイオンを含まない合成石
英や硼珪酸ガラス等よりできている。また、成形用ガラ
ス材10の融点は、ガラス基板12の融点よりも低くな
っていて、成形用ガラス材10の融点より高く、ガラス
基板12の融点より高い温度で加圧成形すれば、ガラス
基板9の強度を保ちつつ、成形用ガラス材10にレンズ
13を成形することができる。このように、本発明のマ
イクロレンズアレイの製造方法を用いれば、ガラス基板
12及びレンズ13を一体成形した、ガラス材よりなる
精度のよいマイクロレンズアレイ(複製品)11を容易
に量産することができる。
【0048】こうして作製されたマイクロレンズアレイ
11は、ガラス基板12及びレンズ13ともにガラス材
から構成されるため、耐環境特性に優れていて、レンズ
が樹脂材よりなる従来のマイクロレンズアレイに比べ、
温度変化や湿度変化による屈折率の変化は1/10とな
り、光学特性は環境変化に比べほとんど変化なく、経時
的にも光学特性の変化もほとんどない。
【0049】また無アルカリガラスを用いてマイクロレ
ンズアレイ11を作製しているので、上記のように得ら
れたマイクロレンズアレイ11を、液晶表示パネルのガ
ラス基板と兼ねることにしても、アルカリイオンが溶出
せず、アルカリイオンの析出による液晶内のスイッチン
グ用の薄膜トランジスタ(TFT)パターニングの歩留
りの低下や液晶層へのイオン移行による光学特性の低下
を防ぐことができる。また、液晶表示パネルとマイクロ
レンズアレイ11との熱膨張率を等しくできるため温度
変化による位置ずれも起こさない。
【0050】なお、上記マイクロレンズアレイの複製方
法においては、スタンパ盤5を作製した後、スタンパ盤
5の凹凸反転形状を転写された面に強度補強膜6を形成
したが、別な方法においては、原盤となるマイクロレン
ズアレイ1の表面を覆うように銀薄膜2を形成した後、
この銀薄膜2を電極として電鋳法により、銀薄膜2上に
タングステン単体等からなる強度補強膜6を形成し、さ
らに電鋳法により強度補強膜6の上からニッケルを板状
になるまで堆積させてスタンパ台3を作製するようにし
てもよい。
【0051】図4(a)(b)(c)は、本発明の製造
方法に用いた原盤のマイクロレンズアレイ1を示す図で
ある。図4(a)は、マイクロレンズアレイ1を示す斜
視図、図4(b)は、図4(a)のA−A線におけるマ
イクロレンズアレイ1の断面図であって、レンズ23の
A−A線におけるレンズ端面29の形状は、図4(b)
に示すように円弧状をなしている。また、図4(c)
は、図4(a)のB−B線におけるマイクロレンズアレ
イ1の断面図であって、レンズ23は基板22上に隙間
なく配置されている。
【0052】図5(a)(b)(c)(d)(e)は、
本発明による上記マイクロレンズアレイ1の製造方法を
示す正面図、図6(a)(b)(c)は、図5(b)
(d)(e)に対応する斜視図である。以下、原盤とな
るマイクロレンズアレイ1の製造方法を図5および図6
にしたがって説明する。
【0053】まず、ガラス板やアクリル板等で形成した
透明な基板22に、レンズ23を形成するためのレンズ
成形用枠24をフォトリソグラフィ技術により作製す
る。つまり、図5(a)に示すように、基板22の全面
にレンズ成形用枠24を作製するための枠成形用樹脂2
5(例えばフォトレジスト材料などであって、レンズ母
材と親和性を有するもの)をコーティングする。次に、
枠成形用樹脂25にフォトマスクを重ねて露光し、さら
に現像することにより、図6(a)に示すように、レン
ズ成形用枠24が所望するレンズ23のレンズ端面29
と同じ形状であって、レンズ23を形成する位置の周囲
に多数得られるようパターニングをする〔図5
(b)〕。
【0054】次に、レンズ成形用枠24全体を覆うよう
に透明な微小レンズ用材料26(例えばレンズ成形用枠
24の作製に使用したフォトレジスト材料より溶融点が
低いフォトレジスト材料など)を基板22の全面にコー
ティングする〔図5(c)〕。この微小レンズ用材料2
6に、再びフォトマスクを重ねて露光し、さらに現像す
ることにより、図6(b)に示すように所定形状のレン
ズ母材27が多数得られるようパターニングする〔図5
(d)〕。
【0055】ついで、レンズ母材27をベークして、レ
ンズ母材27の端面が先に作製したレンズ成形用枠24
の縁に接するまで溶融させる。ついで溶融したレンズ母
材27の表面張力によりレンズ母材27の表面が凸曲面
となり、その表面が凸曲面の状態を保ったままで、レン
ズ母材27を硬化させ、図6(c)に示すように所望の
レンズ端面29及びレンズ形状をした多数のレンズ23
を形成することにより、マイクロレンズアレイ1を作製
する〔図5(e)〕。
【0056】図7(a)(b)は、本発明の製造方法に
より製造されたマイクロレンズアレイ1のレンズ23を
示す平面図及び斜視図である。図7(a)(b)は、集
光特性に回転対象性を示す円形開口の平凸レンズ(研磨
ガラスレンズ)28の平面図及び斜視図であって、レン
ズ23は、図8(a)(b)の破線で示すように、平凸
レンズ28を垂直な面で切断(トリミング)した形状を
なしている。このマイクロレンズアレイ1の製造に用い
られた前記レンズ成形用枠24は、図7(b)に示すよ
うに、平凸レンズ28を矩形状にトリミングしてできる
レンズ端面29と同じ形状となるように作製している。
そこで、このレンズ成形用枠24をレンズ23の形成位
置に形成して、平凸レンズ28をトリミングした形状に
レンズ23を作製すると、図7(a)(b)に示すよう
なレンズ23が得られる。このようにして作製されたレ
ンズ23に入射された光αは、図7(c)に示すよう
に、平凸レンズ28に入射された光αが図8(c)に示
すのと同様に一点で集光されることになる。また、例え
ば、画素をデルタ配列された液晶表示パネルと組合わせ
るマイクロレンズアレイのように、レンズ23のレンズ
形状を6角形にする場合でも、平凸レンズ28を6角形
にトリミングして得られるレンズ端面29と同じ形状に
レンズ成形用枠24を形成すればよく、光を一点に集光
させることのできるレンズ23を容易に得ることができ
る。このようにして作製されたマイクロレンズアレイ1
を原盤とすれば、光を一点に集光させることのできるマ
イクロレンズアレイ(複製品)11を容易に多量に得る
ことができる。
【0057】図9(a)(b)は、レンズ成形用枠24
の設計方法を示す図であって、レンズ23の曲率半径と
レンズ成形用枠24の半径との関係を示す。図9(a)
は、図4(a)のB−B線における上記マイクロレンズ
アレイ1の一部破断した断面図、図9(b)は、基板2
2上に配置されたレンズ成形用枠24の正面図である。
Pはレンズ23の光軸Lとレンズ23の交点、Oはレン
ズ23の曲率中心であって、O´は、レンズ成形用枠2
4の円弧を示す円の中心である。ここで、レンズ23は
平凸レンズ28をトリミングした形状となるよう形成さ
れているため、レンズ23の曲率半径をr、レンズ成形
用枠24の円弧を示す円の半径をr´、レンズ23の中
心からレンズ端面29までの距離をaとすると、 r´=(r2−a21/2 ……(1) の関係が成り立つ。
【0058】したがって、レンズ23のレンズ径2a、
レンズ23の曲率半径r及びレンズ成形用枠24の円弧
を示す円の半径r´を式(1)の関係が成り立つよう
に、レンズ成形用枠24の形状を決めれば、曲率半径r
を持つ平凸レンズ28を平凸レンズ28の中心からの距
離aでトリミングしたのと同様なレンズ23を得ること
ができ、非点収差を生じないレンズ23を得ることがで
きる。
【0059】このように、平凸レンズ28をトリミング
した時に得られるレンズ端面29の形状と等しいレンズ
成形用枠24を形成し、レンズ23を形成すると非点収
差を生じることなく光を一点に集光させることができ
る。したがって、このレンズ23を配列したマイクロレ
ンズアレイ1を原盤として、本発明の製造方法により複
製されたマイクロレンズアレイ11を液晶表示パネル等
に用いれば、レンズ23間のデッドスペースをなくすこ
とができると同時に画素面において微小スポットを得る
ことができ、光の利用効率を向上させることができ、画
像を高分解能にした場合でも、画像の輝度が低下するの
を防ぐことができる。
【0060】また、図10は、別なマイクロレンズアレ
イ1bにおける図4(a)のB−B線に相当する箇所で
の断面図であって、図10に示すように、レンズ23を
配列する一方向にのみ、レンズ23、23間に隙間30
(レンズ機能が存在しない領域)を設け、他の方向にお
いてはレンズ23同志はレンズ端面29が互いに接する
ように配列されている。
【0061】また、レンズ成形用枠24は、レンズ23
の周囲の少なくとも2辺にあればよく、したがって、い
ずれか一方向のレンズ配列方向のみ形成させることとし
てもよい。
【0062】さらに、レンズ成形用枠24の形状を非球
面となるように形成することで、レンズ23を非球面レ
ンズとしたマイクロレンズアレイを原盤とすることもで
きる。
【0063】また、図示しないが、集光特性に回転対象
性を示す円形開口の球面レンズや非球面レンズ等の平凸
レンズを図8(a)(b)に破線で示すようにカットな
いし研磨して矩形状開口を有する図7(a)(b)に示
したのと同様な形状のレンズを多数作製し、この矩形状
開口のレンズを1方向もしくは2方向に連続させるよう
にして基板の上に配置し、光学用接着剤によって基板に
接着することにより作製したマイクロレンズアレイを原
盤としてもよい。
【0064】また、原盤に用いるマイクロレンズアレイ
1は、上述した以外にも、基板上に曲率調製台を調製
し、所定のガラス母材を溶融させることにより作製され
たものであってもよく、その他の方法で作製されたマイ
クロレンズアレイを原盤とすることができるのはいうま
でもない。
【0065】このように、本発明によれば、従来金型の
加工が容易でなかった非球面レンズや微細なレンズパタ
ーンを有するマイクロレンズアレイであっても容易にガ
ラスモールド法用の型を得ることができ、信頼性の高い
マイクロレンズアレイを容易に量産することができる。
さらに、回転対称性をもつレンズのみならず、液晶表示
パネルに用いられるような2軸対称性のレンズを有する
場合でも、精度よく信頼性のあるマイクロレンズアレイ
を容易に量産することもできる。
【0066】図11に示すものは本発明の方法によって
作製されたいずれかのマイクロレンズアレイ51を用い
た液晶表示パネル52Aを示す断面図である。この液晶
表示パネル52Aは、ガラス基板53の上に多数のレン
ズ54を配列されたマイクロレンズアレイ51と単体の
ガラス基板55とを対向させ、封止用のスペーサ56で
囲まれたマイクロレンズアレイ51及びガラス基板55
間に液晶層57を形成してある。マイクロレンズアレイ
51のレンズ54は液晶層57の側(つまり、内面側)
に向けられている。また、ガラス基板55の内面にはT
FTや透明電極等からなる画素を配列させた画素表示部
58が設けられており、その外面にはカラーフィルタ5
9が設けられている。
【0067】図12に示すものは本発明の方法によって
作製されたいずれかのマイクロレンズアレイ51を用い
た別な液晶表示パネル52Bを示す一部破断した斜視図
である。この液晶表示パネル52Bも、ガラス基板53
の上に多数のレンズ54を配列されたマイクロレンズア
レイ51と単体のガラス基板55とを対向させ、封止用
のスペーサ56で囲まれたマイクロレンズアレイ51及
びガラス基板55間に液晶層57を形成してある。マイ
クロレンズアレイ51は、レンズ54を外側に向けて配
置されており、そのガラス基板53の内面にはTFTや
透明電極等からなる画素を配列させた画素表示部58が
設けられている。なお、ガラス基板55には、必要に応
じてカラーフィルタ59を設けることができる。
【0068】図13に示すものは本発明の方法によって
作製されたいずれかのマイクロレンズアレイ51を用い
たさらに別な液晶表示パネル52Cを示す一部破断した
斜視図である。この液晶表示パネル52Cも、ガラス基
板53の上に多数のレンズ54を配列されたマイクロレ
ンズアレイ51と単体のガラス基板55とを対向させ、
封止用のスペーサ56で囲まれたマイクロレンズアレイ
51及びガラス基板55間に液晶層57を形成してあ
る。マイクロレンズアレイ51は、レンズ54を外側に
向けて配置されており、そのガラス基板53の内面には
カラーフィルタ59が形成されている。また、ガラス基
板55の内面にはTFTや透明電極等からなる画素を配
列させた画素表示部58が設けられている。
【0069】マイクロレンズアレイ51の各レンズ54
は、画素表示部58の画素開口と対応した配置を有して
おり、上記各液晶表示パネル52A,52B,52Cに
入射した光源光はマイクロレンズアレイ51の各レンズ
54によって画素表示部58の画素開口に集光される。
【0070】図14は上記のいずれかの液晶表示パネル
52A,52B又は52Cを用いた液晶テレビプロジェ
クタ61を示す図であって、62は反射鏡63付きの白
色ランプ64及びコンデンサレンズ65からなるバック
ライト光源、66は偏光フィルタ、67は投影レンズで
ある。
【0071】図15に示すものは本発明の方法によって
作製されたいずれかのマイクロレンズアレイ71を用い
た画像表示装置72を示す断面図である。この画像表示
装置72は、バックライト光源73、液晶表示パネル7
4及び偏光フィルタ75a,75bから構成されてい
る。バックライト光源73は、リフレクタ付きの白色ラ
ンプ76及びコンデンサレンズ77からなる。液晶表示
パネル74は、ガラス基板78の上に回折格子形の多数
のレンズ(画素と同一パターン、同一周期の回折格子)
79を配列されたマイクロレンズアレイ71と単体のガ
ラス基板80とを対向させ、封止用のスペーサ81で囲
まれたマイクロレンズアレイ71及びガラス基板80間
に液晶層82を形成してある。回折格子形のレンズ79
はガラス基板78の外側に配置されており、ガラス基板
78の内面にはカラーフィルタ83が設けられている。
また、ガラス基板80の内面にはTFTや透明電極等か
らなる画素84を配列させた画素表示部が設けられてい
る。液晶表示パネルの上下両面には偏光方向を互いに直
交させて偏光フィルタ75a,75bを重ねて装荷され
ている。
【0072】この画像表示装置72では、液晶表示パネ
ル74の表面に設けられた回折格子形のレンズ79(マ
イクロレンズアレイ71)が画像を濾過するフィルタと
して働き、各画素84の像を複数に分割し重ね合わせて
画素84間に補間を生じさせることにより表示画像の特
定の高周波数成分を除去する機能を備えている。このた
め画素間のブラックストライプが見えにくくなり、表示
画像の画質が向上する。
【0073】
【発明の効果】本発明の光学素子の製造方法にあって
は、微細なパターンを有するマイクロレンズアレイにあ
っても、パターン精度のよい成形用型を容易に作製する
ことができ、原盤のマイクロレンズアレイと同じパター
ン精度の複製品を容易に加圧形成にて量産することが可
能になる。
【0074】また、回転対称性をもつレンズ形状に限ら
ず、液晶表示パネル等に用いる2軸対称性のレンズ形状
をもつマイクロレンズアレイでも、パターン精度のよい
複製品を多量に得ることができる。
【0075】また、経時的変化や光学特性の変化が少な
く、信頼性の高いガラス性のマイクロレンズアレイを容
易に製造することができ、これらを液晶表示パネル等に
用いた場合には、信頼性が高く、光の利用効率のよい光
学素子を製造することができる。
【0076】また、無アルカリガラスを用いることがで
き、アルカリイオンの影響による液晶表示パネルの歩留
りの低下や光学特性の低下を防ぎ、無アルカリガラス膜
を形成することなく、マイクロレンズアレイの基板と液
晶表示パネルの基板とを兼ね合わせた信頼性の高い光学
素子を得ることができる。
【0077】また、上記スタンパの凹凸反転形状を転写
させた面を強度補強膜で覆っているので、成形用型の強
度を高めることができ、型の寿命を延ばすこともでき
る。この強度補強膜は、強度補強用材料を付着させて形
成すれば、スタンパの作製後に強度補強膜を作ることが
でき、強度補強膜が摩耗してきた場合には再び強度補強
膜を作ることができる。また、スタンパ作製時に原盤と
なるマイクロレンズアレイのレンズ面に強度補強用材料
を堆積させて強度補強膜を形成すれば、強度補強膜を形
成されたスタンパの作製が容易になると共に、強度補強
膜によって凹凸反転形状を転写させた面の寸法精度を損
ねる恐れがない。
【0078】さらに、マイクロレンズアレイの基板とな
るガラス板上に、板状の成形用ガラス材を重ね合わせた
ガラス板を用いてレンズと基板とを一体成形することに
すれば、さらに信頼性の高いマイクロレンズアレイを容
易に量産することができる。特に、ガラス板材と比較し
て低融点の成形用ガラス材を用いれば、ガラス板材を熱
で歪ませることなく、成形用ガラス材だけを成形するこ
とができる。
【0079】上記製造方法によれば、レンズ同志が密に
配列されたマイクロレンズアレイからなる光学素子を精
度よく量産することができるが、このような光学素子に
限らず、レンズとレンズとがレンズ機能を有しない領域
を介して隣接したマイクロレンズアレイからなる光学素
子も量産することができる。
【0080】また、この光学素子、あるいは上記製造方
法によって製造された光学素子は、液晶表示手段などの
ドットマトリクス表示手段を備えたドットマトリクス表
示装置に用いることができ、各種ドットマトリクス表示
装置の高品質化と量産化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)(c)(d)(e)は、本発明の
マイクロレンズアレイの製造方法に用いるスタンパの作
製方法を示す断面図である。
【図2】(a)(b)は、同上のスタンパによりマイク
ロレンズアレイを複製する方法を示す断面図である。
【図3】本発明のマイクロレンズアレイの製造方法に用
いる加圧成形機の概略断面図である。
【図4】(a)は、本発明の製造方法の原盤に用いたマ
イクロレンズアレイの斜視図、(b)は(a)のA−A
線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図5】(a)(b)(c)(d)(e)は、同上の製
造方法を示す正面図である。
【図6】(a)(b)(c)は、同上の製造方法の一部
を示す斜視図である。
【図7】(a)(b)は、同上により製造されたレンズ
の平面図及び斜視図、(c)は、レンズに入射された光
が一点に集光される様子を示す図である。
【図8】(a)(b)は、平凸レンズの平面図及び斜視
図、(c)は平凸レンズに入射された光が一点に集光さ
れる様子を示す図である。
【図9】(a)は、マイクロレンズアレイの一部破断し
た断面図、(b)は基板上に配置されたレンズ成形用枠
の正面図である。
【図10】本発明の製造方法により製造されたさらに別
なマイクロレンズアレイの断面図である。
【図11】本発明に係る光学素子を用いた液晶表示パネ
ルを示す断面図である。
【図12】本発明に係る別な光学素子を用いた液晶表示
パネルを示す一部破断した斜視図である。
【図13】本発明に係るさらに別な光学素子を用いた液
晶表示パネルを示す一部破断した斜視図である。
【図14】本発明に係る液晶テレビプロジェクタの構成
を示す概略構成図である。
【図15】本発明に係る画像表示装置を示す断面図であ
る。
【図16】液晶テレビプロジェクタの構成を示す概略構
成図である。
【図17】液晶表示パネルの照明光及び透過光を示す説
明図である。
【図18】液晶表示パネルに矩形のマイクロレンズを備
えたマイクロレンズアレイを装着した構造を示す一部破
断した斜視図である。
【図19】レンズ形状が矩形のマイクロレンズアレイを
装着した液晶表示パネルの照明光及び透過光を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 マイクロレンズアレイ 4 ブロック材 6 強度補強膜 7 スタンパ 8 ガラス材料 11 マイクロレンズアレイ(複製品) 24 レンズ成形用枠

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に2次元的にレンズが複数個配列
    されたマイクロレンズアレイを原盤とし、前記マイクロ
    レンズアレイのレンズを形成されている面にスタンパ材
    料を堆積し、原盤を除去することにより前記レンズを形
    成された面の凹凸反転形状を転写させてスタンパを作製
    したのち、 前記スタンパを型として、成形用ガラス材を用いてマイ
    クロレンズアレイを加圧成形することを特徴とする光学
    素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記スタンパの凹凸反転形状を転写させ
    た面が強度補強膜によって覆われていることを特徴とす
    る請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記スタンパの凹凸反転形状を形成され
    た面に強度補強用材料を付着させて前記強度補強膜を形
    成することを特徴とする請求項2に記載の光学素子の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記原盤となるマイクロレンズアレイの
    レンズを形成されている面に強度補強用材料を堆積さ
    せ、その上にスタンパ材料を堆積させることにより、前
    記スタンパの凹凸反転形状を転写させた面に前記強度補
    強膜を形成することを特徴とする請求項2に記載の光学
    素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板となるガラス板材上に成形用ガラス
    材を重ね合わせたガラス材料を用い、当該成形用ガラス
    材を加圧成形することによりレンズと基板とを一体に形
    成することを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載
    の光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記成形用ガラス材が、前記ガラス板材
    と比較して低融点であることを特徴とする請求項5に記
    載の光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記加圧成形が、プレスモールド成形法
    であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は
    6に記載の光学素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6又は7に
    記載した光学素子の製造方法によって作製された光学素
    子。
  9. 【請求項9】 前記マイクロレンズアレイを構成するレ
    ンズとレンズとが、レンズ機能を有しない領域を介して
    隣接していることを特徴とする請求項8に記載の光学素
    子。
  10. 【請求項10】 ドットマトリクス表示手段を構成する
    一対の基板のうち、いずれか一方の基板が請求項8又は
    9に記載の光学素子で構成されていることを特徴とする
    ドットマトリクス表示装置。
  11. 【請求項11】 ドットマトリクス表示手段を構成する
    基板の内面側にマイクロレンズアレイのレンズ面が位置
    していることを特徴とする請求項10に記載のドットマ
    トリクス表示装置。
  12. 【請求項12】 マイクロレンズアレイのレンズを形成
    された基板のレンズ面と反対面に画素表示手段もしくは
    カラーフィルタを設けたことを特徴とする請求項10又
    は11に記載のドットマトリクス表示装置。
  13. 【請求項13】 光源と、 ドットマトリクス表示手段と、 ドットマトリクス表示手段の画素配列によって規定され
    る開口に対応するレンズ配置を持ち、上記光源から出射
    される光を入射光として上記ドットマトリクス表示手段
    の各画素位置に集光させるためのマイクロレンズアレイ
    を備えた請求項8又は9に記載の光学素子とからなるド
    ットマトリクス表示装置。
  14. 【請求項14】 光源と、 ドットマトリクス表示手段と、 映像を濾過するフィルタであって、各画素の像を複数に
    分割し重ね合わせて画素間に補間を生じさせることによ
    り表示画素の特定の高周波数成分を除去する機能を備え
    た請求項8又は9に記載の光学素子とからなるドットマ
    トリクス表示装置。
  15. 【請求項15】 前記ドットマトリクス表示手段が液晶
    表示手段であることを特徴とする請求項10,11,1
    2,13又は14に記載のドットマトリクス表示装置。
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