JPH06262256A - ストリップの巻取方法および巻取装置 - Google Patents

ストリップの巻取方法および巻取装置

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JPH06262256A
JPH06262256A JP5397593A JP5397593A JPH06262256A JP H06262256 A JPH06262256 A JP H06262256A JP 5397593 A JP5397593 A JP 5397593A JP 5397593 A JP5397593 A JP 5397593A JP H06262256 A JPH06262256 A JP H06262256A
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strip
winding
mandrel
pressure liquid
rear end
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JP5397593A
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Masami Oki
正海 沖
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ストリップのコイルへの巻取りの際にストリ
ップの後端の巻取り時の巻取速度を 200m/分程度以上
に上昇しても、ストリップの後端がピンチロールを通過
した後のばたつきによるストリップの破断や設備損傷を
発生することなく安定的に巻取りを行う。 【構成】 マンドレルと、複数のラッパロールと、マン
ドレルガイド9とを有するストリップの巻取装置。複数
のマンドレルガイド9それぞれの表面に複数配設された
高圧液体噴射ノズル10と、複数のマンドレルガイド9そ
れぞれの内部に配設された高圧液体噴射ノズル10への高
圧液体主供給路13とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリップの巻取方法
および巻取装置に関する。さらに具体的には、本発明
は、特にホットストリップの後端の巻取りの際にも高速
で安定的に巻取りを行うことができるストリップの巻取
方法および巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ストリップの巻取りは、仕上圧延を終了
してランナウトテーブルを走行してきたストリップをコ
イルに巻取る工程であって、一般的には、ストリップの
センタリングを担うサイドガイド、ストリップの先端の
誘導およびストリップの後端が仕上圧延機を抜けた後に
おける張力の保持を担うピンチロール、ストリップの先
端の誘導を担うピンチロールゲートおよびスロートガイ
ド、ストリップの先端をマンドレルへ巻き付かせるため
の押えおよび巻取り終了時におけるストリップの後端の
押え付けを担うラッパロール、ストリップの先端のマン
ドレル周りへの誘導を担うマンドレルガイド、さらにス
トリップの巻取りを担うマンドレル等を用いて行われ
る。なお、これらの設備のうち、ストリップの巻取装置
の最少の構成要素として、マンドレル、ラッパロールお
よびマンドレルガイドを挙げることができる。
【0003】例えばストリップの熱間圧延工程において
も、熱間圧延を行われたホットストリップは巻取装置の
マンドレルによってコイルに巻き取られる。図4は、従
来の巻取装置によるホットストリップの巻取り状況を模
式的に示す説明図であり、図4(a) は巻取りの開始直後
の状況を、図4(b) は巻取りの中間時の状況を、さらに
図4(c) は巻取りの終了直前の状況をそれぞれ示す。
【0004】図4(a) に示す巻取りの開始時には、熱間
圧延を終了して所定の板厚に仕上られたストリップ1の
先端はピンチロール2により誘導されてマンドレル3へ
導かれ、マンドレル3の外周に3基配設されたラッパロ
ール4、4'、4"によりマンドレル3に押し付けられて巻
取られる。なお、一般的に、ラッパロールは、巻き付き
性およびメンテナンス性を両立するため、4個または3
個配設される。また、図中符号9、9'、9"はそれぞれマ
ンドレルガイドを示す。
【0005】図4(a) に示すようにしてストリップ1の
先端がマンドレル3に巻き付くと、図4(b) に示すよう
に、ラッパロール4、4'、4"はマンドレル3から解放さ
れて後退し、ラッパロール4、4'、4"による押し付けを
行わずに巻取りが行われる。ラッパロール4、4'、4"に
よる押し付けを継続していると、ストリップ1の先端が
ラッパロール4、4'、4"による押し付け部を通過する時
に、ストリップ1の先端と重なったストリップ1の内側
表面にトップマーク傷と呼ばれる表面傷が発生してしま
い、ストリップの品質および歩留りの低下をもたらすか
らである。
【0006】このようにして、回転するマンドレル3に
よりストリップ1はコイルに巻き取られていくが、スト
リップ1の後端の巻取りが近づくと、ラッパロール4お
よび4"と、巻き取られたコイルの下方で離間して待機し
ていたクレードルロール5および5'とはそれぞれマンド
レル3に接近するように移動してコイルの表面に接触
し、図4(c) に示すように、ラッパロール4および4"と
クレードルロール5および5'とは、ストリップ1を押え
付け、ピンチロール2を通過した後に発生するストリッ
プ1の後端のばたつきの抑制を図りながら、ストリップ
1をコイルに巻き取る。
【0007】図5は、このようなストリップの従来の巻
取装置の動作を、ストリップの巻取速度の経時的な変化
の一例により示すタイムチャートである。図5に示すタ
イムチャートにおいて、板厚にもよるが、ストリップは
700 〜800 m/分程度の巻取速度で巻取りが開始され
(A点→B点、図4(a) に対応) 、その後最高 900〜13
00m/分程度まで高速化されて巻取りが進行し(B点→
C点→D点、図4(b) に対応)、ストリップの巻取り終
了 (すなわちストリップの後端のピンチロール通過) が
近づくにつれて急激に減速され (D点→E点、図4(c)
に対応) 、巻取終了時(ストリップ後端がピンチロール
を通過する時点、E点)には 200m/分程度の巻取速度
とされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、ストリッ
プの巻取りにおいて、ストリップの後端がピンチロール
を通過する時点で巻取速度が 200m/分程度になるよう
に巻取速度の減速を行う理由は以下の通りである。
【0009】すなわち、図4(a) ないし図4(c) に示す
従来の巻取装置では、ラッパロール4、4"およびクレー
ドルロール5、5'によりストリップ1を押え付けてスト
リップ1の後端のばたつきの発生を抑制しようとしてい
るが、本来、ラッパロールは直径が 700〜800 mm程度の
マンドレル3へのストリップの先端の巻き付き性を確保
することを主目的としてマンドレルの近傍に3個ないし
4個配設されるため、これらのラッパロールでは、スト
リップの後端の巻取り時、すなわち巻き取ったコイルの
外径が2000mm以上に増加したストリップの後端の巻取り
時にはコイルの外周の拘束力(ラッパロールのコイル押
圧力)が不足し、ストリップの後端のばたつきを抑制す
ることができない。
【0010】なお、ストリップの後端の巻取り時におい
てラッパロールのコイル押圧力の不足を補うにはラッパ
ロールの設置数を増加すればよいのではないかとも一見
考えられるが、前述のように巻取開始時にはコイル径は
700〜800 mm程度と小さいため、各ラッパロールをマン
ドレルに近接させてストリップの先端をマンドレルに巻
き付かせようとすると各ラッパロール同士が干渉してし
まう。またラッパーロール数を増加し、ストリップ先端
の巻取り時には、ラッパーロールの一部だけ近接し、残
りラッパーロールは後方に退避した状態で巻き取り、後
端の巻取り時には残りのラッパーロールも近接しストリ
ップを押し付けて巻き取る方法も考えられるが、巻取装
置の構造が極めて複雑となり、実用的でない。したがっ
て、ラッパロールの設置数を増加することは巻取装置の
構造上不可能であった。
【0011】したがって、ラッパロール4、4"を用いて
行われているストリップ1の後端の押え付けは不十分で
あり、ピンチロール2を通過した後のストリップ1の後
端にはばたつきが発生してしまう。このため、最終的に
はストリップ1の破断や、ラッパロール4、4'、4"やマ
ンドレルガイド9、9'、9"の損傷等を招くことになるた
め、ストリップの後端がピンチロールを通過する時点で
は巻取速度が 200m/分程度になるように巻取速度の減
速を行う必要があった。
【0012】このように、従来のストリップの巻取方法
および巻取装置においては、ストリップ1の後端がピン
チロール2を通過した後に発生するストリップ1の後端
のばたつきに起因したストリップ1の破断や設備損傷を
防ぐために、ストリップの巻取速度を 200m/分程度超
に上昇させることはできず、巻取装置の設備効率ひいて
は圧延能率の低下を余儀なくされていた。
【0013】ここに、本発明の目的は、ストリップのコ
イルへの巻取りの際にストリップの後端の巻取り時の巻
取速度を 200m/分程度以上に上昇しても、ストリップ
の後端がピンチロールを通過した後のばたつきによるス
トリップの破断や設備損傷を発生することなく安定的に
巻取りを行うことが可能なストリップの巻取方法および
巻取装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ストリップ
の巻取り時のストリップの後端のばたつきの抑制を、ラ
ッパロールおよびクレードルロールを用いて行うのでは
なくて、さらに他の設備干渉を生じるおそれがない手段
を付加して行うことができれば、上記課題を解決するこ
とができるのではないかと考え、このような観点からさ
らに鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0015】ここに、本発明の要旨とするところは、ス
トリップの巻取装置のマンドレルによりストリップをコ
イルに巻取る際に、ストリップの後端がピンチロールを
通過した時以降は、マンドレルの周囲に複数配設された
マンドレルガイドの少なくとも1から高圧液体をコイル
に噴射することによりストリップの後端のばたつきを抑
制することを特徴とするストリップの巻取方法である。
【0016】また、別の面からは、本発明は、筒状体で
あってストリップをコイルに巻取るマンドレルと、マン
ドレルの周囲に配設されて巻取り開始時および巻取り終
了時にストリップをマンドレルに押し付ける複数のラッ
パロールと、複数のラッパロールそれぞれに近接して配
設されストリップをマンドレルに導く複数のマンドレル
ガイドとを有するストリップの巻取装置であって、さら
に、(i) 複数のマンドレルガイドの少なくとも1の表面
に1または2以上配設された、ストリップへの高圧液体
噴射ノズルと、(ii)複数のマンドレルガイドに配設され
た、高圧液体噴射ノズルへの高圧液体供給路とを組み合
わせて備えたことを特徴とするストリップの巻取装置で
ある。
【0017】上記の本発明にかかるストリップの巻取装
置は、巻取り終了時にストリップをマンドレルに押し付
けるクレードルロールを有することが、ストリップの後
端のばたつき抑制のためには望ましい。本発明における
ストリップとは、いわゆる広幅帯鋼をいい、ホットスト
リップ(熱延広幅帯鋼)およびコールドストリップ(冷
延広幅帯鋼)の双方を包含する。
【0018】噴射する高圧液体としては経済性の観点か
ら水を例示できるが、水に限定する必要はない。例え
ば、水にスケール抑制剤を混合した液体を用いればスト
リップの表面におけるスケール抑制効果も期待でき、望
ましい。
【0019】噴射する高圧液体の圧力は数10kgf/cm2
度は必要である。例えば、熱間圧延工程で行われる高圧
水噴射デスケーリングに用いる高圧ポンプやその周辺機
器を流用すればよい。なお、コイルの外径や幅、厚ささ
らには巻取り速度等により最適な噴射圧力は変動するた
め、本発明にかかるストリップの巻取装置を用いてスト
リップの巻取りを行う際には、高圧液体の噴射量や噴射
圧を適宜調整することが考えられ、高圧液体噴射ノズル
は噴射量および噴射圧が調整自在のものとしておくこと
が望ましい。
【0020】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明にかかるストリップの巻取装置は、公知の巻取装置
と同様に、筒状体、望ましくは外径が拡大および縮小自
在の筒状体であってストリップをコイルに巻取るマンド
レルと、マンドレルの周囲に配設されて巻取り開始時お
よび巻取り終了時にストリップをマンドレルに押し付け
る複数のラッパロールと、複数のラッパロールそれぞれ
に近接して配設されストリップをマンドレルに導く複数
のマンドレルガイドとを有しているが、特に、(i) 複数
のマンドレルガイドの少なくとも1、好ましくはそれぞ
れの表面に1または2以上配設された、ストリップへの
高圧液体噴射ノズルと、(ii)複数のマンドレルガイドそ
れぞれに配設された、高圧液体噴射ノズルへの高圧液体
供給路とを組み合わせて備えている。
【0021】この高圧液体噴射ノズルは、各マンドレル
ガイドの表面に噴射方向をコイル側に向けて配置され
る。マンドレルガイドの面位置よりも突出して高圧液体
噴射ノズルを設置すると巻き取られるストリップとの接
触により破損してしまうため、その先端がマンドレルガ
イドの面位置ないしは面位置より内部となるように高圧
液体噴射ノズルはマンドレルガイドに設置、例えば埋設
される。
【0022】高圧液体噴射ノズルは各マンドレルガイド
に複数設置することが望ましく、特にストリップの長手
方向について複数配設して、巻き取ったコイルに対して
あらゆる方向から高圧液体を吹きつけることができる位
置に配置しておくことがストリップ後端のばたつきの抑
制効果を高めるためには最も望ましい。なお、ストリッ
プの幅方向についても複数列となるように高圧液体噴射
ノズルを設置することが望ましい。いずれにしても、こ
れらの高圧液体噴射ノズルから噴射される高圧液体によ
りストリップ後端のばたつきが抑制される位置に設置し
ておけばよい。
【0023】高圧液体噴射ノズルの取付位置および噴射
角度は、前述のように、噴射範囲がマンドレル外周をカ
バーすることができるようにして配置することが望まし
いが、コイルの外周の一部、例えばラッパロールやマン
ドレルガイドによってはストリップを押圧・誘導するこ
とができない範囲だけをカバーするように配置しても効
果がある。
【0024】このように、本発明にかかるストリップの
巻取装置では、各マンドレルガイドそれぞれに、1また
は2以上の高圧液体噴射ノズルが配置されるため、これ
らの高圧液体噴射ノズルへの高圧液体供給路がマンドレ
ルガイドの内部に配設される。高圧液体供給路の設置態
様は何ら限定を要するものでない。また、高圧液体供給
路に高圧液体を供給する装置も何ら限定を要さない。公
知の装置を用いればよい。
【0025】以上の構成の巻取装置を用いてストリップ
の巻取りを行えば、ストリップの巻取り終了時、具体的
にはストリップの後端がピンチロールを通過してストリ
ップの後端にばたつきが生じる際に、巻取り中のストリ
ップに対して高圧液体を噴射することが可能となる。し
たがって、ストリップの後端のばたつきを高圧液体の噴
射圧力により抑制することが可能となる。したがって、
従来よりも、ストリップの破断または設備損傷の程度が
改善されることになり、ストリップの巻取り終了時の巻
取速度を上昇することが可能となる。
【0026】さらに、本発明を添付図面を参照しながら
詳述する。図1は、本発明にかかるストリップの巻取装
置において使用するマンドレルガイド9の垂直断面図で
あり、同図中の符号12はラッパロールの設置位置を示
す。このマンドレルガイド9には複数の高圧液体噴射ノ
ズル10が設置されており、各高圧液体噴射ノズル10には
それぞれ高圧液体供給路11が接続されており、各高圧液
体噴射ノズル10からコイルに向けて高圧液体を噴射する
ことが可能なように構成される。なお、各高圧液体供給
路11は高圧液体主供給路13に接続されており、この高圧
液体主供給路13には公知の適宜手段により高圧液体が供
給されるように構成されている。なお、図1に示す例で
は高圧液体供給路11と高圧液体主供給路13とが別の名称
で区別されているが、これらにより本発明における「高
圧液体供給路」が構成されている。
【0027】本発明にかかるストリップの巻取装置で
は、図1に示す構成のマンドレルガイド9が用いられて
いる点以外は、公知の巻取装置と全く同様に構成されて
いる。したがって、他の部分、例えばマンドレル、ラッ
パロール等については説明を省略する。
【0028】図2は、本発明にかかるストリップの巻取
装置の動作を経時的に示す説明図であり、図2(a) は巻
取り開始直後の状態を、図2(b) は巻取り中間時の状態
を、図2(c) は巻取り終了時 (ストリップ後端はピンチ
ロールを通過時) の状態を、さらに図2(d) は巻取り終
了時 (ストリップ後端部はピンチロールを通過後) の状
態をそれぞれ示す。なお、図2における図中符号は前述
した図4における図中符号と同様である。
【0029】図2(a) に示す巻取りの開始時には、スト
リップ1の先端はピンチロール2により誘導されてマン
ドレル3へ導かれ、マンドレル3の外周に3基配設され
たラッパロール4、4'、4"によりマンドレル3に押し付
けられて巻取られる。
【0030】図2(a) に示すようにしてストリップ1の
先端がマンドレル3に巻き付くと、図2(b) に示すよう
に、ラッパロール4、4'、4"はマンドレル3から解放さ
れて後退し、ラッパロール4、4'、4"による押し付けを
行わずに巻取りが進行する。
【0031】このようにして、回転するマンドレル3に
よりストリップ1はコイルに巻き取られていくが、スト
リップ1の後端のトラッキングが行われておりこのトラ
ッキング信号に基づいてストリップ1の後端のピンチロ
ール2通過タイミングが演算される。ストリップ1の後
端の巻取りが近づくと、ストリップ後端の巻取りの準備
のためラッパロール4、4"およびマンドレルガイド9、
9"が所定位置に前進するとともに、巻き取られたコイル
の下方で離間して待機していたクレードルロール5およ
び5'とはそれぞれマンドレル3に接近するように移動し
てコイルの表面に接触し、図2(c) に示すように、ラッ
パロール4および4"とクレードルロール5および5'と
は、ストリップ1を押え付けて巻取りを行う。
【0032】ところで、マンドレル3に巻取られている
ストリップ1に対しては、遠心力がマンドレル3の中心
から巻取られたコイルの外側に向かう方向に作用してい
るが、図2(c) に示すようにストリップ1がピンチロー
ル2によって押え付けられている間はマンドレル3とピ
ンチロール2の間に発生している張力により遠心力は打
ち消され、ストリップの後端がばたつくことはない。
【0033】しかし、図2(d) に示すように、巻取りが
進行してストリップ1の後端部がピンチロール2を通過
すると、ストリップの後端のばたつきを抑制していた張
力が消失するために、前述の遠心力によりストリップ1
の後端はばたつき、ピンチロール2、クレードルロール
5、5'さらにはマンドレルガイド9、9'、9"等に衝突し
てこれらに損傷を与えながらマンドレル3に巻取られる
ことになる。前述の遠心力は巻取り速度の2剰に比例す
るため、巻取り速度が少しでも増加すると衝突の際の衝
撃力は極めて大きくなる。
【0034】本発明にかかるストリップの巻取装置で
は、このようにばたつきが発生しているストリップ1ひ
いてはストリップ1の後端に、マンドレルガイド9、
9'、9"にそれぞれ配設した高圧液体噴射ノズル10から高
圧液体を噴射することにより、ストリップ1の後端のば
たつきの抑制を図りながらストリップの巻取りを行う。
【0035】以上のように、本発明にかかるストリップ
の巻取り方法および巻取装置では、ストリップの後端の
ばたつきを抑制してストリップの巻取りを行うことがで
きるため、従来の巻取装置を用いた場合よりもストリッ
プの破断および設備損傷の程度を改善することができ
る。したがって、巻取り終了時のストリップの巻取り速
度を従来よりも上昇することが可能となり、例えば前述
の図5に示すように、従来、巻取り終了時の巻取り速度
が200m/min以下であったのが、300m/min以上になる。
【0036】かくして、本発明によれば、巻取効率およ
び圧延能率を従来よりも向上することが可能となる。さ
らに、本発明を実施例を参照しながら詳述するが、これ
は本発明の例示であり、これにより本発明が限定される
ものではない。
【0037】
【実施例】図1に示す構造のマンドレルガイド9、9'、
9" (高圧液体噴射ノズルからの噴射圧:20kgf/cm2 、噴
射流量:120 l/分) を用いた、図3に示す構成の本発明
にかかるストリップの巻取装置 (マンドレル径:500mm)
により、板厚:1.2mm 、板幅:300mm のホットストリッ
プ1の巻取りの模擬実験を行った。なお、図3に示す本
発明にかかるストリップの巻取装置は、マンドレルガイ
ドに特徴がある以外は従来のストリップの巻取装置と全
く同様であるため、図3に関する説明は省略する。図3
の図中符号は、図2および図4と同様である。
【0038】なお、ストリップ1の巻取は、ストリップ
1に破断が発生しない範囲で最大の巻取速度を適宜選択
することにより行った。その結果、従来の巻取装置を用
いたホットストリップの巻取では、ストリップの破断が
発生するために巻取り終了時の巻取速度は最大で 150m
/分程度であったが、本発明にかかるストリップの巻取
装置では、巻取速度を従来の2倍以上である 350m/分
に上昇してもストリップの破断を生じることがなく安定
してストリップの巻取りを行うことが可能となった。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかるス
トリップの巻取装置によれば、ストリップを巻取る際に
発生するストリップの後端のばたつき、換言すればスト
リップの後端における当たり傷を抑制することができる
ため、成品の品質および歩留りを向上することができる
とともに、設備損傷さらには設備損傷に起因した稼働率
の低下を抑制することが可能となる。
【0040】また、本発明にかかるストリップの巻取装
置によれば、ストリップの破断を抑制することが可能と
なるため、従来のストリップの巻取装置を用いた場合よ
りも、巻取速度を向上すること、具体的には巻取り終了
時の巻取速度を 200m/分以上の高速とすることが可能
となる。したがって、巻取効率ひいては圧延能率の向上
を図ることができる。かかる効果を有する本発明の意義
は極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるストリップの巻取装置において
使用するマンドレルガイド9の垂直断面図である。
【図2】本発明にかかるストリップの巻取装置の動作を
経時的に示す説明図であり、図2(a) は巻取り開始直後
の状態を、図2(b) は巻取り中間時の状態を、図2(c)
は巻取り終了時 (ストリップ後端はピンチロールを通過
時) の状態を、さらに図2(d) は巻取り終了時 (ストリ
ップ後端部はピンチロールを通過後) の状態をそれぞれ
示す。
【図3】実施例で用いた、本発明にかかるストリップの
巻取装置の構成を示す説明図である。
【図4】従来の巻取装置によるホットストリップの巻取
り状況を模式的に示す説明図であり、図4(a) は巻取り
の開始直後の状況を、図4(b) は巻取りの中間時の状況
を、さらに図4(c) は巻取りの終了直前の状況をそれぞ
れ示す。
【図5】ストリップの従来の巻取装置の動作を、ストリ
ップの巻取速度の経時的な変化の一例により示すタイム
チャートである。
【符号の説明】
1:ストリップ 2:ピンチロール 3:マンドレル 4、4'、4":ラッパロール 5、5':クレードルロール 9、9'、9":マンドレル
ガイド 10:高圧液体噴射ノズル 11:高圧液体供給路 12:ラッパロール設置位置 13:高圧液体主供給

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストリップの巻取装置のマンドレルによ
    りストリップをコイルに巻取る際に、前記ストリップの
    後端がピンチロールを通過した時以降は、前記マンドレ
    ルの周囲に複数配設されたマンドレルガイドの少なくと
    も1から高圧液体をコイルに噴射することによりストリ
    ップの後端のばたつきを抑制することを特徴とするスト
    リップの巻取方法。
  2. 【請求項2】 筒状体であってストリップをコイルに巻
    取るマンドレルと、前記マンドレルの周囲に配設されて
    巻取り開始時および巻取り終了時にストリップを前記マ
    ンドレルに押し付ける複数のラッパロールと、複数の前
    記ラッパロールそれぞれに近接して配設されストリップ
    をマンドレルに導く複数のマンドレルガイドとを有する
    ストリップの巻取装置であって、さらに、(i) 複数の前
    記マンドレルガイドの少なくとも1の表面に1または2
    以上配設された、ストリップへの高圧液体噴射ノズル
    と、(ii)前記マンドレルガイドに配設された、前記高圧
    液体噴射ノズルへの高圧液体供給路とを組み合わせて備
    えたことを特徴とするストリップの巻取装置。
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JP (1) JPH06262256A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002522223A (ja) * 1998-08-04 2002-07-23 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト 帯材、特にストリップの転向方法及び転向装置
CN106132575A (zh) * 2014-03-20 2016-11-16 普锐特冶金技术日本有限公司 具备助卷挡板的卷绕装置

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