JPH0624482Y2 - 桁 板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は鋼板製の組立物置、組立車庫等の組立式簡易
建築物における桁板に関するものである。

「従来の技術」 従来この種の簡易建築物における桁板の公知例として、
例えば実開昭５９−４４８０１号公報に紹介された板
は、横長垂直板の上端から内側へ曲成した平面部とこれ
に続く屈曲凹部とを形成することにより屋根板載置部と
屋根板固定部とを連設し、同垂直板の下部内側へ固着し
た上枠の前壁下端に凹溝を曲成することにより吊りレー
ルと上枠とを一体的に形成したものであって、この板
（桁板）は内側部へ屋根受部材、上枠部材及び吊レール
部材を一体的に連設して全部材を統一形成することによ
り、生産性の向上と製品コストの低減及び組立作業の能
率化に貢献するものである。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが、上記公知例では生産性の向上その他において
前述のような有利性がある反面に、屋根板載置部と屋根
板固定部とにおいて薄鋼板の屈曲部が長いため、風圧に
対する強度が欠けると言う弱点があることに併せて、吊
レール部材の前後幅が狭隘であるので之に吊す吊戸の上
端部を前方からレール内に嵌めこみできず、吊レール部
材の側端部から之を挿入して嵌めこまなければならず、
僅かな空地を利用して組立てるこの種の建物において
は、組立体の側方部に空間がなくて吊戸が側方から嵌め
こみできない等の不合理な問題も起っている。

そこで、本考案においては、上述の問題点を改善し、風
圧に対して持久力がある屋根板固定装置となすと共に、
吊戸が前方から自由に嵌めこみできるような組立構造と
なすを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記問題点解決の手段として、桁板の上端縁に沿って屋
根板載置面を形成すると共に、屋根板載置面の下側内面
に縦棧付固定片を設け、該固定片を介して屋根板受棧を
固着し、該受棧上に屋根板下面に突設した横棧を嵌入抱
持させると共に横棧前側部屋屋根板を載置面上に支承さ
せた上、前記受棧の下面から横棧下面に向ってボルトを
螺挿して両者を締付け固定するようにし、尚、桁板の下
端縁に沿って下向きコ字形の嵌合溝を形成し、該嵌合溝
に吊レール部材の上端突部を嵌合固定し、尚、該嵌合部
の上方部で桁板内側面に沿って横架材を付設し、この横
架材により桁板を補強して強度を増し、上枠の代用とす
るものである。

尚又、前記吊レール部材は桁板下端部に嵌着した上端突
部の前部下端から前方へ向って形状の水切板を連設
し、該水切板の垂直板内面に沿って戸車嵌合用のＬ形摺
動レールを添設するものである。

「作用」 桁板の上端部に設けた屋根板載置面の下方内側に、縦棧
付固定片を設けこの固定片に屋根板受棧を固定し、該受
棧上に屋根板横棧を抱持させてから両者を螺着すること
により屋根板前部を固定するようにしたから、屋根板受
棧の固定部が縦棧で補強され、風圧により動揺したり歪
んだりすることがなく強力に屋根板を支持し持久力を備
える。

又、桁板下端縁に嵌着した吊レール部材の上端突部前方
へ形水切板を連設し、該水切板の垂直板内面に摺動レ
ールを付設したから、吊レール部材の前後幅が広くなり
吊戸上端部を前方から挿入してレール内側へ嵌めこむこ
とが可能になった。

「実施例」 本考案の実施例を添付図面に従って説明する。第１図は
本考案を採用した組立物置の全体斜視図であって、１は
屋根板、２は桁板を示し、桁板２は吊レール部材３の上
側にあり、４は吊戸で左右二枚のものを夫夫左右部の前
壁部５の前側へ引き開く両引戸であり、６は隅柱、７は
側壁板を示す。

第２図に本考案要部を内側から視た分解斜視図を示して
あり、桁板２は垂直板2aの上端縁を内方へ折曲げて屋根
板載置面2bを形成し、該載置面2bの下側適所の内面に階
段形固定片８を内部に付設した溝形縦桟９を固着してあ
り、前記縦桟９の下側で垂直板下端部内面に沿って横架
材10を付設し、該横架材10の下側で垂直下端縁内側に沿
って下向き開口のコ字形嵌合溝11を形成してある。

12は屋根板受桟であり上部内側にＬ形折曲片12aと該折
曲片12aの外端から下向きに取付片12bを垂設し、取付片
12bに設けた透孔12cからボルト13を縦桟内固定片８の螺
孔8aに向って螺挿することにより該屋根受桟12を桁板２
の内面に取付け固定するものである。

そして、前記桁板内側に取付けた屋根板受桟12の受片12
a上に屋根板下面の横桟1aを嵌入して之を桁板上端部と
共に抱持させ、折曲片12aの下面からボルト14を横桟1a
下面の螺孔1bに螺入して締付けることにより屋根板前部
を固定し之を桁板上に支承するものであり、横桟1aから
前端部は桁板の載置面2b上に載置される。

又、吊レール部材３は前記桁板下端の嵌合溝11に嵌合す
るよう形成した上端突縁3aの前部下端から前方へ向って
形の水切板3bを連設し、該水切板の垂直板3b′の内面
に沿ってＬ形の摺動レール3cを添設してある。尚、前記
摺動レール3cの上端から内方と上方とへ向けてＬ形状に
隔壁3dを延設し、該隔壁水平部で戸車4aのとび上りを制
して戸車の外れ止めとなし、尚該隔壁の適所を部分的に
切欠して吊戸嵌めこみ時の戸車突出口としている。

第１図、第４図及び第５図に本考案組立体の前面部の縦
断面図に添え吊戸の嵌めこみ手順を各段階毎に記載した
説明図を示しているように、吊戸４の嵌めこみ要領は先
ず第３図に示すように、吊戸を内方へ傾けて上端の戸車
部分から吊レール部材の後方部へ挿入し、次に第４図に
示すように吊戸下端を下部レール部材３′の上端から内
方へ入れて吊戸を垂直状態にし、その時点で戸車を隔壁
3dの切欠部から上方へ突出して摺動レール3cの上方へ離
間して移動させる。続いて第５図に示すように吊戸を垂
直状態にて下方へ降ろし戸車4aを摺動レール3c上に載置
嵌合すると共に、下端戸車4bを下部レールの摺動溝3′a
内へ嵌入することにより吊戸の嵌めこみを完了する。

「考案の効果」 (イ)桁板の上端縁に沿って形成した屋根板載置面上に屋
根板の前端部を載置すると共に、その内側部で屋根板受
棧上に屋根板横棧を嵌入させて抱持し、前記屋根板載置
面と共に屋根板前部を支承するので、屋根板の荷重を内
外両側で分散して均等に支持するから、桁板上端面への
集中的な荷重を避けられ、桁板が屋根の荷重により変形
することがなく、屋根支持力が強固であると共に、屋根
板の結合が強固である。

(ロ)垂直板の上部に屋根板載置面を折曲げ形成し、下部
内面に横架材を付着し、その下側に溝形の嵌合溝を設
け、屋根板載置面と横架材との間に複数の溝形縦棧を固
着し、溝形縦棧に固定片を介して屋根板受棧を螺着する
よう構成した桁板であるから、前記各付着部材により桁
板の垂直板が補強されて強度を増し、風圧等の外圧に対
して耐抗力ができて変形を防ぐと共に、屋根板の支持力
をも増大して風圧による屋根板の煽動をも防止する。

(ハ)桁板下端部の嵌合溝に吊レール部材の上端突部を嵌
合して吊レール部材が取付けられるので、該各部材の組
合わせが簡易であって、両部材が密着状に結合するか
ら、吊レール部材の取付け状態が崩れることなくレール
部材の変形を防ぎ、扉の作動がいつまでも円滑であり、
かつ、建物の前面軒部を強固に構築できる。

(ニ)なお、実施例では、吊レール部材は、桁板との嵌合
突縁部から前方へ形水切板を突設し、水切板の内部に
摺動レールを設けて吊レール部材の前後幅を広くし広い
空部を形成しているから、吊戸を前方から斜状にして嵌
入することが容易であり、狭隘な敷地においても建物の
組立てを可能にする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を採用して組立てた物置の全体斜視図、
第２図は本考案の組立要部を内方から視て一部切欠断面
で示した分解斜視図、第３図から第５図は同組立体の前
部の拡大縦断面図に添えて吊戸の嵌めこみ手順を各段階
毎に示した説明図である。 １…屋根板、1a…屋根板横棧、２…桁板、2a…垂直板、
2b…屋根板載置面、３…吊レール部材、3a…上端突縁、
3b…水切板、3c…摺動レール、４…吊戸、８…固定片、
９…溝形縦棧、10…横架材、11…嵌合溝、12…屋根板受
棧、12a…受片、12b…取付片、12c…透孔、13…ボル
ト、14…ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】横長い垂直板２ａの上端部に内方向に折曲
   げた屋根板載置面２ｂを形成し、下端部内面に沿わせて
   横架材１０を付着し、該横架材の下側で垂直板下端縁内
   側に沿って下向き開口の嵌合溝１１を形成し、階段形の
   固定片８を溝内に付着した溝形縦棧９を前記屋根板載置
   面２ｂと横架材１０との間で適宜位置に配して複数個を
   固着した桁板であって、該桁板の上部においては、階段
   形の屋根板受棧１２の下部取付片１２ｂを前記固定片８
   に螺着し、該屋根板受棧の上部折曲片１２ａと屋根板載
   置面２ｂとの間に屋根板下面の横棧１ａを嵌入し該横棧
   を屋根板受棧１２に螺着し、下部においては、嵌合溝１
   １に吊レール部材３の上端突縁３ａを嵌合固定するよう
   構成した桁板。