JPH06256482A - ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)の製造方法 - Google Patents

ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)の製造方法

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JPH06256482A
JPH06256482A JP5062919A JP6291993A JPH06256482A JP H06256482 A JPH06256482 A JP H06256482A JP 5062919 A JP5062919 A JP 5062919A JP 6291993 A JP6291993 A JP 6291993A JP H06256482 A JPH06256482 A JP H06256482A
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    • C08G63/78Preparation processes
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 β−ブチロラクトンを開環重合してポリ(3
−ヒドロキシ酪酸)を製造する方法において、重合開始
剤不存在下、ジスタノキサン誘導体、カルボン酸スズ化
合物またはジ低級アルキルスズオキシドから選ばれる1
種以上のスズ化合物を触媒として開環重合を行うことを
特徴とするポリ(3−ヒドロキシ酪酸)の製造方法。 【効果】 機能性高分子材料として有用なポリ(3−ヒ
ドロキシ酪酸)を、簡略な工程で安価にかつ高収率で、
しかも、従来の化学的合成法では不可能であった高分子
量のポリマーとして得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性高分子材料とし
て有用なポリ(3−ヒドロキシ酪酸)の製造方法に関す
る。更に詳しくは、β−ブチロラクトンを、重合開始剤
不存在下に、特定のスズ化合物を触媒として開環重合さ
せ、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリ((R)−3−ヒドロキ
シ酪酸)を菌体内に蓄積する微生物が数多く知られてい
る(P.A.Holmes, Phys.Technol., Vol.16, 1985, pp.32
-36 ;土肥義治編著、「生分解性高分子材料」、1990年
11月9 日、株式会社工業調査会発行、26〜30頁)。この
ポリマーは、生分解性(すなわち酵素分解性)、加水分
解性、生体適合性等の特性を有する熱可塑性樹脂であ
り、機能性高分子材料として非常に注目されている。例
えば、土壌または水中に存在する微生物により分解され
る性質を利用して、環境を汚染しないクリーンプラスチ
ックとして広く利用できる(土肥義治編著、「生分解性
高分子材料」、1990年11月9 日、株式会社工業調査会発
行、19〜26頁)。
【0003】そこで、このポリマーを工業的に合成する
方法が種々提案されている。例えば、特開昭60−25
1889号公報には、アゾトバクター・ビネランデイの
培養物から得る方法が開示されているが、このような微
生物学的合成法は、菌体からポリマーを分離する繁雑な
工程を必要とし、製造原価が高くなってしまう。また、
光学純度100%の特定の立体配置を有する(R)体の
ポリマーしか得ることができず、このようなポリマーは
融点が180℃と高いため、加工が困難であるという欠
点を有する(土肥義治編著、「生分解性高分子材料」、
1990年11月9 日、株式会社工業調査会発行、26頁)。
【0004】化学的合成法としては、β−ブチロラクト
ンの開環重合反応によってポリ(3−ヒドロキシ酪酸)
を製造する方法として、トリエチルアルミニウム/水か
らなる触媒系を用いる方法(Richard A.Gross ら、Macr
omolecules, Vol.21, 1988,pp.2657-2668)、ジエチル
亜鉛/水からなる触媒系を用いる方法(Y.Zhang ら、Ma
cromolecules, Vol.23, 1990, pp.3206-3212;N.TANAHA
SHI ら、Macromolecules, Vol.24, 1991, pp.5732-573
3)、アルミニウム−ポルフィリン錯体を触媒として用
いる方法(S.Asano ら, Macromolecules, Vol.18, 198
5, pp.2057-2061)、重合開始剤としてカリウム溶液ま
たは他のカリウム化合物を用いる方法(Z.Jedlinski
ら, Macromolecules, Vol.18, 1985, pp.2679-2683)、
重合開始剤としてアルミニウムと亜鉛からなる特定の化
合物〔ZnAl2 2 (OCHMe2 4 〕を用いる方
法(N.C.Billinghamら, J.Organomet.Chem., Vol.341,
1988, pp.83-93)、重合開始剤としてマグネシウムやス
ズ等の金属のアルコキシドを用いる方法(Hans R.Krich
eldorfら, Macromolecules, Vol.21, 1988, pp.286-29
3)等が報告されている。尚、ジエチル亜鉛/水からな
る触媒系を用いる方法(Y.Zhang ら、Macromolecules,
Vol.23, 1990, pp.3206-3212)では、開環重合に供する
β−ブチロラクトンを予め水素化カルシウムを用いて脱
水してから用いている。
【0005】これらの化学的合成法によれば、微生物学
的合成法のような繁雑な工程は不要であり、また、原料
として用いるβ−ブチロラクトンの立体配置により、生
成されるポリマーの立体配置をある程度自由に調整で
き、(R)体のポリマーの場合は微生物による分解をう
けるが、(S)体の場合は分解を受けず、(R)体の割
合によって分解速度を調整できることも報告されている
(Jhon.E.Kemnitzerら, Macromolecules, Vol.25, 199
2, pp.5927-5934)。すなわち、化学的合成法によれ
ば、用途に応じて任意の光学純度のポリマーを合成する
ことが可能であると期待されている。
【0006】しかしながら、従来のβ−ブチロラクトン
の開環重合反応では、(1)微生物学的合成法によって
得られるような高分子量〔数平均分子量(Mn)が10
0000以上、重合度約1000以上〕のポリ(3−ヒ
ドロキシ酪酸)を得ることは困難である。更に、(2)
触媒活性についても未だ満足のいくものではなく、製造
原価を下げることが不十分である。
【0007】例えば、前述したジエチル亜鉛/水からな
る触媒系を用いる方法では、60℃、5日間の反応で、
Mn=50000、収率84%程度のポリマーしか得る
ことができない(N.TANAHASHI ら、Macromolecules, Vo
l.24, 1991, pp.5732-5733)。 本発明で用いるスズ化
合物の一つであるジスタノキサン誘導体は、1,3−ジ
置換−1,1,3,3−テトラアルキルジスタノキサン
であり、特異なはしご状二量体構造を形成し、主にウレ
タン合成反応やエステル合成反応の触媒として有用であ
ることが知られている(大寺純蔵ら、日本化学会誌、19
90, No.6, pp.601-610;J.Otera ら、J.Org.Chem., Vo
l.56, 1991, pp.5307-5311 )。
【0008】また、特公昭43−2947号公報には、
ジスタノキサン誘導体の存在下に水酸基またはアミノ基
を有する化合物とラクトンを反応させてラクトン重合体
を製造する方法が提案されているが、ここで用いられる
ラクトンは6員環以上のものであり、より開環重合反応
が困難であるとされる4員環のラクトンについての開環
重合に関するものではなく、何らの開示もされていな
い。また、ここで得られるポリマーはいずれも分子量5
00〜12000(重合度換算で約5−140)と低い
ものである。更に、ここでは重合開始剤が必須であり、
製造工程の簡略化及び製造原価の低下を満足させるもの
ではない。
【0009】更に、特開昭46−645号公報には、特
定の重合開始剤の存在下、テトラブチルジクロロジスタ
ノキシエート等の触媒を用いてラクトン単量体を重合す
る方法が提案されているが、本発明の原料であるβ−ブ
チロラクトンについては具体的に開示されておらず、課
題が十分解決されていない。また、該公報記載の方法に
よれば、平均分子量が10000以上のものを得ること
ができ、平均分子量が100000以上のものも得るこ
とができる旨述べられているが、該公報記載の実施例で
は得られたラクトン重合体の粘度を測定しているだけで
分子量が明確にされていないので、課題を十分に解決す
るには至っていない。更に、この方法においても、二酢
酸グリコール等の特定の開始剤を必要とし、このような
重合開始剤の使用は、製造工程の簡略化及び製造原価の
低下を満足できないばかりではなく、重合反応において
触媒毒として働き重合度を低下させる原因となり好まし
くない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、機
能性高分子材料として有用なポリ(3−ヒドロキシ酪
酸)を、工業的に有利な方法で、すなわち、簡略な工程
で安価にかつ高収率で製造する方法を提供することを課
題とする。更に、従来の化学的合成法では不可能であっ
た高分子量のポリマーを得ることを可能にする製造方法
を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、β−ブチロラクト
ンの開環重合反応において、特定のスズ化合物を触媒と
して用いることによって、好ましくは、特定の処理を施
したβ−ブチロラクトンを用いることによって重合開始
剤を使用しなくても高分子量のポリ(3−ヒドロキシ酪
酸)を高収率で得ることができることを見いだし本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、β−ブチロ
ラクトンを開環重合してポリ(3−ヒドロキシ酪酸)を
製造する方法において、重合開始剤不存在下、ジスタノ
キサン誘導体、カルボン酸スズ化合物及びジ低級アルキ
ルスズオキシドから選ばれる1種以上のスズ化合物を触
媒として開環重合を行うことを特徴とするポリ(3−ヒ
ドロキシ酪酸)の製造方法を提供するものである。更
に、好ましくは、β−ブチロラクトンを予め混在する酸
を除去し、脱水処理を行ってから開環重合に供する方法
を提供するものである。好ましくは得られるポリマー
は、重合度が、10から10,000である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
原料化合物であるβ−ブチロラクトンは、ポリマーの用
途に応じて、ラセミ体、(R)体、(S)体のいずれを
も用いることができる。すなわち、ポリ(DL−3−ヒド
ロキシ酪酸)を得る場合にはDL−β−ブチロラクトンを
用い、ポリ((R)−3−ヒドロキシ酪酸)を得る場合
には(R)−β−ブチロラクトンを用い、ポリ((S)
−3−ヒドロキシ酪酸)を得る場合には(S)−β−ブ
チロラクトンを用いる。本発明方法によれば、用いる原
料化合物であるβ−ブチロラクトンの光学純度を保持し
たまま、目的とするポリ(3−ヒドロキシ酪酸)を得る
ことができるので、ポリマーの用途に応じて、任意の光
学純度の原料化合物を選択することができる。
【0013】これらのβ−ブチロラクトンは、ラセミ体
であれば市販のものを用いることができ、また、ケテン
とアセトアルデヒドを反応させる等の公知の方法によっ
ても得ることができる。光学活性体についても、公知の
方法によって得ることができ、特に、T.Ohtaらの方法
(J.Chem.Soc.,Chem.Commun., 1992, pp.1725-1726及び
本出願人による特願平4−210683号)によれば、
容易に所望する光学活性体を得ることができ望ましい。
すなわち、4−メチレン−2−オキセタノンを、好まし
くは第三級アミンの存在下、ルテニウム−光学活性ホス
フィン錯体を触媒として不斉水素化することによって得
ることができる。
【0014】これらのβ−ブチロラクトンは、予め、混
在する酸を除去し、乾燥後、水素化カルシウムを加えて
蒸留を行ってから開環重合に供すると良い。即ち、まず
β−ブチロラクトン に適当量の溶媒、好ましくはβ−
ブチロラクトンの約3倍容量のジエチルエーテルを加え
る。更に、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの
ような塩基を加え、β−ブチロラクトンに微量に混在す
る酸との塩を生成させ、これを除去する。得られるエー
テル層は、硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムのよ
うな乾燥剤を加え、約一晩乾燥させ、濾過してこの乾燥
剤を取り除いた後、濾液に更に水素化カルシウムを加え
て、一晩以上、好ましくは、48時間攪拌し、充分に乾
燥させる。こうして得られる溶液を不活性ガス雰囲気
下、水素化カルシウムを加えて蒸留する。蒸留は好まし
くは、二度行うと良い。こうして精製したβ−ブチロラ
クトンは、使用前まで不活性ガスを充填して保存すると
良い。このように、β−ブチロラクトンを予め処理する
ことによって、高重合度の重合反応がスムーズに進む。
このような処理を行わない場合には重合反応は好ましく
進まなかったり、また低重合度のポリマーが生成された
りする。
【0015】本発明の方法を実施するには、β−ブチロ
ラクトンを窒素またはアルゴンのような不活性ガス雰囲
気下で反応容器に仕込み、これに触媒としてスズ化合物
を加え、反応溶媒の存在下または不存在下、常圧で60
℃〜120℃、特に好ましくは80〜100℃の温度
で、1時間〜3日間反応させる。反応溶媒としては、β
−ブチロラクトンの開環重合反応において不活性な溶媒
であればいずれも用いることができ、例えばトルエン、
テトラヒドロフラン等を挙げることができるが、溶媒を
用いないで行った方が反応が速く進むので好ましい。
尚、本発明方法においては、重合開始剤の添加は不要で
ある。
【0016】本発明で用いられる触媒は、一般式(1)
【0017】
【化2】
【0018】(式中、R1 は低級アルキル基またはフェ
ニル基を示し、Xはハロゲン原子または−NCSを示
し、Yはハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、フ
ェノキシ基または−NCSを示す)で表されるジスタノ
キサン誘導体、カルボン酸スズ化合物及びジ低級アルキ
ルスズオキシドから選ばれるスズ化合物である。これら
の触媒は少なくとも1種を使用し、必要に応じ数種を併
用することができる。
【0019】一般式(1)においてR1 で表される低級
アルキル基とは、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のア
ルキル基を意味する。同様に、本明細書において「低
級」とは、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖を意味す
る。また、X及び/またはYで表されるハロゲン原子と
しては、塩素原子または臭素原子が好ましい。
【0020】一般式(1)で表されるジスタノキサン誘
導体の具体例としては、1,3−ジクロロ−1,1,
3,3−テトラブチルジスタノキサン(以下、「1,3
−ジクロロテトラブチルジスタノキサン」のように、テ
トラアルキル基またはテトラフェニル基の置換位置は省
略する)、1,3−ジクロロテトラフェニルジスタノキ
サン、1,3−ジブロモテトラブチルジスタノキサン、
1−クロロ−3−ヒドロキシテトラブチルジスタノキサ
ン、1−ブロモ−3−ヒドロキシテトラブチルジスタノ
キサン、1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタ
ノキサン、1−クロロ−3−フェノキシテトラブチルジ
スタノキサン、1−ブロモ−3−フェノキシテトラブチ
ルジスタノキサン、1−クロロ−3−イソチオシアナー
トテトラブチルジスタノキサン、1−ヒドロキシ−3−
イソチオシアナートテトラブチルジスタノキサン、1−
イソチオシアナート−3−メトキシテトラブチルジスタ
ノキサン、1−イソチオシアナート−3−フェノキシテ
トラブチルジスタノキサン、1,3−ジイソチオシアナ
ートテトラブチルジスタノキサン、1,3−ジイソチオ
シアナートテトラメチルジスタノキサン等を挙げること
ができる。
【0021】これらのジスタノキサン誘導体は公知の方
法によって合成すれば得ることができる。たとえば、
1,3−ジクロロテトラブチルジスタノキサンは、ジブ
チルスズジクロリドのエタノール溶液にピリジンを加
え、これに水を滴下することによって得ることができる
(R.Okawara ら、J.Organomet.Chem., Vol.1, 1963, p
p.81-88)。また、1−ヒドロキシ−3−イソチオシア
ナートテトラブチルジスタノキサンは、ジブチルスズオ
キシドとジブチルスズジイソチオシアナートをエタノー
ル中で反応させることにより容易に合成できる(J.Oter
a ら、J.Org.Chem., Vol.56, 1991, pp.5307-5311 )。
【0022】また、本発明で用いられるカルボン酸スズ
化合物としては、ジ酢酸スズ、ジオクタン酸スズのよう
なジカルボン酸スズ;ジ酢酸ジブチルスズ、ジオクタン
酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズのようなジ
カルボン酸ジブチルスズ等が挙げられる。ジ低級アルキ
ルスズオキシドとしては、ジブチルスズオキシドが好ま
しい。これらのカルボン酸スズ化合物及びジ低級アルキ
ルスズオキシドは市販のものを用いることができる。
【0023】これらの触媒の添加量は、触媒の種類やそ
の他の反応条件によって異なるが、一般的には、原料化
合物であるβ−ブチロラクトンに対して、1/4000
0〜1/100倍モル、好ましくは、1/20000〜
1/1000倍モルとするとよい。そして、この触媒の
量を調節することによって、得られるポリ(3−ヒドロ
キシ酪酸)の重合度を約10〜10000の範囲で変え
ることが可能である。
【0024】開環重合反応の終了後は、必要に応じて、
生成物をクロロホルムのような適当な溶媒に溶解し、更
にアルコール、エーテル、炭化水素等から選ばれる適当
な溶媒に投入し再沈殿させることによって精製し、目的
とするポリ(3−ヒドロキシ酪酸)を得ることができ
る。
【0025】
【実施例】以下、参考例及び実施例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。尚、本明細書における参考例及び実施例で使用
した分析機器は下記のとおりである。
【0026】1)プロトン核磁気共鳴スペクトル( 1
−NMR):AM−400型装置(400MHz)(ブ
ルッカー社製) 2)分子量:D−2520GPC Integrator(株式会
社日立製作所製) 3)旋光度:DIP−360型デジタル旋光計(日本分
光工業株式会社製) 4)示差走査熱量計(DSC):DSC50(株式会社
島津製作所製) 5)熱重量分析(TGA):TGA50(株式会社島津
製作所製)
【0027】また、以下の実施例中、得られたポリマー
の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ガ
ラス転移点(Tg)、融点(Tm)、分解温度(TG)
及び比旋光度の測定値は表1にまとめて示した。
【0028】参考例1:(R)−β−ブチロラクトン
(以下、「(R)−βBL」と略記する)の製造 100mlのステンレス製オートクレーブに、窒素雰囲
気下、Ru2 Cl4 ((−)−Tol−BINAP)2
N(CH2 CH3 3 〔式中、Tol−BINAPは
2,2′−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,
1′−ビナフチルを示す〕17. 1mg(0. 01ミリ
モル)を精秤し、テトラヒドロフラン10mlを加えて
溶解した。これに、ジメチルアニリン2. 42mg
(0. 02ミリモル)を入れ、50℃で20分間攪拌し
た。次いで、4−メチレン−2−オキセタノン1. 7g
(20.0ミリモル)を入れ、水素圧100Kg/cm
2、反応温度60℃で60時間攪拌した。得られた反応
液をクライゼン蒸留装置を用いて蒸留して沸点71℃〜
73℃/29mmHgの留分1. 64g(収率:95.
0%)を得た。
【0029】光学純度を測定するために、生成物をメタ
ノール中で加溶媒分解(メタノリシス)し、次いでメト
キシトリフルオロメチルフェニル酢酸のエステルに導
き、このものについて 1H−NMRを測定した。測定値
のジアステレオマーの比率から得られた(R)−βBL
の光学純度は91%e.e.であると決定した。こうし
て得られた(R)−βBLの適当量に、3倍量のジエチ
ルエーテルを加え、更に1N炭酸水素ナトリウム水溶液
を適当量加え、水層を除去した。得られたエーテル層に
硫酸マグネシウムを加え、一晩放置し、濾過した。濾液
に水素化カルシウムを加え、48時間攪拌後、アルゴン
雰囲気下で精密蒸留を行った。受器に水素化カルシウム
を入れておき、得られた蒸留液を再度精密蒸留した。こ
うして得られた精製(R)−βBLは、アルゴンガスを
充填して保存し、以下の実施例に用いた。
【0030】実施例1:(R)−βBLの開環重合によ
るポリ((R)−3−ヒドロキシ酪酸)(以下、
「(R)−PHB」と略記する)の製造 20mlの反応容器に、参考例1で得た(R)−βBL
3. 44g(40.0ミリモル)及び1−クロロ−3
−エトキシテトラブチルジスタノキサン0. 0056g
(0. 005ミリモル)をアルゴン雰囲気下、100℃
で4時間撹拌した。生成物をクロロホルムに溶解し、メ
タノール:ジエチルエーテル:ヘキサン=1:10:1
0の混合溶媒に投入し再沈殿して標題のポリマー3. 4
2g(収率:99. 0%)を得た。
【0031】 1H−NMR(CDCl3 )δppm:1. 26〜1. 29(3H,m) 2. 42〜2. 50(1H,m) 2. 56〜2. 66(1H,m) 5. 20〜5. 31(1H,m)
【0032】実施例2:(R)−βBLの開環重合によ
る(R)−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
を0. 0112g(0. 01ミリモル)とした以外は、
すべて実施例1と同じ方法で反応を行い、標題のポリマ
ー3. 25g(収率:94. 5%)を得た。
【0033】実施例3:(R)−βBLの開環重合によ
る(R)−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わ0りに、1−クロロ−3−ヒドロキシテトラブチ
ルジスタノキサン0. 0107g(0. 01ミリモル)
を使用した以外は、すべて実施例1と同じ方法で反応を
行い、標題のポリマー3. 39g(収率:98. 5%)
を得た。
【0034】実施例4:(R)−βBLの開環重合によ
る(R)−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わりに、1−ヒドロキシ−3−イソチオシアナート
テトラブチルジスタノキサン0. 0111g(0. 01
ミリモル)を使用した以外は、すべて実施例1と同じ方
法で反応を行い、標題のポリマー3. 23g(収率:9
3. 9%)を得た。
【0035】実施例5:(R)−βBLの開環重合によ
る(R)−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わりに、ジブチルスズオキシド0. 0100g
(0. 04ミリモル)を使用した以外は、すべて実施例
1と同じ方法で反応を行い、標題のポリマー3. 00g
(収率:87. 2%)を得た。
【0036】実施例6:(R)−βBLの開環重合によ
る(R)−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わりに、ジオクタン酸スズ0.0149g(0.0
4ミリモル)を使用した以外は、すべて実施例1と同じ
方法で反応を行い、標題のポリマー3. 00g(収率:
87. 2%)を得た。
【0037】実施例7:DL−β−ブチロラクトン(以
下、「DL−βBL」と略記する)の開環重合によるポリ
(DL−3−ヒドロキシ酪酸)(以下、「DL−PHB」と
略記する)の製造 80mlの反応容器に、参考例1と同様にして精製した
DL−βBL(アルドリッチ社製)6. 89g(80. 0
ミリモル)、トルエン6. 0ml、1−クロロ−3−エ
トキシテトラブチルジスタノキサン0. 0056g
(0. 005ミリモル)をアルゴン雰囲気下、100℃
で16時間撹拌した。生成物をクロロホルムに溶解し、
メタノール:ジエチルエーテル:ヘキサン=1:10:
10の混合溶媒に投入し再沈殿して標題のポリマー6.
82g(収率:99. 0%)を得た。
【0038】実施例8:DL−βBLの開環重合によるDL
−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わりに、1−クロロ−3−ヒドロキシテトラブチル
ジスタノキサン0. 0107g(0. 01ミリモル)を
使用した以外は、すべて実施例7と同じ方法で反応を行
い、標題のポリマー6. 55g(収率:95. 1%)を
得た。
【0039】実施例9:DL−βBLの開環重合によるDL
−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わりに、1−ヒドロキシ−3−イソチオシアナート
テトラブチルジスタノキサン0. 0222g(0. 02
ミリモル)を使用した以外は、すべて実施例7と同じ方
法で反応を行い、標題のポリマー6. 88g(収率:9
9. 9%)を得た。
【0040】実施例10:DL−βBLの開環重合による
DL−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わりに、1,3−ジクロロテトラブチルジスタノキ
サン0. 0111g(0. 01ミリモル)を使用した以
外は、すべて実施例7と同じ方法で反応を行い、標題の
ポリマー6. 41g(収率:93. 0%)を得た。
【0041】実施例11:DL−βBLの開環重合による
DL−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わりに、ジブチルスズオキシド0. 0100g
(0. 04ミリモル)を使用した以外は、すべて実施例
7と同じ方法で反応を行い、標題のポリマー6. 49g
(收率 94. 2%)を得た。
【0042】
【表1】 実施例 Mw Mn Tg Tm TG 比旋光度 番 号 (℃) (℃) (℃) [α] D 25(c=1) ──────────────────────────────────── 実施例1 397000 178000 5.7 147 285 -1.4 実施例2 255000 147000 5.9 146 283 -1.2 実施例3 230000 132000 5.4 145 280 -1.3 実施例4 172000 99000 2.8 141 279 -1.1 実施例5 193000 119000 3.0 143 286 -1.5 実施例6 210000 110000 5.4 145 283 -1.3 実施例7 841000 311000 7.1 79 285 ── 実施例8 307000 143000 6.8 66 282 ── 実施例9 250000 120000 4.8 55 272 ── 実施例10 703000 310000 7.0 75 284 ── 実施例11 398000 187000 6.4 67 283 ──
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、機能性高分子材料とし
て有用なポリ(3−ヒドロキシ酪酸)を、簡略な工程で
安価にかつ高収率で、しかも、従来の化学的合成法では
不可能であった高分子量のポリマーとして得ることがで
きる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【実施例】以下、参考例及び実施例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。尚、本明細書における参考例、実施例及び試験
例で使用した分析機器及び生分解性試験で使用した機器
は下記のとおりである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】1)プロトン核磁気共鳴スペクトル(
−NMR):AM−400型装置(400MHz)(ブ
ルッカー社製) 2)分子量:D−2520GPC Integrato
r(日立製作所(株)製) 3)旋光度:DIP−360型デジタル旋光計(日本分
光工業(株)製) 4)示差走査熱量計(DSC):DSC50(島津製作
所(株)製) 5)熱重量分析(TGA):TGA50(島津製作所
(株)製) 6)生分解性試験:活性汚泥(財団法人 化学品検査協
会から購入)を用い「新規化学物質に係る試験の方法に
ついて」(環保業第5号、薬発第615号、49基局第
392号、昭和49年7月13日)に規定する(微生物
等による化学物質の分解度試験)並びにY.Doi、
A.Segawa,and M.Kunioka、In
t.J.Biol.Macromol.、1990、V
ol.12、April、106.記載の内容に準拠し
て行った。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】実施例11:DL−βBLの開環重合によ
るDL−PHBの製造 1−クロロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン
の代わりに、ジブチルスズオキシド0.0100g
(0.04ミリモル)を使用した以外は、すべて実施例
7と同じ方法で反応を行い、標題のポリマー6.49g
(収率 94.2%)を得た。 実施例12:(R)−βBLとDL−βBLの開環重合
による90%(R)−PHBの製造 (R)−βBL 2.99g(34.7ミリモル)、D
L−βBL 0.45g(5.2ミリモル)、1−エト
キシ−3−クロロテトラブチルジスタノキサン0.01
12g(0.01ミリモル)を使用した以外は、すべて
実施例1と同じ方法で反応を行い、標題のポリマー3.
32g(収率 96.5%)を得た。 実施例13:(R)−βBLとDL−βBLの開環重合
による85%(R)−PHBの製造 (R)−βBL 2.62g(30.4ミリモル)、D
L−βBL 0.82g(9.5ミリモル)、1−エト
キシ−3−クロロテトラブチルジスタノキサン0.01
12g(0.01ミリモル)を使用した以外は、すべて
実施例1と同じ方法で反応を行い、標題のポリマー3.
22g(収率 93.5%)を得た。 実施例14:(R)−βBLとDL−βBLの開環重合
による80%(R)−PHBの製造 (R)−βBL 2.24g(26.0ミリモル)、D
L−βBL 1.20g(13.9ミリモル)、1−エ
トキシ−3−クロロテトラブチルジスタノキサン 0.
0112g(0.01ミリモル)を使用した以外は、す
べて実施例1と同じ方法で反応を行い、標題のポリマー
3.23g(収率 93.9%)を得た。 実施例15:(R)−βBLとDL−βBLの開環重合
による70%(R)−PHBの製造 (R)−βBL 1.50g(17.4ミリモル)、D
L−βBL 1.94g(22.5ミリモル)、1−エ
トキシ−3−クロロテトラブチルジスタノキサン 0.
0112g(0.01ミリモル)を使用した以外は、す
べて実施例1と同じ方法で反応を行い、標題のポリマー
3.10g(収率 90.1%)を得た。比較例1:
(R)−βBLと重合開始剤 1,4−ブタンジオール
による(R)−PHBの製造 (R)−βBL 3.44g(40.0ミリモル)、1
−エトキシ−3−クロロテトラブチルジスタノキサン
0.0056g(0.005ミリモル)、1,4−ブタ
ンジオール 0.21g(2.35ミリモル)を使用し
100℃、15時間反応を行った。(R)−PHBは得
られず、ヘキサン不溶のオイル状物質0.39g(Mn
326、Mw350)を得た。 比較例2:βBLと重合開始剤 1,4−ブタンジオー
ルによるPHBの製造 βBL 3.44g(40.0ミリモル)、1−エトキ
シ−3−クロロテトラブチルジスタノキサン 0.00
56g(0.005ミリモル)、1,4−ブタンジオー
ル 0.21g(2.35ミリモル)を使用し170
℃、1.5時間反応を行った。PHBは得られず、βB
Lの80%はプロピレンと二酸化炭素に分解しヘキサン
不溶のオイル状物質0.97g(Mn366、Mw45
1)を得た。 比較例3:ε−カプロラクトン(以下、ε−CLと省略
する。)と重合開始剤1,4−ブタンジオールによるポ
リカプロラクトンの製造 ε−CL 4.57g(40.0ミリモル)、1−エト
キシ−3−クロロテトラブチルジスタノキサン 0.0
056g(0.005ミリモル)、1,4−ブタンジオ
ール 0.21g(2.35ミリモル)を使用し170
℃、1.5時間反応を行い、白色ロウ状の標題のポリマ
ー4.57g(収率 93.8%、Mn2900、Mw
6000)を得た。 比較例4:βBLと重合開始剤 二酢酸グリコールによ
るPHBの製造 β−BL 3.44g(40.0ミリモル)、1−クロ
ロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン 0.0
225g(0.02ミリモル)、二酢酸グリコール
0.009g(0.064ミリモル)を使用し170
℃、1分間反応を行い、水アメ状の標題のポリマー1.
74g(収率 50.6%)を得た。 比較例5:βBLと重合開始剤 二酢酸グリコールによ
るPHBの製造 β−BL 3.44g(40.0ミリモル)、1−クロ
ロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン 0.0
225g(0.02ミリモル)、二酢酸グリコール
0.009g(0.064ミリモル)を使用し100
℃、2分間反応を行い、水アメ状の標題のポリマー1.
69g(収率 49.1%)を得た。 比較例6:βBLと重合開始剤 二酢酸グリコールによ
るPHBの製造 β−BL 3.44g(40.0ミリモル)、1−クロ
ロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン 0.0
562g(0.05ミリモル)、二酢酸グリコール
0.009g(0.064ミリモル)を使用し170
℃、1分間反応を行い、水アメ状の標題のポリマー1.
70g(収率 49.4%)を得た。 比較例7:βBLと重合開始剤 二酢酸グリコールによ
るPHBの製造 β−BL 3.44g(40.0ミリモル)、1−クロ
ロ−3−エトキシテトラブチルジスタノキサン 0.0
562g(0.05ミリモル)、二酢酸グリコール
0.009g(0.064ミリモル)を使用し100
℃、10分間反応を行った。PHBは得られず、ヘキサ
ン不溶のオイル状物質0.066g(収率 3.8%)
(Mn1371、Mw1817)を得た。 比較例8:ε−CLと重合開始剤二酢酸グリコールによ
るPCLの製造 ε−CL4.57g(40.0ミリモル)、1−エトキ
シ−3−クロロテトラブチノレジスタノキサン 0.0
056g(0.005ミリモル)、二酢酸グリコール
0.009g(0.064ミリモル)を使用し170
℃、5分間反応を行い、標題のポリマー4.55g(収
率 99.4%、Mn145000、 Mw20300
0)を得た。 試験例1:実施例1のポリマーの生分解性試験 高砂香料工業(株)平塚工場の返送汚泥の馴養種(好気
性汚泥)を、500ppm(600ml)、pH6.0
〜7.0、30℃の条件で用い、実施例1、8及び12
〜15で得られたポリマーの1cm x 1cm、厚さ
0.12〜0.38mmの薄膜(ポリマーを、クロロホ
ルムに溶かし、シャーレ等に流し込み、溶媒を蒸発させ
ることによってフィルム化したもの)について15〜3
8mgを50mlのフラスコに入れ、タイテック(株)
社製、しんとう恒温水槽を用いて試験を行った。その結
果を図1に示す。この結果より、実施例1で得られたポ
リマーフィルムは、4週間後に8.0mg分解している
ことがわかった。 試験例2:実施例8のポリマーの生分解性試験 実施例8で得られたポリマーにつき、試験例1と同様に
して生分解性試験を行った。その結果は図1に示すとお
りであり、4週間後に0.1mg(0.6%)分解して
いることがわかった。 試験例3:実施例12のポリマーの生分解性試験 実施例12で得られたポリマーにつき、試験例1と同様
にして生分解性試験を行った。その結果は図1に示すと
おりであり、4週間後に8.2mg(37%)分解して
いることがわかった。 試験例4:実施例13のポリマーの生分解性試験 実施例13で得られたポリマーにつき、試験例1と同様
にして生分解性試験を行った。その結果は図1に示すと
おりであり、4週間後に15.6mg(89%)分解し
ていることがわかった。 試験例5:実施例14のポリマーの生分解性試験 実施例14で得られたポリマーにつき、試験例1と同様
にして生分解性試験を行った。その結果は図1に示すと
おりであり、4週間後に15.8mg(73%)分解し
ていることがわかった。 試験例6:実施例15のポリマーの生分解性試験 実施例15で得られたポリマーにつき、試験例1と同様
にして生分解性試験を行った。その結果は図1に示すと
おりであり、4週間後に15.9mg(50%)分解し
ていることがわかった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】
【表1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】追加
【補正内容】
【図1】 実施例1、8及び12〜15におけるポリマ
ーの4週間後の重量減少(mg)を示すグラフである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】追加
【補正内容】
【図1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月24日
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1、8及び12〜15におけるポリ
マーの4週間後の重量減少(mg)を示すグラフであ
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】追加
【補正内容】
【図1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−ブチロラクトンを開環重合してポリ
    (3−ヒドロキシ酪酸)を製造する方法において、重合
    開始剤不存在下、一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は低級アルキル基またはフェニル基を示
    し、Xはハロゲン原子または−NCSを示し、Yはハロ
    ゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、フェノキシ基ま
    たは−NCSを示す)で表されるジスタノキサン誘導
    体、カルボン酸スズ化合物及びジ低級アルキルスズオキ
    シドから選ばれる1種以上のスズ化合物を触媒として開
    環重合を行うことを特徴とするポリ(3−ヒドロキシ酪
    酸)の製造方法。
  2. 【請求項2】 β−ブチロラクトンを予め混在する酸を
    除去し、脱水処理を行ってから開環重合に供する請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)の重合度が1
    0から10,000である請求項1又2記載の方法。
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