[可塑剤(生分解性可塑剤)]
本発明の可塑剤は、3-ヒドロキシアルカン酸の単独又は共重合オリゴマーを含み、生分解性(特に、嫌気分解性)を有している。そのため、本発明の可塑剤を、生分解性可塑剤という場合がある。3-ヒドロキシアルカン酸(又は3-ヒドロキシアルカンカルボン酸)としては、例えば、3-ヒドロキシプロパン酸、3-ヒドロキシブタン酸(3-ヒドロキシ酪酸)、3-ヒドロキシペンタン酸(3-ヒドロキシ吉草酸)、3-ヒドロキシ-3-メチル-ブタン酸(3-ヒドロキシイソ吉草酸)、3-ヒドロキシヘキサン酸、3-ヒドロキシへプタン酸、3-ヒドロキシオクタン酸、3-ヒドロキシノナン酸、3-ヒドロキシデカン酸などの3-ヒドロキシC4-12アルカン酸(3-ヒドロキシC3-11アルカン-カルボン酸)などが例示できる。
反応成分(原料)としての3-ヒドロキシアルカン酸は、対応するラクトン、例えば、β-ブチロラクトン、β-バレロラクトン、β-ピバロラクトンなどであってもよい。さらに、反応成分(原料)としての3-ヒドロキシアルカン酸は、反応性誘導体、例えば、酸ハライド(酸クロライドなど)、低級アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステルなどのC1-4アルキルエステル、特にC1-2アルキルエステル)であってもよい。
これらの3-ヒドロキシアルカン酸は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの3-ヒドロキシアルカン酸のうち、生分解性の点から、通常、少なくとも3-ヒドロキシC4-12アルカン酸(例えば、3-ヒドロキシC4-10アルカン酸、好ましくは3-ヒドロキシC4-8アルカン酸、さらに好ましくは3-ヒドロキシC4-6アルカン酸、特に3-ヒドロキシブタン酸)が使用される。3-ヒドロキシアルカン酸のヒドロキシル基は、一級ヒドロキシル基であってもよいが、通常、2級ヒドロキシル基である場合が多い。
生分解性可塑剤は、少なくとも3-ヒドロキシアルカン酸を単量体として重合したオリゴマー、すなわち、単独又は共重合オリゴマー(オリゴ(ヒドロキシアルカノエート))で形成できる。3-ヒドロキシアルカン酸としては、少なくとも3-ヒドロキシブタン酸(第1の3-ヒドロキシアルカン酸)を用いる場合が多く、3-ヒドロキシブタン酸(第1の3-ヒドロキシアルカン酸)を単独で用いてもよく、異なる3-ヒドロキシアルカン酸(第2の3-ヒドロキシアルカン酸)と併用してもよい。第1の3-ヒドロキシアルカン酸と第2の3-ヒドロキシアルカン酸との割合(モル比)は、前者/後者=50/50~100/0(例えば、60/40~99/1)、好ましくは70/30~100/0(例えば、75/25~97/3)、さらに好ましくは80/20~100/0(例えば、85/15~95/5)程度であってもよく、通常、85/15~100/0程度であってもよい。
3-ヒドロキシアルカン酸は、光学異性体(R体、S体)、ラセミ体のいずれであってもよく、R体であるのが好ましい。特に、3-ヒドロキシブタン酸はR体であるのが好ましく、3-ヒドロキシアルカン酸は少なくとも3-ヒドロキシブタン酸のR体を含むのが好ましい。
さらに、生分解性可塑剤は、第1のヒドロキシカルボン酸(第1の単量体)としての3-ヒドロキシアルカン酸と、第2のヒドロキシカルボン酸(第2の単量体)との共重合オリゴマーで形成してもよい。
第2のヒドロキシカルボン酸(第2の単量体)は、例えば、ヒドロキシシクロアルカンカルボン酸(ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸など)、ヒドロキシアレーンカルボン酸(ヒドロキシ安息香酸など)又はそれらのアルキルエステルであってもよいが、通常、ヒドロキシアルカン酸又はそのアルキルエステルである場合が多い。
ヒドロキシアルカン酸としては、例えば、グリコール酸、2-ヒドロキシプロパン酸(乳酸)、2-ヒドロキシブタン酸(2-ヒドロキシ酪酸)、4-ヒドロキシブタン酸、2-ヒドロキシペンタン酸(2-ヒドロキシ吉草酸)、4-ヒドロキシペンタン酸、5-ヒドロキシペンタン酸、2-ヒドロキシ-2-メチル-ペンタン酸、4-ヒドロキシヘキサン酸、6-ヒドロキシヘキサン酸、6-ヒドロキシヘプタン酸、7-ヒドロキシヘプタン酸、8-ヒドロキシオクタン酸、9-ヒドロキシノナン酸、10-ヒドロキシデカン酸などのC1-6アルキル基を有していてもよいヒドロキシC2-15アルカン酸(特に、ヒドロキシC2-12アルカン酸)などが例示できる。第2の単量体としては、ヒドロキシC2-6アルカン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸など)を用いる場合が多い。なお、第2の単量体としてのヒドロキシカルボン酸は、前記第1の単量体と同様に、アルキルエステルであってもよく、対応するラクトン、例えば、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-ジメチルブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどのジC1-12アルキル基を有していてもよいC3-15ラクトン;酸ハライドであってもよい。
第1のヒドロキシカルボン酸(第1の単量体)と第2のヒドロキシカルボン酸(第2の単量体)との割合は、前者/後者(モル比)=50/50~100/0(例えば、65/35~99/1)、好ましくは70/30~100/0(例えば、75/25~95/5)、さらに好ましくは80/20~100/0(例えば、90/10~95/5)程度であってもよく、通常、85/15~100/0(例えば、80/20~90/10)程度であってもよい。
このようなオリゴマー(単独又は共重合オリゴマー)は、遊離のカルボキシル基(末端カルボキシル基)を有していてもよく、遊離のカルボキシル基(末端カルボキシル基)はアルキルエステル化により修飾されてアルコキシカルボニル基を形成していてもよい。このようなアルコキシカルボニル基は、例えば、アルコールによるアルキルエステルに対応して、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、s-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-12アルコキシカルボニル基などであってもよい。アルコキシカルボニル基は、直鎖状又は分岐鎖状C1-10アルコキシカルボニル基、好ましくはC1-6アルコキシカルボニル基、さらに好ましくはC1-4アルコキシカルボニル基であってもよい。遊離のカルボキシル基(末端カルボキシル基)をアルキルエステル化すると、熱安定性を高めることができるともに、樹脂との相溶性を向上でき、高い可塑化効果が得られるようである。さらに、オリゴマーであるため、樹脂組成物の溶融流動性を向上でき、成形性を向上でき、遊離のカルボキシル基をアルキルエステル化すると、高い熱安定性で、さらに溶融流動性及び成形性を向上できるようである。
なお、オリゴマーの遊離のカルボキシル基の全てがエステル化される必要はなく、カルボキシル基及びアルコキシカルボニル基全体に対して、アルコキシカルボニル基の割合は、例えば、10~100モル%(例えば、30~99モル%)、好ましくは50~100モル%(例えば、60~97モル%)、さらに好ましくは75~100モル%(例えば、80~95モル%)程度であってもよい。
なお、オリゴマー(単独又は共重合オリゴマー)に残存する遊離ヒドロキシル基は、必要により、慣用の末端封止剤で封止又は保護してもよい。例えば、遊離ヒドロキシル基は、カルボン酸又は酸ハライドで封止してもよく、トリアルキルシリル基などで封止してもよい。
このような可塑剤は、分子量の低いオリゴマーの形態であるため、樹脂に対する可塑化効果が大きいとともに、樹脂の溶融流動性を有効に改善できる。また、少なくとも3-ヒドロキシアルカン酸を単量体とし、かつ主たる骨格が脂肪族骨格であるため、生分解性が高いだけでなく、所定の樹脂に対して高い生分解性を付与することもできる。
なお、単量体としての前記3-ヒドロキシアルカン酸とその低級アルキルエステルは熱安定性が低く、樹脂との溶融混練に適していないものの、重合体とする(又はオリゴマー化する)ことにより可塑剤の熱安定性を向上できる。生分解性可塑剤の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定したとき、ポリスチレン換算で、数平均分子量Mn7000~10000程度と比較的高くてもよいが、通常、数平均分子量Mnが180~3000程度の低分子量、例えば、180~2500(例えば、250~2000)、好ましくは300~1500(例えば、400~1200)、さらに好ましくは500~1000(例えば、600~1000)、通常、500~1500(例えば、700~1000)程度であってもよい。重量平均分子量Mwは、例えば、200~10000程度の範囲から選択でき、300~9000(例えば、500~8000)、好ましくは600~7500(例えば、700~5000)、さらに好ましくは800~3000(例えば、900~2000)程度であってもよい。さらに、分子量分布(分散度)Mw/Mnは、例えば、1~5(例えば、1~3.5)、好ましくは1.1~3(例えば、1.2~2.5)、さらに好ましくは1.2~2(例えば、1.3~1.7)程度であってもよい。
また、前記オリゴマー(単独又は共重合オリゴマー)は、重合度(平均重合度)に対応して、例えば、前記単量体(例えば、3-ヒドロキシブタン酸)の2~50量体(例えば、2~40量体)、好ましくは2~30量体(例えば、3~20量体)、さらに好ましくは3~15量体(例えば、4~12量体)であってもよく、3~10量体(例えば、4~7量体)程度のオリゴマーであってもよい。なお、生分解性可塑剤の分子量を調整することにより、樹脂に対する可塑性及び熱安定性をコントロールできるようである。
なお、カルボキシル基に隣接する2位がメチレン基であり、かつヒドロキシル基が二級ヒドロキシル基である3-ヒドロキシアルカン酸(3-ヒドロキシ酪酸(3HB)など)は自然界では微生物により高分子量の重合体が生成するものの、人為的にエステル化して重合すると、エステル化反応に伴って脱水反応が生じ、クロトン酸などの単官能の不飽和モノカルボン酸が生成し易い。そのため、このような3-ヒドロキシアルカン酸を用いると、通常、高分子量の重合体を生成することが困難であり、低分子量のポリエステル(例えば、オリゴマー領域のオリゴ(3-ヒドロキシアルカノエート)又はそのアルキルエステル)しか生成できない。本発明では低分子量のポリ(3-ヒドロキシアルカン酸)を所定の樹脂に添加することにより、高い可塑性、溶融流動性を付与できる。
なお、前記単量体(第2の単量体を含む)及びオリゴマーは、光学異性体(R体又はS体、特にR体)であってもよく、ラセミ体であってもよい。
好ましいオリゴマーは、少なくとも3-ヒドロキシ酪酸(3HB)を用いた重合体、例えば、(a)3-ヒドロキシ酪酸(3HB)の単独重合体、(b)3-ヒドロキシ酪酸(3HB)と前記第2の3-ヒドロキシアルカン酸との共重合体、(c)前記3-ヒドロキシアルカン酸と前記第2の単量体との共重合体が含まれ、前記共重合体(c)において、前記3-ヒドロキシアルカン酸は、3-ヒドロキシ酪酸(3HB)と前記第2の3-ヒドロキシアルカン酸とを含んでいてもよい。前記単独又は共重合体(a)(b)は、例えば、下記式(1)で表すことができ、共重合体(c)は、例えば、下記式(2)で表すことができる。
なお、下記式(1)及び(2)で表されるオリゴマーが共重合体であるとき、前記オリゴマーは、ブロック共重合体であってもよいが、ランダム共重合体である場合が多い。すなわち、式(1)及び(2)において、係数m1,m2,m及びnは、単に各単量体の量的割合を示すものであり、単量体の多量体(単独重合体)で形成されたブロック単位を示すものではない。
(式中、R1は水素原子又はアルキル基、R3はアルキル基を示し、m1は1以上の整数、m2は0以上の整数であり、m1+m2は2~50の整数を示す)
(式中、R2は水素原子又はアルキル基、pは0、又は2~10の整数を示し、mは1以上の整数、nは1以上の整数であり、(m1+m2)+nは2~50の整数を示し、R1、R3、m1及びm2は式(1)に同じ)
R1で表されるアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C2-12アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-8アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C2-6アルキル基(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C2-4アルキル基)などが例示できる。基R1は、水素原子又は直鎖状C2-6アルキル基(好ましくはC2-4アルキル基)である場合が多い。
R3で表されるアルキル基は、遊離カルボキシル基のアルキルエステル化により生成したアルコキシカルボニル基に対応しており、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-10アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1-6アルキル基であってもよい。
前記式(1)及び(2)において、m1とm2との比率は、3-ヒドロキシブタン酸と第2の3-ヒドロキシアルカン酸との割合に対応しており、m1/m2=0.5/0.5~1/0(例えば、0.75/0.25~0.97/0.03)、好ましくは0.8/0.2~1/0(例えば、0.85/0.15~0.95/0.05)程度であってもよい。
前記式(2)において、R2で表されるアルキル基としては、R1と同様のC1-12アルキル基が例示できる。R2は、水素原子又はC1-10アルキル基(好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはC1-4アルキル基)である場合が多い。pは、前記R2とともに第2のヒドロキシカルボン酸(第2の単量体)の炭素数に対応しており、0、又は2~10(例えば、2~8)の整数、好ましくは0又は2~6(例えば、2~4)程度であってもよい。
mとnとの比率は、第1のヒドロキシカルボン酸(第1の単量体)と第2のヒドロキシカルボン酸(第2の単量体)との割合(モル比)に対応しており、例えば、m/n=0.5/0.5~0.99/0.01(例えば、0.75/0.25~0.98/0.02、好ましくは0.8/0.2~0.95/0.05)程度であってもよい。
式(1)(2)において、m1+m2、及び(m1+m2)+nは、前記分子量(数平均分子量)及び重合度に対応しており、例えば、2~50(例えば、2~40)、好ましくは2~30(例えば、3~25)、さらに好ましくは3~20(例えば、4~15)であってもよく、3~10(例えば、4~6)程度であってもよい。
このようなオリゴマーは、微生物による産性又は酵素反応を利用して調製してもよく、必要であれば、酸又は塩基を用いて、高分子量のポリ(ヒドロキシアルカノエート)を分解して調製してもよいが、通常、化学的なポリエステル化方法、例えば、少なくとも3-ヒドロキシアルカン酸又はそのアルキルエステルを含む単量体を慣用の方法でエステル化反応(又はエステル交換反応)に供することにより調製できる。反応は、触媒の存在下又は非存在下で行ってもよく、触媒としては、例えば、金属触媒[例えば、アルカリ金属(ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)、遷移金属(マンガン、亜鉛、鉛、コバルト、チタンなど)、周期表第13族金属(アルミニウムなど)、周期表第14族金属(ゲルマニウム、スズなど)、周期表第15族金属(アンチモンなど)などを含む金属化合物など]、塩基触媒(例えば、第三級アミン類(トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン類、第4級アンモニウム塩(塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムハライド、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムなどのベンジルトリアルキルアンモニウムハライドなど)など)、酸触媒[例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩化水素(又は塩酸)、硝酸、リン酸など)、有機酸(例えば、スルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸)など)など]などが挙げられる。金属化合物としては、例えば、有機酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩など)、無機酸塩(ホウ酸塩、炭酸塩など)、金属酸化物(酸化ゲルマニウムなど)、金属塩化物(塩化スズなど)、金属アルコキシド(チタンテトラアルコキシド(チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラt-ブトキシドなど)、アルミニウムイソプロポキシド、亜鉛t-ブトキシド、カリウムt-ブトキシドなど)、アルキル金属(トリアルキルアルミニウムなど)などが例示できる。これらの触媒は単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
触媒の使用量は、例えば、全単量体100モルに対して0.001~1モル、好ましくは0.005~0.5モル、さらに好ましくは0.01~0.1モル程度であってもよい。
重合方法としては、慣用の方法、例えば、溶融重合法、溶液重合法、界面重合法などが利用できる。反応は、重合方法に応じて、溶媒の存在下又は非存在下で行ってもよい。溶媒としては、例えば、炭化水素類(ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素など)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、セロソルブアセテート類(エチルセロソルブアセテートなどのC1-4アルキルセロソルブアセテートなど)などが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
反応は、通常、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)雰囲気中で行うことができる。また、反応は、常温下又は減圧下で行ってもよく、生成する水などを反応系外に留出しつつ行ってもよい。
反応温度は、例えば、50~200℃、好ましくは70~180℃、さらに好ましくは100~150℃程度であってもよよい。反応時間は、特に限定されず、例えば、30分~48時間、通常、1~36時間程度であってもよい。
なお、単量体としてアルキルエステル(3-ヒドロキシアルカン酸アルキルエステルなど)を用いる場合には必ずしも必要ではないが、遊離のカルボキシル基を有するオリゴマー、例えば、単量体として遊離のカルボキシル基を有する3-ヒドロキシアルカン酸を用いて調製したオリゴマーでは、生成したオリゴマーの遊離のカルボキシル基をアルコールでエステル化してもよい。また、前記反応で生成したオリゴマーのアルコキシカルボニル基は、必要であれば、他のアルコールとのエステル化及び/又はエステル交換反応により、オリゴマーのアルコキシカルボニル基とは異なる炭素数又は構造のアルコキシカルボニル基に変換してもよい。上記エステル化反応は、上記エステル化反応と同様にしてアルコールと反応させることにより行うことができる。また、エステル交換反応も、慣用の方法、例えば、酸触媒又は塩基触媒を用いて行うことができる。
また、反応終了後、単独又は共重合オリゴマーは、慣用の分離方法、例えば、反応生成物を貧溶媒により再沈殿する方法により分離精製してもよい。
生分解性可塑剤は、前記3-ヒドロキシアルカン酸を構成単位として含むオリゴマーで形成すればよく、必要であれば、添加剤、例えば、可塑剤(例えば、生分解性であってもよい可塑剤(例えば、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アルカンジオールジアリールエステル、フタル酸エステル、脂肪族ポリエステル系可塑剤などのエステル結合を有する可塑剤)など)などを含んでいてもよい。生分解性可塑剤の割合は、可塑剤全体に対して、50重量%以上(例えば、70~100重量%)であってもよい。
[樹脂組成物(又は生分解性樹脂組成物)]
樹脂は、可塑化が必要な樹脂である限り、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよく、微生物による分解が困難な樹脂(生分解性に劣る樹脂)であってもよい。さらに、前記樹脂は、硬質及び/又は脆い樹脂であってもよい。前記樹脂は熱可塑性樹脂である場合が多く、生分解性を改善するため、連結基として少なくともエステル結合又はアミド結合を有していてもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが例示できる。これらの樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの樹脂のうち、通常、連結基として少なくともエステル結合を有する樹脂を用いる場合が多い。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分との反応、ヒドロキシカルボン酸成分(又はヒドロキシカルボン酸と等価なラクトン成分)の反応、ジカルボン酸成分とジオール成分とヒドロキシカルボン酸成分との反応により調製できる。
(ジカルボン酸成分)
ジカルボン酸成分としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アルカンジカルボン酸(例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカン二酸などのC2-16アルカンジ-カルボン酸など)、不飽和脂肪族ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのC4-10アルケン-ジカルボン酸など)などが挙げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、例えば、シクロアルカンジカルボン酸(例えば、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などのC5-10シクロアルカン-ジカルボン酸など)、ジ又はトリシクロアルカンジカルボン酸(例えば、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸など)、シクロアルケンジカルボン酸(例えば、シクロヘキセンジカルボン酸などのC5-10シクロアルケン-ジカルボン酸)、ジ又はトリシクロアルケンジカルボン酸(例えば、ノルボルネンジカルボン酸など)などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、単環式芳香族ジカルボン酸[例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アルキルイソフタル酸(例えば、4-メチルイソフタル酸などのC1-4アルキル-イソフタル酸など)などのC6-10アレーン-ジカルボン酸など]、多環式芳香族ジカルボン酸[例えば、縮合多環式芳香族ジカルボン酸[例えば、ナフタレンジカルボン酸(例えば、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,7-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸)、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸などの縮合多環式C10-24アレーン-ジカルボン酸、好ましくは縮合多環式C10-16アレーン-ジカルボン酸、さらに好ましくは縮合多環式C10-14アレーン-ジカルボン酸など]、アリールアレーンジカルボン酸[例えば、ビフェニルジカルボン酸(例えば、2,2’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸など)などのC6-10アリール-C6-10アレーン-ジカルボン酸など]、ジアリールアルカンジカルボン酸[例えば、ジフェニルアルカンジカルボン酸(例えば、4,4’-ジフェニルメタンジカルボン酸など)などのジC6-10アリールC1-6アルカン-ジカルボン酸など]、ジアリールケトンジカルボン酸[例えば、ジフェニルケトンジカルボン酸(例えば、4.4’-ジフェニルケトンジカルボン酸など)などのジC6-10アリールケトン-ジカルボン酸)など]、フルオレン骨格を有するジカルボン酸など]などが挙げられる。
前記フルオレン骨格を有するジカルボン酸としては、例えば、ジカルボキシフルオレン(例えば、2,7-ジカルボキシフルオレンなど);9,9-ビス(カルボキシアルキル)フルオレン[例えば、9,9-ビス(2-カルボキシエチル)フルオレン、9,9-ビス(2-カルボキシプロピル)フルオレンなどの9,9-ビス(カルボキシC2-6アルキル)フルオレンなど];9-(カルボキシ-カルボキシアルキル)フルオレン[例えば、9-(1-カルボキシ-2-カルボキシエチル)フルオレン、9-(2-カルボキシ-3-カルボキシプロピル)フルオレンなどの9-(カルボキシ-カルボキシC2-6アルキル)フルオレンなど];9,9-ビス(カルボキシアリール)フルオレン[例えば、9,9-ビス(3-カルボキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-カルボキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(5-カルボキシ-1-ナフチル)フルオレン、9,9-ビス(6-カルボキシ-2-ナフチル)フルオレンなどの9,9-ビス(カルボキシC6-12アリール)フルオレンなど];9,9-ビス(カルボキシアルキル-アリール)フルオレン[例えば、9,9-ビス(4-(カルボキシメチル)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-(2-カルボキシエチル)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-(カルボキシメチル)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(5-(カルボキシメチル)-1-ナフチル)フルオレン、9,9-ビス(6-(カルボキシメチル)-2-ナフチル)フルオレンなどの9,9-ビス(カルボキシC1-6アルキル-C6-12アリール)フルオレンなど]などが挙げられる。
これらのジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジカルボン酸は、用途に応じて選択でき、生分解性を向上できる点から、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸などのC2-6アルカン-ジカルボン酸など)であってもよく、耐熱性などを向上できる点から、芳香族ジカルボン酸単位(例えば、フルオレン骨格を有するジカルボン酸)であってもよい。
(ジオール成分)
ジオール成分としては、例えば、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオールなどが挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2-10アルカンジオールなど)、ポリアルカンジオール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールなどのジ又はトリC2-4アルカンジオールなど)などが挙げられる。
脂環族ジオールとしては、例えば、シクロアルカンジオール(例えば、シクロヘキサンジオールなどのC5-8シクロアルカンジオール)、ジ(ヒドロキシアルキル)シクロアルカン(例えば、シクロヘキサンジメタノールなどのジ(ヒドロキシC1-4アルキル)C5-8シクロアルカンなど)、イソソルビドなどが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、例えば、ジヒドロキシアレーン(例えば、ヒドロキノン、レゾルシノールなど)、ジ(ヒドロキシアルキル)アレーン(例えば、1,3-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノールなどのジ(ヒドロキシC1-4アルキル)C6-10アレーンなど)、ビスフェノール類(例えば、ビフェノール、ビスフェノールAなどのビス(ヒドロキシフェニル)C1-10アルカンなど)、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加体、フルオレン骨格を有するジオールなどが挙げられる。
前記フルオレン骨格を有するジオールとしては、9,9-ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオール化合物、例えば、下記式(3)で表されるジオールが挙げられる。
(式中、環Zはアレーン環、R5はアルキレン基、R6及びR7は置換基を示し、qは0又は1以上の整数、rは0又は1以上の整数、sは0~4の整数である)。
前記式(3)において、環Zで表されるアレーン環として、ベンゼン環などの単環式アレーン環、多環式アレーン環などが挙げられ、多環式アレーン環には、縮合多環式アレーン環[例えば、縮合二環式アレーン(例えば、ナフタレン環などの縮合二環式C10-16アレーン)環などの縮合二乃至四環式アレーン環など]、環集合アレーン環[ビアレーン環(例えば、ビフェニル環、ビナフチル環)などのビC6-12アレーン環など]などが含まれる。なお、2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよい。好ましいアレーン環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環などが挙げられる。
前記式(3)において、アルキレン基R5としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1,2-ブタンジイル基などのC2-6アルキレン基などが例示できる。
オキシアルキレン基(OR5)の数rは、例えば、0~15の整数(例えば、0~10の整数)程度の範囲から選択でき、例えば、0~8(例えば、1~8)の整数、好ましくは0~4(例えば、1~4)の整数、特に0~3(例えば、1~3)程度の整数であってもよく、通常、0~2の整数(例えば、0又は1)であってもよい。なお、rが2以上の整数である場合、アルキレン基R5の種類は、同一又は異なっていてもよい。また、アルキレン基R5の種類は、同一の又は異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよい。
基[HO-(R5O)r-]は、環Zの適当な位置に置換でき、例えば、環Zがベンゼン環である場合には、フェニル基の2~4-位(特に、3-位又は4-位)に置換している場合が多く、環Zがナフタレン環である場合には、ナフチル基の5~8-位に置換している場合が多く、例えば、フルオレンの9-位に対してナフタレン環の1-位又は2-位が置換し(1-ナフチル又は2-ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5-位、2,6-位などの関係で基[HO-(R5O)r-]が置換している場合が多い。また、環集合アレーン環Zにおいて、基[HO-(R5O)r-]の置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの9-位に結合したアレーン環及び/又はこのアレーン環に隣接するアレーン環に置換していてもよい。例えば、ビフェニル環Zの3-位又は4-位がフルオレンの9-位に結合していてもよく、ビフェニル環Zの3-位がフルオレンの9-位に結合しているとき、基[HO-(R5O)r-]の置換位置は、ビフェニル環Zの2-,4~6-位,2’~6’-位のいずれであってもよく、通常、4-,5-,6-位,3’-,4’-位、好ましくは4-,6-位,4’-位(特に、6-位)に置換していてもよい。
前記式(3)において、置換基R6としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのC1-6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロへキシル基などのC5-8シクロアルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC6-10アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6-10アリール-C1-4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基などのC1-6アルコキシ基など)、シクロアルキルオキシ基(シクロへキシルオキシ基などのC5-8シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6-10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基などのC6-10アリール-C1-4アルキルオキシ基);アルキルチオ基(メチルチオ基などのC1-8アルキルチオ基など);アシル基(アセチル基などのC1-6アルキル-カルボニル基など);アルキルオキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1-4アルキルオキシ-カルボニル基など);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など);ニトロ基;シアノ基;ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC1-4アルキルアミノ基など);ジアルキルカルボニルアミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのジ(C1-4アルキル-カルボニル)アミノ基など)などが例示できる。
代表的な置換基R6としては、C1-6アルキル基(特にメチル基)、C6-10アリール基(特にフェニル基)、C6-8アリール-C1-2アルキル基、C1-4アルコキシ基などが挙げられる。なお、置換基R6がアリール基であるとき、置換基R6は、環Zとともに、前記環集合アレーン環を形成してもよい。置換基R6の種類は、同一の又は異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよい。
置換数qは、環Zの種類などに応じて適宜選択でき、0~8程度の整数であってもよく、例えば0~4の整数、好ましくは0~3(例えば0~2)の整数、特に0又は1であってもよい。特に、qが1である場合、環Zがベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環、置換基R6がメチル基であってもよい。
置換基R7としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基などのC1-6アルキル基)、アリール基(フェニル基などのC6-10アリール基)などが挙げられる。置換基R7はアルキル基(例えば、C1-4アルキル基、特にメチル基などのC1-3アルキル基)などである場合が多い。置換数sは0~4(例えば0~3)の整数、好ましくは0~2の整数(例えば0又は1)、特に0である。なお、置換数sは、互いに同一又は異なっていてもよく、sが2以上である場合、置換基R7の種類は互いに同一又は異なっていてもよく、フルオレン環の2つのベンゼン環に置換する置換基R7の種類は同一又は異なっていてもよい。また、置換基R7の置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレン環の2-位乃至7-位(2-位、3-位及び/又は7-位など)であってもよい。
前記式(3)において、rが0である化合物としては、9,9-ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類、例えば、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン、9,9-ビス(5-ヒドロキシ-1-ナフチル)フルオレンなどの9,9-ビス(ヒドロキシC6-12アリール)フルオレン;9,9-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-フェニル-3-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9-ビス(C6-12アリール-ヒドロキシC6-12アリール)フルオレン;9,9-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-メチル-3-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9-ビス(C1-4アルキル-ヒドロキシC6-12アリール)フルオレンなどが例示できる。
前記式(3)において、rが1である化合物としては、9,9-ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)フルオレン類、例えば、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[6-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ナフチル]フルオレン、9,9-ビス[5-(2-ヒドロキシプロポキシ)-1-ナフチル]フルオレンなどの9,9-ビス(ヒドロキシC2-4アルコキシC6-12アリール)フルオレン;9,9-ビス[4-フェニル-3-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[3-フェニル-4-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9-ビス[C6-12アリール-ヒドロキシC2-4アルコキシC6-12アリール]フルオレン;9,9-ビス[3-メチル-4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-メチル-3-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9-ビス[C1-4アルキル-ヒドロキシC2-4アルコキシC6-12アリール]フルオレンなどが例示できる。
前記式(3)において、rが2以上の化合物としては、前記rが0又は1の化合物に対応し、オキシアルキレン基(特にオキシC2-4アルキレン基)の繰り返し単位rが2~5の化合物などが挙げられる。
これらのジオール成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジオール成分は、用途に応じて選択でき、生分解性を向上できる点から、脂肪族ジオール[例えば、エチレングリコール、1,4-ブタンジオールなどのC2-6アルカンジオール(特にC2-4アルカンジオール)など]であってもよく、耐熱性などを向上できる点から、芳香族ジオール単位(例えば、フルオレン骨格を有するジオール)であってもよい。
ヒドロキシカルボン酸成分としては、ヒドロキシアルカン酸(例えば、前記3-ヒドロキシアルカン酸(第1及び第2の3-ヒドロキシアルカン酸)、第2のヒドロキシカルボン酸(第2の単量体))、これらのヒドロキシアルカン酸と等価なラクトン成分、酸ハライド又は低級アルキルエステルが例示できる。
ポリエステル樹脂は、脂肪族ポリエステル樹脂(ヒドロキシアルカン酸の単独又は共重合体(ポリヒドロキシアルカノエートPHA)、例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)などのヒドロキシアルカン酸の単独重合体、ポリ(乳酸-co-3-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-co-3-ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-co-3-ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-co-4-ヒドロキシ酪酸)などのヒドロキシアルカン酸(例えば、3-ヒドロキシアルカン酸)の共重合体);アルカンジカルボン酸、アルキレングリコール、及び/又はヒドロキシアルカン酸を少なくとも単量体(反応成分)とする重合体(ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンセバケートなどのポリC2-6アルキレンC3-12アルカノエート))、脂環族ポリエステル樹脂(ポリエチレンシクロヘキサノエートなどのポリC2-6アルキレンC6-12シクロアルカノエートなど)、芳香族ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリテトラメチレンナフタレートなどのポリC2-6アルキレンC6-12アリレート(ホモポリエステル)、C2-6アルキレンC6-12アリレート単位を含むアルキレンアリレート系共重合体(コポリエステル)(例えば、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸などの非対称芳香族ジカルボン酸を共重合したコポリエステルなど)、9,9-ビスアリールフルオレン単位を含むポリエステル樹脂など)などが例示できる。9,9-ビスアリールフルオレン単位を含むポリエステル樹脂としては、前記式(3)で表される化合物(例えば、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)と、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコールなど)と、シクロアルカンジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸)及び/又はアレーンジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸など)と、必要によりアルカンジカルボン酸との重合体などが例示できる。
ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分とジアミン成分との反応、アミノカルボン酸成分又はそのラクタム成分の反応、ジカルボン酸成分とジアミン成分とアミノカルボン酸成分及び/又はそのラクタム成分の反応により調製できる。
ジカルボン酸成分としては、前記ポリエステル樹脂の項に記載のジカルボン酸成分と同様のジカルボン酸が例示できる。好ましいジカルボン酸成分は、脂肪族ジカルボン酸(アルカンジカルボン酸)、例えば、アジピン酸などのC2-16アルカンジ-カルボン酸(例えば、C4-10アルカン-ジカルボン酸など)であってもよい。
ジアミン成分としては、例えば、脂肪族ジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミンなどの直鎖状又は分岐鎖状C2-16アルキレンジアミン(例えば、直鎖状又は分岐鎖状C2-10アルキレンジアミン)、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレンジアミンなどの直鎖状又は分岐鎖状ポリC2-10アルキレンポリアミン)、脂環族ジアミン(例えば、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタンなど)、芳香族ジアミン(例えば、フェニレンジアミン、ビス(4-アミノジフェニル)メタン、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-アミノ-3-エチルフェニル)メタンなど)、芳香脂肪族ジアミン(例えば、キシリレンジアミンなど)などが例示できる。これらのジアミン成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ラクタム成分としては、例えば、γ-バレロラクタム、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、ω-ラウロラクタムなどのC4-12ラクタムなどが例示でき、アミノカルボン酸成分としては、例えば、アミノウンデカン酸、アミノドデカン酸などのアミノC4-12アルカン酸、アミノ安息香酸などのアミノアレーンカルボン酸などが例示できる。これらのラクタム成分及びアミノカルボン酸成分も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612など)、脂環族ポリアミド樹脂(ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸との重合体など)、芳香族ポリアミド(ポリアミドMXD(キシリレンジアミンとアジピン酸との重合体)、トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との重合体など)、これらのコポリアミド(ホモポリアミド成分が共重合したコポリアミド、例えば、コポリアミド6/66、コポリアミド6/11、コポリアミド66/12など)が例示できる。ポリアミド樹脂は、N-アルコキシメチル基を有するポリアミド、不飽和高級脂肪酸の二量体であるダイマー酸を重合成分とする重合脂肪酸系ポリアミド樹脂でなどあってもよい。ポリアミド樹脂は、結晶性又は非晶性であってもよく、透明性ポリアミド樹脂(非晶性透明ポリアミド樹脂)であってもよい。これらのポリアミド樹脂は単独で又は二種以上組合せて使用できる。ポリアミド樹脂は、通常、脂肪族ホモ又はコポリアミド樹脂である場合が多い。
ポリエステルアミド樹脂は、前記ポリエステル樹脂の調製において、ジオール成分の一部としてジアミン成分を用いる方法、ジカルボン酸成分及びジオール成分の一部、又はヒドロキシカルボン酸(又はヒドロキシアルカン酸)成分及び/又はラクトン成分の少なくとも一部としてラクタム成分及び/又はアミノカルボン酸成分を用いる方法により、高分子主鎖にアミド結合を導入することにより調製できる。
ジアミン成分、ラクタム成分及びアミノカルボン酸成分としては、前記ポリアミド樹脂の項に記載の成分と同様のジアミン、ラクタム成分及びアミノカルボン酸が例示できる。
ポリカーボネート樹脂は、前記ポリエステル樹脂の項で例示のジオール成分と、炭酸ジフェニル又はホスゲンとを反応させることにより調製でき、例えば、ビスフェノール型ポリカーボネート(ビスフェノールA型、F型、S型、AD型などのポリカーボネート)及び共重合ポリカーボネートなどが例示できる。ポリエステルカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂の調製において、前記ポリエステル樹脂の項で例示のジカルボン酸成分を用いることにより調製できる。
これらの樹脂は、硬化性樹脂(例えば、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのC2-10アルケン-ジカルボン酸などをジカルボン酸成分とする不飽和ポリエステル樹脂など)であってもよいが、生分解性に優れる点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの樹脂のうち、少なくともエステル結合を有する樹脂を用いる場合が多く、生分解性樹脂、例えば、ポリ乳酸(PLA)、前記式(1)及び(2)で表されるオリゴマーの高分子量体、例えば、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-co-3-ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-co-3-ヒドロキシヘキサン酸)などのヒドロキシアルカン酸の単独又は共重合体(ポリヒドロキシアルカノエート:PHA);PBS、PBSA、PBAT、PCL、ポリエチレンアジペートなどのポリC2-4アルキレンC3-10アルカノエート;これらのポリエステルにおいて、共重合単位としてC2-4アルキレンC6-10アリレート単位を含むコポリエステルなどを用いる場合が多く、これらのポリエステル樹脂に対応するポリエステルアミド樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂などを用いる場合も多い。
なお、前記樹脂(例えば、前記式(1)及び(2)で表されるオリゴマーの高分子量体)の分子量は、前記オリゴマー(又は可塑剤)よりも高く、GPCで測定したとき、ポリスチレン換算で、数平均分子量Mnは、例えば、0.7×104~300×104(例えば、0.8×104~200×104)、好ましくは1×104~100×104(例えば、1.5×104~70×104)、さらに好ましくは2×104~50×104(例えば、5×104~30×104)程度であってもよい。重量平均分子量Mwは、例えば、1×104~500×104(例えば、2×104~300×104)、好ましくは3×104~200×104(例えば、5×104~100×104)程度であってもよい。さらに、分子量分布(分散度)Mw/Mnは、例えば、1~5(例えば、1~3.5)、好ましくは1.1~3(例えば、1.2~2.5)、さらに好ましくは1.2~2(例えば、1.3~1.7)程度であってもよい。
本発明の樹脂組成物(又は生分解性樹脂組成物)は、前記樹脂と可塑剤(又は生分解性可塑剤)とを含んでおり、前記樹脂に対して可塑剤を少量の割合で添加することにより、樹脂の可塑性を大きく改善できる。さらに、溶融流動性も改善できる。そのため、樹脂の機械的特性などを容易に調整できるとともに成形性を向上できる。さらには、可塑剤により樹脂の生分解性をも向上又は改善できる。
特に、前記樹脂(特に、生分解性樹脂)には、生分解性を有するものの、機械的特性及び成形性がさほどよくない樹脂もある。例えば、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)などの3-ヒドロキシアルカン酸の単独又は共重合体は、生分解性(特に嫌気性分解性)に優れているものの、硬くて脆い場合がある。本発明の可塑剤は、生分解性を損なうことなく、このような樹脂との相溶性が高いためか、生分解性樹脂を可塑化するために極めて有用である。さらに、熱的特性をさほど低下させることなく、溶融流動性を改善し、溶融成形性(射出成形性、押し出し成形性など)を向上させるためにも有用である。
可塑剤(又は生分解性可塑剤)の割合は、樹脂100重量部に対して0.1~50重量部(例えば、0.5~40重量部)、好ましくは1~30重量部(例えば、2~25重量部)、さらに好ましくは3~20重量部(例えば、3~15重量部)程度であってもよく、2~10重量部(例えば、3~7重量部)程度であってもよい。生分解性可塑剤の使用量が少なすぎると樹脂の可塑化の程度が低下し、多すぎると樹脂の機械的特性が低下する場合がある。
なお、微生物により分解されない非生分解性樹脂に対して生分解性成分(例えば、生分解性可塑剤、生分解性樹脂)を添加しても、非生分解性樹脂は分解されることなく、生分解性成分だけが微生物的な分解を優先的に受けて分解することが予想される。しかし、本発明の可塑剤を添加すると、生分解性に劣る樹脂であっても有意に、しかも嫌気条件であっても分解できる。そのため、好気条件での堆肥化プロセスのみならず、海洋中での生分解性も向上でき、近年新たな問題となっているマイクロプラスチックの問題も解決できる可能性がある。また、生分解性可塑剤を添加した樹脂で形成したごみ袋などの成形体を直接バイオガス化できる。
樹脂組成物(又は生分解性樹脂組成物)は、必要により、種々の添加剤、例えば、安定剤(抗酸化剤、熱安定剤、耐光安定剤など)、界面活性剤、滑剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、分散剤、分散助剤、離型剤などを含んでいてもよく、前記生分解性可塑剤とは異なる可塑剤を含んでいてもよい。添加剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
樹脂組成物は、樹脂と可塑剤との混合物の形態であってもよく、樹脂と生分解性可塑剤とが混練されて一体化した粉粒体又はペレットの形態であってもよい。樹脂組成物は、慣用の成形法(押出成形法、射出成形法などの溶融成形法、キャスティング法など)により、線状、フィルム又はシート状、筒状又はパイプ状、ケーシング、ハウジングなどの三次元形状などの所定の形態の成形体を作製できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、試験項目の測定方法は、以下の通りである。
(分子量)
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(東ソー(株)製「HLC-8320GPC」)を用い、試料をクロロホルムに溶解させ、ポリスチレン換算で測定した。
(融点(℃))
示差走査熱量計DSC(NETZSCH(株)製「DSC 214 Polyma」)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定し、融解開始側でのベースラインと変曲点の接線との交点を融点とした。
(結晶化温度(℃))
示差走査熱量計DSC(NETZSCH(株)製「DSC 214 Polyma」)を用いて、180℃で融解したサンプルを10℃/分で降温した際の発熱ピークを結晶化温度とした。
(分解温度(℃))
熱重量分析器TGA((株)島津製作所製「DTG-60A」)を用いて、10℃/分で昇温し、ベースラインと重量減少開始時の変曲点の接線との交点を分解温度とした。
(メルトフローインデックスMFI(g/10分))
メルトフローレート測定器((株)東洋精機製作所製「メルトインデックサ」)を用い、JIS K 7210に従って、荷重2.16kg、温度190℃で測定した。
(ヤング率(MPa))
実施例1及び比較例のペレットを、温度180℃で厚さ1mmに圧縮し、ダンベル型の試験片を切り出した。試験片を、ASTM D638に従って、試験前に23℃及び50%の相対湿度に調温調湿し、万能材料試験機(Instron社製)を用い、室温下で測定し、応力-ひずみ線図の初期傾きからヤング率を算出した。なお、上記と同じ条件で、5つの試験片について、ヤング率を測定した。
(引っ張り強度(MPa)及び破断伸び(%))
実施例1及び比較例のペレットを、温度180℃で厚さ1mmに圧縮し、ダンベル型の試験片を切り出した。試験片を、ASTM D638に従って、試験前に23℃及び50%の相対湿度に調温調湿し、万能材料試験機(Instron社製)を用い、速度5mm/分で測定した。なお、上記と同じ条件で、5つの試験片について、引っ張り強度及び破断伸びを測定した。
(バラツキの評価)
ヤング率、引っ張り強度及び破断伸びについては、5つの試験片での測定結果から、算術平均とともに、測定値のバラツキの程度は算術平均値からの偏差として表し、平均値±偏差で標記した。また、5つの測定値から標準偏差も求めた。
合成例
発酵により製造した3-ヒドロキシ酪酸(3HB)を、硫酸触媒の存在下、エタノールと反応させてエステルし、蒸留精製して3-ヒドロキシ酪酸エチルエステルを調製した。
3-ヒドロキシ酪酸エチルエステル50.0g(37.8mmol)及びチタンテトライソプロポキシド540mg(0.19mmol)を三口フラスコに入れ、窒素フロー下、140℃で、エステル交換反応により生成するエタノールを留去しながら3時間反応させた。その後、徐々に減圧しながら加熱することにより、平均重合度が約5のオリゴマー(数平均分子量約800;前記式(1)において、m1=約5,m2=0)を得た。末端カルボキシル基はエチル基でキャップされ、エトキシカルボニル基を形成していた。
比較例1
合成例で得られたオリゴマーを添加することなく、TerraVerdae Bioworks社から提供されたポリ(3-ヒドロキシ酪酸)(PHB)のペレットを用いた。
実施例1
TerraVerdae Bioworks社から提供されたポリ(3-ヒドロキシ酪酸)(PHB)のペレット95重量部に、合成例で得られたオリゴマー5重量部を添加して180℃で溶融混練し、ペレットを調製した。
比較例2
合成例で得られたオリゴマー5重量部に代えて、市販の生物由来の可塑剤(アセチルクエン酸トリブチル(Vertellus社製「Citroflex A4」)5重量部を用いる以外、実施例1と同様にしてペレットを調製した。
結果を表1に示す。なお、ヤング率、引張強度及び破断伸びについては、5つの測定値に基づいて95%両側検定によるバラツキを算出するとともに標準偏差を算出した。バラツキを平均値の後に「±」で示すとともに、標準偏差を括弧内に記載する。
表1に示す結果から明らかなように、比較例1に比べて、実施例1では、引張伸び(破断伸び)が増加し、ヤング率及び引張強度が低下していることから、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)(PHB)が有効に可塑化されていることが判明した。また、比較例2に比べて、実施例1では、引張伸び(破断伸び)が大きく、ヤング率が低下していることから、既存の可塑剤よりも可塑化効果が大きい。特に、実施例1では、メルトフローインデックスが大きく、溶融成形性を向上できる。さらに、実施例1では、測定値のバラツキが小さいことから、本発明の可塑剤は樹脂との相溶性が高いと考えられる。