JPH0624806Y2 - 走査光学装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の産業上の利用分野） 本考案はレーザービームプリンタ、レーザーアライナー
等に使用される走査光学装置に関する。特には、回転す
るミラーにより光ビームを偏向する走査光学装置に関す
る。

（従来及び背景技術） 第四図に従来の走査光学装置を示す。

図において、２ｃは駆動モータ部で、回転多面鏡９を回
転駆動する。３は半導体レーザー素子とコリメーターレ
ンズとを収容したレーザーユニツト、７はシリンドリカ
ルレンズ、８はトーリツクレンズを含む結像レンズ群
で、７と８で回転多面鏡の倒れ補正をも行っている。ま
た、６はレーザービームの変調開始位置を決定するため
の同期信号検出器である。

このように、一方向に回転する回転鏡は、高速で且つ、
回転むらが少ないなどの長所はあるものの、回転鏡を取
り付ける取り付けフランジの傾きなどによる回転鏡の倒
れという問題があった。

この倒れを減少させるため、倒れ補正に高価な光学系を
用いたり、また、部品精度、組立精度が非常に高く望ま
れ、低コスト化を図るうえで障害となっていた。

上述した倒れの影響を軽減乃至無くするものとして、出
願人は、特願昭６２−１９９１５号で、対向する２面の
みを光偏向に用いることを提案した。

（考案の解決する問題点） しかし、対向する２面を用いる場合、回転鏡の取付けフ
ランジの倒れ方向と、回転鏡の使用面とが平行になるよ
うに、フランジに対して回転鏡を取り付ける必要があ
る。

本考案は、この取り付け工程を簡単にし、組立性の向上
した走査光学装置を提供するものである。

（考案の実施例） 以下、本考案を図面に基づき説明する。尚、同一機能を
果たす部材には同一番号を付してある。

第１図は本考案の実施例を適用したレーザービームプリ
ンタの概略構成図である。

２は本考案の実施例の走査光学装置で、２ｃは駆動モー
タ部で、ローター部２ａ、フランジ２ｂ、回転軸２ｅ、
回転鏡２ｄを一体的に回転させる。２ｓは回転鏡の取り
付け位置を示す指標である。４はｆθレンズで、このレ
ンズにより、回転鏡の偏向面２１ｄ，２２ｄで偏向され
たレーザービームは感光体５上を同一速度で走査する。

第２図は回転鏡取付けフランジへ回転鏡２ｄを固定する
方法を示した図で、回転鏡取付けフランジの傾斜角度が
ａ秒とすると、回転鏡２ｄの鏡面２１ｄと鏡面２２ｄと
が傾斜に沿った向きに来るように配置する。

即ち、フランジの倒れ方向と鏡面２１ｄ，２２ｄが平行
になるようにフランジ２ｂに対して回転鏡２ｄを取り付
ける。

この場合、仮に鏡面１ａと鏡面１ｂのそれぞれの倒れ角
度、即ち、面倒れ角度が０秒でできていたとすると、斜
面に沿った鏡面は回転軸に平行であるから、それぞれの
ミラー面で反射された光束は正しい結像位置に走査され
る。

またそれぞれの鏡面の倒れ角が±ａ秒であるとすると、
反射光束は±ａの２倍の±２ａ秒の傾きを持った光束と
なる。この時結像レンズであるｆθレンズの焦点距離を
ｆmmしたとき、結像位置でのずれは、 ±２ａπｆ／（３６００×１８０）mmになる。

いま仮に、ｆ＝１００mmで、回転鏡の面倒れが±１０秒
だとすると、感光ドラム面上の走査線のずれ量は、±
９．７μｍとなり画像密度が３００ＤＰＩだとすると走
査線ピツチは８４．７μｍであるからピツチの広いとこ
ろで１０４．１μｍになり、狭いところで６５．３μｍ
となる。一般的にピツチむら即ち、感光体上での走査線
のずれ量の許容値は±１０μｍ程度とされているため、
回転鏡の面倒れを±１０秒程度に押えておけばよいこと
になる。

対向する２面のみを光偏向面として用いる場合、第４図
に示されるような６面など３面以上使用するのと異な
り、この２面のみの平行度を出せば良いため、比較的、
面倒れ量を小さくすることができ、±１０秒以下に押え
ることは容易である。

次に、フランジ２ｂに対して回転鏡２ｄを取付けること
を説明する。

第３図（ａ）（ｂ）は取付けた状態を示す図である。

第３図（ａ）では、回転鏡取付けフランジ２ｂの回転面
振れを予め測定しておき、面振れの振れ幅が最大になる
２点の少なくともいずれか一方に指標２ｓを記し、回転
鏡２ｄの２鏡面の各鏡面の中間部をこの指標２ｓに合せ
るべく回転鏡を取り付ける。

また、第３図（ｂ）では、面振れの振れ幅が最大となる
２点間の中間に指標２ｔを記し、この指標２ｔに２鏡面
のいずれか一方の鏡面の中心を合せるべく回転鏡を取り
付ける。

このように指標があれば、この指標を基準として合せる
だけで、二面のミラーを傾斜に沿った向きに来るように
取り付けることができる。このようにしてモータの回転
鏡取付け部の傾きによる回転面振れの影響を無くすこと
ができるのである。

尚、この指標は取付けの目安として使用して回転鏡取付
け後、鏡面の回転面倒れを測定してさらに回転面倒れが
最小値になるように回転鏡２ｄを回転鏡取付け部２ｂに
対して指標との位相をずらすように回転して調整しても
良い。この場合も、回転面倒れが最小値となる位置にほ
ぼ一致しているため、調整工程が簡単になる。

以上、実施例ではローター部に対して指標を設けたが、
この位置に限ることなく、フランジ等回転鏡と一体的に
回転するものであれば構わない。

また、指標も１つに限ることなく、複数、特にはフラン
ジの面振れ幅が最大となる２カ所に指標を設けること
で、更に、取り付け精度を向上させることができる。

更には、回転鏡には指標を設け、取り付け側の指標と回
転鏡の指標を一致させるように取り付けることで更に、
取り付け精度を向上させることができる。

勿論、取付け基準を指示するものとしては、目視可能な
指標に限ることなく、光反射率の異なるなどの光学的な
もの、抵抗値の異なるなどの電気的なものなどでも構わ
ない。

尚、回転鏡の光偏向に使用しない部分は前述実施例にと
らわれるものではないが、空気抵抗を考えると円弧状、
特には回転径を直径とする円弧状であることが好まし
い。

（考案の効果） このように対向する２面の回転鏡を使用して、その回転
方向の取付角度を調整して回転面倒れを少なくする場
合、回転鏡取付部の面振れに対応した指示部があれば面
振れをキヤンセルできピツチムラの無い走査光学系を簡
単な構成、低コスト且つ、簡単な組立工程で提供するこ
とが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を適用したレーザービームプリ
ンタの概略図、 第２図は回転鏡のフランジへの取付けを示す図、 第３図（ａ），第３図（ｂ）は夫々、本考案の実施例を
示す斜視図、 第４図は従来のレーザービームプリンタを示す概略図、 図において、２は走査光学装置、２ｂはフランジ、２ｄ
は回転鏡、５は感光ドラムである。

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一方向に回転する回転体の対向する２面を
   用いて光偏向を行なう走査光学装置において、 少なくとも上記回転体と一体的に回転するローター部
   に、回転体の取り付け位置を示す指示部を設けたことを
   特徴とする走査光学装置。
2. 【請求項２】上記指示部は目視可能な指標である実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の走査光学装置。
3. 【請求項３】上記指示部は光学的に確認可能である実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の走査光学装置。
4. 【請求項４】上記指示部は電気的に確認可能である実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の走査光学装置。
5. 【請求項５】上記回転体は上面に指示部を有し、この回
   転体上面の指示部とローター部の指示部が略一致するよ
   うに回転体がローターに対して取付けられている実用新
   案登録請求の範囲第１項乃至第４項夫々に記載の走査光
   学装置。
6. 【請求項６】上記指示部と回転体の偏向面の略中央が一
   致するように回転体がローターに対して取り付けられて
   いる実用新案登録請求の範囲第１項乃至第５項記載の走
   査光学装置。
7. 【請求項７】上記指示部と、回転体の２つの偏向面間の
   略中央が一致するように回転体がローターに対して取り
   付けられている実用新案登録請求の範囲第１項乃至第５
   項記載の走査光学装置。