JPH0624564Y2 - 各種壁面付設物の取付用調節座金 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は壁面によって安定支持させる化粧キャビネット
やその他各種壁面付設物の取付用調節座金に関するもの
である。

＜従来の技術＞ 従来化粧キャビネットを壁面に取付け安定保持させるに
は第６図(a)(b)に示すように、壁面ａの僅かな反りや、
第７図のように壁面ａの床面ｂに対する垂直度（倒れ
角）の如何に関係なくキャビネット11の両端寄りを直接
ビス12、12によって壁面ａに螺着するものであった。

＜考案が解決しようとする課題＞ 従って、上記従来例においては、第６図(a)のように壁
面ａの反りによって、キャビネットの取付面との間に間
隙ｃがある場合にそのまま取付けると第６図(b)のよう
に化粧キャビネット11は壁面に沿って反りを生じ、その
結果キャビネットの前面中央部に嵌め込んだ鏡板13に歪
を生じ、鏡縁が歪んで見え、しかも、それは鏡板が広い
程大きくなり、更には鏡板の歪の限界を越えると割れる
ことになる。

又、壁面ａの垂直度が保たれてない場合、つまり化粧キ
ャビネット11の床面に対する取付面の角度と、壁面の床
面に対する角度との間にθの偏角ができ、取付けた場合
にはキャビネットの取付面が壁面に倣って取付けられる
ことになる。従って鏡板の方向が正確に正面へ向かず、
点線矢印のように視界がずれて見辛らく違和感を生じ、
しかもそれは鏡板と実体との距離が大きい程著しくなる
などの欠点があった。

そこで本考案は、上記従来例のように壁面にビス止めす
ることにより安定を保つような化粧キャビネット、又
は、壁面へ直接取付ける鏡板等その他各種壁面付設物に
ついて、取付壁面の状態如何によらず簡単確実に設置可
能な取付用調節座金を提供するものである。

＜課題を解決する為の手段＞ 各種付設物に螺装される螺筒部と、該螺筒部先端に一体
に形成した取付け用のビス孔を有する取付板とからな
る。

＜作用＞ 付設物を取付壁面の所定位置に保持すると共に該付設物
の取付面に螺装した調節座金を、付設物前面から該調節
座金の螺筒部へ向かって挿入した６角レンチ又はドラ
イバーによって、該調節座金を取付壁面に対して進退せ
しめ、該調節座金の進入が阻止された時点で、該調節座
金を別にビス用ドライバーによって前面から壁面にビス
止めするものである。

＜実施例＞ 以下本考案について図面に示す実施例により詳細に説明
すると、調節座金Ａは、第１図に示すように外周に螺条
４を設けた螺筒部２の一端に取付板１を一体に形成する
と共に該取付板１の中央部には前記螺筒部２内に通じる
通孔６を穿設し、該螺筒部２の他端には該螺筒部中心を
通る凹溝５、５を凹設し、該螺筒部２の内面を多角柱面
３とするものである。

そして、第１図における調節座金Ａを操作するには６角
レンチ或はドライバーの何れによっても回動操作が可
能である。

又、螺筒部２を上記とは別に第２図(a)のように凹溝の
ない多角柱面３のみとしたものでも良く、この場合は螺
筒部に６角レンチ14₁を挿入して調節座金Ｂを操作し、
或は第２図(b)のように端面に凹溝５、５を設け、内面
を円筒面としたものであっても良い、そして、この時
は、ドライバー14₂を凹溝５、５へ挿入することによ
って、調節座金Ｃを回動操作することができる。

次に上記調節座金Ａ（Ｂ，Ｃ何れも同じであるから便宜
上Ａについて述べる）を用いて付設物例えば化粧キャビ
ネット11を壁面ａに取付ける場合を述べると、第３図
(a)のようにキャビネットの構造体である支持体（ベニ
ヤ板その他）７に取付壁面側から下孔８内に調節座金Ａ
を、取付板１の外縁が該支持体７に接するまで十分挿入
しておき、キャビネット11を所定据付け位置に静置した
後キャビネットの外装板９の部分に上記調節座金の対応
位置に穿設した挿通孔10を経てキャビネット前面から螺
筒部へ挿入された６角レンチ又はドライバー等の作業
工具により調節座金を回動して取付壁面ａ方向へ進出せ
しめ、先端の取付板１が壁面ａに接した時点で回動操作
を中止する。

この動作は、調節座金の総てについて、ビス止作業に先
行して予め実施される。

次に第３図(b)のように順次各取付板１の中央部の取付
ビス用の通孔６から壁面ａに向かってドライバー14₃に
よりビス12を捩り込むことにより第４図、第５図の如く
壁面の凹凸や間隙ｃの有無に関係なく取付作業が推進さ
れる。尚、図中符号13は鏡板である。鏡板のみを壁面に
直接取付けることがしばしば行なわれるが、こうした場
合の取付にも上記同様であって、ビス止めしようとする
各部の調節座金の総てについて、壁面に対する間隙を調
整してから順次各調節座金をビスによって壁面に螺着す
るものである。

＜考案の効果＞ 本考案は上述のように予め付設物の所要取付面に調節座
金を装着しておき、その状態で付設物を予定設置壁面に
当て、各調節座金を回動することにより各部間隙に対応
させてからビス止めするので、これまでのように壁面が
反っていたり、又壁面の垂直度が悪い状態でも、これに
関係なく化粧キャビネットを歪ませないで確実に取付け
られる。取付面の間隙調整と、取付用の金具を兼ねてい
るので金具が非常にコンパクトになり、外観上目立ちに
くく、それに構成が頗る簡単で、作業性も良好であるな
どの多くの優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案実施例を示す。 第１図は、調節座金の一部切欠拡大斜視図、 第２は図(a)(b)は、何れも上記他の実施例の斜視図、 第３図(a)(b)は、取付要領を示す部分側面図、 第４図は、化粧キャビネットの一部切欠側面図、 第５図は、同上横断平面図である。 第６図は乃至第７図は、従来例を示す。 第６図(a)(b)は、取付前後の状態を示す横断平面図、 第７図は、同上取付状態の縦断側面図である。 １…取付板、２…螺筒部 ４…螺条、６…通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧キャビネットや鏡板などの各種壁面付
   設物の取付面に進退可能に螺装される螺筒部と、該螺筒
   部の一端に一体に形成され中央に取付ビス用の通孔を穿
   設した取付板とからなり、前記螺筒部をその他端に形成
   された凹溝あるいはその内面に形成された多角柱面によ
   り、壁面付設物の前面から回動操作できるようにしたこ
   とを特徴とする各種壁面付設物の取付用調節座金。