JPH0624686Y2 - 熱交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、熱交換装置に関するものである。

［従来の技術］ 空気除湿機の熱交換装置においては、熱交換器で予冷し
た空気を、主冷却器より冷却して除湿し、除湿後の空気
を上記熱交換器において予冷空気によって加温してい
る。この場合、空気の熱伝達率は水等の流体に比べて小
さいために、主冷却器においては、熱交換面にフィンを
取付けて伝熱面積を広くしている。

しかしながら、細管の内外において空気相互間で熱交換
する場合は、細管の外面にフィン等を取付けて伝熱面積
を広くしても、内面にフィンを設けることが困難なため
に、全体の総括伝熱係数を向上させることができない。

この問題を解決するものとして、内胴と外胴間に多数の
ひだを有する仕切板を設け、該仕切板で区画された流路
の内外を流れる流体を、仕切板を伝熱面として熱交換す
る熱交換装置が、実公昭51-29573号によって開示されて
いる。

上記既提案の熱交換装置は、仕切板に設けた多数のひだ
によって伝熱面積が広いという利点を有するが、流路が
短いために熱交換が十分に行えず、流路を長くすると、
中心部分に無駄な空間があることと相まって、装置が大
形になるという問題がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、熱交換効率がよく、
しかも小形の熱交換装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案は、略同心に配設した
内胴と外胴との間に設けた熱交換器によって、予冷流路
と再熱流路を流れるガスを熱交換する熱交換装置におい
て、上記熱交換器が、内外胴と略同心でかつこれらと径
方向に間隔を置いて配設した内板及び外板と、該内外板
間に配設した多数のひだを有する仕切板と、これらの板
の軸線方向両端を閉鎖する閉鎖板とによって形設され
た、仕切板と内板間の流路及びこれに連通して軸線方向
に折返す内板と内胴間の流路で構成した予冷流路と、仕
切板と外板間の流路及びこれに連通して軸線方向に折返
す外板と外胴間の流路で構成した再熱流路とを備え、上
記予冷流路の出口と再熱流路の入口を、主冷却器を設け
た内胴を介して連通させたことを特徴としている。

［作用及び考案の効果］ 予冷流路と再熱流路を多数のひだを有する仕切板で区画
したことと、両流路が折返部において内胴及び外胴を伝
熱面に利用していることとによって、伝熱面積が大きく
なり、これによってガスの熱交換を効率よく行うことが
できる。

また細管に比べて流路面積を大きくできるので、圧力損
失が小さく、したがって内外胴を薄い板で形成できるの
で、内外胴による伝熱効率が一層向上し、しかも装置を
安価なものにすることができる。

さらに、内胴を流路に利用するとともに、内胴内に主冷
却器を設けたので、無駄な空間がなく、予冷流路と再熱
流路を軸線方向に折返したこととが相まって、装置を小
形にすることができる。

［実施例］ 第１図及び第２図は本考案の実施例を示し、この熱交換
装置は、略同心に配設した内胴１と外胴２の間に環状の
熱交換器３を備え、該熱交換器３に後記する予冷流路４
と再熱流路５が形設され、内胴１の内部に主冷却器６が
設置されており、外胴２の両端は端板8aと8bで、内胴１
の一端は上記端板8aでそれぞれ閉鎖され、内胴の他端は
端板8bに向けて開口している。

内胴１と外胴２の間には、これらと径方向の間隔を置い
て略同心に配設した内板９と外板10、及び内外板9,10間
の多数のひだを有する仕切板11が設置され、これらの板
9,10,11の両端は閉鎖板13a,13bによって閉鎖されてい
る。上記仕切板11は、所定の幅を有する金属薄板を屈曲
して多数のひだを形成したもので、第２図に詳細を示す
ように、ひだによって内板９と外板10の間に軸線方向の
多数の流路が形設されている。

上記内外板9,10は、支持板14，・・と内胴１に形設した
支持部1aとによって、内外胴1,2と径方向に間隔を置い
て支承され、内板９と仕切板11とによって区画された流
路15a，・・と開口16，・・により該流路15a，・・に連
通する内胴１と内板９間の流路15bとによって軸線方向
に折返す上記予冷流路４が、外板10と仕切板11とによっ
て区画された流路17a，・・と開口18，・・により該流
路17a，・・に連通する外板10と外胴２間の流路17bとに
よって軸線方向に折返す上記予冷流路５が、それぞれ構
成される。

外胴２は、端板8aと、支持板14及び支持部1a、並びに閉
鎖板13aとで区画された空間20aに開口する高湿ガスの供
給管21、流路17bの終端に開口する除湿されたガスの排
出管22、及び端板8bと、支持板14,14及び閉鎖板13bとで
区画された空間20bに開口するドレン管23を備え、予冷
流路４は、入口側の開口24，・・と出口側の開口25，・
・によって空間20aと内胴１内に連通し、再熱流路５
は、入口側の開口26，・・によって空間20bを介して内
胴１内に連通している。また、上記供給管21と排出管22
は外胴２の同一径方向に、ドレン管23はこれらと対向す
る径方向に、それぞれ設置されている。

上記主冷却器６は多数のフィン6a，・・を有し、図示を
省略している公知の冷凍回路に接続されており、内胴１
における空間20b側の開口部に、凝縮した水分を分離さ
せるデミスタ28が設置されている。

上記実施例は、供給管21から空間20aに流入した高湿の
ガスが、軸線方向に折返す予冷流路４を流れる間に、流
路17a，・・を流れる低温の再熱ガス及び内胴１内を流
れる低温のガスにより予冷されて、開口25，・・から内
胴１内に流入し、主冷却器６でさらに冷却されて水分を
凝縮させる。水分を凝縮分離した低温のガスは、空間20
bと開口26，・・を通って再熱流路５に流入し、流路15
a，・・を流れる上記予冷ガスと外胴２とにより加温さ
れて乾燥ガスとなり、排出管21から排出される。一方、
主冷却器６により凝縮した水分は、デミスタ28で分離さ
れてドレン管23から排出される。

上記熱交換装置は、予冷流路４と再熱流路５を区画する
多数のひだを有する仕切板11、及び内胴１と外胴２をそ
れぞれ伝熱面として熱交換するために伝熱面積が広いこ
と、並びにこれらの流路4,5が軸線方向に折返して長い
ことと相まって、効率よく熱交換することができる。

また、予冷流路４と再熱流路５の流路断面が細管に比べ
て大きいために、これらの流路を流れるガスの圧力損失
が少なく、してがって内外胴1,2及び仕切板11を薄い板
で形成できるので、これによっても伝熱効率が向上する
ばかりでなく、装置を安価なものにすることができる。

さらに、内胴１内を流路に利用してスペースに無駄がな
いこと、及び予冷流路４と再熱流路５を折返したことと
によって、装置を小形にすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断正面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ断面拡大図である。 １……内胴、２……外胴、 ３……熱交換器、４……予冷流路、 ５……再熱流路、６……主冷却器、 ９……内壁、10……外壁、 11……仕切板、12……ひだ、 13……閉鎖板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】略同心に配設した内胴と外胴との間に設け
   た熱交換器によって、予冷流路と再熱流路を流れるガス
   を熱交換する熱交換装置において、 上記熱交換器が、内外胴と略同心でかつこれらと径方向
   に間隔を置いて配設した内板及び外板と、該内外板間に
   配設した多数のひだを有する仕切板と、これらの板の軸
   線方向両端を閉鎖する閉鎖板とによって形設された、仕
   切板と内板間の流路及びこれに連通して軸線方向に折返
   す内板と内胴間の流路で構成した予冷流路と、仕切板と
   外板間の流路及びこれに連通して軸線方向に折返す外板
   と外胴間の流路で構成した再熱流路とを備え、 上記予冷流路の出口と再熱流路の入口を、主冷却器を設
   けた内胴を介して連通させた、 ことを特徴とする熱交換装置。