JPH0625137B2 - ラセミ体形半エステルの分離方法 - Google Patents

ラセミ体形半エステルの分離方法

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JPH0625137B2
JPH0625137B2 JP60184356A JP18435685A JPH0625137B2 JP H0625137 B2 JPH0625137 B2 JP H0625137B2 JP 60184356 A JP60184356 A JP 60184356A JP 18435685 A JP18435685 A JP 18435685A JP H0625137 B2 JPH0625137 B2 JP H0625137B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、(3aS,6aR)−および(または)(3aR,6aS)
−1,3−ジベンジルヘキサヒドロ−1H−フロ〔3,4-d〕
イミダゾール−2,4−ジオンを1,3−ジベンジル−5−ア
ルコキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−
カルボン酸から製造する新規な方法に関するものであつ
て、この方法は光学的活性アミンと光学的活性1,3−ジ
ベンジル−5−アルコキシカルボニル−2−オキソイミ
ダゾリジン−4−カルボン酸とから生成されるジアステ
レオ異性体の塩を還元することを特徴とする。
(4S,5R)−1,3−ジベンジル−5−アルキルオキシカル
ボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸は
(+)−ビチオンを製造するための鍵となる生成物である
(3aS,6aR)−1,3−ジベンジルテトラヒドロ−4H−フ
ロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4(1H)−ジオン製造用の有
用な中間体化合物である。
上記の方法は式Ia/Ib (式中Rは1〜6個のC原子を有するアルキル、3〜5
個のC原子を有するシクロアルキル、2〜6個のC原子
を有するアルケニル、ベンジルあるいは1−または2−
フエニルエチルであり、そしてBZLはベンジルである)
で示されるシス−1,3−ジベンジル−5−アルコキシカ
ルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸
の2種のエナンチオマーの新規な製造方法に関する。
従来開示されている式Ia/Ibのラセミ体形半エステルの
光学的分割方法の中で、西ドイツ国特許第2,058,234号
明細書にはシクロヘキシル半エステルの製造および生成
するジアステレオ異性体の(+)−エフエドリニウム塩の
分別結晶化による分離、並びにジアステレオ異性体のコ
レステリン半エステルの製造およびこの化合物から得ら
れるトリエチルアンモニウム塩の分別結晶化による分離
が記載されている。しかしながら、これらの方法により
得られる収率は理論的に得ることができる純粋な異性体
の50%以下である。さらにまた、カイラル助剤のコレ
ステロールは非常に高価であるという欠点を有し、しか
も完全に回収できない。
ヨーロツパ公開特許出願第0,092,194号公報には光学的
活性1,2−ジフエニルエチルアミンを用いる一対になつ
ているジアステレオ異性体の塩の形成およびそれらの結
晶化による分離によるラセミ体形メチルおよびエチル半
エステルの光学的分割が記載されている。この公報には
また所望のエナンチオマーを接種することによりラセミ
体の過飽和溶液からエナンチオマーを自発的に結晶化さ
せる方法が記載されている。これらの方法はまた同様に
低い分離収率という欠点を有し、分離収率は理論量の約
30%にすぎない。従つて、本発明の目的は安価な分割
反応剤を使用して高収率でそれらの分離を可能にする式
Ia/Ibの半エステルの光学的分割方法を提供することに
ある。
本発明者により、驚くべきことに、式Ia/Ibのラセミ体
を(+)−デヒドロアビエチルアミンにより高収率および
格別の選択性でエナンチオマーに分割できることが見い
出された。
この知見により新規な(4S,5R)−および(4R,5S)−シ
ス−1,3−ジベンジル−5−COOR−2−オキソイミ
ダゾリジン−4−カルボン酸の(+)−デヒドロアビエチ
ルアミン塩(ここでRは1〜6個のC原子を有するアル
キル、2〜8個のC原子を有するアルコキシアルキル、
3〜5個のC原子を有するシクロアルキル、2〜6個の
C原子を有するアルケニル、ベンジルあるいは1−また
は2−フエニルエチルである)が提供される。
また、式Ia/Ib (式中Rは1〜6個のC原子を有するアルキル、2〜8
個のC原子を有するアルコキシアルキル、3〜5個のC
原子を有するシクロアルキル、2〜6個のC原子を有す
るアルケニル、ベンジルあるいは1−または2−フエニ
ルエチルであり、あるいは1−または2−フエニルエチ
ルであり、そしてBZLはベンジルである)で示されるラ
セミ体形半エステルを、光学的活性アミンとの塩形成お
よび後続の生成された塩の一対になつているジアステレ
オ異性体の分離により分離する方法であつて、使用する
光学的活性アミンが(+)−デヒドロアビエチルアミンで
あることを特徴とする方法が提供される。
この方法により得られる光学的活性シス−1,3−ジベン
ジル−5−アルキルオキシカルボニル−2−オキソイミ
ダゾリジン−4−カルボン酸はD−(+)−ビオチンの製
造に使用される。
ラセミ体形半エステルは、ラセミ体の光学的分割につい
てそれ自体既知である標準的方法〔たとえば、ボイルに
よるクアルト・レビー(Quart.Rev.)25、(1971年)
第323〜341頁に記載されている方法〕により分離され
る。ラセミ体はカイラル相上でのクロマトグラフイーに
より、過飽和溶液の接種により、または機械的分別によ
り分離できる。さらに別の分離方法はジアステレオ異性
体の生成、分離または分離よりなる。好適な方法には一
対になつているジアステレオ異性体の塩の分離がある。
式Ia/Ibのラセミ体を分割するための特に好ましい方法
はラセミ体を適当な有機溶剤中に或る量の(+)−デヒド
ロアビエチルアミンとともに溶解し、次いでエナンチオ
マー形の(+)−デヒドロアビエチルアミン塩を再結晶さ
せることよりなる。この生成物を過または遠心分離に
より分離採取した後に、残りの溶液から溶剤を分離し、
所望により残留物を結晶化させてもう一方のエナンチオ
マーを生成する。
使用する(+)−デヒドロアビエチルアミンの量は分割し
ようとするラセミ体1モル当り0.5〜1モル、好ましく
は0.5〜0.7モルである。この分離用の溶剤は水または不
活性有機溶剤、好ましくは水混和性溶剤、特にメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、nーブタノールま
たは第3ブタノールのようなアルコール、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチル−
またはモノエチル−エーテル(メチルグリコールまたは
エチルグリコール)、エチレングリコールジメチルエー
テル(ジグライム)のようなエーテル、アセトン、ブタ
ノンまたはイソブチルメチルケトンのようなケトン、ア
セトニトリルのようなニトリルあるいはニトロメタンの
ようなニトロ化合物である。
好適な溶剤はアルコール、ケトンおよびエーテルであ
り、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール、
アセトンまたはテトラヒドロフランが好ましい。
これらの溶剤間の混合物も適している。これらの溶剤と
水0.5〜50%、特に0.5〜10%、特に好ましくは1〜
5%との混合物が好ましい。
この方法の実施に使用される温度は−20℃ないし使用溶
剤の沸点が好ましいいが、結晶化させる一対のエナンチ
オマー形の塩の結晶化温度以下の温度が有利である。
本発明による方法を使用する光学的分割はRがメチルま
たはエチルである式Ia/Ibの化合物に対し特に好適であ
る。
この方法のさらに別の好適態様では、一対になつている
ジアステレオ異性体混合物の形の塩を分別結晶させる。
この目的には、式Ia/Ibの半エステルのラセミ体を先ず
等量の(+)−デヒドロアビエチルアミンにより一対にな
つているジアステレオ異性体混合物の形の塩に変換す
る。このラセミ体形半エステルと光学的活性アミンとの
反応は溶剤の不在下に、または有機溶剤、好ましくは非
極性溶剤中、特に塩化メチレン、クロロホルム、トリク
ロルエチレン、1,2−ジクロルエタンまたは四塩化炭素
のような塩素化炭化水素あるいはヘキサン、石油エーテ
ル、ベンゼン、トルエンまたはキシレンのような炭化水
素中の溶液中で行なう。これらの溶剤の混合物も適当で
ある。
溶剤の除去後に単離される塩はラセミ体形半エステルの
分離について前記した溶剤中で結晶化させて光学的分割
させる。本発明による方法の好適態様はシス−1,3−ジ
ベンジル−5−メトキシカルボニル−2−オキソイミダ
ゾリジン−4−カルボン酸およびシス−1,3−ジベンジ
ル−5−エトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジ
ン−4−カルボン酸の(+)−デヒドロアビエチルアミン
塩の光学的分割よりなる。
この方法により得られる光学的活性の半エステル化合物
IaまたはIbの(+)−デヒドロアビエチルアミン塩は酸ま
たは塩基で処理することにより遊離の半エステル酸に戻
すことができる。適当な塩基の例にはアルカリ金属およ
びアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または水素炭酸
塩、アンモニアおよび有機強塩基がある。好適な塩基は
アルカリ金属水酸化物およびアンモニア、特に水酸化カ
リウムおよび水酸化ナトリウムである。
適当な酸には強有機酸、たとえばギ酸または酢酸、およ
び無機酸、たとえばリン酸または硝酸、好ましくは塩酸
または臭化水素酸のような鉱酸である。特に好ましい結
果は硫酸により得られ、(+)−デヒドロアビエチルアミ
ンは硫酸と難溶性の水素硫酸塩を生成する。この塩は容
易に結晶化し、容易に過でき、分割剤を高収率で回収
することを可能にする。
半エステルが塩基に対して安定性が低いので、式Ia/Ib
の光学的活性半エステルをそれらのデヒドロアビエチル
アミン塩から遊離させる一般的に好適な遊離剤は酸であ
る。使用する酸の量は広い限度内で変えることができる
が、分割しようとする1対のジアステレオ異性体の塩1
モル当り少なくとも1モル、好ましくは1〜1.5モルで
ある。
半エステルは1対のジアステレオ異性体の適当な溶剤、
好ましくは水の溶液に酸を添加することにより遊離させ
る。遊離された半エステルは次いで、たとえばジエチル
エーテル、トルエン、酢酸エチル、ジクロルメタンまた
はその混合物のような有機溶剤で抽出できる。所望によ
り抽出液を洗浄した後で溶剤を除去すると所望の光学的
活性半エステルが残る。
分割剤として使用された(+)−デヒドロアビエチルアミ
ンを回収するためには、抽出溶液を、たとえばアンモニ
ア、水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液の
ような強塩基の添加によりアルカリ性にした後に遊離さ
せ、次いで光学的活性半エステルの単離について前記し
た方法と同様の方法で抽出できる。特に好適なものとし
て前記した硫酸を1対のジアステレオ異性体の塩の分解
に使用する場合に、(+)−デヒドロアビエチルアミンが
難溶性の水素硫酸塩の形で得られる。生成物を過また
は遠心分離により分離した後で前記の方法で強水酸化物
溶液を添加し、引続いて抽出することにより遊離塩基を
得ることができる。
原料物質として必要な式Ia/Ibのラセミ体形半エステル
をたとえばシス−1,3−ジベンジル−2−オキソイミダ
ゾリジン−4,5−ジカルボン酸無水物から製造するに
は、たとえば西ドイツ国特許第2,058,234号またはヨー
ロツパ公開特許出願第0,092,194号公報から既知であ
り、たとえばベンゼン、トルエンまたはキシレンのよう
な不活性有機溶剤中で、好ましくは上昇温度において相
当するアルコールと反応させることにより行なう。
本発明により得られる光学的に活性なシス−1,3−ジベ
ンジル−5−アルキルオキシカルボニル−2−オキソイ
ミダゾリジン−4−カルボン酸は、たとえばゲレツクら
によるヘルベチカ・シミカ・アクタ(Helv.Chim.Acta)
53、(1970年)、第991〜999頁に記載されてい
る方法を使用して、光学的に活性な1,3−ジベンジル−
テトラヒドロ−4H−フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4
(1H)−ジオンに還元できる。この還元は遊離の光学的活
性半エステルから出発できる。しかしながら、この還元
の出発原料としてそのジアステレオ異性体の(+)−デヒ
ドロアビエチルアミン塩も同様に使用できる。この方式
の方法が特に有利である。
西ドイツ国特許第2,058,248号には(3aS,6aR)−ラクト
ンの製造方法がすでに記載されており、この方法ではシ
ス−1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−4,5
−ジカルボン酸のコレステリルおよびシクロヘキシル半
エステルがそれらのエナンチオマーに分離されており、
また相当するエナンチオマーが還元により所望のラクト
ンに変換されている。しかしながら、この方法で得られ
る収率は理論的に得ることができる純粋な異性体の50
%以下である。カイラル助剤コレステロールは比較的高
価であり、また完全に回収することができない。さらに
また、この特許の方法では望まれない方のエナンチオマ
ー形半エステルを再度再循環させる必要がある。
この方法の改善方法がヨーロツパ公開特許出願第0,081,
047号公報から知られている。この改善では望まれない
方の半エステルのカルボキシル基を酸クロリドに変換す
る。次いで還元して、正しい(3S,6R)−ラクトンが得
られる。このジアステレオ異性体の分離における分離効
率が低いことおよびカイラル助剤の価格が高いことは、
この方法が経済的に重要でないことを意味している。
西ドイツ国特許第2,331,244号には(3R,6S)−および
(3S,6R)−ラクトン化合物の製造方法が特許請求され
ており、この方法はシス−1,3−ジベンジル−2−オキ
ソイミダゾリジン−4,5−ジカルボン酸および光学的活
性アミンから得られるシス−1,3−ジベンジル−ヘキサ
ヒドロピロロ−〔3,4-d〕イミダゾール−2,4,6−トリオ
ンを非対称的還元処理し、生成するアミドアルコールを
加水分解して所望のラクトンを得る方法である。
この方法の欠点は同様に、光学的活性アミンの価格が高
いことおよび不当な分離収率にある。
高収率で進行するヨーロツパ公開特許出願第84,892号公
報のジアステレオ異性体分離は同様に、容易に入手でき
ない光学的活性アミンを必要とする。
他方、エナンチオマー形のシス−1,3−ジベンジル−2
−オキソイミダゾリジン−4,5−ジカルボン酸の(+)−デ
ヒドロアビエチルアミンによる塩形成は、それぞれを、
たとえばヨーロツパ公開特許出願第84,892号公報に記載
されているようにして所望の光学的活性ラクトンに変換
できる光学的活性半エステルの有利な製造方法を表わ
す。
前記諸方法において、半エステル化合物は光学的活性ア
ミンにより生成されるそれらの一対のジアステレオ異性
体の塩から還元前に強酸で処理することにより遊離さ
れ、単離される。
別工程として行なわれる後続の還元工程では、先ず当量
の還元剤が遊離半エステルのカルボキシル基の酸性水素
との反応に消費され、従つて還元には使用されない。
従つて、単純化された方法と組合せて還元剤の一層良好
な利用を可能にし、そしてさらに高い化学的および光学
的純度を有する生成物を単離させることが可能な相当す
るシス−1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン
−4,5−ジカルボン酸半エステルの還元による光学的に
活性な1,3−ジベンジルテトラヒドロ−4H−フロ〔3,4
-d〕イミダゾール−2,4−ジオンの製造方法を見い出す
という目的があつた。
本発明により、驚くべきことに、光学的活性アミンと光
学的に活性な1,3−ジベンジル−5−アルコキシカルボ
ニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸との
間のジアステレオ異性体の塩がアミン成分から干渉され
ることなく、高い化学的および光学的収率で還元できる
ことが見い出された。
従つて、本発明はまた、1,3−ジベンジル−5−アルコ
キシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カル
ボン酸からの(3aS,6aR)−および(または)(3aR,6a
S)−1,3−ジベンジルヘキサヒドロ−1H−フロ〔3,4-
d〕イミダゾール−2,4−ジオンの製造方法を提供し、こ
の方法は光学的活性アミンと光学的に活性な1,3−ジベ
ンジル−5−アルコキシカルボニル−2−オキソイミダ
ゾリジン−4−カルボン酸との間で生成されるジアステ
レオ異性体の塩を還元することを特徴とする方法であ
る。
本発明はまた、本発明による方法により得られる光学的
に活性な1,3−ジベンジルヘキサヒドロ−1H−フロ
〔3,4-d〕イミダゾール−2,4−ジオンをD−(+)−ビチ
オンの製造に使用することに関する。
光学的に活性な半エステルのジアステレオ異性体の塩の
還元に本発明で用いられる方法は遊離の半エステルの還
元についてそれ自体既知の方法に従う方法である。
還元剤を選択することにより、4S,5R−または4R,5S−配
置を有する半エステルの塩から、(3aR,6aS)−ラクト
ンばかりでなく、また(3aS,6aR)−ラクトンも得るこ
とができる。
たとえば、4S,5R−半エステルの塩をそのカルボキシル
基において還元すると、生成物は3aR,6aS−ラクトンで
あり、他方そのアルコキシカルボニル基を還元すると、
3aS,6aR−ラクトンが得られる。4R,5S−半エステルはこ
れとは逆の関係を有する。
酸基の還元に適する還元剤の例にはジボランのようなホ
ウ素水素化物がある。
適当な溶剤は、たとえばベンゼンまたはトルエンのよう
な炭化水素およびジエチルエーテル、エチレングリコー
ルジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキ
ルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンのよ
うなエーテルのように還元剤に対して不活性である溶剤
である。テトラヒドロフランおよびジオキサンのような
環状エーテルが特に好適である。これらの溶剤の混合物
もまた使用できる。
還元中の温度は-20〜+40°が有利であり、好ましくは-1
0〜+30°、特に0〜+20°である。使用する水素化物の
量は理論的必要量の0.8〜3当量、好ましくは1〜2当
量、特に1〜1.5当量である。たとえばジボランを使用
する場合の好適量は半エステル塩1モル当りB2H60.5〜
0.75モルである。
ジボランはそのままで還元に使用できるが、ジボランは
既知の方法により、たとえばNaBH4およびルイス酸、た
とえば三フツ化ホウ素またはそのジエチルエーテル付加
物からその場で生成させることもでき、このその場での
生成は半エステル塩の還元に適する溶剤中で行なうと好
ましく、このようにしてジボランの生成する溶液を後続
の還元用の反応媒質として使用することもできる。
アルコキシカルボニル基の還元に適する還元剤の例には
ホウ水素化リチウム、ホウ水素化ナトリウムまたはホウ
水素化カルシウムのようなホウ素錯水素化物およびジイ
ソブチルアルミニウム水素化物およびジエチルアルミニ
ウムナトリウム水素化物のようなアルミニウム水素化物
がある。
この還元は反応条件下に還元剤に対して不活性であり、
および反応剤が少なくとも部分的に可溶である溶剤中で
行なうと好ましい。
ホウ水素化ナトリウムのような水性媒質中で使用できる
還元剤に適する溶剤の例には水、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコールまたはジエ
チレングリコールのようなアルコールおよびテトラヒド
ロフランまたはジオキサンのようなエーテルがある。こ
れらの溶剤の相互のまたは水不混和性溶剤との混合物も
使用できる。
水と反応する還元剤に適する溶剤にはジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレ
ングリコールジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン
またはジオキサンのようなエーテルばかりでなく、また
特にベンゼンおよびトルエンのような炭化水素がある。
これらの溶剤の混合物も使用できる。
反応温度は−70〜+100°である。アルミニウム含有還
元剤は−70〜+30°、特に−40〜+30°で使用すると好
ましい。ホウ素含有還元剤は-10〜100°、特に0〜80°
で使用すると好ましい。
使用する還元剤の量は理論的4要量の0.8〜3当量、特
に1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。たとえ
ば、ホウ水素化ナトリウムを使用する場合の好適量は半
エステル塩1モル当りNaBH40.75〜1.125モルである。
原料化合物として使用するジアステレオ異性体の1,3−
ジベンジル−5−アルコキシカルボニル−2−オキソイ
ミダゾリジン−4−カルボン酸塩において、−アルコキ
シカルボニル−は1〜6個のC原子を有する−アルキル
オキシカルボニル−、2〜8個のC原子を有する−アル
コキシアルコキシカルボニル−、2〜6個のC原子を有
する−アルケニルオキシ−カルボニル−、−ベンジル−
オキシカルボニルあるいは1−または2−フエニルエト
キシカルボニル−を意味するものと理解されるべきであ
る。
本発明の方法による還元は1,3−ジベンジル−5−メト
キシ−、−5−エトキシ−および−5−ベンジルオキシ
−カルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボ
ン酸の光学的活性アミンによる塩を使用して行なうと特
に好ましい。
適当な光学的活性のアミン塩成分はラセミ体形半エステ
ル化合物の分離に適する光学的活性アミンの全部であ
り、たとえば西ドイツ国特許第2,058,248号で特許請求
されているエフエドリン、ヨーロツパ公開特許出願第9
2,194号公報にあげられている1,2−ジフエニルエタナミ
ンおよび特に(+)−デヒドロアビエチルアミンである。
ジアステレオ異性体の(+)−デヒドロアビエチルアミン
塩の使用は本発明による方法の好適態様を構成する。
この方法の実施は簡単である。原料化合物として使用す
るジアステレオ異性体の塩は既知であるか、または、た
とえばヨーロツパ公開特許出願第92,194号公報に記載さ
れているようなそれ自体既知の方法により製造できる。
この反応は反応成分を混合し、次いで撹拌した反応混合
物を反応に要求される温度に加熱または冷却するが、所
望により適当な溶剤中の溶液にしたジアステレオ異性体
の塩に前記還元剤を徐々に加えると有利である。反応時
間は0.5〜40時間、好ましくは1〜8時間である。
反応を実施した後に、反応混合物を酸、たとえば塩酸ま
たは硫酸のような鉱酸の添加により酸性にし、次いで還
元生成物を適当な溶剤、たとえばジエチルエーテル、酢
酸エチル、ジクロルメタン、クロロホルムまたはトルエ
ンのような溶剤により光学的活性ラクトンの形で抽出す
る。
抽出に使用した溶剤を除去した後に、所望のラクトンが
通常、非常に純粋な結晶の形で後に残る。必要に応じ
て、この生成物はクロマトグラフイーまたは結晶化によ
りさらに精製できる。
光学的活性アミンを回収するには、抽出溶液を強塩基、
たとえばアンモニア、水酸化ナトリウム溶液または水酸
化カリウム溶液の添加によりアルカリ性pHにすることに
よりアミンを遊離させることができ、次いで光学的に活
性なラクトンの単離について前記した方法と同様にして
抽出できる。
光学的に活性な(3aS,6aR)−1,3−ジベンジル−テトラ
ヒドロ−4H−フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4-(1H)
−ジオンは、たとえば西ドイツ国特許第2,058,234号お
よび西ドイツ国特許第2,331,244号の明細書に記載され
ているような既知の方法でD−(+)−ビオチンに変換で
きる。
従つて、本発明は式Ia/Ibの半エステル化合物の簡単
で、完全なそして高収率の光学的分割に対して、従つて
またD−(+)−ビオチンの製造に対して極めて有利な方
法を提供する。
本発明はさらにまた、光学的活性アミンと光学的に活性
な1,3−ジベンジル−5−アルコキシカルボニル−2−
オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸との間のジアス
テレオ異性体の塩を光学的活性1,3−ジベンジルヘキサ
ヒドロ−1H−フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4−ジオン
に高い化学的および光学的純度で還元して生成する簡単
で経済的な方法に対して、従つてまたD−(+)−ビオチ
ンの製造に対して極めて有利な方法を提供する。
例1 a)エタノール59.7g(1.283モル)およびベンゼン2
中のシス−1,3−ジベンジルヘキサヒドロ−1H−フ
ロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4,6−トリオン250g(0.7
43モル)の懸濁液を2時間還流させ、次いで濃縮し、結
晶化させる。収量:シス−1,3−ジベンジル−2−オキ
ソイミダゾリジン−5−エトキシカルボニル−4−カル
ボン酸256g(理論量の90%);融点:93°。
b)ラセミ体形シス−1,3−ジベンジル−5−エトキシ
カルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン
酸57.4g(0.15モル)および(+)−デヒドロアビエチル
アミン42.8g(0.15モル)をテトラヒドロフラン3.5m
に溶解し、水7.5mを室温で加える。温度を−7°
に低下させると、(4R,5S)−シス−1,3−ジベンジル−
5−エトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−
4−カルボン酸のデヒドロアビエチルアミン塩47.7g
(理論量の95%)が晶出する。▲〔α〕25 365▼=+4
7.1°。母液に水400mまたはヘキサン500m
を添加すると、(4S,5R)−シス−1,3−ジベンジル−5
−エトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4
−カルボン酸のデヒドロアビエチルアミン塩49.8g(理
論量の98%)が晶出する。▲〔α〕25 365▼=+61.24
°。
例2 等量のラセミ体形シス−1,3−ジベンジル−5−エトキ
シカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボ
ン酸および(+)−デヒドロアビエチルアミンをエタノー
ル(1モル当り4〜5)に溶解し、次いで水10%を
添加した後に、−10°で結晶化させる。(4R,5S)−
シス−1,3−ジベンジル−5−エトキシカルボニル−2
−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸のデヒドロア
ビエチルアミン塩の収率は理論量の89%である;▲
〔α〕25 365▼=+48.1° 母液をその量の約2/3に減じ、次いで同量の水で稀釈す
ると、理論量の92%で(4S,5R)−シス−1,3−ジベン
ジル−5−エトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリ
ジン−4−カルボン酸のデヒドロアビエチルアミン塩が
単離できる。▲〔α〕25 365▼=+63.6°。
第2次の母液を蒸発させ、残留物をジイソプロピルエー
テル100mで処理すると、(4R,5S)−および(4S,5
R)−シス−1,3−ジベンジル−5−エトキシカルボニル
−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸のジアス
テレオ異性体の(+)−デヒドロアビエチルアミン塩の複
合生成物が理論量の9%の収率で得られ、これは分離工
程で再使用できる。
例3 塩化メチレン80m中のラセミ体形シス−1,3−ジベ
ンジル−5−エトキシカルボニル−2−オキソイミダゾ
リジン−4−カルボン酸26.8g(0.07モル)および(+)
−デヒドロアビエチルアミン20g(0.07モル)の溶液
を蒸発乾燥させる。ジイソプロピルエーテルから結晶化
させ、1対のジアステレオ異性体のエチル半エステル酸
デヒドロアビエチルアミン塩45.6g(理論量の97.5%)
が得られる。▲〔α〕25 365▼=+54.9°。
例4 例3に記載のシス−1,3−ジベンジル−5−エトキシカ
ルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸
のジアステレオ異性体の(+)−デヒドロアビエチルアミ
ン塩の混合物の分離は水を10%含有するエタノールか
らの結晶化により達成できる。
晶出する第1次の塩は(4R,5S)−配置を有する。▲
〔α〕25 365▼=+46.2°。
第1次結晶化の母液に水(有機溶剤の容積に対して約5
0%)、ジイソプロピルエーテルまたは石油エーテルを
添加すると、(4S,5R)−配置を有する結晶化した塩が
得られる。▲〔α〕25 365▼=+63.6°。
例5 エタノールの代りに水5%を含有するイソプロパノール
を使用する以外は例4に記載の方法を繰返すと、例4で
得られたものに相応する、一対の(4R,5S)−ジアステ
レオ異性体の塩が得られる。
例6 エタノールの代りに水2%を含有するテトラヒドロフラ
ンを使用する以外は例4に記載の方法を繰返し、例4で
得られたものに相応する収量が得られる。
例7 水の添加量を5%に減じる以外は例4と同様にして、ラ
セミ体のシス−1,3−ジベンジル−5−メトキシカルボ
ニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸を分
離させる。この生成物の収量は例4〜6で相応するエチ
ル半エステルの分離について得られた収量に相当する。
(4S,5R)−シス−1,3−ジベンジル−5−メトキシカル
ボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸:
▲〔α〕25 365▼=+39°。
(4R,5S)−シス−1,3−ジベンジル−5−メトキシカル
ボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸:
▲〔α〕25 365▼=+67°。
例8 エタノールの代りに水3%を含有するイソプロパノール
を使用する以外は例7に記載の方法を繰返し、例7で得
られたものに匹敵する収量が得られる。
例9 エタノールの代りに水1%を含有するテトラヒドロフラ
ンを使用する以外は例7に記載の方法を繰返して、例7
で得られたものと同じ水準の収量が得られる。
例10 エタノールの代りに水2%を含有するアセトンを使用す
る以外は例7に記載の方法を繰返して、例7で得られた
ものに匹敵する収量が得られる。
例11 ラセミ体のシス−1,3−ジベンジル−5−ベンジルオキ
シカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボ
ン酸〔この化合物はシス−1,3−ジベンジルヘキサヒド
ロ−1H−フロ(3,4-d〕イミダゾール−2,4,6−トリオ
ンおよびベンジルアルコールから例1aに記載の方法を
繰返すことにより得られる〕177.8gおよび(+)−デヒド
ロアビエチルアミン117.8gをトルエン800mに溶解
し、水40mの添加後に、0°で結晶化させる。(4
R,5S)−シス−1,3−ジベンジル−5−ベンジルオキシ
カルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン
酸の収量は138.6g(理論量の95%)である。▲
〔α〕25 365▼=+45.2°;光学的純度:99%。
母液を蒸発乾固させる。メチル第3ブチルエーテル60
0mで残留物を処理し、室温で結晶化すると、(4S,5
R)−シス−1,3−ジベンジル−5−ベンジルオキシカル
ボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸13
5.8g(理論量の93%)が得られる。▲〔α〕25 365
=+54.2°;光学的純度:99%。
例12 a)2N硫酸35mを水200mおよび酢酸エチル
200m中の(4S,5R)−シス−1,3−ジベンジル−5
−エトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4
−カルボン酸のデヒドロアビエチルアミン塩23.3gの懸
濁液に撹拌しながら加える。過して、(+)−デヒドロ
アビエチルアミン水素硫酸塩12.18g(理論量の90.6
%)が得られる。液の有機相を分離採取し、水で洗浄
する。乾燥させ、溶剤を除去し、次いでジイソプロピル
エーテルから結晶化させると、(4S,5R)−シス−1,3−
ジベンジル−5−エトキシカルボニル−2−オキソイミ
ダゾリジン−4−カルボン酸12.7g(理論量の94.8%)
が得られる。▲〔α〕25 365▼=−23.8°。
b)例12aで得られた(+)−デヒドロアビエチルアミン水
素硫酸塩12.18gを水200mに懸濁させ、懸濁液のp
Hを濃水酸化ナトリウム溶液の添加によりpH12にす
る。懸濁液を各回100mのトルエンで抽出する。集
めた抽出液を洗浄し、乾燥させ、次いで蒸発乾燥させる
と(+)−デヒドロアビエチルアミン8.9g(理論量の88.9
%)が得られる。この生成物はラセミ体を再度分割する
のに適している。
例13 例12の方法を使用して下記の化合物が得られる: (4S,5R)−1,3−ジベンジル−5−メトキシカルボニル
−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸:▲
〔α〕25 365▼=−12.75°; (4R,5S)−1,3−ジベンジル−5−メトキシカルボニル
−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸:▲
〔α〕25 365▼=+18.2°。
例14 例12で得られた光学的活性シス−1,3−ジベンジル−
5−エトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−
4−カルボン酸のホウ水素化リチウムによる相当する光
学的に活性な1,3−ジベンジル−テトラヒドロ−4H−
フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4(1H)−ジオンへの還元
をゲレツクらによりヘルベチカ・シミカ・アクタ(Hel
v.Chim.Acta)53(1970年)、第991〜999頁に
記載されている方法と同様にして行なう。
(3aS,6aR)−1,3−ジベンジル−テトラヒドロ−4H−
フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4(1H)−ジオンの収率は
理論量の88.5%である。融点:119.4°;▲〔α〕25 365
▼=+240.6°。このラクトン生成物は西ドイツ国特許
第2,058,234号または西ドイツ国特許第2,331,244号に従
いD−(+)−ビオチンに変換できる。
例15 例14に記載の方法を使用して、ホウ水素化リチウムに
よりエナンチオマー形のシス−1,3−ジベンジル−5−
メトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−4−
カルボン酸を還元して、次の生成物が得られる: (3aS,6aR)−1,3−ジベンジル−テトラヒドロ−4H−
フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4(1H)−ジオン;理論量
の97.4%;▲〔α〕25 365▼=+208°および (3aR,6aS)−1,3−ジベンジル−テトラヒドロ−4H−
フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4(1H)−ジオン;定量的
収率;▲〔α〕25 365▼=−206°。
例16 ホウ水素化ナトリウム4gをテトラヒドロフラン250
mに入れ、懸濁液を還流温度まで加熱する。テトラヒ
ドロフラン150m中の(4S,5R)−1,3−ジベンジル
−5−エトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン
−4−カルボン酸の(+)−デヒドロアビエチルアミン塩
(この化合物は例1b、2、3または4に記載のとおりに
して得られる)60.8gの溶液をNaBH4懸濁液中に4時間
にわたり滴下して加え、混合物を次いでさらに還流しな
がら1時間撹拌する。
これを次いで20°に冷却させ、3N硫酸300mの滴加
により分解させる。
溶剤の大部分を減圧下に除去し、生成する沈殿を吸引
取し、水で洗浄する。
フイルター残留物をエタノール中に取り入れ、加熱によ
り溶解する。冷却すると結晶化する。取し、エタノー
ルで洗浄して、(3aS,6aR)−1,3−ジベンジルテトラヒ
ドロ−4H−フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4(1H)−ジ
オン27.3g(理論量の93%)が得られる。融点:119
°;▲〔α〕25 365▼=+208.7°(c=1、ベンゼ
ン)。
この母液から蒸発乾固およびジクロルメタンによる処理
によりデヒドロアビエチルアミン水素硫酸塩33.1gが回
収される。
例17 (4R,5S)−1,3−ジベンジル−5−エトキシカルボニル
−2−オキソイミダゾリジン−4−カルボン酸の(+)−
デヒドロアビエチルアミン塩33.4gの溶液(これは例1
b、2、4、5または6に記載のとおりにして製造され
る)をテトラヒドロフラン中の0.15Mジボラン溶液17
0mlに撹拌しながら0°で滴下して徐々に加える。添加
完了後に、この温度で撹拌をさらに5時間続け、稀硫酸
で分解させ、次いで仕上げる。この両操作は例16と同
様にして行なう。これにより、(3aS,6aR)−1,3−ジベ
ンジルテトラヒドロ−4H−フロ〔3,4-d〕イミダゾー
ル−2,4(1H)−ジオン14.6g(理論量の91%)が得ら
れる。融点:118.8°;▲〔α〕25 365▼=+206.4°
(c=1、ベンゼン)。
例18 例16の方法を使用して、テトラヒドロフラン中でホウ
水素化ナトリウムにより(4S,5R)−1,3−ジベンジル−
5−メトキシカルボニル−2−オキソイミダゾリジン−
4−カルボン酸のd−1−フエニル−2−p−トリルエ
タナミン塩(この化合物は西ドイツ国公開特許出願第9
2,194号に従い製造される)を還元する。これにより、
(3aS,6aR)−1,3−ジベンジルテトラヒドロ−4H−フ
ロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4(1H)−ジオンが理論量の
89%の収率で得られる。
このラクトン生成物は西ドイツ国特許第2,058,234号ま
たは同第2,331,244号に従いD−(+)−ビチオンに変換で
きる。
例19 例17と同様の方法を使用して、(4R,5S)−1,3−ジベ
ンジル−5−メトキシカルボニル−2−オキソイミダゾ
リジン−4−カルボン酸のd−1−フエニル−2−p−
トリルエタナミン塩(この化合物はヨーロツパ公開特許
出願第92,194号公報に従い製造される)をテトラヒドロ
フラン中でジボランにより還元する。これにより、(3a
S,6aR)−1,3−ジベンジルテトラヒドロ−4H−フロ
〔3,4-d〕イミダゾール−2,4(1H)−ジオンが理論量の9
2%の収率で得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス・ヘロルド ドイツ連邦共和国D‐6100ダルムシユタツ ト、フランクフルテル、シユトラーセ250 (72)発明者 ミカエル・カスト ドイツ連邦共和国D‐6100ダルムシユタツ ト、フランクフルテル、シユトラーセ250 (72)発明者 ノルベルト・シユバイケルト ドイツ連邦共和国D‐6100ダルムシユタツ ト、フランクフルテル、シユトラーセ250 (72)発明者 ヨセフ=ステエフアン・ステール ドイツ連邦共和国D‐6100ダルムシユタツ ト、フランクフルテル、シユトラーセ250 (72)発明者 ワルター・クーン ドイツ連邦共和国D‐6100ダルムシユタツ ト、フランクフルテル、シユトラーセ250

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(3aS,6aR)−および(または)(3aR,6a
    S)−1,3−ジベンジルヘキサヒドロ−1H−フロ〔3,4-
    d〕イミダゾール−2,4−ジオンを1,3−ジベンジル−5
    −アルコキシカルボニル−2−オキソ−イミダゾリジン
    −4−カルボン酸から製造する方法であつて、光学的活
    性アミンと光学的活性1,3−ジベンジル−5−アルコキ
    シカルボニル−2−オキソ−イミダゾリジン−4−カル
    ボン酸との間で生成されるジアステレオマー塩を還元す
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】ジアステレオマーの半エステル塩をそのカ
    ルボキシル基の位置で還元する特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  3. 【請求項3】ジアステレオマーの半エステル塩をそのア
    ルコキシカルボニル基の位置で還元する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】光学的活性アミンが(+)−デヒドロアビ
    エチルアミンである特許請求の範囲第1〜3各項に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】(4S,5R)−1,3−ジベンジル−5−メトキ
    シ−および(または)−5−エトキシ−および(また
    は)−5−ベンジルオキシ−カルボニル−2−オキソ−
    イミダゾリジン−4−カルボン酸の(+)−デヒドロア
    ビエチルアミン塩をホウ水素化ナトリウムにより還元し
    て、(3aS,6aR)−1,3−ジベンジルヘキサヒドロ−1H
    −フロ〔3,4-d〕イミダゾール−2,4−ジオンを製造す
    る、特許請求の範囲第1〜3各項に記載の方法。
  6. 【請求項6】(4S,5R)−1,3−ジベンジル−5−メトキ
    シ−および(または)−5−エトキシ−および(また
    は)−5−ベンジルオキシ−カルボニル−2−オキソ−
    イミダゾリジン−4−カルボン酸の(+)−デヒドロア
    ビエチルアミン塩をジボランを用いて還元して、(3aS,
    6aR)−1,3−ジベンジルヘキサヒドロ−1H−フロ〔3,
    4-d〕イミダゾール−2,4−ジオンを製造する、特許請求
    の範囲第1〜4各項に記載の方法。
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