JP3408349B2 - 生分解性高分子用可塑剤 - Google Patents

生分解性高分子用可塑剤

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JP3408349B2 JP02890095A JP2890095A JP3408349B2 JP 3408349 B2 JP3408349 B2 JP 3408349B2 JP 02890095 A JP02890095 A JP 02890095A JP 2890095 A JP2890095 A JP 2890095A JP 3408349 B2 JP3408349 B2 JP 3408349B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物産生又は化学合
成のポリ(R)−3−ヒドロキシ酪酸(以下、P[(R)-3H
B]と略記する。)の生分解性高分子に使用される可塑剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、放置された難分解性のフィルムや
釣り糸などによる環境汚染問題が深刻になっていること
から、自然界に存在する微生物によって容易に分解され
るプラスチック材料が求められている。また、生体適合
性を持ち、なおかつ生体内で分解吸収されるプラスチッ
ク材料は、組織が再生する間だけ強度を保ち、組織の再
生後は速やかになくなるものが望まれている。
【0003】脂肪族ポリエステル類は、生分解性、生体
適合性が認められており、その中でも微生物が菌体内に
蓄積するP[(R)-3HB]は高い融点(約180℃)の熱可塑
性樹脂であることから注目されている。
【0004】しかしながら、P[(R)-3HB]は固くて強い材
料である反面、伸び率が約5%と小さく、極めて脆いと
いう欠点を持っているため実用化が難しい(生分解性高
分子材料、19−26頁、土肥義治著、工業調査会19
90年発行参照)。
【0005】P[(R)-3HB]の物性を改良するための手段と
して、微生物によるランダム共重合体の合成が行われて
きた。すなわち、(R)−3−ヒドロキシ酪酸と(R)
−3−ヒドロキシ吉草酸の共重合体(以下、P[(R)-3HB-
co-(R)-3HV] と略記する。)がP.A. Holmes (Phys. Te
chnol., 1985, (16), P. 32 )によって、(R)−3−
ヒドロキシ酪酸と4−ヒドロキシ酪酸の共重合体(以
下、P[(R)-3HB-co-4HB]と略記する。)が土肥ら(Poly
m. Commun. 29, 174 (1988) )によって、それぞれ報告
されている。また、最近、化学的に(R)−3−ヒドロ
キシ酪酸ユニットを持つ高分子量の種々の生分解性ラン
ダム共重合体ポリエステルがジスタノキサン触媒存在
下、(R)−β−ブチロラクトン(以下、(R)-BLと略記
する。)と種々のラクトン類との開環共重合により合成
された(Macromolecules, 1993, (26), 4388) 。
【0006】以上のように、ランダム共重合体を合成す
ることによりP[(R)-3HB]の結晶化度を低下させ、脆い物
性を改善することが出来る。しかしながら、一般的にラ
ンダム共重合体は融点を低下させる原因となる。
【0007】P[(R)-3HB]の欠点を改良するもう一つの方
法は、P[(R)-3HB]に可塑剤として他のモノマー又はポリ
マーをブレンドして、P[(R)-3HB]の結晶性を阻害する方
法である。
【0008】低分子量モノマー(アシルグリセロール
類)を可塑剤とするブレンドが土肥らによって報告され
ている(高分子論文集,1991,Vol.47,pp.221-226)。しか
しながら、低分子量モノマーは、製品の使用中に溶出す
ることにより物性を劣化させるという欠点を持つ。
【0009】溶出の心配のない可塑剤として高分子可塑
剤が考えられる。P[(R)-3HB]とポリエチレンまたはポリ
スチレンとのブレンドがPolym.Prepr.(Am.Chem.Soc.,Di
v.Polym.Chem.)1990,31(1),p441に、塩素を含むポリマ
ーとのブレンドがEur.PatentN.52460,1985に、ポリメタ
クリレートとのブレンドがPolymer,1993,(34),p4935
に、それぞれ開示されている。これらのブレンド系は非
相容系であり、可塑剤としてP[(R)-3HB]の脆さを改良す
るのは困難である。さらに、ブレンドに使用されたポリ
マーは生分解性がないので、生分解性ポリマーの可塑剤
としては適さない。
【0010】生分解性のあるポリマーのブレンドの例と
しては、P[(R)-3HB]とポリサッカライドとのブレンドが
Biomaterials,1989,10,p400に、ポリカプロラクトンと
のブレンドがPolymer,1994,(35),p2233;Polym.Degrad.S
tab.1992,(36),p241に、ポリ(1,4−ブチレンアジペ
ート)とのブレンドがPolym.Degrad.Stab.1992,(36),p2
41に、それぞれ開示されている。しかしながら、これら
のブレンドは相容系でないため、ブレンドフィルムの引
張り強度は低下し、伸び率もあまり向上しない(Polym.D
egrad.Stab.1992,(36),p24参照)。
【0011】生分解性があり、尚且相容なポリマーを用
いたブレンド例としては、セルロースエステルとのブレ
ンドがPolym.Bull.1992,(29),p407;Macromolecules,199
2,(25),p6441;Macromolecules,1993,(26),p6722に、ポ
リエチレンオキシドとのブレンドがPolymer,1988,(29),
p1731に、ラセミ体のβ−ブチロラクトン(以下、BLと
略記する。)の開環重合によって得られたアタクチック
ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)(以下、P(3HB)と略記す
る。)とのブレンドがMakromol.Chem.,Rapid Commun.19
92,(13),p179に、それぞれ開示されている。これらの中
で、P[(R)-3HB]とP(3HB)のブレンド体について引張り強
度、伸び率、生分解性が報告されている(Makromol.Che
m.,Rapid Commun.1992,(13),p179)。この報告による
と、P[(R)-3HB]とP(3HB)とのブレンド体フィルムの伸び
率は向上し脆さが改善され、生分解性は向上するもの
の、引張り強度はP(3HB)に対するP[(R)-3HB]の割合が多
くなるにつれて徐々に低下している。また、ポリエーテ
ルとポリエステルとのブロック共重合体とのブレンドが
特開平5−132549号公報に報告されている。この
報告も同様にブレンドによりP[(R)-3HB]の脆さが改善さ
れ、生分解性は向上するものの、引張り強度はP[(R)-3H
B]に対するブロック共重合体の割合が多くなるにつれて
低下している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、微生物産生又は化学合成のP[(R)-3HB]またはその共
重合体の生分解性高分子に使用される可塑剤としてそれ
自体が容出せず生分解性であり、P[(R)-3HB]またはその
共重合体とのブレンドにより当該ブレンド体の伸び率を
向上させ脆さを改善し、引張り強度の低下をきたすこと
のない生分解性高分子用可塑剤を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行なった結果、3−ヒドロキシ酪
酸単位を高分子中に含むブロック共重合体が微生物産生
又は化学合成のP[(R)-3HB]またはその共重合体の脆さを
改善し対衝撃性を向上させ、引張り強度の低下があまり
見られず、容出しないことによる物性の変化がない、生
分解性という長所を持つ高分子可塑剤となることを見い
出し、本発明を完成するに至った。また、P[(R)-3HB]の
ような、脆いがために使用用途が限定されていた生分解
性プラスチックに、本発明の可塑剤を添加することによ
り、紙コップの表面フィルム等のようにしなやかで伸び
のある材料が供給可能となった。
【0014】すなわち、本発明は、P[(R)-3HB]用可塑剤
において、下記の一般式(I)
【化3】 (式中、Cは不斉炭素を表し、Rは炭素数1から1
4までの炭化水素であって、二重結合や酸素原子を含有
してもよい2価の有機基を表し、m及びnは、それぞれ
300から5000までの自然数を表す。)で示される
ブロック共重合ポリエステルからなることを特徴とする
生分解性高分子用可塑剤を提供する。
【0015】また、本発明は、P[(R)-3HB]用可塑剤にお
いて、下記の一般式(II)、
【化4】 (式中、Cは不斉炭素を表し、R、R、Rおよ
びRはそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、m及
びnは、それぞれ300から5000までの自然数を表
す。)で示されるブロック共重合ポリ(エステル−カー
ボネート)からなることを特徴とする生分解性高分子用
可塑剤を提供する。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
可塑剤としてのブロック共重合ポリエステルまたはブロ
ック共重合ポリ(エステル−カーボネート)は、好まし
くは、構造単位[ポリ(3−ヒドロキシ酪酸]:構造単
位[ポリラクトン又はポリカーボネート]のモル比が1
〜99:99〜1で、数平均分子量(以下、Mnという
ことがある)が30000 〜1000000 の範囲内である。さら
に好ましくは、Mnが70000〜800000、より好ましくは1
00000〜600000の範囲内である。
【0017】また、本発明の可塑剤と配合するP[(R)-3H
B]は、(R)−3−ヒドロキシ酪酸の単独重合体の他、
少量の他の共重合体成分を含む重合体でもよい。
【0018】本発明の可塑剤としてのブロック共重合ポ
リエステル及びブロック共重合ポリ(エステル−カーボ
ネート)の一方の構造単位でありポリ(3−ヒドロキシ
酪酸)の原料である光学活性な(R)-β-BLと(S)-β-BL
は、例えば、本出願人が特願平4-210683号及び特願平5-
345867号にて開示している方法、すなわちジケテンをル
テニウム−光学活性ホスフィン錯体を触媒として不斉水
素化を行なうことにより容易に得ることができる。ま
た、β-BLは市販品を使用することができる。
【0019】次に、本発明のブロック共重合ポリエステ
ル及びブロック共重合ポリ(エステル−カーボネート)
の原料であり、構造単位[ポリラクトン]及び構造単位
[ポリカーボネート]を構成するラクトン類および環状
カーボネート類について説明する。
【0020】まず、ラクトン類としては、ラクトンの2
価の有機基が炭素数2から14までのアルキレン基から
なるラクトン類、例えば、β−ブチロラクトン、β−プ
ロピオラクトン、β−エチル−β−プロピオラクトン、
α−メチル−β−プロピオラクトン、α,α−ジメチル
−β−プロピオラクトン、α,β−ジメチル−β−プロ
ピオラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−
ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ
−メチル−γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、
β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクト
ン、15−ペンタデカノリド、16−ヘキサデカノリド
等が挙げられ、またラクトンの2価の有機基が炭素数2
から14で、且つ二重結合を有するアルケニル基からな
るラクトン類、例えば、5,6−ジヒドロ−2H−ピラ
ン−2−オン、3,4−ジヒドロ−6−メチル−2H−
ピラン−2−オン、5,6−ジヒドロ−6−メチル−2
H−ピラン−2−オン、9−ヘキサデセン−16−オリ
ド等が挙げられ、さらにラクトンの2価の有機基がエス
テル基もしくはエーテル基を含有する炭素数2から14
までのアルキル基からなるラクトン類、例えば、グリコ
リド、L−ラクチド、DL−ラクチド、1,4−ジオキ
セパン−5−オン、7−メチル−1,4−ジオキセパン
−5−オン、12−オキサ−16−ヘキサデカノリド、
11−オキサ−16−ヘキサデカノリド及び10−オキ
サ−16−ヘキサデカノリド等が挙げられる。
【0021】光学活性な(R)-7−メチル−1,4−ジオ
キセパン−5−オン(以下、(R)-MDOと略記する。)と
(S)-7−メチル−1,4−ジオキセパン−5−オン(以
下、(S)-MDOと略記する。)は、例えば、本出願人が特
開平4-316575号にて開示している方法、すなわち光学活
性なメチル 3−ヒドロキシブチレ−トから3工程で得
ることができる。
【0022】α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン
は、例えば、Yamashita,Y.,Ishikawa,Y.and Tsuda,T. K
ogyo Kagaku Zasshi 1964,67,252に開示されている方法
によって、α,β−ジメチル−β−プロピオラクトン
は、例えば、Dervan,P.B.and Jones,C.R. J.Org.Chem.
1979,44,2116に開示されている方法によって得ることが
できる。
【0023】15−ペンタデカノリドは、例えば、Org.
Synth.1987,58,98に開示されている方法によって、16
−ヘキサデカノリドは、例えば、H.H.Mathur and S.C.B
hattacharyya,J.Chem.Soc.1963,3305に開示されている
方法によって得ることができる。
【0024】また、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−
2−オンは、例えば、Org.Synth.1979,56,49に開示され
ている方法によって得ることができる。
【0025】前記ラクトン類は、市販品あるいは合成品
を使用できるが、精製したもの、例えば、水素化カルシ
ウムを加えて蒸留する操作を2度繰り返して精製し、使
用前まで不活性ガス中で保存したものを使用することが
好ましい。
【0026】また、環状カーボネート類としては、例え
ば、トリメチレンカーボネート、2,2−ジメチルトリ
メチレンカーボネート、2−メチルトリメチレンカーボ
ネート、3−メチルトリメチレンカーボネート、2,3
−ジメチルトリメチレンカーボネート、2,4−ジメチ
ルトリメチレンカーボネート、2,3,4−トリメチル
トリメチレンカーボネート、2,3,3,4−テトラメ
チルトリメチレンカーボネート等が挙げられる。これら
の環状カーボネートは、対応するジオールとクロロエチ
ルホルメートのトルエン溶液に、トリエチルアミンを氷
浴中で滴下することにより容易に得られる(遠藤 剛
ら、日本化学会第61春季年会講演予稿集II、1991年、
社団法人日本化学会、1910頁)。
【0027】本発明の可塑剤としてのブロック共重合体
ポリエステルの構造単位であるポリラクトンには、ラセ
ミ体あるいは光学活性なラクトン類を使用し、同じく本
発明の可塑剤としてのブロック共重合ポリ(エステル−
カーボネート)の構造単位であるポリカーボネートに
は、ラセミ体あるいは光学活性な環状カーボネート類を
使用し、それぞれ必要に応じ2種あるいはそれ以上を併
用することができる。
【0028】かかるブロック共重合に付されるラクトン
類または環状カーボネート類の割合は、前述のように、
前記構造単位[ポリラクトン]:構造単位[ポリラクト
ン又はポリカーボネート]のモル比が1〜99:99〜
1となるようにすることが好ましい。さらに、前記モル
比は20〜80:80〜20が好ましく、30〜70:
70〜30がより好ましい。
【0029】本発明の可塑剤としてのブロック共重合体
は、具体的には、(R)-β-BL、(S)-β-BL又はβ-BLを不活
性溶媒中または無溶媒で、窒素またはアルゴン等の不活
性気体中で反応容器に仕込み、これに以下に説明する触
媒を加え、常圧で60〜180℃の温度で、30分〜5
時間反応させて第一段階の重合を完了させ、この溶液に
不活性溶媒を少量加えて粘度を下げた後、第一段階で使
用した(R)-β-BL、(S)-β-BL又はβ-BLと異なるラクトン
類またはカーボネート類を加えて更に1時間〜48時間
反応させて第二段階の反応を行なうことにより行われ、
これによりAB型ブロック共重合体を得ることができ
る。
【0030】あるいはまた、第一段階で種々のラクトン
類または環状カーボネート類を重合させた後に、第二段
階で(R)-β-BL、(S)-β-BL又はβ-BLを加えてBA型ブロ
ック共重合体を得る方法により行なわれる。更には、A
BA型、ABC型等のブロック共重合は、第二段階と同
様の方法によりAB型ブロック共重合体に(R)-β-BL、
(S)-β-BL又はβ-BL、他のラクトン類あるいは環状カー
ボネート類を加え反応させてブロック共重合体を得る方
法により行なわれる。
【0031】かかる重合反応に使用することのできるス
ズ系触媒としては、ジブチルスズオキサイド、ジオクチ
ルスズオキサイド、ジオクチル酸スズ、ジラウリン酸ジ
ブチルスズ等を挙げることができる。
【0032】また、好適スズ系触媒である下記の一般式
(III)、
【化5】 (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、アラルキ
ル基またはフェニル基を表し、XはCl、Br及びNC
Sからなる群から選ばれ、YはCl、Br、NCS、O
H、炭素数1〜4のアルコキシ基及びフェノキシ基から
なる群から選ばれる。)で示されるジスタノキサン触媒
としては、例えば、1,3−ジクロロテトラブチルジス
タノキサン、1,3−ジクロロテトラフェニルジスタノ
キサン、1,3−ジクロロテトラオクチルジスタノキサ
ン、1,3−ジクロロテトラドデシルジスタノキサン、
1,3−ジブロモテトラブチルジスタノキサン、1−ヒ
ドロキシ−3−クロロテトラブチルジスタノキサン、1
−ヒドロキシ−3−クロロテトラオクチルジスタノキサ
ン、1−ヒドロキシ−3−クロロテトラドデシルジスタ
ノキサン、1−ヒドロキシ−3−ブロモテトラブチルジ
スタノキサン、1−メトキシ−3−クロロテトラブチル
ジスタノキサン、1−メトキシ−3−クロロテトラオク
チルジスタノキサン、1−エトキシ−3−クロロテトラ
ブチルジスタノキサン、1−エトキシ−3−クロロテト
ラオクチルジスタノキサン、1−エトキシ−3−クロロ
テトラドデシルジスタノキサン、1−フェノキシ−3−
クロロテトラブチルジスタノキサン、1−メトキシ−3
−ブロモテトラブチルジスタノキサン、1−エトキシ−
3−ブロモテトラブチルジスタノキサン、1−フェノキ
シ−3−ブロモテトラブチルジスタノキサン、1−ヒド
ロキシ−3−(イソチオシアナト)テトラブチルジスタ
ノキサン、1−ヒドロキシ−3−(イソチオシアナト)
テトラオクチルジスタノキサン、1−ヒドロキシ−3−
(イソチオシアナト)テトラドデシルジスタノキサン、
1−メトキシ−3−(イソチオシアナト)テトラブチル
ジスタノキサン、1−エトキシ−3−(イソチオシアナ
ト)テトラブチルジスタノキサン、1−メトキシ−3−
(イソチオシアナト)テトラオクチルジスタノキサン、
1−エトキシ−3−(イソチオシアナト)テトラオクチ
ルジスタノキサン、1−エトキシ−3−(イソチオシア
ナト)テトラドデシルジスタノキサン、1−フェノキシ
−3−(イソチオシアナト)テトラブチルジスタノキサ
ン、1,3−ビス(イソチオシアナト)テトラブチルジ
スタノキサン、1,3−ビス(イソチオシアナト)テト
ラメチルジスタノキサン、1,3−ビス(イソチオシア
ナト)テトラオクチルジスタノキサン、1,3−ビス
(イソチオシアナト)テトラドデシルジスタノキサン等
が挙げられる。
【0033】これらの触媒は、例えば、1,3−ジクロ
ロテトラフェニルジスタノキサンについては、J. Organ
omet. Chem. 3, p70, (1965)に記載されている如く、ま
た1−ヒドロキシ−3−(イソチオシアナト)テトラブ
チルジスタノキサンについては、J. Org. Chem. 56,p53
07, (1991)に記載されている如く、ジブチルスズオキサ
イドとジブチルスズジイソチオシアナートをエタノール
中で反応させることにより容易に合成することができ
る。
【0034】これらの触媒は少なくとも1種を使用し、
必要に応じ数種を併用することができる。
【0035】触媒の添加量としては、原料モノマーに対
して1/500〜1/40000倍モルの量で使用され、好ましく
は、1/1000〜1/20000倍モルの量で使用される。
【0036】次に、溶媒としては、通常の開環重合に使
用される溶媒であれば特に限定されないが、具体的に
は、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等の直鎖状または環状エーテル類、
臭化メチレン、ジクロロエタン等の有機ハロゲン化物、
トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族化合物類及び
これらの混合溶媒を挙げることができる。
【0037】これらの溶媒は、市販品を精製したもの、
例えば、金属ナトリウムとベンゾフェノンを加えて不活
性気体存在下蒸留して精製し、使用前まで不活性ガス中
で保存したものを使用することができる。
【0038】本発明の可塑剤をP[(R)-3HB]に配合する
と、P[(R)-3HB]の引張り強度を保持しながらP[(R)-3HB]
の伸びを改善することができる。
【0039】本発明の可塑剤の配合量は、可塑剤とP
[(R)-3HB]の合計量の90重量%以下であれば一定の効
果がもたらされるが、10重量%以下とすることが好ま
しい。さらに、P[(R)-3HB]とポリカプロラクトンとのブ
ロック共重合体を可塑剤とし、その配合量を可塑剤とP
[(R)-3HB]の合計量の10重量%以下とすると、著しく
引張り強度が向上し、しかも伸びも改善される。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び試験例等により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例及び試験
例等に限定されるものではない。
【0041】本実施例及び試験例等で使用した分析機器
及び生分解試験で使用した機器は下記のとおりである。 1)核磁気共鳴スペクトル(NMR):AMー400型
装置(400MHz)(ブルカー社製) 2)分子量:D−2520GPC Integrator(日立製作所
(株)製) 3)引張り強度試験:島津オートグラフAGS−500
B(島津製作所(株)製) 4)生分解性試験:活性汚泥(平成6年1月20日に財
団法人 化学品検査協会から購入)
【0042】これら機器を用い「新規化学物質に係る試
験の方法について」(環保業第5号、薬発第615号、
49基局第392号、昭和49年7月13日)に規定す
る(微生物等による化学物質の分解度試験)並びにY. D
oi, A. Segawa, and M. Kunioka, Int. J. Biol. Macro
mol., 1990, Vol. 12, April, 106.記載の内容に準拠し
て各種測定試験行なった。なお、引張り試験に用いたフ
ィルムは、所定量のポリマーを量り採り、クロロホルム
に溶かしてキャスト法により一旦フィルムを作り、ロー
ルにより脱気したものをさらに150℃、3分間、30
0気圧にてプレスしたものを用いた。
【0043】以下の実施例及び比較例中、使用したブロ
ックポリマーの組成、生分解性高分子組成物の重量組成
比、引張り強度、破壊伸びのデータは下記の表1にまと
めて示した。
【0044】実施例1:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)-3HB]とε−カプロラクトン(以下、CLと略記す
る。)とによるブロックポリエステル(以下、P[(R)-3H
B]-PCLと略記する。)との90:10のブレンドフィルム作
微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.7gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)0.3gをクロロホルムに溶かしキャスト法によりフィル
ムを作り、1週間乾燥させた。このフィルムをロールに
より脱気し150℃、3分間、300気圧にてプレスした。この
フィルムをダンベル状に打ち抜き、引張り試験を行っ
た。
【0045】実施例2:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCLとの70:30のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0046】実施例3:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCLとの50:50のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)1.5gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)1.5gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0047】実施例4:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCLとの30:70のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.9gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)2.1gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0048】実施例5:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCLとの10:90のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.3gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)2.7gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0049】実施例6:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCLとの95:5のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.85gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=19:81,Mn=470000,Mw=118300
0)0.15gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフ
ィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0050】実施例7:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCLとの70:30のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=19:81,Mn=470000,Mw=118300
0)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0051】実施例8:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCLとの10:90のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.3gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=19:81,Mn=470000,Mw=118300
0)2.7gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0052】実施例9:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)-3HB]とP(3HB)(ラセミ体)とによるブロックポリ
エステル(以下、P[(R)-3HB]-P(3HB)と略記する。)と
の70:30のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-P(3HB)((R)-3HB:3HB=50:50,Mn=115000,Mw=21
9000)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法で
フィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0053】実施例10:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)-3HB]とポリ(δ−バレロラクトン)とによるブロ
ックポリエステル(以下、P[(R)-3HB]-PVLと略記す
る。)との70:30のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-PVL((R)-3HB:VL=51:49,Mn=173000,Mw=29200
0)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0054】実施例11:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)-3HB]とポリ(L−ラクチド)とによるブロックポ
リエステル(以下、P[(R)-3HB]-PLAと略記する。)との
70:30のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-PLA((R)-3HB:LA=54:46,Mn=126000,Mw=16000
0)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0055】実施例12:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)−3HB]とポリ((R)−7−メチル−1,
4−ジオキセパン−5−オン)とによるブロックポリエ
ステル(以下、P[(R)-3HB]-P((R)-MDO)と略記する。)
との70:30のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-P((R)-MDO)((R)-3HB:(R)-MDO=49:51,Mn=1200
00,Mw=185000)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様
の方法でフィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0056】実施例13:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)-3HB]とポリ(15−ペンタデカノリド)とによる
ブロックポリエステル(以下、P[(R)-3HB]-P(15HPD)と
略記する。)との70:30のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-P(15HPD)((R)-3HB:15HPD=61:39,Mn=140000,M
w=228000)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方
法でフィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0057】実施例14:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)-3HB]とポリ(9−ヘキサデセン−16−オリド)
とによるブロックポリエステル(以下、P[(R)-3HB]-P(1
6H-9HD)と略記する。)との70:30のブレンドフィルム作
微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-P(16H-9HD)((R)-3HB:16H-9HD=61:39,Mn=1500
00,Mw=224000)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様
の方法でフィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0058】実施例15:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)-3HB]とポリ(トリメチレンカーボネート)とによ
るブロックポリ(エステル−カーボネート)(以下、P
[(R)-3HB]-P(TMC)と略記する。)との70:30のブレンド
フィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-P(TMC)((R)-3HB:TMC=55:45,Mn=98000,Mw=169
000)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフ
ィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0059】実施例16:微生物産生P[(R)-3HB]と、P
[(R)-3HB]とポリ(2,2−ジメチルトリメチレンカー
ボネート)とによるブロックポリ(エステル−カーボネ
ート)(以下、P[(R)-3HB]-P(DTC)と略記する。)との1
0:90のブレンドフィルム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)2.1gとP
[(R)-3HB]-P(DTC)((R)-3HB:DTC=55:45,Mn=88000,Mw=142
000)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフ
ィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0060】実施例17:微生物産生P[(R)-3HB-co-11%
(R)-3HV] とP[(R)-3HB]-PCLとの90:10のブレンドフィル
ム作成 微生物産生P[(R)-3HB-co-11%(R)-3HV](Mn=191000,Mw=42
5000)2.7gとP[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=19:81,Mn=4700
00,Mw=1183000)0.3gを用いた他はすべて実施例1と同様
の方法でフィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0061】実施例18:P[(R)-3HB-co-10%TMC]とP
[(R)-3HB]-P(TMC)との70:30のブレンドフィルム作成 P[(R)-3HB-co-10%TMC](Mn=110000,Mw=210000)2.1gとP
[(R)-3HB]-P(TMC)((R)-3HB:TMC=55:45,Mn=98000,Mw=169
000)0.9gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフ
ィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0062】比較例1:微生物産生P[(R)-3HB]のフィル
ム作成 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)3.0gを用
いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィルムを作成
し、引張り試験を行った。
【0063】比較例2:P[(R)-3HB]-PCLのフィルム作成 P[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)3.0gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフィ
ルムを作成し、引張り試験を行った。
【0064】比較例3:P[(R)-3HB]-PCLのフィルム作成 P[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=19:81,Mn=470000,Mw=11830
00)3.0gを用いた他はすべて実施例1と同様の方法でフ
ィルムを作成し、引張り試験を行った。
【0065】
【表1】 *1 P[(R)-3HB]の代わりにP[(R)-3HB-co-11%(R)-3HV]
を用いたときの重量組成 *2 P[(R)-3HB]の代わりにP[(R)-3HB-co-10%TMC]を
用いたときの重量組成
【0066】試験例1:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49)との10:90のブレンドフィ
ルムの生分解性試験 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.1gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)0.9gをクロロホルムに溶かしシャーレに流し込み、ク
ロロホルムを蒸発させることによってフィルムを作り、
1週間乾燥させた。
【0067】活性汚泥を500ppm (600ml)、pH 6.0〜7.0
、25℃の条件で用い、得られたフィルムの1cm ×1cm
、厚さ0.05〜0.1mm の薄膜について13〜21mgを50mlの
フラスコに入れ、タイテック(株)社製、振とう恒温水
槽を用いて試験を行なった。
【0068】4週間経過後におけるフィルムの重量減少
を求めた。その結果を図1に示す。この結果から、フィ
ルムは4週間後に0.26mgの重量減少があった。
【0069】試験例2:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49)との30:70のブレンドフィ
ルムの生分解性試験 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.3gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)0.7gを用いた他はすべて試験例1と同様の方法で生分
解性試験を行った。その結果は図1に示すとおりであ
り、4週間後に0.48mgの重量減少があった。
【0070】試験例3:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49)との50:50のブレンドフィ
ルムの生分解性試験 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.5gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)0.5gを用いた他はすべて試験例1と同様の方法で生分
解性試験を行った。その結果は図1に示すとおりであ
り、4週間後に1.09mgの重量減少があった。
【0071】試験例4:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49)との70:30のブレンドフィ
ルムの生分解性試験 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.7gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)0.3gを用いた他はすべて試験例1と同様の方法で生分
解性試験を行った。その結果は図1に示すとおりであ
り、4週間後に1.66mgの重量減少があった。
【0072】試験例5:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49)との80:20のブレンドフィ
ルムの生分解性試験 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.8gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)0.2gを用いた他はすべて試験例1と同様の方法で生分
解性試験を行った。その結果は図1に示すとおりであ
り、4週間後に6.04mgの重量減少があった。
【0073】試験例6:微生物産生P[(R)-3HB]とP[(R)-
3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49)との90:10のブレンドフィ
ルムの生分解性試験 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)0.9gとP
[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)0.1gを用いた他はすべて試験例1と同様の方法で生分
解性試験を行った。その結果は図1に示すとおりであ
り、4週間後に2.84mgの重量減少があった。
【0074】試験比較例1:P[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:C
L=51:49)フィルムの生分解性試験 P[(R)-3HB]-PCL((R)-3HB:CL=51:49,Mn=172000,Mw=27200
0)1.0gを用いたほかはすべて試験例1と同様の方法で生
分解性試験を行った。その結果は図1に示すとうりであ
り、4週間後に0.20mgの重量減少があった。
【0075】試験比較例2:微生物産生P[(R)-3HB]フィ
ルムの生分解性試験 微生物産生P[(R)-3HB](Mn=245000,Mw=546000)1.0gを用
いたほかはすべて試験例1と同様の方法で生分解性試験
を行った。その結果は図1に示すとおりであり、4週間
後に6.65mgの重量減少があった。
【0076】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の、微
生物産生又は化学合成のP[(R)-3HB]またはその共重合体
の生分解性高分子に使用される可塑剤においては、特定
のブロック共重合ポリエステルあるいは特定のブロック
共重合ポリ(エステル−カーボネート)を構成成分とし
たことにより、当該可塑剤を配合した生分解性高分子組
成物は、生分解性があるのみならず伸び率が向上し脆さ
が改善され、引張り強度の低下が見られない新規な生分
解性高分子組成物となる。特に、生分解性があるにもか
かわらず脆いがために使用用途がかなり限定されている
P[(R)-3HB]またはP[(R)-3HB-co-(R)-3HV]のような生分
解性プラスチックに本発明の可塑剤を配合することによ
り、農業用シート、包装用フィルム、紙コップの表面フ
ィルム等のようなしなやかで伸びのある材料として使用
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】生分解性試験結果として各試験例におけるフィ
ルムの4週間後の重量減少量を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 山口 明夫 神奈川県平塚市西八幡1−4−11 高砂 香料工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 萩原 利光 神奈川県平塚市西八幡1−4−11 高砂 香料工業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 米国特許4470416(US,A) 土肥義治,生分解性プラスチックのお はなし,日本,(財)日本規格協会, 1991年10月 5日,第47頁〜第50頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ(R)−3−ヒドロキシ酪酸用可塑
    剤において、下記の一般式(I) 【化1】 (式中、Cは不斉炭素を表し、Rは炭素数1から1
    4までの炭化水素であって、二重結合や酸素原子を含有
    してもよい2価の有機基を表し、m及びnは、それぞれ
    300から5000までの自然数を表す。)で示される
    ブロック共重合ポリエステルからなることを特徴とする
    生分解性高分子用可塑剤。
  2. 【請求項2】 ポリ(R)−3−ヒドロキシ酪酸用可塑
    剤において、下記の一般式(II)、 【化2】 (式中、Cは不斉炭素を表し、R、R、Rおよ
    びRはそれぞれ水素原子またはメチル基を表し、m及
    びnは、それぞれ300から5000までの自然数を表
    す。)で示されるブロック共重合ポリ(エステル−カー
    ボネート)からなることを特徴とする生分解性高分子用
    可塑剤。
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