JP2561942B2 - 光学活性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オン - Google Patents

光学活性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オン

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JP2561942B2 JP63111155A JP11115588A JP2561942B2 JP 2561942 B2 JP2561942 B2 JP 2561942B2 JP 63111155 A JP63111155 A JP 63111155A JP 11115588 A JP11115588 A JP 11115588A JP 2561942 B2 JP2561942 B2 JP 2561942B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光学活性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.
0]ヘプタン−2−オンに関する。
[従来の技術] 近年、とくに農学分野において貢献度が大きい生理活
性物質の合成がさかんに研究されている。このことは、
種なしブドウなどの植物の生長調節剤として実用化され
ているジベレリンや果実の増収剤として実用化が検討さ
れているブラシノライドなどの植物ホルモンの研究成果
からみても言うに及ばない。
前記生理活性物質のなかでは、L−アミノ酸、有機
酸、ある種のビタミンや抗生物質などの微生物によって
比較的効率よく生産しうるものは別として、天然に存在
する光学活性な生理活性物質にはごく微量しか含有され
ず、しかも合成するのが困難であるため、一般に入手し
がたいものが多い。
[発明が解決しようとする課題] そこで本発明者は、前記した従来技術に鑑みて、天然
生理活性物質の合成には、その合成に有利な中間体を開
発することが鍵となることに着目し、かかる中間体をう
るべく鋭意研究を重ねた結果、種々の天然生理活性物質
の合成原料としてきわめて有効に使用しうるまったく新
規な化合物である5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘ
プタン−2−オンを初めて見出し、本発明を完成するに
いたった。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は式(I): (式中、*は不斉炭素原子を示す)で表わされる光学活
性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−
オンに関する。
[作用および実施例] 本発明の光学活性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.
0]ヘプタン−2−オンは、種々の生理活性物質の出発
原料として有用なものであり、かかる5−ヒドロキシビ
シクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オンから合成される生
理活性物質の具体例としては、たとえば (スポロゲンA0−1;以下、化合物Aという)、 (ギガンテノン(gigantenone);以下、化合物Bとい
う)、 (フォメノン(phomenone);以下、化合物Cとい
う)、 (ファセオリノン(phaseolinone);以下、化合物Dと
いう)などがあげられ、これらの化合物はすべて強力な
選択的植物毒素である。前記化合物AおよびCはトマト
葉かび病菌から単離され、抗かび作用を有する(アール
・キャプッソら(R.Capsso,et al.),ファイトケミス
トリー(Phytochemistry),232781(1984)参照)。ま
たは、前記化合物Aはアスペルギルス・オリゼ(Asperg
illus oryzae)から単離され、胞子形成促進物質でもあ
る(丸茂晋吾ら,テトラヘドロン・レターズ(Tetrahed
ron Letters),25,5907(1984)および片山正人、日本
農芸化学会誌61、1632(1987)参照)。
アスペルギルス・オリゼは、わが国の伝統ある発酵工
業において、清酒、醤油、味噌などの醸造に用いられる
重要な菌であり、さらにアミラーゼやプラテアーゼなど
の有用酵素の生産にも用いられている。この菌の胞子自
体はまた商品として市販されていることおよび実際の発
酵過程においては、胞子形成の度合が発酵生産物の品質
や収量に大きく影響を与えることもあり、本菌の胞子形
成の制御は、わが国の発酵産業上きわめて重要である。
したがって前記化合物Aの大量合成法の確立が望まれて
おり、本発明の目的物質である光学活性な5−ヒドロキ
シビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オンを出発原料と
して鋭意研究を重ねた結果、前記化合物Aの合成に成功
した(K.Mori,et al.,Tetrahedron,1988印刷中)。ま
た、その他前記化合物B、CおよびDも本発明の光学活
性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−
オンを原料として合成することが可能である。このよう
な多くの光学活性を有する天然生理活性化合物の重要な
出発原料となる本発明の光学活性な中間体は従来より知
られていない。
本発明の5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン
−2−オンは、数多くの重要な天然生理活性物質の合成
原料として使用されることのほか、それ自体でその化学
的活性に起因して液晶原料として有効に使用しうるもの
である。
本発明の光学活性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.
0]ヘプタン−2−オンは、たとえば反応式(II)に示
すような経路によって合成されうる。
(式中、aはジヒドロピラン,ピリジニウムp−トルエ
ンスルホネートおよびCH2Cl2;bはLiAlH4およびエーテル
(収率98%);cはp−TsCl,ピリジンおよび4−N,N−ジ
メチルアミノピリジン;dはピリジニウムp−トルエンス
ルホネートおよびメタノール;eは35%HClO4水溶液およ
びエーテル(収率85%);fはカリウムt−ブトキサイド
および第三級ブチルアルコール(78%);gは アゾジカルボン酸エチルおよびhはLiOHおよびメタノー
ル(収率80%)を示す)。
フルフラールから誘導される4,4−エチレンジオキシ
−2−エトキシカルボニルシクロヘキサノンをパン酵母
を用いて不斉還元を行なうことにより光学純度98%以上
で(1R、2S)−5,5−エチレンジオキシ−2−ヒドロキ
シシクロヘキサンカルボキシレートをうることができる
(北原武ら,テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron
Letters.)26451(1985)参照)。えられた(1R、2S)
−5,5−エチレンジオキシ−2−ヒドロキシシクロヘキ
サンカルボキシレートの水酸基をジヒドロピランで保護
したのち、リチウムアルミニウムハイドライドで還元
し、側鎖のエステルをアルコールに変換後、トルエンス
ルホン酸エステルとし、アセタールを除去する。そのの
ち、第三級ブトキサイドで処理することにより、(1S,5
S,6R)−5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン−
2−オンがえられる。さらに、ミツノブ(MITSUNOBU)
反応で反転させることにより、(1S,5S,6R)−5−ヒド
ロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オンがえられ
る。
以下に本発明を実施例をあげてさらに詳細に説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
実施例1 本発明の5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン
−2−オンをエチル(1R,2S)−5,5−エチレンジオキシ
−2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシレートを出
発物質とし、以下の製造例1〜7にしたがって調整し
た。
製造例1(エチル(1R,2S)−5,5−エチレンジオキシ−
2−テトラヒドロピラニルオキシシクロヘキサンカルボ
キシレートの合成) エチル(1R,2S)−5−エチレンジオキシ−2−ヒド
ロキシシクロヘキサンカルボキシレート30g(0.13ミリ
モル)、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸1.5g(6
ミリモル)1,2,3−ジヒドロピラン18.0g(214ミリモ
ル)を塩化メチレン300mlに加え、14時間室温で攪拌し
た。反応終了後、エーテル1000mlで希釈し、水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エ
チル(容量比)19/1〜7/3)で精製し、(1R,2S)−5,5
−エチレンジオキシ−2−テトラヒドロピラニルオキシ
シクロヘキサンカルボキシレート40.95g(収率99%)を
えた。
えられた化合物の同定データを以下に示す。
(屈折率) 屈折率計(エルマ(Erma)(株)製)を用いて測定し
た。
屈折率(▲n23 D▼)=1.4704 (比旋光度) JASCO DIP140(日本分光(株)製、商品名)を用いて
測定した。
比旋光度(▲[α]23 D▼)=+56.9゜(C=1.6,CHC
l3) (赤外吸収(IR)スペクトル) JASCO ZRA−102(日本分光(株)製、商品名)を用い
て測定した。
2950、2880、1735、1460、1440、1365、1350、1300、12
80、1255、1185、1130、1115、1080、1035、1020、100
0、983、947、920、904、867、815、762、725cm-11H−NMRスペクトル) JEOL FX−100(日本電子工業(株)製、商品名)を用
いて測定した。
NMR(100MHz、CDCl3):δ1.28および1.29(3H,t,J=7H
z)、1.3〜2.35(12H,m)、2.6〜2.9(1H,m)、3.3〜4.
5(9H,m)、4.67および4.77(1H,m) (元素分析) 実測値:C 60.73%、H 8.26% 計算値:C 61.13%、H 8.34%(C16H26O6) 製造例2((1R,2S)−5,5−エチレンジオキシ−2−テ
トラヒドロピラニルオキシシクロヘキサンメタノールの
合成) 水素化リチウムアルミニウム5.0g(130ミリモル)を5
00mlのエーテルに分散し、よく攪拌しながらエチル(1
R,2S)−5,5−エチレンジオキシ−2−テトラヒドロピ
ラニルオキシシクロヘキサンカルボキシレート40.95g
(130ミリモル)を200mlのエーテルに溶解したものを0
℃で滴下した。滴下終了後、0℃で1時間攪拌したの
ち、水5mlを添加し、15%水酸化ナトリウム水溶液5mlお
よび水15mlで洗浄した。生じた沈殿物はセライト上で
過し、ついでテトラヒドロフランで洗浄過を行なっ
た。液を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去し、残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エ
チル(容量比)=4/1〜3/7)で精製し、(1R,2S)−5,5
−エチレンジオキシ−2−テトラヒドロピラニルオキシ
シクロヘキサンメタノール34.65g(収率:98%)をえ
た。
(屈折率▲n23.5 D▼) 1.4833 (比旋光度▲[α]23.5 D▼) +31.7゜(C=0.82,CHCl3) (IRスペクトル) 3470、2960、2900、1440、1355、1315、1280、1250、12
05、1185、1150、1135、1115、1075、1030、990、962、
913、866、840、813、767、716cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz、CDCl3)δ1.2〜2.3
(13H,m)、2.52(1H,br.s)、3.3〜4.3(9H,m)、4.48
および4.71(1H,m) (元素分析) 実測値:C 61.34%、H 8.77% 計算値:C 61.74%、H 8.88%(C14H24O5) 製造例3(パラ−トルエンスルホン酸エステルの合成) (1S,2S)−5,5−エチレンジオキシ−2−テトラヒド
ロピラニルオキシシクロヘキサンメタノール5.44g(20
ミリモル)と4−N,N−ジメチルアミノピリジン244mg
(2ミリモル)をピリジン7.9g(100ミリモル)と塩化
メチレン20mlの混合溶媒中に溶解し、氷冷下でパラ−ト
ルエンスルホン酸クロリド5.7g(30ミリモル)を加えて
4℃で2日間攪拌した。反応終了後、反応液を水中に添
加し、エーテルで抽出した。つぎにエーテル層を氷冷
し、2NHClで洗浄したのち、水、飽和炭酸水素ナトリウ
ム、飽和食塩水の順で洗浄した。エーテル層を硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル(容量比)=9/1〜1/1)で
精製し、不安定な(1S,2S)−5,5−エチレンジオキシ−
2−テトラヒドロピラニルオキシシクロヘキサンメタノ
ールのトシルエステル8.09g(収率:95%)をえた。この
ものはそのままの状態でつぎの反応に用いた。
(IRスペクトル) 3080、1595、1440、1360、1175、1072、1035、960cm-1 製造例4(テトラヒドロピラニル基の除去) 製造例3でえられたエチル(1R,2S)−5,5−エチレン
ジオキシ−2−テトラヒドロピラニルオキシシクロヘキ
サンシリルメチルトシラート7.60g(17.8ミリモル)と
ピリジニウムパラ−トルエンスルホネート0.4gを100ml
のメタノールに溶解し、50℃で1時間攪拌した。反応終
了後、濃縮して残渣を300mlのエーテルに溶解し、水、
飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順で洗浄し、エ
ーテル層を硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを留
去したのち、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル(容量比)=8/2〜1/1)で精製し、
(1R,2S)−5,5−エチレンジオキシ−2−ヒドロキシシ
クロヘキシルメチル−パラ−トルエンスルホネート6.0g
をえた。
製造例5((1S,2S)−2−ヒドロキシ−5−オキソシ
クロヘキシルメチル−パラ−トルエンスルホネートの合
成) 製造例4でえられたパラ−トルエンスルホン酸エステ
ル6.0gをエーテル30ml中に溶解し、これに35%過塩素酸
水溶液40mlを0℃で添加した。0℃で1時間攪拌したの
ち、注意深く飽和炭酸水素ナトリウムとエーテルの1:1
混合溶液中に加えた。エーテル層を分離したのち、水層
をさらにエーテルで抽出した。エーテル層をあわせて水
と飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、エ
ーテルを留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ー(ヘキサン/酢酸エチル(容量比)=9/1〜3/7)で精
製し、(1S,2S)−2−ヒドロキシ−5−オキソシクロ
ヘキシルメチル−p−トルエンスルホネート4.52g(収
率:85%)をえた。えられた化合物の融点は74〜75℃で
あり、比旋光度▲[α]23 D▼は+13.3゜(C=1.25,CH
Cl3)であった。
(IRスペクトル) 3400、3080、2960、2940、2910、1695、1595、1493、14
60、1441、1410、1347、1292、1235、1210、1187、117
6、1140、1120、1110、1095、1076、1052、1018、973、
952、902、872、853、825、806、790、706、697、662cm
-11H−NMRスペクトル)(100MHz、CDCl3)δ1.5〜3.0
(8H,m)、2.48(3H,s)、3.7〜4.4(3H,m)7.37(2H,
d,J=8Hz)、7.71(2H,d,J=8Hz) (元素分析) 実測値:C 56.27%、H 6.08% 計算値:C 56.35%、H 6.08% (C14H18O5S) 製造例5((1S,5S,6R)−5−ヒドロキシビシクロ[4.
1.0]ヘプタン−2−オンの合成) (1S,2S)−2−ヒドロキシ−5−オキソシクロヘキ
シルメチル−p−トルエンスルホネート4.70g(15.8ミ
リモル)をt−ブタノール100mlに溶解し、カリウムt
−ブトキサイド5.6g(50ミリモル)を加えて室温(約20
℃)で1時間撹拌した。反応終了後、酢酸で中和し、析
出した沈澱をフロリジルで過して除去した。フロリジ
ルをテトラヒドロフランで充分に洗浄し、液とあわせ
て濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(塩
化メチレン/メタノール(容量比)=98/2〜92/8)で精
製し、(1s,5s,.6R)−5−ヒドロキシビシクロ[4.1.
0]ヘプタン−2−オン1.56g(収率:78%)をえた。
(屈折率) ▲n21 D▼=1.5089 (比旋光度) ▲[α]21 D▼−80.7゜(C=1.37、CHCl3) (IRスペクトル) 3400、3030、2955、2890、1670、1473、1405、1340、12
50、1200、1062、1040、985、965、940、876、840、785
cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz、CDCl3)δ1.3〜3.0
(9H、m)、4.43(1H、ddd、J=10、6および4Hz) (質量分析)m/z、 実測値:126.0658 計算値:126.0681(C7H10O2) 製造例6(安息香酸エステルの合成) (1s,5s,6R)−5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘ
プタン−2−オン3.70g(29.3ミリモル)、トリフェニ
ルホスフィン12g(45.8ミリモル)および安息香酸5.8g
(47.5ミリモル)をベンゼン60mlに溶解し、ジエチルア
ゾジカルボキシレート8.3g(47.7ミリモル)を滴下して
加えた。室温(約20℃)で2時間撹拌機、反応混合物を
水に加えてエーテルで抽出した。エーテル層を水、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した
のち、硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エ
チル(容量比)=9/1〜1/1で精製して安息香酸エステル
をえた。
(IRスペクトル(KBr)) 3030、2940、1700、1670、1595、1450、1265、1172、11
05、938、705cm-1 製造例7(1s,5R,6R)−5−ヒドロキシビシクロ[4.1.
0]ヘプタン−2−オンへの反転) 製造例6でえられた安息香酸エステル7.2g(29.3ミリ
モル)、水酸化リチウム水和物2.4g(2.4ミリモル)お
よびメタノール100mlの混合物を室温(約20℃)で1時
間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をエーテル300m
lに溶解したのち、析出した沈澱物をフロリジルで過
した。フロリジルをテトラヒドロフランで洗浄し、液
をあわせて濃縮したのち、残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(塩化メチレン/メタノール(容量比)=98/2
〜92/8)で精製し、式(I): (式中、*は不斉炭素原子を示す)で表わされる(1s,5
R,6R)−5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン−
2−オン2.95g(収率80%)をえた。
(屈折率▲n23 D▼) 1.5096 (比旋光度▲[α]23 D▼) +5.96゜(c=1.14 CHCl3) (IRスペクトル(neat)) 3410、3030、2960、2905、1670、1465、1400、1357、12
52、1207、1168、1113、1068、1010、983、946、937、8
90、865、830、760cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz、CDCl3)δ1.0〜1.4
(3H、m)、1.5〜2.8(6H、m)、4.45(1H、ddd J=
5,3および2Hz) (質量分析) 計算値:126.0681(C7H10O2) 実測値:m/z 126.0697 上記製造例でえられた本発明の目的化合物である(1
S,5R,6R)−5−ヒドロキシビシクロ[4,1,0]ヘプタン
−2−オンを出発原料とし、胞子形成促進物質である前
記化合物Aの合成例を以下に説明する。
合成例1((1S,5R,6R)−5−ターシャルジメチルシリ
ルオキシビシクロ[4,1,0]ヘプタン−2−オンの合
成) (1S,5R,6R)−5−ヒドロキシビシクロ[4,1,0]ヘ
プタン−2−オン0.91g(7.2ミリモル)、イミダゾール
1.36g(20ミリモル)およびターシャルブチルジメチル
シリルクロライド1.5g(10ミリモル)をジメチルホルム
アミド30mlに溶解して15時間室温で撹拌した。反応混合
物を水に添加し、エーテルで抽出後、エーテル層を水、
飽和食塩水の順で洗浄した。エーテル層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル=19/1〜4/1容量比)で精
製し、(1S,5R,6R)−5−ターシャルジメチルシリルオ
キシビシクロ[4,1,0]ヘプタン−2−オン1.73g(7.19
ミリモル)をえた(収率99%)。えられた化合物の融点
は51℃であり、比旋光度▲[α]23 D▼は+24.0(c=
1.06、CHCl3)であった。
(IRスペクトル) 3060、2960、2940、2905、2860、1680、1470、1450、14
00、1380、1365、1353、1342、1328、1313、1250、121
5、1190、1173、1116、1104、1076、1060、1046、102
9、1008、990、979、941、897、880、852、839、828、8
15、774、723、686cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz、CDCl3);δ0.11(3
H,s)、1〜1.2(3H,m)、0.91(9H,s)、0.95〜1.3(2
H,m)、1.5〜2.7(6H,m)、3.37(1H,q,J=3Hz) (元素分析) 実測値:C64.71%;H 10.06% 計算値:C64.94%;H 10.06% (C13H24O2Si) 合成例2((2RS,3R,4R)−4−ターシャルブチルジメ
チルシリルオキシ−2,3−ジメチルシクロヘキサノンの
合成) −78℃で液体アンモニア約50mlに金属リチウム160mg
(23ミリモル)を加え、さらにこれに(1S,5R,6R)−5
−ターシャルブチルジメチルシリルオキシビシクロ[4,
1,0]ヘプタン−2−オン1.15g(4.8ミリモル)とター
シャルブチルアルコール355mg(4.8ミリモル)を加えた
ジメトキシエタン10ml溶液を注意深く添加した。−78℃
で30分間撹拌後、青色溶液中にヨウ化メチル2.5ml(40
ミリモル)を注意深く加え、室温で放置した。液体アン
モニアがほとんど蒸発したのち、残渣にヘキサメチルホ
スホリックトリアミド2.5mlとジメトキシエタン10mlを
加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
の順で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。
減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=19/1〜7/3)で精製し、(2R
S,3R,4R)−4−ターシャルブチルジメチルシリルオキ
シ−2,3−ジメチルシクロヘキサノン1.02g(3.98ミリモ
ル)をえた(収率83%)。
えられた化合物の屈折率▲n22.8 D▼は1.4505であ
り、比旋光度 ▲[α]22.8 D▼は−11.4゜(c=1.15,CHCl3)であっ
た。
(IRスペクトル)νmax 2970、2950、2900、2870、1715、1460、1382、1365、13
10、1280、1255、1220、1205、1165、1140、1105、106
7、1045、1030、1007、980、960、943、893、858、83
8、815、777、746、680cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz、CDCl3)、δ0.11(6
H,s)、0.7〜1.2(6H,m)、0.91および0.95(9H,s)、
1.5〜2.3(6H,m)、2.4〜3.0(1H,m) (元素分析) 計算値:C65.62%、H 10.94%(C14H28O2Si) 実測値:C65.48%、H 10.96% 合成例3((2R,3R,4R)−4−ターシャルブチルジメチ
ルシリルオキシ−2,3−ジメチル−2−(3′−オキソ
ブチル)シクロヘキサノンの合成) (2RS,3R,4R)−4−ターシャルブチルジメチルシリ
ルオキシ−2,3−ジメチルシクロヘキサノン1.55g(6.2
ミリモル)とヘキサメチルジシラザン2ml(9.5ミリモ
ル)の15ml塩化メチレン溶液にトリメチルシリルイミダ
ゾール1.2ml(8.4ミリモル)を0℃で加えた。0℃で10
分間攪拌し、さらに室温で1時間攪拌後、反応液をヘキ
サンで希釈してフロリジルで過して濃縮した。
残渣にニトロメタン30mlとメチルビニルケトン2ml(2
5ミリモル)加え、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル0.7
5ml(6.1ミリモル)の2−プロパノール1.9ml(25ミリ
モル)溶液を−20℃で滴下した。−20℃で2時間攪拌
後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理
し、エーテルで抽出した。エーテル層を水および飽和食
塩水の順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して
えられた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサ
ン/酢酸エチル=49/1〜4/1)で精製し、(2R,3R,4R)
−4−ターシャルブチルジメチルシリルオキシ−2,3−
ジメチル−2−(3′−オキソブチル)シクロヘキサノ
ン1.11gをえた(収率58%) えられた化合物の屈折率▲n24.4 D▼は1.4655であ
り、比旋光度▲[α]24.4 D▼は−3.17゜(C=1.04,CH
Cl3)であった。
(IRスペクトル(neat))νmax 2970、2940、2900、2870、1720、1710、1460、1420、13
85、1360、1320、1285、1253、1160、1100、1070、100
5、986、953、918、884、835、813、773、678cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz,CDCl3)δ0.11(6H,
s)、0.92(9H,s)、0.96(3H,d,J=5Hz)、1.04(3H,
s)、1.1〜2.8(9H,m)、3.14(3H,s)、3.77(1H,ddd,
J=13.9および4Hz) (元素分析) 計算値:C 66.25%、H 10.43% (C18H34O3Si) 実測値:C 66.24%、H 10.52% 合成例4((4aR,5R,6R)−6−ターシャルブチルジメ
チルシリルオキシ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4a,5
−ジメチル−2(3H)ナフタレノンの合成) (2R,3R,4R)−4−ターシャルブチルメチルシリルオ
キシ−2,3−ジメチル−2−(3′−オキソブチル)シ
クロヘキサノン5.10g(15.6ミリモル)とピロリジン3ml
をベンゼン30mlに加え、2時間加熱還流して水を共沸除
去した。反応混合物をフロリジルで過後、液を濃縮
し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/
酢酸エチル=19/1〜4/1)で精製し、(4aR,5R,6R)−6
−ターシャルブチルジメチルシリルオキシ−4,4a,5,6,
7,8−ヘキサヒドロ−4a,5−ジメチル−2(3H)ナフタ
レノン3.78gをえた(収率79%)。えられた化合物の融
点は37℃であり、比旋光度▲[α]24.5 D▼は+88.7゜
(C=1.1,CHCl3)であった。
(IRスペクトル(νmax)) 2970、2950、2900、2875、1677、1620、1463、1446、14
34、1388、1371、1360、1350、1335、1257、1237、122
0、1200、1186、1125、1100、1074、1020、1007、961、
952、940、918、890、868、860、834、814、775、706、
685、666cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz,CDCl3)δ0.10(6H,
s)、0.92(9H,s)、0.99(3H,d,J=6Hz)、1.12(3H,
s)、1.15〜2.5(9H,m)、3.57(1H,dt,J=10および4H
z)、5.74(1H,s) (元素分析) 実測値:C 69.79%、H 10.39% 計算値:C 70.31.%、H 10.39% (C18H32O2Si) えられた(4aR,5R,6R)−6−ターシャルブチルジメ
チルシリルオキシ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4a,5
−ジメチル−2(3H)ナフタレノンの光学純度は(R)
−(+)−α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)
フェニル酢酸および(S)−(−)−α−メトキシ−α
−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸のエステル化合
物とし、光学活性カラム(Nucleosil50−5、4.6mm×25
cm)を使用した高速液体クロマトグラフィー(n−ヘキ
サン/イソプロパノール=100/1(容量比))で分析し
て決定した。
分析条件は、流速1.0ml/min、圧力30kg/cm2、検出器U
Vスペクトル(254nm) であり、えられた化合物の光学純度は100%であった。
合成例5((3RS,4aR,5R,6R,1′RS)−6−ターシャル
ブチルジメチルシリルオキシ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサジ
ヒドロ−3−(1′−ヒドロキシエチル)−4a,5−ジメ
チル−2(3H)ナフタレノンの合成) −78℃のテトラヒドロフラン(40ml)中にジイソプロ
ピルアミン2,4ml(17.1ミリモル)および1.5Nのn−ブ
チルリチウム10ml(15ミリモル)から調整したリチウム
ジイソプロピルアミド溶液を、合成例4でえられた化合
物3.70g(12.0ミリモル)の10mlテトラヒドロフラン溶
液中へ−78℃に保ちながら加え、90分間攪拌したのち、
アセトアルデヒド約5mlを加え、さらに15分間攪拌し
た。反応混合液を飽和塩化アンモニウム水溶液で処理し
てエーテルで抽出した。エーテル層を水、飽和食塩水の
順で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エ
チル=19/1〜3/1)により精製して(3RS,4aR,5R,6R,1′
RS)−6−ターシャルブチルジメチルシリルオキシ−4,
4a,5,6,7,8−ヘキサジヒドロ−3−(1′−ヒドロキシ
エチル)−4a,5−ジメチル−2(3H)ナフタレノンをえ
た3.91g(収率92%)。
えられた化合物の屈折率▲n23 D▼は1.4924であり、
比旋光度▲[α]23 D▼は、+105゜(C=1.02,CHCl3
であった。
(IRスペクトル(νmax)) 3380、2970、2950、2900、2870、1665、1630、1462、14
50、1435、1408、1385、1370、1360、1325、1280、125
5、1218、1205、1186、1133、1100、1070、1017、100
5、966、954、938、891、869、835、814、774、718、69
2 (1H−NMRスペクトル)(100MHz,CDCl3)δ0.09(6H,
s)、0.92(9H,s)、0.9〜2.7(12H,m)、3.57(1H,dt,
J=10および4Hz)、3.8〜5.0(1H,m)、5.72(1H,br,
s) (質量分析) 計算値:352.2433(C20H36O3Si) 実測値(m/Z):352.2 427 合成例6((3RS、4aR、5R、6R)−3−アセチル−6−
ターシャルブチルジメチルシリルオキシ−4,4a,5,6,7,8
−ヘキサヒドロ−4a,5−ジメチル−2(3H)ナフタレノ
ンの合成) オキサリルクロライド2.8ml(31ミリモル)の塩化メ
チレン60ml溶液をジメチルスルホキシド4.4g(56ミリモ
ル)に−70℃で加え、−70℃に保ちながらさらに15分間
攪拌し、合成例5でえられた化合物3.90g(11ミリモ
ル)の塩化メチレン(30ml)溶液を加えて1時間攪拌し
た。ついでトリエチルアミン7.7ml(55ミリモル)を−7
0℃で滴下した。温度を徐々に0℃まで上昇させ、反応
混合物を水に加えてエーテルで抽出した。エーテル層を
水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥濃縮
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン
/酢酸エチル=19/1〜17/3)により精製し、(3RS,4aR,
5R,6R)−3−アセチル−6−ターシャルブチルジメチ
ルシリルオキシ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4a,5−
ジメチル−2(3H)ナフタレノン3.04gをえた(収率79
%)。
えられた化合物の屈折率▲n25.5 D▼は1.5109であっ
た。
(IRスペクトル(νmax)) 2970、2950、2900、2870、1720、1635、1460、1383、13
62、1280、1253、1226、1191、1130、1100、1074、100
7、955、892、880、866、847、818、778、745、680 (1H−NMRスペクトル)(100MHz、CDCl3)δ0.09(6H、
s)、0.90(9H、s)、0.90〜1.1(6H、m)、1.1〜3.
0(11H、m)、3.54(1H、dt、J=10および4Hz)、5.9
5(1H、br,s)かかる化合物はこれ以上精製せずにつぎ
の反応に使用した。
合成例7 エーテル30ml中に(3RS、4aR、5R、6R)−3−アセチ
ル−6−ターシャルブチルジメチルシリルオキシ−4,4
a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4a,5−ジメチル−2(3H)
ナフタレノン1.67g(4.77mmol)と2,3−ジクロロ−5,6
−ジシアノ−p−ベンゾキノン1.36g(6.0mmol)を添加
し、ついで室温で2時間攪拌した。反応液にエーテル30
0mlを加えて希釈し、水で3回、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水、そして飽和食塩水で洗浄したのち、硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。エーテル留去後、残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィー(シリカゲル30g、ヘキサン/酢酸エ
チル=19/1〜17/3)で精製したところ、(4aR、5R、6
R)−3−アセチル−6−ターシャルブチルジメチルシ
リルオキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4a,5−ジメチル
−2(4aH)ナフタレノン1.40gをえた(収率83%)。え
られた化合物の屈折率、比旋光度、IRスペクトルおよび
1H−NMRスペクトルは以下のとおりであった。
(屈折率▲n23.5 D▼)1.5017 (比旋光度▲[α]23.5 D▼−28.8゜(C=1.0、CHC
l3) (IRスペクトル(νmax)) 2970、2950、2900、2870、1695、1664、1633、1597、14
62、1440、1410、1387、1360、1283、1258、1213、120
0、1140、1120、1104、1078、1020、1007、975、957、9
40、925、886、838、815、778、682cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz、CDCl3中、δ値) 0.10(6H、s)、0.89(9H、s)、1.17(3H、d、J=
6Hz)、1.22(3H、s)、1.2〜2.6(5H、m)、2.57(3
H、s)、3.67(1H、dt、J=10.4Hz)、6.11(1H、b
r、s)、7.64(1H、s) (元素分析) 実測値:C 68.54%、H 9.21% 計算値:C 68.91%、H 9.2 % (C21H32O3Si) 合成例8 テトラヒドロフラン50ml中に(4a,5R,6R)−3−アセ
チル−6−ターシャルブチルジメチルシリルオキシ−5,
6,7,8−テトラヒドロ−4a,5−ジメチル−2(4aH)ナフ
タレノン1.20g(3.45mmol)と、ターシャルブチルハイ
ドロパーオキシドの4.71Mトルエン溶液3ml(12.5mmol)
とトリトンB40%メタノール溶液0.3mlを室温で一晩中攪
拌した。ついで反応液を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液中
に注ぎ、エーテルで抽出を行なった。抽出液を水と飽和
食塩水で洗ったのみ、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル30g、ヘキサン/酢酸エチル=19/1〜17/
3)で精製したところ、(3S,4R,4aR,5R,6R)−3−アセ
チル−6−ターシャルブチルジメチルシリルオキシ−3,
4−エポキシ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4a,5−ジ
メチル−2(3H)ナフタレノン880mgをえた(収率70
%)。えられた化合物の融点、比旋光度、IRスペクト
ル、1H−NMRスペクトルの測定結果は以下のとおりであ
る。
(融点)61〜62℃ (比旋光度▲[α]24.2 D▼)+196゜(C=1.1、CHC
l3) (IRスペクトル(νmax)) 2960、2945、2895、2870、1725、1713、1675、1630、14
60、1435、1408、1385、1357、1337、1312、1290、128
0、1255、1215、1196、1100、1078、1026、1004、985、
976、955、940、920、888、836、815、771、740、714、
687cm-11H−NMRスペクトル)(100MHz,CDCl3中、δ値) 0.10(6H,s)、0.92(9H,s)、1.20(3H,d,J=7Hz)、
1.24(3H,s)、1.3〜2.7(5H,m)、2.34(3H,s)、3.50
(1H,s)、3.60(1H,dt,J=10.4Hzおよび4Hz)、5.78
(1H,br,s) (元素分析) 実測値:C65.93%、H8.88% 計算値:C65.88%、H8.85%(C21H32O4Si) 合成例9 (3S,4R,4aR,5R,6R)−3−アセチル−6−ターシャ
ルブチルジメチルシリロキシ−3,4−エポキシ−4,4a,5,
6,7,8−ヘキサヒドロ−4a,5−ジメチル−2(3H)ナフ
タレノン100mg(0.27mmol)をテトラヒドロフラン2mlに
溶解し、ついで0℃に冷却下、トリメチルシリルメチル
マグネシウムクロリドの1Mエーテル溶液0.5ml(0.5mmo
l)を滴下した。0℃で5分間攪拌したのち、反応液に
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテルで抽出を
行なった。エーテル層を水と飽和食塩水で洗い、硫酸マ
グネシウムで充分に乾燥した。濃縮してえられた残渣を
テトラヒドロフラン10mlに溶解し、濃縮酸2滴を加えて
室温で3日間攪拌した。反応液をエーテルで希釈し、
水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で
順次洗い、硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。エーテ
ル留去後、残渣にアセトニトリル2mlと48%フッ化水素
酸溶液0.08mlを加え、室温で30分間攪拌したのち、反応
液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチル
で抽出を行なった。抽出液を水と飽和食塩水で洗い、硫
酸マグネシウムを加えて乾燥した。溶媒留去後、残渣を
分取TLC(メルクキーゼルゲル60F−254Art5717,ヘキサ
ン/酢酸エチル=1/1)で精製したところ、(3S,4R,4a
R,5R,6R)−3,4−エポキシ−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒド
ロ−6−ヒドロキシ−3−イソプロペニル−4a,5−ジメ
チル−2(3H)ナフタレノン(スポロゲン−AO1)60mg
がえられた(収率88%)。
(融点)105℃ (比旋光度▲[α]25 D▼)+262゜(C=0.56メタノー
ル) (紫外線吸収スペクトル(c=9.3×10-4メタノール)l
ogε=4.169(λmax243mm) (CDスペクトル)[25℃,C=0.023メタノール,Δε
(λ[mm])]−14.07(219)、+13.02(247),+4.
50(334) (IRスペクトル(νmax)) 3530、3090、3005、2990、2970、2940、2925、2900、28
80、1655、1630、1615、1465、1455、1410、1390、137
7、1365、1335、1260、1245、1235、1210、1181、115
8、1120、1100、1035、1015、990、960、932、918、88
8、860、850、826、753、735、718、700、659cm-11H−NMRスペクトル)(400MHz CDCl3)δ1.228(3H,
S)、1.268(3H,d,J=6.8Hz)、1.440(1H,dddd,J=14.
5、12.5、11.0および4.5Hz)、1.570(1H,br,s)、1.81
5(1H,dq,J=11.0および6.8Hz)、1.873(3H,t,J=1.2H
z)、2.157(1H,ddt,J=12.5,5.0および2.8Hz)2.343
(1H,ddt,J=14.5、4.5および1.2Hz)、2.520(1H,ddt,
J=14.5、5.0および2.0Hz)、3.330(1H,s)、3.627(1
H,dt,J=11.0および5.0Hz)、5.106(1H,q,J=1.2H
z)、5.116(1H,br)、5.765(1H,d,j=2.0Hz)(13C−
NMRスペクトル)(25MHz,CDCl3)δ11.3、18.8、19.8、
30.9、35.2、41.0、44.3、63.5、68.3、70.9、114.4、1
21.2、139.1、163.1、192.8 (元素分析) 実測値:C 72.59%、H 7.87% 計算値:C 72.55%、H 8.12%(C15H20O3) 上記の合成例1〜9を式で示すと以下のようになる。
[発明の効果] 本発明の光学活性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.
0]ヘプタン−2−オンは容易に製造しうるものであ
り、しかも天然生理活性物質の合成の際の中間体として
有用なものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I): (式中、*は不斉炭素原子を示す)で表わされる光学活
    性な5−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−
    オン。
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