JP2003141759A - 光ディスク原盤露光方法および原盤露光装置 - Google Patents
光ディスク原盤露光方法および原盤露光装置Info
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Abstract
能な高精度をもって、基板ディスク上の露光用ビームの
位置を制御可能な光ディスク原盤露光方法、および露光
装置を提供する。 【解決手段】 表面にフォトレジスト101が塗布さ
れた基板ディスク102を回転させながら、フォトレジ
ストを露光するためのビーム106を対物レンズ117
によりフォトレジストに集光して、基板ディスク上に周
方向のトラックを形成するための露光を行う。その際、
ビームに偏向器110を通過させて少なくとも一時的な
偏向を伴わせる。偏向器を通過した後のビームを第一ビ
ーム112と第二ビーム113に分割し、第一ビームを
フォトレジスト上に集光する。第二ビームの光路につい
て現在位置と目標位置の差分を検出し、差分に基づき、
第二ビームの光路が目標位置に位置するように偏向器の
偏向動作を補正する。
Description
方法、および光ディスク原盤露光装置に関する。
する情報量の拡大化に伴い、データアクセスの容易さ、
大容量データの蓄積、機器の小型化に優れる光ディスク
が注目されている。光ディスクには、再生専用型光ディ
スク、追記型光ディスク、記録再生型光ディスクがあ
り、記録再生型光ディスクとしては相変化型光ディスク
や光磁気型ディスク等が存在し、CD、DVD、MOな
どと呼ばれ、様々な用途に実用化されている。
れたスパイラル状の凹凸ピット列に再生用の光を照射
し、戻り光強度の変化によりピットの有無、長さを検出
することにより再生が行われる。
イラル状に、凹凸の溝または溝とピットが形成されてい
る。溝または溝とピットには、アドレスが何らかの形で
形成されており、記録再生時にこのアドレスにより位置
を特定する。また記録再生型の光ディスクには、溝部ま
たはランド部のみに記録する方式と、溝部およびランド
部ともに記録する方式がある。記録方式の違いにより、
溝幅、溝間隔が異なる。記録あるいは再生は、溝部また
はランド部に形成された記録膜に記録マークを形成する
ことによって行われる。例えば相変化型光ディスクであ
れば、記録膜として相変化記録膜を用いる。相変化記録
膜はその相状態により、記録再生光に対する屈折率が変
化する物質からなる。相状態の変化は、記録再生光照射
時の照射時間、強度を変化させて記録膜の冷却速度を変
化させることにより得られる。相変化記録膜を使用した
記録再生型の光ディスクでは、例えば溝部に相変化記録
膜を形成し、相変化記録膜に相の異なるマークを形成す
ることにより記録再生が行われる。
より、約650MBのCDから約5GBのDVDへと容
量を拡大してきている。特に記録再生型光ディスクにつ
いてはテープメディアの代替としての役割が期待され、
DVD−RAMでは約5GBの容量を実現している。約
5GBは、平均転送レート約5Mbpsで約2時間の容
量であり、平均転送レート約5MbpsはMPEG2と
呼ばれる圧縮方式では通常画質の映像にほぼ相当する。
市場では、より高画質、高精細な映像を約2時間記録す
るための光ディスクが要望されている。容量の拡大は光
ディスクの多層化、記録面密度の向上、フォーマット効
率の向上等によって行われる。記録面密度に着目する
と、DVD−RAMではトラックピッチ約0.615μ
m、最短マーク長0.42μmが実現されている。
は、トラックピッチの狭小化や、マーク長の短小化を更
に進める必要がある。高画質高精細な映像を2時間以上
記録するためには、約25GBが必要であるとされる。
DVDと比較して約5倍の高密度化になるため、再生系
のビームのスポットサイズは0.44倍以下とすること
が必要である。このためピット長、トラックピッチもそ
れに対応して、DVD換算で、最短ピット長を約0.1
8μm、トラックピッチを約0.35μm以下とする必
要がある。
シュプルトラッキングエラー信号の振幅が小さくなる。
従って、上記のようにトラックピッチが狭くなると、そ
れに伴いプッシュプルトラッキングエラー信号は急激に
減少する。従ってトラッキングサーボがかかり難くな
り、また外れ易くなる。そのため、トラックピッチを狭
くするほど、厳密なトラックピッチ精度が要求される。
示す。フォトレジスト101が塗布されたガラス製の基
板ディスク102が、光ディスク原盤を作成するための
露光に供される。基板ディスク102は、回転制御機構
103を有するターンテーブル104に保持される。
106は、パワーレギュレータ107によりパワーを調
整される。次にレーザ光106は音響光学素子を用いた
偏向器110により、偏向信号源108から出力される
偏向信号109に基づき偏向される。偏向器110によ
る偏向は、再生クロック生成用の蛇行した溝を形成する
ために行われる。偏向されたレーザ光106は、エキス
パンダ116によりビーム径を拡大され、ミラー120
a、120b、120cを経て、対物レンズ117によ
り、基板ディスク102上のフォトレジスト101に集
光される。対物レンズ117は、送り機構118により
基板ディスク102の径方向に移動させられる。対物レ
ンズ117はまた、フォーカス制御機構119により、
基板ディスク102との距離が常に一定に保たれる。
レーザ光106の光路に配置された光学素子に起因して
レーザ光106のビームに揺れが発生し、それにより、
基板ディスク102に形成されるトラックのピッチ精度
が低下する。また、送り機構118の送り精度の限界に
起因するトラックピッチ精度の限界も存在する。
いては、従来の技術においては問題として認識されるこ
とはなかった。しかしながら、上述の程度にトラックピ
ッチが狭くなると、トラックピッチ精度がトラッキング
サーボに与える影響が極めて大きくなるため、上記のよ
うなトラックピッチ精度の低下を抑制することが、トラ
ックの狭小化を進める上で重要な課題である。
の光ディスク原盤に適用可能な高精度をもって、基板デ
ィスク上の露光用ビームの位置を制御可能な光ディスク
原盤露光方法、および露光装置を提供することである。
露光方法は、表面にフォトレジストが塗布された基板デ
ィスクを回転させながら、前記フォトレジストを露光す
るためのビームを対物レンズにより前記フォトレジスト
に集光して、前記基板ディスク上に周方向のトラックを
形成するための露光を行い、その際、前記ビームに偏向
器を通過させて少なくとも一時的な偏向を伴わせる方法
を改善したものである。
は、前記偏向器を通過した後の前記ビームを第一ビーム
と第二ビームに分割し、前記第一ビームを前記フォトレ
ジスト上に集光し、前記第二ビームの光路について現在
位置と目標位置の差分を検出し、前記差分に基づき、前
記第二ビームの光路が目標位置に位置するように前記偏
向器の偏向動作を補正することを特徴とする。
蛇行した溝を形成するための偏向器を利用して、基板デ
ィスクに至る光路中に介在する光学素子に起因して発生
するビームの揺れを補正することにより、トラックピッ
チ精度を向上させることが可能となる。
は、前記対物レンズと前記基板ディスクの中心間距離の
現在値と目標値の差分を検出し、前記差分に基づき、前
記ビームが前記基板ディスク上の目標位置に入射するよ
うに前記偏向器の偏向動作を補正することを特徴とす
る。
対物レンズの移送の誤差をビームの偏向で補正すること
によって、機構系の限界を超えてトラックピッチ精度を
向上させることが可能となる。
ンズの移動方向における前記基板ディスクの正規位置か
らの位置のずれを検出し、その検出結果により前記差分
の値を補正する。それにより、基板ディスクの位置ずれ
によるトラックピッチ精度への影響を抑制することがで
きる。
は、前記ビームとして遠紫外線のレーザ光を使用し、前
記偏向器として電気光学素子により構成された偏向器を
使用することを特徴とする。
ーザ光の揺れを、狭トラックピッチの場合でも十分に小
さい範囲に抑制することが可能である。それにより、ト
ラックピッチ精度を向上させ、トラッキングサーボの安
定化が可能となる。トラックピッチが0.35μm以下
である場合に、特に有効である。
器に入射する前の前記レーザ光を、音響光学素子を用い
た変調器により、0次光から1次光の方向が前記トラッ
クと平行になるように変調する構成とする。それによ
り、変調器で発生するレーザ光の揺れを、トラックピッ
チ精度と関係のない記録トラック方向とすることが可能
となる。
上記露光方法の発明を実施するために用いられ、それぞ
れ対応する特徴と作用効果を有する。本発明の装置は共
通の基本構成として、表面にフォトレジストが塗布され
た基板ディスクを回転させるためのターンテーブルと、
前記フォトレジストを露光するためのビームを出射する
ビーム源と、前記ビームを偏向する偏向器と、前記偏向
器に前記ビームを偏向するための偏向信号を供給する偏
向信号源と、前記偏向器を通過した後の前記ビームを前
記フォトレジストに集光する対物レンズと、前記ビーム
を前記基板ディスクの径方向に移動させる送り機構とを
備え、前記基板ディスク上に周方向のトラックを形成す
るための露光を行うものである。
は、前記偏向器を通過した後の前記ビームを第一ビーム
と第二ビームに分割するビーム分割器と、前記第二ビー
ムの光路について現在位置と目標位置の差分を検出する
ビーム位置差分検出器と、前記ビーム位置差分検出器か
ら出力される信号に基づき、前記第二ビームの光路が前
記目標位置に位置するように前記偏向信号を補正する偏
向信号補正器とを更に備え、前記第一ビームは前記対物
レンズに至る光路に導かれる。
は、前記対物レンズと前記基板ディスクの中心間距離の
現在値と目標値の差分を検出する中心間距離差分検出器
と、前記中心間距離差分検出器から出力される信号に基
づき前記ビームが前記基板ディスク上の目標位置に入射
するように前記偏向信号を補正する偏向信号補正器とを
更に備える。
ンズの移動方向における前記ターンテーブルの正規位置
からの位置のずれを検出して前記中心間距離差分検出器
に供給するターンテーブル位置ずれ検出器を更に備え、
前記中心間距離差分検出器は、前記ターンテーブル位置
ずれ検出器の出力に基づき前記差分の値を補正する構成
とする。
は、前記ビーム源として遠紫外線のレーザ光源を、前記
偏向器として電気光学素子により構成された偏向器を備
える。
に入射する前の前記ビーム光が通過する音響光学素子を
用いた変調器を更に備え、前記変調器は、0次光から1
次光の方向が前記トラックと平行になるように変調す
る。
て図面を参照しながら詳細に説明する。
ける光ディスク原盤露光装置を示すブロック図である。
本実施の形態では、レーザ光を使用した光ディスク原盤
露光装置について示す。
基板ディスク102を保持するターンテーブル104、
および対物レンズ117を駆動する送り機構118およ
びフォーカス制御機構119は、図8に示した従来例の
構成と同様である。また、レーザ光源105、パワーレ
ギュレータ107、偏向器110、およびエキスパンダ
116を含む光学系の構成も同様である。従ってそれら
に関連する要素については、同一の符号を付して個々の
説明は省略する。
向器110を通過したレーザ光106を、第一レーザ光
112と第二レーザ光113に分割するビーム分割器1
11が設けられている。第一レーザ光112は、従来例
と同様にエキスパンダ116に入射する。第二レーザ光
113はビーム位置差分検出器114に入射する。ビー
ム位置差分検出器114は、第二レーザ光113の光路
の現在位置と目標位置との差分を検出し、偏向信号補正
器115に出力する。偏向信号補正器115は、第二レ
ーザ光113の目標位置に対する差分信号に基づき、偏
向信号109を補正するための信号を偏向信号源108
に出力する。
ザのSHG(2次高調波)を使ったレーザが使用され、
波長248nmのレーザ光106が放出される。基板デ
ィスク102上に形成される溝は、集光されたレーザ光
112のスポット径に依存し、集光されたレーザ光11
2のスポット径は、波長に比例しかつNAに反比例す
る。従って、レーザ波長を248nm、対物レンズのN
Aを0.9とすることで、溝のピッチを約0.35μm
と高密度化した場合でも溝の形成が可能である。
は、基板ディスク102上で、周期約10μmの正弦波
で、振り量約数十nmppになるよう行われる。エキス
パンダ倍率が5倍、対物レンズ117の焦点距離が2m
mである場合、数十nmppの振り量にするためには、
レーザビームを数十から百数十μradppの角度で振
る必要がある。正弦波の周期は記録再生時のマークの長
さに依存し、振り量は溝再生時の再生WobbleC/
Nに依存する。偏向は単純正弦波の他、アドレスを混在
させた溝を形成するためにも行われ、この場合アドレス
構造に合わせて蛇行の方法が変えられる。
ーザ光106と同様に、基板ディスク102上のフォト
レジスト101を露光するために使用される。第一レー
ザ光112は、エキスパンダ116により対物レンズ1
17の瞳径まで拡大される。ビーム径を拡大することに
より、対物レンズ117のNAを十分利用することが可
能となり、最小のスポット径に集光することができる。
2の光路を適正にするために用いられる。第二レーザ光
113の光路の位置は、レーザ光106すなわち第一レ
ーザ光112の光路の位置と所定の対応関係を有する。
従って、第一レーザ光112の光路の現在位置と目標位
置の差分を、第二レーザ光113の光路に基づいてビー
ム位置差分検出器114により間接的に検出することが
できる。
二レーザ光113の入射位置と目標位置との対応関係が
判るように設定されており、それにより、第二レーザ光
113の現在の入射位置と目標位置の差分信号を検出す
る。ビーム位置差分検出器114の具体例としてPSD
(Position Sensitive Detector)等のデバイスを使用
することができ、PSD上に設定された目標位置と現在
の入射位置の差分を計算する。検出された差分に基づい
て、偏向信号補正器115により偏向信号109を補正
する。
正器115は、明確に区別される要素である必要はな
い。すなわち、光ディスク原盤露光装置全体の機能のう
ち、第二レーザ光113の現在位置と目標位置の差分を
検出する機能を提供する要素(の組み合わせ)が、ビー
ム位置差分検出器114として定義される。
り基板ディスク102の面に沿って内周側から外周側、
もしくは外周側から内周側へ移動する。それに伴い、基
板ディスク102を載せたターンテーブル104は回転
する。ここでは対物レンズ117が移動する場合に言及
したが、基板ディスク102およびターンテーブル10
4を移動させてもよい。線速度一定記録、ゾーン内角速
度一定記録等の、記録方法に合わせて回転制御機構10
3によりターンテーブル104の回転数を制御し、パワ
ーレギュレータ107によりレーザパワーを制御する。
露光中、対物レンズ117はフォーカス制御機構119
により、基板ディスク102との間隔が一定に保たれ
る。これらの制御により基板ディスク102にスパイラ
ル状の露光記録が行われる。
装置においては、レーザ光源105から偏向器110ま
でに発生したレーザ光106の揺れが、そのまま基板デ
ィスク102上でトラックピッチに影響を与えていた。
これに対して本実施の形態においては、ビーム分割器1
11に至るまでの光路におけるレーザ光の揺れが補正さ
れる。それにより、従来のトラックピッチ精度が±30
nmppであったのに対して、本実施の形態による精度
は±20nmppへと向上した。以上の説明では、変調
器が組み込まれておらず変調が行われない場合を例とし
ているが、本発明は変調器を使用し変調が行われる場合
に対しても適用できる。
の前や、その他いずれの位置に配置されてもよい。変調
器が組み込まれた場合でも同様である。図2に、ビーム
分割器111が、ミラー120cと対物レンズ117の
間に配置された場合を示す。この場合、対物レンズ11
7に入射する前の全ての光路において生じるレーザ光の
揺れが補正されるので、トラックピッチ精度が改善され
る効果は大きい。
に設定される場合に限らず、本発明はトラックピッチに
依存することなく適用できる。但し、トラックピッチが
狭くなるほどその効果も大きい。
おける光ディスク原盤露光装置を示すブロック図であ
る。実施の形態1と異なる点は、トラックピッチ精度の
向上のために、レーザ光の揺れにより発生する成分に関
して補正するのではなく、機構系により発生する成分に
関して補正している点である。
基板ディスク102を保持するターンテーブル104、
および対物レンズ117を駆動するフォーカス制御機構
119は、図8に示した従来例の構成と同様である。ま
た、レーザ光源105、パワーレギュレータ107、偏
向器110、およびエキスパンダ116を含む光学系の
構成も同様である。従ってそれらに関連する要素につい
ては、同一の符号を付して個々の説明は省略する。
偏向信号109を、中心間距離差分検出器202と偏向
信号補正器203により補正するように構成されてい
る。また、ターンテーブル位置ずれ検出器204を有
し、その出力により中心間距離差分検出器202の出力
が補正される。
は、ターンテーブル104の回転に応じて径方向に送り
機構201により移送され、それにより、レーザ光10
6が基板ディスク102上を径方向に移動する。適正な
トラックを形成するために、対物レンズ117の移送距
離は、ターンテーブル104の回転量との間に所定の関
係が維持されなければならない。従って、対物レンズ1
17と基板ディスク102の中心間距離が、露光の開始
からの経過時間に応じた目標値に合致するように、対物
レンズ117の移送が高精度で行われる。しかしなが
ら、その移送距離における僅かな誤差が、上述のように
トラックピッチに要求される精度が極めて高くなるに伴
い、無視できない程度になってきた。従って本実施の形
態では、基板ディスク102の径方向に移動するレーザ
光106が、常に基板ディスク102上の適正位置に入
射するように、以下の制御が行われる。
基板ディスク102の径方向に内側から外側、もしくは
外側から内側へ移動させる間、対物レンズ117の現在
位置が検出される。その検出信号が入力された中心間距
離差分検出器202は、予め設定された対物レンズ11
7の位置の検出信号と基板ディスク102の中心位置と
の対応に基づいて、対物レンズ117と基板ディスク1
02の中心間距離の現在値と目標値の差分を検出する。
偏向信号補正器203は、その差分信号に基づいて、偏
向信号109を補正するための信号を偏向信号源108
に供給する。偏向器110が、補正された偏向信号10
9に基づいてレーザ光106を偏向させることにより、
基板ディスク102上でのレーザ光106入射位置の適
正位置からのずれが補正される。
17が移動し基板ディスク102が回転する系では、対
物レンズ117の移動位置をレーザスケール等により測
定することにより行う。対物レンズ117の移動位置を
レーザスケールにより測定する場合の、中心間距離差分
検出器202の構成の例について、図4AおよびBを参
照して説明する。
送り機構201の近傍に配置されて、対物レンズ117
の位置を検出する。中心間距離差分検出器202は、カ
ウンタ205、比較器206、およびD/A変換器20
7から構成される。カウンタ205にはクロック信号が
供給され、露光の開始からカウントを開始する。カウン
タ205の出力は比較器206の一方の入力として供給
される。比較器206の他方の入力として、レーザスケ
ール208の出力が供給される。比較器206の出力は
D/A変換器207によりD/A変換されて、中心間距
離差分検出器202の出力となる。
ル208の出力値と所定の関係を持つように設定され
る。すなわち、カウンタ205の出力値は、露光の開始
からの経過時間に応じた、対物レンズ117と基板ディ
スク102の中心間距離の目標値に対応し、図4Bに直
線L1で示される。レーザスケール208の出力値は、
対物レンズ117が適正な位置にあれば、直線L1と合
致する。実際には誤差を生じるため、レーザスケール2
08の出力値は、図4Bに曲線L2で示される状態にな
る。但し、直線L1、曲線L2ともにデジタル値であ
り、実際には階段状の線になるが、理解を容易にするた
めに、図4Bにはアナログ値のように示した。図4Bに
横軸の時間で表される各時点における、直線L1と曲線
L2の差が、トラックの蛇行を考慮しない状態での、対
物レンズ117と基板ディスク102の中心間距離の現
在値と目標値の差分を表す。
れ検出器204は、対物レンズ117の移動方向におけ
るターンテーブル104の位置のずれを測定する。その
位置ずれは、基板ディスク102に対する対物レンズ1
17の位置の誤差成分となるので、トラックピッチの精
度をより高めるために、ターンテーブル位置ずれ検出器
204の出力は中心間距離差分検出器202に入力さ
れ、差分信号の補正に用いられる。ターンテーブル位置
ずれ検出器204は、例えば静電容量センサを用いて構
成することができる。
スク102上での入射位置のずれを補正しながら、線速
度一定記録、ゾーン内角速度一定記録等の記録方法に合
わせて、回転制御機構103によりターンテーブル10
4の回転数を制御する。また、パワーレギュレータ10
7によりレーザパワーを制御する。これらの制御に基づ
いて、基板ディスク102にスパイラル状の露光記録が
行われる。
02の中心間距離とは、対物レンズ117と基板ディス
ク102の距離関係を意味し、中心間距離を直接検出す
ることを必須とするわけではない。すなわち、レーザ光
106の基板ディスク102上での入射位置を間接的に
知るために、何らかの状態で対物レンズ117と基板デ
ィスク102の距離関係を検出できればよい。また、対
物レンズ117を移動させる代わりに、基板ディスク1
02を移動させてもよい。そのときは基板ディスク10
2の位置を測定し、固定された対物レンズ117との中
心間距離を検出する。
クピッチ精度を向上させることが可能であった。すなわ
ち、従来ではトラックピッチ精度が±30nmppであ
ったものが、±15nmppに半減した。本実施の形態
によれば、レーザ光を偏向することによって、機構系に
よるトラックピッチ精度の限界を越えたトラックピッチ
精度を得ることが可能となる。
が組み込まれていない装置について説明されたが、本発
明は、変調器を使用して変調を行っている場合に対して
も適用される。また、レーザ光源105に代えて電子線
を用いた露光にも、本発明を適用できる。その場合は、
エキスパンダ116は必要なく、また基板ディスクはガ
ラス基板ではなくシリコン基板等を用いることができ
る。
おける光ディスク原盤露光装置を示すブロック図であ
る。この光ディスク原盤露光装置は、各要素の組み合わ
せによる構成は、図8の従来例と同様である。従って同
様の要素については、同一の符号を付して個々の説明は
省略する。
ザ光源105が用いられ、偏向器301は、従来の音響
光学素子に代えて電気光学素子を用いて構成されてい
る。
動周波数に変動があるため、偏向方向が不安定であり、
偏向器から出射するレーザ光は揺れを生じていた。その
ためトラックピッチの精度が低下していた。レーザ光の
揺れはトラックピッチが狭くなったときに相対的に大き
くなり、そのためプッシュプルトラッキングエラー信号
の変動が大きくなっていた。これに対して、電気光学効
果を用いた偏向器301ではレーザ光の揺れが小さく、
狭トラックピッチの場合でも揺れを十分に小さい範囲に
抑制することが可能である。
は、基板ディスクに形成される案内溝の間隔が約0.3
5μm以下の場合に特に適している。グルーブもしくは
ランドのみに記録する記録方式の場合、約0.35μm
以下の案内溝の間隔は、1層当たり約25GB以上の容
量の光ディスクに相当する。
プルトラッキングエラー信号の変動値の関係を示す。グ
ルーブまたはランドのみに記録する記録方式を用い、溝
の深さは22nmとした。再生の光学系は、波長405
nm、対物レンズのNAは0.85として測定を行っ
た。曲線aは音響光学素子を用いた偏向器A、曲線bは
音響光学素子を用いた偏向器B、曲線cは電気光学素子
を用いた偏向器Cの場合を示す。偏向器Aは駆動周波数
が400MHz、偏向器Bは200MHzである。
Bでは、どちらの場合でも、トラックピッチを0.35
μm以下にしたとき、変動量が2dBを超える。変動量
が2dBを超えると、トラッキングサーボが不安定、も
しくはかからなかった。従来のようにトラックピッチが
0.62um程度の場合、変動量が少なく問題が無かっ
たが、トラックピッチが狭くなったことにより、影響が
大きく出ていることが分かる。つまり大容量、高密度化
のためトラックピッチを0.35μm以下としたとき、
従来の音響光学素子を用いた偏向器では、トラッキング
が十分機能しなかった。
動量は、上述のように2dB以下でなければならず、そ
のためトラックピッチ精度も十分高くなければならな
い。変動量が2dB以下であるならば、大容量、高密度
化してもトラッキングサーボが安定にかかり、DVDと
同等のトラッキングサーボが可能である。本実施の形態
によれば、電気光学効果を用いた偏向器を設けることに
よって、狭トラックピッチの場合でもプッシュプルトラ
ッキングエラー信号の振幅変動を抑制することが可能と
なり、安定したトラッキングサーボを実現することが出
来る。
おける光ディスク原盤露光装置を示すブロック図であ
る。この装置は、図6に示した実施の形態3の装置に、
更に変調器401が設けられた構成を有する。
レーザ光106に対して、変調器401により変調が施
される。変調器401としては、音響光学素子を用いた
ものを使用する。これは以下の理由による。音響光学素
子ではなく電気光学素子を用いた変調器では、バイアス
コントロール用の余分なパワーが必要である。しかも波
長300nm以下ではディテクターの感度が低下するた
め、バイアスコントロール用に分けるパワーを強くする
必要がある。そのため全体としての透過率が低くなると
いう欠点がある。音響光学素子を用いた変調器401の
場合、そのような欠点はない。
から出射される0次光から1次光の方向が記録トラック
と平行となるように設定する。それにより、0次光から
1次光の方向がトラックピッチ精度に与える影響を排除
することができる。
置では、変調器の0次光から1次光の方向が偏向器によ
る偏向の方向と一致していたため、変調器で発生するビ
ームの揺れが直接トラックピッチの変動の要因となって
いた。しかし本実施の形態によれば、偏向用に電気光学
素子を用いた偏向器301を使用することで、変調器で
発生するビームの揺れの方向を、トラックピッチ精度を
悪化させないように記録トラックと平行にすることがで
きる。従って、プッシュプルトラッキングエラー信号の
変動を抑制し、狭いトラックピッチの場合でもトラッキ
ングサーボが適切に動作可能となる。
蛇行した溝を形成するための偏向器を利用して、基板デ
ィスクに至る光路中に介在する光学素子に起因して発生
するビームの揺れを補正すること等により、狭トラック
ピッチの光ディスク原盤に適用可能な高精度をもって、
基板ディスク上の露光用ビームの位置を制御可能であ
る。
盤露光装置を示すブロック図
置の他の例を示すブロック図
置を示すブロック図
部の構成の具体例を示すブロック図
置を示すブロック図
エラー信号の変動量の関係を示す図
置を示すブロック図
ック図
Claims (14)
- 【請求項1】 表面にフォトレジストが塗布された基板
ディスクを回転させながら、前記フォトレジストを露光
するためのビームを対物レンズにより前記フォトレジス
トに集光して、前記基板ディスク上に周方向のトラック
を形成するための露光を行い、その際、前記ビームに偏
向器を通過させて少なくとも一時的な偏向を伴わせる光
ディスク原盤露光方法において、 前記偏向器を通過した後の前記ビームを第一ビームと第
二ビームに分割し、前記第一ビームを前記フォトレジス
ト上に集光し、前記第二ビームの光路について現在位置
と目標位置の差分を検出し、前記差分に基づき、前記第
二ビームの光路が目標位置に位置するように前記偏向器
の偏向動作を補正することを特徴とする光ディスク原盤
露光方法。 - 【請求項2】 表面にフォトレジストが塗布された基板
ディスクを回転させながら、前記フォトレジストを露光
するためのビームを対物レンズにより前記フォトレジス
トに集光して、前記基板ディスク上に周方向のトラック
を形成するための露光を行い、その際、前記ビームに偏
向器を通過させて少なくとも一時的な偏向を伴わせる光
ディスク原盤露光方法において、 前記対物レンズと前記基板ディスクの中心間距離の現在
値と目標値の差分を検出し、前記差分に基づき、前記ビ
ームが前記基板ディスク上の目標位置に入射するように
前記偏向器の偏向動作を補正することを特徴とする光デ
ィスク原盤露光方法。 - 【請求項3】 前記対物レンズの移動方向における前記
基板ディスクの正規位置からの位置のずれを検出し、そ
の検出結果により前記差分の値を補正することを特徴と
する請求項2に記載の光ディスク原盤露光方法。 - 【請求項4】 表面にフォトレジストが塗布された基板
ディスクを回転させながら、前記フォトレジストを露光
するためのビームを対物レンズにより前記フォトレジス
トに集光して、前記基板ディスク上に周方向のトラック
を形成するための露光を行い、その際、前記ビームに偏
向器を通過させて少なくとも一時的な偏向を伴わせる光
ディスク原盤露光方法において、 前記ビームとして遠紫外線のレーザ光を使用し、前記偏
向器として電気光学素子により構成された偏向器を使用
することを特徴とする光ディスク原盤露光方法。 - 【請求項5】 トラックピッチが略0.35μm以下で
あることを特徴とする請求項4記載の光ディスク原盤露
光方法。 - 【請求項6】 前記偏向器に入射する前の前記レーザ光
を、音響光学素子を用いた変調器により、0次光から1
次光の方向が前記トラックと平行になるように変調する
ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク原盤露光
方法。 - 【請求項7】 トラックピッチが略0.35μm以下で
あることを特徴とする請求項6記載の光ディスク原盤露
光方法。 - 【請求項8】 表面にフォトレジストが塗布された基板
ディスクを回転させるためのターンテーブルと、前記フ
ォトレジストを露光するためのビームを出射するビーム
源と、前記ビームを偏向する偏向器と、前記偏向器に前
記ビームを偏向するための偏向信号を供給する偏向信号
源と、前記偏向器を通過した後の前記ビームを前記フォ
トレジストに集光する対物レンズと、前記ビームを前記
基板ディスクの径方向に移動させる送り機構とを備え、
前記基板ディスク上に周方向のトラックを形成するため
の露光を行う光ディスク原盤露光装置において、 前記偏向器を通過した後の前記ビームを第一ビームと第
二ビームに分割するビーム分割器と、前記第二ビームの
光路について現在位置と目標位置の差分を検出するビー
ム位置差分検出器と、前記ビーム位置差分検出器から出
力される信号に基づき、前記第二ビームの光路が前記目
標位置に位置するように前記偏向信号を補正する偏向信
号補正器とを更に備え、前記第一ビームは前記対物レン
ズに至る光路に導かれる光ディスク原盤露光装置。 - 【請求項9】 表面にフォトレジストが塗布された基板
ディスクを回転させるためのターンテーブルと、前記フ
ォトレジストを露光するためのビームを出射するビーム
源と、前記ビームを偏向する偏向器と、前記偏向器に前
記ビームを偏向するための偏向信号を供給する偏向信号
源と、前記偏向器を通過した後の前記ビームを前記フォ
トレジストに集光する対物レンズと、前記ビームを前記
基板ディスクの径方向に移動させる送り機構とを備え、
前記基板ディスク上に周方向のトラックを形成するため
の露光を行う光ディスク原盤露光装置において、 前記対物レンズと前記基板ディスクの中心間距離の現在
値と目標値の差分を検出する中心間距離差分検出器と、
前記中心間距離差分検出器から出力される信号に基づき
前記ビームが前記基板ディスク上の目標位置に入射する
ように前記偏向信号を補正する偏向信号補正器とを更に
備えたことを特徴とする光ディスク原盤露光装置。 - 【請求項10】 前記対物レンズの移動方向における前
記ターンテーブルの正規位置からの位置のずれを検出し
て前記中心間距離差分検出器に供給するターンテーブル
位置ずれ検出器を更に備え、前記中心間距離差分検出器
は、前記ターンテーブル位置ずれ検出器の出力に基づき
前記差分の値を補正することを特徴とする請求項9に記
載の光ディスク原盤露光装置。 - 【請求項11】 表面にフォトレジストが塗布された基
板ディスクを回転させるためのターンテーブルと、前記
フォトレジストを露光するためのビームを出射するビー
ム源と、前記ビームを偏向する偏向器と、前記偏向器に
前記ビームを偏向するための偏向信号を供給する偏向信
号源と、前記偏向器を通過した後の前記ビームを前記フ
ォトレジストに集光する対物レンズと、前記ビームを前
記基板ディスクの径方向に移動させる送り機構とを備
え、前記基板ディスク上に周方向のトラックを形成する
ための露光を行う光ディスク原盤露光装置において、 前記ビーム源として遠紫外線のレーザ光源を、前記偏向
器として電気光学素子により構成された偏向器を備えた
ことを特徴とする光ディスク原盤露光装置。 - 【請求項12】 トラックピッチが略0.35μm以下
であることを特徴とする請求項11記載の光ディスク原
盤露光装置。 - 【請求項13】 前記偏向器に入射する前の前記ビーム
光が通過する音響光学素子を用いた変調器を更に備え、
前記変調器は、0次光から1次光の方向が前記トラック
と平行になるように変調することを特徴とする請求項1
1に記載の光ディスク原盤露光装置。 - 【請求項14】 トラックピッチが略0.35μm以下
であることを特徴とする請求項13記載の光ディスク原
盤露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002239765A JP4018481B2 (ja) | 2001-08-23 | 2002-08-20 | 光ディスク原盤露光方法および原盤露光装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001252318 | 2001-08-23 | ||
JP2001-252318 | 2001-08-23 | ||
JP2002239765A JP4018481B2 (ja) | 2001-08-23 | 2002-08-20 | 光ディスク原盤露光方法および原盤露光装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003141759A true JP2003141759A (ja) | 2003-05-16 |
JP4018481B2 JP4018481B2 (ja) | 2007-12-05 |
Family
ID=26620832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002239765A Expired - Lifetime JP4018481B2 (ja) | 2001-08-23 | 2002-08-20 | 光ディスク原盤露光方法および原盤露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4018481B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008262667A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-10-30 | Mitsubishi Kagaku Media Co Ltd | 情報記録媒体及び原盤露光装置 |
-
2002
- 2002-08-20 JP JP2002239765A patent/JP4018481B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008262667A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-10-30 | Mitsubishi Kagaku Media Co Ltd | 情報記録媒体及び原盤露光装置 |
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JP4018481B2 (ja) | 2007-12-05 |
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