JPH06249463A - 空気層制御による空気調和装置 - Google Patents

空気層制御による空気調和装置

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JPH06249463A
JPH06249463A JP5037095A JP3709593A JPH06249463A JP H06249463 A JPH06249463 A JP H06249463A JP 5037095 A JP5037095 A JP 5037095A JP 3709593 A JP3709593 A JP 3709593A JP H06249463 A JPH06249463 A JP H06249463A
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JP
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air
space
exhaust
ceiling
supply
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Application number
JP5037095A
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English (en)
Inventor
Shinichi Imabetsupu
真一 今別府
Yuji Mikami
雄二 三上
Wakichi Kato
和吉 加藤
Takako Kobayashi
貴子 小林
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Toshiba Corp
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】室内空気の温度差に起因する質量差により生ず
る上昇および下降エネルギを室内空気調和の基本とし、
水平方向にほぼ均一な温度の空気層を分布させる空気層
制御を行なって、快適な室内環境を作り出す室内空気調
和が可能な空気層制御による空気調和装置を提供するこ
とにある。 【構成】空気層制御による空気調和装置は、内部空間3
内を天井材4および床材5により天井裏空間6、室内空
間7および床下空間8にそれぞれ区画し、前記天井材4
および床材5に空気の運動エネルギを圧力エネルギに変
換するディフューザ機能を備えた給排気口10,11を
形成し、これらの給排気口10,11により、室内空気
の温度差により生じる空気の上昇または下降運動を一方
向流として前記室内空間7内にほぼ均一温度の空気層を
水平方向に形成し、前記天井裏空間6および床下空間8
は給排気ダクト20,21を介して排気側を外気に開口
させる一方、外気取入口29は空気調和機30を介して
給排気ダクト20,21の吸気側に接続されたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内の冷暖房・換気等
の空気調和を行なう空気層制御による空気調和装置に係
り、特に室内の空気層を乱すことなく水平方向の室内空
気温度をほぼ一定に保持した室内空気調和を行なう、空
気層制御による空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】室内の冷暖房等の空気調和を行なう従来
の空気調和装置は、室内送風機により加圧した空気を熱
交換器で熱交換した後、天井材あるいは床材上の空気吹
出口より室内に積極的に吹き出す一方、吹き出された空
気の還流を空気吸込口で行ない、空気を室内で強制的に
循環させることにより室内温度を一定に保つようになっ
ている。
【0003】この空気調和装置において、天井面から空
気の吹出、吸込を行なう方式では、天井高さから床上面
近くまでの空気を入れ換えるために、空気吹出口より吹
き出される空気に、床上面近くまで到達する大きな流速
を与える必要がある。また、暖房時には天井面付近に温
度の高い空気が溜まるため、室内空気を撹拌させ、均一
化させる必要がある。
【0004】空気吹出口から吹き出される空気に所定の
流速を付与するために、室内空間の容積規模に応じた室
内送風機等が必要となり、送風機等を大容量化すると、
空気吹出口等から発生する騒音(吹出音)や風切り音の
低減が課題となっている。
【0005】近年、これらの課題を解決するものとし
て、特開平4−161754号公報に開示されたように
床上吹出、天井吸込方式の空気調和装置が開発されてい
るが、この空気調和装置は、空気吹出口および空気吸込
口を床材および天井材に分散配置したに過ぎず、冷房運
転時の運転効率が著しく劣る等の問題があった。
【0006】また、特開平3−31622号公報に示す
ように、天井板と床スラブに給排気口をそれぞれ形成
し、暖房時には床スラブの給排気口を給気口に、天井板
の給排気口を排気口にそれぞれ構成し、冷房時には給気
口と排気口を逆にした空気調和装置も存在する。天井板
や床スラブに多数の給排気口を形成し、多数の空気吹出
口および空気吸込口により一方向の空気の流れを作り出
すようにして空気調和を行なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−31622
号公報に開示された空気調和装置では、天井板や床スラ
ブに形成される給排気口が連通孔からなる単なる開放口
であるため、各給排気口から吹き出される吹出流の流速
は送風ダクトの開口位置如何によって異なる。特に、床
下空間は緩衝作用を行なうスペースが狭いため、送風ダ
クトの開口位置近傍の給排気口から吹き出される吹出流
の流速は、ダクト開口位置から遠く離れた給排気口から
の吹出流の流速より一層大きくなり、この吹出流の流速
の違いにより、室内に旋回流や逆気流が生じたり、また
室内の潜熱や顕熱の交換にアンバランスが生じてドリフ
ト感が発生し、快適さが低下するおそれがある。
【0008】また、天井板や床スラブによって仕切られ
る天井裏空間や床下空間は熱交換器を有する閉じた送風
ダクトで連通されるが、室内に吹き出される温風や冷却
風は送風ダクトを経て閉じたサイクル内を強制的に繰返
し循環せしめられるため換気機能が充分でない。
【0009】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、室内空気の温度差に基因する質量差により生
ずる上昇および下降エネルギを室内空気調和の基本と
し、水平方向にほぼ均一な温度の空気層を分布させる空
気層制御を行なって、快適な室内環境を作り出す室内空
気調和が可能な空気層制御による空気調和装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は、水平方向にほぼ均一
温度の空気層を乱すことのない室内空気調和を行ない、
ドリフト感を生じさせず、かつ必要な室内換気量を充分
に維持できる空気層制御による空気調和装置を提供する
にある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、室内への給排
気量をバランスよく制御し、室内空間を水平方向に温度
差がなくほぼ均一に、かつ室内空気流の流速を感じさせ
ず、塵芥を巻き起こすこともなく、省エネルギで快適な
室内空気調和を行なうことができる空気層制御による空
気調和装置を提供することにある。
【0012】本発明の別の目的は、煙草の煙や臭気を拡
散させずに室内空気調和を行なう空気層制御による空気
調和装置を提供するにある。
【0013】本発明の他の目的は、暖房時に床材が先に
温められ、冷房時に天井材が先に冷され、輻射熱効果に
より良好な快適性が得られる空気層制御による空気調和
装置を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る空気層制御
による空気調和装置は、上述した課題を解決するため、
請求項1に記載したように、内部空間を天井材および床
材により天井裏空間、室内空間および床下空間にそれぞ
れ区画し、前記天井材および床材に空気の運動エネルギ
を圧力エネルギに変換するディフューザ機能を備えた給
排気口を設け、これらの給排気口により、室内空気の温
度差により生じる空気の上昇または下降運動を一方向流
として前記室内空間内にほぼ均一温度の空気層を水平方
向に形成し、前記天井裏空間および床下空間は給排気ダ
クトを介して排気側を外気に開口させる一方、外気取入
口は空気調和機を介して給排気ダクトの吸気側に接続さ
れたものである。
【0015】また、上述した課題を解決するため、本発
明に係る空気層制御による空気調和装置は、請求項1に
記載の内容に加えて、請求項2に記載したように、天井
裏空間および床下空間は給排気ダクトにより給排気切換
装置を介して給気用送風機および排気用送風機に選択的
に接続され、上記給気用送風機および排気用送風機は給
排気量をバランス制御可能に調節したり、請求項3に記
載したように、排気用送風機からの排気ダクトに、外気
取入口からの給気と熱交換可能な熱回収用熱交換器を設
け、この熱交換器からの給気は空気調和機を介して給気
用送風機に案内したものである。
【0016】さらに、本発明に係る空気層制御による空
気調和装置は、上述した課題を解決するため、請求項1
に記載の内容に加えて、請求項4に記載したように、天
井材の給排気口は、冷房時、室内空間の空気層を乱さな
いように拡散状態で冷却風が吹き出され、吹き出された
冷却風と同量の室内空気が床材の給排気口から床下空間
に回収される一方、暖房時には温風が床材の給排気口か
ら室内空間の空気層を乱さないように拡散状態で吹き出
され、吹き出された温風と同量の室内空気が天井材の給
排気口から天井裏空間に回収されたり、また、請求項5
に記載したように、天井材および床材に設けられる給排
気口の少なくとも一方は、複数のガイドホーンを同心状
に収容したディフューザで形成され、このディフューザ
は、天井材および床材の少なくとも一方にほぼ均一に分
散配置されたり、さらに、請求項6に記載したように、
天井裏空間および床下空間内に空気を撹拌して温度を均
一化させる撹拌ファンを備えたものである。
【0017】
【作用】本発明に係る空気層制御による空気調和装置は
上述したように構成したので、温度差による自然対流エ
ネルギを利用して室内空間の空気の入替えを行ない、空
気の入替え量を適性換気量程度の最小限とすることがで
き、極めて省エネルギタイプのものとすることができ
る。
【0018】また、室内空間内を水平方向にほぼ均一な
空気温度層を保持しつつ風の流速を感じさせずに室内空
気調和を行なうことができるので、室内を水平方向で温
度差なく均一に空気調和でき、室内の居場所により風の
当たり方が変わったり、温度差が出る不快なドリフト感
が無く、快適な室内空気調和を行なうことができる。
【0019】一方、この空気調和装置は室内空間内で温
度差に基因する空気質量差を利用した一方向流となる自
然対流を生じさせるので、自然対流であっても旋回流や
逆流が生じることがなく、塵芥を巻き起こしたり、煙草
の煙や臭気を拡散させることもなく、快適な室内環境が
得られる。
【0020】さらに、この空気調和装置では天井裏空間
や床下空間に冷暖房用空気配管の敷設が不要となるの
で、省資源化が図れ、経済的である一方、暖房時には床
面が先に温められ、冷房時には天井面が先に冷される輻
射熱効果によっても室内の快適性がより一層向上する。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る空気層制御による空気調
和装置の一実施例について添付図面を参照して説明す
る。
【0022】図1は、本発明の空気調和装置を建物1の
室内空気調和に適用した例を示す。建物1は高層ビルデ
ィング等からなるコンクリート建築であっても、鉄骨建
築であっても、あるいは木造建築であってもよく、この
空気調和装置は種々の建物に適用される。
【0023】建物1はコンクリート壁等の躯体2により
内部空間3が形成され、この内部空間3内は天井材4お
よび床材5により天井裏空間6、室内空間7および床下
空間8に大きく区画される。床下空間8は一般に天井裏
空間6に比べ、例えば30mm〜100mm程度高さが小さ
く、緩衝空間を大きくとることができない。
【0024】また、天井材4および床材5には空気の運
動エネルギを圧力エネルギに変換するディフューザ機能
を備えた給排気口10,11がそれぞれ設けられてい
る。図1には床材5に通気性を有する多孔質素材や細溝
通気部を有する素材、あるいは繊維状の床敷等の素材が
用いられ、床材5自体に形成される微小な給排気口11
が抵抗型ディフューザとして構成される。抵抗型ディフ
ューザは床材5自体の床面にほぼ均一に分散配置され
る。
【0025】また、天井材4には給排気口10として例
えばインピーダンス整合型ディフューザが複数個用いら
れる。このディフューザ10は天井材4に所要の間隔を
おいてほぼ均一に分散配置される。ディフューザ10に
は図示しない温度や流量の計測部を有し、床材5に形成
された給排気口11と連係した流量制御を行なうように
なっている。
【0026】インピーダンス整合型ディフューザ10
は、図2に示すうよに、室内空間7に向って拡開するラ
ッパ状ディフューザ本体13の拡開側にラッパ状ガイド
ベーンとしてのガイドホーン14を例えば同心状に収容
したものである。ディフューザ本体13内には空気清浄
作用と空気圧力降下作用を行なうエアフィルタ15が着
脱交換可能に装着される一方、空気流量を調節する流量
調節弁16が設けられる。この流量調節弁16は例えば
バタフライタイプの電磁弁で図示しないコントローラか
らの制御信号により弁制御が行なわれる。流量調節弁1
6はバタフライ弁に代えて図3に示すような固定ディス
ク17とロータリディスク18とを組み合せたロータリ
弁19であってもよく、さらに他のタイプの流量調節弁
であってもよい。
【0027】天井材4にインピーダンス整合型ディフュ
ーザ10に代えて床材5に用いたものと同様な抵抗型デ
ィフューザを用いてもよい。また、床材5にインピーダ
ンス整合型ディフューザを用いてもよい。
【0028】一方、天井裏空間6および床下空間8は密
閉空間として形成され、天井裏空間6、床下空間8に給
排気管である給排気ダクト20,21が接続される。こ
れらの給排気ダクト20,21の他側は共通の給排気切
換装置22を介して給気用送風機23および排気用送風
機24に選択的に連通される。給気用送風機23と排気
用送風機24は同一運転条件、使用態様で給排気量がバ
ランス制御可能に製造され、給気用および排気用送風機
23,24は各々独立駆動させてもよいが、好ましくは
共通軸を有し、1つのモータにより駆動される。
【0029】排気用送風機24からの排気ダクト25に
は熱回収用熱交換器26が設けられる一方、排気ダクト
25は熱交換器26から必要に応じて設けられた排気フ
ァン27を経て外部に開放されている。
【0030】一方、熱回収用熱交換器26には外気取入
口29が開口しており、外気取入口29から取り入れら
れた給気は排気用送風機24に吐出される排気と熱交換
可能に構成される。
【0031】熱回収用熱交換器29で熱交換された給気
は続いて空気調和機30に給気ダクト31を経て案内さ
れ、この空気調和機30にて給気を加熱あるいは冷却し
ている。空気調和機30は本体ケーシング33内にフィ
ルタ34、冷却用熱交換器35および加熱用熱交換器3
6が順次配列される。冷却用熱交換器35は冷凍機37
に接続される一方、加熱用熱交換器36はボイラ38に
接続され、冷凍機37およびボイラ38の一方を作動さ
せることにより、空気調和機30に案内された給気を冷
却あるいは加熱し、冷却風あるいは温風を発生させるよ
うになっている。その際、ボイラ38で発生した蒸気の
一部を加湿器39で給気に混合させ、加湿させるように
してもよい。また、空気調和機30は種々のタイプのも
のを使用でき、代表的なヒートポンプ式空気調和機を用
いてもよい。
【0032】空気調和機30にて熱交換され、冷却ある
いは加熱された給気は、給気用送風機23に吸引され
て、給排気ダクト20または21に送られる。
【0033】その際、給排気切換装置22のダクト切換
により、空気調和機30から送風される給気が温風の場
合には床下空間8に導かれる給排気ダクト21に、冷却
風の場合には天井裏空間6に導かれる給排気ダクト20
にそれぞれ案内されるようになっている。
【0034】暖房の場合には、床下空間8に通じる給排
気ダクト21が給気ダクトとして、天井裏空間6に通じ
る給排気ダクト20が排気ダクトとして機能する。冷房
の場合には、給気ダクトと排気ダクトは逆になる。ま
た、空気調和機30を作動させない換気の場合には、外
気を天井裏空間6側に案内してもよいが、好ましくは床
下空間8側に案内される。
【0035】次に、空気層制御による空気調和装置の作
用を説明する。
【0036】建物1の躯体2内を仕切る天井材4および
床材5にディフューザ機能を有する給排気口10,11
を設ける。そして、暖房時には、給気用送風機23から
給排気切換装置22を介して供給される温風により床下
空間8を僅かに加圧し、一方、天井裏空間6は排気用送
風機24の吸引作用により僅かに減圧される。
【0037】この状態で、外気取入口29から取り入れ
られた給気は、空気調和機30の加熱用熱交換器36で
加熱され、温風(暖気)となって給気用送風機23から
給排気用切換装置22および給排気ダクト21を経て床
下空間8に供給される。床下空間8に供給された温風
(外気)は、床材5を温めつつディフューザ機能を有す
る給排気口11を経て室内空間7に拡散状態で導入され
る。
【0038】室内空間7に導入された暖気は、温度差に
基因する質量差により自然対流エネルギの上昇力を持っ
て上昇運動を始め、自然対流の微速度で上昇する。その
際、室内空間7には対流作用による下降流が生じない一
方向流とするために、床材5の給排気口11から暖気を
連続的に給気する。同時に、暖気の供給量と同量の排気
を天井裏空間6内に給排気口10を介して行なう。床材
5の給排気口11から給気される暖気の供給量と天井材
4の給排気口10から排気される排気量は給気用送風機
23と排気用送風機24の作動によりバランス制御さ
れ、ほぼ同量となる。
【0039】室内空間7の上部と下部の温度差が大きい
場合には、空気の上昇速度が速いため暖気の供給量が多
くなり、また、逆に温度差が小さな場合には空気の上昇
速度が小さいため、暖気の供給量が少なくなる。いずれ
にしても、床材5の給排気口11から供給される暖気の
供給量と同量の排気(吸気)を天井裏空間6を経て行な
う。
【0040】室内空間7に供給される暖気の給気量と排
気量を同量とすることにより、室内空間7では供給され
た暖気が室内空気を静かに押し上げる空気ポンプの作用
をし、温度差に基因する質量差の自然対流エネルギによ
り、ほぼ均一な温度の空気層を水平方向に形成し、この
空気層を保持した状態で風を感じさせることなく室内空
気調和を行なうことができる。
【0041】室内空間7を暖気により暖房した後、温度
降下した室内空気は暖気の上昇によるポンプ作用で天井
材4の給排気口10から天井裏空間6に回収される。天
井裏空間6に回収された室内空気は続いて給排気ダクト
20を通り給排気切換装置22を介して排気用送風機2
4で吸引され、熱回収用熱交換器26を通って排気ファ
ン27により外部に排気される。熱回収用熱交換器26
では、排気される室内空気が外気取入口29から取り入
れられる外気(給気)と熱交換され、この給気に排気が
保有する熱を回収させている。
【0042】また、冷房時には、空気調和機30の冷却
用熱交換器35で冷却された冷却風(冷気)を給気用送
風機23から給排気切換装置22および給排気ダクト2
0を経て天井裏空間6に導入し、この冷却風で天井裏空
間を僅かに加圧する一方、天井材4を冷却するようにな
っいてる。
【0043】天井裏空間6に導入された冷気は、天井材
4の給排気口である複数のインピーダンス整合型ディフ
ューザ10から冷気の運動エネルギに変換された拡散状
態で室内空間7に案内される。室内空間7に案内された
冷気は、その重力作用により自然降下され、室内空間7
の冷房を行なう。この冷房時に室内空間7内で対流によ
る上昇気流が生じないように、天井材4の給排気口10
から冷気の補給を連続的に行なう一方、床材5の給排気
口11から冷気供給量と同量の排気を行なう。
【0044】床下空間8に排気された室内空気は、給排
気ダクト21から排気用送風機24により吸引され、熱
回収用熱交換器26を経て外部に放出される。この室内
空気は、外部に全量放出される代りに、一部を空気調和
機30に戻して再循環させるようにしてもよい。
【0045】換気の場合には、給排気は暖房時と同様な
流れとなるが、冷房時と同じ流れにしてもよい。この場
合、空気調和機30の各熱交換器35,36は熱交換作
用を行なわない。
【0046】この空気調和装置において、室内の冷暖房
や換気等の室内空気調和は、室内空間7内の室内空気の
上部および下部の温度差による自然対流エネルギを利用
して、水平方向にほぼ均一(同一)温度の空気層を保持
しつつ、上昇または下降運動の一方向流としたので、風
の流速を感じることなく、水平方向に同じ温度の空気層
を形成した室内空気調和を省エネルギで行なうことがで
きる。
【0047】この空気調和装置では、温度差に基因する
空気の重量差を利用した自然対流エネルギを利用して室
内空気を緩かに一方向の上昇あるいは下降運動をさせる
もので、室内に逆気流や旋回量を生じさせないので、室
内の潜熱や顕熱の交換にアンバランスが生じ、ドリフト
感が発生することもなく、また、塵芥を巻き起こした
り、煙草の煙や臭気を拡散させずに快適な室内空気調和
を行なうことができる。
【0048】また、この空気調和装置では、室内空間7
内の空気は風を感じない微速度な一方向の上昇流あるい
は下降流であるため、室内空間7内にオフィス家具等の
障害物が存在しても、この障害物による気流の変化の影
響も極めて小さい。天井材4や床材5の給排気口10,
11に運動エネルギを圧力エネルギに変換するディフュ
ーザ機能を備えたので、天井裏空間6や床下空間8に開
口する給排気ダクト20,21の開口位置の影響を受け
ず、給排気ダクト20,21のダクト配設自由度が向上
する一方、天井裏空間6や床下空間8内に冷暖房用配管
の引き廻しが不要となり、経済的である。
【0049】さらに、この空気調和装置では、暖房時に
床面が先に温められ、冷房時には天井面が先に冷される
ため輻射熱降下により、室内の快適性が一層向上する一
方、室内空間7の換気に要する空気の吹出は、必要換気
量程度であるため、植栽が乾燥から守られる。
【0050】ところで、東京都建築安全条例によれば、
建物の室内には床面積1m2 毎に30m3 /hr以上、温
湿度調整装置がある場合、10m3 /hr以上の外気供給
が要求される。上記建築安全条例を基準として室内空間
7の高さを2.6mとしたとき、換気回数は3.85回
/hr(10m3 /hr)〜11.5回/hr(30m3 /hr)
以上となり、室内空間7の空気の入替(換気)が完全な
一方向流によりできる条件とすると、暖気の上昇速度
(流速)は0.28cm/sec (10m3 /hr)〜0.8
4cm/sec (30m3 /hr)以上となる。
【0051】また、床材5の給排気口11から一様な暖
気(高温空気)が室内空間7に供給され、天井材4の給
排気口10から一様に排気されるとすると、室内空間7
に供給された暖気が空間内を上昇するドラフト力(Δ
P)は、
【数1】 で表わされる。
【0052】今、高温空気を大気圧で40℃、低温空気
を20℃とすると、ドラフト力ΔPは0.2kgf/m2
の上昇力が得られ、高温空気を大気圧で40℃、低温空
気を25℃とすると、ドラフト力ΔPは0.15kgf/
2 の上昇力が得られ、このドラフト力ΔPが、図4に
示すように高温空気が室内空気を押し上げるポンプ力と
なる。ドラフト力ΔPは天井材4の給排気口11から排
気される出口温度が上昇するに従い低下する。
【0053】また、室内空間7に給気される暖気の上昇
は、グラスホフ数(Gr)により計算できる。
【0054】
【数2】 で表わされ、重力の方向をx軸とすれば、静水圧の差が
浮力として作用する。この浮力が、床面上の高さが同一
の平面上の任意の点で同じ力となれば、室内空間7内で
同一温度の空気層が水平方向に形成される。
【0055】躯体2内に形成される室内空間7の全ての
壁面が同一条件の閉空間であれば、自然対流によりほぼ
同一温度の空気層の層形成を水平方向に容易に形成させ
ることができる。実際には、室内空間7の壁面は種々の
条件下で形成されているので、その条件に合うように給
排気口10,11で空気流量制御が行なわれる。
【0056】例えば、室内空間7に窓側と室内間仕切壁
が存在する場合のように周囲環境条件を異にしたり、ま
た、ドア等の開口壁で人の出入りが常に行なわれる場合
のように室内空間7の使用条件が種々変化する場合があ
る。
【0057】この場合、室内空間7の壁面温度がtw 、
室内空気でtf であるとすると、室内空間7の壁面に接
している空気の層流膜温度は(tw +tf )/2で定義
され、壁面温度tw と室内温度tf が近似した値となる
まで壁面付近での自然上昇による空気層形成は困難であ
るため、流量調節弁16(19)の弁制御により顕熱交
換を行なって近似した均一温度の空気層を水平方向に形
成するようにしている。
【0058】なお、本発明の実施例では、天井裏空間6
や床下空間8を密閉空間とした例を示したが、この天井
裏空間6や床下空間8内の空気温度をより迅速に均一化
させるために、図5に示す撹拌ファン40,41をそれ
ぞれ設け、これらの撹拌ファン40,41を必要に応じ
て作動させ、天井裏空間6や床下空間8より迅速に均一
な温度に保持するようにするとよい。
【0059】他の構成は図1に示すものと異ならないの
で同じ符号を付して説明を省略する。
【0060】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る空気調
和装置は、温度差による自然対流エネルギを利用して室
内空間の空気の入替えを行ない、空気の入替え量は適性
換気量程度の最小限で済むため、極めて省エネルギタイ
プのものを提供できる。
【0061】また、室内空間内を水平方向にほぼ均一な
空気温度層を保持しつつ風の流速を感じさせずに室内空
気調和を行なうことができるので、室内を水平方向で温
度差なく均一に空気調和でき、室内の居場所により風の
当たり方が変わったり、温度差が出る不快なドリフト感
が無く、快適な室内空気調和を行なうことができる。
【0062】一方、この空気調和装置は室内空間内で温
度差に基因する空気質量差を利用した一方向流となる自
然対流を生じさせるので、自然対流であっても旋回流や
逆流が生じることがなく、塵芥を巻き起こしたり、煙草
の煙や臭気を拡散させることもなく、快適な室内環境が
得られる。
【0063】さらに、この空気調和装置では天井裏空間
や床下空間に冷暖房用空気配管の敷設が不要となるの
で、省資源化が図れ、経済的である一方、暖房時には床
面が先に温められ、冷房時には天井面が先に冷される輻
射熱効果によっても室内の快適性がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気層制御による空気調和装置の
一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1の空気調和装置に備えられるインピーダン
ス整合型ディフューザの一例を示す図。
【図3】インピーダンス整合型ディフューザに備えられ
る流量調節弁の他の例を示す図。
【図4】室内空間内に供給される空気のドリフト力を説
明する図。
【図5】本発明に係る空気層制御による空気調和装置の
他の実施例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 建物 2 躯体 3 内部空間 4 天井板 5 床材 6 天井裏空間 7 室内空間 8 床下空間 10 給排気口(インピーダンス整合型ディフューザ) 11 給排気口(抵抗型ディフューザ) 13 ディフューザ本体 14 ガイドホーン 20,21 給排気ダクト 22 給排気切換装置 23 給気用送風機 24 排気用送風機 26 熱回収熱交換器 29 外気取入口 30 空気調和機 35 冷却用熱交換器 36 加熱用熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 和吉 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 小林 貴子 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部空間を天井材および床材により天井
    裏空間、室内空間および床下空間にそれぞれ区画し、前
    記天井材および床材に空気の運動エネルギを圧力エネル
    ギに変換するディフューザ機能を備えた給排気口を設
    け、これらの給排気口により、室内空気の温度差により
    生じる空気の上昇または下降運動を一方向流として前記
    室内空間内にほぼ均一温度の空気層を水平方向に形成
    し、前記天井裏空間および床下空間は給排気ダクトを介
    して排気側を外気に開口させる一方、外気取入口は空気
    調和機を介して給排気ダクトの吸気側に接続されたこと
    を特徴とする空気層制御による空気調和装置。
  2. 【請求項2】 天井裏空間および床下空間は給排気ダク
    トにより給排気切換装置を介して給気用送風機および排
    気用送風機に選択的に接続され、上記給気用送風機およ
    び排気用送風機は給排気量をバランス制御可能に調節さ
    れた請求項1記載の空気層制御による空気調和装置。
  3. 【請求項3】 排気用送風機からの排気ダクトに、外気
    取入口からの給気と熱交換可能な熱回収用熱交換器を設
    け、この熱交換器からの給気は空気調和機を介して給気
    用送風機に案内された請求項2記載の空気層制御による
    空気調和装置。
  4. 【請求項4】 天井材の給排気口は、冷房時、室内空間
    の空気層を乱さないように拡散状態で冷却風が吹き出さ
    れ、吹き出された冷却風と同量の室内空気が床材の給排
    気口から床下空間に回収される一方、暖房時には温風が
    床材の給排気口から室内空間の空気層を乱さないように
    拡散状態で吹き出され、吹き出された温風と同量の室内
    空気が天井材の給排気口から天井裏空間に回収された請
    求項1記載の空気層制御による空気調和装置。
  5. 【請求項5】 天井材および床材に設けられる給排気口
    の少なくとも一方は、複数のガイドホーンを同心状に収
    容したディフューザで形成され、このディフューザは、
    天井材および床材の少なくとも一方にほぼ均一に分散配
    置された請求項1記載の空気層制御による空気調和装
    置。
  6. 【請求項6】 天井裏空間および床下空間内に空気を撹
    拌して温度を均一化させる撹拌ファンを備えた請求項1
    記載の空気層制御による空気調和装置。
JP5037095A 1993-02-25 1993-02-25 空気層制御による空気調和装置 Pending JPH06249463A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1096536A (ja) * 1996-09-20 1998-04-14 Nishi Kensetsu:Kk 床下除湿システム
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