JPH06263589A - 単結晶の製造方法 - Google Patents
単結晶の製造方法Info
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- JPH06263589A JPH06263589A JP4401693A JP4401693A JPH06263589A JP H06263589 A JPH06263589 A JP H06263589A JP 4401693 A JP4401693 A JP 4401693A JP 4401693 A JP4401693 A JP 4401693A JP H06263589 A JPH06263589 A JP H06263589A
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- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 液体封止回転引上げ法により育成される化合
物半導体単結晶の転位密度を安定して低減する。 【構成】 ダミ−結晶表面温度測定結果に基づく液体封
止剤と炉内雰囲気ガスとの界面近傍の炉内雰囲気ガス中
における引上げ軸方向温度勾配Gガスと液体封止剤と炉
内雰囲気ガスとの界面近傍の液体封止剤中における引上
げ軸方向温度勾配G封止剤との比(G封止剤/Gガス)
の値を化合物半導体の引上げ育成中を通して2以下とす
る様に制御することを特徴とする。
物半導体単結晶の転位密度を安定して低減する。 【構成】 ダミ−結晶表面温度測定結果に基づく液体封
止剤と炉内雰囲気ガスとの界面近傍の炉内雰囲気ガス中
における引上げ軸方向温度勾配Gガスと液体封止剤と炉
内雰囲気ガスとの界面近傍の液体封止剤中における引上
げ軸方向温度勾配G封止剤との比(G封止剤/Gガス)
の値を化合物半導体の引上げ育成中を通して2以下とす
る様に制御することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体封止引上げ法によ
る単結晶の製造方法に関する。
る単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液体封止引上げ法による単結晶の製造方
法は所望の結晶学的方位を有する単結晶を製造すること
が容易である、大容量の原料融液から大口径、長尺の単
結晶を製造するに適している、製造装置が比較的複雑で
なく製造の安定性が高いという点から、従来液体封止引
上げ法により化合物半導体単結晶の成長が盛んに行われ
ている。
法は所望の結晶学的方位を有する単結晶を製造すること
が容易である、大容量の原料融液から大口径、長尺の単
結晶を製造するに適している、製造装置が比較的複雑で
なく製造の安定性が高いという点から、従来液体封止引
上げ法により化合物半導体単結晶の成長が盛んに行われ
ている。
【0003】また、化合物半導体単結晶中には転位と呼
ばれる結晶の欠陥が多数存在しており、化合物半導体単
結晶から切り出したウエ−ハ上に形成される種々の電子
装置・光装置の特性に悪影響をおよぼすことが広く知ら
れている。従って、液体封止引き上げ法においても、従
来より成長単結晶の転位密度を低減させるための検討が
種々行なわれてきた。
ばれる結晶の欠陥が多数存在しており、化合物半導体単
結晶から切り出したウエ−ハ上に形成される種々の電子
装置・光装置の特性に悪影響をおよぼすことが広く知ら
れている。従って、液体封止引き上げ法においても、従
来より成長単結晶の転位密度を低減させるための検討が
種々行なわれてきた。
【0004】この様な転位密度を低減させるための考え
方は、単結晶の引上げ育成中の熱環境を最適化するとい
う曖昧な表現によってのみ示されており、具体的な問題
解決の手法が不明であった。そのため従来転位密度を低
減させるための実際の施策は試行錯誤に頼らざるを得
ず、色々な形状を持った加熱体を製作したり、色々な熱
遮蔽体や保温部材を考案して組み合わせたり、複数の加
熱体を採用したりして熱環境を変化させたり、また、液
体封止剤の厚さを変化させて単結晶の引上げ育成を行な
っていた。しかしながら上述した従来の方法においては
転位密度の充分少ない単結晶を得ることができなかっ
た。
方は、単結晶の引上げ育成中の熱環境を最適化するとい
う曖昧な表現によってのみ示されており、具体的な問題
解決の手法が不明であった。そのため従来転位密度を低
減させるための実際の施策は試行錯誤に頼らざるを得
ず、色々な形状を持った加熱体を製作したり、色々な熱
遮蔽体や保温部材を考案して組み合わせたり、複数の加
熱体を採用したりして熱環境を変化させたり、また、液
体封止剤の厚さを変化させて単結晶の引上げ育成を行な
っていた。しかしながら上述した従来の方法においては
転位密度の充分少ない単結晶を得ることができなかっ
た。
【0005】一方液体封止引上げ法に比べて比較的容易
に、転位密度の低い結晶を製造できる方法としてブリッ
ジマン法と温度勾配徐冷法がある。これらの方法では、
単結晶育成方向の温度勾配(育成方向温度を育成方向に
1次微分した値)を低くできるため転位密度の低い結晶
を製造できる。しかしながら、これらの方法では所望の
結晶学的方位の単結晶を得られない、大口径、長尺の単
結晶を得ることができない等の問題点を有していた。
に、転位密度の低い結晶を製造できる方法としてブリッ
ジマン法と温度勾配徐冷法がある。これらの方法では、
単結晶育成方向の温度勾配(育成方向温度を育成方向に
1次微分した値)を低くできるため転位密度の低い結晶
を製造できる。しかしながら、これらの方法では所望の
結晶学的方位の単結晶を得られない、大口径、長尺の単
結晶を得ることができない等の問題点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたような従来
の液体封止引上げ法では、比較的大口径、長尺の単結晶
は得られるが充分に転位密度の低い単結晶を得ることが
できなかった。
の液体封止引上げ法では、比較的大口径、長尺の単結晶
は得られるが充分に転位密度の低い単結晶を得ることが
できなかった。
【0007】本発明は、液体封止引き上げ法において、
ブリッジマン法或いは温度勾配徐冷法と同等の転位密度
の単結晶を製造する単結晶の製造方法を提供することを
目的とする。
ブリッジマン法或いは温度勾配徐冷法と同等の転位密度
の単結晶を製造する単結晶の製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これまで液
体封止回転引上げ法により育成される化合物半導体単結
晶の低転位密度化を目指して鋭意検討を行なってきた。
特に、発熱体を複数個用いて単結晶の育成熱環境を変化
させる検討の中で、化合物半導体単結晶原料融液、液体
封止剤を収容した坩堝内および坩堝周囲の温度測定を実
施しながら熱環境の制御方針を探っていた。以下に本発
明者が行った研究方法を示す。
体封止回転引上げ法により育成される化合物半導体単結
晶の低転位密度化を目指して鋭意検討を行なってきた。
特に、発熱体を複数個用いて単結晶の育成熱環境を変化
させる検討の中で、化合物半導体単結晶原料融液、液体
封止剤を収容した坩堝内および坩堝周囲の温度測定を実
施しながら熱環境の制御方針を探っていた。以下に本発
明者が行った研究方法を示す。
【0009】まず、製造される化合物半導体単結晶とお
おむね等しい形状でかつ、おおむね等しい輻射率を有す
る物質を前記化合物半導体単結晶に見立てて、この物質
(以下ダミ−結晶と呼ぶ)の液体封止剤表面上1cmで
の表面温度、液体封止剤表面での表面温度及び液体封止
剤表面下1cmでの表面温度を測定した。また、化合物
半導体単結晶の成長に対応する5段階のダミー結晶を用
意し、それぞれ以下の形状とした。
おむね等しい形状でかつ、おおむね等しい輻射率を有す
る物質を前記化合物半導体単結晶に見立てて、この物質
(以下ダミ−結晶と呼ぶ)の液体封止剤表面上1cmで
の表面温度、液体封止剤表面での表面温度及び液体封止
剤表面下1cmでの表面温度を測定した。また、化合物
半導体単結晶の成長に対応する5段階のダミー結晶を用
意し、それぞれ以下の形状とした。
【0010】1つは種結晶から所望の直径にまで直径を
広げた状態であり、結晶が全て液体封止剤の中に漬って
いる状態(図1)、1つは定径に達して結晶の肩(種結
晶から所望の直径にまで直径を広げた部分)の半分が液
体封止剤の上に出ている状態(図2)、1つは肩部が全
部液体封止剤の上に出ている状態(図3)、1つは所望
の長さの成長が終了しテイリング(直径を細くしていく
過程)を始める直前の状態(図4)である。図中14、
24、34、44はダミー結晶、12は液体封止剤、1
3は液体封止剤表面、15は原料融液、11はダミー結
晶の表面温度測定位置を表す。
広げた状態であり、結晶が全て液体封止剤の中に漬って
いる状態(図1)、1つは定径に達して結晶の肩(種結
晶から所望の直径にまで直径を広げた部分)の半分が液
体封止剤の上に出ている状態(図2)、1つは肩部が全
部液体封止剤の上に出ている状態(図3)、1つは所望
の長さの成長が終了しテイリング(直径を細くしていく
過程)を始める直前の状態(図4)である。図中14、
24、34、44はダミー結晶、12は液体封止剤、1
3は液体封止剤表面、15は原料融液、11はダミー結
晶の表面温度測定位置を表す。
【0011】これらのダミ−結晶の温度測定に当たり、
原料融液は初期の量から、それぞれのダミ−結晶の体積
に見合った量を除いた量を坩堝に充填した。また、ダミ
−結晶の融液と接する部分は、化合物半導体の融点にな
る様に調整した。成長が全て終了した段階のダミ−結晶
を用いる場合には、原料融液は坩堝内に充填せず、液体
封止剤のみを充填した。この様な一連の温度測定は、種
々の熱環境の基で実施し、この時のヒータに加える電圧
のデータを取り、このデータを基にして、実際に単結晶
の育成も行なった。
原料融液は初期の量から、それぞれのダミ−結晶の体積
に見合った量を除いた量を坩堝に充填した。また、ダミ
−結晶の融液と接する部分は、化合物半導体の融点にな
る様に調整した。成長が全て終了した段階のダミ−結晶
を用いる場合には、原料融液は坩堝内に充填せず、液体
封止剤のみを充填した。この様な一連の温度測定は、種
々の熱環境の基で実施し、この時のヒータに加える電圧
のデータを取り、このデータを基にして、実際に単結晶
の育成も行なった。
【0012】図5に上記実験方法により化合物半導体と
してガリウム砒素の単結晶育成を模擬して温度測定を行
い、実際にこの温度データを実現するようにヒータを制
御しながらガリウム砒素単結晶を成長したときの実験結
果を示す。ダミー結晶の液体封止剤表面上1cmでの温
度と液体封止剤表面での温度の温度差(以下Gガスと記
す)と液体封止剤表面での温度と液体封止剤表面下1c
mでの温度の温度差(以下G封止剤と記す)との比G封
止剤/Gガスの値を横軸に取り、実際に成長を行った成
長単結晶の最大転位密度を縦軸に取りその関係を示す。
また、図中にはブリッジマン法・温度勾配徐冷法により
製造される単結晶の平均的な転位密度も合わせて示す。
してガリウム砒素の単結晶育成を模擬して温度測定を行
い、実際にこの温度データを実現するようにヒータを制
御しながらガリウム砒素単結晶を成長したときの実験結
果を示す。ダミー結晶の液体封止剤表面上1cmでの温
度と液体封止剤表面での温度の温度差(以下Gガスと記
す)と液体封止剤表面での温度と液体封止剤表面下1c
mでの温度の温度差(以下G封止剤と記す)との比G封
止剤/Gガスの値を横軸に取り、実際に成長を行った成
長単結晶の最大転位密度を縦軸に取りその関係を示す。
また、図中にはブリッジマン法・温度勾配徐冷法により
製造される単結晶の平均的な転位密度も合わせて示す。
【0013】この結果から発明者はG封止剤/Gガスの
値は転位密度と非常に良い相関を持つパラメ−タである
ことを見いだした。また、この図を基にして、ブリッジ
マン法・温度勾配徐冷法により製造される単結晶並の低
転位密度の単結晶を製造するための条件は、G封止剤/
Gガスの値が2以下であれば良いことを確認した。化合
物半導体としてガリウム砒素以外、インジウム燐、ガリ
ウム燐、インジウム砒素の場合にも上述のガリウム砒素
の実験結果と同様であり、ブリッジマン法・温度勾配徐
冷法により製造される単結晶並の低転位密度の単結晶を
製造するための条件は、G封止剤/Gガスの値が2以下
であれば良いことが分かった。
値は転位密度と非常に良い相関を持つパラメ−タである
ことを見いだした。また、この図を基にして、ブリッジ
マン法・温度勾配徐冷法により製造される単結晶並の低
転位密度の単結晶を製造するための条件は、G封止剤/
Gガスの値が2以下であれば良いことを確認した。化合
物半導体としてガリウム砒素以外、インジウム燐、ガリ
ウム燐、インジウム砒素の場合にも上述のガリウム砒素
の実験結果と同様であり、ブリッジマン法・温度勾配徐
冷法により製造される単結晶並の低転位密度の単結晶を
製造するための条件は、G封止剤/Gガスの値が2以下
であれば良いことが分かった。
【0014】本発明の骨子は、以上述べた様な知見に基
づくもので、液体封止引上げ法により製造される化合物
半導体単結晶の転位密度をブリッジマン法・温度勾配徐
冷法並に低くすることをその要旨とする。
づくもので、液体封止引上げ法により製造される化合物
半導体単結晶の転位密度をブリッジマン法・温度勾配徐
冷法並に低くすることをその要旨とする。
【0015】上記目的を達成するために本発明は、液体
封止引き上げ法により単結晶を製造するにあたり、成長
単結晶の液体封止剤表面での温度及び液体封止剤表面下
1cmでの温度の温度差(G封止剤)と液体封止剤表面
上1cmの温度及び液体封止剤表面での温度の温度差
(Gガス)との比(G封止剤/Gガス)を前記単結晶の
引き上げ育成中を通して2以下とすることを特徴とする
単結晶の製造方法を提供するものである。
封止引き上げ法により単結晶を製造するにあたり、成長
単結晶の液体封止剤表面での温度及び液体封止剤表面下
1cmでの温度の温度差(G封止剤)と液体封止剤表面
上1cmの温度及び液体封止剤表面での温度の温度差
(Gガス)との比(G封止剤/Gガス)を前記単結晶の
引き上げ育成中を通して2以下とすることを特徴とする
単結晶の製造方法を提供するものである。
【0016】また、発明者らの研究の結果、1個の発熱
体によって加熱される坩堝の単結晶育成方向温度分布の
測定結果では、単結晶引上げ軸方向の温度分布の変曲点
の位置が液体封止剤と雰囲気ガスの界面つまり液体封止
剤表面の位置に存在することを見いだした。この位置に
おける引上げ軸方向温度勾配の急激な変化が避けられな
いために、ブリッジマン法・温度勾配徐冷法により製造
される単結晶並の低転位密度の単結晶を製造することが
できないことが分かった。従って、本発明の温度条件を
達成するにあたり、複数個の加熱体を用いることが望ま
しい。
体によって加熱される坩堝の単結晶育成方向温度分布の
測定結果では、単結晶引上げ軸方向の温度分布の変曲点
の位置が液体封止剤と雰囲気ガスの界面つまり液体封止
剤表面の位置に存在することを見いだした。この位置に
おける引上げ軸方向温度勾配の急激な変化が避けられな
いために、ブリッジマン法・温度勾配徐冷法により製造
される単結晶並の低転位密度の単結晶を製造することが
できないことが分かった。従って、本発明の温度条件を
達成するにあたり、複数個の加熱体を用いることが望ま
しい。
【0017】また、成長界面(原料融液と成長結晶との
界面)近傍の引上げ軸方向温度勾配を緩やかにすること
は、双晶の発生や多結晶粒界の発生を招き単結晶化率を
低下させるので好ましくないことが分かった。本願発明
は、双晶の発生や多結晶粒界の発生を招く温度勾配の緩
やかな熱環境を取る必要がなく、G封止剤/Gガスを2
以下にさえすれば良いので、双晶の発生や多結晶粒界の
発生を防ぐことができる。
界面)近傍の引上げ軸方向温度勾配を緩やかにすること
は、双晶の発生や多結晶粒界の発生を招き単結晶化率を
低下させるので好ましくないことが分かった。本願発明
は、双晶の発生や多結晶粒界の発生を招く温度勾配の緩
やかな熱環境を取る必要がなく、G封止剤/Gガスを2
以下にさえすれば良いので、双晶の発生や多結晶粒界の
発生を防ぐことができる。
【0018】また、本発明において、G封止剤/Gガス
を2以下に制御するのは少なくとも成長単結晶のテイル
が液体封止剤から完全にでるまでであれば、成長インゴ
ット全長にわたって、低転移密度の単結晶を得ることが
できる。
を2以下に制御するのは少なくとも成長単結晶のテイル
が液体封止剤から完全にでるまでであれば、成長インゴ
ット全長にわたって、低転移密度の単結晶を得ることが
できる。
【0019】
【作用】液体封止剤と炉内雰囲気ガスとの界面近傍の炉
内雰囲気ガス中における引上げ軸方向温度勾配と液体封
止剤と炉内雰囲気ガスとの界面近傍の液体封止剤中にお
ける引上げ軸方向温度勾配との比(封止在中/ガス中)
を結晶成長中2以下に保つことによって低転位密度を達
成できる。
内雰囲気ガス中における引上げ軸方向温度勾配と液体封
止剤と炉内雰囲気ガスとの界面近傍の液体封止剤中にお
ける引上げ軸方向温度勾配との比(封止在中/ガス中)
を結晶成長中2以下に保つことによって低転位密度を達
成できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例につき図面を参照し
て、液体封止回転引上げ法によるガリウム砒素単結晶の
製造工程の中で説明する。図6は液体封止回転引き上げ
法の単結晶製造装置である。
て、液体封止回転引上げ法によるガリウム砒素単結晶の
製造工程の中で説明する。図6は液体封止回転引き上げ
法の単結晶製造装置である。
【0021】先ず、単結晶の製造に先立って、高圧容器
61の中に片封じ石英管62で保護したW熱電対63を
引上げ軸64に取り付け、実際の単結晶成長と同じ様に
原料融液(GaAs)65、液体封止剤(B2 O3 )6
6を坩堝67の中に収容した状態(単結晶引上げ育成直
前の状態)を再現した。次いで、引上げ軸64を上下に
昇降させることによって熱電対63を引上げ軸方向に移
動させて、温度測定を行なった。この時、液体封止剤6
6の表面での温度及び液体封止剤66の表面下1cmで
の温度の温度差(G封止剤)と液体封止剤66の表面上
1cmの温度及び液体封止剤66の表面での温度の温度
差(Gガス)をそれぞれ求めて、これらの値の比(G封
止剤/Gガス)が2以下になるように上部ヒ−タ68及
び下部ヒ−タ69への入力電力の比の範囲を決定した。
61の中に片封じ石英管62で保護したW熱電対63を
引上げ軸64に取り付け、実際の単結晶成長と同じ様に
原料融液(GaAs)65、液体封止剤(B2 O3 )6
6を坩堝67の中に収容した状態(単結晶引上げ育成直
前の状態)を再現した。次いで、引上げ軸64を上下に
昇降させることによって熱電対63を引上げ軸方向に移
動させて、温度測定を行なった。この時、液体封止剤6
6の表面での温度及び液体封止剤66の表面下1cmで
の温度の温度差(G封止剤)と液体封止剤66の表面上
1cmの温度及び液体封止剤66の表面での温度の温度
差(Gガス)をそれぞれ求めて、これらの値の比(G封
止剤/Gガス)が2以下になるように上部ヒ−タ68及
び下部ヒ−タ69への入力電力の比の範囲を決定した。
【0022】次に、図7に示す様に単結晶が約半分成長
した状態(図1の状態)を模擬し、窒化硼素の焼結体製
のダミ−結晶71の表面温度を、ダミ−結晶71の表面
に取り付けた熱電対72によって測定した。この時、液
体封止剤66の表面での温度及び液体封止剤66の表面
下1cmでの温度の温度差(G封止剤)と液体封止剤6
6の表面上1cmの温度及び液体封止剤66の表面での
温度の温度差(Gガス)をそれぞれ求めて、これらの値
の比(G封止剤/Gガス)が2以下になるように上部ヒ
−タ68及び下部ヒ−タ69への入力電力の比の範囲を
決定した。この場合には、坩堝に挿入した原料融液65
は、図6に示した場合に用いた量の半分とした。
した状態(図1の状態)を模擬し、窒化硼素の焼結体製
のダミ−結晶71の表面温度を、ダミ−結晶71の表面
に取り付けた熱電対72によって測定した。この時、液
体封止剤66の表面での温度及び液体封止剤66の表面
下1cmでの温度の温度差(G封止剤)と液体封止剤6
6の表面上1cmの温度及び液体封止剤66の表面での
温度の温度差(Gガス)をそれぞれ求めて、これらの値
の比(G封止剤/Gガス)が2以下になるように上部ヒ
−タ68及び下部ヒ−タ69への入力電力の比の範囲を
決定した。この場合には、坩堝に挿入した原料融液65
は、図6に示した場合に用いた量の半分とした。
【0023】次に、図8に示す様に単結晶の育成が終了
した直後の状態(図4の状態)を模擬し、窒化硼素の焼
結体製のダミ−結晶81の表面温度を、ダミ−結晶81
の表面に取り付けた熱電対72によって測定した。この
時、液体封止剤66の表面での温度及び液体封止剤66
の表面下1cmでの温度の温度差(G封止剤)と液体封
止剤66の表面上1cmの温度及び液体封止剤66の表
面での温度の温度差(Gガス)をそれぞれ求めて、これ
らの値の比(G封止剤/Gガス)が2以下になるように
上部ヒ−タ68及び下部ヒ−タ69への入力電力の比の
範囲を決定した。この場合には、原料融液を坩堝67内
には収容せず、液体封止剤66のみを収容しておいた。
した直後の状態(図4の状態)を模擬し、窒化硼素の焼
結体製のダミ−結晶81の表面温度を、ダミ−結晶81
の表面に取り付けた熱電対72によって測定した。この
時、液体封止剤66の表面での温度及び液体封止剤66
の表面下1cmでの温度の温度差(G封止剤)と液体封
止剤66の表面上1cmの温度及び液体封止剤66の表
面での温度の温度差(Gガス)をそれぞれ求めて、これ
らの値の比(G封止剤/Gガス)が2以下になるように
上部ヒ−タ68及び下部ヒ−タ69への入力電力の比の
範囲を決定した。この場合には、原料融液を坩堝67内
には収容せず、液体封止剤66のみを収容しておいた。
【0024】以上の温度測定から、図6から図8に示し
た3つの段階で決定した上部ヒ−タ68と下部ヒ−タ6
9への入力電力の比の範囲を越えないことをヒ−タ入力
電力の制御指針とし、更に上部ヒ−タ68と下部ヒ−タ
69への入力電力の比は、単結晶の成長に伴って連続的
に変化させるようにして、実際にガリウム砒素単結晶の
製造を行う。
た3つの段階で決定した上部ヒ−タ68と下部ヒ−タ6
9への入力電力の比の範囲を越えないことをヒ−タ入力
電力の制御指針とし、更に上部ヒ−タ68と下部ヒ−タ
69への入力電力の比は、単結晶の成長に伴って連続的
に変化させるようにして、実際にガリウム砒素単結晶の
製造を行う。
【0025】図9において、本発明の第1の実施例とし
て液体封止回転引き上げ法によりガリウム砒素単結晶の
製造方法を説明する。図中61は高圧容器であり、この
容器61内には坩堝67、上部ヒ−タ68及び下部ヒ−
タ69が配置されている。坩堝67内にはガリウム砒素
原料融液65及び液体封止剤として酸化硼素66が収容
されている。なお、これらはガリウム砒素結晶の原料と
酸化硼素とを坩堝67に充填した後、加熱融解すること
によって2層状態となるものである。坩堝67は回転軸
91に取り付けられており、この軸91により回転及び
昇降できる機構になっている。上部ヒ−タ68及び下部
ヒ−タ69はグラファイトからなるもので、坩堝67と
同心的に設置されている。
て液体封止回転引き上げ法によりガリウム砒素単結晶の
製造方法を説明する。図中61は高圧容器であり、この
容器61内には坩堝67、上部ヒ−タ68及び下部ヒ−
タ69が配置されている。坩堝67内にはガリウム砒素
原料融液65及び液体封止剤として酸化硼素66が収容
されている。なお、これらはガリウム砒素結晶の原料と
酸化硼素とを坩堝67に充填した後、加熱融解すること
によって2層状態となるものである。坩堝67は回転軸
91に取り付けられており、この軸91により回転及び
昇降できる機構になっている。上部ヒ−タ68及び下部
ヒ−タ69はグラファイトからなるもので、坩堝67と
同心的に設置されている。
【0026】単結晶製造に際しては、引上げ軸64の下
端の種結晶92を液体封止剤66を通してガリウム砒素
融液65に接触させ、当該融液65に種結晶92を十分
馴染ませる。その後、引上げ軸64を徐々に上昇させる
ことにより、ガリウム砒素単結晶93を引上げる構造と
なっている。
端の種結晶92を液体封止剤66を通してガリウム砒素
融液65に接触させ、当該融液65に種結晶92を十分
馴染ませる。その後、引上げ軸64を徐々に上昇させる
ことにより、ガリウム砒素単結晶93を引上げる構造と
なっている。
【0027】次に、上記装置を用いた、珪素添加n型ガ
リウム砒素単結晶の製造方法について説明する。本実施
例においては直径100mmの熱分解窒化硼素製の坩堝
67に原料融液はガリウムと砒素の直接合成によって1
kg充填し、液体封止剤には低水分濃度の酸化硼素を3
30g用いた。添加した珪素の量は、0.2gとした。
単結晶の引上げ育成を開始する際には、前述の実験で求
めた上部ヒ−タ68及び下部ヒ−タ69への入力電力の
比の範囲を保ったまま入力電力の総和を調整した。ガリ
ウム砒素単結晶93が引上げ成長するに従って上部ヒ−
タ68及び下部ヒ−タ69への入力電力の比を所望の範
囲に保ったまま、直径制御を行なうために入力電力の総
和を調整した。このようにヒ−タ入力電力を制御して製
造したガリウム砒素単結晶は直径52mm長さ100m
mとなった。
リウム砒素単結晶の製造方法について説明する。本実施
例においては直径100mmの熱分解窒化硼素製の坩堝
67に原料融液はガリウムと砒素の直接合成によって1
kg充填し、液体封止剤には低水分濃度の酸化硼素を3
30g用いた。添加した珪素の量は、0.2gとした。
単結晶の引上げ育成を開始する際には、前述の実験で求
めた上部ヒ−タ68及び下部ヒ−タ69への入力電力の
比の範囲を保ったまま入力電力の総和を調整した。ガリ
ウム砒素単結晶93が引上げ成長するに従って上部ヒ−
タ68及び下部ヒ−タ69への入力電力の比を所望の範
囲に保ったまま、直径制御を行なうために入力電力の総
和を調整した。このようにヒ−タ入力電力を制御して製
造したガリウム砒素単結晶は直径52mm長さ100m
mとなった。
【0028】得られたガリウム砒素単結晶はスリップ状
の転位の列が全く観察されることがなく、転位密度の最
大値は2500cm-2であった。同様の条件で更に5回
の引上げ成長を行なったが、いすれも双晶や多結晶化の
無い優れた単結晶が製造できた。
の転位の列が全く観察されることがなく、転位密度の最
大値は2500cm-2であった。同様の条件で更に5回
の引上げ成長を行なったが、いすれも双晶や多結晶化の
無い優れた単結晶が製造できた。
【0029】本発明は上記実施例に限られるものではな
い。例えば、加熱体は2個以上複数個設けても良いし、
材質もグラファイトに限るものではない。また、加熱手
段として他の適当な構成を利用することも可能である。
また、成長する結晶もガリウム砒素に限らずガリウム
燐、インジウム燐等のIII-V族化合物半導体、カドミウ
ムテルライド等のII-VI 族化合物半導体など他の化合物
半導体単結晶であっても良い。雰囲気ガスもAr,N2
等でも良い。その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない
範囲で種々変形して実施することができる。
い。例えば、加熱体は2個以上複数個設けても良いし、
材質もグラファイトに限るものではない。また、加熱手
段として他の適当な構成を利用することも可能である。
また、成長する結晶もガリウム砒素に限らずガリウム
燐、インジウム燐等のIII-V族化合物半導体、カドミウ
ムテルライド等のII-VI 族化合物半導体など他の化合物
半導体単結晶であっても良い。雰囲気ガスもAr,N2
等でも良い。その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない
範囲で種々変形して実施することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化合物半
導体単結晶の製造方法によれば、液体封止回転引上げ法
の利点を犠牲にすることなく育成される単結晶の転位密
度をブリッジマン法・温度勾配徐冷法により育成される
化合物半導体単結晶並の値に低減することができる。
導体単結晶の製造方法によれば、液体封止回転引上げ法
の利点を犠牲にすることなく育成される単結晶の転位密
度をブリッジマン法・温度勾配徐冷法により育成される
化合物半導体単結晶並の値に低減することができる。
【図1】 本発明の単結晶育成時の熱環境を測定する工
程を説明するための図。
程を説明するための図。
【図2】 本発明の単結晶育成時の熱環境を測定する工
程を説明するための図。
程を説明するための図。
【図3】 本発明の単結晶育成時の熱環境を測定する工
程を説明するための図。
程を説明するための図。
【図4】 本発明の単結晶育成時の熱環境を測定する工
程を説明するための図。
程を説明するための図。
【図5】 (G封止剤/Gガス)比と成長単結晶の転位
密度の最大値との関係を示す特性図。
密度の最大値との関係を示す特性図。
【図6】 本発明の第1の実施例に係る単結晶育成時の
熱環境を測定する工程を説明するための図。
熱環境を測定する工程を説明するための図。
【図7】 本発明の第1の実施例に係る単結晶育成時の
熱環境を測定する工程を説明するための図。
熱環境を測定する工程を説明するための図。
【図8】 本発明の第1の実施例に係る単結晶育成時の
熱環境を測定する工程を説明するための図。
熱環境を測定する工程を説明するための図。
【図9】 本発明の第1の実施例に係るガリウム砒素半
導体製造方法を説明する図。
導体製造方法を説明する図。
11、72 熱電対の位置 12 液体封止剤 13 液体封止剤表面 14、24、34、44、71、81 ダミー結晶 15 原料融液 61 高圧容器 62 片封じ石英管 63 熱電対 64 引上げ軸 65 原料融液(ガリウム砒素) 66 液体封止剤(酸化硼素) 67 坩堝(熱分解窒化硼素製) 68 上部ヒ−タ 69 下部ヒ−タ 91 回転軸 92 種結晶 93 ガリウム砒素単結晶
Claims (1)
- 【請求項1】 液体封止引き上げ法により単結晶を製造
するにあたり、成長単結晶の液体封止剤表面での温度及
び液体封止剤表面下1cmでの温度の温度差(G封止
剤)と液体封止剤表面上1cmの温度及び液体封止剤表
面での温度の温度差(Gガス)との比(G封止剤/Gガ
ス)を前記単結晶の引き上げ育成中を通して2以下とす
ることを特徴とする単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4401693A JPH06263589A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4401693A JPH06263589A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 単結晶の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06263589A true JPH06263589A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12679889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4401693A Pending JPH06263589A (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06263589A (ja) |
-
1993
- 1993-03-04 JP JP4401693A patent/JPH06263589A/ja active Pending
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