JPH0625342B2 - エレクトロクロミツク材料 - Google Patents

エレクトロクロミツク材料

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JPH0625342B2
JPH0625342B2 JP61122879A JP12287986A JPH0625342B2 JP H0625342 B2 JPH0625342 B2 JP H0625342B2 JP 61122879 A JP61122879 A JP 61122879A JP 12287986 A JP12287986 A JP 12287986A JP H0625342 B2 JPH0625342 B2 JP H0625342B2
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崇夫 加瀬
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01B1/06Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances
    • H01B1/12Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of other non-metallic substances organic substances
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、次式 (式中のR,R′は水素原子、低級アルキル基、または低
級アルコキシル基を示す)で表されるN,N,N′,N′−テ
トラフェニル-p-フェニレンジアミン構造をくり返し単
位とし、式中のA,Bの位置で互いに新規な結合する重合
体であるエレクトロクロミック材料に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来、導電性高分子を形成する重合体としてポリチオフ
ェン、ポリピロール等が知られており、これらの重合体
で電極基板上を被覆した重合体被覆電極はいずれも電気
化学的な酸化還元が可能であることから電池の電極とし
ての利用が可能であり、また酸化・還元にともなって色
が変化することからエレクトロクロミック物質として、
エレクトロクロミック表示素子(ECD)への応用が提案さ
れている。またこれ等の重合体は、電子受容体をドーピ
ングすることにより10-2〜10-3S/cm程度の高い電動度を
示し、導電性高分子材料として電磁波シールド材等の応
用が見込まれている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら従来のこのような重合体を主成分とするエ
レクトロクロミック材料或いは導電性高分子材料にあっ
ては、電解重合によって得られた状態で有機溶剤に不溶
であり、融解しないことから、成形加工性がきわめて悪
いものであった。
またこれらのエレクトロクロミック(EC)材料では、ポリ
チオフェンでは酸化状態で青色、還元状態で赤、ポリピ
ロールでは酸化状態で青紫、還元状態で黄色を呈するこ
とが報告されている(F.GA-RNIERらJ.Electroanal.Che
m.,148(1983)299〜303等)が、いずれも一段階の酸化・
還元にともなう2色の変化が基本となっている。このた
め反応の途中の電位で止めて中間の色調を得ようとして
も精密な電位のコントロールを行わないかぎり同一の色
調を再現性よく得ることは困難であった。
一方従来から提案されているEC素子は、少なくとも一方
が透光性である一対の電極を対向させ、エレクトロクロ
ミック物質膜を電極表面上に備え、電極を電解質に接触
させてなるもので、一方の電極にWO3、もう一方の電極
にプルシアンブルーといったように、別のエレクトロク
ロミック膜を備えた第1の型の素子が、あるいは本出願
人が提案しているようにプルシアンブルーのように還元
状態第1段階酸化状態第2段階酸化状態の3つの安
定状態をとる化合物を両方のエレクトロクロミック物質
膜とし、一方の電極で還元状態第1段階酸化状態、も
う一方で第1段階酸化状態第2段階酸化状態の反応を
させて使用する第2の型の素子の2通りが考えられる。
そして従来の上記第1の型の透過型EC素子にあっては、
素子製造初期において両EC層とも酸化状態にあるため、
両極間で電流を流し、着消色を行うためには、第1、第
2EC層以外の別の電極を用いて、製造直後にどちらか一
方のEC層を還元しなければならなかった。このため第16
図に8で示すような第3の補助電極を、例えば他孔性の
絶縁体9で被覆する如く設ける必要があった。尚第16図
において1は透明基板、2は透明電極、3は第1電極の
EC層、4は電解質、5はシール剤、7は第2電極のEC層
である。そこでその補助電極のため表示部分以外に大き
いスペースを必要とし、またEC層と補助電極間の溶液抵
抗を考えると電極基板の間隔を大きくとらなければなら
なかった。このため大きな素子では基板間隔を維持する
ために3mm以上の厚さを有するガラスを対向させて使用
する必要があり、また大きいスペーサは視覚上邪魔にな
り、このためポリトリフェニルアミン、Ir(OH)n、ポリ
チオフェンを用いて透過型ECDを作製していた。しかし
ポリトリフェニルアミンは繰り返し寿命が悪く、ポリチ
オフェンは前記の如く、加工性が悪いという問題点があ
った。
また第2の型の素子では2段階の安定な酸化・還元反応
をする化合物はほとんどなく、プルシアンブルでは水分
量が多くなると(20%以上)、耐久性が悪くなるという
問題点があり、適当な水分量にコントロールする必要が
あった。このため試作工程上、水分の蒸発等に十分注意
する必要があった。
更に他の型のECDの反射型ECDにおいては、その表示色は
表1のものがあり、これらの表示色に関しては(イ)プ
ルシアンブル、WO3等を表示極物質として用いた、単一
の吸収極大をもつものと、(ロ)希土類フタロシアニ
ン、ポリトリフェニルアミン等を表示極物質として用い
た、駆動電位にともなって、2つ以上の吸収極大をも
つ、すなわち多色表示が可能であるものがある。ここで
他の表示素子(液晶、発光ダイオード等)に対して、多
色表示が可能であることはECDの利点である。
しかしながら色素表示の可能な反射型ECDにあっては、
耐久性、コストの点で問題点があった。たとえば、ポリ
トリフェニルアミンは前記の如く繰り返し寿命が悪く、
〜104回であり、一方フタロシアニン系EC膜等では一段
階の酸化還元反応による色変化でるため(電子通信学会
技術研究報告CPM84-20)、途中の電位における色調を再
現性よく得て、表示色として用いるためには、駆動回路
のコストが増大するという問題点があった。
従って上述の諸問題点を解決するためにエレクトロクロ
ミック材料の探索がなされてきた。
(問題点を解決するための手段) この発明は、このような従来の問題点を解決するために
なされたもので、式(1)で表されるN,N,N′,N′−テト
ラフェニル-p-フェニレンジアミン構造単位をくり返し
単位とし、式(1)中のA,Bの位置で互いに結合する重合体
からなるエレクトロクロミック材料である。
(式中のR,R′は水素原子、低級アルキル基、または低
級アルコキシル基のいずれかを示す) 尚 が同じ物質であることは勿論である。
この発明の重合体は従来知られていない新規な重合体で
あり、例えば触媒としてニッケル化合物等を使用し、非
反応性溶媒中で次に示す反応式に従って作ることができ
る。
(上記式中のR,R′は水素原子、低級アルキル基または
低級アルコキシル基、Xはハロゲン原子示す) ここで、 は次式(3)で示すように より合成できる。
なおマグネシウムについては同じ非反応性溶媒中でカリ
ウムと塩化マグネシウムを反応させて次式に示すように
製造することもできる。
2K+MgCl2→Mg+2KCl この重合体の上記製造方法はグリニヤル試薬を中間状態
とした重合反応によるものであり、この反応はハロゲン
原子の置換位置において結合を生じる重合反応として知
られている。
上記反応に用いられる非反応性溶媒としては、エチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジブテルエーテル等があ
る。
また触媒としてはジクロロニッケル、ジブロモニッケ
ル、ジクロロ(2,2−ビピリジン)ニッケル、ジクロロ
(2,2−ビピリジン)パラジウム等がある。
(作用) この重合体は熱可塑性高分子としての種々の成形法によ
り加工することが可能であり、またクロロホルム、テト
ラヒドロフラン、ベンゼン等の有機溶媒に可溶であるた
めキャスト、デップコート、スピンコート等により成膜
でき成形加工性はきわめて良好となる。本発明の重合体
は、ヨウ素、五フッ化ヒ素、塩化アルミニウム、塩化第
二鉄の如き電子受容体をドーピングすることにより高い
電導度が得られ、導電性高分子とすることができ、空気
の存在下でも安定に電導度を保持する。また通常の導電
性高分子と同様半導体特性を利用した半導体素子への利
用も可能である。
更に、ヨウ素等の電子受容体のドーピング後、脱ドーピ
ングさせた場合有機溶剤はほとんど溶解しなくなる。
この性質を利用し、重合体を前記の有機溶剤に溶解さ
せ、キャスト、スピンコート、ディップコート等の方法
で電極上に被膜した後にヨウ素等をドーピングし、脱ド
ーピングさせることによって有機電解液中で使用可能な
重合体被膜電極を容易に作製することができる。
この重合体被膜電極は、電解液中でくり返しに対して安
定な2段階の酸化還元を行い還元状態第1段階酸化状
態第2段階酸化状態の3つの安定状態を持ったため、
2段階の反応電位を持つ電極活物質として利用可能であ
る。また、それぞれの状態で特有の紫外・可視吸収スペ
クトルを示し特有の色調を持ったため、エレクトロクロ
ミック材料として使用可能である。
例えば1モル/の過塩素酸リチウムを含むプロピレン
カーボネート電解液中で白金を対極とし、Ag/AgClを参
照電極とした測定においては0V〜0.4Vで還元状態であ
り、ごくうすい黄色、0.8V〜0.9Vで1段階酸化状態とな
り緑色、1.2V〜1.4Vで2段階酸化状態となり紺色となる
ことが吸収スペクトル測定より明らかとなった。色調は
それぞれの状態の電位範囲内でほぼ同一であり、0.1V程
度の範囲内で電位をコントロールすればほぼ同一の色調
を得られることになるため、エレクトロクロミック素子
への利用する場合に電気回路上のコストを下げることが
できる。なお中間の電位において、中間の色調を得るこ
とも可能である。
また、この高分子被膜電極において高分子層の膜厚を変
えることにより、色の濃淡を変えることができ、1000Å
程度の膜厚では3つの状態に対応し、視覚上およそ無色
黄緑紺の変化を示し、6000Åでは黄色緑濃紺の
変化となる。
上述のように式(1)の構造単位をくり返し単位として有
する重合体は、上記3つの安定な状態を有しそれぞれの
状態で色が変化するため、この重合体を両極のEC膜とし
て利用し、あるいはまた初期還元状態であることによ
り、還元状態であるEC材料として利用し、透過型ECD、
或いはまた反射型EC素子を形成するエレクトロクロミッ
ク材料として用いられる。
なお電解液としては、LClO4,LiBF4,LiPF6,KBF4,KPF
6,N(CH3)4ClO4,N(CH3)4BF4,N(C2H5)4ClN(C2H5)4BF4
等の支持塩を溶解したプロピレンカーボネート、アセト
ニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、水等の溶媒ある
いは混合溶媒が用いられる。
また高分子被膜電極の電極基板にはSnO2,In2O3の透明
電極Pt,Au,Ti等の金属の板、網、蒸着膜等が使用可能
である。
(実施例) 以下、この発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1 モノマーの合成 N,N′−ジフェニル-p-フェニレンジアミン26.0g(0.1モ
ル)、p-ヨードクロルベンゼン47.6g(0.2モル)、炭酸
カリウム27.6g(0.2モル)、ニトロベンゼン5m、銅粉
末1gをフラスコ中で24時間加熱還流した。反応終了
後、ニロトベンゼンを水蒸気蒸留により除去し、ベンゼ
ンにて再結晶し、N,N′−ビス-p-クロロフェニル-N,N′
−ジフェニル-p-フェニレンジアミンを得た。
収量19g、収率39%、融点204〜206℃。
高分子の合成 金属カリウム0.88g(0.022グラム原子量)、塩化マグネ
シウム1.05g(0.011モル)およびテトラヒドロフラン50m
を100mフラスコ中窒素雰囲気下で加熱還流し、反応
させた。約1時間後黒色の粉末を生じ金属マグネシウム
が生成したことを認めた。
次いで、次の式(II)で表わされるN,N′−ビス(p-クロロ
フェニル)-N,N′−ジフェニル-p-フェニレンジアミン
(融点204℃) 4.53g(0.01モル)を添加し約2時間加熱還流してグリニ
ヤル試薬とした。
次いで触媒としてジクロロビス(2,2′−ビピリジン)ニ
ッケル10mg(0.03ミリモル)を添加し、加熱還流すると
重合反応が円滑に始まった。反応を3時間行い、反応後
生成物をエタノール中に注入したところ、重合体はエタ
ノールに不溶なため黄白色の粉末として粗製物が得られ
た。この粗製物を希塩酸、およびエタノールにて十分に
洗浄し不純物の大部分を除去し、クロロホルムに溶解さ
せた所、わずかに白濁を生じて溶解した。これを慮別し
白濁が無機物であることを確認するとともに均一な重合
体溶液を得た。
溶媒を蒸発させ乾燥した後の重合体の収量は3.8gであっ
た。生成した重合体は黄白色で200℃付近で軟化しクロ
ロホルムの他、ベンゼン,トルエン,テトラヒドロフラ
ンに容易に溶解し、熱エタノール、熱アセトンにわずか
に溶解し、水、エタノール、メタノールには溶解が認め
られなかった。
重合体の元素分析値は、 炭素(C)84.6%,水素(H)5.30%,窒素(N)6.58%,塩素
(Cl)3.2%であり、 理論式(C24H22N2)nより求められる値 炭素(C)87%、水素(H)5.36%、窒素(N)6.82%に近いも
のであった。塩素(Cl)は未反応の末端に残っているもの
と考えられる。
上記重合体のゲル拡散クロマトグラフ法による分子量分
布の測定結果を第4図に示す。この際用いた溶媒はクロ
ロホルム、検出器は紫外線の吸光度を測る方式によっ
た。分子量はポリスチレン換算である。これより重量平
均分子量8,300、数平均分子量2,700と算出した。
また重合体の赤外分光スペクトルを第5図にN,N,N′,
N′−テトラフェニル-p-フェニレンジアミンの赤外吸収
スペクトルを第6図に示す。
1590cm-1,1490cm-1,1310cm-1,1260cm-1はよく一致し
ており、820cm-1のパラ置換ベンゼンの吸収が増してい
ることからN,N,N′,N′−テトラフェニル-p-フェニレン
ジアミンをくり返し単位とする重合体であることがわか
る。
実施例2 実施例1で得た重合体をクロロホルムに溶解し、このク
ロロホルム溶液をガラス基板上にスピンコーティングし
膜厚3000Åの薄膜試料を作成した。この試料を室温にて
15時間ヨウ素飽和蒸気に晒しドーピングした。この時の
電導度を2端子法にて測定した結果0.05S/cmの高電導度
を得た。なお空気の存在下でヨウ素飽和蒸気に晒した場
合も同じ電導度となった。
実施例3 実施例2と同様の手法で得た膜厚1000Åの薄膜を100℃
でヨウ素飽和蒸気に晒し、トーピングした後、高真空下
で脱ドーピングした。
脱ドーピング後の試料をクロロホルム、ベンゼン、トル
エン、テトラヒドロフラン、クロルベンゼン等の溶剤に
浸せきしたが、溶解は認められなかった。不溶化した重
合体の赤外吸収スペクトルは第7図に示すようになり、
わずかにp置換ベンゼンの吸収が増していることから、
ベンゼン環のp位で若干の架橋がおこったと考えられ
る。
実施例4 実施例1で得られた重合体をクロロホルムに溶解し、こ
のクロロホルム溶液を透明導電ガラス基板上にスピンコ
ーティングし、100℃で2時間ヨウ素飽和蒸気に晒しド
ーピングした後、高真空下で脱ドーピングして有機電解
質溶液に不溶とし、膜厚1100Åのエレクトロミック膜と
した。これを切出し2枚の同じ大きさ、膜厚のエレクト
ロクロミック電極とした。
これ等の2枚のエレクトロクロミック電極を1モル/
のLiClO4を含むプロピレンカーボネート電解液中でAg/A
gClを参照電極とし、白金を対極としてそれぞれ駆動さ
せた。重合体被覆電極のサイクリックボルタモグラムは
2枚とも同じで第8図に示すような特性を示した。掃引
速度は10m/secである。
第8図より2段階の酸化還元反応であることがわかる。
この時色は0V〜0.4V(vsAg/AgCl)で還元状態となり、
ほぼ無色、0.8V〜0.9V(vsAg/AgCl)で1段階酸化状態と
なり黄緑色、1.2V〜1.4V(vsAg/AgCl)で2段階酸化状態
となり紺色を呈した。この電位範囲内で色調はほとんど
変化なかった。また途中の電位では中間の色調となっ
た。なお電気はいずれもAg/AgClを参照電極とした場合
の値である。なお、酸化還元の電気量は0.3V〜0.75Vの
第1段階の反応で約1.89mC/cm2、0.75V〜1.3Vの第2段
階の反応で約1.91mC/cm2でほぼ同一である。
次いで両方のエレクトロミック電極とも第1段酸化状態
の0.85Vで駆動を止め、その状態でN2雰囲気中で電解液
より取り出し、両方のエレクトロクロミック電極を一定
間隔になる様に向かい合わせ1モル(1のLiClO4を含
むプロピレインカーボネートを充填し、第1図に示すエ
レクトロクロミック表示素子)を作製した。第1図にお
いて1は透明ガラス基板、2は透明電極、3はエレクト
ロクロミック物質膜、4は電解液、5は封止剤、6はス
ペーサーである。
セルを作製した時点では両極とも第1段酸化状態で素子
は黄緑色を示した。
次いで両極間に0.8Vの電圧を加えると一方は還元状態、
他方は第2段酸化状態となり全体で青色を呈した。
また、電圧を加える場合どちらを正にしても同じであっ
た。さらに短絡することにより黄緑色にもどった。この
ときの吸収スペクトルの変化は第9図のようである。
両電極間の電位を0V,0.8Vに換えた矩形波駆動させ
た時103回くり返した後も特性はほとんど変化しなかっ
た。
実施例5 実施例4と同様の手法で作製した膜厚約6000Åの重合体
被覆電極において1モル/のLiClO4を含むプロピレン
カーボネート電解液中で、白金を対極とし、Ag/AgClを
参照電極として電位と色調の関係を調べた。この時0V
〜0.4Vでうすい黄色、0.8V〜0.9Vで緑、1.2〜1.4Vで濃
紺となった。また途中の電位では中間の色調を示した。
実施例6 実施例4と同様の手法で作製した膜厚1100Åの重合体被
覆電極を1モル/のLiClO4を含むプロピレンカーボネ
ート電解液中で、Ag/AgClを参照電極とし、白金を対極
として電位を一定に保って測定した紫外、可視、近赤外
吸収スペクトルは第10図のようになった。スペクトルよ
り0.3Vでうすい黄色、0.85Vで緑、1.2Vで紺であること
があきらがである。
また膜厚6000Åの重合体被覆電極においてもスペクトル
は同様の特徴を示した。
実施例7 実施例4と同様の手法で作製した膜厚約1100Åの重合体
被覆電極を1モル/のLiClO4を含むプロピレンカーボ
ネート電解液中で、Ag/AgClを参照電極とし、白金を対
極として0.3Vで3秒、1.2Vで3秒の矩形波駆動を行っ
た。5000回の掃引後、反応電気量は初期(10回後)に対
して約95%であり、色調の変化も初期とほとんど同じで
あった。
参考例1 N,N,N′,N′−テトラフェニル-p-フェニレンジ
アミンを1モルの過塩素酸リチウムを含むプロピレンカ
ーボネート電解液に飽和温度で溶解させ、作用極として
白金、対極として白金、参照電極としてAg/AgClを用い
た場合のサイクリックボルタモグラムを第11図に示す。
約0.58Vと1.07Vに酸化還元電気を持つ2電子酸化還元反
応であることがわかる。重合体と比較して極めて類似し
ていることから、重合体がくり返し単位あたり2電子の
酸化・還元反応をしていることが推定される。
実施例8 実施例1で得られた重合体を用い実施例4と同様の手法
で作製した膜厚6000Åの重合体被覆電極を第1の電極と
し、透明電極基板上に酸化タングステン(WO3)を真空蒸
着法を用いて6000Åの膜厚に形成したものを第2の電極
とした。これ等の透明電極基板を40μmのガラス玉を用
い一定間隔になるように向かい合わせ周囲をエポキシ系
接着剤によりシールした空間に1モル/のLiClO4を溶
解させたプロピレンカーボネートを充填し、第2図に示
す透過型エレクトロクロミック表示素子を作製した。第
2図において1は透明ガラス基板、2は透明電極、3は
第1電極のEC層、4は電解質、5はシール剤、6はス
ペーサー、7はWO3膜である。この様にして作製した透
過型EC素子の特性を測定した。
WO3電極に対する重合体膜電極の電圧を掃引した場合の
電流の大きさを第12図に示す。これより2極間に着色に
は最大1.8V、消色には最低0Vの電圧を印加すればよいこ
とが分かる。
またこの際の透過率と印加電圧の関係を第13図に示す。
第13図より透過率は10%〜80%と良好な調光性能を示し
た。またこのときの吸収スペクトルを第14図に示す。
また第2電極のEC膜はWO3の他に遷移金属酸化物とし
てMoO3,Nb2O5,Cr2O5,Ta2O5,TiO2,Fe2O3,AgOを用いるこ
とができ、第1電極の重合体膜の厚さは、6000Åより厚
くすればより硬度の調光性能が発揮される。
更に第1電極のEC層がEC素子製造初期に還元状態に
あるので前記第16図に示すEC素子に比し、補助電極は
不要となる。
実施例9 第3図に示す反射型エレクトロクロミック表示素子を作
製するためガラス基板より成る前面基板1の透明電極2
上に表示パターン部と電極リード取出し部を除いて絶縁
膜MgF2(800Å)10を真空蒸着法で製膜した。次に実施例
1で得た重合体をクロロホルムに溶解し、スピンコート
法で製膜(2000Å)した後100℃においてヨウ素をドーピ
ングし、不溶化を行った。高真空下でヨウ素の脱ドーピ
ングお行い、表示極3を得た。一方、対向電極12とし
て、カーボン繊維にプルシアンブルを背面ガラス基板13
上に3000Å電着した(特公昭59-43071号公報参照)。背
景板11として多孔質アルミナ基板、シール剤6としてエ
ポキシ樹脂を用いて上記表示素子のセルを作製した。こ
のセルに1モル/LiClO4+プロピレンカーボネートを
電解質4を注入口14から注入し、封止剤のエポキシ樹脂
5で封止し表示素子を作製した。
表示素子の繰返し駆動耐久性を第15図に示す。図面から
明らかなように105回後も安定であった。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明のエレクトロクロミッ
ク材料は式1で表わされるN,N,N′,N′−テトラ
フェニル-p-フェニレンジアミン構造をくり返し単位と
して或る重合体からなり、該重合体が熱可塑性高分子と
して種々の成形法により加工することが可能であり、ク
ロロホルム、テトラヒドロフラン、ベンゼン等の有機溶
媒に可溶であるため成形加工性が極めて良好である。更
に重合体は電子受容体をドーピングすることにより、高
い電導度を有する導電性高分子とすることができ、空気
の存在下でも安定に電導度を保持し、また通常の導電性
高分子と同様半導体特性を利用した半導体素子への利用
も可能である。
更に重合体は還元状態 第一段酸化状態 第二段酸化状
態の3つの安定な状態を有し、それぞれの状態で色が変
化することを利用し、ECDの両極のエレクトロクロミ
ック層の形成材料として、またECD製造初期に還元状
態であるを利用し、透過率を変化させる透過型ECD用
の一方の電極のエレクトロクロミック層形成材料として
或いは、重合体のスペクトルから黄〜黄緑〜紺の多色表
示が可能であることから反射型ECD用表示電極の形成
材料として用いられ、コストの低減および耐久性等の改
善を図れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例4の透過型エレクトロクロミック表示素
子の断面図、 第2図は実施例8の透過型エレクトロクロミック表示素
子の断面図、 第3図は実施例9の反射型エレクトロクロミック表示素
子の断面図、 第4図は実施例1で得た重合体のゲル拡散クロマトグラ
フ法による分子量分布の測定結果を示す曲線図、 第5図は、実施例1で得た重合体の赤外吸収スペクトル
線図、 第6図はN,N,N′,N′−テトラフェニル-p-フェ
ニレンジアミンの赤外吸収スペクトル線図、 第7図は実施例3で不溶化処理した後の重合体の赤外吸
収スペクトル線図、 第8図は実施例4で得た重合体被覆電極のサイクリック
ボルタモグラム線図、 第9図は第1図の表示素子の吸収スペクトルの変化を示
す曲線図、 第10図は実施例6で得た重合体被覆電極において電位を
変えた場合の紫外、可視、近赤外吸収スペクトル線図、 第11図はN,N,N′,N′−テトラフェニル-p-フェ
ニレンジアミンのサイクリックボルタモグラム線図、 第12図は第2図の表示素子のWO3電極に対する高分子膜
電極の電圧を掃引した場合の電流の大きさを示す線図、 第13図は第2図の表示素子の印加電圧に対する透過率を
示す線図、 第14図は第2図の表示素子の各印加電圧における吸収ス
ペクトル線図、 第15図は第3図の表示素子の駆動耐久性を示す線図、 第16図は従来の一例透過型エレクトロクロミック表示素
子の断面図である。 1……透明基板(または前面基板) 2……透明電極 3……第1電極のEC層(または表示板) 4……電解液(または電解質) 5……シール剤または封止剤 6……スペーサー 7……第2電極のEC層(またはWO3膜) 8……補助電極、9……多孔性絶縁体 10……絶縁膜、11……背景板 12……対向電極、13……背面基板 14……注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加瀬 崇夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 吉本 照子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式 (式中のR,R′は水素原子、低級アルキル基、または低
    級アルコキシル基を示す)で表される構造単位をくり返
    し単位とし、式中のA,Bの位置で互いに結合する重合体
    からなるエレクトロクロミック材料。
JP61122879A 1986-05-28 1986-05-28 エレクトロクロミツク材料 Expired - Lifetime JPH0625342B2 (ja)

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