JPH06258488A - 燃料チャンネル着脱機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】チャンネルファスナの着脱が容易とし、作業性
および操作性が良好で、除染作業等の付帯作業が無く省
力化すると共に、全て水中での作業により放射線被曝の
低減と、検査エリアが縮小できる燃料チャンネル着脱機
を提供する。 【構成】燃料プール１内の燃料検査作業等に際して燃料
集合体４における燃料チャンネル５の着脱を行う燃料チ
ャンネル着脱機９において、旋回自在の旋回装置10およ
び先端にチャンネルボルトレンチ12を備えた伸縮自在の
アーム機構11を設けると共に、前記チャンネルボルトレ
ンチ12にチャンネルファスナ６の供給と回収を行うチャ
ンネルファスナ搬送装置13を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉の定期
検査における使用済燃料プール内に設置する燃料チャン
ネル着脱機に係り、特に燃料検査時に行うチャンネルフ
ァスナの交換が可能な燃料チャンネル着脱機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から一般に沸騰水型原子炉では定期
検査に際して、使用済燃料プール内における照射燃料体
の検査作業を複数本宛て実施しているが、この時の燃料
集合体の燃料チャンネルを固着しているチャンネルファ
スナの取外し作業は次の手順で行なわれている。

【０００３】図５の要部拡大斜視図で示すように燃料プ
ール１の壁面に据付けられた燃料チャンネル着脱機２
で、水中に位置した可動台３に燃料集合体４を搭載し、
この燃料集合体４の燃料チャンネル５を取除いて検査を
行う際には、その都度、燃料集合体４の上端で燃料チャ
ンネル５を固着しているチャンネルファスナ６を外す。

【０００４】これには、燃料チャンネル着脱機２の操作
台７上から作業員が別途用意した手動チャンネルボルト
レンチ８を水中に沈めて、前記燃料集合体４のチャンネ
ルファスナ６に嵌合させ、手動チャンネルボルトレンチ
８を操作してチャンネルファスナ６のボルトを緩ませる
ことによりチャンネルファスナ６の取外しを行ってい
る。

【０００５】また取外したチャンネルファスナ６は燃料
プール１内に落下させないように、手動チャンネルボル
トレンチ８の先端部には保持用バネ８ａが付いている。
なお、一旦取外したチャンネルファスナ６は高放射線量
のため、気中には引き上げられないので、予め燃料プー
ル１の水中に沈めてある図示しない廃棄用バケットに回
収している。

【０００６】なお、新チャンネルファスナ６の取付け
は、その都度、作業員が操作フロア上に前記手動チャン
ネルボルトレンチ８を引き上げて、この手動チャンネル
ボルトレンチ８の先端に新チャンネルファスナ６を手で
装着した後に、再び手動チャンネルボルトレンチ８を燃
料プール水中へ沈めて、燃料集合体４のチャンネルファ
スナ取付け箇所へ新チャンネルファスナ６の取付けをし
て燃料チャンネル５の固着をする。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】燃料プール１の水中で
燃料チャンネル着脱機２に搭載された燃料集合体４のチ
ャンネルファスナ６の取付け箇所は、作業員の位置から
約４ｍ下方にあり、人手で長尺の手動チャンネボルトレ
ンチ８を操作するために、その取扱いは容易でなく、作
業員の負担が大きかった。

【０００８】また作業の都度、手動チャンネルボルトレ
ンチ８を操作フロア上へ引き上げているために、放射能
汚染の除去作業や、除染エリアの設定等の付帯作業を必
要としていた。さらに放射能汚染除去作業は、スペース
が狭い検査作業エリア内では他の点検作業の進行を阻害
するという支障があった。

【０００９】本発明の目的とするところは、チャンネル
ファスナの着脱が容易で、作業性および操作性を良好と
し、さらに除染作業等の付帯作業が無く省力化すると共
に、全て水中での作業により放射線被曝の低減と、検査
エリアを縮小できる燃料チャンネル着脱機を提供するこ
とにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、使用済燃料プ
ール内の燃料検査作業等に際して燃料集合体における燃
料チャンネルの着脱を行う燃料チャンネル着脱機におい
て、旋回自在の旋回装置および先端にチャンネルボルト
レンチを備えた伸縮自在のアーム機構を設けると共に、
前記チャンネルボルトレンチにチャンネルファスナの供
給と回収を行うチャンネルファスナ搬送装置を設けたこ
とを特徴とする。

【００１１】

【作用】燃料プールの水中で燃料チャンネル着脱機に搭
載した燃料集合体の上端部における燃料チャンネルを固
着したチャンネルファスナを取外す際には、作業員が燃
料チャンネル着脱機の操作台において、旋回装置とアー
ム機構、およびチャンネルボルトレンチを操作してチャ
ンネルファスナのボルトを緩め、このボルトを保持する
と共に、使用済みチャンネルファスナをチャンネルファ
スナ搬送装置の廃棄用バスケットへ回収する。

【００１２】また新チャンネルファスナを取付ける際に
は、作業員は旋回装置とアーム機構およびチャンネルボ
ルトレンチを操作して、チャンネルボルトレンチにより
チャンネルファスナ搬送装置のファスナ受け台より、新
チャンネルファスナの供給を受け、この新チャンネルフ
ァスナを燃料チャンネルの所定位置に位置決めをする。
次いで、チャンネルファスナは先に保持しているボルト
により、チャンネルファスナを燃料集合体に固定して燃
料チャンネルの固着を行う。

【００１３】

【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。なお、上記した従来技術と同じ構成部分については
同一符号を付して詳細な説明を省略する。図１の斜視図
および図２の断面図に示すように、燃料チャンネル着脱
機９の操作台７の下部には旋回装置10と、その先端部に
取付けたアーム機構11およびチャンネルボルトレンチ12
が設置されている。

【００１４】さらに、前記操作台７に沿ってチャンネル
ファスナ搬送装置13が設置されていて、このチャンネル
ファスナ搬送装置13には、ファスナ受け台14と廃棄用バ
スケット15が備えられた構成としている。

【００１５】また図２に示すように旋回装置10は、操作
台７の下端に設けられたモータ16、減速機17、電磁ブレ
ーキ18、ギアーボックス19、旋回ロッド20からなる円筒
状で、モータ16を駆動することにより旋回が自在で、先
端に取付けたアーム機構11と共にチャンネルボルトレン
チ12の位置決めを行う。

【００１６】またアーム機構11はＬ型で、アーム上下用
エアーシリンダ21、取付板22、アームスライド用エアー
シリンダ23、スライド板24によりなっていて、アーム上
下用エアーシリンダ21とアームスライド用エアーシリン
ダ23により上下、前後に伸縮自在に作動し、スライド板
24の先端にはチャンネルボルトレンチ12が設けられてい
る。

【００１７】図３の要部拡大横断面図は、チャンネルボ
ルトレンチ12とチャンネルファスナ搬送装置13部の詳細
を示し、図４の要部拡大縦断面図はチャンネルボルトレ
ンチ12部の詳細を示す。チャンネルボルトレンチ12はト
ルクモータ25、トルク変換機26、ソケットレンチ27、チ
ャネルファスナ取外し用エアシリンダ28、保持用バネ29
およびガイド板30で構成されており、燃料集合体４の上
端にある燃料チャンネル５を固着するチャネルファスナ
６およびボルト６ａの着脱を行う。

【００１８】またチャンネルファスナ搬送装置13は、燃
料チャンネル着脱機９に併設されていて、前記チャンネ
ルボルトレンチ12と対応する位置にチャネルファスナ６
を供給をするファスナ受け台14が、最下部には使用済み
チャネルファスナ６の燃料プール１内散逸を防止するた
めの廃棄用バスケット15が設けてある。

【００１９】次に上記構成による作用について説明す
る。作業員は燃料チャンネル着脱機９の操作台７上にお
いて、旋回装置10およびアーム機構11を操作して、燃料
プール１の水中で燃料チャンネル着脱機９の可動台３に
搭載してある、燃料集合体４の上端におけるチャンネル
ファスナ６のボルト６ａの位置にチャンネルボルトレン
チ12位置を合わせる。

【００２０】チャンネルボルトレンチ12のトルクモータ
25を駆動して、チャンネルファスナ６のボルト６ａを緩
める。ボルト６ａの緩めが完了後は、ボルト６ａの頭部
は保持用バネ29によりソケットレンチ27内に収納され
る。

【００２１】アーム機構11を操作して燃料チャンネル５
よりチャンネルファスナ６を離脱させ、その後に旋回装
置10とアーム機構11を操作して、チャンネルファスナ搬
送装置13の廃棄用バスケット15上に、チャンネルボルト
レンチ12を位置合わせし、チャンネルボルトレンチ12内
のチャネルファスナ取外し用エアシリンダ28を操作し
て、廃棄バスケット15に使用済みのチャンネルファスナ
６を回収する。

【００２２】次に新チャンネルファスナ６の取付けにつ
いては、チャンネルファスナ搬送装置13を操作し、予め
ファスナ受け台14を気中に引出して、新チャンネルファ
スナ６を複数個装填し、再びて燃料プール１の水中へ沈
めておく。

【００２３】燃料チャンネル着脱機９の可動台３上にお
いて照射燃料検査により燃料の外観検査を終了し、再び
燃料チャンネル５を被せた状態の燃料集合体４に対し
て、旋回装置10およびアーム機構11を操作して、ファス
ナ受け台14より新チャンネルファスナ６をチャンネルボ
ルトレンチ12で掴み取る。

【００２４】さらに、旋回装置10とアーム機構11の操作
により、新チャンネルファスナ６を燃料チャンネル５の
上端部コーナー部のチャンネルファスナ取付け箇所に位
置合わせした後に、チャンネルボルトレンチ12のトルク
モータ25を駆動する。

【００２５】これにより、先にチャンネルボルトレンチ
12の保持用バネ29によりソケットレンチ27内に収納して
いたボルト６ａを締付け、新チャンネルファスナ６を介
して燃料チャンネル５が固着される。

【００２６】このボルト６ａの締付け完了後は、アーム
機構11を操作してチャンネルファスナ６よりチャンネル
ボルトレンチ12を離脱させる。作業完了後は旋回装置10
を旋回操作して、燃料プール１側へアーム機構11、チャ
ンネルボルトレンチ12を寄せておく。

【００２７】一般に燃料集合体４の検査は複数体につい
て実施するが、その場合は上記作業を繰返し行う。これ
により、燃料集合体４における燃料チャンネル５および
チャンネルファスナ６の交換が容易に実施でき、作業員
が受ける放射線も少ない。

【００２８】

【発明の効果】以上本発明によれば、燃料チャンネルの
固着と共に、チャンネルファスナを燃料チャンネルより
確実に取外し、取付けする作業性、操作性を容易にし被
曝低減、汚染拡大防止、作業エリアの縮少が可能とな
り、作業効率と作業環境を著しく向上させる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る一実施例の燃料チャンネル着脱機
の斜視図。

【図２】本発明に係る一実施例の縦断面図。

【図３】本発明に係る一実施例の要部拡大横断面図。

【図４】本発明に係る一実施例の要部拡大縦断面図。

【図５】従来の燃料チャンネル着脱機の斜視図。

【符号の説明】 １…燃料プール、２，９…燃料チャンネル着脱機、３…
可動台、４…燃料集合体、５…燃料チャンネル、６…チ
ャンネルファスナ、７…操作台、８…手動チャンネルボ
ルトレンチ、８ａ，29…保持用バネ、10…旋回装置、11
…アーム機構、12…チャンネルボルトレンチ、13…チャ
ンネルファスナ搬送装置、14…ファスナ受け台、15…廃
棄用バスケット、16…モータ、17…減速機、18…電磁ブ
レーキ、19…ギアボックス、20…旋回ロッド、21…アー
ム上下用エアシリンダ、22…取付板、23…アームスライ
ド用エアシリンダ、24…スライド板、25…トルクモー
タ、26…トルク変換機、27…ソケットレンチ、28…チャ
ンネルファスナ取外し用エアシリンダ、30…ガイド板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用済燃料プール内の燃料検査作業等に
   際して燃料集合体における燃料チャンネルの着脱を行う
   燃料チャンネル着脱機において、旋回自在の旋回装置お
   よび先端にチャンネルボルトレンチを備えた伸縮自在の
   アーム機構を設けると共に、前記チャンネルボルトレン
   チにチャンネルファスナの供給と回収をするチャンネル
   ファスナ搬送装置を設けたことを特徴とする燃料チャン
   ネル着脱機。