JPH0625599Y2 - 門扉取付用のヒンジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、門扉取付用のヒンジに関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、支柱に門扉を回動自在に取付ける場合、門柱の
上下部に一対のヒンジを取付け、そのヒンジで門扉を支
持するため、ヒンジの取付け誤差によって門扉に前後、
左右に傾きが生じる場合がきわめて多い。

このような門扉の傾きを、門扉の取付け後において修正
を得るようにしたヒンジが実開昭６２−５４１９９号公
報に記載されている。

上記公報に記載されたヒンジは、門柱に取付ける固定金
の上下挾持片にピンを介して調整金を揺動自在に取付
け、その調整金の先端上面に門扉を支持する支軸を設け
てあり、前記ピンを中心とする調整金の揺動によって、
支軸に支持された門扉の前後の傾きを調整するようにし
ている。

また、固定金に設けた取付片に複数の横長孔を形成し、
その横長孔に挿入されて門柱にねじ係合される取付ねじ
の締付けにより、門柱に固定金を取付け、上記取付ねじ
を弛め、横長孔の長さ方向に固定金を移動させて門扉の
左右方向の傾きを調整するようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記従来のヒンジにおいては、門扉の左右方
向の傾き調整に際して、門柱に一端固定した固定金の取
付ねじを弛めてヒンジおよびそのヒンジに支持された門
扉の全体を左右方向に移動させる必要があるため、調整
に非常に手間がかかるという不都合がある。

この考案は上記の不都合を解消し、門扉の前後および左
右方向の調整を容易に行なうことができるようにした門
扉取付用ヒンジを提供することを技術的課題としてい
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案においては、上
下で平行する一対の板体およびその板体の端部間に設け
られた端板を有する固定具と、その固定具の一対の板体
間に後端部が配置された支持アームとから成り、上記支
持アームの先端部上面に支軸を設け、支持アームには上
下に貫通して支軸の方向に向けて長いピン挿入孔を形成
し、このピン挿入孔に挿入されたピンの両端部を前記一
対の板体で支持し、一対の板体のうち、一方の板体には
ピンを中心とする弧状の長孔を設け、この長孔に挿入さ
れたロックねじを支持アームの後端部外側にはめ合わさ
れて支持アームをスライド自在に支持する枠体にねじ係
合し、前記固定具の端板は、前記ピンを中心とする弧状
とし、その端板に形成したねじ挿入孔を端板の周方向に
長い長孔とし、このねじ挿入孔に挿入されて回転自在に
支持された調整ねじの先端部を前記支持アームの後端面
にねじ係合した構成を採用したのである。

〔作用〕

上記の構成において、ロックねじを弛め、ピンを中心に
支持アームを揺動させることによって、支軸に支持され
た門扉の前後方向の傾きを調整することができる。

また、調整ねじを回転することにより、その調整ねじと
ねじ係合する支持アームはピン挿入孔の長さ方向に移動
するため、支軸に支持された門扉の左右方向の傾きを調
整することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面を基づいて説明す
る。

第１図乃至第４図に示すように、この考案に係るヒンジ
は、固定具１と、その固定具１に取付られた支持アーム
１０とから成る。

固定具１は、上下一対の取付片２を有し、その取付片２
に挿入孔３′が設けられている。また、上下の取付片２
間に箱形の膨出部３が形成され、その膨出部３は、背面
および右側面で開口し、右側面の開口から膨出部３の内
側に前記支持アーム１０の後端部が差し込まれている。

前記支持アーム１０の先端部上面には、門扉を支持する
支軸１１が設けられている。また、支持アーム１０に
は、膨出部３の内側に位置する部分に上下に貫通するピ
ン挿入孔１２が形成され、そのピン挿入孔１２は支軸１
１に向けて長い長孔となっている。このピン挿入孔１２
に挿入されたピン２０の両端部は、膨出部３の上下の板
体４、５で支持されている。

なお、ピン２０として、ここでビスを用い、そのビスの
先端部を膨出部３の下側の板体５にねじ係合している。

前記膨出部３の上側板体４には、ピン２０を中心とする
弧状の長孔６が形成され、その長孔６に挿入したロック
ねじ２１は、膨出部３の内側に組込まれて支持アーム１
０をスライド自在に支持する枠体２２にねじ係合されて
いる。

ここで、枠体２２は、上部板体２３の両側に一対の側板
２４を形成したコの字形をなし、上部板体２３が支持ア
ーム１０の上面と対向するようにして上記支持アーム１
０の後端部外側にはめ合わせされている。そして、上部
板体２３にねじ孔２５が形成され、このねじ孔２５に前
記ロックねじ２１がねじ込まれ、そのロックねじ２１の
先端が支持アーム１０の上面に当接されている。

前記膨出部３の端板７は、ピン２０を中心とする弧状に
形成され、その端板７に設けたねじ挿入孔８は、端板７
の周方向に長い長孔になっている。このねじ挿入孔８に
挿通された調整ねじ２６は、球面座２７と止め輪２８の
取付けによって軸方向に移動するのが防止され、かつ回
転自在に支持されている。

また、調整ねじ２６は、支持アーム１０の後端面に設け
たねじ孔１３にねじ込まれている。

実施例で示すヒンジは上記の構造から成り、門柱に対す
る門扉の取付けに際しては、第５図に示すように、門柱
４０に一対の固定具１を上下に所要の間隔をおいて取付
け、各固定具１に取付けられた支持アーム１０の先端の
支軸１１に門扉４１の側部に設けた支持片４２の孔を嵌
合する。

ここで、固定具１の取付けは、その固定具１の上下部に
設けた挿入孔３′にボルト４３を挿入し、このボルト４
３を門柱４０に予め形成されたねじ孔にねじ込んで締付
る。

門扉４１の取付状態において、その門扉４１が前後方向
に傾斜している場合には、ロックねじ２１を弛め、ピン
２０を中心に支持アーム１０を揺動させて先端の支軸１
１を前側又は後側に移動させて門扉４１の傾きを修正す
る。

また、門扉４１が左右方向に傾斜している場合は、ロッ
クねじ２１を弛めた状態において、調整ねじ２６の回動
により、支持アーム１０をピン挿入孔１２の長さ方向に
移動させて門扉４１の左右方向の傾きを修正する。

このように、支持アーム１０を揺動又は長さ方向に移動
させることによって門扉４１の前後および左右方向の傾
きを調整することができるため、前述従来のように、ヒ
ンジの全体を移動させる必要がなく、門扉の傾きをきわ
めて容易に修正することができる。

なお、傾き修正後は、ロックねじ２１を締付け、そのロ
ックねじ２１の先端で支持アーム１０を押し下げるよう
にする。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案においては、固定具を門柱に取
付けた状態において、ピンを中心に支持アームを揺動さ
せることができると共に、調整ねじの回転によって支持
アームの長さ方向に移動させることができるため、支持
アームの支軸に支持された門扉の前後、左右方向の傾き
の修正をきわめて容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るヒンジの一実施例を示す斜視
図、第２図は同上の横断平面図、第３図は第２図のIII
−III線に沿った断面図、第４図は第２図のIV−IV線に
沿った断面図、第５図は同上のヒンジを用いた門扉を支
持した状態の正面図、第６図は同上の平面図である。 １……固定具、４、５……板体、 ６……長孔、７……端板、 ８……ねじ挿入孔、１０……支持アーム、 １１……支軸、１２……ピン挿入孔、 １３……ねじ孔、２０……ピン、 ２１……ロックねじ、２２……枠体、 ２６……調整ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下で平行する一対の板体およびその板体
   の端部間に設けられた端板を有する固定具と、その固定
   具の一対の板体間に後端部が配置された支持アームとか
   ら成り、上記支持アームの先端部上面に支軸を設け、支
   持アームには上下に貫通して支軸の方向に向けて長いピ
   ン挿入孔を形成し、このピン挿入孔に挿入されたピンの
   両端部を前記一対の板体で支持し、一対の板体のうち、
   一方の板体にはピンを中心とする弧状の長孔を設け、こ
   の長孔に挿入されたロックねじを支持アームの後端部外
   側にはめ合わされて支持アームをスライド自在に支持す
   る枠体にねじ係合し、前記固定具の端板は、前記ピンを
   中心とする弧状とし、その端板に形成したねじ挿入孔を
   端板の周方向に長い長孔とし、このねじ挿入孔に挿入さ
   れて回転自在に支持された調整ねじの先端部を前記支持
   アームの後端面にねじ係合した門扉取付用のヒンジ。