JPH0625270Y2 - 多針ミシンの糸切れ検出装置 - Google Patents

多針ミシンの糸切れ検出装置

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JPH0625270Y2
JPH0625270Y2 JP1990019312U JP1931290U JPH0625270Y2 JP H0625270 Y2 JPH0625270 Y2 JP H0625270Y2 JP 1990019312 U JP1990019312 U JP 1990019312U JP 1931290 U JP1931290 U JP 1931290U JP H0625270 Y2 JPH0625270 Y2 JP H0625270Y2
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needle
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正明 横江
義和 黒野
浩二 林
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、複数の上糸を任意に交換して刺しゅう等の
縫製を行い得るようにした多針ミシンに係り、特に、縫
製中に上糸の糸切れを検知するための多針ミシンの糸切
れ検出装置に関する。
[従来技術] 従来、多針ミシンの糸切れ検出装置としては、針に担持
される上糸を2枚の調子皿により挾圧するタイプの糸調
子器が各針毎にミシンアームに固定されるとともに、そ
の糸調子器と一体に設けられた糸取りばねの位置を検出
する検知器が、各糸調子器に対応してミシンアームにそ
れぞれ固定されたものがある。
糸取りばねは、天秤と糸調子器との間の上糸に係合して
休止位置と作用位置との間を移動可能且つ常には休止位
置にばね付勢されており、天秤の上下動に伴なう上糸の
緊張により付勢力に抗して作用位置に移動され、上糸の
弛緩により付勢力により休止位置に向けて移動されて上
糸のたるみを吸収することはよく知られている。縫製中
に上糸が切れてしまうと、糸取りばねは休止位置に静止
したままの状態となり、前記した検知器はこの休止位置
に糸取りばねが位置することを検知するものである。
[考案が解決しようとする課題] 前述の従来の糸切れ検出装置は、糸取りばねが休止位置
に位置することを検出するための検知器を、各針に担持
された上糸の各々に対してミシンアームに固定したもの
である。一方、多針ミシンは、多数の針のうちの1つの
針を選択使用するものである。このため、糸切れを検知
するためには、縫製作業を行なうに際し、多数の針の中
から1つ選択された針に対応する検知器からの信号のみ
を選択する選択回路が必要となる。
従って、従来においては、多針ミシンの針(針棒)の数
と同数の検知器と前記選択回路とが必要となるので、部
品点数が多く、高価となってしまうという問題点が存在
する。
然るに、本考案は、多針ミシンに好適に使用し得、構成
が簡単で安価に製作し得る多針ミシンの糸切れ検出装置
を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本考案においては、ミシンア
ームの端部に横移動可能に支承された針棒支持ケース
と、その針棒支持ケースに上下動可能に列設支持され、
下端にそれぞれ針を有する複数の針棒と、その各針棒と
それぞれ対応するように前記針棒支持ケースに上下動可
能に支持され、針の目孔に至る上糸を針の上下動と同期
して取上げるための複数の天秤と、その各天秤とそれぞ
れ対応して設けられ、天秤に至る上糸にそれぞれ張力を
付与するための複数の糸調子器と、前記各針棒とそれぞ
れ対応するように前記針棒支持ケースに支持され、前記
天秤と糸調子器との間の上糸に係合するとともに、休止
位置と作用位置との間で移動可能且つ常に休止位置に付
勢された複数の糸取りばねとを備えた多針ミシンにおい
て、前記各糸取りばねに、それぞれ前後方向及び上下方
向の共通する同一位置においてそれぞれ前記作用位置と
休止位置との間の移動に連動して横方向の一平面内で変
位する検出片を設け、前記ミシンアームには、前記休止
位置に変位した前記検出片と同一高さであってその検出
片と前後方向に所定間隔離間した位置に固定配置され、
且つ前記針棒支持ケースの横移動に伴ない、前記糸取り
ばねのうちの1つと対応するとともに、対応した糸取り
ばねの休止位置の検出片を対向検知して糸切れ信号を発
生する単一のセンサーを設けたものである。
[作用] 以上の構成を有する本考案の多針ミシンの糸切れ検出装
置によれば、針棒選択のために針棒支持ケースが横移動
されると、前後方向及び上下方向の共通の同一位置にお
いて横方向に変位可能な各糸取りばねが単一のセンサー
に順次対応する。そして、選択された針棒に対応する1
つの糸取りばねが糸切れ等によって休止位置に移動する
のに伴なって、その検出片が横方向の一平面内で変位し
て前記単一のセンサーに対向し、そのセンサーは検出片
を検知して糸切れ信号を発生する。
[実施例] 以下、この考案を具体化した多針ミシンの一実施例を、
図面に従って詳細に説明する。
第1〜3図から明らかなように、このミシンのフレーム
1は、ベッド2と、そのベッド2上に立設された脚柱部
3と、その脚柱部3より横方向に延びるアーム4とから
構成されている。アーム4内には水平方向に延びるミシ
ン主軸5が軸受6を介して回転可能に支持され、その後
端部にはハンドプーリ7がアーム4外に露出した状態で
固定されている。アーム4内の後端部にはミシン駆動モ
ータ8が装置され、このモータ8により一対のギヤ9,
10を介してミシン主軸5が回転駆動される。なお、こ
の明細書では、第1〜3図等に示す左側をミシンの前部
とし、右側をミシンの後部として説明する。
第3図に示すように、前記脚注部3内には上下方向に延
びる伝達軸11が軸受12を介して回転可能に支持さ
れ、ミシン主軸5の回転に伴い一対のベベルギヤ13,
14を介して回転される。前記ベッド2内には水平方向
に延びる釜駆動軸15が回転可能に支持され、伝達軸1
1の回転に伴い一対のベベルギヤ16,17を介して回
転される。そして、この釜駆動軸15の回転により図示
しない糸輪捕捉器が回転駆動されて、上糸のループが捕
捉されるようになっている。
なお、図示しないが前記ハンドプーリ7とアーム4との
間にはミシン主軸5の回転位置を検出するための検出器
が設けられており、その検出器に接続された制御手段の
作用により、ミシン主軸5を常に所定の回転位置で停止
できるようになっている。
第1図及び第4図に示すように、前記アーム4内の前端
部には上下方向へ平行に延びる第1及び第2の回転軸2
1,22が上下各一対の軸受23を介してそれぞれ回転
可能に支持され、第1の回転軸21の上下両端には駆動
ギヤとしてのピニオン24がそれぞれ固定されている。
両回転軸21,22には駆動手段を構成する下部昇降体
25がその両端の筒状部26において上下動可能に嵌挿
支持されている。又、その下部昇降体25の上方におい
て両回転軸21,22には上部昇降体27がその両端の
筒状部28において上下動可能に嵌挿支持されている。
第1図,第5図,第6図及び第7図に示すように、前記
ミシン主軸5の前端にはクランクアーム29が固定さ
れ、その先端前面にはクランクロッド30がクランクピ
ン31を介して回動可能に取着されている。前記下部昇
降体25の後面には連結ピン32が突設され、クランク
ロッド30の先端に回動可能に連結されている。そし
て、ミシン主軸5の回転に伴いこのクランクアーム29
等からなるクランク機構の作用により、下部昇降体25
が両回転軸21,22に沿って上下動されるようになっ
ている。
第1図,第4図,第5図及び第7図に示すように、前記
ミシン主軸5の左側近傍においてアーム4内には作動軸
33が回転可能に支持され、ミシン主軸5の回転に伴い
ギヤ34,35,36を介して回転駆動される。作動軸
33の前端にはクランクアーム37が固定され、その先
端にはクランクロッド38がクランクピン39を介して
回動可能に取着されている。アーム4内には支持アーム
40が段付きねじ41により回動可能に支持され、その
先端がピン42を介してクランクロッド38の中間部に
回動可能に連結されている。クランクロッド38の先端
前面には係合ピン43が取付板44を介して突設され、
前記上部昇降体27の後面に形成された横溝45に摺動
可能に係合されている。そして、前記ミシン主軸5によ
る作動軸33に回転に伴い、クランクアーム37等から
なるクランク機構及び支持アーム40の作用により、上
部昇降体27が両回転軸21,22に沿って前記下部昇
降体25とは異なるタイミングで上下動されるようにな
っている。
第1図,第9図,第11図及び第14図に示すように、
前記アーム4の前端開口部には複数の板材よりなる蓋板
51が固定され、その上下両端縁の後部には段差状の係
合部52が形成されている。蓋板51の前面には針棒支
持ケース53が配置され、その後面の上下両端縁にはガ
イド部材54がそれぞれ固定されている。そして、これ
らのガイド部材54が前記蓋板51の上下両係合部52
に摺動可能に係合することにより、針棒支持ケース53
がアーム4の前端部に左右方向へ横移動可能に支承され
ている。
第1図,第4図及び第8図に示すように、前記アーム4
の前端上面には正逆回転可能な切替作動モータ55がブ
ラケット56を介して取り付けられ、このモータ55の
回転に伴いギヤ57,58,59及び前記第1の回転軸
21の上端のピニオン24を介して第1の回転軸21が
回転駆動されるようになっている。第1図、第14図及
び第16図に示すように、前記針棒支持ケース53の上
下両端縁の後部には従動ギヤとしてのラック60がそれ
ぞれ固定され、第1の回転軸21の上下両端のピニオン
24にそれぞれ噛合されている。そして、前記切替作動
モータ55、第1の回転軸21、ピニオン24及びラッ
ク60等により針棒支持ケース53を横移動させるため
の作動手段が構成され、切替作動モータ55による第1
の回転軸21の正逆いずれかへの回転に伴い、両ピニオ
ン24及びラック60を介して針棒支持ケース53が左
右いずれかへ横移動されるようになっている。
第1図及び第11図に示すように、前記上下両昇降体2
7,25の中央部前方において蓋板51には上下方向へ
延びる嵌合溝61が形成されている。その嵌合溝61と
交差して左右方向へ平行に延びるように、蓋板51には
下部ガイド溝62及び上部ガイド溝63が形成され、下
部ガイド溝62の嵌合溝61と交差する両側部には嵌合
溝61側へ下降するカム部64が形成されている。下部
ガイド溝62の両端から左右方向へ水平に延びるよう
に、アーム4の両側部には側面形ほぼL字状のガイド板
65が突出固定されている。嵌合溝61に上下動可能に
嵌合するように、下部昇降体25及び上部昇降体27の
前面中央部には上下一対の突片よりなる連結体66,6
7がそれぞれ突設され、それらの連結体66,67の上
下両突片間の間隔が前記各ガイド溝62,63の幅とほ
ぼ同一になっている。
第1図,第8図及び第10図に示すように、前記針棒支
持ケース53の上下両枠部間には上下方向へ平行に延び
る複数本の針棒71がカラー72を介して上下動可能に
支持され、この実施例では6本の針棒71が等間隔をお
いて配列されている。各針棒71の下端には針73がそ
れぞれ取付けられ、それらの下部には目孔74が設けら
れている。そして、前記針棒支持ケース53の横移動に
伴い、各針73が1つずつ前記ベッド2上の針板75の
針孔76を介して前記糸輪捕捉器に順次相対し、それら
の相対位置において針棒71の上下動により、針73と
糸輪捕捉器との協働作用でベッド2上の加工布に縫目が
形成されるようになっている。
第1図,第4図,第6図に及び第11図に示すように、
前記各針棒71の上下ほぼ中間部には針棒抱き77がそ
れぞれ固定され、その後面には連結ピン78が突設され
るとともに、左側部には係合ピン79が設けられてい
る。そして、この実施例では前記連結体66と連結ピン
78とにより、針棒71と下部昇降体25とを連結する
ための連結手段が構成され、前記針棒支持ケース53の
横移動に伴い、各連結ピン78が前記蓋板51上の下部
ガイド溝62内で摺動案内されてカム部64の作用によ
り連結体66の上下両突片間に進入し、この状態で1つ
の針棒71が下部昇降体25に連結されてその下部昇降
体25とともに上下動されるようになっている。なお、
このミシンの停止時には、下部昇降体25がその上下動
範囲の上端にて停止されるとともに、上部昇降体27が
その上下動範囲のほぼ中間部で停止されるように構成さ
れ、その停止状態において第11図に示すように、下部
及び上部昇降体25,27上の連結体66,67が前記
嵌合溝61と下部及び上部ガイド溝62,63との交差
部に配置されるようになっている。
第1図,第10図,第14図及び第16図に示すよう
に、前記各針棒71には板材よりなる布押え80が上下
一対のカラー81を介して上下方向へ相対移動可能に支
持され、それらの上端が長孔82を介してねじ83によ
り針棒抱き77の前面にそれぞれ連結されるとともに、
下端には加工布を上方から押圧するための押え足84が
形成されている。各布押え80と針棒抱き77との間に
は押えばね85がそれぞれ設けられ、布押え80を下方
に向かって移動付勢している。そして、第1図及び第1
4図に実線で示すように針棒71が上方位置に配置され
ている時には、前記長孔82の上端とねじ83との係合
により押えばね85による布押え80の下方移動が規制
されて、押え足84が針73の先端とほぼ同じ高さ位置
に配置され、この状態から針棒71及び布押え80が一
体的に下降されて、第1図及び第14図に鎖線で示すよ
うに押え足84が加工布の上面を押圧した後には、針棒
71がさらに下降されても布押え80は押えばね85の
作用に抗してその位置に保持されるようになっている。
第1図,第4図,第7図,第10図及び第11図に示す
ように、前記針棒抱き77の上方において各針棒71に
は天秤86が筒状部87において各針棒71には天秤8
6が筒状部87においてそれぞれ上下方向へ相対移動可
能に挿嵌支持され、針棒支持ケース53の前面の縦溝8
8を通って前部外方に突出する前端部には糸挿通孔89
がそれぞれ形成されるとともに、後面には連結ピン90
がそれぞれ突設されている。そして、前記針棒支持ケー
ス53の横移動に伴い、各連結ピン90が前記蓋板51
上の上部ガイド溝63内で摺動案内されて、1つの針棒
71が縫製位置に配置された時、その針棒71に対応す
る天秤86上の連結ピン90が上部昇降体27前面の連
結体67の上下両突片間に進入し、この状態で天秤86
が下部昇降体27に連結されてその下部昇降体27とと
もに上下動されるようになっている。
第7図、第10図、第12図及び第13図(a),
(b)に示すように、前記各針棒71に対応して針棒支
持ケース53の後壁内面には板ばねよりなる保持部材9
1がねじ92によりそれぞれ固定されている。各保持部
材91の下端には前記各針棒抱き77上の係合ピン79
に弾性係合可能な係合部93が形成され、一側には天秤
86に下方から係合可能な保持部94が切欠溝95を介
して分割形成されている。そして、針棒71が縫製のた
めの上下動範囲内に位置している時には、第13図
(a)に示すように前記針棒抱き77上の係合ピン79
及び天秤86が保持部材91の係合部93及び保持部9
4の下方に位置している。又、前記下部ガイド溝62の
カム部64及び各保持部材91等により針棒退避手段が
構成され、前記針棒支持ケース53の横移動に伴いカム
部64の作用にて針棒71が上下動範囲より上方の休止
位置に退避移動された時には、第10図及び第13図
(b)に示すように前記係合ピン79が保持部材91の
係合部93に係合して、下部昇降体25との連結から解
除されたすべての針棒71が休止位置に弾性的に保持さ
れるとともに、係合ピン79と係合部93との係合によ
り保持部94が右側方に撓曲して天秤86に下方から相
対係合し、その天秤86を所定の高さ位置に保持するよ
うになっている。
第1図,第4図及び第8図に示すように、前記針棒支持
ケース53の上枠上面には検出板101が固定され、そ
の後端縁には各針棒71にそれぞれ対応する6個の縫製
位置検出用の凹溝102と、いずれの針棒71にも対応
しない1個の非縫製位置に検出用の凹溝103とが形成
されている。検出板101の後端縁に相対するように、
アーム4の上面には位置検出用の光電センサ104が取
付板105を介して取着され、検出板101上の凹溝1
02,103を検出して前記切替作動モータ55の作動
を制御するための作動信号を出力する。
前記検出板101の上方において針棒支持ケース53の
左右両端部には一対の規制板106,107が固定さ
れ、左方の規制板106の後端上部には第4図に鎖線で
示すような係合突部108が形成されている。両規制板
106,107間に位置するように、前記切替作動モー
タ55用のブラケット56の下面には一対のストッパ1
09,110が取付けられ、針棒支持ケース53がその
移動範囲の左右両端に位置した時、このストッパ10
9,110が前記規制板106,107に係合して、針
棒支持ケース53のアーム4上からの脱落を防止してい
る。前記光電センサ104の上方においてブラケット5
6の上面にはリミットスイッチ111が取付板112を
介して取付けられ、すべての針棒71が駆動手段として
の下部昇降体25に相対しない右端の非縫製位置に針棒
支持ケース53が移動された時、前記規制板106上の
係合突部108との係合によりこのリミットスイッチ1
11から位置確認信号が出力される。
第4図、第8図及び第9図に示すように、前記針棒支持
ケース53の後壁には検出板101上の凹溝102,1
03にそれぞれ対応して7個の位置決め孔113が形成
されている。その位置決め孔113に択一的に係合する
ように、前記光電センサ104の下方においてアーム4
には1本の位置決めピン114が前後動可能に支持さ
れ、ばね115の作用により前方に向かって移動付勢さ
れている。アーム4内にはソレノイド116が取付板1
17を介して配設され、そのアーマチャ118が前記位
置決めピン114の後端に連結されている。そして、常
には前記ばね115の作用により位置決めピン114が
位置決め孔113の1つに係合して、針棒支持ケース5
3が右端の非縫製位置又はその左側の6つの縫製位置の
いずれがに位置決め保持され、針棒支持ケース53の移
動時には、前記ソレノイド116の作動により位置決め
ピン114がばね115の作用に抗して後方に移動され
て、位置決め孔113から離脱されるようになってい
る。
第1図、第2図、第8図及び第10図に示すように、前
記アーム4の上面には平板状の糸立て台121がアーム
4の長手方向のほぼ全長にわたり左右両側に張り出して
固定され、その上面には上糸ボビンYBを支持するため
の複数本(実施例では9本)の糸立て棒122が所定間
隔をおい立設されている。アーム4の上面後端には支柱
123が立設配置され、その上端にはアーム4の前端側
に延びる2本の糸ガイド棒124が取着されている。各
糸ガイド棒124の先端には複数個の糸ガイド孔125
が所定間隔をおいて形成され、前記各上糸ボビンYBか
ら繰り出される上糸Yを針棒支持ケース53側へ各別に
案内されるようになっている。
前記針棒71と対応するように、針棒支持ケース53の
前部上端には各6個の糸ガイド126及び副糸調子器1
27が取付けられている。各副糸調子器127は一対の
糸調子皿128及び糸調子ばね129等を備え、前記各
上糸ボビンYBから糸ガイド棒124上の糸ガイド孔1
25を介して繰り出される上糸Yに所要の張力を付与す
るようになっている。各副糸調子器127の下方におい
てそれらと格別に対応するように、針棒支持ケース53
の前面には各6個の主糸調子器130、糸取りばね13
1及び糸ガイド132が配設され、又、前記各天秤86
の下部側方においてそれらと各別に対応するように、針
棒支持ケース53の前面には6個の糸ガイド133が取
付けられている。各主糸調子器130は、本考案の糸調
子器を構成するものであって、一対の糸調子皿134及
び糸調子ばね135等を備え、各副糸調子器127から
天秤86の糸挿通孔89に至る上糸Yに所要の張力を付
与するようになっている。さらに、針棒支持ケース53
の前面下端には糸案内孔137を有する6個の主案内体
136が突出固定され、各天秤86の糸挿通孔89から
の上糸Yを針73の目孔74に案内するようになってい
る。
第1図、第10図、第14図、第15図及び第16図に
示すように、前記各針73の後方において針棒支持ケー
ス53の下部には側面形ほぼL字状の取付枠141が設
けられ、その前縁には各針73に対応して6個のストッ
パ142が上方に向かって折曲形成されている。取付枠
141の後面には側面形ほぼL字状の支持板143が取
付けられ、その水平板部が取付枠141の水平板部の下
方に所定間隔をおいて配置されている。
前記各針73とそれぞれ対応するように、取付枠141
及び支持板143の水平板部間には線材よりなる6個の
糸払い体144が上下動可能及び回動可能に貫通支持さ
れている。各糸払い体144の下端には針73の目孔7
4から下方に延びる上糸Yを払除可能な払除片145が
折曲形成され、それらの先端には糸案内部145a及び
糸保持部145bが設けられている。各糸払い体144
の上端には横方向に延びる作動片146が折曲形成され
るとともに、それらの先端には係合片147が折曲形成
されている。
前記各糸払い体144の上下ほぼ中間部には支持ブロッ
ク148がそれぞれ嵌合固定され、この支持ブロック1
48が支持板143の水平板部上面に係合することによ
り糸払い体144の下方移動が規制されている。支持板
143の水平板部と各支持ブロック148との間にはコ
イルばね149がそれぞれ介装され、それらの上下両端
が前記両部材143,148に固定されていて、各糸払
い体144に対し第16図の時計方向への回動力及び下
方への移動力が付与されている。それにより、各糸払い
体144は常には第16図に示すように、前記係合片1
47と取付板141上のストッパ142との係合にて、
払除片145が針73の上下動通路の右側方に回動配置
された側方休止位置に保持され、又、特に縫製位置の針
棒71と対応する1つの糸払い体144については、第
1図、第10図、第14図及び第15図に示すように、
前記支持ブロック148と支持板143との係合にて下
方の糸払い作動位置に移動配置され、その払除片145
が上方位置の針73の下端近傍の高さ位置に配置されて
いる。
第1図、第14図、第15図及び第16図に示すよう
に、前記各布押え80の後面には係合突起150がそれ
ぞれ突出形成され、各糸払い体144の係合片147に
下方から係合可能に相対している。そして、この実施例
では、第11図に示す前記下部ガイド溝62中のカム部
64及び伝達部材としての前記各布押え80等により糸
払い退避手段が構成され、前述したように針棒支持ケー
ス53の横移動に伴い下部昇降体25との連結から解除
された針棒71がカム部64の作用により縫製のための
上下動範囲より上方の休止位置に移動された後、第10
図に示すように保持部材91との係合によりその休止位
置に保持される時、前記針棒71の上方移動に伴う布押
え80の上昇により係合突起150が係合片147に下
方から係合して、第10図及び第15図の右側部及び第
14図に鎖線で示すように、糸払い体144が前記糸払
い作動位置から上方の退避位置に移動配置されるように
なっている。
第1図及び第8図に示すように、前記アーム4内の先端
にはロータリーソレノイド152がブラケツト152を
介して支持され、その出力軸153には駆動アーム15
4が固定されている。駆動アーム154に対応して前記
第2の回転軸22の上端には回動レバー155が固定さ
れ、その回動レバー155と駆動アーム154との間に
は連結リンク156が介在されている。連結リンク15
6の上面には係合ピン157が突出固定され、前記切替
作動モータ55用のブラケット56の下面に取付けられ
た前後一対の規制板158,159との係合により第2
の回転軸22の回動範囲を規制するようになっている。
連結リンク156とアーム4との間にはばね160が張
設され、連結リンク156を前方に移動付勢して、第2
の回転軸22を原位置に向かい第8図の反時計方向に回
動付勢している。
第1図、第14図、第15図及び第16図に示すよう
に、前記第2の回転軸22の下端には連結溝161が形
成され、第2の回転軸22が原位置に保持された状態
で、この連結溝161が左右方向へ延びるようになって
いる。又、この実施例においては、前記ロータリーソレ
ノイド151及び第2の回転軸22等により糸払い駆動
手段が構成され、前記針棒支持ケース53の横移動に伴
い1つの針棒71が下部昇降体25に連結された時、そ
の針棒71と対応する糸払い体144の係合片147が
第2の回転軸22の下端の連結溝161に進入係合し
て、その糸払い体144と第2の回転軸22とが連結さ
れるようになっている。そして、この状態で前記針棒7
1による縫製が終了して針73の目孔74の下方で図示
しない糸切断装置により上糸Yが所定長さを残して切断
された後、前記ロータリーソレノイド151の作動によ
り、第2の回転軸22等を介して糸払い体144が第1
6図に実線で示す側方休止位置から反時計方向に回動さ
れて、針73の目孔74から下方に延びる上糸Yの端部
が払除片145の糸案内部145aに沿って糸保持部1
45b内に挿入係止され、その後の前記ばね149,1
60による糸払い体144の時計方向への復帰回動に伴
い、前記上第1図及び第17図に示すように、前記各種
糸調子器130は針棒支持ケース53の前面板の表裏を
前後動可能に貫通する軸171を備え、針棒支持ケース
53の前面板の表側において、軸171の前端に形成さ
れた頭部172と軸171に挿嵌された筒状体173と
の間に前記一対の糸調子皿134が挿嵌支持されてい
る。針棒支持ケース53の前面板の裏側において、軸1
71の後端のねじ部174にはナット175が螺合さ
れ、そのナット175と針棒支持ケース53の前面板と
の間に前記糸調子ばね135が介装されている。
第1図、第4図、第17図及び第18図に示すように、
前記アーム4の先端上面には棒材よりなる押圧杆176
がブラケット177を介して左右方向へ延びる一水平軸
線の回りで回動可能に支持され、その右端には押圧部1
78が折曲形成されて先端にゴム製のキャップ179が
折曲形成されて先端にゴム製のキャップ179が嵌着さ
れている。そして、前記針棒支持ケース53の横移動に
伴い、針棒71の1つが下部昇降体25に連結された
時、その針棒71と対応する主糸調子器130の軸17
1の後端がこの押圧杆176の押圧部178の先端に所
定の間隔をおいた状態で対向配置されるようになってい
る。
前記ブラケット177上にはソレノイド180が支持さ
れ、そのアーマチャ181が前記押圧杆176の左端に
固定された二叉レバー182に対しピン183を介して
連結されている。アーマチャ181上にはばね184が
設けられ、二叉レバー182を介して押圧杆176を第
1図及び第17図の時計方向に回動付勢して、常には前
記ブラケット177上のストップねじ185と係合した
原位置に保持するようになっている。そして、この実施
例においては、前記押圧杆176及びソレノイド180
等により糸調子圧力の解放手段が構成され、前記のよう
に縫製位置の針棒71と対応する1つの主糸調子器13
0が押圧杆176と対向配置された状態で縫製が行わ
れ、ベッド2の加工布支持面上で加工布が移送されW縫
目が形成される際、再び縫製を終了して上糸Yが針73
の目孔74の下方で切断される際、ソレノイド180が
所定の作動信号により作動されて、押圧杆176が第1
図及び第17図の反時計方向に回動され、主糸調子器1
30の軸171が前方に往動されて糸調子圧力が解放さ
れるようになっている。
第10図及び第18図に示すように、前記各糸取りばね
131は針棒支持ケース53の前面板の内面に前後方向
の水平状態に固定された支持軸191の前方小径部19
1aに巻装され、それらの前端には針棒支持ケース53
の前面に突出する糸掛け部192が形成されている。各
糸取りばね131の後端には検出部193が延長形成さ
れ、その先端には糸取りばね131よりも大径の検出片
194が固定されている。各支持軸191の後方大径部
191bにはコイルばね195が巻装され、その前端が
糸取りばね131の検出部193に掛止されるととも
に、後端が支持軸191に掛止されていて、糸取りばね
131を第10図の反時計方向に回動付勢している。
前記各糸取りばね131の上方近傍において左右方向に
延びるように、針棒支持ケース53の前面には1つの保
持板196が固定され、各糸取りばね131の糸掛け部
192に係合して、その糸取りばね131を第10図及
び第18図に実線で示す上方の休止位置に保持するよう
になっている。そして、前記のように針棒71の1つが
下部昇降体25に連結されて、その針棒71の上下動に
より縫製が行われる際、その針棒71と対応する糸取り
ばね131が前記休止位置から第10図の時計方向に回
動され、針73の上下動と同期して第18図に鎖線で示
す下方の2位置間で上下動され、上糸Yを取上げるよう
になっている。そして、その糸掛け部192の前記支持
軸191を中心とする回動に連動して前記検出片194
が横方向の一平面内で変位回動するようになっている。
第1図、第4図、第17図及び第18図に示すように、
前記押圧杆176の押圧部178の上方においてブラケ
ット177上には糸切れ検出用の光電センサ197が取
付板198を介して固定配置され、第17図及び第18
図に示される如く、前記休止位置に変位した前記検出片
194が逆U字状空間の中間におさまるようにその検出
片194と前後方向に所定間隔離間して配置される。そ
して、針棒支持ケース53の横移動にもない針棒71の
1つが下部昇降体25に連結された時、その針棒71と
対応する糸取りばね131の検出部193が前記光電セ
ンサ197と対向配置されるようになっている。又、こ
の状態で縫製が行われている途中で、上糸Yに糸切れが
生じた場合には、糸取りばね131がコイルばね195
の作用により第18図に鎖線で示す下方の作用位置から
実線で示す上方の休止位置に向かって第10図の反時計
方向に回動され、その糸取りばね131の検出部193
上の検出片194が光電センサ197に対応して、その
光電センサ197から糸切れ検出信号が出力されるよう
になっている。
第19図及び第20図(a),(b)に示すように、前
記各糸案内体136は針棒支持ケース53の下枠部に形
成された取付孔201にそれぞれ嵌合され、ねじ202
により固定されている。各糸案内体136の中心には前
記糸案内孔137に連通して前後方向へ延びるように挿
通孔203が形成され、その前端にはテーパ状の係合面
204が形成されている。前記各取付孔201内には糸
クランプピン205が前後動可能に収容され、その前端
が各糸案内体136の挿通孔203内に前後動可能に挿
通されるとともに、後端が針棒支持ケース53の後面に
突出されている。各糸クランプピン205の前端にはテ
ーパ部206が形成され、前記挿通孔203の前端のテ
ーパ状係合面204と係脱可能に対応している。各糸ク
ランプピン205と糸案内体136との間にはばね20
7が介装され、糸クランプピン205を第19図及び第
20図(a)に示す後方位置に移動付勢している。
第1図及び第19図に示すように、前記アーム4の先端
下部にはソレノイド208が取付板209を介して取付
けられ、そのアーマチャ210の前端には作動ピン21
1が嵌合固定されている。作動ピン211にはばね21
2が嵌挿され、その作動ピン211及びアーマチャ21
0を第1図及び第19図に示す後方位置に移動付勢して
いる。そして、前記のように針棒71の1つが下部昇降
体25に連結された時、その針棒71と対応する糸案内
体136内の糸クランプピン205の後端がソレノイド
208側の作動ピン211に所定の間隔をおいて対向配
置されるようになっている。又、この状態で縫製が開始
されて、第1針目の上糸ループが糸輪捕捉器により捕捉
される付近から、上糸ループの拡大が終了する付近まで
の間にわたって前記ソレノイド208が作動され、作動
ピン211を介して糸クランプピン205が前方に押圧
移動されて、第20図(b)に示すようにその前端のテ
ーパ部206がテーパ状係合面204に圧接係合し、両
者206,204間で上糸Yがクランプされて第1針目
の上糸ループの拡大に伴い針73の目孔74から延びる
上糸Yの端部が消費されるようになっている。
糸Yの端部が針73の上下動通路から側方へ払除される
ようになっている。
次に、前記のように構成されたミシンについて作用を説
明する。
さて、このミシンの停止時には、第9図に示すソレノイ
ド116が不作動状態にあって、位置決めピン114が
ばね115の作用により針棒支持ケース53の後面のい
ずれかの位置決め孔113に係合し、針棒支持ケース5
3が任意の移動位置に位置決め固定されている。そし
て、この状態では、第1図、第4図及び第8図から明ら
かなように、前記位置決め孔113と対応する針棒71
及び天秤86が、連結体66,67及び連結ピン78,
90を介して下部昇降体25及び上部昇降体27にそれ
ぞれ連結されている。
この状態において第3図に示すミシン駆動モータ8によ
りミシン主軸5が回転されると、クランクアーム29等
からなるクランク機構の作用により下部昇降体25が第
1及び第2の回転軸21,22に沿って上下動され、そ
の下部昇降体25に連結された針棒71が上下動され
る。又、前記ミシン主軸5の回転に伴いギヤ34,3
5,36を介して第5図及び第7図に示す作動軸33が
回転され、クランクアーム37等からなるクランク機構
の作用により上部昇降体27が下部昇降体25とは異な
るタイミングで上下動されて、その上部昇降体27に連
結された天秤86が上下動される。このように作動され
て、前記針棒71の下端の針73と糸輪捕捉器との協働
により加工布支持面上の加工布に縫目が形成されるとと
もに、天秤86により上糸Yが取上げられて縫目の糸締
めが行われる。
次に、針棒71を切替え交換して糸替えを行う場合に
は、制御装置の作用により上下両昇降体25,27が第
11図に示す所定の高さ位置で停止されるように、ミシ
ン駆動モータ8の回転が停止され、針棒71がその上下
動範囲の上端にて停止されるとともに、天秤85がその
上下動範囲のほぼ中間部で停止される。又、この停止と
ほぼ同時にベッド2内において図示しない糸切断装置に
より、加工布に連なる上糸Yが針73の目孔74から下
方に所定長さを残した状態で切断される。この糸切断後
に、第1図及び第8図に示すロータリーソレノイド15
1の作動により第2の回転軸22が回動され、その下端
の連結溝161に係合されている糸払い体144が第1
6図の実線位置と鎖線位置との間で往復回動されて、針
73の目孔74から下方に延びる上糸Yの切断端部が側
方へ払除される。
その後、第9図に示すソレノイド116の作動により位
置決めピン114がばね115の作用に抗して後方に移
動されて位置決め孔113から離脱され、針棒支持ケー
ス53の固定が解除される。引き続き、第1図、第4図
及び第8図に示す切替作動モータ55の回転により、ギ
ヤ57,58,59等を介して第1の回転軸21が正逆
いずれかの方向へ回転され、その上下両端のピニオン2
4及びラック60を介して針棒支持ケース53が左右い
ずれかの方向へ横移動される。
前記のように針棒支持ケース53が横移動されると、第
11図から明らかなように、針棒71の連結ピン78が
下部昇降体25の連結体66間から下部ガイド溝62の
カム部64内に移行してそのカム部64の作用により昇
降され、針棒71が縫製のための上下動範囲より上方の
休止位置に移動配置される。この針棒71の上方移動に
より、第10図及び第13図(b)に示すように針棒抱
き77上の係合ピン79が保持部材91の係合部93に
弾性係合して針棒71が休止位置に退避保持される。そ
して、前記係合ピン79と係合部93との係合により保
持部材91の保持部94が右側方に撓曲して天秤86に
下方から相対し、その天秤86を所定の高さ位置に保持
する。
又、前記のように下部昇降体25との連結から解除され
た針棒71が上方移動される時、その針棒71に対応す
る布押え80も長孔82の上端ととねじ83との係合を
介して上方に移動される。この布押え80の上方移動に
より、その後面の係合突起150が糸払い体144の係
合片147に下方から係合し、その糸払い体144が第
14図に実線で示す下方の糸払い作動位置から鎖線で示
す上方の退避位置に移動配置される。
このように針棒支持ケース53が横移動されて、第8図
に示すように所要の針棒71と対応する針出用凹溝10
2が位置検出用の光電センサ104により検出される
と、前記切替作動モータ55の回転が停止され、針棒支
持ケース53の横移動が停止される。その後、第9図に
示す前記メレノイド116が不作動状態になり、位置決
めピン114がばね115の作用により前記針棒71と
対応する位置決め孔113に係合して、針棒支持ケース
53が位置決め固定される。又、前記針棒71は非縫製
位置から縫製位置への移動に伴い、下部ガイド溝62の
カム部64の作用により休止位置から下降され、連結体
66及び連結ピン78を介して下部昇降体25に連結さ
れるとともに、針棒71上の天秤86も連結体67及び
連結ピン90を介して上部昇降体27に連結される。従
って、この状態で前記のようにミシン駆動モータ8によ
りミシン主軸5が回転されると、針棒71及び天秤86
がそれぞれ上下動されて、別の上糸Yによる縫製が行わ
れる。
又、前記針棒支持ケース53が第8図の状態からさらに
右方へ移動されて右端の非縫製位置に配置されると、第
4図に鎖線で示すように規制板106上の係合突部10
8がリミットスイッチ111に係合して、そのリミット
スイッチ111から位置確認信号が出力されるととも
に、前記と同様に位置決めピン114と位置決め孔11
3との係合により、針棒支持ケース53が位置決め固定
される。そして、この状態においては、すべての針棒7
1が下部昇降体25との連結から解除されて、保持部材
91により上方の休止位置に退避保持されるとともに、
それらの針棒71と対応する天秤86も上部昇降体27
との連結から解除されて、保持部材91により所定の高
さ位置に保持される。又、前記各針棒71の上方への退
避移動に伴い、それらと対応するすべての糸払い体14
4が布押え80を介して上方の退避位置に移動されて、
その位置に保持される。従って、この状態で、針棒7
1、針73、布押え80及び糸払い体14 さらに、このミシンにおいては、1つの針棒71による
縫製時に、ベッド2の加工布支持面上で加工布が移送さ
れて縫目が形成される際、及び縫製を終了して上糸Yが
切断される際、第4図及び第18図に示すソレノイド1
80が作動されて、押圧杆176が第1図及び第17図
の反時計方向に回動され、前記針棒71に対応する主糸
調子器130の軸171が前方に押動されて糸調子圧力
が解放される。従って、加工布の移送時に上糸ボビンY
Bから上糸Yが円滑に繰り出されて、縫いじわのない美
麗な縫目が形成されるとともに、上糸Yの切断時に針7
3の目孔74から上糸Yが抜けたり、糸切断端部に引き
ちぎり現象が生じたりすることなく、切り口の美しい糸
切断が行われる。
又、前述した所要の針棒71による縫製時において、上
糸Yに糸切れが生じた場合には、その針棒71と対応す
る糸取りばね131がコイルばね195の作用により第
18図に鎖線で示す下方の作用位置から実線で示す上方
の休止位置に移動されて、糸取りばね131上の検出片
194が光電センサ197に対応し、その光電センサ1
97から糸切れ検出信号が出力されて、制御手段の作用
によりミシン駆動モータ8の回転が停止される。従っ
て、上糸Yが切断されたままの状態で縫製運転が続行さ
れることはない。
さらに、このミシンにおいて、前記のように針棒支持ケ
ース53の横移動に伴い上糸Yが切替えられて、その上
糸Yにより縫製が開始される際第1針目の上糸ループの
糸輪捕捉器による捕捉時付近から、上糸ループの拡大終
了時付近までの間にわたって、第1図及び第19図に示
すソレノイド208が作動され、糸クランプピン205
が前方に移動されて、第20図(b)に示すように糸案
内体136の糸案内孔137内において上糸Yがクラン
プされる。従って、この上糸クランプ状態で、第1針目
の上糸ループの拡大に伴い針73の目孔74から延びる
上糸Yの端部が消費され、上糸Yの端部が加工布の上面
に露出したり、縫目の中に縫い込まれたりすることを未
然に防止することができる。
なお、この考案は前記実施例の構成に限定されるもので
はなく、この考案の趣旨から逸脱しない範囲で各部の構
成を任意に変更して具体化することも可能である。
[考案の効果] 以上詳述したように、本考案は、針棒支持ケースと、複
数の針棒と、複数の天秤と、複数の糸調子器と、複数の
糸取りばねとを備えた多針ミシンを対象として、特に、
前記各糸取りばねに、それぞれ前後方向及び上下方向の
共通する同一位置においてそれぞれ前記作用位置と休止
位置との間の移動に連動して横方向の一平面内で変位す
る検出片を設け、前記ミシンアームには、前記休止位置
に変位した前記検出片と同一高さであってその検出片と
前後方向に所定間隔離間した位置に固定配置され、且つ
前記針棒支持ケースの横移動に伴ない、前記糸取りばね
のうちの1つと対応するとともに、対応した糸取りばね
の休止位置の検出片を対向検知して糸切れ信号を発生す
る単一のセンサーを設けたことを特徴とするものであ
る。
従って、従来のように、ミシンアームに設けられた糸取
りばねの休止位置を検出するセンサーを各針棒毎に対応
させてミシンアームに設け、選択された針棒に対応する
センサーのみを有効化する技術に比べ、部品点数を減少
し得、構成を簡単にして安価に製作することができる。
また、前記各糸取りばねの検出片をそれぞれ前後方向及
び上下方向の共通する同一位置において横方向の一平面
内で変位するように配置するとともに、単一のセンサー
を前記休止位置に変位した前記検出片と同一高さであっ
てその検出片と前後方向に所定間隔離間した位置にてミ
シンアームに固定配置したので、前記各糸取りばねの検
出片の変位位置の如何に拘らず、その各検出片と前記単
一のセンサーとを全く干渉させることなく、針棒支持ケ
ースを自由に横移動できると共に、いずれの針棒位置に
おいても前記センサーによる前記各検出片の検知作用を
同様の状態で確実に実施できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案を具体化したミシンにおいてアームの
先端側を示す部分側断面図、第2図はアームのほぼ全体
を示す側面図、第3図は第1図に対応してアームの基端
側を示す部分側断面図、第4図は第1図のA−A線にお
ける部分断面図、第5図は第1図のB−B線における部
分拡大断面図、第6図は第4図のC−C線における部分
拡大断面図、第7図は第4図のD−D線における部分拡
大断面図、第8図は針棒支持ケースを第1図のE−E線
において断面にして示す部分平面図、第9図はアームの
一部分を第4図のF−F線において断面にして示す部分
側面図、第10図は針棒支持ケースの一部分を破断して
示すミシンの正面図、第11図は第9図のG−G線にお
ける部分断面図、第12図は針棒を上方の休止位置に退
避保持するための保持部材を拡大して示す斜視図、第1
3図(a)及び第13図(b)は保持部材の作用を説明
するための部分正面図、第14図は第1図の糸払い体の
部分を拡大して示す側断面図、第15図は第14図のH
−H線における部分断面図、第16図は第14図及び第
15図に対応したミシンの底面図、第17図は第1図の
主糸調子器及びその解放構成部分を拡大して示す側断面
図、第18図は糸取りばねの取付構成部分を破断して第
17図の反対側から見た部分左側面図、第19図は第1
図の糸案内体及び糸クランプ装置部分を拡大して示す側
断面図、第20図(a)及び第20図(b)は糸クラン
プ装置の作用を説明するための部分拡大断面図である。 図中、4はミシンのアーム、25は駆動手段としての下
部昇降体、53は針棒支持ケース、71は針棒、73は
針、74は目孔、86は天秤、130は主糸調子器、1
31は糸取りばね、176は糸調子圧力の解放手段を構
成する押圧杆、180は糸調子圧力の解放手段を構成す
るソレノイド、197はセンサー、194は検出片、Y
は上糸である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−206481(JP,A) 実開 昭60−50974(JP,U) 特公 昭46−36701(JP,B1)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミシンアーム(4)の端部に横移動可能に
    支承された針棒支持ケース(53)と、 その針棒支持ケース(53)に上下動可能に列設支持さ
    れ、下端にそれぞれ針(73)を有する複数の針棒(7
    1)と、 その各針棒(71)とそれぞれ対応するように前記針棒
    支持ケース(53)に上下動可能に支持され、針(7
    3)の目孔(74)に至る上糸(Y)を針(73)の上
    下動と同期して取上げるための複数の天秤(86)と、 その各天秤(86)とそれぞれ対応して設けられ、天秤
    (86)に至る上糸(Y)にそれぞれ張力を付与するた
    めの複数の糸調子器(130)と、 前記各針棒(71)とそれぞれ対応するように前記針棒
    支持ケース(53)に支持され、前記天秤(86)と糸
    調子器(130)との間の上糸に係合するとともに、休
    止位置と作用位置との間で移動可能且つ常には休止位置
    に付勢された複数の糸取りばね(131)とを備えた多
    針ミシンにおいて、 前記各糸取りばね(13)に、それぞれ前後方向及び上
    下方向の共通する同一位置においてそれぞれ前記作用位
    置と休止位置との間の移動に連動して横方向の一平面内
    で変位する検出片(194)を設け、 前記ミシンアーム(4)には、前記休止位置に変位した
    前記検出片(194)と同一高さであってその検出片
    (194)と前後方向に所定間隔離間した位置に固定配
    置され、且つ前記針棒支持ケース(53)の横移動に伴
    ない、前記糸取りばね(131)のうちの1つと対応す
    るとともに、対応した糸取りばね(131)の休止位置
    の検出片(194)を対向検知して糸切れ信号を発生す
    る単一のセンサー(197)を設けたこと、 を特徴とする多針ミシンの糸切れ検出装置。
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