JPH06243510A - 光ディスク及び光ディスク原盤製造装置 - Google Patents

光ディスク及び光ディスク原盤製造装置

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Publication number
JPH06243510A
JPH06243510A JP5028208A JP2820893A JPH06243510A JP H06243510 A JPH06243510 A JP H06243510A JP 5028208 A JP5028208 A JP 5028208A JP 2820893 A JP2820893 A JP 2820893A JP H06243510 A JPH06243510 A JP H06243510A
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JP
Japan
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optical
disk
optical disk
track
disc
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Application number
JP5028208A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Hirose
俊彦 廣瀬
Yasuaki Suzuki
泰明 鈴木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Publication of JPH06243510A publication Critical patent/JPH06243510A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電力を抑えて、記憶容量の増大を図るこ
とができる光ディスク及び上記目的を達成することがで
きる光ディスクを製造するための原盤作製が行える光デ
ィスク製造装置の提供を目的とする。 【構成】 記録トラックと平行にトラッキング用の案内
溝Grが設けられた光ディスクにおいて、光ディスク
は、上記記録トラックを同心円状に形成し、ディスク径
方向に光ディスクを分割してゾーンZ1、・・・、
n-1、Znを設け、ゾーン内の記録トラックに沿って複
数のセクタを設ける。各ゾーン内のセクタ数は同じに整
数値に設定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラックの両側にトラ
ッキング制御用の案内溝を設けた光ディスク及び光ディ
スクの原盤を製造する光ディスク原盤製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から光ディスクは、例えば光磁気デ
ィスクにおいてトラックが螺旋状にディスク内周から外
周まで1本で形成されている、いわゆるスパイラルディ
スクである。また、光ディスクでは、案内溝をグルーブ
と呼び、このグルーブとグルーブ間の中間部をランドと
呼ばれる部分があり、それぞれのどちらか一方にデータ
記録が行われるものが知られている。
【0003】また、光ディスクは、トラッキングサーボ
を確実に行うため、グルーブの形成を中断してミラー部
を導入したり、ウォブルピットを付加し、光ディスク装
置のトラッキングやフォーカスサーボが安定、かつ確実
に動作するように設計されたものも知られている。
【0004】実際、光ディスクは、例えば上記一対の案
内溝間のランド領域に例えばピットを予め形成してプリ
フォーマットされているのが一般的である。プリフォー
マットされたピットには、例えばアドレス情報が持たさ
れている。光ディスクは、レーザ波長λとすると、それ
ぞれ例えば案内溝の形成に要する深さとして最大のトラ
ッキングエラー信号を得るためにλ/8程度の溝に設定
すると共に、ヘッダ情報としてランド領域であるトラッ
クの中央位置にアドレス情報を予めλ/4程度の深さの
位相ピットを形成している。このような光ディスクのフ
ォーマットが現在、ISO(国際標準化機構)規格とし
て規格化されている。
【0005】このような光ディスクを製造するための光
ディスク原盤製造装置は、レジストを塗布したガラス基
板を載置台に載せてスピンドルモータと共に載置台を回
転させながら、レーザ発光部を機械的精度によって光デ
ィスクの径方向に、すなわちディスク内周側から外周側
へ、あるいはディスク外周側から内周側へとディスクを
送っている。上記スピンドルモータは、スピンドルサー
ボをかけながら、一定角速度、あるいは一定線形速度に
よる方式のいずれかの一方の方式に応じた回転を行わせ
ている。
【0006】光ディスク原盤製造装置による製造工程に
ついて説明すると、図9に示すようにガラス基板1にフ
ォトレジストPR を塗布してレジスト膜2を形成する
(図9(a)を参照)。次の製造工程では、レーザの発
光等、すなわち露光により例えばポジ型のフォトレジス
トPR を溶解させ(図9(b)を参照)、エッチングに
よりガラス基板1を現像処理した(図9(c)を参照)
後、例えばこの現像した基板1上にNiメッキ処理を施
し(図9(d)を参照)、このNiメッキ部分を剥離・
洗浄して例えば2P用メタルマスクMのマスタディスク
を作成している(図9(e)を参照)。
【0007】光ディスク原盤製造装置は、このようにし
て一連のディスクのカッティング処理を行ってスパイラ
ルディスクのマスタディスクを作成している。ここで、
光ディスク原盤製造装置におけるレーザの発光等の制御
は、フォーマッタが担っている。光ディスク原盤製造装
置は、上記フォーマッタと光ディスク原盤製造装置の光
学系の変更で各種のフォーマットに対応させることがで
きる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トラックが
螺旋状に形成されている光ディスクにおいては、光ディ
スク装置が、例えば同一トラックをビーム・スポットが
走査を行わせるためにスティルジャンプ動作を行ってい
る。
【0009】ところが、この動作は、光ディスクからデ
ータを読み出して再生したデータを転送する場合、デー
タの転送レートの向上等を妨げてしまう。また、光ディ
スク装置は、この光ディスク構成のためにデータ転送に
時間がかかってしまうことになる。このため、光ディス
ク装置は、消費電力が増大する。
【0010】これは、光ディスク原盤製造装置がレーザ
光を照射する露光部を上述したように機械的な精度でデ
ィスクの径方向に送りながら上記露光部の出射を制御し
てカッティングを行って光ディスクのトラックを螺旋状
に形成していることも一因である。
【0011】そこで、本発明は、上述したような実情に
鑑みてなされたものであり、消費電力を抑えて、記憶容
量の増大を図ることができる光ディスクを提供すること
を目的とする。
【0012】また、本発明は、上記目的を達成すること
ができる光ディスクを製造するための原盤作成が行える
光ディスク原盤製造装置の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ディスク
は、記録トラックと平行にトラッキング用の案内溝が設
けられた光ディスクにおいて、上記記録トラックを同心
円状に形成し、上記記録トラックの1周内に上記案内溝
の無形成領域を少なくとも1箇所設けることにより、上
述の課題を解決する。
【0014】ここで、上記記録トラックは、同心円状に
形成すると共に、半径方向に上記光ディスクを分割し、
複数に分割された各領域内のセクタ数を等しく設定す
る。また、上記案内溝の無形成領域は、上記トラック方
向に沿った所定長さの範囲の領域を示し、光ディスクを
1周トレースする内に少なくとも1つ設けられている。
この無形成領域は、プッシュプルオフセットキャンセル
を行うための領域として用いたり、例えば適宜切欠部や
ピット列にアドレス情報等をもたせることもできる。上
記無形成領域には、トラック中央位置に形成された溝を
形成し、上記案内溝と同じ幅及び深さにしている。この
溝や案内溝についての凹部と凸部は、相対的なものであ
り、例えば反射面側から見たときに溝が凹部で、記録ト
ラックが凸部の対応関係であっても、あるいは逆に、上
記溝が凸部で、上記記録領域が凹部の対応関係であって
もよい。
【0015】本発明に係る光ディスク原盤製造装置は、
光ディスクの原盤を製造する光ディスク原盤製造装置に
おいて、ディスク原板上に予め感光材料が塗布された上
記ディスク原板を載置する載置台と共に回転させるディ
スク回転手段と、上記感光材料を露光させるための収束
光を上記ディスク原板に出射すると共に、この出射光を
少なくともディスク径方向に偏向させ上記ディスク原板
に照射させる光偏向手段を有する光学ヘッド部と、該光
学ヘッド部を上記ディスク原板のディスク径方向に一定
速度で送る光学ヘッド移動手段と、上記ディスク原板に
照射させる照射光についての上記ヘッド移動手段による
上記ディスク径方向への移動を相殺させて上記照射光の
径方向位置を不動に保つと共に、上記ディスク原板の1
回転に1回上記出射光を遮断状態としてディスク径方向
にステップ送りさせる偏向制御信号を上記光偏向手段に
供給する偏向制御手段とを有することにより、上述の課
題を解決する。
【0016】ここで、上記偏向制御手段は、記録トラッ
クの両側に案内溝を形成する制御を行う際に、上記記録
トラックの1周内に少なくとも1箇所上記案内溝を形成
しない無形成領域を設け、上記ディスク原板の1回転で
半トラックピッチずつ変位させながら、上記無形成領域
内の記録トラック中心位置に少なくともアドレス情報を
含む領域を溝によって形成するための露光制御してい
る。また、光ディスク原盤製造装置は、上記光偏向手段
に音響光学偏向器を用いている。
【0017】
【作用】本発明に係る光ディスクは、記録トラックと平
行にトラッキング用の案内溝が設けられた光ディスクに
おいて、上記記録トラックを同心円状に形成し、上記記
録トラックの1周内に上記案内溝の無形成領域を少なく
とも1箇所設けることにより、例えばスティルジャンプ
を行うことなく、データを繰り返し伝送することがで
き、を同心円状に形成したトラックを複数トラックずつ
まとめて半径方向にゾーンを形成することができる。
【0018】本発明に係る光ディスク原盤製造装置は、
感光材料を塗布したディスク原板をディスク回転手段で
回転させながら、光学ヘッド移動手段で光学ヘッド部を
ディスク径方向の所定の一方向に一定速度で送って、偏
向制御手段の制御によって光学ヘッド部から出射する光
束を光偏向手段で上記所定の一方向と逆方向に偏向させ
ることにより、光学ヘッド部による送り量動作を光偏向
手段による戻し動作で相殺させてディスク原板上の径方
向の露光位置を少なくともディスク1回転の期間だけ不
動に保っている。
【0019】また、光ディスク原盤製造装置は、偏向制
御手段で収束光の照射位置の変位を半トラックピッチず
つ制御すると共に、偏向制御手段で収束光出射手段の出
射を制御することにより、案内溝が形成されていない無
形成領域内の記録トラック中心位置に少なくともアドレ
ス情報を含む領域を溝によって形成する。
【0020】上記光偏向手段は、音響光学偏向器を用い
ることにより、従来からの装置が流用できるので、原盤
製造のコスト面でも有効である。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係る光ディスク及び光ディス
ク原盤製造装置の一実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0022】光記憶媒体としての光ディスクには、一対
の案内溝(以下グルーブという)の間にデータ信号を記
録する記録トラックが配されているディスクがある。ま
た、光ディスクには、上記一対のグルーブをなくして、
ミラー部を設けている光ディスクがある。このような光
ディスクを使用する光ディスク記録再生装置は、この光
ディスクのミラー部からの戻り光量を利用してビームス
ポットの移動量を検出してトラッキング制御に含まれる
直流オフセット成分を除去している。
【0023】しかしながら、前述したようにディスクで
光ディスクのトラックがスパイラルに形成されている場
合には、スティルジャンプ動作を行うとき、必ず1トラ
ック分ジャンプさせなければならない。このような光デ
ィスクを使用することにより、光ディスク装置は、デー
タ伝送の効率が悪く、消費電力も高めてしまう。
【0024】本発明の光ディスクは、このような問題点
を解決すべく提案されたものである。本発明の一実施例
に係る光ディスクに係るゾーン分割に関する一部を模式
的に示した図1、各セクタのサーボパターンについて図
2及び各セクタのデータセクタについて図3を参照しな
がら説明する。
【0025】本発明の一実施例の光ディスクは、上記記
録トラックを同心円状に形成している(図1のTkを参
照)。ただし、図1において記録トラックと平行にトラ
ッキング用として設けた案内溝は省略している。上記光
ディスクは、図2に示すように記録トラックの1周内に
一般に案内溝として形成されるグルーブGrを上記グル
ーブGrの無形成領域としてサーボパターン領域SPを
設けている。このようなグルーブGrの無形成領域は、
光ディスクに設けられたトラック1周内に少なくとも1
箇所設けているものとする。ここで、この光ディスク
は、図2に示すサーボパターン領域SPから明らかなよ
うに上記サーボパターン領域SPにおける記録トラック
中心位置Tcに溝Grが形成されている。
【0026】従来の光ディスクにおいて一定の角速度で
記録するCAV方式でデータの書込みが行われた場合、
光ディスクの記録密度は、最内周の記録密度が上限値と
なり、ディスク外径に向かって徐々に記録密度が低下し
てしまうことが知られている。これは、ディスク外周側
にいく程記録領域が広くなるにもかかわらず、記録密度
の低下することにより、光ディスクの全体の記録容量と
して損をしてしまうことになる。
【0027】そこで、この実施例において光ディスク
は、同心円状に形成した記録トラックTkを複数トラッ
クずつを一まとめにしてディスク径方向にディスクを分
割する。この分割された領域はゾーンと呼ぶ。ゾーン分
割された光ディスクは、図1に示すように例えば最内周
側から数えて最内周を含むゾーンを第1番目のゾーンZ
1 とし、以後外周側にゾーン番号を1ずつ歩進して表し
ている。そして、ゾーンは、第(n−1)番目のゾーン
n-1 を経て最外周で第n番目のゾーンZn としてn個
のゾーンに分割されている。この実施例において後段で
説明する光ディスク原盤製造装置を用いて製造した光デ
ィスク原盤は、13ゾーンに分割している。
【0028】また、各ゾーンZは、それぞれのゾーン内
に同心円状に形成されたトラックをトラックに沿って記
録領域を無駄なく使用するため剰余分が生じない整数値
に分割設定している。このトラックを等分割することに
より、複数のセクタSectが設けられている。
【0029】このようにして同一ゾーン内におけるゾー
ンの記録密度は、ゾーン内のセクタ数を整数値に設定す
ること及びディスク径を考慮して無駄なく複数トラック
を一まとめにする等の条件によってゾーン毎に最適な記
録密度を設定する。このように分割することにより、ゾ
ーン毎に形成されるセクタ数は、外周にいくに連れて増
加することとなる。
【0030】さらに、本実施例におけるセクタの構造に
ついて説明すると、この分割された各セクタSect
は、後述するように予めプリフォーマットされたハード
セクタフォーマットで構成されている。図1に示す1セ
クタSectは、プリピットが形成されたサーボパター
ン領域SPとデータ領域であるデータセクタ領域DSで
構成している。
【0031】ところで、サーボパターン領域SP等のピ
ットは、光ディスク装置が一定角速度(CAV)方式に
よる駆動を行うことにより、光ディスクの最内周や最外
周において一定のクロック、例えば12MHzのクロッ
クで形成されているため、上記最内周や最外周での動作
は一定時間に行われるが、サーボパターンの物理的な長
さは外周に行くに連れて長くなる傾向を有することにな
る。
【0032】このように光ディスクは、ゾーン毎に分割
して例えばゾーンの最内周での記録密度と同じにして書
き込む構成にすることにより外周に行く程、円周の長さ
が長くなるから、分割したゾーン毎にセクタ数を増加し
て光ディスクの記録容量の増大を図ることができる。本
実施例の光ディスクは、640Mバイトの容量を確保す
ることができる。
【0033】光ディスク装置は、ゾーン毎にセクタ数を
変化させたこの光ディスクを用いれば、例えばゾーン毎
に所定の回転数一定に駆動させることにより、ゾーン内
でのランダムアクセスを高速に行うことができ、記録容
量が大であっても光ディスクを効果的に動作させること
ができる。
【0034】次に、この光ディスクの各セクタにおける
サーボパターン領域SP及びデータセクタ領域DSにつ
いて説明する。光ディスクは、図2に示す光ディスクの
所定領域であるサーボパターン領域SPで上記一対の案
内溝であるグルーブGrをなくし、このサーボパターン
領域SPのトラック中央位置Tcに溝Grが形成され、
該トラック中央位置Tcに形成された溝Grに切込み部
としてスリット領域Sを設け、上記スリット領域Sによ
って光ディスクのアドレス情報を書き込んでサーボパタ
ーン領域SPを形成している。上記溝Grに形成するス
リット領域Sは、例えば照射されるビーム・スポット径
より小さい長さの切込み部として設けている。
【0035】ここで、上記スリット領域Sは、グルーブ
と相対的に逆の関係に形成する。また、グルーブと記録
トラックとの関係は、凹部と凸部が相対的なものであ
り、例えば反射面側から見たときにグルーブが凹部で、
記録トラックが凸部の対応関係であっても、あるいは逆
に、上記グルーブが凸部で、上記記録トラックが凹部の
対応関係であってもよい。
【0036】上記アドレス情報は、例えばグレイコード
変調に対応したデータで書き込んでいる。上記グレイコ
ード変調するためのグレイコードとは、例えば、アドレ
ス情報としてのトラック番号に用いて、供給されたデー
タを2値で表した符号に変換する際に符号の隣接した2
つのレベル間の差を必ず1ビットにして変換する方法で
ある。このようにグレイコードを採用することにより、
所望のトラック位置を読み出した際にシークエラーを生
じても、光ディスク装置は、シーク動作中にグルーブに
書き込まれているトラック番号を固定クロックで読むこ
とができるため少なくともエラーの範囲を±1トラック
の範囲内に抑えることができる。
【0037】実際に使用するグレイコード変調の規則の
具体例は、
【0038】
【表1】
【0039】に示した通りである。実際のトラックアド
レスTRADD には、グレイコードの第1ビット目と第2
ビット目の間にデータ“1”をダミーとしてビットを付
加している(表1を参照)。このダミービットは、ラン
レングスを規定することと、例えば光ディスク装置の検
出系でセクタパルスを出力させるために用いている。従
って、トラックアドレスTRADD は、4ビットで表され
ている。
【0040】本発明において、上記サーボゾーンSZ
は、データ“1”を表す場合、トラック中央位置Tcに
形成された溝Grが切り欠かれた領域をスリット領域S
として扱う設定を行っている。
【0041】ここで、図1のパターンと記載した下に示
した長手方向に沿って付した数字は、いわゆるチャンネ
ルビット数を示すものである。従って、図1から明かな
ようにサーボパターン領域SPは、72チャンネルビッ
トで表す。
【0042】上記サーボパターン領域SPの各部は、ヘ
ッダ部H、同期ビット部Sync、インデックスInd
及びトラックアドレスTRADD で構成している。この光
ディスクにおけるサーボパターン領域SPでは、トラッ
ク中心位置Tcに設けた溝Grのスリット領域Sに例え
ば2進符号データ“1”という情報を担わせている。こ
のため、図1から明らかなように上記2進符号データ
“1”は、このスリット領域Sを示すために3チャンネ
ルビット分が必要でることが判る。従って、トラックア
ドレスTRADD には、1チャンネルビットを示すために
上述したデータ表示方法を採用することにより、1パタ
ーン分を表すために12チャンネルビット(=4×3)
が要ることが判る。
【0043】図1に示した各領域の境界も、形成されて
いる溝Grで区分している。この溝Grは、照射するレ
ーザ波長λとすると、λ/6の深さにしている。ピット
の深さも同様の深さにしている。また、トラックピッチ
Tpは、1.4μmにしている。
【0044】サーボパターン領域SPの各部は、以下の
役割を担って設けられている。上記ヘッダ部Hは、光デ
ィスクに照射されたレーザ光がピットの影響を受けない
ので、他のパターンにない光ディスク面で反射する戻り
光を光電変換した際に得られるトラッキングエラー信号
が含む直流オフセットを除去するためのミラー部として
用いる。この領域の長さは、レーザ光のビーム・スポッ
トBSの直径より長く、ヘッドシークの最高速時にトラ
ックを横切る際のミスカウントしない程度として、5ク
ロック分の長さに設定している。上記レーザ光のビーム
・スポットBSの直径は、例えば1.47μmに設定し
ている。このヘッダ部Hは、サーボパターン領域SPの
ヘッダとして用いるだけでなく、上述したように1ビー
ムプッシュ−プル法の直流オフセット除去にも使用でき
る。
【0045】上記同期ビット部Syncは、検出系のク
ロック同期をかけるために用いている。同期ビット部S
yncから後のパターンは、12MHzの1/3の4M
Hzの周期で形成されている。これは、光学系のレスポ
ンスである変調伝達関数(以下MTFという)の関係
上、少なくとも3クロックおきにピットを形成しないと
波形干渉が生じてしまうからである。そこで、この制限
を利用する条件とすれば、光ディスク装置は、このパタ
ーンをマスタクロックの3分周した周期で書き込む。光
ディスク装置は、パターンの読出しをマスタクロックで
行う。光ディスク装置は、再生データパルスにより、3
分周したパターンクロックの位相をディジタル的に合わ
せている。
【0046】この方法は、任意のエラーレートを満たす
再生されるデータパルスのピークシフトの分布がマスタ
クロックのウィンドウ内に入っていればよいという条件
で用いる。実際、周波数12MHzでウィンドウは、8
3.3nsecと広い。また、再生出力は、この信号の
S/Nから微分検出するとかなり低く抑えることができ
る。後段の検出系でこの方法を実現するための回路構成
は、パルス検出部と500ゲート程度のディジタル回路
で実現でき、安価にできる。
【0047】このように、同期ビット部Syncは、上
述したディジタル的な同期をかけるための3分周カウン
タのプリセット信号として使用する。
【0048】上記インデックスIndは、トラック一周
する中で最初のセクタに対して固定的に溝を形成しない
領域、すなわちデータ“1”を示す領域が1箇所設けら
れている。ここで、図1に示すセクタパターン領域SP
は、最初のセクタ以降のサーボパターン領域SPを示し
ている。このため、上記インデックスIndは、このサ
ーボパターン領域SPで1本の溝を形成している。これ
以後の第13チャンネルビット目から第72チャンネル
ビット目までをトラックアドレスTRADD の領域として
用いている。
【0049】また、トラックアドレスTRADD の前記ダ
ミービットは、後述するように5つのパターンで同期を
5個カウントすることによって、ビーム・スポットBS
が走査した領域が正確にセクタのヘッダ部であることを
検知するために用いてもいる。
【0050】図1に示したトラックアドレスTR
ADD は、1パターンあたりチャンネル3ビットから成る
グレイコードを5パターン有して表すことにより、トー
タルとして15チャンネルビットのダイナミックレンジ
を持つ絶対アドレスが表される。実際のトラックアドレ
スは、上述したように3チャンネルビット毎にデータが
“1”か“0”か検出すると、トラック番号がT(n)
ではそれぞれ最上位のパターン1は、“1110”,第
2のパターンは、“0110”,第3のパターンは、
“1100”,第4のパターンは、“0111”,最下
位のパターン5は、“1111”を示している。
【0051】トラック番号がT(n+1)のトラックで
は他のパターンはトラックアドレスT(n)に同じで、
最下位のパターン5だけが“1110”に変化してい
る。
【0052】トラック番号がT(n+2)のトラックで
も同様に最下位のパターン5だけが“1100”に変化
している。また、トラック番号がT(n+3)のトラッ
クでは、最下位のパターン5が“0100”になってい
る。さらに、トラック番号がT(n+4)のトラックで
は、第4パターンが“0101”、最下位のパターン5
を“0100”にしている。
【0053】また、図1に示すスリット領域Sの長さ
は、照射されるビーム・スポットの径より短くする。ス
リット領域Sの長さは、例えば0.8μm程度の長さに
設定する。このようにスリット領域Sの長さを設定する
ことにより、スリット領域Sにビーム・スポットBSが
かかっても光ディスク装置のトラッキングサーボ制御系
に発生したトラッキングエラー信号を供給することがで
きる。これにより、この光ディスクを使用した際の光デ
ィスク装置は、光ディスク上をシーク中もトラックアド
レスを読むことができ、トラッキングサーボ制御を向上
させるだけでなく、シークの精度を向上させることもで
きる。
【0054】上記スリット領域Sの位置により表される
データは、記録トラックの記録密度、すなわちデータ記
録領域の記録密度よりも低い密度、例えば1/4程度の
密度で書き込めば、光ディスク装置に内蔵している水晶
発信器から供給される固定クロックで読むことができ
る。
【0055】このようにトラックアドレスTRADD は、
対応する10進数をグレイコード3チャンネルビットで
表したものにダミービットを1ビット付加して4チャン
ネルビットにした3−4変調を行ってランレングスコー
ドとしてこのサーボゾーンSZに書き込まれている。
【0056】上記トラックアドレスとして供給されたデ
ータを2値で表した符号に変換する際に符号の隣接した
2つのレベル間の差を必ず1ビットにして変換するグレ
イコードを用いて、図1に示したサーボパターン領域S
Pに3−4変調して記録されていることにより、例えば
複数のトラックをジャンプして高速にビーム・スポット
BSを移動させる、いわゆるトラックジャンプした際に
光ディスク装置は、トラック境界付近でも必ずどちらか
のトラックに復号する、すなわち所望のアドレスに対し
て±1トラック分しか違わない位置にビーム・スポット
を移動させることができ、精度の良いシークを行うこと
ができる。
【0057】サーボパターン領域SPのプリピットは、
データIDの先頭に位置し、ゾーン毎に径方向に連続し
て配置されている(図1を参照)。
【0058】データセクタのフォーマットについて図3
を参照しながら説明する。この光ディスクは、例えばビ
ット密度の制限及び光ディスク原盤製造装置であるカッ
ティングマシーンの基準クロック制限により、1周のク
ロック数を210,000クロック、ID=20.05
35mmで0.6μm/ビットで構成している。この光
ディスクは、ちなみに半径46mmで1.376μm/
ビットにしている。この光ディスクは、図3に示すデー
タセクタ領域DSの先頭にピットにより形成されたサー
ボパターン領域SPを配置している。
【0059】ここで、トラックアドレスにおける上記ス
リット領域Sは、グルーブと相対的に逆の関係に形成し
てもよい。なぜなら、グルーブと記録トラックとの関係
は、凹部と凸部が相対的なものであり、例えば反射面側
から見たときにグルーブが凹部で、記録トラックが凸部
の対応関係であっても、あるいは逆に、上記グルーブが
凸部で、上記記録トラックが凹部の対応関係であっても
よいからである。
【0060】このデータセクタ領域DSは、上記サーボ
パターン領域SP以降に従来のフォーマットと同じよう
に例えば不感帯領域SEQに2バイト、書込み/読出し
セトリングに6バイト、可変周波数発振器(VFO)領
域に15バイト、バイトシンクB.Syに1バイト、判
別領域IDを設け、さらに、巡回符号CRCに2バイ
ト、ギャップに2バイト、不感帯領域SEQに2バイ
ト、書込み/読出しセトリングに6バイト、可変周波数
発振器(VFO)領域に13バイト、バイトシンクB.
Syに1バイト、データ領域DATAに512バイト、
誤り訂正コードECCに11バイト、ギャップGAPに
2バイトで構成している。
【0061】以上の説明からも明らかなように、光ディ
スクは、同心円状に形成した記録トラックを複数トラッ
クずつ半径方向に上記光ディスクを分割し、複数に分割
された各領域のセクタ数を互いに異ならせ、同一領域内
のセクタ数を同じに設定することで、各領域の記録容量
を外周側に行くほど高めることができるので、全体とし
ての記憶容量を増加させることができる。
【0062】この光ディスクを用いた光ディスク装置
は、同心円状に形成した記録トラックを1トラックで完
結させることにより、いわゆるスティルジャンプを行う
必要がなくなるので、スティルジャンプさせるための回
路を不要にすることができ、データの転送レートを向上
させることができる。これにより、この光ディスクを用
いた光ディスク装置は、消費電力も抑えることができる
ようになる。
【0063】また、このように構成することにより、付
帯的な効果として、従来の光ディスクにおいて例えばア
ドレス情報をプリピット形成する場合、形成したピット
長とピット間隔の長さが同程度になっていることから、
ピット間隔領域でトラッキングエラー信号がなくなって
しまうが、上記フォーマットで構成した光ディスクを用
いることにより、トラック中央位置に形成したグルーブ
を切り欠いたスリット領域を上記ピット間隔の長さに比
べて短くなるように形成しているので、レベルが小さい
ながら、上記スリット領域Sでもトラッキングエラー信
号が生じる。このため、光ディスクを用いれば、光ディ
スク装置は、トラッキングサーボ制御を安定に動作させ
ることができ、トラックを横切る際に生じる虞れのある
トラックカウントを確実に行うことができる。
【0064】また、トラックジャンプを行う際にビーム
・スポットがトラックを横切って生じるトラッキングエ
ラー信号からトラックカウント数をカウントしている
が、グルーブが切れているミラー部を通過することによ
って、例えば複数のトラックをジャンプした際にアドレ
スの読出しエラーが発生してもトラックアドレスをグレ
イコード変調して書き込んでいることにより、隣接トラ
ック間の差が1ビット分しかないので、例え誤ってもア
ドレスデコーダでアドレス情報を検出することができる
ので、所望のアドレスに対して±1トラック分しか違わ
ない位置にビーム・スポットを移動させることができ、
特に、光ヘッドのシーク動作を確実に所望のトラック位
置にシーク動作を行わせる際に精度の良いシークに大き
く寄与することができる。
【0065】次に、本発明に係る光ディスク原盤製造装
置の概略的な構成及び動作について図4〜図8を参照し
ながら説明する。ここで、本発明の光ディスク原盤製造
装置は、大量のデータを記憶することができる記録媒体
の一つである光ディスクを製造する際の原盤作成するた
めのカッティング装置に適用した実施例を説明する。
【0066】図4に示すカッティング装置は、カッティ
ング工程を行うための原理的な回路図である。カッティ
ング装置は、ディスク原板として円盤状のガラス基板1
を用い、このガラス基板1上に予め感光材料としてフォ
トレジストPR が塗布された上記ガラス基板1を載置す
る載置台4と共に、矢印R方向に回転させるディスク回
転手段としてスピンドルサーボ系9内のスピンドルモー
タ(図8を参照)を用いている。
【0067】このカッティング装置は、上記フォトレジ
ストPR を露光させるための収束光を上記ガラス基板1
に出射すると共に、この出射光を少なくともディスク径
方向に偏向させ上記ガラス基板1に照射させる光偏向手
段として音響光学偏向器(Acousto Optic Deflector)
18を有する光学ヘッド部として露光用ヘッド部26を
設けている。ここで、上記収束光としては、レーザ光源
14から出射されるレーザ光を用いており、レーザ波長
については後段で詳述している。
【0068】また、このカッティング装置の露光用ヘッ
ド部26が、上記ガラス基板1をディスク径方向に一定
速度で送る光学ヘッド移動手段として駆動制御部に相当
するリニアサーボ系13とこのリニアサーボ系13で露
光用ヘッド部26を移動させるヘッド移動機構部34で
上記ガラス基板1に対してディスク径方向の所定の一方
向、例えば矢印L方向に一定速度で送られる。
【0069】このカッティング装置は、従来からの構成
と略々同じ構成でありながら、後段で詳述するように露
光用ヘッド部26に内蔵する音響光学偏向器18の役割
を露光量の制御及び光源ノイズ除去に用いるだけでな
く、ビーム・スポットを所定期間同一の位置に保持する
ために改良点を加えて設けている。
【0070】この改良点の特徴としては上記露光用ヘッ
ド部26に露光用ヘッド部26からの出射光を上記リニ
アサーボ系内のリニアモータのディスク送り量と同量だ
け上記所定の一方向(矢印L)と逆方向に偏向させる光
偏向手段として内蔵する音響光学偏向器(Acousto Opti
c Deflector;以下、単にAODという)18で照射する
光の径方向位置を所定期間だけ不動にしている。露光用
ヘッド部26に関する詳細な構成は、後段で説明する。
【0071】また、カッティング装置は、上記ガラス基
板1に照射させる照射光についての上記露光用ヘッド部
26による上記ディスク径方向(L方向)への移動を相
殺させて上記照射光の径方向位置を不動に保つと共に、
上記ガラス基板1の1回転に1回上記出射光を遮断状態
としてディスク径方向にステップ送りさせる偏向制御信
号を上記AOD18に供給する偏向制御手段であるフォ
ーマッタ25を有している。実際にフォーマッタ25
は、偏向制御信号の一つであるAOD制御信号を超音波
発生器44に出力している。
【0072】このフォーマッタ25は、所望のフォーマ
ットに光ディスクを作成するためフォーマットデータを
内蔵している。この実施例においてフォーマッタ25
は、上述したようにフォーマットデータに応じて供給さ
れるレーザ光をオン/オフ制御するフォーマットデータ
タイミング信号、スピンドルモータをサーボ制御するた
めの基準クロック及びAOD(音響光学偏向器)18を
制御するため鋸歯状波からなるAOD制御信号をそれぞ
れ出力している。
【0073】カッティング装置は、露光用ヘッド部26
に対して前述したリニアサーボ系内のリニアモータによ
る移動とこのAOD制御信号による露光用ヘッド部26
からの出射光の偏向とでビーム・スポットの位置を図5
に示すようにスピンドルモータの1回転周期分の時間不
動に保っている。
【0074】実際に1回転周期分の時間だけL方向への
移動を相殺させる逆方向に光を偏向させてレーザ光の照
射位置を不動に保つため、供給するAOD制御信号は、
偏向制御用にスピンドルモータの1回転分の周期に対応
した逆方向に偏向させる鋸歯状波にしている。上記AO
D制御信号は、その直線性をよくするため、D/A変換
器及びローパスフィルタを用いて生成している。上記A
OD制御信号の過渡応答部分は、上記ガラス基板1の1
回転に1回上記露光用ヘッド部26からの出射光を遮断
状態としてディスク径方向にステップ送りさせる時間領
域に相当している(図6を参照)。上記ステップ送りの
量は、単にグルーブを形成するならばリニアモータが1
トラックピッチ分ずつ送るディスクを送り量に相当す
る。AOD18は、出射光の照射を遮断させた期間(す
なわち、変位制御領域)に光偏向を例えば解除すること
により、ステップ送りしている。実際に、過渡応答部分
は、図5や図6に示すトラック間の遷移領域に相当して
いる。
【0075】また、このAOD制御信号における一定の
傾斜で減衰する部分は、中断期間以外の期間に相当し、
上記露光用ヘッド部26の送り量と逆方向に同量だけ照
射される光を偏向させて露光用ヘッド部26の移動を相
殺させる偏向制御領域になっている。従って、AOD制
御信号のこの斜辺部分は、露光用ヘッド部26を任意の
トラックに対して一周完結するまでディスク径の一定位
置に常に保つために用いている。
【0076】このようにスピンドルモータの1回転の間
に亘ってビーム・スポットを同じ位置に保つことによ
り、ガラス基板1上に照射するレーザ光の照射軌跡が同
心円状になる。
【0077】ここで、スピンドルモータの回転を制御す
るための基準クロックは、図4に示すスピンドルサーボ
系9にスピンドルサーボ用クロックとして15.75k
Hzを供給している。これにより、スピンドルモータ
は、902.25rpmで回転する。また、スピンドル
モータの動作とフォーマットデータタイミング信号との
位相合わせは、カッティング装置側をマスタにする方法
と、フォーマッタ25側をマスタにする方法の2つの内
の一方を選択して行う。
【0078】一方、レーザ光源14は、連続発振して供
給されるレーザ光を音響光学変調器(Acousto Optic Mo
dulator;以下、単にAOMという)17に出射する。
このAOM17は、フォーマッタ25から供給されるフ
ォーマットデータタイミング信号に応じてレーザ光をオ
ン/オフ制御している。ディスク径の位置に不動に保っ
た後に露光用ヘッド部26を例えば次の隣接トラックに
移動させるとき、レーザ光の発光は停止していなければ
ならない。従って、上記AOD制御信号によるAOD1
8の過渡応答とフォーマットデータタイミング信号によ
るAOM17の動作との両方を考慮することにより、フ
ォーマッタ25は、図6(a)に示すフォーマットデー
タタイミング信号における、例えばレーザ光を発光させ
ないサーボパターン領域SP内のヘッダ部Hに、図6
(b)に示すAOD制御信号の過渡応答部分を対応させ
ている。上記過渡応答部分TRJは、略々1.6μse
cである。
【0079】このようにAOD制御信号の過渡応答部分
とフォーマットデータタイミング信号との両方を考慮し
てすることにより、露光用ヘッド部26がトラック内、
あるいは隣接トラックへのステップ的に移動しても完全
に個々のトラックを一周完結の同心状トラックにするこ
とができる。
【0080】ここで、前述したように作成する光ディス
クは、記録トラックの1周内に少なくとも1箇所記録ト
ラックの両側に形成された案内溝Grの形成されていな
い上記サーボパターン領域SP内のトラック中央位置T
cに溝Grを形成するフォーマットに設定している。こ
のトラック中央位置Tcに溝Grを形成するため、前述
したようにカッティング装置は、図7(a)に示す円盤
状のガラス基板1の移動を一定速度で移動させている。
このときの移動量は、スピンドルモータの2回転あたり
1トラックピッチTP である。
【0081】また、フォーマッタ25は、図7(b)の
AOD制御電圧が示すように鋸歯状波の1周期分が半ト
ラックピッチ(=1/2TP )にしている。AOD制御
電圧を制御することにより、このサーボパターン領域S
P内にディスクの1回転で半トラックピッチずつずらし
て、すなわちトラック中央位置Tcに溝Grを形成させ
ている。
【0082】なお、本実施例は、リニアサーボ系13の
リニアモータで光学ヘッド移動機構部34を動作させて
スピンドルモータにより回転させられている上記ガラス
基板1に対して露光用ヘッド部26をディスク径方向の
所定の一方向、例えば矢印L方向に一定速度で送る場合
を示したが、露光用ヘッド部26を固定しておき、リニ
アサーボ系13のリニアモータを用いて載置台4を含む
台座をディスクの外径方向に直線移動させるようにして
もよい。
【0083】このように上記移動量とAOD制御電圧と
によってビーム・スポットBSの移動位置を制御するこ
とにより、図7(c)に示すディスク径方向に対するビ
ーム・スポットBSの位置を例えば半トラックピッチの
期間だけディスク径を一定にする位置に保つことができ
る。このビーム・スポットBSの移動位置を制御とフォ
ーマットに対応したフォーマットデータタイミング信号
による露光の有無の両方を考慮して露光制御することに
より、前述した同心円状の光ディスクを製造することが
できる。
【0084】また、スピンドルモータ5の2回転で1ト
ラックを形成するようにすることにより、AOD18で
レーザ光を屈折させることにより発生するスキューの影
響を抑え、トラックの継目の精度を上げることができ
る。
【0085】最後に、光ディスクの原盤を作成するカッ
ティング装置に本発明の光ディスク原盤製造装置の構成
を適用した概略的な回路構成の一具体例について図8を
参照しながら説明する。ここで、共通する部分に図4で
用いた参照番号を付して説明を省略する。また、図4に
示したフォーマッタ25は、図示を省略している。
【0086】この実施例におけるカッティング装置は、
図8に示すように例えば円盤状のガラス基板1上に塗布
されたフォトレジスト膜2に対して露光を行う装置であ
り、連続発振しているレーザ光Lrを印加記録信号に基
づいて強度変調し、この強度変調されたレーザ光Lrを
対物レンズ3にて集光させてフォトレジスト膜2に記録
パターンを描画するものである。
【0087】ここで、上記ガラス基板1は、載置台4に
真空吸着されている。この載置台4は、図示しない静圧
空気軸受けによって保持され、スピンドルモータ5にて
矢印R方向に回転させ、リニアモータ10にてディスク
の外径方向(矢印L)に移動するように構成されてい
る。
【0088】上記載置台4は、スピンドルモータ5、周
波数発生器(以下FGという)7及びサーボ制御回路8
で構成されるスピンドルサーボ系9によって回転駆動制
御されている。上記サーボ制御回路8は、入力端子6を
介してフォーマッタ25から供給される前記基準クロッ
クに応じた駆動信号をスピンドルモータ5に供給して載
置台4を回転させ、スピンドルモータ5の回転に応じて
得られるFG7での検出信号でサーボ制御している。こ
の場合、フォーマッタ25側がマスタになっている。
【0089】また、カッティング装置側をマスタにする
場合の位相合わせは、スピンドルサーボ系9でスピンド
ルモータ5自身の回転から上記FG7のパルスを基にフ
ォーマッタ25が有するPLLのクロックと位相制御す
ることによってサーボ制御を行うこともできる。
【0090】上記露光用ヘッド部26は、リニアモータ
10、レーザスケール11及びサーボ制御回路12で構
成されるリニアサーボ系13から供給される動力をヘッ
ド移動機構部34を用いて滑らかにガラス基板1に平行
を保って直線移動させている。上記レーザスケール11
は、高分解能のレーザスケールで矢印L方向への移動量
を検出している。これに応じてサーボ制御回路12は、
リニアモータ10を制御する。
【0091】このカッティング装置の光学的な構成は、
基本的に気体を増幅媒質とするガスレーザ光源14と、
このガスレーザ光源14から出射されたレーザ光Lr
を、入力される信号電界に応じて強度変調する横型電気
光変調器(Electoro Optic Modulator;以下、単にEO
Mという)15と、入力端子16を介して供給される記
録信号、いわゆるフォーマットデータタイミング信号に
て変調された超音波に基づいて、上記EOM15からの
レーザ光Lrを強度変調する音響光学変調器(AOM)
17とこのAOM17にて強度変調されたレーザ光Lr
を、高速にリニアモータ5の移動期間中において矢印L
と逆方向に微小角偏向する音響光学偏向器(AOD)1
8と、このAOD18を透過したレーザ光Lrを、対物
レンズ3に導くためのダイクロイックミラー19とから
構成されている。
【0092】ここで、レーザ光Lrとしては、フォトレ
ジスト膜2の感光材料がポジ型の場合、一般に、青色か
ら紫外領域の波長をもつ連続発振のガスレーザが用いら
れる。具体的には、波長458nmのArレーザ、波長
442nmのHe−Cdレーザ、波長410nmのKr
レーザ、あるいは波長360nmのUV−Arレーザが
使用される。また、これらのガスレーザは、ブリュース
ター窓により直線偏光のレーザ光Lrとして出射され
る。本実施例では波長413nmのKrレーザを使用し
た。
【0093】EOM15は、例えばADPやKDPの結
晶で構成されており、このEOM15の電極間に可変直
流電源24のみが接続されている。通常、この可変直流
電源24からは、一定レベルの直流電圧Vが出力され
る。このEOM15に入射した直線偏光のレーザ光L
r、特に媒質中における2つの直交偏光成分間の光学的
位相差Δφが、上記可変直流電源24からの直流電圧V
の供給によって制御され、この制御により、レーザ光L
rの偏光状態が変化する。
【0094】このEOM15を透過したレーザ光Lr
は、楕円偏光となるため、後段の1/4波長板及び検光
子からなるアナライザ20にて強度変調光に変換され
る。すなわち、EOM15から出射された楕円偏光のレ
ーザ光Lrは、先ず、1/4波長板にて直線偏光のレー
ザ光Lrに戻されるが、入射光に比べて電気ベクトルの
振動面が直流電圧Vに比例した角度Δφ/2だけ回転し
ているため、次に検光子によって強度変調光に変換され
る。この場合、EOM15から出力されたレーザ光Lr
は電圧を変数とする特性曲線sin2 (V)に比例した
光出力(光量)となる。
【0095】この実施例においては、EOM15の後段
(正確には、アナライザ20の後段)にハーフミラー、
またはビームスプリッタ(以下、ハーフミラー等とい
う)21を配置することによって、EOM15を透過し
たレーザ光Lrを2つに分け、この2つに分岐された光
路中、EOM15の透過光路に延長した第1の光路上に
光検出器22として例えばフォトダイオードを配置し、
この後段に電圧制御回路23を接続する。そして、上記
電圧制御回路23は、上記可変直流電源24と接続して
いる。このようにしてEOM15は、出力信号を帰還制
御するフィードバック系による制御を受けている。この
フィードバック系を設けることにより、EOM15から
の出力、すなわち光量は一定となる。
【0096】一方、ハーフミラー等21によって2つに
分岐された光路中、このハーフミラー等21によって反
射されたレーザ光Lrが通る第2の光路上に、ビーム縮
小レンズ41、AOM17及びビーム拡大レンズ42が
順に配置されている。上記AOM17には、超音波発生
器43が接続されている。この超音波発生器43は、発
生した超音波を、入力端子16にフォーマッタから供給
されるフォーマットデータタイミング信号に基づいて変
調するものである。この超音波発生器43で変調された
超音波がAOM17に供給される。
【0097】このAOM17は、例えばTeO2 結晶か
ら構成されている。AOM17は、超音波発生器43か
らの変調された超音波供給により、上記結晶中に生じた
屈折率の変化による位相回折子を用いて得られるブラッ
グ回折の1次回折光を信号記録に使用するものである。
回折光の強度は、超音波の出力レベルで決まり、回折方
向はキャリア周波数(超音波周波数)で決まる。従っ
て、原理的に上記EOM15で発生するようなバイアス
変動がない。
【0098】また、最近では、結晶デバイスと超音波を
発生させる発生回路の改善により、EOM15と同等の
変調帯域幅を得ることができる。しかも、フィードバッ
ク制御を行わないため、どのようなデューティの信号や
低周波の信号に対しても安定な光変調を行うことができ
る。このAOM15で強度変調されたレーザ光Lrは、
後段のビーム拡大レンズ42によってビーム径が復元さ
れる。
【0099】AOD18にも上記超音波発生器43と同
じ超音波発生器44が接続されている。この超音波発生
器44は、入力端子45を介してフォーマッタからAO
D制御信号を入力し、このAOD制御信号に基づいて発
生する超音波を変調させるものである。露光用ヘッド部
26内のAOD18は、超音波発生器44から鋸歯状波
の傾斜部分のAOD制御信号により、ディスク上のビー
ム・スポットを矢印Lと逆方向に移動させている。この
ときの移動量は、前述したようにリニアモータ10の移
動量に等しい量になるように制御している。この結果、
ディスク上のビーム・スポットは、例えば1回転の周期
だけディスク径の位置を不動に保つことができる。
【0100】このAOD18も例えばTeO2 結晶から
構成されている。AOD18の動作原理は、前述したA
OM17の原理に全く同じものである。AOD18は、
超音波発生器44から供給される超音波により、結晶中
に超音波振動の進行波を作る。このとき、キャリア周波
数が低い場合には、波長の長い進行波が作られる。ま
た、キャリア周波数が高い場合には、波長の短い進行波
が作られる。このAOD14を透過するレーザ光Lr
は、結晶中における超音波振動と遭遇され、この進行波
によって回折されて偏向を受ける。この回折による光の
偏向は、進行波の波長が短い程大きな偏向を受ける。レ
ーザ光Lrは、進行波によって高速に微小角偏向を受け
ることになる。
【0101】この性質を利用して超音波発生器44に供
給されるAOD制御信号が超音波発生器44で低い周波
数から高い周波数に発生させる周波数を変化させる。こ
の変化を発生させるために、超音波発生器44は、AO
D制御信号を、例えば図5に示した鋸歯状波の1周期で
スピンドルモータが1回転する掃引を行っている。AO
D18は、超音波発生器44によってリニアモータ10
の移動量を相殺するようにリニアモータ10による移動
方向と逆方向に光を偏向させている。この操作により、
カッティング装置は、所定の期間、ビーム・スポットを
所望のトラック位置に保たせている。
【0102】露光用ヘッド部26内のAOD18は、出
射したレーザ光Lrをダイクロイックミラー19に供給
して反射させ、対物レンズ3を介して塗布されたフォト
レジスト膜に集光させ照射している。
【0103】また、露光用ヘッド部26は、フォーカス
サーボ機構を有し、フォトレジスト膜2に対する焦点調
整を行っている。フォーカスサーボ機構は、対物レンズ
3をダンパ(図示せず)で吊り、スピーカの磁気回路と
同様にコイル27で駆動するアクチュエータ28と、い
わゆる離軸法と呼ばれるレーザ光Lfを用いた誤差検出
光学系で構成している。
【0104】この誤差検出光学系は、図示するように前
記ガスレーザ光源14から出射されるレーザ光Lrと異
なる波長で、かつダイクロイックミラー19を透過する
波長のレーザ光Lfを出射するフォーカス用のレーザ光
源29と、このレーザ光源29からのレーザ光Lfを対
物レンズ3側に入射させ、かつ対物レンズ3を介してフ
ォトレジスト膜2で反射した戻り光を光検出器30側に
導く光アイソレータ31とで構成している。
【0105】なお、上記光アイソレータ31は、偏光ビ
ームスプリッタ32と、1/4波長板とで構成してい
る。
【0106】一般に、対物レンズ3によってレーザ光L
rを絞ると、その焦点深度が浅くなるため、例えばガラ
ス基板1に反り等がある場合、均一に露光することがで
きなくなる。しかしながら、この実施例において、上述
したようにフォーカスサーボ機構を備えていることによ
り、露光用ヘッド部26は、焦点誤差を±0.1μm以
下に抑えることができ、ガラス基板1に反り等が生じて
いても、レーザ光Lrによるフォトレジスト膜2に対す
る露光を均一に行うことを可能にする。
【0107】なお、このカッティング装置は、上記AO
M17と上記AOD18の間に、ハーフミラー、または
ビームスプリッタ(以下、ハーフミラー等と記す)54
を配し、上記AOM17を透過したレーザ光Lrの内、
ハーフミラー等54を透過した光成分を検出するための
モニタ用光検出器55を設けてもよい。上記光検出器5
5は、AOM17で強度変調されたレーザ光Lrの波形
をモニタすることができる。
【0108】また、上記露光用ヘッド部26は、レーザ
光源29とAOD18を内蔵した構成で説明したが、露
光用ヘッド部26を軽量化するために露光用ヘッド部2
6の出射光の光路が確保でき、精度が保てるならば、上
記レーザ光源29と上記AOD18を外部に固定配置さ
せてもよい。
【0109】このようにカッティング装置を構成し、露
光処理を行うことにより、フォトレジスト膜2は、同心
円状のトラックをフォーマットデータに応じて感光され
る。この感光された部分が現像工程(すなわち、エッテ
ィング)における現像液にて溶解することになる。従っ
て、上記現像処理後に、感光された部分は除去され、フ
ォトレジスト膜2によるマスクが形成される。その後、
光ディスクの原盤作成工程は、通常の洗浄処理、Niメ
ッキ処理を行い、マスクを剥離・洗浄処理してNiマス
タを完成させる工程を行っている。
【0110】このようにカッティング装置は、同心円状
のトラックや案内溝が形成された光ディスクをゾーン分
割して形成することができる。この光ディスクは、ゾー
ン分割して形成することにより、記録容量を格段に高め
ることができ、トラック間の遷移も所定移動量ずつ、例
えば半トラックピッチずつ行うことができる。
【0111】なお、本実施例では光学系を1ビーム仕様
の構成で説明したが、光学系の構成は、この構成に限定
されるものでなく2ビームでのカッティング処理を行う
ことも可能である。
【0112】以上の説明からも明らかなように、このよ
うに構成した光ディスクを用いた光ディスク装置は、1
トラックジャンプ、いわゆるスティルジャンプ用の回路
を削減させることができ、コスト低減に役立てることが
できる。また、、データの転送レートを向上させること
ができるので、この光ディスクを用いた光ディスク装置
は、消費電力も抑えることができるようになる。
【0113】光ディスク原盤製造装置は、感光材料を塗
布したディスク原板をスピンドルモータ5で回転させな
がら、ヘッド移動機構部34を用いて露光用ヘッド部2
6をディスク径方向の所定の一方向に一定速度で送っ
て、フォーマッタ25の制御によって露光用ヘッド26
から出射された光束をAOD18で上記所定の一方向と
逆方向に偏向させることにより、露光用ヘッド部26に
よる送り量動作をAOD18による戻し動作で相殺させ
てガラス基板1上の径方向の露光位置を少なくともディ
スク1回転の期間だけ不動に保って、同心円の記録トラ
ックを形成することができる。
【0114】また、光ディスク原盤製造装置は、フォー
マッタ25でレーザ光の照射位置の変位を半トラックピ
ッチずつ制御すると共に、フォーマッタ25で露光用ヘ
ッド部26の出射を制御して記録トラックの1周内に少
なくとも1箇所記録トラックの両側に形成された案内溝
の形成されていない無形成領域内を設けて、この無形成
領域の記録トラックの中心位置Tcに少なくともアドレ
ス情報を含むサーボパターン領域SPを設け、ディスク
の1回転で半トラックピッチずつずらして溝Grを形成
するため、より一般的に言えば、複数のスピンドルモー
タの回転で1トラック形成する露光制御を行うことによ
り、AOD18でレーザ光を屈折させることにより発生
するスキューの影響を抑え、トラックの継目の精度を上
げることができ、例えばトラックジャンプさせながらア
ドレス情報を読み出すことができる光ディスクを製造す
る原盤を作ることができる。
【0115】光ディスク原盤製造装置は、AOD18を
使用する従来のカッティング装置と同じ構成でもAOD
18の制御の方法を変えるだけで、同心円状のトラック
を形成させることができ、新規にフォーマット対応のカ
ッティング装置を設計製作する必要がなく、従来からの
装置を流用して同心円状のトラックが形成できるので、
原盤製造のコスト面でも有効である。
【0116】この光ディスク原盤製造装置は、磁気ディ
スクの同心円状の記録媒体を前提に製造したものである
から、光ディスク装置にこの光ディスクを用いて駆動制
御する際に従来から磁気ディスク装置に使用されている
例えばハードディスクコントローラのICを用い、上記
ICのパフォーマンスを十分に引き出すことができる。
また、光ディスク装置用の駆動制御ICを新たに設計し
なくても済むことにより、光ディスク装置のコスト低減
を図ることができる。
【0117】
【発明の効果】本発明に係る光ディスクによれば、記録
トラックと平行にトラッキング用の案内溝が設けられた
光ディスクにおいて、上記記録トラックを同心円状に形
成し、上記記録トラックの1周内に上記案内溝の無形成
領域を少なくとも1箇所設けることにより、例えばステ
ィルジャンプを行うことなく、データを繰り返し伝送し
てスティルジャンプさせるための回路を不要にすること
ができ、データの転送レートを向上させることができ
る。これにより、この光ディスクを用いた光ディスク装
置は、消費電力も抑えることができるようになる。
【0118】本発明に係る光ディスク原盤製造装置によ
れば、感光材料を塗布したディスク原板をディスク回転
手段で回転させながら、光学ヘッド移動手段で光学ヘッ
ド部をディスク径方向の所定の一方向に一定速度で送っ
て、偏向制御手段の制御によって収束光出射手段から出
射された光束を光偏向手段で上記所定の一方向と逆方向
に偏向させることにより、光学ヘッド部による送り量動
作を光偏向手段による戻し動作で相殺させてディスク原
板上の径方向の露光位置を少なくともディスク1回転の
期間だけ不動に保って、露光軌跡を同心円状に形成さ
せ、同心円の記録トラックを形成することができる。
【0119】光ディスク原盤製造装置における偏向制御
手段は、収束光の照射位置の変位を半トラックピッチず
つ制御すると共に、光学ヘッド部の出射を制御して記録
トラックの1周内に少なくとも1箇所記録トラックの両
側に形成された案内溝の形成されていない無形成領域内
を設けて、この無形成領域の記録トラックの中心位置に
少なくともアドレス情報を含む領域を設け、ディスクの
1回転で半トラックピッチずつずらして溝を形成する、
より一般的に換言すれば、複数のスピンドルモータの回
転で1トラック形成する露光制御を行うことにより、A
ODでレーザ光を屈折させることにより発生するスキュ
ーの影響を抑え、トラックの継目の精度を上げることが
でき、例えばトラックジャンプさせながらアドレス情報
を読み出すこともできる光ディスクの原盤を作ることが
できる。
【0120】上記光偏向手段として音響光学偏向器を用
いることにより、トラックの継ぎ目の精度を上げること
が簡便に行え、AODを使用する従来のカッティング装
置と同じ構成でもAODの制御方法を変えるだけで、同
心円状のトラックを形成させることができ、新規にフォ
ーマット対応のカッティング装置を設計製作する必要が
なく、従来からの装置を流用して同心円状のトラックが
形成できるので、原盤製造のコスト面でも有効である。
【0121】また、この光ディスク原盤製造装置は、磁
気ディスクの同心円状の記録媒体を前提に製造したもの
であるから、光ディスク装置にこの光ディスクを用いて
駆動制御する際に従来から磁気ディスク装置に使用され
ている例えばハードディスクコントローラのICを用
い、上記ICのパフォーマンスを十分に引き出すことが
できる。また、光ディスク装置用の駆動制御ICを新た
に設計しなくても済むことにより、光ディスク装置のコ
スト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスクにおけるトラックを1
周完結の同心円状に形成し、記録容量の増大を図るため
に上記光ディスクを複数トラックからなるゾーン毎に区
切った光ディスクの模式図である。
【図2】図1に示した光ディスクのフォーマットの一部
としてサーボパターンのフォーマットを模式的に示した
図である。
【図3】図1に示した光ディスクのデータセクタのフォ
ーマットを説明する模式図である。
【図4】本発明の光ディスク原盤製造装置において、図
1に示した光ディスクを製造する原理的な構成を説明す
るための概略的な回路図である。
【図5】光ディスク原盤製造装置がガラス基板に塗布し
たフォトレジスト膜に照射したビーム・スポットを不動
にする期間とビーム・スポットの照射を中止してトラッ
ク間をステップ的に移動させる時間の関係を模式的に示
した図である。
【図6】(a)は、光ディスクのフォーマットデータタ
イミング信号のレーザ光を発光させないサーボパターン
内のヘッダ部付近の波形と、(b)は、ヘッダ部付近で
の図5に示したAOD制御信号の過渡応答波形を示した
図である。
【図7】(a)は、円盤状のガラス基板の移動を一定速
度で移動させていることを示し、(b)は、AOD制御
電圧が示すように鋸歯状波の1周期分が半トラックピッ
チに対応していることを示し、(c)は、スピンドルモ
ータの1回転に対応してこの期間ディスク径方向に対す
るビーム・スポットBSの位置を一定に保ちながら、デ
ィスク外径方向にビーム・スポットBSを半トラックピ
ッチずつ移動制御することを説明するための模式図であ
る。
【図8】本発明の光ディスク原盤製造装置を光ディスク
のカッティング装置に適用したより具体的な一実施例に
おける概略的な構成を示した回路図である。
【図9】光ディスクの原盤を製造する際の一般的な製造
工程を説明するための模式的な図である。
【符号の説明】
Z1 、・・・・、Zn-1 、Zn ・・・・ゾーン SP・・・・・サーボパターン領域 DS・・・・・データセクタ領域 Gr・・・・・グルーブ S・・・・・・スリット領域 H・・・・・・ヘッダ Ind・・・・インデックス TRADD ・・・トラックアドレス Tc・・・・・トラック中央位置 SEQ・・・・不感帯領域 W/R・・・・書込み/読出しセトリング VFO・・・・可変周波数発振器領域 B.Sy・・・バイトシンク DATA・・・データ領域 ECC・・・・誤り訂正コード GAP・・・・ギャップ BS・・・・・ビーム・スポット 1・・・・・・ガラス基板 2・・・・・・フォトレジスト膜 3・・・・・・対物レンズ 4・・・・・・載置台 9・・・・・・スピンドルサーボ系 13・・・・・リニアサーボ系 14・・・・・レーザ光源 15・・・・・横型電気光変調器 17・・・・・音響光学変調器(AOM) 18・・・・・音響光学偏向器(AOD) 19・・・・・ダイクロイックミラー 25・・・・・フォーマッタ 26・・・・・露出用ヘッド部 34・・・・・ヘッド移動機構部 43、44・・超音波発生器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録トラックと平行にトラッキング用の
    案内溝が設けられた光ディスクにおいて、 上記記録トラックを同心円状に形成し、 上記記録トラックの1周内に上記案内溝の無形成領域を
    少なくとも1箇所設けることを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 光ディスクの原盤を製造する光ディスク
    原盤製造装置において、 ディスク原板上に予め感光材料が塗布された上記ディス
    ク原板を載置する載置台と共に回転させるディスク回転
    手段と、 上記感光材料を露光させるための収束光を上記ディスク
    原板に出射すると共に、この出射光を少なくともディス
    ク径方向に偏向させ上記ディスク原板に照射させる光偏
    向手段を有する光学ヘッド部と、 該光学ヘッド部を上記ディスク原板のディスク径方向に
    一定速度で送る光学ヘッド移動手段と、 上記ディスク原板に照射させる照射光についての上記ヘ
    ッド移動手段による上記ディスク径方向への移動を相殺
    させて上記照射光の径方向位置を不動に保つと共に、上
    記ディスク原板の1回転に1回上記出射光を遮断状態と
    してディスク径方向にステップ送りさせる偏向制御信号
    を上記光偏向手段に供給する偏向制御手段とを有するこ
    とを特徴とする光ディスク原盤製造装置。
  3. 【請求項3】 上記偏向制御手段は、記録トラックの両
    側に案内溝を形成する制御を行う際に、上記記録トラッ
    クの1周内に少なくとも1箇所上記案内溝を形成しない
    無形成領域を設け、 上記ディスク原板の1回転で半トラックピッチずつ変位
    させながら、上記無形成領域内の記録トラック中心位置
    に少なくともアドレス情報を含む領域を溝によって形成
    するための露光制御することを特徴とする請求項2記載
    の光ディスク原盤製造装置。
  4. 【請求項4】 上記光偏向手段は、音響光学偏向器を用
    いることを特徴とする請求項2記載の光ディスク原盤製
    造装置。
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