JP3142658B2 - 生分解性光学活性ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents
生分解性光学活性ポリエステルおよびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性光学活性ポリエ
ステルとその製造方法に関する。さらに詳しく言えば、
光学活性なγ−ラクトン誘導体と(±)−β−ブチロラ
クトンまたはL−ラクチドとを開環共重合させて得られ
る生分解性光学活性ポリエステルおよびその製造方法に
関する。本発明によるポリエステルは、光学活性、生分
解性(酵素分解性)、加水分解性を有する熱可塑性樹脂
であり、土壌または水中に存在する微生物により分解さ
れるので環境を汚染しないクリーンプラスチックとして
広く利用できる機能性ポリマーである。
ステルとその製造方法に関する。さらに詳しく言えば、
光学活性なγ−ラクトン誘導体と(±)−β−ブチロラ
クトンまたはL−ラクチドとを開環共重合させて得られ
る生分解性光学活性ポリエステルおよびその製造方法に
関する。本発明によるポリエステルは、光学活性、生分
解性(酵素分解性)、加水分解性を有する熱可塑性樹脂
であり、土壌または水中に存在する微生物により分解さ
れるので環境を汚染しないクリーンプラスチックとして
広く利用できる機能性ポリマーである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】本発明のポリマーの基本
骨格に相当する5員環のγ−ラクトンは開環重合が極め
ておこりにくく、側鎖を持たないγ−ブチロラクトンで
は20,000気圧、160℃の条件で重合すること(F. Kor
te, W. Gelt, Polymer Letters., 4, 685 (1966))、ま
た200℃で触媒を用いずに反応系に少量の水を加える
ことにより、γ−ブチロラクトンがグリコール酸または
乳酸と共重合すること(H. Fukuzaki etal. Macromol. C
hem., 190, 1553-1559 (1989); Eur. Polym. J., Vol.
26, No.4, 457-461 (1990) )が報告されている。
骨格に相当する5員環のγ−ラクトンは開環重合が極め
ておこりにくく、側鎖を持たないγ−ブチロラクトンで
は20,000気圧、160℃の条件で重合すること(F. Kor
te, W. Gelt, Polymer Letters., 4, 685 (1966))、ま
た200℃で触媒を用いずに反応系に少量の水を加える
ことにより、γ−ブチロラクトンがグリコール酸または
乳酸と共重合すること(H. Fukuzaki etal. Macromol. C
hem., 190, 1553-1559 (1989); Eur. Polym. J., Vol.
26, No.4, 457-461 (1990) )が報告されている。
【0003】一方、近年、光学活性な3−ヒドロキシ酪
酸および光学活性な乳酸ユニットを持つポリエステルが
生分解性すなわち酵素分解性、加水分解性、生体適合性
などの特性をもつことから新しいタイプの機能性材料と
して注目されている(生分解性高分子材料 土肥義治編
著 工業調査会1990年発行参照)。しかしながら、γ位
に置換基を有するγ−ラクトンは開環重合性が低く、γ
−アルキル−γ−ラクトンの開環共重合による新規なポ
リエステル合成の面で問題がある。
酸および光学活性な乳酸ユニットを持つポリエステルが
生分解性すなわち酵素分解性、加水分解性、生体適合性
などの特性をもつことから新しいタイプの機能性材料と
して注目されている(生分解性高分子材料 土肥義治編
著 工業調査会1990年発行参照)。しかしながら、γ位
に置換基を有するγ−ラクトンは開環重合性が低く、γ
−アルキル−γ−ラクトンの開環共重合による新規なポ
リエステル合成の面で問題がある。
【0004】従って、本発明の課題は開環重合が起こり
にくい光学活性なγ−置換−γ−ブチロラクトンを他の
開環共重合性モノマーと組合わせて、4−ヒドロキシ酪
酸ユニットを含有し、生分解性(酵素分解性)、加水分
解性に優れた新規な光学活性ポリエステルを提供するこ
と、およびそのポリエステルの製造方法を提供すること
にある。
にくい光学活性なγ−置換−γ−ブチロラクトンを他の
開環共重合性モノマーと組合わせて、4−ヒドロキシ酪
酸ユニットを含有し、生分解性(酵素分解性)、加水分
解性に優れた新規な光学活性ポリエステルを提供するこ
と、およびそのポリエステルの製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、光学活性なγ−アル
キル−γ−ブチロラクトンと(±)−β−ブチロラクト
ンまたはL−ラクチドとが特定の触媒の存在下で開環共
重合して対応する光学活性ポリエステルとなることを見
出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は
解決すべく鋭意研究を行った結果、光学活性なγ−アル
キル−γ−ブチロラクトンと(±)−β−ブチロラクト
ンまたはL−ラクチドとが特定の触媒の存在下で開環共
重合して対応する光学活性ポリエステルとなることを見
出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は
【0006】1)一般式(I)
【化6】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、k
は0または1を表わし、mおよびnは10〜2000の数を
表わす。)で示される生分解性光学活性ポリエステル、
および
は0または1を表わし、mおよびnは10〜2000の数を
表わす。)で示される生分解性光学活性ポリエステル、
および
【0007】2)式
【化7】 で示される(±)−β−ブチロラクトンまたは式
【化8】 で示されるL−ラクチドと、一般式(II)
【化9】 (式中、R1 は前記1の記載と同じ意味を表わす。)で
示される光学活性γ−アルキル−γ−ラクトンを、(i)
ジエチル亜鉛、(ii)ジエチル亜鉛−水錯体および(iii)
三フッ化ホウ素エーテル錯体より選ばれる1種以上の触
媒の存在下に開環共重合させることを特徴とする一般式
(I)
示される光学活性γ−アルキル−γ−ラクトンを、(i)
ジエチル亜鉛、(ii)ジエチル亜鉛−水錯体および(iii)
三フッ化ホウ素エーテル錯体より選ばれる1種以上の触
媒の存在下に開環共重合させることを特徴とする一般式
(I)
【化10】 (式中、R1 、k、mおよびnは前記1の記載と同じ意
味を表わす。)で示される生分解性光学活性ポリエステ
ルの製造方法を提供するものである。
味を表わす。)で示される生分解性光学活性ポリエステ
ルの製造方法を提供するものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明ポ
リマーの原料の1つである光学活性γ−アルキル−γ−
ブチロラクトンは特開平4-108782号公報に記載されてい
る方法、すなわち一般式(III)
リマーの原料の1つである光学活性γ−アルキル−γ−
ブチロラクトンは特開平4-108782号公報に記載されてい
る方法、すなわち一般式(III)
【0009】
【化11】
【0010】(式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基
を表わし、R3 は水素原子または炭素数1〜6のアルキ
ル基を表わす。)で示されるγ−ケト酸またはγ−ケト
エステル類をルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を触
媒として不斉水素化をおこない分子内閉環させることに
より容易に得ることができる。
を表わし、R3 は水素原子または炭素数1〜6のアルキ
ル基を表わす。)で示されるγ−ケト酸またはγ−ケト
エステル類をルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を触
媒として不斉水素化をおこない分子内閉環させることに
より容易に得ることができる。
【0011】光学活性γ−アルキル−γ−ブチロラクト
ンの具体例としては、γ−メチル−γ−ブチロラクト
ン、γ−エチル−γ−ブチロラクトン、γ−n−ブチル
−γ−ブチロラクトン、γ−イソプロピル−γ−ブチロ
ラクトン等が挙げられる。
ンの具体例としては、γ−メチル−γ−ブチロラクト
ン、γ−エチル−γ−ブチロラクトン、γ−n−ブチル
−γ−ブチロラクトン、γ−イソプロピル−γ−ブチロ
ラクトン等が挙げられる。
【0012】また、本発明ポリマーのもう一方の原料で
ある(±)−β−ブチロラクトンおよびL−ラクチドは
市販されており、これを精製して使用する。精製は、例
えば水素化カルシウムを加えて蒸留する操作を2度繰返
す方法により行なうことができ、精製品は不活性ガス中
で保存したものも使用できる。
ある(±)−β−ブチロラクトンおよびL−ラクチドは
市販されており、これを精製して使用する。精製は、例
えば水素化カルシウムを加えて蒸留する操作を2度繰返
す方法により行なうことができ、精製品は不活性ガス中
で保存したものも使用できる。
【0013】本発明において、開環共重合反応に供する
光学活性γ−アルキル−γ−ブチロラクトンと(±)−
β−ブチロラクトンとの割合は、前者:後者のモル%比
で3〜95:97:5、好ましくは7〜90:93〜1
0であり、また光学活性γ−アルキル−γ−ブチロラク
トンとL−ラクチドとの割合は、前者:後者のモル%比
で10〜90:90〜10、好ましくは15〜85:8
5〜15である。γ−アルキル−γ−ブチロラクトンと
(±)−β−ブチロラクトンあるいはL−ラクチドとの
割合において、前者が上記の範囲を越えると共重合が起
り難く、また上記の範囲未満の場合にはγ−アルキル−
γ−ブチロラクトンユニットの含有量が低下し、生分解
性が低下する。
光学活性γ−アルキル−γ−ブチロラクトンと(±)−
β−ブチロラクトンとの割合は、前者:後者のモル%比
で3〜95:97:5、好ましくは7〜90:93〜1
0であり、また光学活性γ−アルキル−γ−ブチロラク
トンとL−ラクチドとの割合は、前者:後者のモル%比
で10〜90:90〜10、好ましくは15〜85:8
5〜15である。γ−アルキル−γ−ブチロラクトンと
(±)−β−ブチロラクトンあるいはL−ラクチドとの
割合において、前者が上記の範囲を越えると共重合が起
り難く、また上記の範囲未満の場合にはγ−アルキル−
γ−ブチロラクトンユニットの含有量が低下し、生分解
性が低下する。
【0014】開環共重合は、光学活性なγ−アルキル−
γ−ブチロラクトンと(±)−β−ブチロラクトンまた
はL−ラクチドとを上記範囲内の適宜の比率で、窒素ま
たはアルゴン等の不活性気体下で反応容器に仕込み、こ
れに触媒を加え、常圧で20〜40℃(好ましくは25
℃〜35℃)の温度で通常の方法で撹拌しながら、30
分〜2週間、好ましくは3〜5時間反応させる方法によ
り行なわれる。
γ−ブチロラクトンと(±)−β−ブチロラクトンまた
はL−ラクチドとを上記範囲内の適宜の比率で、窒素ま
たはアルゴン等の不活性気体下で反応容器に仕込み、こ
れに触媒を加え、常圧で20〜40℃(好ましくは25
℃〜35℃)の温度で通常の方法で撹拌しながら、30
分〜2週間、好ましくは3〜5時間反応させる方法によ
り行なわれる。
【0015】触媒としてはジエチル亜鉛、ジエチル亜鉛
−水錯体、三フッ化ホウ素エーテル錯体(BF3 ・Et
2 O)などが用いられる。これら触媒は少なくとも1種
あるいは2種を使用することができる。触媒は原料モノ
マーのモル数の和に対して1/10〜1/2000倍モル、
好ましくは1/100〜1/500倍モルの量で使用さ
れる。
−水錯体、三フッ化ホウ素エーテル錯体(BF3 ・Et
2 O)などが用いられる。これら触媒は少なくとも1種
あるいは2種を使用することができる。触媒は原料モノ
マーのモル数の和に対して1/10〜1/2000倍モル、
好ましくは1/100〜1/500倍モルの量で使用さ
れる。
【0016】本発明の方法により得られる開環共重合体
中のモノマーユニットの割合はモノマーの仕込み量によ
るが、光学活性γ−アルキル−γ−ブチロラクトンと
(±)−β−ブチロラクトンとの割合は、前者:後者の
モル%比で15〜40:85〜60であり、また光学活
性γ−アルキル−γ−ブチロラクトンとL−ラクチドと
の割合は、前者:後者のモル%比で1〜5:99〜95
である。
中のモノマーユニットの割合はモノマーの仕込み量によ
るが、光学活性γ−アルキル−γ−ブチロラクトンと
(±)−β−ブチロラクトンとの割合は、前者:後者の
モル%比で15〜40:85〜60であり、また光学活
性γ−アルキル−γ−ブチロラクトンとL−ラクチドと
の割合は、前者:後者のモル%比で1〜5:99〜95
である。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、光学活性なγ−アルキ
ル−γ−ブチロラクトンと(±)−β−ブチロラクトン
またはL−ラクチドとの開環共重合により、4−ヒドロ
キシ酪酸ユニットを含有する光学活性で生分解性(酵素
分解性)、加水分解性という特徴を持つ新しい機能性材
料である有用なポリマーを工業的に有利な方法で容易に
製造することができる。このような本発明の光学活性ポ
リエステルは、手術糸等の医用材料、農業用シート等の
材料に用いることができる。
ル−γ−ブチロラクトンと(±)−β−ブチロラクトン
またはL−ラクチドとの開環共重合により、4−ヒドロ
キシ酪酸ユニットを含有する光学活性で生分解性(酵素
分解性)、加水分解性という特徴を持つ新しい機能性材
料である有用なポリマーを工業的に有利な方法で容易に
製造することができる。このような本発明の光学活性ポ
リエステルは、手術糸等の医用材料、農業用シート等の
材料に用いることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例および試験例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例で使用した分析機器お
よび生分解性試験で使用した施設は下記のとおりであ
る。 核磁気共鳴スペクトル(NMR):VarianXL-200型装置
(200MHz)(バリアン社製) 分子量:HLC-802A(東ソー(株)製) 示差走査熱量計(DSC):DSC-3100(マックサイエン
ス(株)製) 旋光度:PM-101型高感度自動旋光計(ユニオン技研
(株)製) 生分解性試験:高砂香料工業(株)の活性汚泥を用い
「新規化学物質に係る試験の方法について」(環保業第
5号、薬発第615号、49基局第392号、昭和49
年7月13日)に規定する(微生物等による化学物質の
分解度試験)並びにY. Doi, A. Segawa, and M. Kuniok
a, Int. J. Biol. Macromol., 1990, Vol.12, April, 1
06.記載の内容に準拠して行なった。
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例で使用した分析機器お
よび生分解性試験で使用した施設は下記のとおりであ
る。 核磁気共鳴スペクトル(NMR):VarianXL-200型装置
(200MHz)(バリアン社製) 分子量:HLC-802A(東ソー(株)製) 示差走査熱量計(DSC):DSC-3100(マックサイエン
ス(株)製) 旋光度:PM-101型高感度自動旋光計(ユニオン技研
(株)製) 生分解性試験:高砂香料工業(株)の活性汚泥を用い
「新規化学物質に係る試験の方法について」(環保業第
5号、薬発第615号、49基局第392号、昭和49
年7月13日)に規定する(微生物等による化学物質の
分解度試験)並びにY. Doi, A. Segawa, and M. Kuniok
a, Int. J. Biol. Macromol., 1990, Vol.12, April, 1
06.記載の内容に準拠して行なった。
【0019】実施例1〜5:(R)−γ−メチル−γ−
ブチロラクトンとL−ラクチドとからの開環共重合によ
るポリエステルの合成
ブチロラクトンとL−ラクチドとからの開環共重合によ
るポリエステルの合成
【0020】実施例1 20mlの反応容器に(R)−γ−メチル−γ−ブチロ
ラクトン(以下、γVLと略記する。)0.3 g(3.0 ミ
リモル)、L−ラクチド(以下、LLAと略記する。)
1.7 g(11.8ミリモル)、ジエチル亜鉛0.02g(0.16ミ
リモル)を窒素気流下25℃で30分間撹拌した。反応
溶液にメタノール0.1 mlを添加し反応を停止させ、生
成物をクロロホルム2mlに溶解してメタノール20m
lに投入し再沈殿することにより標題のポリエステルを
得た(収率51.9%)。1 H−NMR(CDCl3 )δppm:γVL部 1.4〜
1.7(3H,m), 1.8〜2.1(2H,m), 2.6〜2.7(2H,m), 4.3〜4.
5(1H,m) LLA部 1.5〜1.7(3H,m), 5.1〜5.3(1H,m) 。
ラクトン(以下、γVLと略記する。)0.3 g(3.0 ミ
リモル)、L−ラクチド(以下、LLAと略記する。)
1.7 g(11.8ミリモル)、ジエチル亜鉛0.02g(0.16ミ
リモル)を窒素気流下25℃で30分間撹拌した。反応
溶液にメタノール0.1 mlを添加し反応を停止させ、生
成物をクロロホルム2mlに溶解してメタノール20m
lに投入し再沈殿することにより標題のポリエステルを
得た(収率51.9%)。1 H−NMR(CDCl3 )δppm:γVL部 1.4〜
1.7(3H,m), 1.8〜2.1(2H,m), 2.6〜2.7(2H,m), 4.3〜4.
5(1H,m) LLA部 1.5〜1.7(3H,m), 5.1〜5.3(1H,m) 。
【0021】実施例2 γVL 0.5g(5.0 ミリモル)とLLA1.5 g(10.4ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例1と同様
にして反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例1と同様
にして反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0022】実施例3 γVL 1.0g(10.0ミリモル)、LLA1.0 g(6.9 ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例1と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例1と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0023】実施例4 γVL 1.2g(12.0ミリモル)、LLA0.8 g(5.6 ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例1と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例1と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0024】実施例5 γVL 1.3g(13.0ミリモル)、LLA0.7 g(4.9 ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例1と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例1と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0025】実施例6〜12:γVLと(±)−β−ブ
チロラクトンとからの開環共重合によるポリエステルの
合成
チロラクトンとからの開環共重合によるポリエステルの
合成
【0026】実施例6 20mlの反応容器にγVL 0.2g(2.0 ミリモル)、
(±)−β−ブチロラクトン(以下、βBLと略記す
る。) 1.8g(20.9ミリモル)、BF3 ・Et2O 0.5
モル%(0.11ミリモル)を窒素気流下25℃で13日撹
拌した。反応溶液にメタノール0.1 mlを添加し反応を
停止させ、生成物をエーテル/ヘキサン=1の混合溶媒
10ml中に投入し、再沈殿することにより標題のポリ
エステルを得た(収率51.2%)。 1 H−NMR(CDCl3 )δppm:γVL部 1.1〜
1.3(3H,m), 1.7〜2.0(2H,m), 2.2〜2.4(2H,m), 4.8〜5.
1(1H,m) βBL部 1.3〜1.4(3H,m), 2.4〜2.8(2H,m), 5.1〜5.3
(2H,m) 。
(±)−β−ブチロラクトン(以下、βBLと略記す
る。) 1.8g(20.9ミリモル)、BF3 ・Et2O 0.5
モル%(0.11ミリモル)を窒素気流下25℃で13日撹
拌した。反応溶液にメタノール0.1 mlを添加し反応を
停止させ、生成物をエーテル/ヘキサン=1の混合溶媒
10ml中に投入し、再沈殿することにより標題のポリ
エステルを得た(収率51.2%)。 1 H−NMR(CDCl3 )δppm:γVL部 1.1〜
1.3(3H,m), 1.7〜2.0(2H,m), 2.2〜2.4(2H,m), 4.8〜5.
1(1H,m) βBL部 1.3〜1.4(3H,m), 2.4〜2.8(2H,m), 5.1〜5.3
(2H,m) 。
【0027】実施例7 γVL 0.4g(4.0 ミリモル)、βBL 1.6g(18.6ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0028】実施例8 γVL 0.7g(7.0 ミリモル)、βBL 1.3g(15.1ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0029】実施例9 γVL 1.0g(10.0ミリモル)、βBL 1.0g(11.6ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0030】実施例10 γVL 1.3g(13.0ミリモル)、βBL 0.7g(8.1 ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0031】実施例11 γVL 1.6g(16.0ミリモル)、βBL 0.4g(4.6 ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0032】実施例12 γVL 1.8g(18.0ミリモル)、βBL 0.2g(2.3 ミ
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
リモル)を使用したこと以外は、すべて実施例6と同じ
方法で反応を行ない標題のポリエステルを得た。
【0033】上記実施例1〜5のγVLとLLAとから
の開環共重合により得られた共重合体および実施例6〜
12のβBLとLLAとからの開環共重合により得られ
た共重合体に関して、共重合体中のモノマーユニットの
含有比( 1H−NMRにより測定。)、共重合体の数平
均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、収率、
ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)、旋光度(アセト
ン中、c0.9 g/dl)のデータを、それぞれ表1と表
2にまとめて示す。
の開環共重合により得られた共重合体および実施例6〜
12のβBLとLLAとからの開環共重合により得られ
た共重合体に関して、共重合体中のモノマーユニットの
含有比( 1H−NMRにより測定。)、共重合体の数平
均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、収率、
ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)、旋光度(アセト
ン中、c0.9 g/dl)のデータを、それぞれ表1と表
2にまとめて示す。
【0034】
【表1】
【0035】試験例1:実施例3のポリマーの生分解性
試験 高砂香料工業(株)平塚工場の返送汚泥の馴養種(好気
性汚泥)を、500ppm(600ml)、pH6.0 〜
7.0 、25℃の条件で用い、実施例3で得られたポリマ
ーの1cm×2cm、厚さ0.05〜0.1mm の薄膜(ポリマー
を、塩化メチレンまたはクロロホルムに溶かし、シャー
レ等に流し込み、溶媒を蒸発させることによってフィル
ム化したもの)について20〜30mgを50mlのフ
ラスコに入れ、タイテック(株)社製、振盪恒温水槽を
用いて試験を行なった。1週間経過後ポリマーの重量を
測定することにより残存重量率を求めた。その結果、実
施例3で得られたポリマーフィルムは1週間後に5%分
解していることがわかった。
試験 高砂香料工業(株)平塚工場の返送汚泥の馴養種(好気
性汚泥)を、500ppm(600ml)、pH6.0 〜
7.0 、25℃の条件で用い、実施例3で得られたポリマ
ーの1cm×2cm、厚さ0.05〜0.1mm の薄膜(ポリマー
を、塩化メチレンまたはクロロホルムに溶かし、シャー
レ等に流し込み、溶媒を蒸発させることによってフィル
ム化したもの)について20〜30mgを50mlのフ
ラスコに入れ、タイテック(株)社製、振盪恒温水槽を
用いて試験を行なった。1週間経過後ポリマーの重量を
測定することにより残存重量率を求めた。その結果、実
施例3で得られたポリマーフィルムは1週間後に5%分
解していることがわかった。
【0036】試験例2:実施例8のポリマーの生分解性
試験 試験例1と同様に、実施例8で得られたポリマーにつ
き、試験例1と同様にして生分解試験を行った結果は、
1週間後に10%分解していることが分かった。
試験 試験例1と同様に、実施例8で得られたポリマーにつ
き、試験例1と同様にして生分解試験を行った結果は、
1週間後に10%分解していることが分かった。
フロントページの続き (72)発明者 木村 良晴 滋賀県近江八幡市鷹飼町1126番1号 (56)参考文献 米国特許4470416(US,A) 土肥義治編「生分解性プラスチックの おはなし」(財)日本規格協会(平成3 年10月5日)第47頁−第50頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、k
は0または1を表わし、mおよびnは10〜2000の数を
表わす。)で示される生分解性光学活性ポリエステル。 - 【請求項2】 式 【化2】 で示される(±)−β−ブチロラクトンまたは式 【化3】 で示されるL−ラクチドと、一般式(II) 【化4】 (式中、R1 は請求項1の記載と同じ意味を表わす。)
で示される光学活性γ−アルキル−γ−ラクトンを、
(i) ジエチル亜鉛、(ii)ジエチル亜鉛−水錯体および(i
ii) 三フッ化ホウ素エーテル錯体より選ばれる1種以上
の触媒の存在下に開環共重合させることを特徴とする一
般式(I) 【化5】 (式中、R1 、k、mおよびnは請求項1の記載と同じ
意味を表わす。)で示される生分解性光学活性ポリエス
テルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04241411A JP3142658B2 (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 生分解性光学活性ポリエステルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04241411A JP3142658B2 (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 生分解性光学活性ポリエステルおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0665359A JPH0665359A (ja) | 1994-03-08 |
JP3142658B2 true JP3142658B2 (ja) | 2001-03-07 |
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ID=17073894
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04241411A Expired - Fee Related JP3142658B2 (ja) | 1992-08-19 | 1992-08-19 | 生分解性光学活性ポリエステルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3142658B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3408347B2 (ja) * | 1994-06-08 | 2003-05-19 | 高砂香料工業株式会社 | 光学活性ブロック共重合ポリエステル及びその製造方法 |
JPH0959218A (ja) * | 1995-08-25 | 1997-03-04 | Shimadzu Corp | L−乳酸オリゴマー誘導体 |
-
1992
- 1992-08-19 JP JP04241411A patent/JP3142658B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
土肥義治編「生分解性プラスチックのおはなし」(財)日本規格協会(平成3年10月5日)第47頁−第50頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0665359A (ja) | 1994-03-08 |
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