JPH05140467A - 制振材料 - Google Patents

制振材料

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JPH05140467A
JPH05140467A JP3326742A JP32674291A JPH05140467A JP H05140467 A JPH05140467 A JP H05140467A JP 3326742 A JP3326742 A JP 3326742A JP 32674291 A JP32674291 A JP 32674291A JP H05140467 A JPH05140467 A JP H05140467A
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JP
Japan
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polymer
vibration
acid
damping material
damping
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JP3326742A
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Kazuhiko Yamamoto
山本  和彦
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた制振性を有する、重合体成分を主体と
する制振材料を提供する。 【構成】 イオン伝導性ポリマー及び/又は帯電防止剤
とイオン伝導性ポリマー以外の高分子重合体とを含有す
る重合体成分を95〜30重量%並びに平均粒径1〜1
00μmの圧電材料を5〜70重量%含有し、体積固有
抵抗値が1012〜102 Ω・cmである組成物からなる
ことを特徴とする制振材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合体成分を主体とす
る制振材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年騒音・振動は大きな公害問題となっ
ているとともに、職場環境を改善するため、またオーデ
ィオ関係では騒音・振動問題に加えて音質の高級化志向
に伴って、さらには最近の技術進歩を反映して超精密加
工、高精度の測定・検査等の分野など、民生用、産業用
を問わず幅広い分野において、振動等の有効な発生防
止、減衰のために様々な方策が試みられている。その例
としては、機器の剛性化、振動源あるいはその周辺機器
の振動共振回避策など、設計面での配慮がかなり以前か
ら行なわれていたが、必ずしも十分な成果が達成される
とは言えないのが実情であった。そこで、振動源あるい
はその周辺機器に制振性の材料を使用することが試みら
れ、既に各種制振合金や制振鋼材などが開発されてい
る。例えば、制振合金には黒鉛鋳鉄、亜鉛ーアルミニウ
ム系合金などの複合相材料、鉄ークロム系合金などの強
磁性材料、マグネシウム系金属材料などの結晶欠陥転移
型材料、マンガンークロム系合金などの双晶型材料など
が知られ、また制振鋼材は鋼板とゴム、軟質樹脂などの
粘弾性ポリマーとを貼り合わせ、あるいは粘弾性ポリマ
ーを鋼板でサンドイッチした複合材料であるが、これら
の制振合金及び制振鋼材はいずれも金属をベースにした
ものであるため一般に重く、利用範囲が限定されるとと
もに、加工も必ずしも容易ではなく、しかも制振鋼材で
は異種材料を複合化する工程が必要であり、またマグネ
シウム系材料では高価であるなど、種々の問題があっ
た。そこで、熱可塑性の樹脂を主体とし、射出成形、押
出成形、プレス成形など多様な成形法により容易に成形
することができて軽量、安価な制振材料の開発がさらに
進められており、既に熱可塑性樹脂と圧電材料とを主成
分とした組成物が提案されている(特開昭51−517
50号、特開昭60−103708号、特開昭61−4
6498号)。これらは、圧電材料の電気機械変換作用
によって振動エネルギーを電気エネルギーに変換して放
散させ、それにより振動を吸収、減衰させるものであ
る。しかしながら、これらの組成物では、振動の損失係
数(=対数減衰率/π)で見ると約0.06程度に止ま
るものであって、十分な制振性を有するとは言えないも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする課題は、熱可塑性樹脂等の重合体成分
を主体とした、より優れた制振性を有する材料を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは熱
可塑性樹脂等の重合体成分と圧電材料とを含有する制振
材料について鋭意研究した結果、材料の体積固有抵抗値
がその制振性と密接な関係を有することを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、上記課題を解決するため
の本発明の手段は、イオン伝導性ポリマー及び/又は帯
電防止剤とイオン伝導性ポリマーを除く高分子重合体
(以下、「高分子重合体」という。)とを含有する重合
体成分を95〜30重量%並びに圧電材料を5〜70重
量%含有し、体積固有抵抗値が1012〜102 Ω・cm
であることを特徴とする制振材料からなる。
【0005】以下、本発明を具体的に説明する。まず本
発明の制振材料において、体積固有抵抗値を所定の範囲
内とするために主に作用しているのは、イオン伝導性ポ
リマー及び/又は帯電防止剤であるが、そのうちのイオ
ン伝導性ポリマーとは、それ自体では導電性を有すると
は言えないが、無機イオンを配合することにより導電性
を示すポリマーを意味する。したがって、導電性を有す
るポリマーとして既に知られている、電子受容体や電子
供与体をドーピングしたポリアセチレン、電解酸化重合
により合成されるポリピロール、さらにはポリパラフェ
ニレンサルファイド等のπー電子共役系ポリマー、グラ
ファイト構造を有するポリマーなどは、本発明で言うイ
オン伝導性ポリマーには含まれない。
【0006】本発明において使用されるイオン伝導性ポ
リマーの例には、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレ
ンオキシド、ポリエチレンイミンなど、過塩素酸リチウ
ム等を配合することにより導電性を示すものが挙げられ
るが、好ましいイオン伝導性ポリマーは、主鎖に上記し
たイオン伝導性のブロックと機械的強度を発現するブロ
ックとを有するブロック共重合体であり、とくにポリ
(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメント
とし、ポリアミドあるいはポリエステルアミドをハード
セグメントとするポリエーテルアミド及びポリエーテル
エステルアミドである。これらのイオン伝導性ポリマー
は単独であるいは2種以上混合して使用される。
【0007】上記ポリエーテルアミド及びポリエーテル
エステルアミドについてさらに説明すると、ソフトセグ
メントであるポリ(アルキレンオキシド)グリコールに
は、例えばポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プ
ロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピ
レンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキ
シド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グ
リコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの
ブロック又はランダム共重合体、エチレンオキシドとテ
トラヒドロフランとのブロック又はランダム共重合体な
どが使用される。これらのうち、ポリエチレングリコー
ルが体積固有抵抗値を小さくするので好ましい。上記ポ
リ(アルキレンオキシド)グリコールの数平均分子量は
一般に200〜6000の範囲にあり、好ましくは25
0〜3000である。これらのポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールは単独で又は2種以上混合して使用され
る。
【0008】一方、ハードセグメントを構成するポリア
ミドには、アミノカルボン酸あるいはラクタム及びジア
ミンージカルボン酸塩の少なくとも1種から形成される
ものが使用される。またもう一方のハードセグメントで
あるポリエステルアミドは、ポリアミド鎖及びポリエス
テル鎖を形成する成分の共重縮合、ポリアミドブロック
とポリエステルブロックとの反応などにより形成される
ものであり、前者の共重縮合の場合、ポリアミド鎖形成
成分中のジカルボン酸とポリエステル鎖形成成分中のジ
カルボン酸とは同一でも異なってもよい。上記ポリアミ
ド鎖形成成分には、ハードセグメントである上記ポリア
ミドの場合と同様の化合物が使用でき、また上記ポリア
ミドブロックには、ハードセグメントである上記ポリア
ミドと同様のブロックからなるものが使用できる。さら
に上記ポリエステル鎖は、オキシカルボン酸あるいはラ
クトン及びグリコールとジカルボン酸の少なくとも1種
のポリエステル鎖形成成分から形成することができ、ま
た上記ポリエステルブロックには、上記ポリエステル鎖
形成成分から得られるものが使用できる。
【0009】ハードセグメントを構成する上記ポリアミ
ドあるいは上記ポリエステルアミドの形成に使用できる
アミノカルボン酸、ラクタム又はジアミンージカルボン
酸塩の例を挙げると、ω−アミノカプロン酸、ω−アミ
ノエナント酸、ω−アミノカプリン酸、ω−アミノペル
ゴン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデ
カン酸などの炭素数6以上のアミノカルボン酸、カプロ
ラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウ
ロラクタムなどの炭素数6以上のラクタム、ヘキサメチ
レンジアミンーアジピン酸塩、ヘキサメチレンジアミン
ーセバシン酸塩、ヘキサメチレンジアミンーイソフタル
酸塩などの炭素数6以上のジアミンと炭素数6以上のジ
カルボン酸との塩などがある。
【0010】さらに、上記ポリエステルアミドの形成に
使用される化合物のうち、ポリエステル鎖形成成分ある
いはポリエステルブロックを構成することができるグリ
コール及びジカルボン酸の例を挙げると、まずグリコー
ルには、上記ソフトセグメントに使用されるポリ(アル
キレンオキシド)グリコールのほか、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの
低級グリコールなどがある。次にジカルボン酸として
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルホイソ
フタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、
シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸などがあり、これらのジ
カルボン酸の炭素数は4〜20が好ましい。
【0011】イオン伝導性ポリマーを使用する場合、可
塑剤、溶剤、液状ポリマー、相溶性樹脂など、イオン伝
導性ポリマー及び高分子重合体の両者に親和性のある成
分(いわゆる相溶化剤)を添加することにより、制振材
料の諸物性をさらに改善することができる。
【0012】つぎに、本発明の制振材料において使用さ
れる帯電防止剤は、プラスチック、ゴムに対して通常配
合されているもののうち、親水性基と疎水性基とを有す
る界面活性剤型の帯電防止剤である。好ましい帯電防止
剤には、アルキルサルフェート、アルキルアリールサル
フェート、アルキルアシッドホスフェート、アルキルホ
スフェートに代表されるアニオン型帯電防止剤、アミン
中和塩、第四級アンモニウム塩、錯イオン性塩に代表さ
れるカチオン型帯電防止剤、ベタイン、スルフォベタイ
ン、重金属塩に代表される両性イオン型帯電防止剤、ア
ルキルアミン脂肪酸中和塩に代表されるアニオンーカチ
オン中和型帯電防止剤、ソルビタン脂肪酸エステル、モ
ノグリセリド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、トリアルキ
ルホスフェートに代表される非イオン型帯電防止剤、ア
ミンオキシド、ビスグリセリルボレートモノアルキレー
トに代表される半極性型帯電防止剤などが挙げられる。
【0013】本発明におけるとくに好ましい帯電防止剤
は、下記の式(1)で表されるポリオキシアルキレン基
含有アルキルアミン NR[(OR1)mH ][(OR2)nH ] (1) (式中、R は炭素数3〜30のアルキル基、R1及びR2
互いに独立にエチレン基又はプロピレン基で、好ましく
はともにエチレン基であり、m 及びn は互いに独立に1
〜10の整数)、並びに下記の式(2)で表されるナト
リウムアルキルサルフェート RSO4Na (2) (式中、R は炭素数3〜30のアルキル基)である。上
記式(1)及び式(2)の化合物において、アルキル基
の炭素数が3未満では高分子重合体との相溶性が低下し
て成形不良、物性低下などを来し、一方30を超える
と、制振材料の体積固有抵抗値が1013Ω・cm以上に
なり好ましくない。またm あるいはn が10を超える
と、帯電防止作用が低下する。
【0014】本発明においては、帯電防止剤は単独で使
用することができるが、さらに無機アルカリ金属塩を帯
電防止剤とともに制振材料中に配合することができ、こ
の無機アルカリ金属塩も体積固有抵抗値を低下させる作
用を示す。そのアルカリ金属としては、Li、Na、K
が好ましく、また無機酸としては、過塩素酸、チオシア
ン酸、硫酸、炭酸、リン酸、ハロゲン化水素酸などが使
用されるが、そのうち、過塩素酸、チオシアン酸、ハロ
ゲン化水素酸が好ましく、とくにチオシアン酸が好まし
い。無機アルカリ金属塩の例としては、LiClO、K
ClO、NaClO、LiSCN、NaSCN、KSC
N、KCl、NaCl、LiClなどが挙げられ、とく
に好ましいのはKSCN、NaSCNなどが挙げられ
る。
【0015】本発明においては、イオン伝導性ポリマー
及び帯電防止剤はそれぞれについて1種又は2種以上の
混合物として使用することができるが、また1種以上の
イオン伝導性ポリマーと1種以上の帯電防止剤とを併用
することができ、場合により、上記無機アルカリ金属塩
を1種以上さらに配合することもできる。
【0016】本発明において使用することができる、イ
オン伝導性ポリマー以外の高分子重合体は、それをのイ
オン伝導性ポリマー及び/又は帯電防止剤並びに圧電材
料とともに配合した場合に得られる制振材料が1012
102 Ω・cmの範囲内の体積固有抵抗値を有すること
ができるとともに所要形状に成形できる成形用グレード
のものであり、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、
ゴム、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂などが含まれる。
これらの高分子重合体は、主にその化学構造に基づく固
有の体積固有抵抗値を有するものであるが、各体積固有
抵抗値に応じてイオン伝導性ポリマー及び/又は帯電防
止剤並びに圧電材料の種類、配合量等を調節することに
より、制振材料の体積固有抵抗値を所定範囲内とするこ
とができる。
【0017】上記熱可塑性樹脂の例を挙げると、オレフ
ィン系樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレン
ービニルアルコール共重合体、スチレン系樹脂(ABS
樹脂等の耐衝撃性樹脂を含む)、スチレンーブタジエン
ブロック共重合体及びその水素添加物、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルア
ミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリウレタン、ポリシロキサン、液晶ポリマー(ポ
リカーボネート系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポ
リウレタン系など)、などのほか、形状記憶樹脂(トラ
ンスポリイソプレン、ポリノルボルネンなど)などがあ
る。なお熱可塑性樹脂は非晶質ポリマーでも結晶性ポリ
マーでもよい。
【0018】上記熱可塑性エラストマーの例には、エチ
レンープロピレンゴム、エチレンープロピレンターポリ
マー、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチ
レン、1,2−ポリブタジエン、ポリエステル系エラス
トマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エ
ラストマー、ポリシロキサン系エラストマーなどがあ
る。
【0019】上記ゴムとしては、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレンなどの共役ジエンの単独重合体、これ
らの共役ジエンとスチレン、アクリロニトリルなどとの
共重合体、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリ
ルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、
多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、天然ゴムなどが
挙げることができる。
【0020】上記熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂とし
ては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、尿素
樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが
挙げられる。なおこれらの硬化性樹脂では成形前には比
較的低分子である場合もあるが、そのような硬化性樹脂
も、所要形状の制振材料として使用される段階では硬化
され全体として高分子化されているものであって、その
意味において、本発明における高分子重合体に包含され
るものである。また本発明においては、それ自体として
硬化性をもたない樹脂であっても紫外線、電子線、γ線
などのエネルギー線処理によって硬化しうるものについ
ては、所要形状に成形後硬化処理して制振材料として使
用することもできるのであり、従ってこの様な樹脂も本
発明における高分子重合体に含まれる。
【0021】これらの高分子重合体には化学的性質、機
械的性質などを改善するために種々の化学的変性処理、
物理的変性処理などを施すことができる。また上記高分
子重合体は単独で又は2種以上の混合物として使用され
る。
【0022】本発明において使用される圧電材料は振動
エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を果たすも
のである。それには、例えば圧電セラミック、圧電性ポ
リマーなどが使用されるが、その具体例を挙げると、B
aTiO3 、(Ba,Pb)TiO3 、(Ba,Ca)
TiO3 、(K,Na)NbO3 、(K,Li)NbO
3 、Pb(Zr,Ti)O3 (即ちPZT)、複合ペロ
ブスカイトを配合したPZT、PLZT(即ちLaをド
ープしたPZT)、Bi4 Ti312 、LiNb
3 、LiTiO3 等のほか、ZnO、AlN、PbT
iO3 などの薄膜状圧電セラミック、ポリフッ化ビニリ
デン、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共
重合体、ビニリデンシアナイドと酢酸ビニルとの共重合
体、ポリテトラフルオロエチレン、ヨウ素化ポリ酢酸ビ
ニル等のほか、薄膜状のポリウレアなどの高分子圧電体
などがある。これらの圧電材料は、ポーリングにより分
極を揃えておくこともできる。
【0023】本発明における圧電材料の平均粒径は、重
合体成分中に実質的に均一に配合することができる限り
特に限定されないが、通常1〜100μmである。好ま
しい平均粒径は2〜70μmであり、さらに好ましくは
2〜50μmである。平均粒径が100μmを超えると
重合体成分との接着性が低下し、制振材料の物性や成形
後の外観が悪くなり易い。また圧電材料の平均粒径を1
μmより小さくすることもできるが、粒径を小さくする
手間に比べ制振性などの効果がそれ程改善されず、必ず
しも実際的ではない。また特に圧電セラミックの場合に
は、配合前に界面活性剤、カップリング剤などの表面処
理剤で処理することにより、分散性を良くすることがで
きる。圧電材料の形状は球形である必要はなく、板状、
薄膜状あるいは不規則形状であることもできるが、何れ
の場合であっても、粉砕、切断等により、最大径が上記
平均粒径の範囲内とすることが好ましい。
【0024】本発明における制振材料中の上記各成分の
配合割合は、まずイオン伝導性ポリマー及び/又は帯電
防止剤と高分子重合体とを含有し、場合によりさらに無
機アルカリ金属塩を含有する重合体成分が95〜30重
量%並びに圧電材料が5〜70重量%でなければならな
い。圧電材料の含有量が5重量%未満では制振効果が不
十分となり、また70重量%を超えると組成物の成形加
工性が低下する。圧電材料の好ましい含有量は10〜6
0重量%であり、より好ましくは15〜55重量%であ
る。
【0025】一方、圧電材料以外の成分の配合割合につ
いては、制振材料の体積固有抵抗値が1012〜102 Ω
・cmとなる限り特段の制約はない。好適な配合割合
は、各成分の化学構造や電気的・機械的特性、成分相互
間の親和性、形状や粒径などによって変化するので一義
的に決まるものではないが、一般的に言えば、イオン伝
導性ポリマーについては、高分子重合体との合計量の5
重量%以上90重量%以下であることが好ましい。イオ
ン伝導性ポリマーが5%重量未満では組成物の体積固有
抵抗値が1013Ω・cm以下にすることが一般に困難と
なり、また90重量%を超えると制振材料の機械的特性
が低下する傾向を示す。つぎに帯電防止剤については、
高分子重合体に対して0.2〜10重量%であることが
好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%、さらに
好ましくは0.5〜3重量%である。帯電防止剤の配合
量が0.2重量%より小さい場合は所要の体積固有抵抗
値を達成することが困難となり、10重量%より多い場
合は制振材料の耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性などが低下
する傾向を示す。またイオン伝導性ポリマーと帯電防止
剤とを併用する場合、帯電防止剤を無機アルカリ金属塩
と併用する場合などでは、各成分の含有量は、制振材料
の体積固有抵抗値に加えて機械的特性などを考慮して調
節することが必要となる。
【0026】本発明の制振材料を構成する各成分の配合
は、それぞれの高分子重合体あるいは重合体成分につい
て通常使用される方法により実施することができる。例
えば熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーでは、
単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ミキシングロールなどを使用して溶融状態で配合す
ることができ、また押出成形や射出成形などにおいて
は、それらの混練工程に各成分を供給して溶融・混練し
て成形することにより、簡便に所定形状の制振材料を得
ることができる。さらに、重合体成分を溶剤に溶解ある
いは膨潤させ、圧電材料等の他の配合成分を混入させた
のち乾燥する方法、エマルジョン状の重合体成分と微粉
末状の他の配合成分とを混合後凝固する方法、各成分を
ペースト状又は微粉末状で混合する方法などの方法も採
用することができる。配合工程における各成分の添加順
序は必ずしも限定されるものではないが、一般には、ま
ずイオン伝導性ポリマー及び/又は帯電防止剤と高分子
重合体とを混練・混合しておき、それに圧電材料を添加
することが好ましい。
【0027】また、本発明の制振材料には、例えば、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−
(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェ
ノール、2,2−メチレン−ビス−(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール)、トリス(ジ−ノニルフェニル
ホスファイト)などの酸化防止剤、p−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシ−ベンゾフェノン、2−(2’−ジヒドロキシ−
4’−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールな
どの紫外線吸収剤、パラフィンワックス、ステアリン
酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロア
ミド、m−ブチルステアレート、ケトンワックス、オク
チルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリ
ド、シリコーンオイルなどの滑剤、酸化アンチモン、水
酸化アルミニウム、ほう酸亜鉛、塩素化パラフィン、テ
トラブロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロ
モビスフェノールAなどの難燃剤、酸化チタン、カーボ
ンブラックなどの顔料・着色剤、酸化カルシウム、クレ
ー、シリカ、ガラス繊維、各種ウイスカー、ガラス球な
どの充填剤や補強材などを、必要に応じて添加すること
ができる。
【0028】本発明の制振材料の体積固有抵抗値は10
12〜102 Ω・cmでなければならない。体積固有抵抗
値が1012Ω・cmを超えると制振性が著しく低下す
る。一方、体積固有抵抗値を102 Ω・cmより小さく
するのは適当でない。これは、必ずしも体積固有抵抗値
が小さいほど制振性も良くなるものではないのに対し
て、その様な組成物では、必然的にイオン伝導性ポリマ
ーや帯電防止剤(あるいは、さらに無機アルカリ金属
塩)、場合により他の導電性材料の添加量を増加するこ
とが必要となり、その結果、制振材料の成形加工性や機
械的特性などが著しく低下し、しかも制振材料の電気抵
抗が小さすぎる場合は、電気絶縁性が要求される多くの
用途に不適当となるからである。
【0029】本発明の制振材料は、その高分子重合体あ
るいは重合体成分の性状に応じた射出成形、押出成形、
熱成形、注型成形、真空成形、プレス成形、トランスフ
ァ成形、ペースト加工、粉末加工などの通常の成形法に
より容易に所望形状に成形でき、二次加工も容易であ
る。また本発明の制振材料を使用して制振性の部材・部
品を成形する際には、部材・部品全体を本発明の制振材
料から構成することができ、あるいは部材・部品のうち
振動源に近い領域にのみ本発明の制振材料を使用した1
種の積層構造又は傾斜構造とすることもできる。さらに
本発明の制振材料は発泡構造もとることができ、それに
より構造的な振動吸収特性と相乗してさらに制振性を改
善することもできる。本発明の制振材料は、その極めて
優れた制振性や成形容易性などにより、自動車、オーデ
ィオ、超精密加工、建設・建築など、産業用、民生用を
問わず、幅広い分野における振動・騒音の抑制、減衰に
有効に使用することができる。以下に、実施例及び比較
例を挙げて、本発明の実施態様並びに効果をさらに具体
的に説明する。
【0030】
【実施例】
実施例1〜7、比較例1〜5 ナイロンー6(PA−6)、下記ポリエーテルアミド
(PEA)又はポリエーテルエステルアミド(PEE
A)、PZT及び導電性カーボンブラックを、表1に示
す割合(単位:重量部)で配合し、温度250°Cで混
練してペレットを作成しテストピースに成形して、体積
固有抵抗値及び損失係数を測定した。測定結果を表1〜
3に示す。 ポリエーテルアミド:カプロラクタム50部及び数平均
分子量1000のポリエチレングリコール50部から得
られたもの。 ポリエーテルエステルアミド:カプロラクタム50部、
数平均分子量1000のポリエチレングリコール40部
及びアジピン酸7部から得られたもの。 体積固有抵抗値(単位:Ω・cm)は、横河ーヒューレ
ットパッカード(Hewlett Packard)社
製4329A型抵抗測定装置を用いて測定した。損失係
数ηは、振動リード法により測定した。損失係数が大き
い方が制振性が高いことを表し、一般には0.1以上で
制振効果があると言える。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】実施例8〜10、比較例6 ABS樹脂(耐衝撃性アクリロニトリルーブタジエンー
スチレン樹脂、日本合成ゴム(株)ABS15)、下記
式(3)で表される帯電防止剤、KSCN及びPZTを
表4に示す割合で配合し、温度220°Cでペレットを
作成しテストピースに成形して、実施例1と同様にして
体積固有抵抗値及び損失係数を測定した。測定結果を表
4に示す。 R-N(CH2CH2OH)2 (3) (式中、R は炭素数4〜8の混合アルキル基。)
【0035】
【表4】
【0036】表1〜4から明らかなように、本発明の制
振材料は、損失係数(=対数減衰率/π)がいずれも
0.1以上であり優れた制振性を示しているのに対し
て、体積固有抵抗値が1012Ω・cmを超えると、制振
性が著しく低くなる。また、圧電材料の含有量が70重
量%より多いと成形性が低下し、5重量%より少ないと
制振性が低くなる。さらに圧電材料の平均粒径が100
μmを超えると、制振材料の体積固有抵抗値が所要範囲
内にあっても十分な制振性が達成されない。しかも本発
明の制振材料は、一般の成形材料と比べても、強度、剛
性などの機械的性質においては何ら遜色がないものであ
る。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の制振材料
は、極めて優れた制振性を有するのみならず、成形加工
性、機械的強度などの面でも良好な特性を示し、自動車
のエンジン周辺機器、オーディオ製品の枠組やケース、
超LSI製造設備、光ファイバー溶接設備、磁気ディス
ク検査装置、遠距離用レーザの設置台、鉄道橋などの大
型構造物部材、コンベアー部材、鋼製階段やドア部材な
ど、幅広い分野において、極めて有効に使用することが
できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 15/02 Q 9138−3J H01L 41/18 9274−4M

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン伝導性ポリマー及び/又は帯電防
    止剤とイオン伝導性ポリマー以外の高分子重合体とを含
    有する重合体成分を95〜30重量%並びに圧電材料を
    5〜70重量%含有し、体積固有抵抗値が1012〜10
    2 Ω・cmであることを特徴とする制振材料。
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