JPH062537Y2 - 植物類の包被用シ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 目的の部 本考案は、種苗、植木、野菜類或は、草花、果実、飲食
物類を包被し保護すると共に、これ等の諸物に遠赤外線
放射を可能にし、遠赤外線波の特有作用により、該物類
を活性化し、その育生、生存、健全性更には、野菜、果
実、草花等の植物類の鮮度維持、またはその味覚をも好
ましい状態に活性せしめ得る植物類の包被用シートに関
するものである。

従来、病害、鳥害等を防止するため果実類には袋掛けが
行われ、種苗、植木、其の他の植物類の育生保護のため
合成樹脂フィルム等によって包被し前記被害を防止した
り保温保護を目的とする作業が行われて来た。

前記した包被材は、何等包被材として機能性の少いもの
であった。

一方、赤外線光熱の中でも特に、長波長域に属する遠赤
外線光熱は、生体の細胞組織内に深達し植物類の含有水
分子、細胞組織を活性化し、該物類の育生、成長、生存
の健全性に多大なる有用性が発揮されるものであり、こ
の点に着目された機能性を有する植物類の包被用のシー
トは未だ、見出す事が出来ない。

本考案は、前記した観点に鑑み案出されたものであり、
従来の植物類の包被用材に対比し優れた強度、耐久性を
有すると共に遠赤外線を放射し、被包被物を活性化し、
これ等の品質並びに生産性の向上を計る事が出来る機能
性を有する植物類の包被用シートを提供する事を目的と
するものである。

前記した問題点は、合成樹脂からなる不織布に遠赤外線
放射層が形成されてなる事を最大の特徴とする植物類包
被用シートによって解決されるものである。

構成の部 次に、実施例につき本考案の構成を説明する。

第１図は、本考案になる植物類包被用シートの一実施例
を示す切断面図、第２図は、他の実施例の切断面図、第
３図、第４図並びに第５図は使用例示図である。

植物類包被用シート１は、耐水性、通気性、通水性の合
成樹脂不織布のシートからなり、該シートに遠赤外線放
射層が形成された構成からなり、前記シートは、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、アセテート、ポリ塩化ビニル
デン、ポリエステル等の単体又はこれ等の複合体からな
る合成樹脂の長繊維或は短繊維のシート状の集合体であ
り、撥水性、通水性、通気性を有する。

遠赤外線放射微細粒子３は、アルミナ・シリカ・酸化鉄
等を適宜量混合して焼成したセラミックス微粉未として
創製されたものであり、このセラミックス微粉末を一組
成とする組成塗着剤で不織布面に塗着剤状に塗着せしめ
るか、前記組成塗着剤中に不織布を浸漬し浸漬剤状に付
着乾燥する等の手段により不織布に高密度で均一に付着
せしめ、以って不織布に遠赤外線放射層を形成する。

前記塗着剤中のセラミックス微粉末の組成比を自由に変
えることで、遠赤外線放射密度を容易に所望のものに出
来る。

前記不織布は可及的に熱吸収性に優れた黒色シートが用
いられる事が望ましい。

被包被物が過剰水分を忌避すべき場合は、第２図に示す
如く、片面に合成樹脂フィルムからなる防水性フィルム
４を貼着・添装されて使用される。防水性フィルム４に
よって水分を排除する事が出来る。又、用途に従って防
水効果と遠赤外線放射の放射率向上のため植物類の包被
用シート１の片面に熱線不透過性材のアルミニューム層
を形成し防水と遠赤外線放射に方向性を持たせるように
してもよい。

第３図は、本考案の植物類の包被用シート１を野菜畑５
に被装した略示図、第４図は、植物育生用の通称ビニー
ルハウスに植物類の包被用シート１を用いた略示図であ
る。５は、野菜畑を示す。

第５図は、採取野菜類（キャベツ）６を鮮度維持のため
植物類の包被用シート１によって被覆包被した状態の略
示図である。

植物類の包被用シート１を植物類を包被する事によって
該シートが太陽光或は暖気によって包被されている植物
類に対し、高密度の遠赤外線が均一に照射される。

また、塗着剤中の遠赤外線放射微細粒子の組成比を変え
ることで、対象植物或いは、使用環境に合わせて最適な
遠赤外線放射量をもつ包被用シート１とすることもでき
る。４〜１４ミクロンの遠赤外線波は、該植物類の細胞
組織内に深達し、含有水分、細胞を活性化し、被包被物
の植物類は、遠赤外線熱エネルギーの供給を受けその育
生・成長・健全性の維持、採取果実・野菜類は鮮度が維
持される著しい好結果をもたらすものである。

従ってこれ等の植物類を生産する農園芸事業者にとって
は、本考案の植物類の包被用シートは、優れた品質の農
産物の収穫を得て生産性の向上を計る事が出来る。

また、本考案の植物類の包被用シートは、従来使用され
て来た紙類又は塩化ビニール類シートに比し通気・通水
性がよく、竪ろうで長期間の使用耐用される。

因に、遠赤外線の特有作用を略記すれば、遠赤外線放射
物質は、数多く存在する。例えば、セラミックス系材、
カーボン系材、植物炭化物系材、金属酸化物系材、自然
石系材或いは、これ等の複合材その他人工的に創製され
た遠赤外線放射物質が存在する。

通常、太陽光、暖気により遠赤外線放射物質から放射さ
れる遠赤外線の放射波長は、その放射物質の量、放射面
積、熱量等により放射波長が異るものであるが、おおむ
ね４〜１４ミクロン（異状な場合を除く）程度の遠赤外
線が放射されているものである。動物、植物類の活性化
には、この程度の波長が適応し、これ以上の波長の投射
は、一部の細胞組織に対し有害であり、人体等に長波長
の遠赤外線を照射した場合、低温火傷現象を呈する事も
ある。

然して、赤外線の中でも、特に、長波長域に属する適応
した遠赤外線は、水分子を活性化すると共に、動植物類
の生体の細胞組織内に深達し、体内細胞組織を活性化す
る多大な有用性を発揮するものである。

水に対し、適応な手段で遠赤外線を照射した後観察、試
飲並びに諸試薬による活性化水の水質の検査結果は、塩
素、アンモニヤ類の有害物の短時間内の減少、消滅有害
菌の排除、水分子集団の縮少、弱アルカリ性化更に、防
微・酸化防止作用等の有用性の存在が解明されつつあ
り、未だ、未確認有効事由も存在する。

従って、本考案の植物類の包被用シートは、前記用途の
外、畳・ジュウタンの下敷に利用しダニ等の衛生害虫防
除、防菌作用を有する。天日乾燥用の布団袋、育毛用遠
赤外線放射キャップ等にも転用する事が出来る。

更には、建築材料、除雪材料、漁業材料、農業材料、畜
産材料として多岐に亘る用途を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の部分切断面図、第２図は、
他の実施例の部分切断面図、第３図、第４図並びに第５
図は、使用例の略示図である。 １…植物類の包被用シート ２…不織布 ３…遠赤外線放射微細粒子 ４…防水性フィルム ５…野菜畑 ６…採取野菜類（キャベツ）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】耐水性と通水性と通気性を有する合成樹脂
   不織布に塗着剤状又は浸漬剤状に遠赤外線放射微細粒子
   が付着され遠赤外線放射層が形成されてなる事を特徴と
   する植物類の包被用シート。