JPH06256672A - 制振材料 - Google Patents

制振材料

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JPH06256672A
JPH06256672A JP6755193A JP6755193A JPH06256672A JP H06256672 A JPH06256672 A JP H06256672A JP 6755193 A JP6755193 A JP 6755193A JP 6755193 A JP6755193 A JP 6755193A JP H06256672 A JPH06256672 A JP H06256672A
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JP
Japan
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polymer
conductivity
vibration
damping material
scm
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JP6755193A
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Kazuhiko Yamamoto
山本  和彦
Yoshinobu Suzuki
義信 鈴木
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JSR Corp
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた制振性を有する熱可塑性樹脂を主成分
とする制振材料を提供する。 【構成】 導電率(σ)1Scm-1以上の高導電性高分
子2〜70重量%と、これ以外の高分子重合体98〜3
0重量%とを含有する重合体成分を80〜10重量%な
らびに圧電材料を20〜90重量%含有し、導電率
(σ)10-12 〜10-2Scm-1であることを特徴とす
る制振材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子重合体成分を主
体とする着色可能な制振材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、騒音・振動は大きな公害問題とな
っていると共に、職場環境を改善するため、またオーデ
ィオ関係では騒音・振動問題に加えて音質の高級化志向
に伴なって、さらには最近の技術進歩を反映して超精密
加工、高精度の測定・検査などの分野など、民生用、産
業用を問わず幅広い分野において、振動などの有効な発
生防止、減衰のために様々な方策が試みられている。そ
の例としては、機器の剛性化、振動源あるいはその周辺
機器の振動共振回避策など、設計面での配慮がかなり以
前から行なわれていたが、必ずしも十分な成果が達成さ
れるとは言えないのが実情であった。
【0003】そこで、振動源あるいはその周辺機器に制
振性の材料を使用することが試みられ、既に各種制振合
金や制振鋼材などが開発されている。例えば、制振合金
には黒鉛鋳鉄、亜鉛−アルミニウム系合金などの複合相
材料、鉄−クロム系合金などの強磁性材料、マグネシウ
ム系金属材料などの結晶欠陥転移型材料、マンガン−ク
ロム系合金などの双晶型材料などが知られ、また制振鋼
材は鋼板とゴム、軟質樹脂などの粘弾性ポリマーとを貼
り合わせ、あるいは粘弾性ポリマーを鋼板でサンドイッ
チした複合材料であるが、これらの制振合金および制振
鋼材はいずれも金属をベースにしたものであるため、一
般に重く、利用範囲が限定されると共に、加工も必ずし
も容易ではなく、しかも制振鋼材では異種材料を複合化
する工程が必要であり、またマグネシウム系材料では高
価であるなど、種々の問題があった。
【0004】そこで、熱可塑性の樹脂を主体とし、射出
成形、押出成形、プレス成形など多様な成形法により容
易に成形することができ、軽量、安価な制振材料の開発
がさらに進められており、すでに熱可塑性樹脂と圧電材
料とを主成分とした組成物が提案されている(特開昭5
1−51750号、特開昭60−103708号、特開
昭61−46498号)。これらは、圧電材料の電気機
械変換作用によって振動エネルギーを電気エネルギーに
変換して放散させ、それにより振動を吸収、減衰させる
ものである。しかしながら、これらの組成物では制振
性、すなわち振動の損失係数(=対数減衰率/π)で見
ると約0.06程度に止まるものであって、十分な制振
性を有するとは言えないものである。また、導電性の付
与はカーボンの添加で行なっているため、樹脂を自由に
着色できないという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、熱可塑性樹脂などの重合体成
分を主体とした、より優れた制振性を有し、自由に着色
できる材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは熱
可塑性樹脂などの重合体成分と圧電材料とを含有する制
振材料について鋭意研究した結果、材料の導電率がその
制振性と密接な関係を有することを見い出し、本発明を
完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するため
の本発明の手段は、導電率(σ)1Scm-1以上の導電
性高分子2〜70重量%と、導電率が1Scm-1未満の
高分子重合体98〜30重量%とからなる重合体成分8
0〜10重量部ならびに圧電材料20〜90重量部を含
有(重合体成分と圧電材料の合計100重量部とする)
し、導電率(σ)が10-12 〜10-2Scm-1であるこ
とを特徴とする制振材料である。以下、本発明を具体的
に説明する。まず、本発明の制振材料において、導電率
(σ)を所定の範囲内とするために主に作用しているの
は導電性高分子である。本発明の導電性高分子は構造的
観点から、直鎖状全π共役系高分子、面状全π共役
系高分子、非共役系高分子、および複合系高分子に
分類することができ、これらすべてを含むものである。
【0007】以下に具体例を挙げる。直鎖状全π共役系
高分子には、ポリアセチレン類、ポリジアセチレン
類、ポリ(p−フェニレン)類、ポリ(p−フェニ
レンビニレン)、ポリ(フェニレンカルコゲナイド)
類、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポ
リカルバゾール、ポリキノリン類、ポリアニリン類、
その他であり、およびは相当するモノマーの電解
酸化カップリング重合によって生成する電気化学的にド
ープされた高導電性高分子である。共役系高分子には、
側鎖にπ電子共役系基(カルバゾール、フェロセン、
ペリレン、フタロシアニンなど)を含む高分子、大環
状金属錯体(フシアニンなど)を主鎖に含む高分子、
高分子ポリカチオン−TCNQラジアニオン塩、その
他がある。は絶縁性であるが、それらの電荷移動錯体
は電気化学的ドーピングによって生成する高分子ラジカ
ルカチオン塩は半を示す。はそれ自身半導性を示す
が、ドービングにより高導電性を有する次元導電体とな
る。の電気導電は高分子ではなく、TCNQ分子を通
して行なわれ、高分子ポリカチオンはTCNQ分子を並
ば3る場を提供している。
【0008】一般的な特徴として、全π共役系導電性高
分子は金属的導電性を含め高導電性(σ>1Scm-1
を示すが、不溶不融で成形加工性に乏しい。これに対し
て、共役系導電性高分子は安定性、成形加工性は優れて
いるが、導電性は若干低い。本発明の導電性高分子とし
ては、導電率(σ)が1Scm-1以上の導電性高分子で
あり、特に望ましいのはポリピロール、ポリチオフェ
ン、ポリアニリンである。導電率(σ)が1Scm-1
満の場合、制振材料の導電率を10-12 〜10-2Scm
-1にするためには多量の導電性高分子が必要となり、制
振材料が成形しにくくなり、もろくなって同時に黒色に
着色し、自由に着色することが困難になる。導電性高分
子の好ましいσは、1.5Scm-1以上である。
【0009】本発明において使用することができる導電
率が1Scm-1未満の高分子重合体は、それを導電性高
分子ならびに圧電材料と配合した場合に得られる制振材
料の導電率(σ)が10-12 〜10-2Scm-1の範囲内
を有することができると共に、所要形状に成形できる成
形用グレードのものであり、熱可塑性樹脂、熱可塑性エ
ラストマー、ゴム、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂など
が含まれる。これらの高分子重合体は、主にその化学構
造に基づく固有の導電率を有するものであるが、各導電
率に応じて導電性高分子ならびに圧電材料の種類、配合
量などを調節することにより、制振材料の導電率を所定
範囲内とすることができる。
【0010】上記高分子重合体のうち、熱可塑性樹脂の
例を挙げると、オレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ス
チレン系樹脂(ABS樹脂などの耐衝撃性樹脂を含
む)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体およびそ
の水素添加物、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリイミド、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポ
リシロキサン、液晶ポリマー(ポリカーボネート系、ポ
リエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系など)な
どのほか、形状記憶樹脂(トランスポリイソプレン、ポ
リノルボルネンなど)などがある。なお、熱可塑性樹脂
は非晶質性でも結晶性でもよい。
【0011】上記熱可塑性エラストマーの例には、エチ
レン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリ
マー、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチ
レン、1,2−ポリブタジエン、ポリエステル系エラス
トマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エ
ラストマー、ポリシロキサン系エラストマーなどがあ
る。上記ゴムとしては、ブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレンなどの共役ジエンの単独重合体、これらの共役
ジエンとスチレン、アクリロニトリルなどとの共重合
体、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルボ
ム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、多硫
化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴムなどが挙げ
ることができる。
【0012】上記熱硬化性樹脂および常温硬化性樹脂と
しては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、尿
素樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など
が挙げられる。なお、これらの硬化性樹脂では成形前に
は比較的低分子である場合もあるが、そのような硬化性
樹脂も、所要形状の制振材料として使用される段階では
硬化され、全体として高分子化されているものであっ
て、その意味において本発明における高分子重合体に包
含されるものである。また本発明においては、それ自体
として硬化性をもたない樹脂であっても、紫外線、電子
線、γ線などのエネルギー線処理によって硬化しうるも
のについては、所要形状に成形後硬化処理して制振材料
として使用することもできるのであり、従ってこのよう
な樹脂も本発明における高分子重合体に含まれる。
【0013】これらの導電率が1Scm-1未満の高分子
重合体には、化学的性質、機械的性質などを改善するた
めに種々の化学的変性処理、物理的変性処理などを施す
ことができる。また、上記高分子重合体は単独でまたは
2種以上の混合物として使用される。導電率が1Scm
-1以上の導電性高分子の使用量は2〜70重量%、好ま
しくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50重
量%であり、導電率が1Scm-1未満の高分子重合体の
使用量は98〜30重量%、好ましくは95〜40重量
%、さらに好ましくは90〜50重量%である。導電率
が1Scm-1以上の導電性高分子が2重量%未満のとき
は、制振材料の導電率が10-12 Scm-1未満になり、
制振材料の損失係数が小さくなり効果がない。導電率が
1Scm-1以上の導電性高分子が70重量%を超える
と、制振材料への成形加工が困難になり、また、できた
制振材料ももろくなる上、自由な着色ができなくなる。
【0014】本発明において使用される圧電材料は、振
動エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を果たす
ものである。それには、例えば圧電セラミック、圧電性
ポリマーなどが使用されるが、その具体例を挙げると、
BaTiO3 、(Ba、Pb)TiO3 、(Ba、C
a)TiO3 、(K、Na)NbO3 、(K、Li)N
bO3 、Pb(Zr、Ti)O3 (すなわちPZT)、
複合ペロブスカイトを配合したPZT、PLZT(すな
わちLaをドープしたPZT)、Bi4 Ti3 12、L
iNbO3 、LiTiO3 などのほか、ZnO、Al
N、PbTiO3 などの薄膜状圧伝セラミック、ポリフ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチ
レンとの共重合体、ビニリデンシアナイドと酢酸ビニル
との共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ヨウ素化
ポリ酢酸ビニルなどのほか、薄膜状のポリウレアなどの
高分子圧電体などがある。これらの圧電材料は、ポーリ
ングにより分極を揃えておくこともできる。
【0015】本発明における圧電材料の平均粒径は、重
合体成分中に実質的に均一に配合することができる限り
特に限定されないが、通常1〜100μmである。好ま
しい平均粒径は2〜70μmであり、さらに好ましくは
2〜50μmである。平均粒径が100μmを超えると
重合体成分との接着性が低下し、制振材料の物性や成形
後の外観が悪くなりやすい。また、圧電材料の平均粒径
を1μmより小さくすることもできるが、粒径を小さく
する手間に比べ制振性などの効果がそれほど改善され
ず、必ずしも実際的ではない。また、特に圧電セラミッ
クの場合には、配合前に界面活性剤、カップリング剤な
どの表面処理剤で処理することにより、分散性を良くす
ることができる。圧電材料の形状は球形である必要はな
く、板状、薄膜状あるいは不規則形状であることもでき
るが、いずれの場合であっても、粉砕、切断などによ
り、最大径が上記平均粒径の範囲内とすることが好まし
い。
【0016】本発明における制振材料中の上記各成分の
配合割合は、重合体成分と圧電材料の総量を100重量
部とした場合、導電性高分子と高分子重合体とからなる
重合体成分が80〜10重量部、ならびに圧電材料が2
0〜90重量部でなければならない。圧電材料の含有量
が20重量部未満では制振効果が不十分となり、また9
0重量部を超えると組成物の成形加工性が低下する。圧
電材料の好ましい含有量は20〜85重量部である。
【0017】本発明の制振材料には帯電防止剤、さらに
無機酸のアルカリ金属塩を帯電防止剤と共に制振材料中
に配合することができ、この無機酸のアルカリ金属塩も
導電率を上げる作用を示す。そのアルカリ金属として
は、Li、Na、Kが好ましく、また無機酸としては、
過塩素酸、チオシアン酸、硫酸、炭酸、リン酸、ハロゲ
ン化水素酸などが使用されるが、そのうち、過塩素酸、
チオシアン酸、ハロゲン化水素酸が好ましく、特にチオ
シアン酸が好ましい。無機酸のアルカリ金属塩の例とし
ては、LiClO、KClO、NaClO、LiSC
N、NaSCN、KSCN、KCl、NaCl、LiC
lなどが挙げられ、特に好ましいのはKSCN、NaS
CNなどが挙げられる。
【0018】次に、本発明の制振材料において使用する
ことのできる帯電防止剤は、樹脂、ゴムに対して通常配
合されているもののうち、親水性基と疎水性基とを有す
る界面活性剤型の帯電防止剤である。好ましい帯電防止
剤としては、アルキルサルフェート、アルキルアリール
サルフェート、アルキスアシッドホスフェート、アルキ
ルホスフェートに代表されるアニオン型帯電防止剤、ア
ミン中和塩、第四級アンモニウム塩、錯イオン性塩に代
表されるカチオン型帯電防止剤、ベタイン、スルフォベ
タイン、重金属塩に代表される両性イオン型帯電防止
剤、アルキルアミン脂肪酸中和塩に代表されるアニオン
−カチオン中和型帯電防止剤、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、モノグリセリド、ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、トリア
ルキルホスフェートに代表される非イオン型帯電防止
剤、アミノキシド、ビスグリセリルボレートモノアルキ
レートに代表される半極性型帯電防止剤などが挙げられ
る。
【0019】本発明における特に好ましい帯電防止剤
は、下記の式(1)で表わされるポリオキシアルキレン
基含有アルキルアミン NR[(OR1 )mH][(OR2 )nH] ・・・・・ (1) 〔式中、Rは炭素数3〜30のアルキル基、R1 および
2 は互いに独立にエチレン基またはプロピレン基で、
好ましくは共にエチレン基であり、mおよびnは互いに
独立に1〜10の整数〕ならびに下記の式(2)で表さ
れるナトリウムアルキルサルフェート RSO4 Na ・・・・・ (2) 〔式中、Rは炭素数3〜30のアルキル基〕である。
【0020】上記(1)および式(2)の化合物におい
て、アルキル基の炭素数が3未満では高分子重合体との
相溶性が低下して成形不良、物性低下などをきたし、一
方、30を超えると制振材料の導電率の上昇に寄与せず
好ましくない。また、mあるいはnが10を超えると帯
電防止作用が低下する。本発明において、帯電防止剤は
制振材料100重量部に対して、通常0.1〜10重量
部、好ましくは0.2〜5重量部、さらに好ましくは
0.5〜3重量部である。本発明においては、導電率1
Scm-1以上の導電性高分子および帯電防止剤は、それ
ぞれについて1種または2種以上の混合物として使用す
ることができる。
【0021】本発明の制振材料を構成する各成分の配合
は、それぞれの重合体成分について通常使用される方法
により実施することができる。例えば、熱可塑性樹脂あ
るいは熱可塑性エラストマーでは、単軸押出式、二軸押
出式、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロー
ルなどを使用して溶融状態で配合することができ、また
押出成形や射出成形などにおいては、それらの混練工程
に各成分を提供して溶融・混練して成形することによ
り、簡便に所定形状の制振材料を得ることができる。さ
らに、重合体成分を溶剤に溶解あるいは膨潤させ、圧電
材料などの他の配合成分を混入させた後乾燥する方法、
エマルジョン状の重合体成分と微粉末状の他の配合成分
とを混合後凝固する方法、各成分をぺースト状または微
粉末状で混合する方法などの方法も採用することができ
る。配合工程における各成分の添加順序は必ずしも限定
されるものではないが、一般には、まず導電率1Scm
-1以上の導電性高分子および/または帯電防止剤と導電
率1Scm-1未満の高分子重合体とを混練・混合してお
き、それに圧電材料を添加することが好ましい。
【0022】また、本発明の制振材料には、例えば、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−
(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェ
ノール、2,2−メチル−ビス−(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)、トリス(ジ−ノニルフェニルホ
スファイト)などの酸化防止剤、p−t−ブチルフェニ
ルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキ
シ−ベンゾフェノン、2−(2′−ジヒドロキシ−4′
−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどの
紫外線吸収剤、パラフィンワックス、ステアリン酸、硬
化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、
m−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルア
ルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、シ
リコーノイルなどの滑剤、酸化アンチモン、水酸化アル
ミニウム、ほう酸亜鉛、塩素化パラフィン、テトラブロ
モブタン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビスフ
ェノールAなどの難燃剤、酸化チタン、カーボンブラッ
クなどの顔料・着色剤、酸化カルシウム、クレー、シリ
カ、ガラス繊維、各種ウイスカー、ガラス球などの充填
剤や補強剤などを、必要に応じて添加することができ
る。
【0023】本発明の制振材料の導電率(σ)は10
-12 〜10-2Scm-1でなければならない。導電率
(σ)が10-12 cm-1未満になると制振性が著しく低
下する。また、(σ)が10-2Scm-1以上になっても
制振性が低下する。本発明の制振材料は、その高分子重
合体あるいは重合体成分の性状に応じた射出成形、押出
成形、熱成形、注型成形、真空成形、プレス成形、トラ
ンスファ成形、ペースト加工、粉末加工などの通常の成
形法により容易に所望形状に成形でき、二次加工も容易
である。また、本発明の制振材料を使用して制振性の部
材・部品を成形する際には、部材・部品全体を本発明の
制振材料から構成することができ、あるいは部材・部品
のうち振動源に近い領域にのみ、本発明の制振材料を使
用した1種の積層構造または傾斜構造とすることもでき
る。さらに、本発明の制振材料は発泡構造もとることが
でき、それにより構造的な振動吸収特性と相乗してさら
に制振性を改善することもできる。本発明の制振材料
は、その極めて優れた制振性や成形容易性などにより、
自動車、オーディオ、超精密加工、建設・建築など、産
業用、民生用を問わず、幅広い分野における振動・騒音
の抑制、減衰に有効に使用することができる。
【0024】以下に、実施例および比較例を挙げて、本
発明の実施態様ならびに効果をさらに具体的に説明す
る。なお、本実施例中の%および部は、それぞれ重量基
準である。
【実施例】
・導電性高分子 ポリアニリン(VERSICON, Alliel Signcl 製) 導電
率;3Scm-1 ポリアセチレン(ラボ作成) 導電率;10-2Scm-1 ・高分子重合体 ナイロン−6(CAPRON, PA-6, Allied Signal 製) 導電
率;10-15 Scm-1 ・圧電材料 PZT(富士チタン製) 平均粒径;5μm (評価方法) 導電率(Scm-1):横河−ヒューレットパッカード
(Hewlett, Packand製)、4329A抵抗測定装置を用
いて測定した。 損失係数(η):振動リード法により測定した。 着色可能:40m/m押出機を用いて、材料および着色
剤を混練りした。 ○;多くの色に着色できる ×;黒、灰色以外困難
【0025】実施例1〜4、比較例1、2 PA−6、ポリアニリン、PZTを表1に示す配合割合
で配合し、220℃で混練りし、ペレットを作成、テス
トピースを射出成形し測定した。 比較例3 実施例1のポリアニリンをポリアセチレンに変えた。 実施例5〜8、比較例5、6 表2に示すように樹脂/PZTの比率を変えた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の制振材料
は、極めて優れた制振性を有するのみならず、成形加工
性、機械的強度などの面でも良好な特性を示し、自動車
のエンジン周辺機器、オーディオ製品の枠組やケース、
超LSI製造設備、光ファイバー溶接設備、磁気ディス
ク検査装置、遠距離用レーザーの設置台、鉄道橋などの
大型構造物部材、コンベアー部材、構成階段やドア部材
など、幅広い分野において、極めて有効に使用すること
ができるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電率(σ)1Scm-1以上の導電性高
    分子2〜70重量%と、導電率が1Scm-1未満の高分
    子重合体98〜30重量%とからなる重合体成分80〜
    10重量部ならびに圧電材料20〜90重量部を含有
    (重合体成分と圧電材料の合計100重量部とする)
    し、導電率(σ)が10-12 〜10-2Scm-1であるこ
    とを特徴とする制振材料。
JP6755193A 1993-03-03 1993-03-03 制振材料 Pending JPH06256672A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106373685A (zh) * 2016-08-29 2017-02-01 广西新未来信息产业股份有限公司 一种低压压敏排阻及其制造方法
JP2017105270A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

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