JPH0717866Y2 - ロータリーダンパー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は各種装置の回動部又は直動部に配設し、その移
動が徐々に行われるようにしたロータリーダンパー装置
に関するものである。

（従来技術） 本出願人は先に第４図乃至第６図に示すようなロータリ
ーダンパー装置を提案した。

１は中空円筒体で、上下に外周より中心内側に向って傾
斜した截頭円錐状のテーパー面1a,1bが形成されてい
る。２は中空円筒体１の中空部に回動自在に嵌合した回
動軸で、上下にフランジ2a,2bを有し、その内面が上記
テーパー面1a,1bと同形のテーパー面2a′,2b′となって
おり、該テーパー面2a′,2b′が中空円筒体１のテーパ
ー面1a,1bに密接されている。

次に成形方法について説明する。周知の２色成形に於け
る第１工程で中空円筒体１を射出成形し、第２工程で該
中空円筒体１をインサートした金型に該中空円筒体１よ
り熱収縮性の高い原料、例えばポリプロピレンを射出し
て回動軸２を成形する。

回動軸２の一方のフランジ2aより接線方向にアーム３を
突設し、中空円筒体１の他方のフランジ2b側より接線方
向にアーム４を突設し、回動軸２に巻回したコイルばね
５の両端5a,5bを夫々前記アーム3,4の基部に止着してい
る。

次に作用について説明する。アーム3,4をコイルばね５
の弾力に抗して近づける方向に回動した後に解放する
と、コイルばね５の弾力によりアーム3,4は復元する
が、このとき中空円筒体１のテーパー面1a,1bと、回動
軸２のフランジ部2a,2bのテーパー面2a′,2b′間に摩擦
トルクを生じ徐々に復元する。

第７図は上記ロータリダンパー装置をポケットデッキの
引き出しボックス10とアウタケース11との間に組み込ん
だ応用例で、引き出しボックス10のロックを解除するこ
とにより、引き出しボックス10はロータリダンパーのゆ
るやかな作動力によりスムーズに引き出される。

（考案が解決しようとする課題） ところで上記従来技術にあっては製作にあたり、コイル
ばねの装着が困難であるという問題点があった。

本考案はこの問題点を解決することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、中空円筒体の中空部
に、上下にフランジ部を有する回動軸を回動自在に嵌合
し、上下のフランジ部を中空円筒体の上下端面に密接
し、一方のフランジ部近傍の中空円筒体より外方にアー
ムを一体に突設し、中空円筒体の外周にコイルばねを装
着し、他方のフランジ部外周に突起を突設し、内面に該
フランジ部及び突起に嵌合する凹所を形成したアームの
基部を嵌合し、該アームと回動軸が一体に回動し得るよ
うにし、基部を外方よりフランジ部にビスで抜け止め
し、前記コイルばねの両端を上記各アームに止着したこ
とを特徴とするものである。

（実施例） 中空円筒体21の中空部に、上下にフランジ部22a,22bを
有する回動軸22を回動自在に嵌合し、上下のフランジ部
22a,22bを中空円筒体21の上下端面に密接し、一方のフ
ランジ部22b近傍の中空円筒体21より外方にアーム23を
一体に突設し、中空円筒体21の外周にコイルばね24を装
着し、他方のフランジ部22a外周に突起25を突設し、内
面に該フランジ部22a及び突起25に嵌合する凹所を形成
したアーム27の基部28を嵌合し、該アーム27と回動軸22
とが一体に回動し得るようにし、基部28を外方よりフラ
ンジ部22aにビス29で抜け止めしている。

従って、製作時アーム27を外した状態でコイルばね24を
中空円筒体21外周に容易に装着でき、次いでアーム27の
基部28内面凹所をフランジ部22a及び突起25に嵌合し、
ビス29でフランジ部22aに抜き止めして組み立てる。

組み立てた後の使用及び作用は前記した従来技術と同様
である。

なお、突起は放射状でなくてもよい。要するに力の伝達
ができるようになっていればよい。

（効果） 本考案によると、中空円筒体の中空部に、上下にフラン
ジ部を有する回動軸を回動自在に嵌合し、上下のフラン
ジ部を中空円筒体の上下端面に密接し、一方のフランジ
部近傍の中空円筒体より外方にアームを一体に突設し、
中空円筒体の外周にコイルばねを装着し、他方のフラン
ジ部外周に突起を突設し、内面に該フランジ部及び突起
に嵌合する凹所を形成したアームの基部を嵌合し、該ア
ームと回動軸が一体に回動し得るようにし、基部を外方
よりフランジ部にビスで抜け止めし、前記コイルばねの
両端を上記各アームに止着しているので、下記の効果を
有する。

（１）一方のアームを別体としたのでコイルばねの装着
が容易である。

（２）力の伝達が突起を介して行われるので確実になさ
れる。又、ビスが緩むことはない。

（３）油等を使用しないので液漏れがない。

（４）二色成形を用いれば、なお一層フランジと中空円
筒体との間に摩擦トルクを発生させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例分解斜視図、第２図は本考案
を施したポケットデッキ正断面図、第３図は第２図の作
動を示す要部平面図、第４図は従来装置の斜視図、第５
図は第４図のＢ−Ｂ正断面図、第６図は第１図のＣ−Ｃ
正断面図、第７図は従来装置を施したポケットデッキ斜
視図である。 21……中空円筒体、22……回動軸 22a,22b……フランジ部 23……アーム、24……コイルばね 25……突起、27……アーム 28……アームの基部、29……ビス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空円筒体の中空部に、上下にフランジ部
   を有する回動軸を回動自在に嵌合し、上下のフランジ部
   を中空円筒体の上下端面に密接し、一方のフランジ部近
   傍の中空円筒体より外方にアームを一体に突設し、中空
   円筒体の外周にコイルばねを装着し、他方のフランジ部
   外周に突起を突設し、内面に該フランジ部及び突起に嵌
   合する凹所を形成したアームの基部を嵌合し、該アーム
   と回動軸が一体に回動し得るようにし、基部を外方より
   フランジ部にビスで抜け止めし、前記コイルばねの両端
   を上記各アームに止着したロータリーダンパー装置。