JPH06263910A - 硬質ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造法

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JPH06263910A
JPH06263910A JP5082612A JP8261293A JPH06263910A JP H06263910 A JPH06263910 A JP H06263910A JP 5082612 A JP5082612 A JP 5082612A JP 8261293 A JP8261293 A JP 8261293A JP H06263910 A JPH06263910 A JP H06263910A
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JP
Japan
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polyol
carbon atoms
polyurethane foam
viscosity
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JP5082612A
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English (en)
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Masayoshi Morii
正芳 森井
Hiroshi Kitagawa
洋 北川
Tetsuro Fukushima
哲朗 福島
Tokuji Hiraishi
篤司 平石
Yasutoshi Isayama
康敏 諌山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリイソシアネート成分とポリオール成分を発
泡剤および触媒の存在下に反応させて硬質ポリウレタン
フォームを製造するに際し、ポリオール成分として25
℃における粘度が6000〜50000cpsのポリオ
ール、および発泡剤として沸点が0℃以下の低沸点フロ
ンの1種以上を用いることを特徴とする硬質ポリウレタ
ンフォームの製造法。 【効果】本発明の製造法を用いることにより、オゾン破
壊係数の小さな低沸点フロンを使用するにも拘わらず、
フロスボイド、断熱性、充填性において現行フロンを用
いる場合と同様の優れた性能を有する硬質ポリウレタン
フォームを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な硬質ポリウレタン
フォームの製造法に関するものである。更に詳しくは、
ポリウレタン化反応を促進させるために低沸点フロンと
高粘度ポリオールの組み合わせにより、フロスボイド、
断熱性、充填性において優れた性能を有する硬質ポリウ
レタンフォームを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】ポリウレ
タンは、成形密度、製品硬度、諸物性のコントロールが
容易で、しかも成形加工性も良好なため、エラストマ
ー、硬質フォーム、半硬質フォーム、軟質フォーム、マ
イクロセルラー等の多くの産業分野で使用されている。
これらのポリウレタンを製造するに際しては、(1)ポ
リイソシアネート成分とポリオール成分の重合反応、お
よび(2)イソシアネート成分の加水分解による炭酸ガ
スの発生、液状フロンの気化等の発泡反応が同時に起こ
っており、これらの反応の制御が、得られる硬質ポリウ
レタンフォーム等の性能に大きく影響する。
【0003】硬質ポリウレタンフォーム断熱材に求めら
れる機能は、性能面では可能な限り熱伝導率を小さくす
ること、コスト面では発泡流動性を高めて少ない樹脂で
充填すること(低密度成形性)、および外観面ではフロ
スボイド(大きなセル)を少なくし、ウレタン表面の凹
凸を小さくすること等である。
【0004】従来、硬質ポリウレタンフォームのこれら
の機能を改良する方法として、(1)熱伝導率の改善に
は熱伝導率の低い発泡剤を用いる方法、あるいはフォー
ムのセル径を小さくして、幅射効果による熱移動を少な
くする方法、そのために上記重合反応を発泡反応より優
先させるべく、高反応性ポリオール成分や高粘度ポリオ
ール成分を使用する、(2)発泡流動性の改善には、上
記発泡反応を重合反応に優先させるべく、低反応性ポリ
オールや低粘度ポリオール成分を使用する方法、(3)
フロスボイドを減らすためには、高反応性ポリオール成
分、高粘度ポリオール成分を使用する方法、というのが
一般的なアプローチであった。しかし、熱伝導率の改良
およびフロスボイドの抑制に要求される条件は、低密度
成形性の改良に要求される条件と相反するため、硬質ポ
リウレタンフォームの機能改良は著しく困難であった。
【0005】また、近年、大気中のオゾン層保護のた
め、発泡剤として用いるクロロフルオロカーボン類の使
用が規制され、従来硬質ポリウレタンフォームの製造に
使用されていたトリクロロフルオロメタン(R−11)
も規制対象に含まれているため、トリクロロフルオロメ
タンの削減方法が問題となっている。削減方法として
は、トリクロロフルオロメタンの使用量を減らし水の量
を増やす方法(いわゆるフロン削減処方)や、トリクロ
ロフルオロメタンよりもオゾン破壊係数(ODP)の小
さいクロロジフルオロメタン(R−22)、1,1,1
−トリクロロジフルオロエタン(R−142b)、1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)、
1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタン(R−12
5)、1,1−ジフルオロエタン(R−152a)を使
用することが提案されている。
【0006】しかしながら、これらの代替フロン化合物
は熱伝導率が高く、断熱性に悪影響がある上、その沸点
は、R−22が−41℃、R−142bが−10℃、R
−134aが−27℃、R−125が−48.5℃、R
−152aが−25℃であり、R−11の23℃と比較
して非常に低いため、撹拌の開始と同時に溶解していた
上記フロンが自己発泡し、大きなセル(フロスボイド)
を形成し、このため断熱性が悪化する。更に撹拌後、金
型内に注入する際のフロンガスの飛散が多く、所定量の
フォーム体積(充填性)が得られないなどの問題点が明
らかとなっている。
【0007】上記の問題を解決するため、より反応性の
高いポリオール成分を用いて、低沸点フロンの発泡反応
を抑えて重合反応を進める方法や低沸点フロンの使用量
を減らす方法等が考えられる。しかし、一般に高反応性
ポリオール成分は、粘度の低いものが多く、このためセ
ルの微細化やフロスボイドの減少にはあまり効果が表れ
ない。一方、発泡剤としての水の使用量を増やしたフロ
ン削減処方は、フロスボイドの減少には効果があるが、
水の増加に伴い必然的に水とイソシアネート成分との反
応が促進されイソシアネートの加水分解によるCO2
スの発生量が増大して断熱性が悪化するという問題点が
指摘される。これらのことから、当業界ではより多くの
低沸点フロンを用いてフロスボイドのない、微細なセル
(ファインセル)を形成する方法の開発が望まれてい
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低沸点フ
ロンと高粘度ポリオールとを組み合わせる新規な方法を
開発することにより、通常の触媒を使用した場合にも、
フロスボイドが少なくかつ微細なセルを形成させること
に成功し、その結果、断熱性及び外観に優れ、また低密
度成形性にも優れた硬質ポリウレタンフォームを得るこ
とができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の要旨は、(1)ポリイソシ
アネート成分とポリオール成分を発泡剤および触媒の存
在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する
に際し、ポリオール成分として25℃における粘度が6
000〜50000cpsのポリオール、および発泡剤
として沸点が0℃以下の低沸点フロンの1種以上を用い
ることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造
法、(2)低沸点フロンが、クロロジフルオロエタン、
1,1,1−トリクロロジフルオロエタン、1,1,
1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2,2−
ペンタフルオロエタン、および1,1−ジフルオロエタ
ンから成る群より選ばれる前記(1)記載の製造法、
(3)ポリオールが一般式(I) で表されるものである
前記(1)または(2)記載の製造法、
【0010】
【化4】
【0011】(式中、A1 O〜A4 Oはそれぞれプロピ
レンオキシドおよび/またはエチレンオキシドを表し、
1 ,q1 ,r1 ,s1 はそれぞれ1以上の整数を表
し、p1+q1 +r1 +s1 は4〜100を表す。)
(4)触媒が一般式(III)で表される第3級アミノアル
コールである前記(1)、(2)または(3)記載の製
造法に関する。
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R1 は同一または異なった炭素数
2〜24の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、シクロア
ルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基、または−(CH2 CH2 O)x
(CH2 CH2 y −(ただしxはOまたは正数であ
り、yは正数である)を表し、R2 は炭素数1〜24の
直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数6〜24のアリ
ール基、炭素数1〜6のアルキレン基を有する炭素数7
〜24のアラルキル基を表し、平均重合度nは1〜50
の正数を表す。)
【0014】本発明において用いられる発泡剤は、沸点
が常圧で0℃以下のため、低粘度ポリオールを用いると
注入初期から自己発泡し、フォームセルが大きくなり、
その結果、断熱性が低下してしまう。従って、本発明に
おいては、硬質ポリウレタンフォームの製造に通常用い
られる低粘度ポリオールに代えて高粘度のポリオールを
用いることを特徴とする。即ち、本発明における高粘度
ポリオールを用いた場合、多量の低沸点の発泡剤を用い
ても自己発泡を抑制することができ、その結果、微細な
セルを形成し、流動性にも優れた硬質ポリウレタンフォ
ームを製造することができる。
【0015】本発明に用いられるポリオール成分の粘度
は、常圧、25℃でβ型粘度計(東京計機製造所)によ
り測定した場合、6000〜50000cps、好まし
くは7000〜10000cpsの範囲に入る高粘度な
ものであればいずれも本発明に使用することができる。
粘度が6000cps未満のポリオールは、フロンの初
期発泡を抑えることができず不適である。50000c
psを超えると、ポリオールの粘度が高すぎて作業性が
著しく悪化する。本発明で用いられるポリオールは一種
又は二種以上を併用して用いられる。二種以上を併用す
る場合、一部に前記の粘度の範囲をはずれるものが含ま
れていても、ポリオール全体として前記の範囲に入るも
のであればよい。このような高粘度ポリオール成分の使
用量は、ポリイソシアネート成分に対して、(ポリオー
ルのOH基+水のOH基)/NCO=0.9〜1となる
ような量が用いられる。
【0016】本発明に用いられる高粘度ポリオールの具
体例としては、一般式(I)で表されるポリオール、な
かでもA1 O〜A4 Oがいずれもプロピレンオキシドで
ある一般式(II)で表されるポリオールが好適なものと
して挙げられる。
【0017】
【化6】
【0018】ここで、A1 O〜A4 Oはそれぞれプロピ
レンオキシドおよび/またはエチレンオキシドを表し、
1 ,q1 ,r1 ,s1 はそれぞれ1以上の整数を表
し、p1 +q1 +r1 +s1 は4〜100を表す。
【0019】
【化7】
【0020】ここで、POはプロピレンオキシドを表
し、p2 +q2 +r2 +s2 は4〜30を表し、さらに
好ましくは4〜16である。
【0021】このような高粘度ポリオールとして、旭硝
子社製シュークロースアミン系(PolyQ 530S
A、PolyQ 480SA)、シュークロース系(2
03SU、204SU、531S)、デキストロース系
(75−530)、ソルビトール系(502SO)、ア
ミン系(601ED)及び三井東圧化学製PPG−多官
能シリーズ(SUタイプ、NCタイプ、NNタイプ、N
Tタイプ、DAタイプ、AEタイプ)等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0022】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
法においては、発泡剤として低沸点フロンが用いられ
る。ここで低沸点フロンとは、沸点が0℃以下のものを
指し、かかる性質を有するフロンであれば、本発明にお
いて特に限定されることなく使用できる。具体的には、
例えばクロロジフルオロメタン(沸点−41℃)、1,
1,1−トリクロロジフルオロエタン(−10℃)、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(−27℃)、
1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタン(−48.
5℃)及び1,1−ジフルオロエタン(−25℃)から
なる群から選ばれる一種以上が使用される。また、発泡
剤として、これらの低沸点フロンに加えて、水等を併用
してもよい。この場合、低沸点フロンは発泡剤中90〜
100重量%使用するのが好ましい。これらの発泡剤の
使用量は特に限定されないが、通常ポリオール成分の総
量100重量部に対して20〜50重量部である。もち
ろん硬質ポリウレタンフォームの種類によってこの範囲
以外の量を用いることも可能であり、スプレー式で硬質
ポリウレタンフォームを製造する場合は、ポリオール成
分の総量100重量部に対して30〜60重量部が好ま
しい。
【0023】本発明の製造法によれば、このようなオゾ
ン破壊係数が小さい代替フロンを発泡剤として使用して
も優れた物性を有する硬質ポリウレタンフォームが得ら
れるため、大気中のオゾン層の保護に有効である。
【0024】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
法において用いられるポリイソシアネート成分として
は、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば
特に限定されることはなく、芳香族系、脂肪族系、或い
は脂環族系ポリイソシアネート化合物、それら2種以上
の混合物、及びそれらを変性して得られる変性ポリイソ
シアネートのいずれでもよい。例えば、トリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルポリイソシアネート(クルードMDI)等の
ポリイソシアネートやそれらの変性ポリイソシアネー
ト、例えばカルボジイミド変性物、ビュウレット変性
物、2量体、3量体等があり、更にこれらのポリイソシ
アネートと活性水素化合物との末端イソシアネート基プ
レポリマー等を挙げることができる。
【0025】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
法においては、重合反応を促進するため触媒を使用す
る。このような触媒としては特に限定されるものではな
いが、一般式(III)の第3級アミノアルコールが好まし
く使用できる。また、従来より知られているアミン触媒
や金属系触媒も同様に使用できる。一般公知のアミン触
媒としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチ
ルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テト
ラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’,
N’,−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチ
ル−N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、N,N−
ジメチルアミノシクロヘキシルアミン、ビス(ジメチル
アミノエチル)エーテル、トリス(N,N−ジメチルア
ミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、メチル
モルホリン、エチルモルホリン、トリエチレンジアミ
ン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダ
ゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール等が
ある。また、金属系触媒としては例えばオクタン酸錫、
ジブチルジラウリン酸錫、オクタン酸鉛等がある。これ
らの触媒は単独で、二種以上の混合物として、又は一般
式(III) の第3級アミノアルコールと併用して使用する
ことができる。
【0026】一般式(III) の第3級アミノアルコールに
ついて、以下に説明する。
【0027】
【化8】
【0028】(式中、R1 は同一または異なった炭素数
2〜24の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、シクロア
ルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基、または−(CH2 CH2 O)x
(CH2 CH2 y −(ただしxはOまたは正数であ
り、yは正数である)を表し、R2 は炭素数1〜24の
直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数6〜24のアリ
ール基、炭素数1〜6のアルキレン基を有する炭素数7
〜24のアラルキル基を表し、平均重合度nは1〜50
の正数を表す。)
【0029】R1 は同一又は異なった炭素数2〜24の
直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、シクロアルキレン基、
シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基、アラルキ
レン基、又は−(CH2 CH2 O)x −(CH2
2 y −(ただしxは0またはの正数であり、yは正
数である。)であり、好ましくは炭素数3〜9の直鎖又
は分岐鎖のアルキレン基である。シクロアルキレン基及
びアリーレン基は置換基を有していてもよく、シクロア
ルキレン基は例えば炭素数4〜24のものが、アリーレ
ン基は例えば炭素数6〜24のものが使用される。ま
た、シクロアルキルアルキレン基は例えばアルキレン基
の炭素数が1〜6で総炭素数4〜24のものが、アラル
キレン基は例えばアルキレン基部分の炭素数が1〜6で
総炭素数7〜24のものが使用される。ここでアラルキ
レン基とはベンジル基、フェネチル基等の芳香環を有す
るアルキル基であるアラルキル基の芳香環から水素原子
を1個除いた2価の基である。また、−(CH2 CH2
O)x −(CH2 CH2 y −としては、x,yが各々
1〜5であるものが好適に使用される。R2 は炭素数1
〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数6〜2
4のアリール基、炭素数1〜6のアルキレン基を有する
炭素数7〜24のアラルキル基を表し、平均重合度nは
1〜50、好ましくは2〜30の正数である。
【0030】このような一般式(III)の第3級アミノア
ルコールにおいて、R1 の炭素数が9より大きく、nが
30より大きい場合、得られた一般式(III)の第3級ア
ミノアルコールの分子量が大きくなり、またR2 の炭素
数、構造により粘度が高くなり使用し難くなる傾向にあ
る。一方、R1 の炭素数が2より小さく、nが2より小
さい場合、分子骨格中の第3級アミノ基の含有量が少な
くなりすぎるため期待される触媒性能が得られない。
【0031】一般式(III) の第3級アミノアルコールは
その分子骨格に第3級アミノ基を有するため、ポリイソ
シアネートと活性水素化合物との反応に対し触媒性能を
持ち、更に末端ヒドロキシル基を有するためにそれ自体
もイソシアネート基と反応しポリウレタン樹脂骨格に組
み込まれ、しかもジオールタイプであるためポリウレタ
ン樹脂の高分子量化を阻害することもなく、最終物性
(熱伝導率、充填性、圧縮強度等)を低下させないとい
う特徴を有している。従って、通常の第3級アミン触媒
に比較し、末端ヒドロキシル基を有し、しかも沸点が高
くなるため、それ自体の臭気が少なくなるとともに、ポ
リウレタン樹脂骨格に組み込まれるためポリウレタン樹
脂や硬質ポリウレタンフォームからの臭気がなくなるた
め商品価値を低下させることがない。
【0032】一般式(III)の第3級アミノアルコール
は、EP公開番号第488219号公報に記載のように
ジオールと第1級アミンから製造することができ、それ
らの種類を変えることで種々の構造、分子量を持ったも
のを得ることができる。一般式(III)の第3級アミノア
ルコール製造用ジオールとしては、直鎖又は分岐鎖の炭
素数2〜24を有するものが用いられ、例えば1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−ヒドロキノン等が挙げられ、これらの混合物を
用いることもできる。また、第1級アミンとしては2個
の活性水素を有する直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜24の
第1級アミン或いは芳香族アミンが挙げられ、例えばメ
チルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブ
チルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、
セチルアミン、ステアリルアミン、ドコシルアミン、オ
レイルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ア
ニリン等を挙げることができ、これらの混合物を用いる
こともできる。
【0033】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
法に用いられる一般式(III)の第3級アミノアルコール
の製造方法について更に詳述する。ジオールと第1級ア
ミンとを反応させ上記一般式(III)の第3級アミノアル
コールを製造するに際し、銅−貴金属を主成分とする触
媒、例えば銅−ニッケル−第8族白金族元素、銅−クロ
ム−第8族白金族元素、銅−亜鉛−第8族白金族元素、
銅−マンガン−第8族白金族元素、銅−鉄−第8族白金
族元素、銅−コバルト−第8族白金族元素等の組成から
なる触媒を使用し、これらの触媒の存在下の反応により
生成する水を連続的に又は断続的に反応系外に除去しな
がら大気圧又は加圧下で150〜250℃の温度で撹拌
して反応させることで目的が達成される。この時、ジオ
ールは反応中に連続的に加えても、あるいは最初から仕
込んでも、あるいは一定量を分割して仕込んでもよい。
また、第1級アミンは反応中連続的又は断続的に仕込む
か、あるいは所定量を一度に仕込んでもよい。ここで第
1級アミンのジオールに対するモル比は0.7倍モル以
上、好ましくは1倍モルである。
【0034】上記の製造方法において、ジオールと第1
級アミンとの反応で生成する水は反応系外へ取り出すの
が好ましい。生成水を系外に取り出さない場合には触媒
活性及び選択性が低下する場合が多い。例えば、生成水
を除去せずに反応を行った場合にはアミンの不均化物が
多くなる。
【0035】水の除去は反応中断続的に行っても連続的
に行ってもよく、生成した水が長時間反応系中に存在せ
ず適宜除去されればよいが、生成水をその都度連続的に
除去することが望ましい。具体的には反応中に適当量の
水素ガスを反応系に導入し、生成水を水素ガスと共に留
出させることが一般的であり、凝縮器で生成水を濃縮分
離することで水素ガスを循環使用することもできる。ま
た反応中に適当な溶媒を加えておき、生成水をこの溶媒
との共沸により留出することもできるし、不活性溶媒を
生成物の粘度を下げる目的で加えてもよい。
【0036】上記の製造方法においては、別途水素ガス
で予め還元した触媒を用いてもよいが、反応原料である
ジオールと一緒に還元前の触媒を反応器に入れ、水素ガ
スを導入しながら反応温度まで昇温することによって触
媒を還元するのが好ましい。
【0037】このようにして得られる一般式(III)の第
3級アミノアルコールは、その分子骨格中の第3級アミ
ノ基含有量と分子量及び側鎖の分子量、構造を選択する
ことができ、要求される反応性に適合した種々の触媒性
能を持った一般式(III)の第3級アミノアルコールを用
いて、種々のポリウレタンを製造することが可能にな
る。
【0038】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
法において、一般式(III)の第3級アミノアルコール
は、ポリオール成分の一つとして任意の割合で使用で
き、触媒性能をコントロールできるとともに、他のポリ
オールと組み合わせることで求められる形状、物性が得
られる。特に、本発明の硬質ポリウレタンフォームの製
造法における前記一般式(III)の第3級アミノアルコー
ルの使用量は、ポリオール成分中1〜50重量%、特に
1〜30重量%が好ましい。
【0039】本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造
法においては、上記ポリイソシアネート成分とポリオー
ル成分とに加えて、必要に応じて触媒、界面活性剤、整
泡剤、着色剤、難燃剤、安定化剤等を用いて常法により
製造される。これら添加剤の種類及び添加量について
は、通常使用される種類及び使用範囲において充分使用
できる。
【0040】更に必要に応じて架橋剤を用いることがで
きる。かかる架橋剤としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール等のグリコール類、また、グリセリン、
ペンタエリスリトール、ソルビタン等の多価アルコール
類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のア
ルカノールアミン類、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン等の脂肪族ポリアミン類、4,4−ジフェニル
メタンジアミン等の芳香族ジアミン類が使用できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0042】実施例1〜7、比較例1〜6 硬質ポリウレタンフォーム製造のための原料を表1およ
び表2に示す配合組成とし、通常の手順に従ってウレタ
ン発泡を実施した。すなわち、ポリイソシアネート、ポ
リオール、発泡剤、整泡剤、および触媒を混合・撹拌
し、40℃に保った20×20×5cmの金型内に注入
し、10分後脱型し、硬質ポリウレタンフォームを得て
各種評価のサンプルとした。実施例、比較例ともに、発
泡剤として低沸点フロンである1,1,1−トリクロロ
ジフルオロエタン(沸点−10℃)(HCFC−142
b)60%、クロロジフルオロメタン(沸点−41℃)
(HCFC−22)40%の混合物を使用した。
【0043】ポリオールとしては、実施例1〜7が高粘
度ポリオールである旭硝子社製芳香族アミン系ポリエー
テルポリオール(ポリオールC:粘度7000cpsま
たはポリオールD:粘度30000cps)を、比較例
1〜6は、低粘度ポリオール住友バイエルウレタン社製
シュークローズ系ポリエーテルポリオール(ポリオール
A:粘度2000cps)または住友バイエルウレタン
社製シュークローズ系ポリエーテルポリオール(ポリオ
ールB:粘度4000cps)を使用した。またアミノ
アルコールとして用いたのは、一般式(III)の第3級ア
ミノアルコールに属するアミノアルコールであって一般
式(III) 中、R1 がC6 12により、R2 がC3 7
より、そしてn=2.7により表される化合物である。
この化合物は、前述のように触媒としてもポリオール成
分としても機能する。なお、この化合物は2個のアルコ
ールのうちの一方がR2 に置換されたものを不純物とし
て約20%含んでいても使用に支障はない。またKLN
o.1はN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチ
レンジアミンである。シリコン(日本ユニカー社製L−
5340)は製泡剤として使用した。製泡剤は、その界
面活性効果により微細かつ均一なセルの形成を促進する
ために使用した。
【0044】フロスボイド、熱伝導率及び充填性は以下
の方法で測定した。 フロスボイドは、50cm×50cmの表面上のフロ
スボイド(直径1cm以上)の数を測定し、5個以下は
○、6〜20個は△、21〜50個は×、51個以上は
××で表示した。○は現行フロン並みの良好なフォーム
を、△は多少ボイドはあるが、使用に問題ない程度を、
×は断熱材として製品化困難な程度を表す。 熱伝導率は、測定サンプル200×200×25m
m、測定温度23.85℃においてアナコンモデル88
により測定した。0.0160(Kcal/mh℃)以
下が断熱剤として良好であることを示す。 充填性は、40℃に温調したアルミ製逆L字型モール
ドに、原料350gを注入したときの成形品の長さ(c
m/350g)で表した。67(cm/350g)以上
が良好な充填性を意味する。 結果を表1および表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】なお、表中、GT(sec)は、鋭利な物
質の先端を硬質ポリウレタンフォームの表面に接触さ
せ、引き離したときに、樹脂が糸状に伸びるようになる
までの時間を示し、RT(sec)は硬質ポリウレタン
フォームが最大の体積を示すまでの時間を意味する。
【0048】表1および表2から以下のことが明らかと
なる。実施例1および2と比較例1および2(第1群)
とを比較すると、低粘度ポリオールであるポリオールA
を使用した比較例1では、フロスボイドが多く、断熱
性、充填性とも劣る硬質ポリウレタンフォームしか得ら
れず、ポリオールAよりは粘度の高い低粘度ポリオール
Bを用いた場合でもフロスボイドガ多く断熱性に劣る硬
質ポリウレタンフォームしか得られなかったのに対し、
高粘度ポリオール(ポリオールCまたはポリオールD)
を使用した実施例1または2にあっては、何れの場合も
フロスボイド、熱伝導率、充填率のすべての点で優れた
硬質ポリウレタンフォームが得られた。低沸点フロンと
高粘度ポリオールの組み合わせのメリットが明らかであ
る。
【0049】実施例3と4および比較例3と4(第2
群)の比較でも、上記の結果と同様の成績が得られた。
これらの実験では、ポリオール100gの代わりにポリ
オール90gとアミノアルコール10gの混合物を使用
しており、一般式(III)の第3級アミノアルコールが示
す優れた触媒活性により、第1群の成績より全体として
良好な結果が得られている。しかし、実施例3、4と比
較例3、4の比較でも、低粘度ポリオールを使用した比
較例3がフロスボイド、充填性において劣り、ポリオー
ルAよりは粘度の高い低粘度ポリオールBを使用した比
較例4においてもフロスボイドの点で問題が残るのに対
し、高粘度ポリオールを使用した実施例3および4にお
いては、フロスボイド、断熱性、充填性のいずれの点で
も極めて優れた硬質ポリウレタンフォームが得られた。
【0050】次に第3群として低沸点フロンの量を40
gから35gに減らし、第1群、第2群と同様の実験を
行った。ここでも低粘度ポリオールを使用した比較例5
および6では、フロスボイドおよび断熱性のいずれの点
においても劣悪な硬質ポリウレタンフォームしか得られ
なかったが、高粘度ポリオールを使用した実施例5、6
および7では、フロスボイド、断熱性、充填性のすべて
の面で満足すべき硬質ポリウレタンフォームが得られ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造法を用いることにより、オ
ゾン破壊係数の小さな低沸点フロンを使用するにも拘わ
らず、フロスボイド、断熱性、充填性において現行フロ
ンを用いる場合と同様の優れた性能を有する硬質ポリウ
レタンフォームを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 101:00) C08L 75:04 (72)発明者 諌山 康敏 和歌山県和歌山市有本221−13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアネート成分とポリオール成
    分を発泡剤および触媒の存在下に反応させて硬質ポリウ
    レタンフォームを製造するに際し、ポリオール成分とし
    て25℃における粘度が6000〜50000cpsの
    ポリオール、および発泡剤として沸点が0℃以下の低沸
    点フロンの1種以上を用いることを特徴とする硬質ポリ
    ウレタンフォームの製造法。
  2. 【請求項2】 低沸点フロンが、クロロジフルオロエタ
    ン、1,1,1−トリクロロジフルオロエタン、1,
    1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2,
    2−ペンタフルオロエタン、および1,1−ジフルオロ
    エタンから成る群より選ばれる請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 ポリオールが一般式(I) で表されるも
    のである請求項1または2記載の製造法。 【化1】 (式中、A1 O〜A4 Oはそれぞれプロピレンオキシド
    および/またはエチレンオキシドを表し、p1 ,q1
    1 ,s1 はそれぞれ1以上の整数を表し、p1+q1
    +r1 +s1 は4〜100を表す。)
  4. 【請求項4】 ポリオールが一般式(II) で表されるも
    のである請求項3記載の製造法。 【化2】 (式中、POはプロピレンオキシドを表し、p2
    2 ,r2 ,s2 は1以上の整数を表し、p2 +q2
    2 +s2 は4〜30を表す。)
  5. 【請求項5】 一般式(II)においてp2 +q2 +r2
    +s2 が4〜16である請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】 触媒が一般式 (III)で表される第3級ア
    ミノアルコールである請求項1、2または3記載の製造
    法。 【化3】 (式中、R1 は同一または異なった炭素数2〜24の直
    鎖または分岐鎖のアルキレン基、シクロアルキレン基、
    シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基、アラルキ
    レン基、または−(CH2 CH2 O)x −(CH2 CH
    2 y −(ただしxはOまたは正数であり、yは正数で
    ある)を表し、R2 は炭素数1〜24の直鎖または分岐
    鎖のアルキル基、炭素数6〜24のアリール基、炭素数
    1〜6のアルキレン基を有する炭素数7〜24のアラル
    キル基を表し、平均重合度nは1〜50の正数を表
    す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220097096A1 (en) * 2020-09-30 2022-03-31 Johns Manville Multiple immediate pass application of high thickness spray foams
US11717848B2 (en) * 2020-09-30 2023-08-08 Johns Manville Multiple immediate pass application of high thickness spray foams

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