JPH06243966A - 有機el素子およびその形成方法 - Google Patents

有機el素子およびその形成方法

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JPH06243966A
JPH06243966A JP5026840A JP2684093A JPH06243966A JP H06243966 A JPH06243966 A JP H06243966A JP 5026840 A JP5026840 A JP 5026840A JP 2684093 A JP2684093 A JP 2684093A JP H06243966 A JPH06243966 A JP H06243966A
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Yoshiyuki Ukishima
禎之 浮島
Masayuki Iijima
正行 飯島
Yoshikazu Takahashi
善和 高橋
Shogo Saito
省吾 斉藤
Tetsuo Tsutsui
哲夫 筒井
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Original Assignee
Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板上に発光層、または色素が分散された発
光層から成る有機薄膜の均一膜厚を有する有機EL素子
と、その形成方法。 【構成】 基板上に発光層の原料モノマーを蒸着させ、
重合法で高分子膜またはオリゴマー膜から成る発光層を
形成する方法、および発光層の原料モノマーの蒸着中に
色素を蒸発させて色素が分散された発光層を形成する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機EL素子およびそ
の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の有機EL素子の形成方法
としては、次のような形成方法が知られている。
【0003】(1) 真空中で低分子蛍光色素の原料を蒸発
させ、これを基板上に蒸着させて積層薄膜を形成する方
法。
【0004】(2) 湿式成膜法により基板上にπ共役高分
子単層薄膜を形成する方法。
【0005】(3) 湿式成膜法により基板上に蛍光色素構
造を主鎖ないし側鎖に組み込んだ非共役型高分子薄膜を
形成する方法。
【0006】(4) 湿式成膜法により基板上に低分子色素
をバインダーとして高分子膜中に分散させた材料の薄膜
を形成する方法。
【0007】(5) 前記(2)〜(4)のいずれかの薄膜と(1)
の形成方法とを組み合わせて基板上に積層膜を形成する
方法。
【0008】有機EL素子の形成方法としては前記のよ
うな種々の方法があるが、現在は(1)の形成方法が主流
となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の有機EL素子の形成方法は次のような問題点を有す
る。
【0010】(1) の蒸着法の場合は、蒸着法により最も
高性能な有機EL素子を形成することが出来るが、低分
子化合物の薄膜であるため、安定性や耐久性が低いとい
う問題がある。
【0011】(2) の湿式成膜法の場合は、前記(1)の蒸
着法で得られた低分子化合物の薄膜に比して発光効率は
1/20〜1/100程度と低く、また、湿式成膜法で
あるため、薄膜の積層化は困難で、多層構造の素子を形
成することが出来ないという問題がある。
【0012】(3) の湿式成膜法の場合は、湿式成膜法の
ため、薄膜の積層化は困難で、多層構造の素子を形成す
ることは出来ないという問題がある。
【0013】(4) の湿式成膜法の場合は、湿式成膜法の
ため、薄膜の積層化は困難で、多層構造の素子を形成す
ることが出来ないという問題がある。
【0014】(5) の(2)〜(4)のいずれかの薄膜と(1)の
形成方法との組み合わせ法の場合は、個々の薄膜を形成
することは出来るが、蒸着法で作成された低分子化合物
の薄膜の上に湿式成膜法で多層構造の素子を形成するこ
とは困難であるという問題がある。
【0015】本発明は、前記問題点を解消した有機EL
素子と、その形成方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の有機EL素子
は、基板上に形成された有機EL素子において、該有機
EL素子の有機薄膜が原料モノマーの蒸着重合法で形成
された高分子膜またはオリゴマー膜から成る発光層であ
ることを特徴とする。また、前記有機薄膜を発光層とキ
ャリア輸送層の積層膜としてもよい。また、キャリア輸
送層を原料モノマーを蒸着重合させた高分子膜から成る
ホール輸送層またはホール輸送性色素の蒸着膜から成る
ホール輸送層としてもよいし、該キャリア輸送層を原料
モノマーを蒸着重合させた高分子膜から成る電子輸送層
としてもよい。また、該発光層を発光層の原料モノマー
の蒸着重合中に発光性色素、またはホール輸送性色素が
分散した発光層としてもよい。
【0017】また、本発明は前記有機EL素子を形成す
るための形成方法を提案するもので、有機EL素子の形
成方法は、真空中で高分子膜の原料モノマーを蒸発さ
せ、これを基板上で蒸着重合させて該基板上に高分子膜
またはオリゴマー膜から成る発光層を形成することを特
徴とする。
【0018】また、もう1つの有機EL素子の形成方法
は、真空中で基板上に発光層の原料モノマーを蒸発さ
せ、これを該基板上で蒸着重合させて発光層を形成し、
該発光層の上にキャリア輸送層の原料モノマーを蒸発さ
せ、これを発光層の上で蒸着重合させてキャリア輸送層
を形成することを特徴とする。
【0019】また、更にもう1つの有機EL素子の形成
方法は、真空中で基板上にキャリア輸送層の原料モノマ
ーを蒸発させ、これを基板上で蒸着重合させてキャリア
輸送層を形成し、該キャリア輸送層の上に発光層の原料
モノマーを蒸発させ、これを該キャリア輸送層の上で蒸
着重合させて発光層を形成することを特徴とする。
【0020】また、前記発光層の形成を、発光層の原料
モノマーを蒸発させ、基板上で該原料モノマーの薄膜を
形成しつつ、これと同時に発光性色素、またはホール輸
送性色素を蒸発させて、該色素を該原料モノマーの薄膜
中に蒸着分散させて発光層を形成するようにしてもよ
い。
【0021】
【作用】基板上に蒸着した高分子の原料モノマーは重合
してオリゴマー膜、或いは高分子膜から成る有機EL素
子の有機薄膜を形成する。その有機薄膜の形成の際、蒸
着重合法を用いているため、数百オングストロームのオ
リゴマー膜或いは高分子膜を基板上に容易に形成する。
【0022】また、基板上に蒸着した発光層の原料モノ
マーは重合して発光層を形成する。その際、同時に発光
性色素、またはホール輸送性色素を蒸発させると、蒸発
した色素は発光層の薄膜中に蒸着し、均一に色素分散し
た発光層を形成する。
【0023】
【実施例】先ず、有機EL素子の構造について説明す
る。該有機EL素子の構造としては、陽極(ITO)/
発光層/陰極のような有機薄膜が発光層(高分子膜或い
はオリゴマー膜から成る)のみの単層構造の場合、陽極
/ホール輸送層/発光層/陰極、または陽極/発光層/
電子輸送層/陰極のような有機薄膜がホール輸送層と発
光層、或いは発光層と電子輸送層の2層構造の場合があ
る。
【0024】次に、有機EL素子の構造について例えば
陽極/ホール輸送層/発光層/陰極を図1に従い説明す
る。図中、1は例えばスライドガラスから成る基板、2
は例えばITO膜から成る陽極、3はホール輸送層、4
は発光層、5は例えばMg−Ag合金から成る陰極、6
は陽極2と陰極5に所定電圧を印加する電源を示す。そ
して、陽極2からホール輸送層3内に注入されたホール
と、陰極5から注入された電子が発光層4内で再結合す
る際、出るエネルギーで発光層4内の有機材料を励起さ
せる。その励起状態から基底状態に戻る際に出すエネル
ギーが光となる場合がEL現象である。
【0025】本発明では有機薄膜即ち、発光層およびキ
ャリア輸送層(ホール輸送層または電子輸送層)を蒸着
重合法を用いて形成するものである。
【0026】有機薄膜を発光層とする場合は、蛍光(発
光)色素構造を有するモノマーを用いて、蛍光色素構造
を有する高分子膜またはオリゴマー膜を形成する。そし
て、発光層の構造としてはポリ尿素、ポリイミド、ポリ
アミド、ポリイミダゾール等が挙げられる。また、発光
層を形成する際、例えばペリノン誘導体、カルバゾール
誘導体、ペリレン系化合物のような発光性色素、または
例えばN,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(3−メチ
ルフェニル)1,1′−ビフェニル4,4′−ジアミン
(略称TPD)、ヒドラゾン誘導体のようなホール輸送
性色素を用いて、これを前記有機薄膜の原料モノマーの
形成時に、同時に蒸発させて該色素を有機薄膜中に蒸着
分散させた発光層としてもよい。
【0027】また、有機薄膜をキャリア輸送層とする場
合は、キャリア輸送層としてはホール輸送性、或いは電
子輸送性の分子構造を有する高分子膜(ポリマー層)を
形成する。そしてキャリア輸送層の高分子膜の構造とし
てはポリアゾメチン、ポリイミド、ポリ尿素等が挙げら
れる。また、キャリア輸送層を形成する際、例えばN,
N′−ジフェニル−N,N′−ジ(3−メチルフェニ
ル)1,1′−ビフェニル4,4′−ジアミン(略称T
PD)、スチルベン誘導体のようなホール輸送性色素を
蒸着法により蒸着させて蒸着膜から成るホール輸送層と
してもよい。
【0028】以下に本発明の具体的実施例について説明
する。
【0029】図2は本発明有機EL素子のうち有機薄膜
のみを形成する装置の1例を示すものであり、電極形成
装置は含まないものである。図中、11は有機薄膜の蒸
着重合室を示す。該蒸着重合室11内を真空ポンプその
他真空排気系12に接続した。また、蒸着重合室11内
の下方の一方に有機薄膜の原料モノマーX,Y[例えば
有機薄膜がスチルベン構造を持つポリ尿素膜の場合はモ
ノマーXが4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、モノマーYが4−アミノ−4′−(N,N−ジメチ
ルアミノ)スチルベン]を加熱、蒸発させるガラス製の
モノマー蒸発源13,14を設けると共に、各モノマー
蒸発源13,14に例えばハロゲンランプから成るヒー
ター15,16を配置して原料モノマーX,Yを所定温
度に加熱出来るようにした。また、蒸着重合室11内の
下方の他方に発光性色素、またはホール輸送性色素の原
料Z[例えば発光性色素がペリノン誘導体の場合は該色
素材の粉末]を加熱、蒸発させるアルミナ製のルツボ型
の色素材蒸発源17を設けると共に、該色素材蒸発源1
7の周囲にタングステン製のヒーター18を巻回して抵
抗加熱法で原料Zを所定温度に加熱し蒸発出来るように
した。
【0030】また、蒸着重合室11内の上方の中央部分
に前記モノマー蒸発源13,14および色素材蒸発源1
7に対向させて有機薄膜を形成せしめるべき基板1を基
板ホルダー19によって保持するようにした。図中、2
0はモノマー蒸発源13,14の上方に設けたシャッタ
ー、21は色素材蒸発源17の上方に設けたシャッタ
ー、22,23はモノマー蒸発源13,14内に夫々設
けた熱電対、24は色素材蒸発源17内に設けた熱電
対、25はモノマー蒸発源13,14間に設けた仕切り
板、26は基板1近傍に設けた有機薄膜の水晶振動式膜
厚モニターを夫々示す。
【0031】尚、有機薄膜の原料モノマーX,Yを蒸発
させ、基板1上に原料モノマーの蒸着重合によるオリゴ
マー膜または高分子膜から成る有機薄膜を形成する際の
蒸着重合室11の真空度としては形成する有機薄膜の種
類によって異なるが、一般には1×10-1〜1×10-3
Pa程度とすればよい。また、有機薄膜の原料モノマー
X,Yおよび発光性色素,またはホール輸送性色素の原
料Zを蒸発させ、基板上に原料モノマーの蒸着重合と、
これに該色素を蒸着分散させる際の蒸着重合室11の真
空度としては形成する有機薄膜およびこれに分散させる
色素材の種類によって異なるが、一般には1×10-1
1×10-3Pa程度とすればよい。
【0032】次に、前記装置を用いて有機EL素子の具
体的実施例を説明する。
【0033】実施例1 本実施例は有機EL素子の構成が陽極/発光層/陰極の
場合の作製例であり、該発光層を蒸着重合法による高分
子膜とした。
【0034】基板1は縦25mm、横75mm、厚さ0.5
mmのスライドガラスを用いた。先ず、モノマー蒸発源1
3に発光層の一方の原料モノマーとして4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアナート(略称MDA、以下原料
Xという)、モノマー蒸発源14に発光層の他方の原料
モノマーとして4−アミノ−4′−(N,N−ジメチル
アミノ)スチルベン(以下原料Yという)を夫々充填
し、シャッター20を閉じた。また、予め表面にスパッ
タ法または蒸着法により厚さ1000ÅのITO膜から
成る陽極が形成された基板1を基板ホルダー19に装着
保持した状態で、蒸着重合室11内の圧力を真空排気系
12により1.3×10-3Paに設定した。尚、本実施
例では色素材蒸発源17には色素材は充填していない。
【0035】そして、モノマー蒸発源13内の原料Xを
ヒーター15で加熱し、熱電対22で温度60±0.5
℃に、またモノマー蒸発源14内の原料Yをヒーター1
6で加熱し、熱電対23で温度135±0.5℃に夫々
保持した。次に、各原料X,Yが所定温度に達して所要
の蒸発量が得られた時点でシャッター20を開き、基板
1表面に形成されている陽極上に原料X,Yを50Å/
分の析出速度で蒸着、重合させながら基板1近傍に配置
された水晶振動式モニター26で膜厚を測定し、膜厚1
000Åになった時点でシャッター20を閉じて、スチ
ルベン構造を持つポリ尿素膜から成る発光層を形成し
た。
【0036】続いて発光層が形成された基板1を電極形
成室(図示せず)内に搬送し、発光層上にマグネシウム
を蒸着法により厚さ1000Å蒸着させて陰極を形成
し、陰極の酸化防止のために陰極の上に更に銀を蒸着法
により厚さ200Å蒸着させた後、大気中で温度150
℃の熱処理を施して、有機EL素子を作製した。尚、陰
極の形成後に大気中で熱処理を施すことにより有機EL
素子の有機薄膜から成る発光層を安定した高分子膜とす
ることが出来る。
【0037】そして、作製された有機EL素子の電圧−
電流特性を調べ、その結果を図3に示す。図3から明ら
かなように有機EL素子は整流特性を有していることが
確認された。また、陽極(ITO電極)に+8〜10V
の電圧印加したところ有機EL素子は青色に発光するこ
とが確認された。その輝度は0.5cd/m2であり、
また室温で連続作動させたところ500時間以上安定し
た発光を保っていた。
【0038】実施例2 本実施例は有機EL素子の構成が陽極/発光層/陰極の
場合の作製例であり、該発光層を蒸着重合法によるオリ
ゴマー膜とした。
【0039】基板上の陽極の上に有機EL素子のスチル
ベン構造を持つポリ尿素膜から成る有機薄膜を形成し、
続いて有機薄膜上にMg−Agから成る陰極を形成した
後、有機薄膜への熱処理を全く施さなかった以外は前記
実施1と同様の方法で有機EL素子を作製した。
【0040】そして、作製された有機EL素子の電圧−
電流特性を前記実施例1と同様の方法で調べたところ整
流特性があり、また輝度を前記実施例1と同様の方法で
調べたところ0.5cd/m2であった。また発光は青
色であった。
【0041】実施例3 本実施例は有機EL素子の構成が陽極/ホール輸送層/
発光層/陰極の場合の作製例であり、該ホール輸送層お
よび発光層を蒸着重合法による高分子膜とした。
【0042】先ず、表面にスパッタ法または蒸着法によ
り厚さ1000ÅのITO膜から成る陽極が形成された
基板上の陽極上にポリアゾメチン膜から成るホール輸送
層を形成した。該ポリアゾメチン膜から成るホール輸送
層は、一方の原料モノマーとしてテレフタルアルデヒド
(以下原料Xという)、他方の原料モノマーとして4,
4−ジフェニルメタンジイソシアナート(略称MDI、
以下原料Yという)を用い、重縮合反応により形成し
た。尚、原料Xの加熱温度を35±0.5℃、原料Yの
加熱温度は60±0.5℃とし、各原料X、Yが所定温
度に達して所要の蒸発量が得られた時点で夫々を基板上
の陽極上に蒸発させ、重縮合反応により膜厚500Åの
ポリアゾメチン膜から成るホール輸送層を形成したとこ
ろで、シャッター20(図1)を閉じ、各原料X、Yを
室温まで冷却した。
【0043】次に前記ホール輸送層の上にスチルベン構
造を有するポリ尿素膜から成る発光層を形成した。該ポ
リ尿素膜から成る発光層は、一方の原料モノマーとして
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(略称M
DA、以下原料X′という)、他方の原料モノマーとし
て4−アミノ−4′−(N,N−ジメチルアミノ)スチ
ルベン(以下原料Y′という)を用い、蒸着重合法によ
り形成した。尚、原料X′の加熱温度を60±0.5
℃、原料Y′の加熱温度を135±0.5℃とし、各原
料X′、Y′が所定温度に達して所要の蒸発量が得られ
た時点で夫々を蒸発させ、ホール輸送層(高分子膜)上
に膜厚500Åのポリ尿素の発光層を形成したところ
で、シャッター20(図1)を閉じ、各原料X′、Y′
を室温まで冷却した。
【0044】続いて、発光層の上に前記実施例1に準じ
てMg−Agから成る陰極を形成し、更に、大気中で温
度200℃で熱処理を施して、ホール輸送層と発光層を
有する有機EL素子を作製した。その他の作製条件は前
記実施例1と同一とした。
【0045】そして、作製された有機EL素子の電圧−
電流特性を前記実施例1と同様の方法で調べたところ整
流特性があり、また輝度を前記実施例1と同様の方法で
調べたところ5cd/m2であった。また発光は青色で
あった。
【0046】実施例4 本実施例は有機EL素子の構成が陽極/ホール輸送層/
発光層/陰極の場合の作製例であり、該ホール輸送層を
蒸着法による低分子色素膜、該発光層を蒸着重合法によ
る高分子膜とした。
【0047】先ず、表面にスパッタ法または蒸着法によ
り厚さ1000ÅのITO膜から成る陽極が形成された
基板上の陽極上に低分子色素膜から成るホール輸送層を
形成した。該低分子色素膜から成るホール輸送層は、図
1における色素材蒸発源17内にN,N′−ジフェニル
−N,N′−ジ(3−メチルフェニル)1,1′−ビフ
ェニル−4,4′−ジアミン(略称TPD、以下原料Z
という)を充填し、該原料Zをヒーター18(図1)で
温度200℃に加熱し、所定温度に達して所要の蒸発量
が得られた時点で陽極上に蒸発させて蒸着して膜厚50
0Åの低分子色素膜から成るホール輸送層を形成したと
ころで、シャッター21(図1)を閉じ、原料Zを常温
まで冷却した。
【0048】次に前記ホール輸送層の上にスチルベン構
造を有するポリ尿素膜から成る発光層を形成した。該ポ
リ尿素膜から成る発光層は、一方の原料モノマーとして
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート(略称M
DA、以下原料Xという)、他方の原料モノマーとして
4−アミノ−4′−(N,N−ジメチルアミノ)スチル
ベン(以下原料Yという)を用い、蒸着重合法により形
成した。尚、原料Xの加熱温度を60±0.5℃、原料
Yの加熱温度を135±0.5℃とし、各原料X、が所
定温度に達して所要の蒸発量が得られた時点で夫々を蒸
発させ、ホール輸送層(低分子色素膜)上に膜厚500
Åの発光層を形成したところで、シャッター20(図
1)を閉じ、各原料X、Yを室温まで冷却した。
【0049】続いて、発光層の上に前記実施例1に準じ
てMg−Agから成る陰極を形成し、ホール輸送層と発
光層を有する有機EL素子を作製した。その他の作製条
件は前記実施例1と同一とした。
【0050】そして、作製された有機EL素子の電圧−
電流特性を前記実施例1と同様の方法で調べたところ整
流特性があり、また輝度を前記実施例1と同様の方法で
調べたところ5cd/m2であった。また発光は青色で
あった。
【0051】実施例5 本実施例は有機EL素子の構成が陽極/発光層/電子輸
送層/陰極の場合の作製例であり、該発光層および電子
輸送層を蒸着重合法による高分子膜とした。
【0052】先ず、表面にスパッタ法または蒸着法によ
り厚さ1000ÅのITO膜から成る陽極が形成された
基板上の陽極上にスチルベン構造を有するポリ尿素から
成る発光層を形成した。該ポリ尿素から成る発光層は、
一方の原料モノマーとして4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアナート(略称MDA、以下原料Xという)、
他方の原料モノマーとして4−アミノ−4′−(N,N
−ジメチルアミノ)スチルベン(以下原料Yという)を
用い、蒸着重合法により形成した。尚、原料Xの加熱温
度を60±0.5℃、原料Yの加熱温度を135±0.
5℃とし、各原料X、Yが所定温度に達して所要蒸発量
が得られた時点で夫々を蒸発させ、蒸着重合法により陽
極上に膜厚500Åのポリ尿素の発光層を形成したとこ
ろで、シャッター20(図1)を閉じ、各原料X、Yを
室温まで冷却した。
【0053】次に前記発光層の上にオキサジアゾール構
造を有するポリイミド膜から成る電子輸送層を形成し
た。
【0054】該ポリイミド膜から成る電子輸送層は、一
方の原料モノマーとして2,5−ビス(4−アミノフェ
ニル)−1,3,4−オキサジアゾール(以下原料X′
という)、他方の原料モノマーとしてピロメリット酸二
無水物(略称PMDA、以下原料Y′という)を用い、
蒸着重合法で形成した。尚、原料X′の加熱温度を21
0±0.5℃、原料Y′の加熱温度を160±0.5℃
とし、各原料X′、Y′が所定温度に達して所要蒸発量
が得られた時点で夫々を発光層上に蒸発させ、蒸着重合
法により膜厚500Åのポリイミド膜から成る電子輸送
層を形成したところで、シャッター20を閉じ、各原料
X′、Y′を室温まで冷却した。
【0055】続いて、電子輸送層の上に前記実施例1に
準じてMg−Agから成る陰極を形成し、更に、真空中
(5Pa)で、温度300℃で熱処理(イミド化)を施
して、発光層と電子輸送層を有する有機EL素子を作製
した。その他の作製条件は前記実施例1と同一とした。
【0056】そして、作製された有機EL素子の電圧−
電流特性を前記実施例1と同様の方法で調べたところ整
流特性があり、また輝度を前記実施例1と同様の方法で
調べたところ1cd/m2であった。また発光は青色で
あった。
【0057】実施例6 本実施例は有機EL素子の構成が陽極/発光層/陰極の
場合の作製例であり、発光層をスチルベン構造を有する
ポリ尿素膜の成膜と同時に発光性色素としてペリノン誘
導体を蒸発させてポリ尿素膜中にペリノン誘導体を色素
材として分散させた1例である。
【0058】本実施例では基板1は縦25mm、横75m
m、厚さ0.5mmのスライドガラスを用いた。
【0059】先ず、モノマー蒸発源13に発光層の一方
の原料モノマーとして4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアナート(略称MDA、以下原料Xという)、モノ
マー蒸発源14に他方の原料モノマーとして4−アミノ
−4′−(N,N−ジメチルアミノ)スチルベン(以下
原料Yという)を夫々充填し、色素材蒸発源17に色素
材として
【0060】
【化1】
【0061】(以下原料Zという)を充填し、シャッタ
ー20およびシャッター21を閉じた。また、予め表面
にスパッタ法または蒸着法により厚さ1000ÅのIT
O膜から成る陽極が形成された基板1を基板ホルダー1
9に装着保持した状態で、蒸着重合室11内の圧力を真
空排気系12により4×10-3Paに設定した。
【0062】そして、モノマー蒸発源13内の原料Xを
ヒーター15で60±0.5℃に、また、原料モノマー
14内の原料Yをヒーター16で135±0.5℃に夫
々加熱すると共に、色素材蒸発源17内の原料Zをヒー
ター18で抵抗加熱法で170±1.0℃に加熱した。
【0063】次に、各原料X,Yおよび原料Zが所定温
度に達して所要の蒸発量が得られた時点でシャッター2
0およびシャッター21を開き、基板1上の陽極上に原
料X、Yを50Å/分の析出速度で蒸着させながら、原
料Zを6Å/分の析出速度で蒸着させ、蒸着重合中のポ
リ尿素膜中に原料Zを蒸着分散させながら、膜厚100
0Åの色素(ペリノン誘導体)が分散されたポリ尿素膜
から成る発光層が得られた時点でシャッター20および
シャッター21を閉じた。
【0064】続いて、発光層(色素が分散されたポリ尿
素膜)の上に前記実施例1に準じてMg−Agから成る
陰極を形成し、色素(発光性色素)が分散されたポリ尿
素膜から成る発光層を有する有機EL素子を作製した。
その他の作製条件は前記実施例1と同一とした。
【0065】そして、作製された有機EL素子の電圧−
電流特性を前記実施例1と同様の方法で調べたところ整
流特性があり、また輝度を前記実施例1と同様の方法で
調べたところ20cd/m2であった。また発光は赤色
であった。
【0066】尚、本実施例に用いた色素材(ペリノン誘
導体)は前記実施例1ないし実施例5のいずれの発光層
に分散させてもよい。
【0067】実施例7 本実施例は有機EL素子の構成が陽極/発光層/陰極の
場合の作製例であり、発光層をスチルベン構造を有する
ポリ尿素膜の成膜と同時にホール輸送性色素としてN,
N′−ジフェニル−N,N′−ジ(3−メチルフェニ
ル)1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(以下
TPDという)を蒸発させてポリ尿素膜中にTPDを色
素材として分散させた1例である。
【0068】色素材蒸発源17に充填する色素材として
TPDを用い、ヒーター18による加熱温度を180℃
とし、また析出速度を20Å/分とした以外は前記実施
例6に準じて色素(ホール輸送性色素)が分散されたポ
リ尿素膜から成る発光層(膜厚1000Å)を有する有
機EL素子を作製した。
【0069】そして、作製された有機EL素子の電圧−
電流特性を前記実施例1と同様の方法で調べたところ整
流特性があり、また輝度を前記実施例1と同様の方法で
調べたところ2cd/m2であった。また発光は青色で
あった。
【0070】本発明の有機EL素子は前記実施例に限定
されるものではなく、陽極と陰極間に、発光層のみの単
層構造の有機薄膜、または発光層とキャリア輸送層をの
2層構造の有機薄膜、更には発光層とキャリア輸送層を
組み合わせた3層以上の構造から成る有機薄膜を形成す
るようにした有機EL素子としてもよい。
【0071】前述のように本発明では有機EL素子の有
機薄膜を蒸着重合法を用いて形成するようにしたので、
下記のようなメリットがある。 薄膜を数百オングストロームという均一な膜厚で連
続膜とすることが出来るので、積層化が容易である。 形成された有機薄膜はオリゴマー・ポリマー化して
いるため、安定性、耐久性の向上した薄膜である。 蛍光(発光)色素構造を有するモノマーの使用が可
能であり、種々の有機EL素子の有機薄膜が作製するこ
とが出来て、用途に対応した種々の発光色を備えた有機
EL素子を作製出来る。 低分子化合物の蒸着で問題となっていた耐久性、安
定性の向上を図ることが出来る。 蛍光(発光)性色素またはホール輸送性色素を有機
薄膜の原料モノマーと同時に蒸発させることが出来るか
ら、該色素が均一に分散され、結晶化を防止できて、安
定性、耐久性に優れた発光層を基板上の陽極上に容易に
形成することが出来る。
【0072】
【発明の効果】このように本発明では、有機EL素子の
有機薄膜の作製を全てドライプロセスで行えること。従
って、有機薄膜の均一な膜厚の作製、並び薄膜中への色
素の分散が容易に行え、また、有機薄膜の積層化が容易
であり、形成された有機薄膜は高分子膜、またはオリゴ
マー膜であるため、薄膜構造が安定性に優れ、有機EL
素子を作動させた時でも薄膜の劣化がなく耐久性に優れ
て、有機EL素子の寿命が長い等の効果がある。
【0073】本発明の有機EL素子の形成方法によると
きは、基板上に発光層のみの単層構造、または基板上に
発光層とキャリア輸送層の2層構造の有機薄膜を均一な
膜厚で極めて容易に形成することが出来る効果がある。
また、基板上に有機薄膜の形成中に発光性色素、または
キャリア輸送性色素を蒸発させることにより、該有機薄
膜中に該色素が均一に分散された任意の膜厚を有する色
素分散有機薄膜を極めて容易に形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の形成方法で形成された有機EL素子
の1例の説明側面図、
【図2】 本発明の有機EL素子の有機薄膜を形成する
のに用いる薄膜形成装置の1例の模式図、
【図3】 本発明形成方法の1例で作製された有機EL
素子の電圧と電流との関係を表す電圧−電流特性値図。
【符号の説明】
1 基板、 2 陽極、 3 発
光層、4 ホール輸送層、 5 陰極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 省吾 福岡県春日市春日公園6−1 (72)発明者 筒井 哲夫 福岡県春日市春日公園6−1

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された有機EL素子におい
    て、該有機EL素子の有機薄膜が原料モノマーの蒸着重
    合法で形成された高分子膜またはオリゴマー膜から成る
    発光層であることを特徴とする有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記有機EL素子の有機薄膜は原料モノ
    マーの蒸着重合法で形成された発光層とキャリア輸送層
    の積層膜であることを特徴とする請求項第1項に記載の
    有機EL素子。
  3. 【請求項3】 前記有機EL素子の有機薄膜のキャリア
    輸送層は原料モノマーの蒸着重合法で形成された高分子
    膜から成るホール輸送層またはホール輸送性色素を蒸着
    させた蒸着膜から成るホール輸送層であることを特徴と
    する請求項第2項に記載の有機EL素子。
  4. 【請求項4】 前記有機EL素子の有機薄膜のキャリア
    輸送層は原料モノマーの蒸着重合法で形成された高分子
    膜から成る電子輸送層であることを特徴とする請求項第
    2項に記載の有機EL素子。
  5. 【請求項5】 前記有機EL素子の有機薄膜の発光層は
    該発光層の原料モノマーの蒸着重合中に発光性色素また
    はホール輸送性色素が分散された発光層であることを特
    徴とする請求項第1項ないし第4項のいずれか1項に記
    載の有機EL素子。
  6. 【請求項6】 真空中で高分子膜の原料モノマーを蒸発
    させ、これを基板上で蒸着重合させて該基板上に高分子
    膜またはオリゴマー膜から成る発光層を形成することを
    特徴とする有機EL素子の形成方法。
  7. 【請求項7】 真空中で基板上に発光層の原料モノマー
    を蒸発させ、これを該基板上で蒸着重合させて発光層を
    形成し、該発光層の上にキャリア輸送層の原料モノマー
    を蒸発させ、これを発光層の上で蒸着重合させてキャリ
    ア輸送層を形成することを特徴とする有機EL素子の形
    成方法。
  8. 【請求項8】 真空中で基板上にキャリア輸送層の原料
    モノマーを蒸発させ、これを基板上で蒸着重合させてキ
    ャリア輸送層を形成し、該キャリア輸送層の上に発光層
    の原料モノマーを蒸発させ、これを該キャリア輸送層の
    上で蒸着重合させて発光層を形成することを特徴とする
    有機EL素子の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記発光層は発光層の原料モノマーを蒸
    発させ、基板上で該原料モノマーの薄膜を形成させつ
    つ、これと同時に発光性色素またはホール輸送性色素を
    蒸発させて、該発光性色素を該原料モノマーの薄膜中に
    蒸着分散させた発光層であることを特徴とする請求項第
    6項ないし第8項のいずれか1項に記載の有機EL素子
    の形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0698649A1 (de) * 1994-08-26 1996-02-28 Basf Aktiengesellschaft Verwendung von thermoplastisch verarbeitbaren, langzeitstabilen elektrolumineszenten Materialien
US8389983B2 (en) 2009-12-14 2013-03-05 Samsung Display Co., Ltd. Organic light emitting apparatus and method of manufacturing organic light emitting apparatus

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