JPH0625161B2 - 2−アニリノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−5−ピリミジンカルボン酸誘導体の製造法 - Google Patents

2−アニリノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−5−ピリミジンカルボン酸誘導体の製造法

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JPH0625161B2
JPH0625161B2 JP59212226A JP21222684A JPH0625161B2 JP H0625161 B2 JPH0625161 B2 JP H0625161B2 JP 59212226 A JP59212226 A JP 59212226A JP 21222684 A JP21222684 A JP 21222684A JP H0625161 B2 JPH0625161 B2 JP H0625161B2
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美紀子 片岡
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、2−アニリノ−1,6−ジヒドロ−6−オキ
ソ−5−ピリミジンカルボン酸誘導体の製造法に関す
る。
上記ピリミジンカルボン酸誘導体は、一般式〔III〕 (式中、R1とR2は同一又は相異って、水素原子、アルコ
キシ基、アルキル基、ハロゲン原子、ジアルキルアミノ
基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基又はニトロ基
を示し、Rは低級アルキル基を示す。)で表され(但
し、可能な互変異性体を包含する。)、新規化合物であ
る。
上記一般式〔III〕において、具体的には、アルコキシ
基としてメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチル
エトキシ、ブトキシ、2−メチルプロポキシ、ペンチル
オキシ又は(2,3,4,5−テトラヒドロフラン−2
−イル)メトキシが例示でき、アルキル基としてはメチ
ル、エチル、プロピル又はブチルが例示でき、ハロゲン
原子としては弗素、塩素、臭素又は沃素が例示でき、ジ
アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ又はジエチ
ルアミノが例示できる。
上記一般式〔III〕で表される化合物ないしこれを加水
分解して得られる化合物は、マウスを用いた毒性実験に
おいて極めて毒性が低く、ラット受身皮膚アナフィラキ
シー反応(PCA)において優れた活性を示し、モルモ
ット平滑筋を用いたマグヌス法においても顕著な抗スロ
ー・リアクティング・サブスタンス・オブ・アナフィラ
キシー(SRS-A)作用を有することから、抗原抗体反応に
起因する喘息、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎
およびアレルギー性結膜炎等の予防および治療に極めて
有用であることが判明している。
本発明に係る一般式〔III〕で表わされる化合物は、先
の特許出願(特願昭58−207670号(特公平3−
36835号))の方法、すなわち、1,6−ジヒドロ
−2−メチルチオ−6−オキソ−5−ピリミジンカルボ
ン酸の低級アルキルエステルとアニリン誘導体を溶媒中
又は無溶媒下加熱する方法によって製造することができ
る。
しかし、この製造法は、反応過程で毒性が強く悪臭を有
するメチルメルカプタンの発生を伴い、また無溶媒での
反応は生成物が固化するため精製が煩雑であるなどの欠
点を有し、工業的製造法として満足できるものではな
い。
本発明者らは、このような欠点を克服すべく鋭意検討を
重ねた結果、一般式〔III〕で表わされる化合物のより
簡便で工業的に有利な製造法を見出し、本発明を完成す
るに至った。
本発明によれば、一般式〔III〕で表わされる化合物
は、下記反応式に従い製造される。
(式中、R1、R2およびRは前記と同じ意義を示し、Xは
アルコキシ基又はジアルキルアミノ基を示す。) 上記反応、すなわちアニリン誘導体とシアナミドとの反
応により得られるN−フェニルグアニジン誘導体〔I〕
〔ジョーン エル フゲス ほか,ジャーナル オブメ
ディシナル ケミストリ,18,1077(1975)
(John L.Hughes etal.,Jour
nal of Medici−nal Chemist
ry,18,1077(1975))とアルコキシメチ
レンマロン酸ジエステル又はジアルキルアミノメチレン
マロン酸ジエステル〔II〕〔アルサー エイ サンティ
リ ほか,ジャーナル オブ メディシナル ケミスト
リ,7,68(1964)(Arthur A.San
ti−lli et al.,Journal of
Medicinal Chemistry,7,68
(1964))〕との反応は、不活性溶媒中で加熱する
ことにより容易に進行するが、使用される溶媒は特に限
定されるものではない。例えば、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はエチレングリ
コールジメチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、ト
ルエン又はキシレン等の芳香族炭化水素類、あるいはピ
リジン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができ
る。
反応温度は、80〜200℃の温度が用いられ、また反
応時間は30分〜48時間であるが、好ましくは溶媒の
還流程度の温度で数時間反応させることにより有利に進
行する。
また、水と有機溶媒の混合液中、塩基の存在下で反応さ
せる場合は、速やかに反応が進行し、好収率で化合物
〔III〕を得ることができる。水と混合して用いられる
有機溶媒は、エタノール、ジオキサン、テトロヒドロフ
ラン又はエチレングリコールモノメチルエーテル等が好
適で、水との混合割合は、適宜選択されるが通常等量か
ら数倍量である。使用される塩基としては炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム等であり、化合物〔II〕の1〜2倍
モル用いられる。
上記反応における化合物〔I〕と化合物〔II〕の使用割
合は、通常前者に対して1.2倍モルとするのが効果的で
ある。
次に本発明を実施例を挙げて説明する。
実施例1 ジオキサン30mにN−(2−プロポキシフェニル)
グアニジン9.1gとエトキシメチレンマロン酸ジエチル
エステル10.2gを加え、撹拌下5時間加熱還流した。冷
却後、析出した結晶を取し、DMFと水の混液より再
結晶して1,6−ジヒドロ−6−オキソ−2−(2−プ
ロポキシアニリノ)−5−ピリミジンカルボン酸エチル
エステル11.7gを得た。
融点 198−200℃ 元素分析 C16H19N3O4として 理論値(%):C,60.56;H,6.03;N,13.29 実測値(%):C,60.81;H,5.97;N,13.48 NMR(DMSO-d6)δ:1.00(3H,t,J=7Hz,OCH2CH2CH3),1.28
(3H,t,J=7Hz,OCH2CH3),1.80(2H,m,OCH2CH2CH3),4.10(2
H,t,J=7Hz,OCH2CH2CH3),4.25(2H,q,J=7Hz,OCH2CH3),
6.80-7.30(3H,m,Ar-H),8.23(1H,d,J=8Hz,Ar-H),8.52(1
H,S,C4-H),7.90-14.00(2H,b,2XNH) Mass m/e:317(M+) 実施例2 DMF70mにN−(2−ブトキシフェニル)グアニ
ジン11.6g、エトキシメチレンマロン酸ジエチル12.1g
を加え、100℃で9時間加熱した。冷却後、水50m
を加えて析出した結晶を取し、エタノールで洗浄し
た。ついで得られた結晶をDMFと水の混液より再結晶
して2−(2−ブトキシアニリノ−1,6−ジヒドロ−
6−オキソ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル
16.1gを得た。
融点 211−213℃ 元素分析 C17H21N3O4として 理論値(%):C,61.62;H,6.39;N,12.68 実測値(%):C,61.39;H,6.45;N,12.73 NMR(DMSO-d6)δ:0.94(3H,t,J=7Hz,OCH2CH2CH2CH3),1.
27(3H,t,J=7Hz,OCH2CH3),1.46(2H,m,OCH2CH2CH2CH3),
1.72(2H,m,OCH2CH2CH2CH3),4.12(2H,t,J=7Hz,OCH2CH2C
H2CH3),4.30(2H,q,J=7Hz,OCH2CH3),6.90-7.40(3H,m,Ar
-H),8.16(1H,d,J=8Hz,Ar-H),8.50(1H,S,C4-H),6.80-1
1.70(2H,b,2XNH) Mass m/e:331(M+) 実施例3 エタノール40mと水40mの混液に、炭酸カリウ
ム21.5g、N−{2−(2−メチルプロポキシ)フェニ
ル}グアニジン16.1gおよびモルフォリノメチレンマロ
ン酸ジエチルエステル20.0gを加え、撹拌下60℃で3
時間加熱した。反応後、水冷下撹拌しながら水100m
を加え、10%HClを滴下してpH3に調整した。析出
した結晶を取し、クロロホルム300mに溶解した
後、クロロホルム溶液を2回水洗した。ついでクロロホ
ルム層を芒硝で乾燥し、減圧下溶媒を留去した後、残渣
をDMFより再結晶して1,6−ジヒドロ−2−{2−
(2−メチルプロポキシ)アニリノ}−6−オキソ−5
−ピリミジンカルボン酸エチルエステル16.0gを得た。
融点 175−177℃ 元素分析 C17H21N3O4として 理論値(%):C,61.62;H,6.39;N,12.68 実測値(%):C,61.96;H,6.35;N,12.44 NMR(DMSO-d6)δ:1.03(6H,d,J=7Hz,OCH2CH(CH3)2),1.2
8(3H,t,J=7Hz,OCH2CH3),2.10(1H,m,OCH2CH(CH3)2),3.8
1(2H,d,J=7Hz,OCH2CH(CH3)2),4.18(2H,q,J=7Hz,OCH2C
H3),6.80-7.22(3H,m,Ar-H),8.10(1H,d,J=8Hz,Ar-H),8.
40(1H,S,C4-H),8.50-12.50(2H,b,2XNH) Mass m/e:331(M+) 本品には次の実施例で示すように結晶多形が認められ、
同一物質ながら融点、IR等の物性が若干異る。
実施例4 変性アルコール300mにN−{2−(2−メチルポ
ロポキシ)フェニル}グアニジン89g、エトキシメチ
レンマロン酸ジエチルエステル93gを加え、撹拌下3
時間加熱還流した。冷却後、析出した結晶を取し、変
性アルコールおよび石油エーテルで洗浄した後乾燥する
ことにより1,6−ジヒドロ−2−{2−(2−メチル
プロポキシ)アニリノ}6−オキソ−5−ピリミジンカ
ルボン酸エチルエステル94gを得た。
融点 188−190℃ 元素分析 C17H21N3O4として 理論値(%):C,61.62;H,6.39;N,12.68 実測値(%):C,61.45;H,6.33;N,12.70 NMR(DMSO-d6)δ:1.05(6H,d,J=7Hz,OCH2CH(CH3)2),2.1
0(1H,m,OCH2CH(CH3)2),3.81(2H,d,J=7Hz,OCH2CH(C
H3)2),4.18(2H,q,J=7Hz,OCH2CH3),6.81-7.25(3H,m,Ar-
H,8.10(1H,d,J=8Hz,Ar-H),8.42(1H,S,C4-H),8.50-12.5
0(2H,b,2XNH) mass m/e:331 実施例5 水100mとエタノール100mの混液に、N−
(3−トリフルオロメチルフェニル)グアニジン10
g、N,N−ジエチルアミノマロン酸ジエチルエステル
11.8gおよび炭酸カリウム13.4gを加え、撹拌下7時間
加熱還流した。冷却後、10%塩酸でpH3に調製し、析
出した結晶取した。得られた結晶を水洗後、DMFと
水の混液より再結晶して1,6−ジヒドロ−6−オキソ
−2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−5−ピリ
ミジンカルボン酸エチルエステル13.4gを得た。
融点 229−231℃ 元素分析 C14H12N3O3F3として 理論値(%):C,51.38;H,3.67;N,12.84 実測値(%):C,51.22;H,3.83;N,12.97 NMR(DMSO-d6)δ:1.30(3H,t,J=7Hz,OCH2CH3),4.26(2H,
q,J=7Hz,OCH2CH3),7.40-8.20(4H,m,Ar-H),8.60(1H,S,C
4-H),9.00-12.50(2H,b,2XNH) Mass m/e:327(M+) 実施例6−12 実施例1の方法に従い、相当するN−置換フェニルグア
ニジンとエトキシメチレンマロン酸ジエチルエステルを
反応させ、第1表に記載の化合物を得た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (式中、R1とR2は同一又は相異って水素原子、アルコキ
    シ基、アルキル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン
    原子、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、トリフルオ
    ロメチル基又はニトロ基を示す。)で表わされるN−フ
    ェニルグアニジン誘導体と、一般式〔II〕 (式中、Xはアルコキシ基又はジアルキルアミノ基を示
    し、Rはアルキル基を示す。)で表わされる置換メチレ
    ンマロン酸ジエステル誘導体とを反応させることを特徴
    とする一般式〔III〕 (式中、R、R1およびR2は前記と同じ意義を示す。)で表
    わされる2−アニリノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ
    −5−ピリミジンカルボン酸誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】前記一般式〔I〕〜〔III〕において、R1
    が水素原子、R2が炭素数1〜7のアルコキシ基、Rが低
    級アルキル基である特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】前記一般式〔I〕〜〔III〕において、R1
    が水素原子、R2とRが同一又は相異った低級アルキル基
    である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  4. 【請求項4】前記一般式〔I〕〜〔III〕において、R1
    とR2が同一の低級アルキル基又は低級アルコキシ基であ
    り、Rが低級アルキル基である特許請求の範囲第1項記
    載の製造法。
  5. 【請求項5】前記一般式〔II〕においてXが低級アルコ
    キシ基である特許請求の範囲第1、2、3又は4項記載
    の製造法。
  6. 【請求項6】前記一般式〔II〕において、Xがジ低級ア
    ルキルアミノ基である特許請求の範囲第1、2、3又は
    4項記載の製造法。
JP59212226A 1984-10-09 1984-10-09 2−アニリノ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−5−ピリミジンカルボン酸誘導体の製造法 Expired - Lifetime JPH0625161B2 (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6144872A (ja) * 1984-07-13 1986-03-04 Fujisawa Pharmaceut Co Ltd ピリミジン誘導体およびそれを含有する医薬組成物

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