JPH05320323A - 生分解性重合体、その製造方法および生分解性組成物 - Google Patents
生分解性重合体、その製造方法および生分解性組成物Info
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- JPH05320323A JPH05320323A JP12379492A JP12379492A JPH05320323A JP H05320323 A JPH05320323 A JP H05320323A JP 12379492 A JP12379492 A JP 12379492A JP 12379492 A JP12379492 A JP 12379492A JP H05320323 A JPH05320323 A JP H05320323A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 有機金属化合物を触媒として用いて、2種以
上のラクトンを逐次開環重合することにより、微生物分
解性および機械的性質に優れた脂肪族ポリエステルブロ
ック共重合体を製造できる。このブロック共重合体は単
独で、あるいは従来微生物分解性として公知のポリ
〔(R)−3−ヒドロキシブチレート〕とポリカプロラ
クトンの混合物の相容化剤として有用である。 【効果】 ラクトンの逐次開環重合により、反応を容易
に制御して目的とするブロック共重合体を合成できる。
ブロック共重合体およびこれを相容化剤として含む重合
体組成物は、微生物分解性および物性に優れるため、包
装材料、医用材料、農業用材料等の種々の用途に有用で
ある。
上のラクトンを逐次開環重合することにより、微生物分
解性および機械的性質に優れた脂肪族ポリエステルブロ
ック共重合体を製造できる。このブロック共重合体は単
独で、あるいは従来微生物分解性として公知のポリ
〔(R)−3−ヒドロキシブチレート〕とポリカプロラ
クトンの混合物の相容化剤として有用である。 【効果】 ラクトンの逐次開環重合により、反応を容易
に制御して目的とするブロック共重合体を合成できる。
ブロック共重合体およびこれを相容化剤として含む重合
体組成物は、微生物分解性および物性に優れるため、包
装材料、医用材料、農業用材料等の種々の用途に有用で
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物分解性重合体お
よびその製造方法、並びに微生物分解性重合体組成物に
関する。詳しくは、微生物分解性を有する脂肪族ポリエ
ステルのブロック共重合体およびその製造方法、並びに
この微生物分解性ブロック共重合体を相容化剤として含
有する微生物分解性重合体組成物に関する。
よびその製造方法、並びに微生物分解性重合体組成物に
関する。詳しくは、微生物分解性を有する脂肪族ポリエ
ステルのブロック共重合体およびその製造方法、並びに
この微生物分解性ブロック共重合体を相容化剤として含
有する微生物分解性重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物が分解するプラスチックとして、
これまでに(R)体の3−ヒドロキシブタン酸の縮合体
であるポリ〔(R)−3−ヒドロキシブチレート〕(以
下、PHBと略称する)やポリカプロラクトン(以下、
PCLと略称する)が知られている。しかし、PHBは
引張強度が約40MPa、融点が180℃であるにもか
かわらず、引張伸び率が5%程度と低く、堅くて脆い材
料であるため、未だ実用には至っていない。また、PC
Lは引張伸び率が約400〜600%であるが、融点が
60℃と低いため、実用性が低い。
これまでに(R)体の3−ヒドロキシブタン酸の縮合体
であるポリ〔(R)−3−ヒドロキシブチレート〕(以
下、PHBと略称する)やポリカプロラクトン(以下、
PCLと略称する)が知られている。しかし、PHBは
引張強度が約40MPa、融点が180℃であるにもか
かわらず、引張伸び率が5%程度と低く、堅くて脆い材
料であるため、未だ実用には至っていない。また、PC
Lは引張伸び率が約400〜600%であるが、融点が
60℃と低いため、実用性が低い。
【0003】そこで、PHBとPCLとを混合し、PH
Bの堅くて脆いという欠点とPCLの融点が低いという
欠点を同時に改善しようとする試みがなされている(特
開平3−157450号公報)。しかし、PHBとPCLは混
和性が低いために、混合して得られたポリマーは完全に
相分離し、引張強度や伸び率が低く、実用性の低いもの
となってしまう。上記公報には、相容化剤としてPHB
とPCLとのランダムまたはブロック共重合体を用いる
ことが開示されている。しかし、この共重合体はPHB
とPCLを出発原料として触媒の存在下で加熱反応させ
てエステル交換反応を行っているが、生成物の分析は熱
分析のみであり、PHBとPCLのブロック共重合体の
生成は確認されていない。このエステル交換反応は、P
HBの分解開始温度(約180℃)より高温で行われて
いるため、PHBの分子量低下や副反応を併発すると推
測される。これを避けるためには反応時間を非常に短く
することが必要であり、従って、ブロック共重合体の生
成を制御することができず、目的に合ったブロック共重
合体を得ることができない。
Bの堅くて脆いという欠点とPCLの融点が低いという
欠点を同時に改善しようとする試みがなされている(特
開平3−157450号公報)。しかし、PHBとPCLは混
和性が低いために、混合して得られたポリマーは完全に
相分離し、引張強度や伸び率が低く、実用性の低いもの
となってしまう。上記公報には、相容化剤としてPHB
とPCLとのランダムまたはブロック共重合体を用いる
ことが開示されている。しかし、この共重合体はPHB
とPCLを出発原料として触媒の存在下で加熱反応させ
てエステル交換反応を行っているが、生成物の分析は熱
分析のみであり、PHBとPCLのブロック共重合体の
生成は確認されていない。このエステル交換反応は、P
HBの分解開始温度(約180℃)より高温で行われて
いるため、PHBの分子量低下や副反応を併発すると推
測される。これを避けるためには反応時間を非常に短く
することが必要であり、従って、ブロック共重合体の生
成を制御することができず、目的に合ったブロック共重
合体を得ることができない。
【0004】一般に、AとBの2種のポリマーを混合す
る際の相容化剤としては、A−Bタイプの2元ブロック
共重合体が適し、さらに共重合体のA部とB部の分子量
は、それぞれAまたはBのポリマーよりも大きい方が望
ましい。従って、ポリマー同志のエステル交換反応で合
成される共重合体は、各部が原料ポリマーの分子量より
も小さいため、良い相容化剤ではない。また、PHBと
PCLの交換反応は200℃程度の高温で行われるた
め、これらのポリマーの劣化を招く。
る際の相容化剤としては、A−Bタイプの2元ブロック
共重合体が適し、さらに共重合体のA部とB部の分子量
は、それぞれAまたはBのポリマーよりも大きい方が望
ましい。従って、ポリマー同志のエステル交換反応で合
成される共重合体は、各部が原料ポリマーの分子量より
も小さいため、良い相容化剤ではない。また、PHBと
PCLの交換反応は200℃程度の高温で行われるた
め、これらのポリマーの劣化を招く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PHBとP
CLの相容化剤として好適であり、それ自体も優れた微
生物分解性と物性を有するブロック共重合体を提供する
ことを目的とする。さらに、本発明は、分子設計通りに
ポリエステルブロック共重合体を合成しうる製造方法を
提供することを目的とする。
CLの相容化剤として好適であり、それ自体も優れた微
生物分解性と物性を有するブロック共重合体を提供する
ことを目的とする。さらに、本発明は、分子設計通りに
ポリエステルブロック共重合体を合成しうる製造方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テルブロック共重合体の製造方法について鋭意研究を重
ねた結果、触媒として有機金属化合物、特に有機亜鉛化
合物を用い、ラクトンの逐次開環重合を行うことにより
重合反応をリビング重合的に進行させ、ブロック共重合
体の生成を制御しうること、それにより目的のブロック
共重合体を得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。本発明の要旨は、微生物分解性であり、以下の
式(I)および式(II)で表される部分を含有するポリ
エステルブロック共重合体、である。
テルブロック共重合体の製造方法について鋭意研究を重
ねた結果、触媒として有機金属化合物、特に有機亜鉛化
合物を用い、ラクトンの逐次開環重合を行うことにより
重合反応をリビング重合的に進行させ、ブロック共重合
体の生成を制御しうること、それにより目的のブロック
共重合体を得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。本発明の要旨は、微生物分解性であり、以下の
式(I)および式(II)で表される部分を含有するポリ
エステルブロック共重合体、である。
【0007】
【化1】
【0008】(上記式中、R1およびR2は互いに異なる2
価の脂肪族炭化水素基であり、mおよびnは2以上の整
数である)また、本発明は、有機金属化合物を触媒とし
て用いて、2種以上のラクトンを逐次開環重合して、ポ
リエステルのブロック共重合体を製造することを特徴と
するポリエステルブロック共重合体の製造方法も提供す
る。
価の脂肪族炭化水素基であり、mおよびnは2以上の整
数である)また、本発明は、有機金属化合物を触媒とし
て用いて、2種以上のラクトンを逐次開環重合して、ポ
リエステルのブロック共重合体を製造することを特徴と
するポリエステルブロック共重合体の製造方法も提供す
る。
【0009】さらに、本発明は、ポリ〔(R)−3−ヒ
ドロキシブチレート〕とポリカプロラクトンからなる混
合物に、相容化剤として請求項1記載のブロック共重合
体を含有させた微生物分解性重合体組成物も提供する。
ドロキシブチレート〕とポリカプロラクトンからなる混
合物に、相容化剤として請求項1記載のブロック共重合
体を含有させた微生物分解性重合体組成物も提供する。
【0010】
【作用】本発明では、触媒として有機金属化合物、特に
有機亜鉛化合物を用い、2種類のラクトン類の開環重合
を逐次的に行うことによって、目的に応じたポリエステ
ルのブロック共重合体を設計通りに合成できる。触媒と
して用いる有機金属化合物には、有機亜鉛化合物や有機
アルミニウム化合物があり、特に有機亜鉛化合物が好ま
しい。有機亜鉛化合物としては、ジアルキル亜鉛と水ま
たはアルコール類とを反応させたものが好適である。
有機亜鉛化合物を用い、2種類のラクトン類の開環重合
を逐次的に行うことによって、目的に応じたポリエステ
ルのブロック共重合体を設計通りに合成できる。触媒と
して用いる有機金属化合物には、有機亜鉛化合物や有機
アルミニウム化合物があり、特に有機亜鉛化合物が好ま
しい。有機亜鉛化合物としては、ジアルキル亜鉛と水ま
たはアルコール類とを反応させたものが好適である。
【0011】ジアルキル亜鉛と水またはアルコール類と
を反応させる場合、ジアルキル亜鉛/水またはアルコー
ル類のモル比が0.5 〜10の範囲であるのが好ましく、
0.8〜1の範囲がさらに好ましい。モル比が0.5 以下で
は得られる反応生成物の触媒としての活性が著しく低下
し、モル比が10以上では触媒の均一性が低下し、制御
されたブロック共重合体を合成することが困難である。
アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール
や、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、エタ
ンジオール、プロパンジオール、ブタンジオールなどの
ジオール類が使用できる。ジアルキル亜鉛と水またはア
ルコール類との反応は溶媒を用いずに行うことができる
が、反応が激しく進行するため、溶媒を用いた方が容易
である。使用できる溶媒は、ジアルキル亜鉛および水ま
たはアルコール類を良く溶かす溶媒であり、かつこれら
に対して不活性な溶媒である。このような溶媒には、ジ
オキサンやジエチルエーテルなどのエーテル類、クロロ
ホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化合物、トルエ
ンなどの芳香族炭化水素がある。反応温度は0〜110
℃であり、溶媒を用いる場合は0℃〜溶媒の沸点の範囲
であり、好ましくは20〜50℃の範囲である。0℃以
下では反応速度が遅く、また110℃以上では好ましく
ない副反応を招く。反応時間は反応温度で異なるが、通
常0.1 〜100 時間であり、好ましくは1〜20時間であ
る。0.1 時間以下では反応が完結せず、100 時間以上で
は反応時間が長すぎて実用的でない。
を反応させる場合、ジアルキル亜鉛/水またはアルコー
ル類のモル比が0.5 〜10の範囲であるのが好ましく、
0.8〜1の範囲がさらに好ましい。モル比が0.5 以下で
は得られる反応生成物の触媒としての活性が著しく低下
し、モル比が10以上では触媒の均一性が低下し、制御
されたブロック共重合体を合成することが困難である。
アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール
や、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、エタ
ンジオール、プロパンジオール、ブタンジオールなどの
ジオール類が使用できる。ジアルキル亜鉛と水またはア
ルコール類との反応は溶媒を用いずに行うことができる
が、反応が激しく進行するため、溶媒を用いた方が容易
である。使用できる溶媒は、ジアルキル亜鉛および水ま
たはアルコール類を良く溶かす溶媒であり、かつこれら
に対して不活性な溶媒である。このような溶媒には、ジ
オキサンやジエチルエーテルなどのエーテル類、クロロ
ホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化合物、トルエ
ンなどの芳香族炭化水素がある。反応温度は0〜110
℃であり、溶媒を用いる場合は0℃〜溶媒の沸点の範囲
であり、好ましくは20〜50℃の範囲である。0℃以
下では反応速度が遅く、また110℃以上では好ましく
ない副反応を招く。反応時間は反応温度で異なるが、通
常0.1 〜100 時間であり、好ましくは1〜20時間であ
る。0.1 時間以下では反応が完結せず、100 時間以上で
は反応時間が長すぎて実用的でない。
【0012】本発明方法により、有機金属触媒を用い2
種類のラクトン類の開環重合を逐次的に行うには、ま
ず、所定量の触媒および溶媒を反応器に仕込み、次に第
1のラクトンを仕込み、加熱攪拌を行う(第1段階)。
次いで、初めに加えたラクトンとは異なる第2のラクト
ンを加え、再び加熱攪拌を行う(第2段階)。
種類のラクトン類の開環重合を逐次的に行うには、ま
ず、所定量の触媒および溶媒を反応器に仕込み、次に第
1のラクトンを仕込み、加熱攪拌を行う(第1段階)。
次いで、初めに加えたラクトンとは異なる第2のラクト
ンを加え、再び加熱攪拌を行う(第2段階)。
【0013】ラクトンとしては、β−ブチロラクトン、
ε−カプロラクトン、プロピオラクトン、δ−バレロラ
クトン、グリコリッド、ラクタイドなどの脂肪族のラク
トンが例示され、2元ブロック共重合体を合成する場合
は、これらから2種類選択する。合成されたブロック共
重合体を、PHBとPCLとの混合組成物の相容化剤と
して使用する場合は、β−ブチロラクトンとε−カプロ
ラクトンの2種類の組み合わせが特に好ましい。
ε−カプロラクトン、プロピオラクトン、δ−バレロラ
クトン、グリコリッド、ラクタイドなどの脂肪族のラク
トンが例示され、2元ブロック共重合体を合成する場合
は、これらから2種類選択する。合成されたブロック共
重合体を、PHBとPCLとの混合組成物の相容化剤と
して使用する場合は、β−ブチロラクトンとε−カプロ
ラクトンの2種類の組み合わせが特に好ましい。
【0014】触媒とラクトンの仕込み比は、合成しよう
とするブロック共重合体の各部の分子量によって異なる
が、各ラクトン/触媒中の金属のモル比で10〜20
0、好ましくは20〜100である。10以下では得ら
れるブロック共重合体の分子量が小さく、相容化剤とし
て用いる場合十分に機能しない。また、200以上では
反応速度が遅く、実用的でない。
とするブロック共重合体の各部の分子量によって異なる
が、各ラクトン/触媒中の金属のモル比で10〜20
0、好ましくは20〜100である。10以下では得ら
れるブロック共重合体の分子量が小さく、相容化剤とし
て用いる場合十分に機能しない。また、200以上では
反応速度が遅く、実用的でない。
【0015】2種のラクトンを用いる場合の仕込み比
は、目的のブロック共重合体の組成物により異なるが、
β−ブチロラクトンとε−カプロラクトンとからPHB
とPCLの相容化剤として適したA−B型のブロック共
重合体を合成する場合は、モル比で1/10〜10/1
であり、好ましくは1/5〜5/1である。本発明方法
においては、触媒量と原料ラクトンの量を調整してブロ
ック共重合体の分子量や組成を変化させることができ
る。
は、目的のブロック共重合体の組成物により異なるが、
β−ブチロラクトンとε−カプロラクトンとからPHB
とPCLの相容化剤として適したA−B型のブロック共
重合体を合成する場合は、モル比で1/10〜10/1
であり、好ましくは1/5〜5/1である。本発明方法
においては、触媒量と原料ラクトンの量を調整してブロ
ック共重合体の分子量や組成を変化させることができ
る。
【0016】開環重合で用いる溶媒は、触媒やラクトン
に対して不活性であり、生成するポリエステルブロック
共重合体を良く溶かす溶媒が望ましい。このような溶媒
には、ジオキサンやジエチルエーテルなどのエーテル
類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2 −ジクロロエ
タンなどのハロゲン化合物、トルエンなどの芳香族炭化
水素があり、特に好ましいのは、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタンやトルエンである。溶媒の量は2種類
のラクトンの合計1部に対して0.5 〜100部であり、
好ましくは1〜20部である。0.5 部以下では反応の進
行とともに反応液の粘度が上昇し攪拌が困難になる。ま
た、100部以上では溶媒使用量の増加や反応器の増大
を招き経済的でない。
に対して不活性であり、生成するポリエステルブロック
共重合体を良く溶かす溶媒が望ましい。このような溶媒
には、ジオキサンやジエチルエーテルなどのエーテル
類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2 −ジクロロエ
タンなどのハロゲン化合物、トルエンなどの芳香族炭化
水素があり、特に好ましいのは、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタンやトルエンである。溶媒の量は2種類
のラクトンの合計1部に対して0.5 〜100部であり、
好ましくは1〜20部である。0.5 部以下では反応の進
行とともに反応液の粘度が上昇し攪拌が困難になる。ま
た、100部以上では溶媒使用量の増加や反応器の増大
を招き経済的でない。
【0017】加熱攪拌の温度は20〜100℃であり、
好ましくは40〜80℃の範囲である。20℃以下では
反応速度が遅く実用的でない。また、100℃以上では
好ましくない副反応や分解反応を併発する。加熱攪拌の
時間は、反応温度やラクトンの種類によって異なるが、
第1段階および第2段階の加熱攪拌の反応時間はそれぞ
れ2〜200時間であり、好ましくはそれぞれ5〜50
時間である。2時間以下では、未反応のラクトンが残り
好ましくなく、200時間以上では反応時間が長すぎて
経済的でない。
好ましくは40〜80℃の範囲である。20℃以下では
反応速度が遅く実用的でない。また、100℃以上では
好ましくない副反応や分解反応を併発する。加熱攪拌の
時間は、反応温度やラクトンの種類によって異なるが、
第1段階および第2段階の加熱攪拌の反応時間はそれぞ
れ2〜200時間であり、好ましくはそれぞれ5〜50
時間である。2時間以下では、未反応のラクトンが残り
好ましくなく、200時間以上では反応時間が長すぎて
経済的でない。
【0018】本発明方法によるブロック共重合体の合成
は、後述の実施例に示す通り、第一段階の開環重合によ
り生成したポリマーの分子量分布が狭く、また数平均分
子量がモノマー/触媒量の比に比例していることから、
リビング重合機構で進行すると考えられる。従って、反
応の制御を容易に行え、目的通りのブロック共重合体を
合成することができる。
は、後述の実施例に示す通り、第一段階の開環重合によ
り生成したポリマーの分子量分布が狭く、また数平均分
子量がモノマー/触媒量の比に比例していることから、
リビング重合機構で進行すると考えられる。従って、反
応の制御を容易に行え、目的通りのブロック共重合体を
合成することができる。
【0019】上述した本発明方法によれば脂肪族ポリエ
ステルの多元ブロック共重合体を製造できる。2種類の
ラクトンを使用した場合、前記式(I)および(II)で
表される部分を含有するAB型もしくはABA型、ある
いはABAB・・・型のブロック共重合体が得られる。
式(I)および(II)においてR1とR2は互いに異なる脂
肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基にはメチレ
ン、エチレン、トリメチレン〔−(CH2 )3 −〕、プ
ロピレン〔−CH(CH3 )CH2 −〕、テトラメチレ
ン〔−(CH2 )4 −〕、ペンタメチレン〔−(C
H2 )5 −〕等が例示できる。式(I)のmおよび式
(II)のnは2以上の整数であり、通常10〜103 で
ある。ブロック共重合体をPHBとPCLの相容化剤と
して用いる場合、nおよびmは100〜1000程度で
あるのが相容性の点で好ましい。
ステルの多元ブロック共重合体を製造できる。2種類の
ラクトンを使用した場合、前記式(I)および(II)で
表される部分を含有するAB型もしくはABA型、ある
いはABAB・・・型のブロック共重合体が得られる。
式(I)および(II)においてR1とR2は互いに異なる脂
肪族炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基にはメチレ
ン、エチレン、トリメチレン〔−(CH2 )3 −〕、プ
ロピレン〔−CH(CH3 )CH2 −〕、テトラメチレ
ン〔−(CH2 )4 −〕、ペンタメチレン〔−(C
H2 )5 −〕等が例示できる。式(I)のmおよび式
(II)のnは2以上の整数であり、通常10〜103 で
ある。ブロック共重合体をPHBとPCLの相容化剤と
して用いる場合、nおよびmは100〜1000程度で
あるのが相容性の点で好ましい。
【0020】本発明ブロック共重合体は、それ自体が微
生物分解性である。また、物性については適度の堅さと
柔軟性を有し、融点は40〜100℃の範囲であるの
で、成型材料として実用可能な範囲である。従って単独
で微生物分解性ポリマーとして使用することができる。
生物分解性である。また、物性については適度の堅さと
柔軟性を有し、融点は40〜100℃の範囲であるの
で、成型材料として実用可能な範囲である。従って単独
で微生物分解性ポリマーとして使用することができる。
【0021】さらに、本発明ブロック共重合体はPHB
とPCLとの混合の際の相容化剤として好適に用いるこ
とができる。その場合は、β−ブチロラクトンとε−カ
プロラクトンから合成された、R1がプロピレン基でR2が
ペンタメチレン基であるブロック共重合体〔以下、P
(HB−b−CL)と略称する〕を使用するのが好まし
い。
とPCLとの混合の際の相容化剤として好適に用いるこ
とができる。その場合は、β−ブチロラクトンとε−カ
プロラクトンから合成された、R1がプロピレン基でR2が
ペンタメチレン基であるブロック共重合体〔以下、P
(HB−b−CL)と略称する〕を使用するのが好まし
い。
【0022】以下に、PHB、PCLおよびP(HB−
b−CL)からなる微生物分解性重合体組成物について
説明する。この組成物の各成分の配合割合はPHB10
0部に対しPCLが5〜90部、好ましくは10〜80
部である。5部以下ではPHBの堅くて脆いという物性
を改善するのに十分でない。また、90部以上では、P
CLの低い融点のために使用範囲が限定され好ましくな
い。P(HB−b−CL)の割合は、PHBとPCLと
の合計100部に対し2部以上、好ましくは5部以上で
ある。2部以下では相容化剤としての効果が十分に得ら
れない。上限は特に限定されないが、50部以上では相
容化剤としての効果はこれ以上向上せず、経済的でな
い。
b−CL)からなる微生物分解性重合体組成物について
説明する。この組成物の各成分の配合割合はPHB10
0部に対しPCLが5〜90部、好ましくは10〜80
部である。5部以下ではPHBの堅くて脆いという物性
を改善するのに十分でない。また、90部以上では、P
CLの低い融点のために使用範囲が限定され好ましくな
い。P(HB−b−CL)の割合は、PHBとPCLと
の合計100部に対し2部以上、好ましくは5部以上で
ある。2部以下では相容化剤としての効果が十分に得ら
れない。上限は特に限定されないが、50部以上では相
容化剤としての効果はこれ以上向上せず、経済的でな
い。
【0023】本発明で使用するPHBは、微生物によっ
て産生された分子量10万〜100万程度のものが好ま
しい。また、PCLはε−カプロラクトンの開環重合に
より得られた、分子量1万〜20万程度のものを使用で
きる。本発明の重合体組成物は、重合体成分がすべて微
生物分解性である。加えて、従来の微生物分解性重合体
であるPHBやPCLが有するような物性上の問題がな
く、機械的性質に優れた成型品を得ることができる。
て産生された分子量10万〜100万程度のものが好ま
しい。また、PCLはε−カプロラクトンの開環重合に
より得られた、分子量1万〜20万程度のものを使用で
きる。本発明の重合体組成物は、重合体成分がすべて微
生物分解性である。加えて、従来の微生物分解性重合体
であるPHBやPCLが有するような物性上の問題がな
く、機械的性質に優れた成型品を得ることができる。
【0024】本発明のブロック共重合体および組成物
は、従来公知の方法によって各種の形状に成型できる。
成型方法としては、押出成型、射出成型等が用いられ、
また、各重合体を良く溶かすクロロホルム、ジクロロメ
タン等の溶媒を用いたキャスティングによってもよい。
成型品の形状はペレット状、フィルム状、シート状、板
状等の各種の形状が可能である。本発明のブロック共重
合体および組成物には、さらに慣用の添加剤、例えば着
色剤、充填剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
は、従来公知の方法によって各種の形状に成型できる。
成型方法としては、押出成型、射出成型等が用いられ、
また、各重合体を良く溶かすクロロホルム、ジクロロメ
タン等の溶媒を用いたキャスティングによってもよい。
成型品の形状はペレット状、フィルム状、シート状、板
状等の各種の形状が可能である。本発明のブロック共重
合体および組成物には、さらに慣用の添加剤、例えば着
色剤、充填剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
【0025】
【0026】
【実施例1】(1) ジエチル亜鉛/水触媒の調製 窒素で置換した50mlのシュレンク型フラスコに、窒素
気流下で十分に精製脱水した1,4-ジオキサン15mlとジエ
チル亜鉛3.5 gとを順次導入する。続いて、上記混合物
を攪拌しながら溶存酸素を除いた水0.31mlを窒素気流下
で15分かけて導入する。室温で2時間攪拌し、1,4-ジオ
キサンを凍結乾燥で除き、さらに高真空下で十分に乾燥
させることによって、黄色の固体 3.5gを得た。この固
体中のZn量を原子吸光分析で測定したところ9.8 ×10-3
mol/g であった。
気流下で十分に精製脱水した1,4-ジオキサン15mlとジエ
チル亜鉛3.5 gとを順次導入する。続いて、上記混合物
を攪拌しながら溶存酸素を除いた水0.31mlを窒素気流下
で15分かけて導入する。室温で2時間攪拌し、1,4-ジオ
キサンを凍結乾燥で除き、さらに高真空下で十分に乾燥
させることによって、黄色の固体 3.5gを得た。この固
体中のZn量を原子吸光分析で測定したところ9.8 ×10-3
mol/g であった。
【0027】(2) β−ブチロラクトンの開環重合 窒素気流下で、(1) の黄色固体約70mgを耐圧反応器に
正確に計り取り、十分に脱水精製したジクロロメタン50
mlを加え、さらに、触媒中の亜鉛のモル数に対して25〜
100 倍のモル数のβ−ブチロラクトンを加え、反応温度
60℃で攪拌しながら5日間反応を行った。反応後、反
応液を大量のジエチルエーテルに注ぎ、沈殿物を回収し
減圧下で乾燥し、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)
(PHB)を回収した。ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)で分子量の測定を行った。さらに、
β−ブチロラクトン/触媒中のZnの比と、PHBの数平
均分子量(Mn)の相関を調べた結果を図1に示す。図
1から明らかなように、β−ブチロラクトン/Znの比の
増加とともにPHBのMnが直線的に増加しており、ま
た、生成したポリマーの分子量分布が狭いことから、本
発明の重合反応はリビング重合的に進行していることが
確認できた。
正確に計り取り、十分に脱水精製したジクロロメタン50
mlを加え、さらに、触媒中の亜鉛のモル数に対して25〜
100 倍のモル数のβ−ブチロラクトンを加え、反応温度
60℃で攪拌しながら5日間反応を行った。反応後、反
応液を大量のジエチルエーテルに注ぎ、沈殿物を回収し
減圧下で乾燥し、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)
(PHB)を回収した。ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)で分子量の測定を行った。さらに、
β−ブチロラクトン/触媒中のZnの比と、PHBの数平
均分子量(Mn)の相関を調べた結果を図1に示す。図
1から明らかなように、β−ブチロラクトン/Znの比の
増加とともにPHBのMnが直線的に増加しており、ま
た、生成したポリマーの分子量分布が狭いことから、本
発明の重合反応はリビング重合的に進行していることが
確認できた。
【0028】(3) P(HB−b−CL)ブロック共重合
体の合成 窒素気流下で、(1) の黄色固体70mgを耐圧反応器に正
確に計り取り、十分に脱水精製したジクロロメタン50
mlを加え、さらに表1に示す量のβ−ブチロラクトンを
加え、反応温度60℃で攪拌しながら5日間反応を行っ
た、次に、室温に冷却後、反応器に表1に示す量のε−
カプロラクトンを加え、60℃でさらに加熱攪拌を行っ
た。
体の合成 窒素気流下で、(1) の黄色固体70mgを耐圧反応器に正
確に計り取り、十分に脱水精製したジクロロメタン50
mlを加え、さらに表1に示す量のβ−ブチロラクトンを
加え、反応温度60℃で攪拌しながら5日間反応を行っ
た、次に、室温に冷却後、反応器に表1に示す量のε−
カプロラクトンを加え、60℃でさらに加熱攪拌を行っ
た。
【0029】反応終了後、反応液を反応液の10倍量の
メタノールに注ぎ、沈殿物を得た。この沈殿物をメタノ
ールで十分に洗浄し、減圧下で乾燥した。沈殿物の分析
はGPCおよび 1H−MNRで行った。 1H−MNRお
よびGPCの一例をそれぞれ図2および3に示す。 1H
−MNR分析から、得られたポリマーがポリ(3−ヒド
ロキシブチレート)とポリカプロラクトンとを構成成分
とすることが確認された。また、図3に示したように、
β−ブチロラクトンの開環重合体の後にε−カプロラク
トンを添加して重合を行うことによってポリマーの分子
量が増大した。従って、これらの分析結果から、得られ
たポリマーはポリ(3−ヒドロキシブチレート)とポリ
カプロラクトンとのブロック共重合体であることが確認
された。ブロック共重合体の分子量は、クロロホルムを
用いたGPCにより測定し、ポリエチレングリコール換
算で表示した。それらの分析値を合成条件(触媒、原料
の仕込み量)と共に表1に示す。また、第2段階でε−
カプロラクトンの代わりにβ−プロピオラクトンを用い
て重合を行い、分析した結果を合成条件と共に表2に示
す。
メタノールに注ぎ、沈殿物を得た。この沈殿物をメタノ
ールで十分に洗浄し、減圧下で乾燥した。沈殿物の分析
はGPCおよび 1H−MNRで行った。 1H−MNRお
よびGPCの一例をそれぞれ図2および3に示す。 1H
−MNR分析から、得られたポリマーがポリ(3−ヒド
ロキシブチレート)とポリカプロラクトンとを構成成分
とすることが確認された。また、図3に示したように、
β−ブチロラクトンの開環重合体の後にε−カプロラク
トンを添加して重合を行うことによってポリマーの分子
量が増大した。従って、これらの分析結果から、得られ
たポリマーはポリ(3−ヒドロキシブチレート)とポリ
カプロラクトンとのブロック共重合体であることが確認
された。ブロック共重合体の分子量は、クロロホルムを
用いたGPCにより測定し、ポリエチレングリコール換
算で表示した。それらの分析値を合成条件(触媒、原料
の仕込み量)と共に表1に示す。また、第2段階でε−
カプロラクトンの代わりにβ−プロピオラクトンを用い
て重合を行い、分析した結果を合成条件と共に表2に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】このように、触媒量と原料であるラクトン
の量を調整することによって、様々な分子量や組成比を
もつブロック共重合体が設計通り合成できる。 (4) 本発明ブロック共重合体および混合組成物の機械的
特性 P(HB−b−CL)として表1の試験No. 1および2
のブロック共重合体を用い、表1に示す重量組成比でP
HB、PCL、P(HB−b−CL)をクロロホルムに
溶かし、濃度20mg/mlのクロロホルム溶液を調製した。
このクロロホルム溶液からソルベント−キャスト法によ
りフィルムを作製した。得られたフィルムの機械的特性
を引張試験機を用いて測定した。その結果を表3に示
す。
の量を調整することによって、様々な分子量や組成比を
もつブロック共重合体が設計通り合成できる。 (4) 本発明ブロック共重合体および混合組成物の機械的
特性 P(HB−b−CL)として表1の試験No. 1および2
のブロック共重合体を用い、表1に示す重量組成比でP
HB、PCL、P(HB−b−CL)をクロロホルムに
溶かし、濃度20mg/mlのクロロホルム溶液を調製した。
このクロロホルム溶液からソルベント−キャスト法によ
りフィルムを作製した。得られたフィルムの機械的特性
を引張試験機を用いて測定した。その結果を表3に示
す。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように、PHBとPCL
との混合物に本発明ブロック共重合体を加えることによ
って、引張強度や伸び率が向上し、機械的物性が改善さ
れる。 (5) ブロック共重合体および組成物の微生物分解性 ソルベント−キャスト法で作製した各種のブロック共重
合体およびPHB/PCL/P(HB−b−CL)混合
組成物の微生物分解性を以下に示す方法で評価した。
との混合物に本発明ブロック共重合体を加えることによ
って、引張強度や伸び率が向上し、機械的物性が改善さ
れる。 (5) ブロック共重合体および組成物の微生物分解性 ソルベント−キャスト法で作製した各種のブロック共重
合体およびPHB/PCL/P(HB−b−CL)混合
組成物の微生物分解性を以下に示す方法で評価した。
【0035】茨城県鹿島郡波崎町で採取した土壌0.2 g
を滅菌した水5mlで抽出し、その抽出液0.2 mlを以下に
示す培養液5mlに加え、微生物分解性試験液とした。 培養液(重量組成) NH4 NO3 0.1 FeSO4 0.001 KH2 PO4 0.1 MnSO4 0.001 NaHPO4 0.1 ZnSO4 0.001 MgSO4 ・7H2O 0.02 CaCl2 ・2H2O 0.001 酵母エキス 0.01 (pH 7.0) 上記試験液に各種ブロック共重合体およびPHB/PC
L/P(HB−b−CL)混合組成物から作製したフィ
ルム (1cm×1cm)を浸漬し、30℃で48時間振盪した。
振盪後、培養液よりフィルムを取り出し十分に乾燥して
から重量を測定した。その結果を表4に示す。なお、微
生物を含まない条件下での重量減少はいずれの場合も0
である。
を滅菌した水5mlで抽出し、その抽出液0.2 mlを以下に
示す培養液5mlに加え、微生物分解性試験液とした。 培養液(重量組成) NH4 NO3 0.1 FeSO4 0.001 KH2 PO4 0.1 MnSO4 0.001 NaHPO4 0.1 ZnSO4 0.001 MgSO4 ・7H2O 0.02 CaCl2 ・2H2O 0.001 酵母エキス 0.01 (pH 7.0) 上記試験液に各種ブロック共重合体およびPHB/PC
L/P(HB−b−CL)混合組成物から作製したフィ
ルム (1cm×1cm)を浸漬し、30℃で48時間振盪した。
振盪後、培養液よりフィルムを取り出し十分に乾燥して
から重量を測定した。その結果を表4に示す。なお、微
生物を含まない条件下での重量減少はいずれの場合も0
である。
【0036】
【表4】
【0037】表4から判るように、本発明のブロック共
重合体および組成物は優れた微生物分解性を有する。
重合体および組成物は優れた微生物分解性を有する。
【0038】
【発明の効果】以上に詳説したように、本発明によれ
ば、反応を容易に制御して分子設計通りのポリエステル
ブロック共重合体を合成しうる製造方法を提供できる。
この製造方法により、新規な微生物分解性ブロック共重
合体を提供できる。このブロック共重合体はそのままで
微生物分解性ポリマーとして使用してもよいが、PHB
とPCLとの混合組成物の相容化剤として使用するのに
好適である。該ブロック共重合体はPHBとPCLとの
相容性を改善し、微生物分解性を損なうことなく機械的
特性を改善できる。従って、本発明のブロック共重合体
および組成物は、優れた物性と微生物分解性を有し、こ
れを廃棄した場合、微生物により完全に分解されるた
め、包装材料、医用材料、農業用材料、林業用材料、漁
業材料等の用途に有用である。
ば、反応を容易に制御して分子設計通りのポリエステル
ブロック共重合体を合成しうる製造方法を提供できる。
この製造方法により、新規な微生物分解性ブロック共重
合体を提供できる。このブロック共重合体はそのままで
微生物分解性ポリマーとして使用してもよいが、PHB
とPCLとの混合組成物の相容化剤として使用するのに
好適である。該ブロック共重合体はPHBとPCLとの
相容性を改善し、微生物分解性を損なうことなく機械的
特性を改善できる。従って、本発明のブロック共重合体
および組成物は、優れた物性と微生物分解性を有し、こ
れを廃棄した場合、微生物により完全に分解されるた
め、包装材料、医用材料、農業用材料、林業用材料、漁
業材料等の用途に有用である。
【図1】β−ブチロラクトンの開環重合によって得られ
たポリ(3−ヒドロキシブチレート)の数平均分子量と
β−ブチロラクトン/触媒中のZnの比との関係を示す図
である。
たポリ(3−ヒドロキシブチレート)の数平均分子量と
β−ブチロラクトン/触媒中のZnの比との関係を示す図
である。
【図2】本発明のブロック共重合体の 1H NMRチャ
ートの一例を示す図である。
ートの一例を示す図である。
【図3】β−ブチロラクトンの開環重合後と、ε−カプ
ロラクトンを添加した重合した後のGPC曲線を示す図
である。
ロラクトンを添加した重合した後のGPC曲線を示す図
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 微生物分解性であり、以下の式(I)お
よび式(II)で表される部分を含有するポリエステルブ
ロック共重合体。 【化1】 (上記式中、R1およびR2は互いに異なる2価の脂肪族炭
化水素基であり、mおよびnは2以上の整数である) - 【請求項2】 有機金属化合物を触媒として用いて、2
種以上のラクトンを逐次開環重合して、ポリエステルの
ブロック共重合体を製造することを特徴とする、ポリエ
ステルブロック共重合体の製造方法。 - 【請求項3】 ポリ〔(R)−3−ヒドロキシブチレー
ト〕とポリカプロラクトンからなる混合物に、相容化剤
として請求項1記載のブロック共重合体を含有させた微
生物分解性重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12379492A JPH05320323A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 生分解性重合体、その製造方法および生分解性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12379492A JPH05320323A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 生分解性重合体、その製造方法および生分解性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05320323A true JPH05320323A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=14869473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12379492A Withdrawn JPH05320323A (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 生分解性重合体、その製造方法および生分解性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05320323A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4418634A1 (de) * | 1993-09-14 | 1995-03-16 | Fujitsu Ltd | Aus bioabbaubarem Harz geformter Artikel |
EP0686656A2 (en) | 1994-06-08 | 1995-12-13 | Takasago International Corporation | Optically active biodegradable block copolyester and its preparation |
US5618911A (en) * | 1993-08-19 | 1997-04-08 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Polymer containing lactic acid as its constituting unit and method for producing the same |
WO1997035922A1 (fr) * | 1996-03-26 | 1997-10-02 | Gunze Limited | Base de carte biodegradable |
EP0826803A3 (en) * | 1996-08-27 | 1999-07-14 | Takasago International Corporation | Biodegradable polyester fiber |
US5990271A (en) * | 1994-01-28 | 1999-11-23 | The Procter & Gamble Company | Films and absorbent articles comprising a biodegradable polyhydroxyalkanoate comprising 3-hydroxybutyrate and 3-hydroxyhexanoate comonomer units |
US6077931A (en) * | 1998-12-21 | 2000-06-20 | The Procter & Gamble Company | Biodegradable PHA copolymers |
US6143947A (en) * | 1996-01-29 | 2000-11-07 | The Procter & Gamble Company | Fibers, nonwoven fabrics and absorbent articles comprising a biodegradable polyhydroxyalkanoate comprising 3-hydroxybutyrate and 3-hydroxyhexanoate |
US6160199A (en) * | 1998-12-21 | 2000-12-12 | The Procter & Gamble Company | Absorbent articles comprising biodegradable PHA copolymers |
US6174990B1 (en) | 1998-12-21 | 2001-01-16 | The Procter & Gamble Company | Films comprising biodegradable PHA copolymers |
KR101583056B1 (ko) | 2014-12-04 | 2016-01-07 | 한국원자력연구원 | 원자로 계통의 압력용기 내에 잔류하는 방사성 기체 포집장치 |
-
1992
- 1992-05-15 JP JP12379492A patent/JPH05320323A/ja not_active Withdrawn
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5618911A (en) * | 1993-08-19 | 1997-04-08 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Polymer containing lactic acid as its constituting unit and method for producing the same |
US5714618A (en) * | 1993-08-19 | 1998-02-03 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Polymer containing lactic acid as its constituting unit and method for producing the same |
DE4418634A1 (de) * | 1993-09-14 | 1995-03-16 | Fujitsu Ltd | Aus bioabbaubarem Harz geformter Artikel |
DE4418634C2 (de) * | 1993-09-14 | 2001-08-30 | Fujitsu Ltd | Aus bioabbaubarem Harz geformter Artikel, Modifikationsverfahren eines Harzes, Harzzusammensetzung und geformter Harzartikel |
US5990271A (en) * | 1994-01-28 | 1999-11-23 | The Procter & Gamble Company | Films and absorbent articles comprising a biodegradable polyhydroxyalkanoate comprising 3-hydroxybutyrate and 3-hydroxyhexanoate comonomer units |
US6013590A (en) * | 1994-01-28 | 2000-01-11 | The Procter & Gamble Company | Fibers, nonwoven fabrics, and absorbent articles comprising a biodegradable polyhydroxyalkanoate comprising 3-hydroxybutyrate and 3-hydroxyhexanoate |
US6027787A (en) * | 1994-01-28 | 2000-02-22 | The Procter & Gamble Company | Films and absorbent articles comprising a biodegradable polyhydroxyalkanoate comprising 3-hydroxybutyrate and 3-hydroxyhexanoate comonomer units |
EP0686656A2 (en) | 1994-06-08 | 1995-12-13 | Takasago International Corporation | Optically active biodegradable block copolyester and its preparation |
EP0686656A3 (en) * | 1994-06-08 | 1996-10-23 | Takasago Perfumery Co Ltd | Optically active, biodegradable block copolyester and its representation |
US6143947A (en) * | 1996-01-29 | 2000-11-07 | The Procter & Gamble Company | Fibers, nonwoven fabrics and absorbent articles comprising a biodegradable polyhydroxyalkanoate comprising 3-hydroxybutyrate and 3-hydroxyhexanoate |
WO1997035922A1 (fr) * | 1996-03-26 | 1997-10-02 | Gunze Limited | Base de carte biodegradable |
US6350530B1 (en) | 1996-03-26 | 2002-02-26 | Gunze Limited | Biodegradable card base |
EP0826803A3 (en) * | 1996-08-27 | 1999-07-14 | Takasago International Corporation | Biodegradable polyester fiber |
US6077931A (en) * | 1998-12-21 | 2000-06-20 | The Procter & Gamble Company | Biodegradable PHA copolymers |
US6160199A (en) * | 1998-12-21 | 2000-12-12 | The Procter & Gamble Company | Absorbent articles comprising biodegradable PHA copolymers |
US6174990B1 (en) | 1998-12-21 | 2001-01-16 | The Procter & Gamble Company | Films comprising biodegradable PHA copolymers |
US6569990B1 (en) | 1998-12-21 | 2003-05-27 | The Procter & Gamble Company | Plastic articles comprising biodegradable PHA copolymers |
KR101583056B1 (ko) | 2014-12-04 | 2016-01-07 | 한국원자력연구원 | 원자로 계통의 압력용기 내에 잔류하는 방사성 기체 포집장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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