JPH0129504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、空気機器等に圧縮空気を供給する場
合などに用いられる圧縮空気除湿装置の改良に関
するものである。

従来技術 圧縮空気除湿装置としては、たとえば、第３図
に示すように、円筒形耐圧容器３１の両端に接続
チヤンバ３２、集合チヤンバ３３を設けると共
に、両チヤンバの間を仕切壁によつて分画して予
冷室３４及び冷却室３５を設け、冷却室３５中に
は、冷媒圧縮機４０、凝縮器４１、キヤピラリチ
ユーブなどの減圧器４３及び蒸発器３６から成る
冷凍サイクルの、前記蒸発器３６を冷却器として
収納しており、予冷室と冷却室とは、連通口３７
を介して連通すると共に、冷却室の一端は、接続
チヤンバ３２に開口しており、この接続チヤンバ
３２と集合チヤンバ３３が、多数の通気管３８，
３８，……を介して相互に連通するように構成さ
れたものが知られている。４２は、空気圧縮機か
ら圧縮空気の導入口４５側の配管と除湿乾燥後の
圧縮空気の供給口４６側の配管を結ぶバイパス管
であつて、常閉の開閉弁４４によつて、通常は閉
鎖されており、万一、冷却器３６が着霜等により
閉塞してしまつた場合などに、弁４４を開いて、
とりあえず未処理空気を供給し、空気圧の低下を
防止するための保安回路である。

問題点 このような圧縮空気除湿装置においては、空気
は予冷室、冷却室、接続チヤンバ、通気管、集合
チヤンバの順に流れて、予冷、冷却除湿、加熱乾
燥の順に処理が加えられるが、この場合、予冷室
３４における空気の流れる方向と、通気管３８を
流れる空気の方向とは、同一方向の、いわゆる平
行流であるため熱交換効率が悪く、通気管３８中
を流れて加熱乾燥される空気の温度は、予冷室か
ら冷却室に入るさいの空気温度を上回ることはな
い。このことは、冷却器に、余分な負担をかける
と共に、加熱乾燥温度が低いため、前記供給口側
配管系の管外面に結露が生じる欠点があつた。

考案の構成 本考案は、このような従来技術の欠点の解消を
目的とするものであつて、その構成は、第１図に
おいて、空気圧縮機（図示せず）からの吐出圧縮
空気の導入口４と除湿乾燥後の圧縮空気の供給口
５とを有する円筒形耐圧容器１の両端部に、接続
チヤンバ２と前記供給口５が開口する集合チヤン
バ３とを有し、この両チヤンバ２，３に挟まれた
空間を仕切壁によつて予冷室６と冷凍サイクルの
蒸発器を収納している冷却室７とに画成し、冷却
室７と、該冷却室の出口７ｂを通して連通する接
続チヤンバ２を、予冷室６を貫通して設けた多数
の通気管８を介して、前記集合チヤンバと連通せ
しめてあり、予冷室入口６ａを集合チヤンバ３側
端部付近に設けると共に、予冷室出口６ｂを、接
続チヤンバ２側端部付近に設け、前記導入口４と
予冷室入口６ａを、方向変換流路９で接続すると
共に、予冷室出口６ｂをと冷却室入口７ａとを方
向変換流路１０によつて接続して、予冷室中の空
気流の方向を、通気管を流れる空気流の方向と反
対方向になるように構成されている。第１図は、
本考案の理解を容易にするため、本考案の構成を
原理的に示すものであり、これを、第１図におけ
るＡ−Ａ線断面において、より具体的に、敷延し
て示したものが第２図である。円筒形耐圧容器１
の中央下半に、円筒形仕切壁１７によつて形成さ
れる冷却室７と、該冷却室７の上方に、断面が翼
状の一対の予冷室６，６が形成されており、両予
冷室を貫いて、多数の通気管８，８，……が設け
られている。冷却室７は、最も熱交換効率の高い
円筒形を採用する必要上、これを円筒形耐圧容器
１中に収納した際、冷却室７の両側に、形成を余
儀なくされていた空間１０，１０は、従来は、利
用価値のない無駄なスペースであつたが、本考案
の場合、予冷室出口６ｂと冷却室入口7aとを連
結する方向変換流路として機能し、活用されてい
る。又、前記予冷室６，６間に挟まれた断面が略
三角形状で、予冷室に沿つて形成される空間９
は、圧縮空気の導入口４と予冷室入口６ａとを結
ぶ方向変換流路である。１８は、冷却パイプ、１
９はバツフルプレート、２０はその通気開口であ
る。

このような構成において、空気圧縮機、アフタ
クーラ（共に図示せず）を経て導入口４にいたつ
た吐出圧縮空気は、方向変換流路９を通つて予冷
室６に入り、ここで通気管８，８，……中を逆方
向に流れる冷却除湿後の圧縮空気と熱交換するこ
とにより予冷され、予冷室出口６ｂから方向変換
流路１０を通つて冷却室７にはいる。冷却室中に
おいて、冷却器により冷却除湿された圧縮空気
は、冷却室と通気管とを接続する接続チヤンバ２
を通つて通気管８，８……に入り、吐出圧縮空気
により加熱されて相対湿度が低下した乾燥圧縮空
気として集合チヤンバ３から、供給配管系に送り
出される。

効 果 本考案は、小型化の要請と、保安回路４２など
の存在から、圧縮空気導入口の取付位置が、限定
されてしまい、予冷室内の空気流と通気管内の空
気流とは、平行流であることを余儀なくされてい
たが、従来無駄なスペースとして放置されていた
空間を、方向変換流路として活用することによ
り、除湿前の圧縮空気と除湿後の圧縮空気との対
向流を実現し、予冷及び再熱効果を、大幅に上昇
させることに成功したものである。本考案に係る
装置は、従来の装置に比べて、消費電力削減率が
20％に達し、したがつて、従来と同能力に設定す
れば、大幅な装置の小型化が可能である。又、供
給圧縮空気の温度も上昇するので、供給配管系の
外面結露もなく、二次的な障害の発生も未然に防
止出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す原理図であ
る。第２図は、第１図のＡ−Ａ線断面において、
本考案をより具体的に示す説明図である。第３図
は、従来技術の一例を示す説明図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気圧縮機からの吐出圧縮空気の導入口と、除
   湿乾燥圧縮空気の供給口とを有する円筒形耐圧容
   器の両端部に、接続チヤンバと前記供給口が開口
   する集合チヤンバとを有し、該両チヤンバに挟ま
   れた空間を耐圧容器の軸方向に張設された仕切壁
   によつて、予冷室と冷凍サイクルの蒸発器を収納
   した冷却室とに分画形成すると共に、冷却室と連
   通する接続チヤンバを予冷室を貫通して設けた多
   数の通気管を介して前記集合チヤンバと連通せし
   めた構造を有し、圧縮空気を、導入口→予冷室→
   冷却室→接続チヤンバ→通気管→集合チヤンバ→
   供給口の順序で通過させて、予冷、冷却除湿、加
   熱乾燥処理を行う圧縮空気除湿装置において、予
   冷室入口を集合チヤンバ端部付近に設けると共
   に、予冷室出口を、接続チヤンバ側端部付近に設
   け、前記導入口と予冷室入口及び予冷室出口と冷
   却室入口を、それぞれ接続チヤンバ側から集合チ
   ヤンバ方向に向かう方向変換流路で連結すること
   により、予冷室内を流れる空気流の方向と通気管
   を流れる空気流の方向とが対向するように構成し
   たことを特徴とする圧縮空気除湿装置。