JPH0625854U - ドラムフランジおよび感光体ドラム - Google Patents

ドラムフランジおよび感光体ドラム

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JPH0625854U
JPH0625854U JP10770291U JP10770291U JPH0625854U JP H0625854 U JPH0625854 U JP H0625854U JP 10770291 U JP10770291 U JP 10770291U JP 10770291 U JP10770291 U JP 10770291U JP H0625854 U JPH0625854 U JP H0625854U
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drum
photosensitive drum
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flange portion
resin
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郁 守田
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アプルス株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光体ドラムの耐温度環境性を改善する。 【構成】 ドラムフランジ2を、感光体ドラム1の内径
と略同一の外径を有し、アルミニウムと略同等の熱膨張
係数を有する樹脂で形成した内側フランジ部3と、感光
体ドラム1の端部に装着した状態で、この感光体ドラム
1に接して電気的に接続される電気接続部8とを備えた
外側フランジ部6とを二色形成により一体的に構成し
た。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置 に使用される感光体ドラムのドラムフランジ、および、このドラムフランジを備 えた感光体ドラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光体ドラムの両端部に装着する軸受用のドラムフランジを導電性樹脂 で一体的に成型し、このドラムフランジを介して感光体ドラムと回転軸との電気 的接続を図るようにしたものが知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記アルミニウムの熱膨張係数が2〜2.5×10-5程度であ るのに対して、上記導電性樹脂の熱膨張係数は7.0〜8.5×10-5と極めて 高いため、低温環境においてドラムフランジと感光体ドラムとの間に隙間を生じ 、両者を連結している接着剤の強度が低下するという欠点がある。
【0004】 特に、上記複写機等は世界中に供給されており、輸送途上における環境の変化 は+50〜−20℃の温度範囲にも及び、例えば、−20℃の環境で一度強度低 下を起こした接着剤は、その後常温状態に復帰しても本来の強度が得られず、感 光体ドラムとドラムフランジとの間に所要の接着信頼性が得られないという問題 点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記問題点を解決するためになされたもので、ドラムフランジを、上 記感光体ドラムの内径と略同一の外径を有し、アルミニウムと略同等の熱膨張係 数を有する樹脂で形成した内側フランジ部と、上記感光体ドラムの端部に装着し た状態で、上記感光体ドラムに接して電気的に接続される電気接続部とを備えた 外側フランジ部とを、二色成型により一体的に構成したものである。なお、上記 ドラムフランジは、上記外側フランジ部の感光体ドラムから突出する部分に周方 向に連続したギヤ部を設けたギヤフランジであってもよい。また、本考案の感光 体ドラムは、上記ドラムフランジを両端開口部に装着したものである。
【0006】
【作用】
上記ドラムフランジでは、感光体ドラムの内周面に接する内側フランジ部が、 感光体ドラムを構成するアルミニウムと略同等の熱膨張係数を有する樹脂で形成 されているので、温度環境が変化して膨張または伸縮しても、感光体ドラムと内 側フランジ部の間に隙間を生じることがなく、また接着剤の強度低下を招来する こともない。
【0007】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本考案の実施例について説明する。図1において、 1はアルミニウムからなる感光体ドラム、2は本考案に係るギヤ付ドラムフラン ジで、このドラムフランジ2は、内側フランジ部3と外側フランジ部6で構成さ れている。
【0008】 上記内側フランジ部3は、上記感光体ドラム1の内径と略同一の外径を有する 円盤状に形成され、中心に貫通孔4を有し、外周部に周方向に連続した接着剤用 の溝5を備えている。また、内側フランジ部3は、感光体ドラム1を構成するア ルミニウムと略同一の熱膨張係数を有する樹脂、例えばガラス繊維40%強化の AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂,熱膨張係数:2.5〜2 .95×10-5)で形成されている。
【0009】 上記外側フランジ部6は、上記内側フランジ部3と同様に略円盤状に形成され 、中心に貫通孔7を備えている。また、外側フランジ部6の外周部には、内側に 感光体ドラム1の内径と略同一の外径を有する段部(電気接続部)8が形成され 、その外側に周方向に連続したギヤ部9が形成されている。この外側フランジ部 6は、上記内側フランジ部3の成型品をインサートした金型に導電性の樹脂(例 えば、(株)旭ポリスライダー製の導電性ポリマ「エレラ」)を射出して、いわ ゆる二色成型によって内側フランジ部3に一体的に成型される。
【0010】 上記構成を有するドラムフランジ2は、内側フランジ部3の接着剤用溝5に接 着剤11を塗布した後、内側フランジ部3と外側フランジ部6の内側接続部8を 感光体ドラム1の端部開口部に嵌合し、ギヤ部9の内壁10を感光体ドラム1の 端面に当接して固定される。また、感光体ドラム1の回転軸12は貫通孔4,7 に挿入され、回転軸12と感光体ドラム1が外側フランジ6を介して電気的に接 続される。
【0011】 以上のようにして構成された感光体ドラム1およびドラムフランジ2は、感光 体ドラム1を構成するアルミニウムとドラムフランジ2の内側フランジ部3との 熱膨張係数がほぼ同一であることから、例えば温度環境が−20℃から+50℃ に変化しても、感光体ドラム1と内側フランジ部3は常に一体的に膨張、収縮し 、両者の間に隙間を生じることがなく、接着剤の強度低下を招来することはない 。
【0012】 なお、内側フランジ部3を構成するガラス繊維40%強化AS樹脂の剛性は、 曲げ弾性率が96,000〜105,000kg/cm2と極めて高いので、そ の外径を感光体ドラム1の内径より0.05〜0.07m/m大きくして、プレ スフィット(締まり嵌め)するようにしてもよい。この場合、感光体ドラム1と 内側フランジ部3の間に十分な結合が得られるので、接着剤が不要となる。
【0013】 また、内側フランジ部3を構成する樹脂はAS樹脂に限るものでなく、アルミ ニウムと略同等の熱膨張係数を有する樹脂であれば、ポリアミド、PBT、ポリ エステル、ポリアセタール、ABSなどの樹脂でもよいし、これらをガラス繊維 で強化したものでも、あるいはガラス繊維で強化していないものでもよい。
【0014】 本考案に係るドラムフランジ2と、ドラムフランジを導電性樹脂だけで構成し たドラムフランジとを感光体ドラム1に装着し、引き抜き抵抗力を比較した。 実験に使用した本考案のドラムフランジ2は次のようにして成型した。まず、 内側フランジ部3は、東レ(株)トヨラックASG−40(ガラス繊維40%強 化AS樹脂)を使用し、40トン射出成型機で、外径φ30.0m/m、軸方向 長さ10.5m/mに成型した後、センタレス研削機で外径を28.5m/m( ±0〜−0.05m/m)に研削、研磨した。次に、40トン射出成型機を使用 し、上記内側フランジ部3をギヤフランジ用金型の移動側キャビティにインサー トし、そして、金型を閉じて導電性樹脂((株)旭ポリスライダ社製「エレラ」 )を射出して、外側フランジ部6を一体的に二色成型した。一方、比較例のドラ ムフランジは、同一の40トン射出成型機とギヤフランジ金型とを使用し、上記 外側フランジ部6を構成した導電性樹脂により一体的に構成した。なお、実験に 使用したドラムフランジは、すべて所定の外径寸法(φ28.5±0〜−0.0 5m/m)の範囲に入っていた。
【0015】 実験は、まず、本考案と比較例のドラムフランジをN個製作し、2液混合型エ ポキシ系接着剤を用いて感光体ドラムの端部に固定し、乾燥炉の中に50℃の温 度条件で3時間放置した。次に、上記N個のドラムフランジの中からそれぞれ8 個抽出して環境試験機の中に入れ、高温環境(50℃×3時間)から低温環境( −20℃×3時間)に移る1サイクルのヒートストレスを3サイクル加えた後、 常温(20℃)で引抜試験機によりドラムフランジの引抜抵抗力を測定した(実 験1)。続いて、上記N個のドラムフランジの中から3個のドラムフランジをそ れぞれ抽出し、それぞれヒートストレスを付与することなく常温(20℃)で引 き抜き抵抗力を測定した(実験2)。なお、引抜速度は100mm/分とした。 実験1,2の結果をそれぞれ表1,2に示す。
【0016】
【表1】 実験1:ヒートストレスを加えた後の引抜抵抗力(kg) 番号 引抜抵抗力 番号 引抜抵抗力 本考案 1 50 比較例 1 25 〃 2 58 〃 2 20 〃 3 68 〃 3 28 〃 4 62 〃 4 19 〃 5 61 〃 5 16 〃 6 62 〃 6 11 〃 7 57 〃 7 14 〃 8 59 〃 8 18 平均値 60 平均値 19
【0017】
【表2】 実験1:ヒートストレス無しの場合の引抜抵抗力(kg) 番号 引抜抵抗力 番号 引抜抵抗力 本考案 1 67 比較例 1 65 〃 2 72 〃 2 70 〃 3 73 〃 3 72 平均値 71 平均値 69
【0018】 上記実験より、ヒートストレスを加えない場合の引抜抵抗力に関して、本考案 のドラムフランジも比較例のドラムフランジとほぼ同等であるが、ヒートストレ スを加えた後の引き抜き抵抗力に関して、本考案のドラムフランジは比較例のド ラムフランジよりも極めて大きく、しかもヒートストレスを加えても本考案のド ラムフランジでは接着剤の強度低下は極めて小さいことが明らかになった。
【0019】 なお、以上の説明では、ドラムフランジとして、外側フランジ部にギヤ部を備 えたギヤフランジの場合について説明したが、ギヤ部の無いドラムフランジにも 本考案はもちろん適用可能である。
【0020】 また、ドラムフランジは、まず内側フランジ部を成型し、続いて、この内側フ ランジ部を金型にインサートして外側フランジ部を一体化するものとしたが、逆 に、まず外側フランジ部を成型し、その後、この外側フランジ部を金型にインサ ートして内側フランジ部を一体的に成型するようにしてもよい。
【0021】
【考案の効果】
以上の説明で明らかなように、本考案に係るドラムフランジおよび感光体ドラ ムでは、感光体ドラムの内周面に接する内側フランジ部が、感光体ドラムを構成 するアルミニウムと略同等の熱膨張係数を有する樹脂で形成されているので、温 度環境が変化して膨張または伸縮しても、感光体ドラムと内側フランジ部の間に 隙間を生じることがないし、また両者の固定手段として接着剤を使用する場合に は、接着剤の強度低下もなく、感光体ドラムの信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ドラムフランジの拡大断面図である。
【符号の説明】
1…感光体ドラム、2…ドラムフランジ、3…内側フラ
ンジ部、5…接着剤用溝、6…外側フランジ部、8…段
部(電気接続部)、9…ギヤ部、11…軸。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムからなる円筒状感光体ドラ
    ムの両端部にあって、上記感光体ドラムの回転軸を支持
    するドラムフランジを、上記感光体ドラムの内径と略同
    一の外径を有し、アルミニウムと略同等の熱膨張係数を
    有する樹脂で形成した内側フランジ部と、上記感光体ド
    ラムの端部に装着した状態で、上記感光体ドラムに接し
    て電気的に接続される電気接続部とを備えた外側フラン
    ジ部とを、二色成型により一体的に構成したことを特徴
    とするドラムフランジ。
  2. 【請求項2】 上記外側フランジ部の感光体ドラムから
    突出する部分に周方向に連続したギヤ部を設けたことを
    特徴とするドラムフランジ。
  3. 【請求項3】 感光体ドラムの内径と略同一の外径を有
    し、アルミニウムと略同等の熱膨張係数を有する樹脂で
    形成した内側フランジ部と、上記感光体ドラムの端部に
    装着した状態で、上記感光体ドラムに接して電気的に接
    続される接点部とを備えた外側フランジ部とを、二色成
    型により一体的に構成したドラムフランジを両端開口部
    に備えたことを特徴とする感光体ドラム。
JP10770291U 1991-12-27 1991-12-27 ドラムフランジおよび感光体ドラム Expired - Lifetime JPH0743734Y2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010085649A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Canon Inc 感光ドラムユニットおよび電子写真装置

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