JPH0732996Y2 - ロータリダンパー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、各種装置の回動部の回動力を徐々に減少させ
るロータリダンパー装置に関する。

（従来技術） 従来、コイルばねを用いたロータリダンパーは、例えば
実開昭62−81739号公報及び実開昭62−124343号公報に
開示されているように種々のものが知られているが、何
れも粘性液体をシリンダー内に密封し、その粘性抵抗に
より回動力の急激な変化を抑えるようになっていた。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来技術に於ては、粘性液体の液漏れ防止のため高
い精度を必要としコストアップになるという問題点があ
った。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決することを目的とし、中空円
筒体の中空部に上下フランジを有する回転軸を回動自在
に嵌合し、上下フランジを中空円筒体の上下端面に密接
し、該フランジの材料を中空円筒体の材料より熱収縮性
の高い材料で形成し、一方のフランジの略接線方向にア
ームを突設し、中空円筒体の他方のフランジ部側接線方
向にアームを突設し、中空円筒体に巻回したコイルばね
の両端を上記各アームに止着したことを特徴とするもの
である。

（実施例） １は中空円筒体で、上下に外周より中心内側に向って傾
斜した截頭円錐状のテーパー面1a,1bが形成されてい
る。２は中空円筒体１の中空部に回動自在に嵌合した回
動軸で、上下にフランジ2a,2bを有し、その内面が上記
テーパー面1a,1bと同形のテーパー面2a′,2b′となって
おり、該テーパー面2a′,2b′が中空円筒体１のテーパ
ー面1a,1bに密接されている。

次に成形方法について説明する。周知の２色成形に於け
る第１工程で中空円筒体１を射出成形し、第２工程で該
中空円筒体１をインサートした金型に該中空円筒体１よ
り熱収縮性の高い原料、例えば、ポリプロピレンを射出
して回動軸２を成形する。

回動軸２の一方のフランジ2aより接線方向にアーム４を
突設し、中空円筒体１の他方のフランジ2b側より接線方
向にアーム３を突設し、回動軸２に巻回したコイルばね
５の両端5a,5bを夫々前記アーム4,3の基部に止着してい
る。

次に作用について説明する。アーム3,4をコイルばね５
の弾力に抗して近づける方向に回動した後に解放する
と、コイルばね５の弾力によりアーム3,4は復元する
が、このとき中空円筒体１のテーパー面1a,1bと、回動
軸２のフランジ2a,2bのテーパー面2a′,2b′間に摩擦ト
ルクを生じ徐々に復元する。

第４図、第５図は本考案ロータリダンパー装置をポケッ
トデッキの引き出しボックス10とアウタケース11との間
に組み込んだ応用例で、引き出しボックス10のロックを
解除することにより、引き出しボックス10はロータリダ
ンパーのゆるやかな作動力によりスムーズに引き出され
る。

（効果） 本考案によると、中空円筒体の中空部に上下フランジを
有する回動軸を回動自在に嵌合し、上下フランジを中空
円筒体の上下端面に密接し、該フランジの材料を中空円
筒体の材料より熱収縮性の高い材料で形成し、一方のフ
ランジの略接線方向にアームを突設し、中空円筒体の他
方のフランジ部側接線方向にアームを突設し、中空円筒
体に巻回したコイルばねの両端を上記各アームに止着し
ているので、下記の効果を有する。

油等の粘性抵抗液を一切使用しないので液漏れもな
く、低コストで製作できる。

フランジを熱収縮性の高い材料で形成しているので、
成形時の熱収縮によりフランジにより中空円筒体を挾着
し、適度の摩擦トルクを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例斜視図、第２図は第１図のＢ
−Ｂ正断面図、第３図は第１図のＣ−Ｃ正断面図、第４
図は本考案を施したポケットデッキ斜視図、第５図は第
４図のＡ−Ａ正断面図である。 １…中空円筒体、1a,1b…テーパー面 ２…回動軸、2a,2b…フランジ 2a′,2b′…テーパー面、3,4…アーム ５…コイルばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空円筒体の中空部に上下フランジを有す
   る回動軸を回動自在に嵌合し、上下フランジを中空円筒
   体の上下端面に密接し、該フランジの材料を中空円筒体
   の材料より熱収縮性の高い材料で形成し、一方のフラン
   ジの略接線方向にアームを突設し、中空円筒体の他方の
   フランジ部側接線方向にアームを突設し、中空円筒体に
   巻回したコイルばねの両端を上記各アームに止着したロ
   ータリダンパー装置。