JP2550378B2 - 光学活性ビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体の製造方法 - Google Patents
光学活性ビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体の製造方法Info
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- JP2550378B2 JP2550378B2 JP63000339A JP33988A JP2550378B2 JP 2550378 B2 JP2550378 B2 JP 2550378B2 JP 63000339 A JP63000339 A JP 63000339A JP 33988 A JP33988 A JP 33988A JP 2550378 B2 JP2550378 B2 JP 2550378B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビシクロ〔3.3.0〕オクタン環を有する光
学活性なカルバサイクリン類を合成するための中間体と
して有用な(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−
6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンの光学純度を
向上させる方法に関する。
学活性なカルバサイクリン類を合成するための中間体と
して有用な(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−
6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンの光学純度を
向上させる方法に関する。
より具体的には、本発明は(1R,5S,6S,7R)−3,3−エ
チレンジオキシ−6−ヒドロキシメチル−7−(2′−
テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オク
タンを出発物質としてその6位のヒドロキシメチル基を
第三ブチルジフエニルシリルオキシメチル基に変換した
エチレンジオキシ基およびテトラヒドロピラニル基を離
脱せしめて(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニ
ルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オ
クタン−3−オンを生成せしめ、この化合物が結晶性で
あることを利用して結晶化によつてその光学純度を向上
させ、光学純度が向上されたこの化合物の3位および7
位のそれぞれをエチレンジオキシ基およびテトラヒドロ
ピラニル基で保護し、第三ブチルジフエニルシリル基を
離脱させることにより光学純度が向上せしめれられた元
の(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒド
ロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを生成させる方法に関
する。
チレンジオキシ−6−ヒドロキシメチル−7−(2′−
テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オク
タンを出発物質としてその6位のヒドロキシメチル基を
第三ブチルジフエニルシリルオキシメチル基に変換した
エチレンジオキシ基およびテトラヒドロピラニル基を離
脱せしめて(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニ
ルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オ
クタン−3−オンを生成せしめ、この化合物が結晶性で
あることを利用して結晶化によつてその光学純度を向上
させ、光学純度が向上されたこの化合物の3位および7
位のそれぞれをエチレンジオキシ基およびテトラヒドロ
ピラニル基で保護し、第三ブチルジフエニルシリル基を
離脱させることにより光学純度が向上せしめれられた元
の(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒド
ロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを生成させる方法に関
する。
プロスタサイクリン(PGI)は、血小板凝集抑制作
用、血管拡張作用をはじめ種々の薬理作用を有し、医薬
品として開発するに有望なものと考えられる。しかし、
反面、非常に不安定であるという欠点を有している。プ
ロスタサイクリン系誘導体の中で、安定型のものとし
て、エノールエーテルの酵素部分をメチレン基で置き換
えた下記の構造式で表わされる カルバサイクリン(9(0)−メタノプロスタサイクリ
ン)が知られている。光学活性なカルバサイクリンの合
成法としては、「テトラヘドロン(Tetrahedron)」第3
7巻第4391頁(1981年)、「ジヤーナル・オブ・オーガ
ニツク・ケミストリー(Journal of Organic Chemistr
y)」第44巻第2880頁(1979年)、「ジヤーナル・オブ
・オーガニツク・ケミストリー」第46巻第1954頁(1981
年)などに記載の方法が知られているが、それらは工程
が長いという欠点を有している。また、下記式(VIII) で表わされる、(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル
−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3−オンを中間体として上記のカルバサイクリンを合成
する方法が、テトラヘドロソレターズ(Tetrahedron Le
tters)、3743頁、(1978年)、ジヤーナル・オブ・ケ
ミカル・ソサイアテイ、ケミカル・コミユニケーシヨン
(Journal of Chemical Society、Chemical Communicat
ion)、1067頁、(1978年)、テトラヘドロンレターズ
(Tetrahedron Letters)、433頁、(1979年)などに記
載されているが、これらの方法で得られるものはラセミ
体〔(1SR,5RS)体〕であつて光学活性体は得られな
い。すなわち、これらの方法で用いる原料の中間体化合
物は上述のようにラセミ体であるので、生成物も必然的
にラセミ体となるのである。したがつて原料中間体化合
物として光学活性化合物の(1S,5R)体を使用すること
ができればきわめて好都合に上記した光学活性カルバサ
イクリンが得られることになる。
用、血管拡張作用をはじめ種々の薬理作用を有し、医薬
品として開発するに有望なものと考えられる。しかし、
反面、非常に不安定であるという欠点を有している。プ
ロスタサイクリン系誘導体の中で、安定型のものとし
て、エノールエーテルの酵素部分をメチレン基で置き換
えた下記の構造式で表わされる カルバサイクリン(9(0)−メタノプロスタサイクリ
ン)が知られている。光学活性なカルバサイクリンの合
成法としては、「テトラヘドロン(Tetrahedron)」第3
7巻第4391頁(1981年)、「ジヤーナル・オブ・オーガ
ニツク・ケミストリー(Journal of Organic Chemistr
y)」第44巻第2880頁(1979年)、「ジヤーナル・オブ
・オーガニツク・ケミストリー」第46巻第1954頁(1981
年)などに記載の方法が知られているが、それらは工程
が長いという欠点を有している。また、下記式(VIII) で表わされる、(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル
−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3−オンを中間体として上記のカルバサイクリンを合成
する方法が、テトラヘドロソレターズ(Tetrahedron Le
tters)、3743頁、(1978年)、ジヤーナル・オブ・ケ
ミカル・ソサイアテイ、ケミカル・コミユニケーシヨン
(Journal of Chemical Society、Chemical Communicat
ion)、1067頁、(1978年)、テトラヘドロンレターズ
(Tetrahedron Letters)、433頁、(1979年)などに記
載されているが、これらの方法で得られるものはラセミ
体〔(1SR,5RS)体〕であつて光学活性体は得られな
い。すなわち、これらの方法で用いる原料の中間体化合
物は上述のようにラセミ体であるので、生成物も必然的
にラセミ体となるのである。したがつて原料中間体化合
物として光学活性化合物の(1S,5R)体を使用すること
ができればきわめて好都合に上記した光学活性カルバサ
イクリンが得られることになる。
ところで上記した原料の中間体化合物である式(VII
I)の化合物は上記したジヤーナル・オブ・ケミカル・
ソサイアテイ、ケミカル・コミユニケーシヨン(Journa
l of Chemical Society、Chemical Communication)、1
067頁、(1978年)、およびテトラヘドロンレターズ(T
etrahedron Letters)、433頁、(1979年)の教示に従
つて次の式(V) で表わされる、シス−ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオンから次の反応工程を経て合成される。
I)の化合物は上記したジヤーナル・オブ・ケミカル・
ソサイアテイ、ケミカル・コミユニケーシヨン(Journa
l of Chemical Society、Chemical Communication)、1
067頁、(1978年)、およびテトラヘドロンレターズ(T
etrahedron Letters)、433頁、(1979年)の教示に従
つて次の式(V) で表わされる、シス−ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3,7
−ジオンから次の反応工程を経て合成される。
この反応式から見られるように、式(VII)の化合物
へのエトキシカルボニル基の導入によつて生成する式
(VIII)の化合物は常にラセミ体となり、光学活性を有
しない。
へのエトキシカルボニル基の導入によつて生成する式
(VIII)の化合物は常にラセミ体となり、光学活性を有
しない。
そこで本発明者らはさきに上記の式(VIII)の化合物
の中から(1S,5R)体のみを取り出す方法として上記の
ラセミ体である(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル
−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3−オンをその(1R,5S)体のケト基を特異的に還元す
る能力を有する微生物と処理して非還元体として次の式
(IV) で表わされる光学活性な(1S,5R)−2−エトキシカル
ボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オク
タン−3−オンを製造する方法を提案した(特願昭60-1
19807、特開昭61-280294号公報)。
の中から(1S,5R)体のみを取り出す方法として上記の
ラセミ体である(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル
−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3−オンをその(1R,5S)体のケト基を特異的に還元す
る能力を有する微生物と処理して非還元体として次の式
(IV) で表わされる光学活性な(1S,5R)−2−エトキシカル
ボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オク
タン−3−オンを製造する方法を提案した(特願昭60-1
19807、特開昭61-280294号公報)。
このようにして得られる式(IV)で表わされる光学活
性な(1S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレ
ンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オンは、
次に示す操作工程によつて光学活性なカルバサイクリン
に導くことができる。
性な(1S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレ
ンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オンは、
次に示す操作工程によつて光学活性なカルバサイクリン
に導くことができる。
この本発明者らがさきに提案した方法による式(VII
I)の(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル−7,7−エ
チレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン
を微生物で処理して得られる式(IV)の光学活性な(1
S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレンジオ
キシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オンの光学純度
は、使用する微生物によつて異なるものの、最も良好な
結果の得られたS.bailiiを使用するもので92〜94%e.e.
(enantiomeric excess)であり、これを使用する最終
生成物のカルバサイクリン(式(XVI)の化合物)の光
学純度は96%e.e.程度であつた。そして微生物として最
も入手が容易なパン酵母を用いる場合は得られる式(I
V)の化合物の光学純度は60%e.e.程度であつて、これ
を使用した場合の得られるカルバサイクリンの光学純度
は満足しうるものではない。従ってこの従来方法では使
用する微生物には特別な性能を有するものを使用する必
要があり、安価で入手が容易なパン酵母は原理的には使
用可能ではあるけれども生成物の光学純度が低いという
理由で使用することが必ずしも好まれるものではなかつ
た。
I)の(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル−7,7−エ
チレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン
を微生物で処理して得られる式(IV)の光学活性な(1
S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレンジオ
キシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オンの光学純度
は、使用する微生物によつて異なるものの、最も良好な
結果の得られたS.bailiiを使用するもので92〜94%e.e.
(enantiomeric excess)であり、これを使用する最終
生成物のカルバサイクリン(式(XVI)の化合物)の光
学純度は96%e.e.程度であつた。そして微生物として最
も入手が容易なパン酵母を用いる場合は得られる式(I
V)の化合物の光学純度は60%e.e.程度であつて、これ
を使用した場合の得られるカルバサイクリンの光学純度
は満足しうるものではない。従ってこの従来方法では使
用する微生物には特別な性能を有するものを使用する必
要があり、安価で入手が容易なパン酵母は原理的には使
用可能ではあるけれども生成物の光学純度が低いという
理由で使用することが必ずしも好まれるものではなかつ
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕 上記したように、特殊な微生物を使用する場合には得
られる式(IV)の(1S,5R)−2−エトキシカルボニル
−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3−オンの光学純度は可なりの程度に高めうるものの、
この微生物の培養、管理には特別の困難性を伴うことか
ら、入手が容易な例えばパン酵母の使用が経済的な観点
から望ましいけれども、この後者のパン酵母の使用によ
つては光学純度の高い式(IV)の化合物が得られないと
いう問題点があつたのである。
られる式(IV)の(1S,5R)−2−エトキシカルボニル
−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3−オンの光学純度は可なりの程度に高めうるものの、
この微生物の培養、管理には特別の困難性を伴うことか
ら、入手が容易な例えばパン酵母の使用が経済的な観点
から望ましいけれども、この後者のパン酵母の使用によ
つては光学純度の高い式(IV)の化合物が得られないと
いう問題点があつたのである。
ところで、上記した式(IV)の化合物から式(XVII)
のカルバサイクリンに至る反応経路において得られる中
間生成物の夫々は結晶性にとぼしく、再結晶の手段によ
つて光学純度を向上させることができないことがこのカ
ルバサイクリンの合成反応において高い光学純度の原料
物質を要求する原因でもある。従つて結晶性の中間生成
物を見出し、この中間生成物を再結晶させることによつ
て光学純度を向上させることが出来れば出発原料の式
(IV)の化合物に光学純度の高いものを使用しなくても
高光学純度のカルバサイクリンを得ることができると考
えられる。従つて光学純度を再結晶の手段で向上させう
る結晶性の中間生成物を見出すことが上記した問題点の
解決のため一つの課題であつたのである。
のカルバサイクリンに至る反応経路において得られる中
間生成物の夫々は結晶性にとぼしく、再結晶の手段によ
つて光学純度を向上させることができないことがこのカ
ルバサイクリンの合成反応において高い光学純度の原料
物質を要求する原因でもある。従つて結晶性の中間生成
物を見出し、この中間生成物を再結晶させることによつ
て光学純度を向上させることが出来れば出発原料の式
(IV)の化合物に光学純度の高いものを使用しなくても
高光学純度のカルバサイクリンを得ることができると考
えられる。従つて光学純度を再結晶の手段で向上させう
る結晶性の中間生成物を見出すことが上記した問題点の
解決のため一つの課題であつたのである。
本発明者らは結晶性の良好なビシクロ〔3.3.0〕オク
タン環を有するカルバサイクリン合成の中間体となりう
る化合物を探索した結果次の式(III) で示される(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−3−オンが極めて良好な結晶性を有する
ことと、この化合物を再結晶処理に付すことにより光学
純度を著しく向上せしめうることを見出したのである。
タン環を有するカルバサイクリン合成の中間体となりう
る化合物を探索した結果次の式(III) で示される(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−3−オンが極めて良好な結晶性を有する
ことと、この化合物を再結晶処理に付すことにより光学
純度を著しく向上せしめうることを見出したのである。
そしてこの式(III)の(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブ
チルジフエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オンは次の式(I) で示される(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−
6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを塩基の存在
下に第三ブチルジフエニルクロロシランと反応させて、
次の式(II) で示される(1R,5S,6S,7S)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−3,3−エチレンジオキシ−7−
(2′−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクタンを生成せしめ、得られたこの化合物のエチ
レンジオキシ基およびテトラヒドロピラニル基を酸性条
件下に離脱せしめることによつて容易に得られるもので
あるから、この式(III)の化合物を再結晶処理に付し
て光学純度を向上させ、次いでこの式(III)の化合物
を元の式(I)の(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオ
キシ−6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンに戻す
ことにより、結果的にこの元の式(I)の化合物の光学
純度を向上せしめうることが今や明らかになつたのであ
る。
チルジフエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オンは次の式(I) で示される(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−
6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを塩基の存在
下に第三ブチルジフエニルクロロシランと反応させて、
次の式(II) で示される(1R,5S,6S,7S)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−3,3−エチレンジオキシ−7−
(2′−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクタンを生成せしめ、得られたこの化合物のエチ
レンジオキシ基およびテトラヒドロピラニル基を酸性条
件下に離脱せしめることによつて容易に得られるもので
あるから、この式(III)の化合物を再結晶処理に付し
て光学純度を向上させ、次いでこの式(III)の化合物
を元の式(I)の(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオ
キシ−6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンに戻す
ことにより、結果的にこの元の式(I)の化合物の光学
純度を向上せしめうることが今や明らかになつたのであ
る。
すなわち、本発明は、次の式(I) で示される(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−
6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを塩基の存在
下に第三ブチルジフエニルクロロシランと反応させて、
次の式(II) で示される(1R,5S,6S,7S)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−3,3−エチレンジオキシ−7−
(2′−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクタンを生成せしめ、得られたこの化合物のエチ
レンジオキシ基およびテトラヒドロピラニル基を酸性条
件下に離脱せしめて次の式(III) で示される(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−3−オンを生成せしめ、得られたこの化
合物を再結晶処理に付すことにより光学純度を向上せし
め、光学純度が向上されたこの化合物の3位および7位
をそれぞれエチレンジオキシ基およびテトラヒドロピラ
ニル基で保護して上記した式(II)で示される(1R,5S,
6S,7S)−6−第三ブチルジフエニルシリルオキシメチ
ル−3,3−エチレンジオキシ−7−(2′−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを生成
せしめ、得られたこの化合物の第三ブチルジフエニルシ
リル基をフツ素アニオンの存在下に離脱させることによ
り、光学純度が向上された上記した式(I)で示される
(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒドロ
キシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを製造する方法に関す
る。
6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを塩基の存在
下に第三ブチルジフエニルクロロシランと反応させて、
次の式(II) で示される(1R,5S,6S,7S)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−3,3−エチレンジオキシ−7−
(2′−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクタンを生成せしめ、得られたこの化合物のエチ
レンジオキシ基およびテトラヒドロピラニル基を酸性条
件下に離脱せしめて次の式(III) で示される(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−3−オンを生成せしめ、得られたこの化
合物を再結晶処理に付すことにより光学純度を向上せし
め、光学純度が向上されたこの化合物の3位および7位
をそれぞれエチレンジオキシ基およびテトラヒドロピラ
ニル基で保護して上記した式(II)で示される(1R,5S,
6S,7S)−6−第三ブチルジフエニルシリルオキシメチ
ル−3,3−エチレンジオキシ−7−(2′−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを生成
せしめ、得られたこの化合物の第三ブチルジフエニルシ
リル基をフツ素アニオンの存在下に離脱させることによ
り、光学純度が向上された上記した式(I)で示される
(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒドロ
キシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを製造する方法に関す
る。
上記した式(I)で示される(1R,5S,6S,7R)−3,3−
エチレンジオキシ−6−ヒドロキシメチル−7−(2′
−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オ
クタンと第三ブチルジフエニルクロロシランンとの反応
は、好ましくは不活性溶媒の存在下に0°〜100℃の範
囲の温度、好ましくは10°〜40℃の範囲の温度で式
(I)で示される化合物1モル当り第3ブチルフエニル
クロロシランを1.0モル〜4モル程度の量、好ましくは
1.1モル〜1.5モル程度の量で用いて行なわれる。
エチレンジオキシ−6−ヒドロキシメチル−7−(2′
−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オ
クタンと第三ブチルジフエニルクロロシランンとの反応
は、好ましくは不活性溶媒の存在下に0°〜100℃の範
囲の温度、好ましくは10°〜40℃の範囲の温度で式
(I)で示される化合物1モル当り第3ブチルフエニル
クロロシランを1.0モル〜4モル程度の量、好ましくは
1.1モル〜1.5モル程度の量で用いて行なわれる。
この反応は塩基の存在で行なわれ、使用しうる塩基と
しては、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン
などが挙げられる。これらの塩基は使用する式(I)の
化合物と等モル量でかまたは過剰量で用いられる。
しては、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン
などが挙げられる。これらの塩基は使用する式(I)の
化合物と等モル量でかまたは過剰量で用いられる。
この反応において好ましく用いられる不活性溶媒とし
ては、N,N′−ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、塩化メチレンなどが挙げられる。
ては、N,N′−ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、塩化メチレンなどが挙げられる。
そしてこの反応は通常はイミダゾールの存在下にN,
N′−ジメチルホルムアミド中で室温にて行なう反応条
件下で典型的には進めうる。
N′−ジメチルホルムアミド中で室温にて行なう反応条
件下で典型的には進めうる。
引き続くエチレンジオキシ基とテトラヒドロピラニル
基の離脱反応は、両保護基を離脱せしめる条件下に行な
われる。すなわち、水、テトラヒドロフラン又は水−テ
トラヒドロフラン混液中、酸として酢酸、塩酸、硫酸、
p−トルエンスルホン酸などを用い、0°〜100℃、好
ましくは50°〜80℃の温度範囲で行なわれる。
基の離脱反応は、両保護基を離脱せしめる条件下に行な
われる。すなわち、水、テトラヒドロフラン又は水−テ
トラヒドロフラン混液中、酸として酢酸、塩酸、硫酸、
p−トルエンスルホン酸などを用い、0°〜100℃、好
ましくは50°〜80℃の温度範囲で行なわれる。
生成した式(III)の(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチ
ルジフエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシ
クロ〔3.3.0〕オクタン−3−オンは良好な結晶性を有
し、反応混合物を濃縮することによつて容易に結晶性固
体として反応混合物から分離させることができる。しか
しながら反応混合物からのその他の分離方法も可能であ
つて、例えばカラムクロマトグラフイーによつて分離す
ることができる。
ルジフエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシ
クロ〔3.3.0〕オクタン−3−オンは良好な結晶性を有
し、反応混合物を濃縮することによつて容易に結晶性固
体として反応混合物から分離させることができる。しか
しながら反応混合物からのその他の分離方法も可能であ
つて、例えばカラムクロマトグラフイーによつて分離す
ることができる。
このようにして分離された式(III)の(1R,5S,6S,7
R)−6−第三ブチルジフエニルシリルオキシメチル−
7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン
は光学純度を向上せしめるために再結晶処理に付されう
る。この再結晶処理には化合物の再結晶に使用される一
般的な方法が適用される。すなわち、適当な溶媒に熟時
に溶解し得られた過飽和溶液を冷却して放置するか、適
当な溶媒に溶解し、溶媒の一部を留去して過飽和溶液を
調製し、これから所望の結晶を析出させる方法などが適
用しうるが、好ましくは酢酸エチル、エーテル、アセト
ン、エタノール、ベンゼンなどの可溶性溶媒に溶解し、
これにヘキサン、石油エーテルなどの非可溶性溶媒を加
えて結晶化することによつて行なわれる。
R)−6−第三ブチルジフエニルシリルオキシメチル−
7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン
は光学純度を向上せしめるために再結晶処理に付されう
る。この再結晶処理には化合物の再結晶に使用される一
般的な方法が適用される。すなわち、適当な溶媒に熟時
に溶解し得られた過飽和溶液を冷却して放置するか、適
当な溶媒に溶解し、溶媒の一部を留去して過飽和溶液を
調製し、これから所望の結晶を析出させる方法などが適
用しうるが、好ましくは酢酸エチル、エーテル、アセト
ン、エタノール、ベンゼンなどの可溶性溶媒に溶解し、
これにヘキサン、石油エーテルなどの非可溶性溶媒を加
えて結晶化することによつて行なわれる。
上記した式(III)の化合物の再結晶によつて例えば
光学純度が40%e.e.のもので2回の再結晶で98%e.e.以
上となり、70〜80%e.e.のもので1回の再結晶で98%e.
e.以上となつた。そして>98%e.e.のものを再結晶処理
に付すことによつてほぼ100%e.e.の光学純度のものを
得ることが可能になつた。このことは、市販のパン酵母
を用いて得られる上記の式(IV)の(1S,5R)−2−エ
トキシカルボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3−オンのような比較的光学純度
の低い出発原料を用いて得られる同様に比較的光学純度
の低い式(I)の化合物であつても式(III)の化合物
に転換させることによつてきわめて容易にその光学純度
をほぼ100%e.e.にまで高めることができることを示し
ている。すなわち、この発明によつてきわめて安価に光
学純度の高められたカルバサイクリン合成中間体を得る
ことができるのである。
光学純度が40%e.e.のもので2回の再結晶で98%e.e.以
上となり、70〜80%e.e.のもので1回の再結晶で98%e.
e.以上となつた。そして>98%e.e.のものを再結晶処理
に付すことによつてほぼ100%e.e.の光学純度のものを
得ることが可能になつた。このことは、市販のパン酵母
を用いて得られる上記の式(IV)の(1S,5R)−2−エ
トキシカルボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3−オンのような比較的光学純度
の低い出発原料を用いて得られる同様に比較的光学純度
の低い式(I)の化合物であつても式(III)の化合物
に転換させることによつてきわめて容易にその光学純度
をほぼ100%e.e.にまで高めることができることを示し
ている。すなわち、この発明によつてきわめて安価に光
学純度の高められたカルバサイクリン合成中間体を得る
ことができるのである。
このようにして再結晶処理によつて光学純度の高めら
れた式(III)の化合物はその3位のケト基をエチレン
ジオキシ基で、また7位のヒドロキシル基をテトラヒド
ロピラニル基で保護し、次いで第三ブチルジフエニルシ
リル基をフツ素アニオン存在下に離脱させることによつ
て式(I)で示される(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレン
ジオキシ−6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンに
戻される。
れた式(III)の化合物はその3位のケト基をエチレン
ジオキシ基で、また7位のヒドロキシル基をテトラヒド
ロピラニル基で保護し、次いで第三ブチルジフエニルシ
リル基をフツ素アニオン存在下に離脱させることによつ
て式(I)で示される(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレン
ジオキシ−6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンに
戻される。
この3位のケト基のエチレンジオキシ基による保護は
慣用の方法で行なわれる。すなわち、適当な有機溶媒、
例えばベンゼン、トルエンなどの炭化水素溶媒中で式
(III)の化合物を酸触媒、例えばp−トルエンスルホ
ン酸、蓚酸、アジピン酸、酢酸、p−トルエンスルホン
酸ピリジニウム、塩酸、硫酸などの存在下にエチレング
リコールと反応させることで行ないうる。この反応は好
ましくは溶液の沸騰温度で生成する水を例えば共沸で除
きながら行なわれる。またこの反応はアセタール交換に
よつても行なわれる。すなわち無溶媒もしくはベンゼ
ン、トルエンなどの溶媒を用い、2−メトキシ−1,3−
ジオキソラン、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキ
ソランなどの1,3−ジオキソラン類と上述の酸触媒の存
在下に20°〜120℃の温度範囲で行なわれる。
慣用の方法で行なわれる。すなわち、適当な有機溶媒、
例えばベンゼン、トルエンなどの炭化水素溶媒中で式
(III)の化合物を酸触媒、例えばp−トルエンスルホ
ン酸、蓚酸、アジピン酸、酢酸、p−トルエンスルホン
酸ピリジニウム、塩酸、硫酸などの存在下にエチレング
リコールと反応させることで行ないうる。この反応は好
ましくは溶液の沸騰温度で生成する水を例えば共沸で除
きながら行なわれる。またこの反応はアセタール交換に
よつても行なわれる。すなわち無溶媒もしくはベンゼ
ン、トルエンなどの溶媒を用い、2−メトキシ−1,3−
ジオキソラン、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキ
ソランなどの1,3−ジオキソラン類と上述の酸触媒の存
在下に20°〜120℃の温度範囲で行なわれる。
こうして3位がエチレンジオキシ基で保護された化合
物は次いでその7位のヒドロキシル基がテトラヒドロピ
ラニル基で保護される。この7位のヒドロキシル基の保
護も慣用の方法で行なわれる。すなわち、適当な有機溶
媒、例えば塩化メチレン、エーテルなどの中で上記の3
位がエチレンジオキシ基で保護された化合物を触媒、例
えばp−トルエンスルホン酸ピリジニウム、p−トルエ
ンスルホン酸などの存在下にジヒドロピランと反応させ
ることで行ないうる。この反応は例えば10°〜40℃の範
囲の温度で行なわれる。
物は次いでその7位のヒドロキシル基がテトラヒドロピ
ラニル基で保護される。この7位のヒドロキシル基の保
護も慣用の方法で行なわれる。すなわち、適当な有機溶
媒、例えば塩化メチレン、エーテルなどの中で上記の3
位がエチレンジオキシ基で保護された化合物を触媒、例
えばp−トルエンスルホン酸ピリジニウム、p−トルエ
ンスルホン酸などの存在下にジヒドロピランと反応させ
ることで行ないうる。この反応は例えば10°〜40℃の範
囲の温度で行なわれる。
こうして3位および7位が保護された化合物につい
て、第三ブチルジフエニルシリル基を離脱してヒドロキ
シメチル基に変換せしめられる。この反応も慣用の方法
で行なわれる。すなわち適当な有機溶媒例えばテトラヒ
ドロフランの中で、フツ化テトラブチルアンモニウムま
たはフツ化ピリジニウムなどで10°〜40℃の温度で処理
することによつて行なわれる。
て、第三ブチルジフエニルシリル基を離脱してヒドロキ
シメチル基に変換せしめられる。この反応も慣用の方法
で行なわれる。すなわち適当な有機溶媒例えばテトラヒ
ドロフランの中で、フツ化テトラブチルアンモニウムま
たはフツ化ピリジニウムなどで10°〜40℃の温度で処理
することによつて行なわれる。
このようにして、式(I)の化合物を式(III)の化
合物に変換させ、再結晶によつて光学純度を高め、そし
てこの光学純度の向上された式(III)の化合物を再び
式(I)の化合物に戻すことによつて光学純度が高めら
れた式(I)の化合物を得ることができる。
合物に変換させ、再結晶によつて光学純度を高め、そし
てこの光学純度の向上された式(III)の化合物を再び
式(I)の化合物に戻すことによつて光学純度が高めら
れた式(I)の化合物を得ることができる。
次に本発明を製造例および実施例によつて更に詳細に
説明することにする。
説明することにする。
製造例1 (1S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレンジ
オキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン(IV) スクロース15gを0.1Mリン酸緩衝液(pH7)100mlに溶
かした溶液を30℃に加温し、パン酵母7.0gを加え30℃に
て15分振盪した。そこに、(1SR,5SR)−2−エトキシ
カルボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕
オクタン−3−オン(VIII)505mgの0.2%トリトンX−
100(15ml)懸濁液を加え、30℃にて振盪し、8時間後
にスクロース10gを加え、計24時間振盪した。その後、
反応液をセライト過し、液は、食塩にて飽和し、酢
酸エチルにて3回抽出した。有機層は飽和食塩水で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣は
シリカゲルクロマトグラフイー(溶出液:20%(v/v)ジ
エチルエーテル−n−ヘキサン)にて精製し、油状の
(1S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレンジ
オキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン(IV)183
mgを得た。
オキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン(IV) スクロース15gを0.1Mリン酸緩衝液(pH7)100mlに溶
かした溶液を30℃に加温し、パン酵母7.0gを加え30℃に
て15分振盪した。そこに、(1SR,5SR)−2−エトキシ
カルボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕
オクタン−3−オン(VIII)505mgの0.2%トリトンX−
100(15ml)懸濁液を加え、30℃にて振盪し、8時間後
にスクロース10gを加え、計24時間振盪した。その後、
反応液をセライト過し、液は、食塩にて飽和し、酢
酸エチルにて3回抽出した。有機層は飽和食塩水で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣は
シリカゲルクロマトグラフイー(溶出液:20%(v/v)ジ
エチルエーテル−n−ヘキサン)にて精製し、油状の
(1S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレンジ
オキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン(IV)183
mgを得た。
比旋光度:▲〔α〕21 D▼+15.3°(c=1.87、CHCl3) 赤外線吸収(液膜法)(cm-1)1765.1735、1665、1625 製造例2 (1R,5S,6R,7R)−6−エトキシカルボニル−3,3−エチ
レンジオキシ−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オク
タン(IX) (1S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレンジ
オキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン(IV)
(▲〔α〕21 D▼+15.3°(c=1.87、CHCl3)のもの)
2.09g、エタノール21mlの溶液に、−40℃にて撹拌下に
水素化ホウ素ナトリウム0.17gを30分で加え、その後1
時間撹拌した。反応液は減圧下にエタノールを留去した
後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層は飽和食塩
水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフイー(溶出液:20
〜50%(v/v)ジエチルエーテル−n−ヘキサン)にて
精製し、油状の表題化合物1.60gを得た。
レンジオキシ−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オク
タン(IX) (1S,5R)−2−エトキシカルボニル−7,7−エチレンジ
オキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン(IV)
(▲〔α〕21 D▼+15.3°(c=1.87、CHCl3)のもの)
2.09g、エタノール21mlの溶液に、−40℃にて撹拌下に
水素化ホウ素ナトリウム0.17gを30分で加え、その後1
時間撹拌した。反応液は減圧下にエタノールを留去した
後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層は飽和食塩
水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフイー(溶出液:20
〜50%(v/v)ジエチルエーテル−n−ヘキサン)にて
精製し、油状の表題化合物1.60gを得た。
赤外線吸収スペクトル(液膜法)(cm1):3500、1730 製造例3 (1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒドロ
キシメチル−7−(2′−テトラヒドロプラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I) (1R,5S,6R,7R)−6−エトキシカルボニル−3,3−エ
チレンジオキシ−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オ
クタン(IX)2.65g、ジヒドロピラン1.34g、p−トルエ
ンスルホン酸ビリジニウム0.26g、無水塩化メチレン30m
lの混合液を室温で3時間撹拌した。その後反応液を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣とし
て3.70gの油状のテトラヒドロピラニルエーテルを得
た。得られる粗のテトラヒドロピラニルエーテルを無水
ジエチルエーテル15mlに溶解し、その溶液を、無水ジエ
チルエーテル50ml中水素化リチウムアルミニウム0.59g
の懸濁液に氷冷下撹拌しつつ1時間で滴下した。さらに
室温にて30分撹拌後、氷冷下に水0.6ml、10%水酸化ナ
トリウム水溶液1.8ml、水0.6mlを順次加え、さらに1時
間撹拌した。反応液をセライト過後、硫酸ナトリウム
で乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフイー(溶出液:25%(v/v)酢酸エチル−n−ヘキ
サン)にて精製し、油状の表題化合物3.04gを得た。
キシメチル−7−(2′−テトラヒドロプラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I) (1R,5S,6R,7R)−6−エトキシカルボニル−3,3−エ
チレンジオキシ−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オ
クタン(IX)2.65g、ジヒドロピラン1.34g、p−トルエ
ンスルホン酸ビリジニウム0.26g、無水塩化メチレン30m
lの混合液を室温で3時間撹拌した。その後反応液を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣とし
て3.70gの油状のテトラヒドロピラニルエーテルを得
た。得られる粗のテトラヒドロピラニルエーテルを無水
ジエチルエーテル15mlに溶解し、その溶液を、無水ジエ
チルエーテル50ml中水素化リチウムアルミニウム0.59g
の懸濁液に氷冷下撹拌しつつ1時間で滴下した。さらに
室温にて30分撹拌後、氷冷下に水0.6ml、10%水酸化ナ
トリウム水溶液1.8ml、水0.6mlを順次加え、さらに1時
間撹拌した。反応液をセライト過後、硫酸ナトリウム
で乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマト
グラフイー(溶出液:25%(v/v)酢酸エチル−n−ヘキ
サン)にて精製し、油状の表題化合物3.04gを得た。
赤外線吸収スペクトル(液膜法)(cm-1):3470 実施例1 (1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニルシリルオ
キシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン−3−オン(III) 上記した製造例1〜3の工程で得られた(1R,5S,6S,7
R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒドロキシメチル−
7−(2′−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ
〔3.3.0〕オクタン(I)1.15g、第三ブチルジフエニル
クロロシラン1.17g、N,N−ジメチルホルムアミド6.0ml
の混合液にイミダゾール0.66gを加え、室温で30分間撹
拌した。その後反応液を水に注ぎエーテルで抽出した。
エーテル層を水洗したのち、エーテルを減圧下に留去し
た。残留物に酢酸、水、テトラヒドロフラン(3:1:1)
の混合液20mlを加え、70℃で2時間撹拌した。冷却した
のち反後液を水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチ
ル層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
で順次洗浄したのち、酢酸マグネシウムで乾燥した。
過の後得られた酢酸エチル溶液から酢酸エチルを減圧下
に留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフイー
(溶出液:20%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、1.35g
の結晶性化合物を得た。これを酢酸エチル−ヘキサン
(1:5)溶液から2回再結晶させ、高光学純度を有する
表標化合物0.65gを得た。
キシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン−3−オン(III) 上記した製造例1〜3の工程で得られた(1R,5S,6S,7
R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒドロキシメチル−
7−(2′−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ
〔3.3.0〕オクタン(I)1.15g、第三ブチルジフエニル
クロロシラン1.17g、N,N−ジメチルホルムアミド6.0ml
の混合液にイミダゾール0.66gを加え、室温で30分間撹
拌した。その後反応液を水に注ぎエーテルで抽出した。
エーテル層を水洗したのち、エーテルを減圧下に留去し
た。残留物に酢酸、水、テトラヒドロフラン(3:1:1)
の混合液20mlを加え、70℃で2時間撹拌した。冷却した
のち反後液を水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチ
ル層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
で順次洗浄したのち、酢酸マグネシウムで乾燥した。
過の後得られた酢酸エチル溶液から酢酸エチルを減圧下
に留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフイー
(溶出液:20%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し、1.35g
の結晶性化合物を得た。これを酢酸エチル−ヘキサン
(1:5)溶液から2回再結晶させ、高光学純度を有する
表標化合物0.65gを得た。
融点 100〜101℃ 比旋光度 ▲〔α〕21 D▼+9.9°(c=1.95、CHCl3) 赤外線吸収スペクトル(KBr法)(cm-1):3450、1730、
1590 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,200MHz):δ7.69〜7.64
(m,4H)、7.46〜7.37(m,6H)、4.21〜4.10(m,1H)、
3.82(dd,J=10.1,5.1Hz,1H)、3.67(dd,J=10.1,7.6H
z,1H)、2.63〜1.49(m,10H)、1.06(s,9H) 光学純度の決定 (R)−MTPA(α−メトキシ−α−トリフルオロメチル
フエニル酢酸)エステルとし、液体クロマトグラフイー
で分析した。
1590 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,200MHz):δ7.69〜7.64
(m,4H)、7.46〜7.37(m,6H)、4.21〜4.10(m,1H)、
3.82(dd,J=10.1,5.1Hz,1H)、3.67(dd,J=10.1,7.6H
z,1H)、2.63〜1.49(m,10H)、1.06(s,9H) 光学純度の決定 (R)−MTPA(α−メトキシ−α−トリフルオロメチル
フエニル酢酸)エステルとし、液体クロマトグラフイー
で分析した。
液体クロマトグラフイー条件は次の通りである。
充填剤 Nucleosil 50−5 カラム φ4.6×250mm 溶出液 ヘキサン−テトラヒドロフラン(10:1) 流 速 1.2ml/min 検 出 254nm 再結晶前 保持時間 20.9分(80.9%) 24.9分(19.1%) よつて光学純度は61.8%e.e. 再結晶後 保持時間 20.9分(99.7%) 24.9分(0.3%) よつて光学純度は99.4%e.e. 実施例2 スクロース15gを、0.1Mリン酸緩衝液(pH7)100mlに
溶かした溶液を30℃に加温し、パン酵母7.0gを加え、30
℃にて15分振盪した。そこに(1SR,5RS)−2−エトキ
シカルボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−3−オン(VIII)498mgの0.2%トリトンX
-100(15ml)懸濁液を加え30℃にて振盪した。8時間後
にスクロース10g、24時間後、48時間後にスクロース10
g、パン酵母3.5gを加え72時間振盪した。その後、製造
例1と同様に処理して(1S,5R)−2−エトキシカルボ
ニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン−3−オン(IV)109mgを得た。
溶かした溶液を30℃に加温し、パン酵母7.0gを加え、30
℃にて15分振盪した。そこに(1SR,5RS)−2−エトキ
シカルボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−3−オン(VIII)498mgの0.2%トリトンX
-100(15ml)懸濁液を加え30℃にて振盪した。8時間後
にスクロース10g、24時間後、48時間後にスクロース10
g、パン酵母3.5gを加え72時間振盪した。その後、製造
例1と同様に処理して(1S,5R)−2−エトキシカルボ
ニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン−3−オン(IV)109mgを得た。
比旋光度:▲〔α〕22 D▼+19.9°(c=1.99、CHCl3) この化合物を上記した製造例2および3と同様に処理
して(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)を得た。
して(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)を得た。
この(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−
ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニル
オキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)0.81gを用い
上記した実施例1と同様に処理し、再結晶を1回行ない
(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニルシリルオ
キシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン−3−オン(III)を0.78g得た。
ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニル
オキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)0.81gを用い
上記した実施例1と同様に処理し、再結晶を1回行ない
(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニルシリルオ
キシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン−3−オン(III)を0.78g得た。
比旋光度 ▲〔α〕21 D▼+9.7°(c=1.83、CHCl3) 光学純度 実施例1と同様にして決定 再結晶前 79.0%e.e. 再結晶後98.8%e.e. 実施例3 坂口フラスコ中100mlの培地(2%麦芽エキス、0.1%
ペプトン、2%グルコース/精製水)4本にSaccharomy
ces cerevisiae NCYC 240を1白金耳ずつ植菌し、30℃
にて64時間振盪し前培養した。それらをヘソ付三角フラ
スコ中1.8lの培地(同上の組成)2個に2本ずつ投入
し、30℃にて68時間旋回培養し本培養した。遠心分離で
集菌後、菌体はグルコース10gを含む100mlの0.1Mリン酸
緩衝液を30℃に加温したものに加え、15分振盪した。そ
の後、(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル−7,7−エ
チレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン
(VIII)500mgの0.2%トリトンX-100(15ml)懸濁液を
加え、30℃にて振盪し、6時間後に10g,22時間後に5gの
グルコースを加え50時間振盪した。その後、反応液より
遠心分離にて菌体を除き、上澄液は食塩で飽和し、ジエ
チルエーテルにて3回抽出した。有機層は、飽和食塩水
で洗浄後硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。
残渣はカラムクロマトグラフイー(溶出液:20%(v/v)
ジエチルエーテル−n−ヘキサン)にて精製した。
ペプトン、2%グルコース/精製水)4本にSaccharomy
ces cerevisiae NCYC 240を1白金耳ずつ植菌し、30℃
にて64時間振盪し前培養した。それらをヘソ付三角フラ
スコ中1.8lの培地(同上の組成)2個に2本ずつ投入
し、30℃にて68時間旋回培養し本培養した。遠心分離で
集菌後、菌体はグルコース10gを含む100mlの0.1Mリン酸
緩衝液を30℃に加温したものに加え、15分振盪した。そ
の後、(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル−7,7−エ
チレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン
(VIII)500mgの0.2%トリトンX-100(15ml)懸濁液を
加え、30℃にて振盪し、6時間後に10g,22時間後に5gの
グルコースを加え50時間振盪した。その後、反応液より
遠心分離にて菌体を除き、上澄液は食塩で飽和し、ジエ
チルエーテルにて3回抽出した。有機層は、飽和食塩水
で洗浄後硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。
残渣はカラムクロマトグラフイー(溶出液:20%(v/v)
ジエチルエーテル−n−ヘキサン)にて精製した。
このようにして(1S,5R)−2−エトキシカルボニル
−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3−オン(IV)185mgを得た。
−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−
3−オン(IV)185mgを得た。
比旋光度 ▲〔α〕21 D▼+13.2°(c=2.12、CHCl3) この化合物を上記した製造例2および3と同様に処理
して(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)を得た。
して(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)を得た。
この化合物0.62gを用い上記した実施例1と同様に処
理し、再結晶を2回行ない(1R,5S,6S,7R)−6−第三
ブチルジフエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシ
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン(III)を0.25g
得た。
理し、再結晶を2回行ない(1R,5S,6S,7R)−6−第三
ブチルジフエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシ
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3−オン(III)を0.25g
得た。
比旋光度 ▲〔α〕21 D▼+9.7°(c=1.73、CHCl3) 光学純度 実施例1と同様にして決定 再結晶前 51.6%e.e. 再結晶後98.6%e.e. 実施例4 実施例3と同様にして培養したSaccharomyces uvarum
IFO 1225と、(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル−
7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3
−オン(VIII)504mgを用い、実施例3と同様にして反
応を開始した。グルコースを4時間後に10g、19時間後
に5g、153時間後に10g加え、167時間振盪した。その後
実施例3と同様の後処理を行ない(1S,5R)−2−エト
キシカルボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.
3.0〕オクタン−3−オン(IV)101mgを得た。
IFO 1225と、(1SR,5RS)−2−エトキシカルボニル−
7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オクタン−3
−オン(VIII)504mgを用い、実施例3と同様にして反
応を開始した。グルコースを4時間後に10g、19時間後
に5g、153時間後に10g加え、167時間振盪した。その後
実施例3と同様の後処理を行ない(1S,5R)−2−エト
キシカルボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.
3.0〕オクタン−3−オン(IV)101mgを得た。
比旋光度:▲〔α〕21 D▼+18.3°(c=1.87、CHCl3) この化合物を上記した製造例2および3と同様に処理
して(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)を得た。
して(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)を得た。
この化合物0.78gを用い実施例1と同様に処理し、再
結晶を1回行ない(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジ
フエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3−オン(III)を0.51g得た。
結晶を1回行ない(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジ
フエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3−オン(III)を0.51g得た。
比旋光度:▲〔α〕21 D▼+9.7°(c=1.73、CHCl3) 光学純度 実施例1と同様にして決定 再結晶前 73.6%e.e. 再結晶後98.6%e.e. 実施例5 実施例3と同様にして培養したSaccharomyces carlsb
ergensis IFO 0565と、(1SR,5RS)−2−エトキシカル
ボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オク
タン−3−オン(VIII)500mgを用い、実施例3と同様
にして反応を開始した。グルコースを4時間後に10g、2
3時間後に10g加え、68時間振盪した。その後、実施例3
と同様の後処理を行ない(1S,5R)−2−エトキシカル
ボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オク
タン−3−オン(IV)219mgを得た。
ergensis IFO 0565と、(1SR,5RS)−2−エトキシカル
ボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オク
タン−3−オン(VIII)500mgを用い、実施例3と同様
にして反応を開始した。グルコースを4時間後に10g、2
3時間後に10g加え、68時間振盪した。その後、実施例3
と同様の後処理を行ない(1S,5R)−2−エトキシカル
ボニル−7,7−エチレンジオキシビシクロ〔3.3.0〕オク
タン−3−オン(IV)219mgを得た。
比旋光度:▲〔α〕21 D▼+12.6°(c=2.08、CHCl3) この化合物を上記した製造例2および3と同様に処理
して(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)を得た。
して(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I)を得た。
この化合物0.52gを用い実施例1と同様に処理し、再
結晶を2回行ない(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジ
フエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3−オン(III)を0.18g得た。
結晶を2回行ない(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジ
フエニルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ
〔3.3.0〕オクタン−3−オン(III)を0.18g得た。
比旋光度:▲〔α〕21 D▼+9.7°(c=1.68、CHCl3) 光学純度 実施例1と同様にして決定 再結晶前 50.6%e.e. 再結晶後99.0%e.e. 実施例6 (1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒドロ
キシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I) 2.00gの(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニル
シリルオキシメチル−7−ヒドロキシ〔3.3.0〕オクタ
ン−3−オン(III)、6.08gのエチレングリコール、触
媒量のp−トルエンスルホン酸、60mlのベンゼンの混合
物を水分離器をつけ1時間還流撹拌した。冷後反応液は
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチル層は飽和食塩水で洗浄後硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下に留去後、残留物
に0.62gのジヒドロピラン、0.12gのp−トルエンスルホ
ン酸ピリジニウム、20mlの無水塩化メチレンを加え室温
下に2時間撹拌した。その後反応溶液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、次いで硫酸
マグネシムで乾燥した。塩化メチレンを減圧下に留去
後、残留物を30mlのテトラヒドロフランに溶解し、次い
で5.40mlのフツ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒ
ドロフラン1.0M溶液を加え、室温下に6時間撹拌した。
その後、テトラヒドロフランを減圧下に留去し、残留物
に水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は
水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。酢酸エチルを減圧下に留去後、残留物をシリカゲル
クロマトグラフイー(溶出液:33〜60%(v/v)酢酸エチ
ル−n−ヘキサン)にて精製し、油状の表題化合物1.33
gを得た。
キシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(I) 2.00gの(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニル
シリルオキシメチル−7−ヒドロキシ〔3.3.0〕オクタ
ン−3−オン(III)、6.08gのエチレングリコール、触
媒量のp−トルエンスルホン酸、60mlのベンゼンの混合
物を水分離器をつけ1時間還流撹拌した。冷後反応液は
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチル層は飽和食塩水で洗浄後硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下に留去後、残留物
に0.62gのジヒドロピラン、0.12gのp−トルエンスルホ
ン酸ピリジニウム、20mlの無水塩化メチレンを加え室温
下に2時間撹拌した。その後反応溶液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、次いで硫酸
マグネシムで乾燥した。塩化メチレンを減圧下に留去
後、残留物を30mlのテトラヒドロフランに溶解し、次い
で5.40mlのフツ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒ
ドロフラン1.0M溶液を加え、室温下に6時間撹拌した。
その後、テトラヒドロフランを減圧下に留去し、残留物
に水を加え、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は
水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。酢酸エチルを減圧下に留去後、残留物をシリカゲル
クロマトグラフイー(溶出液:33〜60%(v/v)酢酸エチ
ル−n−ヘキサン)にて精製し、油状の表題化合物1.33
gを得た。
赤外線吸収スペクトル(液膜法)(cm-1):3470 核磁気共鳴スペクトル(CDCl3,200MHz):δ4.55〜4.71
(1H,m)、3.8〜4.0(4H,m)、3.4〜3.8(5H,m)、2.72
(1H,s)、1.3〜2.5(15H,m)
(1H,m)、3.8〜4.0(4H,m)、3.4〜3.8(5H,m)、2.72
(1H,s)、1.3〜2.5(15H,m)
Claims (1)
- 【請求項1】次の式(I) で示される(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−
6−ヒドロキシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラ
ニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを塩基の存在
下に第三ブチルジフエニルクロロシランと反応させて、
次の式(II) で示される(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−3,3−エチレンジオキシ−7−
(2′−テトラヒドロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.
0〕オクタンを生成せしめ、得られたこの化合物のエチ
レンジオキシ基およびテトラヒドロピラニル基を酸性条
件下に離脱せしめて次の式(III) で示される(1R,5S,6S,7R)−6−第三ブチルジフエニ
ルシリルオキシメチル−7−ヒドロキシビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−3−オンを生成せしめ、得られたこの化
合物を再結晶処理に付すことにより光学純度を向上せし
め、光学純度が向上されたこの化合物の3位および7位
をそれぞれエチレンジオキシ基およびテトラヒドロピラ
ニル基で保護して上記した式(II)で示される(1R,5S,
6S,7R)−6−第三ブチルジフエニルシリルオキシメチ
ル−3,3−エチレンジオキシ−7−(2′−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを生成
せしめ、得られたこの化合物の第三ブチルジフエニルシ
リル基をフツ素アニオンの存在下に離脱させることによ
り、光学純度が向上された上記した式(I)で示される
(1R,5S,6S,7R)−3,3−エチレンジオキシ−6−ヒドロ
キシメチル−7−(2′−テトラヒドロピラニルオキ
シ)ビシクロ〔3.3.0〕オクタンを製造する方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63000339A JP2550378B2 (ja) | 1988-01-06 | 1988-01-06 | 光学活性ビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体の製造方法 |
US07/293,414 US4871869A (en) | 1988-01-06 | 1989-01-04 | Optically active bicyclo[3.3.0]octane and processes for the preparation thereof |
EP89300111A EP0323913B1 (en) | 1988-01-06 | 1989-01-06 | Processes for the preparation of optically active bicyclo [3.3.0]octane |
DE68914469T DE68914469T2 (de) | 1988-01-06 | 1989-01-06 | Verfahren zur Herstellung von Optisch aktives Bicyclo[3.3.0]octan. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63000339A JP2550378B2 (ja) | 1988-01-06 | 1988-01-06 | 光学活性ビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01180881A JPH01180881A (ja) | 1989-07-18 |
JP2550378B2 true JP2550378B2 (ja) | 1996-11-06 |
Family
ID=11471118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63000339A Expired - Fee Related JP2550378B2 (ja) | 1988-01-06 | 1988-01-06 | 光学活性ビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2550378B2 (ja) |
-
1988
- 1988-01-06 JP JP63000339A patent/JP2550378B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01180881A (ja) | 1989-07-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |