JP4018481B2 - 光ディスク原盤露光方法および原盤露光装置 - Google Patents

光ディスク原盤露光方法および原盤露光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク原盤露光方法、および光ディスク原盤露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報機器、映像音響機器が必要とする情報量の拡大化に伴い、データアクセスの容易さ、大容量データの蓄積、機器の小型化に優れる光ディスクが注目されている。光ディスクには、再生専用型光ディスク、追記型光ディスク、記録再生型光ディスクがあり、記録再生型光ディスクとしては相変化型光ディスクや光磁気型ディスク等が存在し、CD、DVD、MOなどと呼ばれ、様々な用途に実用化されている。
【0003】
再生専用型光ディスクの場合、予め設けられたスパイラル状の凹凸ピット列に再生用の光を照射し、戻り光強度の変化によりピットの有無、長さを検出することにより再生が行われる。
【0004】
一方、記録再生型光ディスクの場合、スパイラル状に、凹凸の溝または溝とピットが形成されている。溝または溝とピットには、アドレスが何らかの形で形成されており、記録再生時にこのアドレスにより位置を特定する。また記録再生型の光ディスクには、溝部またはランド部のみに記録する方式と、溝部およびランド部ともに記録する方式がある。記録方式の違いにより、溝幅、溝間隔が異なる。記録あるいは再生は、溝部またはランド部に形成された記録膜に記録マークを形成することによって行われる。例えば相変化型光ディスクであれば、記録膜として相変化記録膜を用いる。相変化記録膜はその相状態により、記録再生光に対する屈折率が変化する物質からなる。相状態の変化は、記録再生光照射時の照射時間、強度を変化させて記録膜の冷却速度を変化させることにより得られる。相変化記録膜を使用した記録再生型の光ディスクでは、例えば溝部に相変化記録膜を形成し、相変化記録膜に相の異なるマークを形成することにより記録再生が行われる。
【0005】
光ディスクは市場の要望、情報量の増大により、約650MBのCDから約5GBのDVDへと容量を拡大してきている。特に記録再生型光ディスクについてはテープメディアの代替としての役割が期待され、DVD−RAMでは約5GBの容量を実現している。約5GBは、平均転送レート約5Mbpsで約2時間の容量であり、平均転送レート約5MbpsはMPEG2と呼ばれる圧縮方式では通常画質の映像にほぼ相当する。市場では、より高画質、高精細な映像を約2時間記録するための光ディスクが要望されている。容量の拡大は光ディスクの多層化、記録面密度の向上、フォーマット効率の向上等によって行われる。記録面密度に着目すると、DVD−RAMではトラックピッチ約0.615μm、最短マーク長0.42μmが実現されている。
【0006】
大容量化のために面密度を向上させるには、トラックピッチの狭小化や、マーク長の短小化を更に進める必要がある。高画質高精細な映像を2時間以上記録するためには、約25GBが必要であるとされる。DVDと比較して約5倍の高密度化になるため、再生系のビームのスポットサイズは0.44倍以下とすることが必要である。このためピット長、トラックピッチもそれに対応して、DVD換算で、最短ピット長を約0.18μm、トラックピッチを約0.35μm以下とする必要がある。
【0007】
トラックピッチが狭くなるのに伴い、プッシュプルトラッキングエラー信号の振幅が小さくなる。従って、上記のようにトラックピッチが狭くなると、それに伴いプッシュプルトラッキングエラー信号は急激に減少する。従ってトラッキングサーボがかかり難くなり、また外れ易くなる。そのため、トラックピッチを狭くするほど、厳密なトラックピッチ精度が要求される。
【0008】
図8に従来例の光ディスク原盤露光装置を示す。フォトレジスト101が塗布されたガラス製の基板ディスク102が、光ディスク原盤を作成するための露光に供される。基板ディスク102は、回転制御機構103を有するターンテーブル104に保持される。
【0009】
レーザ光源105から出射されたレーザ光106は、パワーレギュレータ107によりパワーを調整される。次にレーザ光106は音響光学素子を用いた偏向器110により、偏向信号源108から出力される偏向信号109に基づき偏向される。偏向器110による偏向は、再生クロック生成用の蛇行した溝を形成するために行われる。偏向されたレーザ光106は、エキスパンダ116によりビーム径を拡大され、ミラー120a、120b、120cを経て、対物レンズ117により、基板ディスク102上のフォトレジスト101に集光される。対物レンズ117は、送り機構118により基板ディスク102の径方向に移動させられる。対物レンズ117はまた、フォーカス制御機構119により、基板ディスク102との距離が常に一定に保たれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記の装置において、レーザ光106の光路に配置された光学素子に起因してレーザ光106のビームに揺れが発生し、それにより、基板ディスク102に形成されるトラックのピッチ精度が低下する。また、送り機構118の送り精度の限界に起因するトラックピッチ精度の限界も存在する。
【0011】
このようなトラックピッチ精度の限界については、従来の技術においては問題として認識されることはなかった。しかしながら、上述の程度にトラックピッチが狭くなると、トラックピッチ精度がトラッキングサーボに与える影響が極めて大きくなるため、上記のようなトラックピッチ精度の低下を抑制することが、トラックの狭小化を進める上で重要な課題である。
【0012】
従って本発明の目的は、狭トラックピッチの光ディスク原盤に適用可能な高精度をもって、基板ディスク上の露光用ビームの位置を制御可能な光ディスク原盤露光方法、および露光装置を提供することである。
【0013】
本発明の光ディスク原盤露光装置は、表面にフォトレジストが塗布された基板ディスクを回転させるためのターンテーブルと、前記フォトレジストを露光するためのビームを出射するビーム源と、前記ビームを偏向する偏向器と、前記偏向器に前記ビームを偏向するための偏向信号を供給する偏向信号源と、前記偏向器を通過した後の前記ビームを前記フォトレジストに集光する対物レンズと、前記ビームを前記基板ディスクの径方向に移動させる送り機構とを備え、前記基板ディスク上に周方向のトラックを形成するための露光を行う光ディスク原盤露光装置において、前記偏向器に入射する前の前記ビーム光が通過する音響光学素子を用いた変調器を更に備え、前記変調器は、前記変調器から出射する0次光から1次光の方向が前記トラックと平行になるように設置されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の第の光ディスク原盤露光方法は、前記ビームとして遠紫外線のレーザ光を使用し、前記偏向器として電気光学素子により構成された偏向器を使用することを特徴とする。
【0020】
この方法によれば、偏向器から出射するレーザ光の揺れを、狭トラックピッチの場合でも十分に小さい範囲に抑制することが可能である。それにより、トラックピッチ精度を向上させ、トラッキングサーボの安定化が可能となる。トラックピッチが0.35μm以下である場合に、特に有効である。
【0021】
上記の方法において好ましくは、前記偏向器に入射する前の前記レーザ光を、音響光学素子を用いた変調器により、0次光から1次光の方向が前記トラックと平行になるように変調する構成とする。それにより、変調器で発生するレーザ光の揺れを、トラックピッチ精度と関係のない記録トラック方向とすることが可能となる。
【0022】
本発明の光ディスク原盤露光方法は、上記露光装置の発明それぞれ対応する特徴と作用効果を有する。本発明の原盤露光方法は、表面にフォトレジストが塗布された基板ディスクを回転させながら、前記フォトレジストを露光するためのビームを対物レンズにより前記フォトレジストに集光して、前記基板ディスク上に周方向のトラックを形成するための露光を行い、その際、前記ビームに偏向器を通過させて少なくとも一時的な偏向を伴わせる光ディスク原盤露光方法において、
前記偏向器に入射する前の前記ビーム光を、音響光学素子を用いた変調器であって、かつ所定方向に設置された変調器を通過させることにより、前記変調器から出射する0次光から1次光の方向が前記トラックと平行になるように変調することを特徴とする。
【0026】
本発明の第の光ディスク原盤露光装置は、前記ビーム源として遠紫外線のレーザ光源を、前記偏向器として電気光学素子により構成された偏向器を備える。
【0027】
この構成において好ましくは、前記偏向器に入射する前の前記ビーム光が通過する音響光学素子を用いた変調器を更に備え、前記変調器は、0次光から1次光の方向が前記トラックと平行になるように変調する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明及び本発明に関連する発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における光ディスク原盤露光装置を示すブロック図である。本実施の形態では、レーザ光を使用した光ディスク原盤露光装置について示す。
【0030】
図1の光ディスク原盤露光装置において、基板ディスク102を保持するターンテーブル104、および対物レンズ117を駆動する送り機構118およびフォーカス制御機構119は、図8に示した従来例の構成と同様である。また、レーザ光源105、パワーレギュレータ107、偏向器110、およびエキスパンダ116を含む光学系の構成も同様である。従ってそれらに関連する要素については、同一の符号を付して個々の説明は省略する。
【0031】
この光ディスク原盤露光装置には更に、偏向器110を通過したレーザ光106を、第一レーザ光112と第二レーザ光113に分割するビーム分割器111が設けられている。第一レーザ光112は、従来例と同様にエキスパンダ116に入射する。第二レーザ光113はビーム位置差分検出器114に入射する。ビーム位置差分検出器114は、第二レーザ光113の光路の現在位置と目標位置との差分を検出し、偏向信号補正器115に出力する。偏向信号補正器115は、第二レーザ光113の目標位置に対する差分信号に基づき、偏向信号109を補正するための信号を偏向信号源108に出力する。
【0032】
レーザ光源105として、ArイオンレーザのSHG(2次高調波)を使ったレーザが使用され、波長248nmのレーザ光106が放出される。基板ディスク102上に形成される溝は、集光されたレーザ光112のスポット径に依存し、集光されたレーザ光112のスポット径は、波長に比例しかつNAに反比例する。従って、レーザ波長を248nm、対物レンズのNAを0.9とすることで、溝のピッチを約0.35μmと高密度化した場合でも溝の形成が可能である。
【0033】
偏向器110によるレーザ光106の偏向は、基板ディスク102上で、周期約10μmの正弦波で、振り量約数十nmppになるよう行われる。エキスパンダ倍率が5倍、対物レンズ117の焦点距離が2mmである場合、数十nmppの振り量にするためには、レーザビームを数十から百数十μradppの角度で振る必要がある。正弦波の周期は記録再生時のマークの長さに依存し、振り量は溝再生時の再生WobbleC/Nに依存する。偏向は単純正弦波の他、アドレスを混在させた溝を形成するためにも行われ、この場合アドレス構造に合わせて蛇行の方法が変えられる。
【0034】
第一レーザ光112は、従来例におけるレーザ光106と同様に、基板ディスク102上のフォトレジスト101を露光するために使用される。第一レーザ光112は、エキスパンダ116により対物レンズ117の瞳径まで拡大される。ビーム径を拡大することにより、対物レンズ117のNAを十分利用することが可能となり、最小のスポット径に集光することができる。
【0035】
第二レーザ光113は、第一レーザ光112の光路を適正にするために用いられる。第二レーザ光113の光路の位置は、レーザ光106すなわち第一レーザ光112の光路の位置と所定の対応関係を有する。従って、第一レーザ光112の光路の現在位置と目標位置の差分を、第二レーザ光113の光路に基づいてビーム位置差分検出器114により間接的に検出することができる。
【0036】
ビーム位置差分検出器114の出力は、第二レーザ光113の入射位置と目標位置との対応関係が判るように設定されており、それにより、第二レーザ光113の現在の入射位置と目標位置の差分信号を検出する。ビーム位置差分検出器114の具体例としてPSD(Position Sensitive Detector)等のデバイスを使用することができ、PSD上に設定された目標位置と現在の入射位置の差分を計算する。検出された差分に基づいて、偏向信号補正器115により偏向信号109を補正する。
【0037】
ビーム位置差分検出器114と偏向信号補正器115は、明確に区別される要素である必要はない。すなわち、光ディスク原盤露光装置全体の機能のうち、第二レーザ光113の現在位置と目標位置の差分を検出する機能を提供する要素(の組み合わせ)が、ビーム位置差分検出器114として定義される。
【0038】
対物レンズ117は、送り機構118により基板ディスク102の面に沿って内周側から外周側、もしくは外周側から内周側へ移動する。それに伴い、基板ディスク102を載せたターンテーブル104は回転する。ここでは対物レンズ117が移動する場合に言及したが、基板ディスク102およびターンテーブル104を移動させてもよい。線速度一定記録、ゾーン内角速度一定記録等の、記録方法に合わせて回転制御機構103によりターンテーブル104の回転数を制御し、パワーレギュレータ107によりレーザパワーを制御する。露光中、対物レンズ117はフォーカス制御機構119により、基板ディスク102との間隔が一定に保たれる。これらの制御により基板ディスク102にスパイラル状の露光記録が行われる。
【0039】
図8に示した従来例の光ディスク原盤露光装置においては、レーザ光源105から偏向器110までに発生したレーザ光106の揺れが、そのまま基板ディスク102上でトラックピッチに影響を与えていた。これに対して本実施の形態においては、ビーム分割器111に至るまでの光路におけるレーザ光の揺れが補正される。それにより、従来のトラックピッチ精度が±30nmppであったのに対して、本実施の形態による精度は±20nmppへと向上した。以上の説明では、変調器が組み込まれておらず変調が行われない場合を例としているが、本発明に関連する発明は変調器を使用し変調が行われる場合に対しても適用できる。
【0040】
またビーム分割器111は、偏向器110の前や、その他いずれの位置に配置されてもよい。変調器が組み込まれた場合でも同様である。図2に、ビーム分割器111が、ミラー120cと対物レンズ117の間に配置された場合を示す。この場合、対物レンズ117に入射する前の全ての光路において生じるレーザ光の揺れが補正されるので、トラックピッチ精度が改善される効果は大きい。
【0041】
また溝の間隔が上述の約0.35μm以下に設定される場合に限らず、本発明に関連する発明はトラックピッチに依存することなく適用できる。但し、トラックピッチが狭くなるほどその効果も大きい。
【0042】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2における光ディスク原盤露光装置を示すブロック図である。実施の形態1と異なる点は、トラックピッチ精度の向上のために、レーザ光の揺れにより発生する成分に関して補正するのではなく、機構系により発生する成分に関して補正している点である。
【0043】
図3の光ディスク原盤露光装置において、基板ディスク102を保持するターンテーブル104、および対物レンズ117を駆動するフォーカス制御機構119は、図8に示した従来例の構成と同様である。また、レーザ光源105、パワーレギュレータ107、偏向器110、およびエキスパンダ116を含む光学系の構成も同様である。従ってそれらに関連する要素については、同一の符号を付して個々の説明は省略する。
【0044】
この装置は、偏向信号源108が出力する偏向信号109を、中心間距離差分検出器202と偏向信号補正器203により補正するように構成されている。また、ターンテーブル位置ずれ検出器204を有し、その出力により中心間距離差分検出器202の出力が補正される。
【0045】
露光の処理において、対物レンズ117は、ターンテーブル104の回転に応じて径方向に送り機構201により移送され、それにより、レーザ光106が基板ディスク102上を径方向に移動する。適正なトラックを形成するために、対物レンズ117の移送距離は、ターンテーブル104の回転量との間に所定の関係が維持されなければならない。従って、対物レンズ117と基板ディスク102の中心間距離が、露光の開始からの経過時間に応じた目標値に合致するように、対物レンズ117の移送が高精度で行われる。しかしながら、その移送距離における僅かな誤差が、上述のようにトラックピッチに要求される精度が極めて高くなるに伴い、無視できない程度になってきた。従って本実施の形態では、基板ディスク102の径方向に移動するレーザ光106が、常に基板ディスク102上の適正位置に入射するように、以下の制御が行われる。
【0046】
送り機構201では、対物レンズ117を基板ディスク102の径方向に内側から外側、もしくは外側から内側へ移動させる間、対物レンズ117の現在位置が検出される。その検出信号が入力された中心間距離差分検出器202は、予め設定された対物レンズ117の位置の検出信号と基板ディスク102の中心位置との対応に基づいて、対物レンズ117と基板ディスク102の中心間距離の現在値と目標値の差分を検出する。偏向信号補正器203は、その差分信号に基づいて、偏向信号109を補正するための信号を偏向信号源108に供給する。偏向器110が、補正された偏向信号109に基づいてレーザ光106を偏向させることにより、基板ディスク102上でのレーザ光106入射位置の適正位置からのずれが補正される。
【0047】
中心間距離の検出は、例えば対物レンズ117が移動し基板ディスク102が回転する系では、対物レンズ117の移動位置をレーザスケール等により測定することにより行う。対物レンズ117の移動位置をレーザスケールにより測定する場合の、中心間距離差分検出器202の構成の例について、図4AおよびBを参照して説明する。
【0048】
図4Aにおいて、レーザスケール208は送り機構201の近傍に配置されて、対物レンズ117の位置を検出する。中心間距離差分検出器202は、カウンタ205、比較器206、およびD/A変換器207から構成される。カウンタ205にはクロック信号が供給され、露光の開始からカウントを開始する。カウンタ205の出力は比較器206の一方の入力として供給される。比較器206の他方の入力として、レーザスケール208の出力が供給される。比較器206の出力はD/A変換器207によりD/A変換されて、中心間距離差分検出器202の出力となる。
【0049】
カウンタ205の出力値は、レーザスケール208の出力値と所定の関係を持つように設定される。すなわち、カウンタ205の出力値は、露光の開始からの経過時間に応じた、対物レンズ117と基板ディスク102の中心間距離の目標値に対応し、図4Bに直線L1で示される。レーザスケール208の出力値は、対物レンズ117が適正な位置にあれば、直線L1と合致する。実際には誤差を生じるため、レーザスケール208の出力値は、図4Bに曲線L2で示される状態になる。但し、直線L1、曲線L2ともにデジタル値であり、実際には階段状の線になるが、理解を容易にするために、図4Bにはアナログ値のように示した。図4Bに横軸の時間で表される各時点における、直線L1と曲線L2の差が、トラックの蛇行を考慮しない状態での、対物レンズ117と基板ディスク102の中心間距離の現在値と目標値の差分を表す。
【0050】
図3の構成におけるターンテーブル位置ずれ検出器204は、対物レンズ117の移動方向におけるターンテーブル104の位置のずれを測定する。その位置ずれは、基板ディスク102に対する対物レンズ117の位置の誤差成分となるので、トラックピッチの精度をより高めるために、ターンテーブル位置ずれ検出器204の出力は中心間距離差分検出器202に入力され、差分信号の補正に用いられる。ターンテーブル位置ずれ検出器204は、例えば静電容量センサを用いて構成することができる。
【0051】
以上のように、レーザ光106の基板ディスク102上での入射位置のずれを補正しながら、線速度一定記録、ゾーン内角速度一定記録等の記録方法に合わせて、回転制御機構103によりターンテーブル104の回転数を制御する。また、パワーレギュレータ107によりレーザパワーを制御する。これらの制御に基づいて、基板ディスク102にスパイラル状の露光記録が行われる。
【0052】
なお、対物レンズ117と基板ディスク102の中心間距離とは、対物レンズ117と基板ディスク102の距離関係を意味し、中心間距離を直接検出することを必須とするわけではない。すなわち、レーザ光106の基板ディスク102上での入射位置を間接的に知るために、何らかの状態で対物レンズ117と基板ディスク102の距離関係を検出できればよい。また、対物レンズ117を移動させる代わりに、基板ディスク102を移動させてもよい。そのときは基板ディスク102の位置を測定し、固定された対物レンズ117との中心間距離を検出する。
【0053】
本実施の形態により、以下のようにトラックピッチ精度を向上させることが可能であった。すなわち、従来ではトラックピッチ精度が±30nmppであったものが、±15nmppに半減した。本実施の形態によれば、レーザ光を偏向することによって、機構系によるトラックピッチ精度の限界を越えたトラックピッチ精度を得ることが可能となる。
【0054】
本実施の形態では、変調を行わず、変調器が組み込まれていない装置について説明されたが、本発明に関連する発明は、変調器を使用して変調を行っている場合に対しても適用される。また、レーザ光源105に代えて電子線を用いた露光にも、本発明に関連する発明を適用できる。その場合は、エキスパンダ116は必要なく、また基板ディスクはガラス基板ではなくシリコン基板等を用いることができる。
【0055】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態4における光ディスク原盤露光装置を示すブロック図である。この光ディスク原盤露光装置は、各要素の組み合わせによる構成は、図8の従来例と同様である。従って同様の要素については、同一の符号を付して個々の説明は省略する。
【0056】
本実施の形態においては、遠紫外線のレーザ光源105が用いられ、偏向器301は、従来の音響光学素子に代えて電気光学素子を用いて構成されている。
【0057】
従来の音響光学素子を用いた偏向器では駆動周波数に変動があるため、偏向方向が不安定であり、偏向器から出射するレーザ光は揺れを生じていた。そのためトラックピッチの精度が低下していた。レーザ光の揺れはトラックピッチが狭くなったときに相対的に大きくなり、そのためプッシュプルトラッキングエラー信号の変動が大きくなっていた。これに対して、電気光学効果を用いた偏向器301ではレーザ光の揺れが小さく、狭トラックピッチの場合でも揺れを十分に小さい範囲に抑制することが可能である。
【0058】
従って電気光学素子を用いた偏向器301は、基板ディスクに形成される案内溝の間隔が約0.35μm以下の場合に特に適している。グルーブもしくはランドのみに記録する記録方式の場合、約0.35μm以下の案内溝の間隔は、1層当たり約25GB以上の容量の光ディスクに相当する。
【0059】
図6は、トラックピッチに対するプッシュプルトラッキングエラー信号の変動値の関係を示す。グルーブまたはランドのみに記録する記録方式を用い、溝の深さは22nmとした。再生の光学系は、波長405nm、対物レンズのNAは0.85として測定を行った。曲線aは音響光学素子を用いた偏向器A、曲線bは音響光学素子を用いた偏向器B、曲線cは電気光学素子を用いた偏向器Cの場合を示す。偏向器Aは駆動周波数が400MHz、偏向器Bは200MHzである。
【0060】
音響光学素子を用いた偏向器A、あるいはBでは、どちらの場合でも、トラックピッチを0.35μm以下にしたとき、変動量が2dBを超える。変動量が2dBを超えると、トラッキングサーボが不安定、もしくはかからなかった。従来のようにトラックピッチが0.62um程度の場合、変動量が少なく問題が無かったが、トラックピッチが狭くなったことにより、影響が大きく出ていることが分かる。つまり大容量、高密度化のためトラックピッチを0.35μm以下としたとき、従来の音響光学素子を用いた偏向器では、トラッキングが十分機能しなかった。
【0061】
プッシュプルトラッキングエラー信号の変動量は、上述のように2dB以下でなければならず、そのためトラックピッチ精度も十分高くなければならない。変動量が2dB以下であるならば、大容量、高密度化してもトラッキングサーボが安定にかかり、DVDと同等のトラッキングサーボが可能である。本実施の形態によれば、電気光学効果を用いた偏向器を設けることによって、狭トラックピッチの場合でもプッシュプルトラッキングエラー信号の振幅変動を抑制することが可能となり、安定したトラッキングサーボを実現することが出来る。
【0062】
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4における光ディスク原盤露光装置を示すブロック図である。この装置は、図6に示した実施の形態3の装置に、更に変調器401が設けられた構成を有する。
【0063】
パワーレギュレータ107を通過した後のレーザ光106に対して、変調器401により変調が施される。変調器401としては、音響光学素子を用いたものを使用する。これは以下の理由による。音響光学素子ではなく電気光学素子を用いた変調器では、バイアスコントロール用の余分なパワーが必要である。しかも波長300nm以下ではディテクターの感度が低下するため、バイアスコントロール用に分けるパワーを強くする必要がある。そのため全体としての透過率が低くなるという欠点がある。音響光学素子を用いた変調器401の場合、そのような欠点はない。
【0064】
変調器401の設置方向は、変調器401から出射される0次光から1次光の方向が記録トラックと平行となるように設定する。それにより、0次光から1次光の方向がトラックピッチ精度に与える影響を排除することができる。
【0065】
従来の音響光学素子による偏向を用いた装置では、変調器の0次光から1次光の方向が偏向器による偏向の方向と一致していたため、変調器で発生するビームの揺れが直接トラックピッチの変動の要因となっていた。しかし本実施の形態によれば、偏向用に電気光学素子を用いた偏向器301を使用することで、変調器で発生するビームの揺れの方向を、トラックピッチ精度を悪化させないように記録トラックと平行にすることができる。従って、プッシュプルトラッキングエラー信号の変動を抑制し、狭いトラックピッチの場合でもトラッキングサーボが適切に動作可能となる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、再生クロック生成用の蛇行した溝を形成するための偏向器を利用して、基板ディスクに至る光路中に介在する光学素子に起因して発生するビームの揺れを補正すること等により、狭トラックピッチの光ディスク原盤に適用可能な高精度をもって、基板ディスク上の露光用ビームの位置を制御可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における光ディスク原盤露光装置を示すブロック図
【図2】 実施の形態1における光ディスク原盤露光装置の他の例を示すブロック図
【図3】 実施の形態2における光ディスク原盤露光装置を示すブロック図
【図4A】 図3の光ディスク原盤露光装置における要部の構成の具体例を示すブロック図
【図4B】 図4Aの構成による動作を示す図
【図5】 実施の形態3における光ディスク原盤露光装置を示すブロック図
【図6】 トラックピッチとプッシュプルトラッキングエラー信号の変動量の関係を示す図
【図7】 実施の形態4における光ディスク原盤露光装置を示すブロック図
【図8】 従来例の光ディスク原盤露光装置を示すブロック図
【符号の説明】
101 フォトレジスト
102 基板ディスク
103 回転制御機構
104 ターンテーブル
105 レーザ光源
106 レーザ光
107 パワーレギュレータ
108 偏向信号源
109 偏向信号
110 偏向器
111 ビーム分割器
112 第一レーザ光
113 第二レーザ光
114 ビーム位置差分検出器
115 偏向信号補正器
116 エキスパンダ
117 対物レンズ
118 送り機構
119 フォーカス制御機構
120a、120b、120c ミラー
201 送り機構
202 中心間距離差分検出器
203 偏向信号補正器
204 ターンテーブル位置ずれ検出器
205 カウンタ
206 比較器
207 D/A変換器
208 レーザスケール
301 偏向器
401 変調器

Claims (6)

  1. 表面にフォトレジストが塗布された基板ディスクを回転させるためのターンテーブルと、前記フォトレジストを露光するためのビームを出射するビーム源と、前記ビームを偏向する偏向器と、前記偏向器に前記ビームを偏向するための偏向信号を供給する偏向信号源と、前記偏向器を通過した後の前記ビームを前記フォトレジストに集光する対物レンズと、前記ビームを前記基板ディスクの径方向に移動させる送り機構とを備え、前記基板ディスク上に周方向のトラックを形成するための露光を行う光ディスク原盤露光装置において
    前記偏向器に入射する前の前記ビーム光が通過する音響光学素子を用いた変調器を更に備え、前記変調器は、前記変調器から出射する0次光から1次光の方向が前記トラックと平行になるように設置されていることを特徴とする光ディスク原盤露光装置。
  2. 前記ビーム源が遠紫外線のレーザ光源であり、前記偏向器が電気光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク原盤露光装置。
  3. トラックピッチが略0.35μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク原盤露光装置。
  4. 表面にフォトレジストが塗布された基板ディスクを回転させながら、前記フォトレジストを露光するためのビームを対物レンズにより前記フォトレジストに集光して、前記基板ディスク上に周方向のトラックを形成するための露光を行い、その際、前記ビームに偏向器を通過させて少なくとも一時的な偏向を伴わせる光ディスク原盤露光方法において、
    前記偏向器に入射する前の前記ビーム光を、音響光学素子を用いた変調器であって、かつ所定方向に設置された変調器を通過させることにより、前記変調器から出射する0次光から1次光の方向が前記トラックと平行になるように変調することを特徴とする光ディスク原盤露光方法。
  5. 前記ビーム源が遠紫外線のレーザ光源であり、前記偏向器が電気光学素子であることを特徴とする請求項4に記載の光ディスク原盤露光方法。
  6. トラックピッチが略0.35μm以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の光ディスク原盤露光方法。
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