JPH06245473A - ステッピングモータ用ロータおよびその製造方法 - Google Patents

ステッピングモータ用ロータおよびその製造方法

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JPH06245473A
JPH06245473A JP5033483A JP3348393A JPH06245473A JP H06245473 A JPH06245473 A JP H06245473A JP 5033483 A JP5033483 A JP 5033483A JP 3348393 A JP3348393 A JP 3348393A JP H06245473 A JPH06245473 A JP H06245473A
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resin
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rotor
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Yasuyuki Takemoto
保幸 竹本
Tadashi Tateno
忠 立野
Chiaki Kato
千明 加藤
Mitsuo Kinoshita
光男 木下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 永久磁石形ステッピングモータ用ロータにお
いて、内周が樹脂7で固定された円筒状の永久磁石1の
両端面の外周縁部に欠けや割れが発生するのを防止す
る。 【構成】 円筒状の永久磁石1の両端面の外周縁部まで
樹脂7を延設するために、成形金型の底部に一体的に設
けられた突起、成形金型の底部内周面から出没可能な支
持材、あるいは前記樹脂に一体固着されてしまうスペー
サなどを配置する。または、それらを配置せずに、成形
金型へ永久磁石を圧入して、永久磁石を永久磁石の外周
面と成形金型の内周面との間の面圧力によって保持し、
永久磁石の下端面と成形金型の底部との間に隙間を設け
て樹脂を回り込ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば永久磁石形ステ
ッピングモータに用いられる樹脂ロータとそのロータの
製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば永久磁石形ステッピングモータ
は、回転自在に支持された樹脂ロータに対向するよう
に、磁極歯を有するステータヨークを配置したものであ
る。この樹脂ロータは、例えば図10,図11に示すよ
うに、中空の円筒状に形成された永久磁石1と、永久磁
石1の中心に位置する軸3と、この軸3が嵌入するボス
部5および前記永久磁石1の内周を一体に固着成形する
モールド樹脂7とから構成されている。
【0003】このような樹脂ロータの製造は、図12に
示すように、成形金型9の内部に円柱状の空間を形成
し、その中に円筒状の永久磁石1、および永久磁石1の
中心に縦方向に配置された軸3を配し、樹脂を例えば射
出充填して両者1,3を連結固定して行うものであっ
た。
【0004】このようにして製造された樹脂ロータの永
久磁石1の端面は、その肉厚の半分程の寸法Lの部分が
露出していた(図10)。すなわち、永久磁石の肉厚の
半分程度の寸法だけ半径方向に延設された樹脂の鍔11
により、永久磁石1の端面は半径方向の内側が半分ほど
覆われていた。このように半分が露出し半分が樹脂によ
って覆われるのは、永久磁石1を成形金型9の中に縦に
配する際に、位置決めのために永久磁石1の下端を成形
金型9の底部に接触させる必要があるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにして露出し
た永久磁石1の端面の外周縁部が、ステッピングモータ
組立の際にステータヨークなどに接触すると、欠けや割
れが発生し、また樹脂ロータを誤って落下させた場合な
どには前記縁部が完全に破損する場合もあった。このよ
うな欠け、割れ、あるいは破損が発生すると、その樹脂
ロータは不良品となってしまう。
【0006】本発明は、以上の問題点を解決するために
成されたもので、端面の外周縁部に欠け、割れ、あるい
は破損が生じることを防止できるステッピングモータ用
ロータおよびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、この出願の第1発明は、円筒状の永久磁石と該永
久磁石の中心に配置された軸とを樹脂により連結固定さ
せたステッピングモータ用ロータにおいて、前記樹脂が
前記円筒形の永久磁石の両端面の外周縁部まで鍔状に延
設されていることを特徴とするステッピングモータ用ロ
ータである。
【0008】第2発明は、成形金型内に円筒状の永久磁
石を配置し、該永久磁石の中心に軸を縦に配置して、前
記成形金型内に樹脂を充填して両者を連結固定するステ
ッピングモータ用ロータの製造方法において、前記成形
金型の底部に突起を形成して前記円筒状の永久磁石の下
端面を支持させることで、前記樹脂が前記永久磁石の上
端面のみならず下端面の外周縁部までも回り込んで鍔状
に延設されることを特徴とするステッピングモータ用ロ
ータの製造方法である。
【0009】第3発明は、成形金型内に円筒状の永久磁
石を配置し、該永久磁石の中心に軸を縦に配置して、前
記成形金型内に樹脂を充填して両者を連結固定するステ
ッピングモータ用ロータの製造方法において、前記成形
金型の底部に前記円筒状の永久磁石の下端面を支持する
支持材を設け、該支持材は前記成形金型の内面に形成さ
れた孔部から出没可能に設けられるとともに、前記樹脂
が充填され成形がなされた際に前記孔部に没入させるこ
とを特徴とするステッピングモータ用ロータの製造方法
である。
【0010】この出没可能な支持材は、第4発明のよう
に、バネを介して設けられ、充填される樹脂の圧力で孔
部に没入させるとともに、前記成形金型内からロータ成
形品が取り出されたときに前記バネの復元力により元の
位置に復帰させることができる。
【0011】第5発明は、円筒状の永久磁石と該永久磁
石の中心に配置された軸とを樹脂により連結固定させた
ステッピングモータ用ロータにおいて、前記円筒状の永
久磁石の端面に前記樹脂と一体的に固着されるスペーサ
を設け、前記樹脂が該スペーサまたはスペーサの間隙を
通って前記端面の外周縁部まで鍔状に延設されているこ
とを特徴とするステッピングモータ用ロータである。
【0012】第6発明は、成形金型内に円筒状の永久磁
石を配置し、該永久磁石の中心に軸を縦に配置して、前
記成形金型内に樹脂を充填して両者を連結固定するステ
ッピングモータ用ロータの製造方法において、前記成形
金型の底部に前記円筒状の永久磁石の下端面を支持する
スペーサを配置し、成形の際に前記樹脂と該スペーサと
を一体的に固着させ、前記スペーサまたはスペーサの間
隙を通って前記下端面の外周縁部まで前記樹脂を延設す
ることを特徴とするステッピングモータ用ロータの製造
方法である。
【0013】第7発明は、成形金型内に円筒状の永久磁
石を配置し、該永久磁石の中心に軸を縦に配置して、前
記成形金型内に樹脂を充填して両者を連結固定するステ
ッピングモータ用ロータの製造方法において、前記成形
金型の内径を前記永久磁石の外径よりも小さく設定し該
永久磁石を該成形金型に圧入することで前記永久磁石を
その外周と前記成形金型の内壁面との面圧力により支持
し、該永久磁石の下端面と前記成形金型の底部との間に
隙間を設け、前記樹脂が前記隙間から前記永久磁石の下
端面の外周縁部まで回り込んで鍔状に延設されることを
特徴とするステッピングモータ用ロータの製造方法であ
る。
【0014】
【作用】鍔状に延設された樹脂により、円筒状の永久磁
石の両端面の外周縁部まで覆われるので、この縁部にス
テータヨークなどが接触し欠けや割れさらには破損を生
じる可能性を小さくできる。
【0015】このように樹脂を鍔状に延設するには、成
形金型の底部に突起を形成して、永久磁石の下端面と底
部との間に隙間を設けることにより樹脂を回り込ませて
行うことができる。
【0016】あるいは、成形金型の内面に形成された孔
部から出没可能に設けられる支持材で永久磁石の下端面
を支持し、この下端面と成形金型の底部との間に隙間を
設けることによっても行われる。この支持材はバネを介
して設け、充填される樹脂の圧力を利用して成形金型の
内部に没入させるとともに、前記成形金型内からロータ
成形品が取り出されたときに前記バネの復元力により元
の位置に復帰させることができる。
【0017】また、前記支持材の代わりに、円筒状永久
磁石の下端面をスペーサで支持し、スペーサの間隙を通
って樹脂が鍔状に延設されるようにすることができ、こ
の場合にはスペーサは製造されたロータの永久磁石の端
面に一体的に固着されて残る。
【0018】また、永久磁石を成形金型へ圧入し、圧入
の面圧力によって永久磁石を支持するものとすれば、前
記支持材、あるいはスペーサを用いることなく円筒状永
久磁石の端面外周縁部まで樹脂を鍔状に延設することが
できる。
【0019】
【実施例】第1および第2発明に関する実施例を図1〜
図4を基に説明する。図1および図2に示すロータは、
円筒状の2個の永久磁石1を、軸3の長手方向に並設し
たものである。これら永久磁石1と軸3とは、樹脂7に
よって連結固定されている。すなわち、軸3は樹脂によ
り形成されたボス部5に嵌入された状態となっており、
ボス部5に連続するリブ6が、永久磁石1内周の樹脂7
に一体的に連続している。
【0020】この樹脂7は、円筒状の永久磁石1の両端
面の外周縁部まで達する鍔11を形成している。すなわ
ち、下端面においては、図2に示すようにロータの円周
方向に120°ピッチで放射状部分13が形成されてい
る。各放射状部分13の先端は、外周縁部まで達してい
る。そして、先端は円周方向に伸び、細いリング状部分
15を形成している。このリング状部分15の半径方向
の寸法は、永久磁石1の円筒の肉厚寸法の約1/2程度
である。放射状部分13同士の間は、略扇状の凹部17
となっており、樹脂7で覆われていない。
【0021】なお、本実施例にあっては、永久磁石1の
上端面側の鍔11には前記のような凹部17が形成され
ておらず、永久磁石1が露出する部分はないが、永久磁
石1の上端面側の鍔11にも下端面側と同じ凹部17を
形成してもよい。
【0022】図1および図2に示すロータは、成形金型
の底部に略扇状の突起(図示せず)を形成することで製
造される。すなわち、従来と同様に成形金型の円柱状の
空間の中に、前記円筒状の永久磁石1、および円筒状の
中心に位置する軸3を縦に配置する。2つの永久磁石1
同士の間にはスペーサ2が設けられ、永久磁石1,スペ
ーサ2,永久磁石1が順に軸3の長手方向に積み重ねら
れた状態となって配置される。この成形金型の底部に
は、3つの略扇状の突起が、各々120°の間隔で形成
されている。略扇状の突起の半径方向外側の端部は、永
久磁石1の下端面肉厚の約1/2程度まで接触し支持し
ている。この接触により、永久磁石1の位置決めが行わ
れる。
【0023】永久磁石1および軸3を配置した後、樹脂
を射出充填すると、樹脂は突起同士の間隙を通って回り
込み永久磁石1の外周縁部まで達する。これにより鍔1
1の放射状部分13およびリング状部分15が形成され
る。なお、永久磁石1の上端面では、位置決めのための
突起を設ける必要がないので、前記のような凹部17は
できず、上端面全体が樹脂7の鍔11で覆われる。
【0024】以上説明したように、図1および図2の実
施例によれば、永久磁石1の下端面は、凹部17が形成
され永久磁石1の端面が露出する部分は残るものの、外
周縁部は樹脂7によって覆われるので、他の部品、例え
ばステッピングモータの組立の際に隣り合うステータヨ
ークなどに接触し易い部分を保護でき、欠けや割れの発
生を抑止できる。またロータを誤って落下してしまった
場合にも破損する可能性を減少させることができる。
【0025】以上の実施例では永久磁石1の下端面を支
持する突起は略扇状をしており、したがって凹部17も
略扇状となるものであったが、図3および図4に示す他
の実施例のように突起を小さな円柱状又は半球状とし、
凹部17を小さくし永久磁石1の端面の露出面積を小さ
くすることができる。
【0026】なお、以上の実施例において突起の数は3
個であった(図2および図4)が、図示しない他の実施
例においては4個以上であっても構わない。
【0027】さらに、永久磁石1の数は2個であった
が、図示しない他の実施例においては1個、あるいは3
個以上であっても構わない。
【0028】次に、第3発明および第4発明に関する実
施例を図5を基に説明する。すなわち、前記実施例では
成形金型9の底部に突起を設けたが、本実施例は成形金
型9の底部内周に出没可能な支持材19を備えている。
本実施例にあっては、この支持材19は横置きされた円
筒状の可動ピンであり、成形金型9の底部付近の側壁に
形成された円筒状の孔部21内に、バネ23を介して設
けられたものである。この支持材19は例えば4本設け
られ、成形金型9の底部内周の円周方向に等間隔に設け
られている。バネ23としては、射出充填された樹脂の
圧力により充分に圧縮されて孔部21の内方に没入可能
となるバネ定数を有するものを選定する。なお、イジェ
クトピン25は、4本設けられた支持材19と干渉しな
い位置に設けられる。
【0029】樹脂が射出されると、永久磁石1と軸3と
の間の空間は、樹脂により徐々に充填されて行く。やが
て樹脂は成形金型9の底部に達し、支持材19にも樹脂
の充填圧力が及ぶ。この圧力により、支持材19はバネ
23の復元力に抗して後退し、孔部21内に没入する。
この没入の時期までには、永久磁石1は充填された樹脂
によって支持されるようになっており、永久磁石1の下
端面と成形金型9との間には隙間が維持される。この隙
間に樹脂が回り込み、永久磁石1の下端面の全体に鍔状
に延設される。
【0030】なお、図5の実施例においては支持材19
は射出充填される樹脂の圧力を利用して孔部21へ没入
させるものであったが、図示しない他の実施例において
は、電気的または機械的な手段で支持材19を移動させ
るように構成して、孔部21から出没可能にすることが
できる。このようにすると、樹脂の射出・保圧タイミン
グと電気的または機械的な手段の動作タイミングとを調
整して支持材19の出没を行うことができる。
【0031】次に、第5および第6発明に関する実施例
を図6〜図8を基に説明する。すなわち、以上の実施例
(図1〜図5)にあっては、成形金型9の底部に突起や
支持材を設けるようにしていたが、本実施例にあっては
成形金型9の底部にスペーサ27を配置し、このスペー
サ27は樹脂射出成形後にはロータに一体的に固着され
てそのロータの一部となる。
【0032】このスペーサ27は、例えば図7のよう
に、円筒状永久磁石1の下端面を完全に覆って保護する
保護フランジ部29と、永久磁石1の内周側に挿入され
る短円筒状の挿入部31、挿入部31の端部から内方側
へ突出し樹脂の内部に係合する係合部33とから成る。
【0033】このスペーサ27を成形金型9の底部に配
置し、その上に永久磁石1の下端面を載せて位置決めす
る。スペーサ27と永久磁石1とは、その後に充填され
る樹脂により連結固定される。本実施例では特に、スペ
ーサ27の係合部33が樹脂に食い込むように係合し、
スペーサ27と樹脂7とが一体固着するのを助ける。
【0034】なお、永久磁石1の上端面は、下端面のよ
うな位置決めのための接触が必要でないのでスペーサ2
7を設ける必要がない。
【0035】図6および図7の実施例は、スペーサ27
が永久磁石1の下端面の全体を覆って保護するものであ
ったが、図8に示すように、単に永久磁石1の下端面と
成形金型9の底部との間に所定の隙間を設けるためだけ
のものとすることができる。
【0036】すなわち、図8のスペーサ27は細いリン
グ状をしており、円筒状永久磁石1の軸方向に凹凸を繰
り返すジグザグ形状となっている。この凹凸部の段差が
有する軸方向の高さHにより、前記永久磁石1と成形金
型9の底部との隙間が確保される。このスペーサ27も
樹脂7の中に埋め込まれ一体固着される。成形の際に樹
脂は、このスペーサのジグザグ形状の間隙を通って半径
方向外方側へ鍔状に延設される。この鍔状に延設された
部分は成形金型9の内周側壁にまで達し、永久磁石1の
下端面の外周縁部まで覆うことになる。
【0037】なお、このようなスペーサ27の形状は図
7および図8に示したものに限るものではなく、他の種
々の形状のものが考えられる。要するに、スペーサ27
によって永久磁石1の下端面の全体を覆うものは、樹脂
との一体固着性を確保できる材質あるいは形状を有して
いればよい。またスペーサ27を通って延設される鍔状
の樹脂部分により下端面が覆われるものは、樹脂が充分
に永久磁石1の下端へ回り込んで延設され得るように、
永久磁石1の下端面と成形金型9の底面との間に所定の
高さの隙間を確保できるものであればよい。
【0038】次に、第7発明の一実施例を図9を基に説
明する。これまでの実施例は、突起、支持材19、ある
いはスペーサ27などの成形金型9に対する付属物、あ
るいは成形金型9とは別体の手段によって永久磁石1の
下端面を支持するものであったが、本実施例は前記のよ
うな付属物および別個の手段を用いることなく、永久磁
石1を成形金型9へ圧入し、その際の両者間の面圧力に
より永久磁石1を支持するものである。
【0039】すなわち、例えば、円筒状永久磁石1の外
形が18mm程度、肉厚が1mm程度である場合に、成形金
型9の円柱状の空間の内径が前記永久磁石1の外径に対
して10μm程度の締め代(一般的にこの締め代の値
は、50μm程度まで許容される)を有するように形成
しておき、永久磁石1を成形金型9に圧入するようにす
ると、永久磁石1の外周面は成形金型9の内壁に強く接
触する。このときの永久磁石1外周面と成形金型9内周
面との面圧力により、所定の深さまで圧入された永久磁
石1を支持する。永久磁石1同士の間にはスペーサ2を
挿入する。これにより、永久磁石1の下端面と成形金型
9の底部との間に所定の隙間35を設けることができ、
この隙間35から射出充填された樹脂が永久磁石1の下
端面へ回り込み、鍔状に延設される。
【0040】本実施例では、このように、永久磁石1及
びスペーサ2を成形金型9内に圧入するのみで永久磁石
1の位置決めができるので、永久磁石1の下端面を別個
の手段で保持することなく、永久磁石1下端面の全体に
樹脂を回り込ませ鍔状に延設させて覆うことができる。
【0041】なお、前記本願第7発明に係る実施例にあ
っても、永久磁石を2個ではなく1個あるいは3個以上
とすることができる。
【0042】さらに、図1、図3、および図6に示した
ロータの断面図には、軽量化のために形成された空洞部
分(ボス部5の周囲)が示されている。これらの空洞部
分は、図5あるいは図9中に示されている成形金型9の
上に取り付けられる雄金型などに設けられた凸部により
形成されるものであるが、図を簡略化するために凸部は
省略して図示するものとする。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
永久磁石と軸を連結固定する樹脂を、永久磁石の円筒状
の両端面の外周縁部まで延設したので、ステッピングモ
ータの組立などの際に外周縁部がステータヨークなどに
接触して欠けや割れが発生したり、誤ってロータを落下
させてしまった場合に破損したりする可能性を抑えるこ
とができる。
【0044】また、前記のように樹脂を鍔状に外周縁部
まで延設するために、成形金型の底部に突起を形成する
ことは、欠け,割れ、あるいは破損の生じにくいステッ
ピングモータ用ロータを製造するための実用的な製造方
法を提供できる。
【0045】また、前記突起の代わりに、成形金型の底
部内周面に出没可能な支持材を設けることで、前記突起
に当接する永久磁石の部分が樹脂で覆われずに露出され
て残ることを防止できる。
【0046】特に、前記支持材を成形金型の内方へ付勢
するバネを介して設け、射出成形時に樹脂の充填圧力で
前記バネの付勢力に抗して成形金型の内周面に没入する
ようにすれば、樹脂を充填するだけで支持材を移動で
き、しかも成形品取り出し後は支持材が直ちに元の位置
に復帰するので、作業が簡略化される。
【0047】また、端面用のスペーサまたはスペーサの
間隙を通って延設される樹脂の鍔状の部分によって永久
磁石下端面の外周縁部まで覆うようにすれば、前記没入
可能な支持材を設けるよりもさらに簡単な手段で、永久
磁石の端面に露出部分が残ることを防止できる。
【0048】さらに、成形金型へ永久磁石を圧入するこ
とにより、永久磁石の底面を成形金型の底部から所定間
隔だけ浮かせるための前記突起,支持材、あるいはスペ
ーサなどを用いることなく、永久磁石の下端面に樹脂で
覆われていない露出部分を残さずに済む等、種々の優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1または第2発明に関する第1実施例を示す
ためのステッピングモータ用ロータの断面図である。
【図2】図1の下端面図である。
【図3】同じく第2実施例を示すステッピングモータ用
ロータの断面図である。
【図4】図3の下端面図である。
【図5】第3または第4発明に関する一実施例を示す断
面図である。
【図6】第5発明または第6発明に関する一実施例を示
す断面図である。
【図7】図6に用いられるスペーサの一実施例を示す一
部破断斜視図である。
【図8】図6に用いられるスペーサの他の実施例を示す
斜視図である。
【図9】第7発明の一実施例を示す断面図である。
【図10】従来のステッピングモータ用ロータの断面図
である。
【図11】図10の端面図である。
【図12】図10のロータの製造方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 永久磁石 3 軸 5 ボス部 7 樹脂 9 成形金型 11 鍔 13 放射状部分 15 リング状部分 17 凹部 19 支持材 21 孔部 23 バネ 27 スペーサ 29 保護フランジ部 31 挿入部 33 係合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 光男 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の永久磁石と該永久磁石の中心に
    配置された軸とを樹脂により連結固定させたステッピン
    グモータ用ロータにおいて、前記樹脂が前記円筒形の永
    久磁石の両端面の外周縁部まで鍔状に延設されているこ
    とを特徴とするステッピングモータ用ロータ。
  2. 【請求項2】 成形金型内に円筒状の永久磁石を配置
    し、該永久磁石の中心に軸を縦に配置して、前記成形金
    型内に樹脂を充填して両者を連結固定するステッピング
    モータ用ロータの製造方法において、前記成形金型の底
    部に突起を形成して前記円筒状の永久磁石の下端面を支
    持させることで、前記樹脂が前記永久磁石の上端面のみ
    ならず下端面の外周縁部までも回り込んで鍔状に延設さ
    れることを特徴とするステッピングモータ用ロータの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 成形金型内に円筒状の永久磁石を配置
    し、該永久磁石の中心に軸を縦に配置して、前記成形金
    型内に樹脂を充填して両者を連結固定するステッピング
    モータ用ロータの製造方法において、前記成形金型の底
    部に前記円筒状の永久磁石の下端面を支持する支持材を
    設け、該支持材は前記成形金型の内面に形成された孔部
    から出没可能に設けられるとともに、前記樹脂が充填さ
    れ成形がなされた際に前記孔部に没入させることを特徴
    とするステッピングモータ用ロータの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記出没可能な支持材は、前記成形金型
    の内方へこれを付勢するバネを介して設けられ、該成形
    金型内に充填される樹脂の圧力で前記孔部に没入される
    とともに、前記成形金型内からロータ成形品が取り出さ
    れたときに前記バネの復元力により元の位置に復帰する
    ことを特徴とする請求項3に記載のステッピングモータ
    用ロータの製造方法。
  5. 【請求項5】 円筒状の永久磁石と該永久磁石の中心に
    配置された軸とを樹脂により連結固定させたステッピン
    グモータ用ロータにおいて、前記円筒状の永久磁石の端
    面に前記樹脂と一体的に固着されるスペーサを設け、前
    記樹脂が該スペーサまたはスペーサの間隙を通って前記
    端面の外周縁部まで鍔状に延設されていることを特徴と
    するステッピングモータ用ロータ。
  6. 【請求項6】 成形金型内に円筒状の永久磁石を配置
    し、該永久磁石の中心に軸を縦に配置して、前記成形金
    型内に樹脂を充填して両者を連結固定するステッピング
    モータ用ロータの製造方法において、前記成形金型の底
    部に前記円筒状の永久磁石の下端面を支持するスペーサ
    を配置し、成形の際に前記樹脂と該スペーサとを一体的
    に固着させ、前記スペーサまたはスペーサの間隙を通っ
    て前記下端面の外周縁部まで前記樹脂を延設することを
    特徴とするステッピングモータ用ロータの製造方法。
  7. 【請求項7】 成形金型内に円筒状の永久磁石を配置
    し、該永久磁石の中心に軸を縦に配置して、前記成形金
    型内に樹脂を充填して両者を連結固定するステッピング
    モータ用ロータの製造方法において、前記成形金型の内
    径を前記永久磁石の外径よりも小さく設定し該永久磁石
    を該成形金型に圧入することで前記永久磁石をその外周
    と前記成形金型の内壁面との面圧力により支持し、該永
    久磁石の下端面と前記成形金型の底部との間に隙間を設
    け、前記樹脂が前記隙間から前記永久磁石の下端面の外
    周縁部まで回り込んで鍔状に延設されることを特徴とす
    るステッピングモータ用ロータの製造方法。
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