JPH0626466Y2 - 移動式テーブルの固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、キャスターを備える移動式のテーブルを、簡
単な操作で、所要の位置に固定する装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

キャスターを備える移動式テーブルを固定する手段とし
ては、たとえば実開昭６０−８７７５６号広報に記載さ
れているように、床面に置いた枠状のキャスタ台座の中
にキャスター車輪を嵌め込むことによってテーブルを固
定するものや、実開昭６２−１８８７号広報に記載され
ているように、脚部の下端における水平の基部の前後端
に、下面がキャスターの下端とほぼ等高をなし、かつば
ねにより上方に向けて付勢されている昇降自在の支持部
材を設け、この支持部材を、固定ねじの操作により下降
させて、床面に圧接させることにより、テーブルを固定
するものや、実開昭５８−４６６０３号広報に記載され
ているように、一端を家具に枢着したアームの他端を、
床に枢着したもの等がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記の従来のものの中、第１のものは、単にキャスター
車輪を台座で囲むだけであるため、床が滑り易い場合に
は、固定したテーブルが強く押されると、台座とともに
横滑りする。

第２、第３のものでは、大型の支持部材もしくはアーム
が、脚部より外方へ突出しているので、邪魔になるとと
もに見苦しい。

しかもいずれのものも、多数のテーブルを、所望の配列
で整然と並べることは面倒である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、キャスターを備える移動式テーブルの脚の下
面適所に、床面に近接するとともに、床面と平行をなす
回動板の基端を枢着し、かつこの回動板の遊端部に穿設
した通孔の側方に、前記回動板を脚の直下に位置させた
際に、外方に露呈して脚の外側面に近接する上向きの手
掛片を連設し、この手掛片をもって回動板を脚の外方へ
回動させた状態で、通孔の上方より貫通したロックピン
の下部を、床に埋設した保持筒に嵌入係合させうるよう
にして、上述の課題の解決を図ったものである。

〔作用〕

本考案の装置によると、回動板を回動させて、その遊端
を保持筒の直上へもたらし、かつ回動板の遊端部にロッ
クピンを挿入して、その下端部を保持筒へ挿入すれば、
移動式テーブルは、床に確実に固定される。

テーブルを固定する必要のない場合は、回動板を脚の下
方に回動させて、目立たなく収容することができる。

保持筒を、ロックピンをその頭部が没入するまで嵌入し
うるものとしておけば、不使用時に、ロックピンを保持
筒へ挿入して、保持筒を体裁よく閉塞し、塵埃の侵入を
防止するとともに、ロックピンの紛失を防止することが
できる。

〔実施例〕

第１図〜第３図は、本考案の第１実施例を示すもので、
移動脚体(1)は、上端で図示しない天板の前部を支持し
ている縦杆(1a)と、縦杆(1a)の下端に固着された前後方
向を向く下向Ｕ形断面の水平杆(1b)とからなっている。

水平杆(1b)の前後両端の下側には、キャスター(2)(2)が
取付けられている。水平杆(1b)と縦杆(1a)とは、ボルト
(3)(3)で結合されている。

水平杆(1b)の前部内側には、側面形がＵ字形をなす取付
金具(4)の上端における外向フランジ(5)が、上記ボルト
(3)をもって固着されている。

取付金具(4)の中央部における底片(6)には、水平をなす
長円形の回動板(7)の基端（第２図と第３図の右端）
が、ピン(8)をもって枢着されている。

回動板(7)の遊端には通孔(9)が穿設され、通孔(9)の直
下には、ナット(10)が固着されている。通孔(9)の側方
において、回動板(7)には、上方を向く手掛片(11)が連
設されている。

床板(20)とその上に敷設したカーペット(21)におけるテ
ーブルを固定保持しようとする個所には、それぞれ保持
筒(22)が埋込まれ、保持筒(22)の上端に設けたフランジ
(23)は、木ねじ(24)により床板(20)に固定されている。

第３図は、上記回動板(7)をピン(8)のまわりに後方へ回
動させた、テーブルの移動可能状態を示し、通孔(9)お
よび保持筒(22)には、何物も挿入されていない。

この状態では、僅かに手掛片(11)のみが、水平杆(1b)の
外側面に近接して露呈しているのみであるので、見苦し
くなく、また邪魔になることもない。

テーブルを所定の個所まで移動させた後固定するには、
手掛片(11)をもって回動板(7)を外方へ回動させ、通孔
(9)を保持筒(22)の直上へ位置させてから、第１図に示
すように、頭付きのロックピン(25)の下部の非ねじ部(2
5a)をナット(10)へ挿入し、ロックピン(25)を回動させ
て、非ねじ部(25a)の上部に続くおねじ部(25b)をナット
(10)へねじ込む。

これにより、ロックピン(25)の非ねじ部(25a)は保持筒
(22)内に嵌合して、テーブルは固定される。逆の操作に
より、テーブルは移動自在となる。

第４図は、本考案における保持筒(30)の別の例を示すも
ので、テーブルの脚体側は、ロックピン(25)を含め、す
べて前実施例と同様につき、その図示と説明を省略す
る。

床板(20)とカーペット(21)に埋め込まれた保持筒(30)
は、筒部(31)の上方に、頭付きロックピン(25)の頭部(2
5c)が嵌入しうる拡径部(32)を設け、かつその上端に、
外向フランジ(33)を連設したもので、フランジ(33)は、
木ねじ(34)により、床板(20)に固定されている。

保持筒(30)の筒部(31)の内面上部には、ロックピン(25)
のおねじ部(25b)が螺合しうるめねじ(35)が切設されて
いる。

この保持筒(30)によっても、前記したと同様のロックピ
ン(25)を使用して、テーブルを固定することができる。

ロックピン(25)を回動板(7)から抜いて、テーブルの固
定を解除した後は、保持筒(30)へロックピン(25)をねじ
込むことにより、保持筒(30)を体裁よく閉塞することが
でき、またロックピン(25)の紛失を防止することができ
る。

〔考案の効果〕

本考案の装置は、テーブルを、床の所定位置に確実に固
定させることができ、しかも固定と解除の操作が簡単で
ある。

テーブルの固定を解除した時には、回動板を、脚の下方
に目立たないように収容しうるので、外観を損なった
り、邪魔になったりすることがない。

従って、多数の保持筒を、所定の配列をもって、予め床
に埋設しておけば、会議等の際、多数のテーブルを、簡
単にかつ整然と配列することができる。

請求項(2)の考案のように、保持筒を、ロックピンを収
納しうる大きさとし、かつロックピンを、保持筒に螺合
しうるようにしておけば、不使用時にロックピンをもっ
て、保持筒を体裁よく閉塞して、塵埃の侵入を防止する
ことができるとともに、ロックピンの紛失が防止され
る。

なおロックピンを、軸部におねじ部を全く有しない平滑
なものとすることもある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例におけるテーブル固定時
の要部を示す縦断側面図、 第２図は、同じくテーブル移動可能時の要部の縦断側面
図、 第３図は、同じく回動板と固定筒の平面図、 第４図は、保持筒の別の例を示す縦断側面図である。 (1)脚体、(1a)縦杆 (1b)水平杆、(2)キャスター (3)ボルト、(4)取付金具 (5)外向フランジ、(6)底片 (7)回動板、(8)ピン (9)通孔、(10)ナット (11)手掛片、(20)床板 (21)カーペット、(22)保持筒 (22)フランジ、(24)木ねじ (25)ロックピン、(25a)非ねじ部 (25b)おねじ部、(30)保持筒 (31)筒部、(32)拡径部 (33)フランジ、(34)木ねじ (35)めねじ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャスターを備える移動式テーブルの脚の
   下面適所に、床面に近接するとともに、床面と並行をな
   す回動板の基端を枢着し、かつこの回動板の遊端部に穿
   設した通孔の側方に、前記回動板を脚の直下に位置させ
   た際に、外方に露呈して脚の外側面に近接する上向きの
   手掛片を連接し、この手掛片をもって回動板を脚の外方
   へ回動させた状態で、通孔の上方より貫通したロックピ
   ンの下部を、床に埋設した保持筒に嵌入係合させうるよ
   うにした移動式テーブルの固定装置。
2. 【請求項２】保持筒を、ロックピンを、その頭部が没入
   するまで嵌入しうるものとしてなる請求項(1)に記載の
   移動式テーブルの固定装置。
3. 【請求項３】ロックピンが、少くとも一部におねじ部を
   有するものとし、かつ回動板の遊端部に、ロックピンの
   おねじ部が螺合しうるめねじ部を設けてなる請求項(1)
   または(2)記載の移動式テーブルの固定装置。
4. 【請求項４】ロックピンの軸部全体が、平滑なものであ
   る請求項(1)ないし(3)のいずれかに記載の移動式テーブ
   ルの固定装置。